JP2008276164A - 光学用フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマー由来の単量体単位とプロピレン由来の単量体単位とを有するプロピレン系共重合体であって、広角X線回折測定により求められる結晶格子定数のa軸が6.60Åより大きく、b軸が21.1Åより大きいプロピレン系共重合体を主成分とする層を少なくとも1層含有する光学用フィルム。少なくとも一方向に延伸されてなる前記光学用フィルム。位相差フィルムである前記光学用フィルム。
【選択図】なし
Description
これらの光学用フィルムの材料には、例えば、ポリカーボネート樹脂や環状オレフィン重合体等の合成樹脂が用いられるが、これらの合成樹脂は高価である。安価な樹脂からなる光学フィルムとしては、例えば特許文献1に記載されているように、プロピレン−エチレン共重合体製フィルムからなる位相差板が知られている。
かかる現状において、本発明の解決しようとする課題、即ち、本発明の目的は、安価で光学的均質性に優れた光学用フィルムを提供することにある。
(1)プレスフィルムの作製
プロピレン系共重合体を230℃で5分間予熱後、5分間かけて5.0MPaまで昇圧し、5分間保圧する。その後、30℃で5分間冷却して厚さ1mmのサンプルを作成する。
(2)広角X線回折測定
前記(1)の方法で得られるサンプルについて、広角X線回折を以下の条件で測定する。
機種 リガク製 RINT2000
管球 Cu
電圧 50KV
電流 100mA
ダイバージェンススリット 1.0°
スキャッタースリット 1.0°
レシービングスリット 0.15°
測定範囲 2θ:5〜35°
(3)結晶格子定数の算出
得られた広角X線回折スペクトルにおいて、2θが16〜16.5付近に現れる結晶格子の(040)面の回折に由来する回折角、および2θが12.5〜15付近に現れる結晶格子の(110)面の回折に由来する回折角より、次式d=nλ/2sinθ(n=1,λ=1.54オングストローム)を用いて、それぞれ結晶格子面間隔d(040)、d(110)を求め、下記式にて結晶格子定数であるb軸、a軸長を求める。
b軸長=4d(040)
a軸長=b軸長×d(110)/(b軸長2−d(110) 2)1/2
重合方法としては、例えば、スラリー重合法、気相重合法、バルク重合法、溶液重合法等が挙げられる。また、これらの重合方法を単独で用いる一段重合法またはこれらの重合法を組み合わせた多段重合法が挙げられる。
本発明の光学用フィルムをTダイ押出成形法で製造するとき、Tダイより押し出された溶融体を冷却し固化させる方法としては、キャスティングロールとエアーチャンバーを用いて冷却する方法、キャスティングロールとタッチロールにより挟圧する方法、キャスティングロールと、該キャスティングロールにその周方向に沿って圧接するよう設けられた金属製の無端ベルトとの間で挟圧する方法などが挙げられる。冷却にキャスティングロールを用いる場合には、透明性により優れる位相差フィルムを得るために、使用するキャスティングロールの表面温度は、−10〜30℃であることが好ましい。
キャスティングロールとタッチロールにより挟圧する方法でフィルムを製造する場合、タッチロールとしては、ゴムロール、または弾性変形可能な金属製無端ベルトからなる外筒と、該外筒の内部に弾性変形可能な弾性体からなるロールとを有し、かつ前記外筒と弾性体ロールとの間が温度調節用媒体により満たされてなる構造のロールを用いることが、配向が小さく光学的均質性に優れるフィルムが得られることから好ましい。
タッチロールとしてゴムロールを使用する場合は、鏡面状の表面を有する位相差フィルムを得るために、Tダイより押し出された溶融体は、キャスティングロールとゴムロールとの間で支持体とともに挟圧することが好ましい。支持体としては、厚みが5〜50μmの熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィルムが好ましい。
キャスティングロールと、該キャスティングロールにその周方向に沿って圧接するよう設けられた金属製の無端ベルトとの間で挟圧する方法によりフィルムを成形する場合、前記無端ベルトは、キャスティングロールの周方向に該キャスティングロールと平行に配置された複数のロールによって保持されていることが好ましい。より好ましくは、無端ベルトが、直径100〜300mmの二本のロールで保持されてなり、無端ベルトの厚みが100〜500μmである。
縦延伸倍率は、限定はされないが、通常1.01〜5倍であり、光学的な均一性により優れる位相差フィルムが得られるため、1.05〜3倍であることが好ましい。
原反フィルムまたは縦延伸したフィルムを、前記フィルムを使用するプロピレン系共重合体の(Tm−30)℃以上、(Tm+10)℃以下の予熱温度で予熱する工程;
予熱された前記フィルムを、前記予熱温度よりも低い延伸温度で横方向に延伸する工程;
横方向に延伸された前記フィルムを熱固定する工程。
テンター法で横延伸する場合には、予熱工程を行うゾーン、延伸工程を行うゾーン、熱固定工程を行うゾーンのオーブン温度は独立に温度調節をすることができる装置を使用する。前記のような条件下で横延伸を行うことにより、軸精度に優れ、かつ均一な位相差を有する位相差フィルムを得ることができる。
横延伸の予熱工程は、フィルムを幅方向に延伸する工程の前に設置される工程であり、フィルムを延伸するのに十分な高さの温度まで該フィルムを加熱する工程である。ここで予熱工程での予熱温度は、オーブンの予熱工程を行うゾーン内の雰囲気の温度を意味し、延伸するフィルムに含まれるプロピレン系共重合体の融点以上の温度である。予熱温度は、得られる位相差フィルムの軸精度に大きく影響し、融点よりも低い予熱温度では、得られる位相差フィルムにおいて均一な位相差を達成することができない。延伸されるフィルムの予熱工程滞留時間は、30〜120秒であることが好ましい。この予熱工程での滞留時間が30秒に満たない場合は、延伸工程でフィルムが延伸されるときに応力が分散し、位相差フィルムとしての軸、位相差の均一性に不利な影響を及ぼす可能性があり、また、滞留時間が120秒を超える場合は、必要以上に熱を受け、フィルムが部分的に融解し、ドローダウン(下に垂れる)する可能性ある。予熱工程滞留時間は、30〜60秒であることがさらに好ましい。
横延伸の延伸工程は、フィルムを幅方向に延伸する工程である。この延伸工程での延伸温度(これは、オーブンの延伸工程を行うゾーン内の雰囲気の温度を意味する)は予熱温度より低い温度である。予熱されたフィルムを予熱工程よりも低い温度で延伸することにより、該フィルムを均一に延伸できるようになり、その結果、光軸および位相差の均一性が優れた位相差フィルムが得られる。延伸温度は、予熱工程における予熱温度より3〜20℃低いことが好ましく、5〜15℃低いことがより好ましい。
横延伸の熱固定工程とは、延伸工程終了時におけるフィルム幅を保った状態で該フィルムをオーブン内の所定温度の雰囲気内を通過させる工程である。フィルムの位相差や光軸など光学的特性の安定性を効果的に向上させるために、熱固定温度は、延伸工程における延伸温度よりも20℃低い温度から延伸温度よりも30℃高い温度までの範囲内であることが好ましい。
横延伸の工程は、更に熱緩和工程を有してもよい。この工程は、テンター法においては通常、延伸ゾーンと熱固定ゾーンとの間に設けられ、他のゾーンから独立して温度設定が可能な熱緩和ゾーンにおいて行われる。具体的には、熱緩和は、延伸工程においてフィルムを所定の幅に延伸した後、チャックの間隔を数%(通常は、0.1〜10%)だけ狭くし、無駄な歪を取り除くことで行われる。
本発明の位相差フィルムは、フィルム面内(500mm幅×500mm長さの面内)の位相差の最大値と最小値との差が10nm以下であり、フィルムの幅方向500mmの光軸を測定した場合、光軸が−1°以上+1°以下であり、光学的な均一性が高い位相差フィルムである。
[I]測定方法
物性測定は、下記のとおりに行った。
(1)結晶融解熱量および結晶化熱量および融点
JIS K 7122に従い、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、試料重合体を室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−50℃まで降温し(ステップ1)、−50℃で5分間保持した後、−50℃から200℃まで10℃/分で昇温し(ステップ2)、熱量測定を行った。ステップ1のDSC曲線の結晶化ピークより結晶化熱量を求め、ステップ2のDSC曲線の結晶融解ピークより結晶融解熱量を求めた。また該融解ピークの頂点の温度を融点(Tm)とした。
(2)プロピレン系共重合体中の1−ブテンに由来する単量体単位の含有量(mol%)
1−ブテンに由来する単量体単位の含有量は、IRスペクトル測定を行い、「高分子ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第619頁に記載されている方法に従って求めた。
(3)プロピレン系共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(mol%)
エチレンに由来する単量体単位の含有量はIRスペクトル測定を行い、「高分子ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている(i)ランダム共重合体に関する方法に従って求めた。
(4)メルトフローレイト(MFR、単位:g/10分)
JIS K 7210に従って、試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定した。
(5)プロピレン系共重合体の結晶格子定数(Å)
プロピレン系共重合体を神藤金属工業製の圧縮成形機AYSR−10型を用いて、230℃で5分間予熱後、5分間かけて5.0MPaまで昇圧し、5分間保圧した。その後、30℃で5分間冷却して厚さ1mmのサンプルを作成し、広角X線回折を以下の条件で測定した。
機種 リガク製 RINT2000
管球 Cu
電圧 50KV
電流 100mA
ダイバージェンススリット 1.0°
スキャッタースリット 1.0°
レシービングスリット 0.15°
測定範囲 2θ:5〜35°
得られた広角X線回折スペクトルにおいて、2θが16〜16.5付近に現れる結晶格子の(040)面の回折に由来する回折角、および2θが12.5〜15付近に現れる結晶格子の(110)面の回折に由来する回折角より、次式d=nλ/2sinθ(n=1,λ=1.54オングストローム)を用いて、それぞれ結晶格子面間隔d(040)、d(110)を求め、下記式にて結晶格子定数であるb軸、a軸長を求めた。
b軸長=4d(040)
a軸長=b軸長×d(110)/(b軸長2−d(110) 2)1/2
(6)面内位相差R0、厚さ方向位相差Rth
フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnz、厚さをdを測定し、面内の位相差値(R0)および厚さ方向の位相差値(Rth)は、それぞれ下式(I)および(II)で定義される。
R0=(nx−ny)×d (I)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (II)
各屈折率を、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA−WPR)を用いて、縦1.5倍、横4倍の逐次二軸延伸法によって得られたフィルムにおいて、幅300mmの位相差をn=16で測定し、その平均を算出した。
(7)光学的均質性
前記(4)で測定したRoの最大値と最小値の差を光学的均質性を表す指標とした。この差が小さいほど光学的均質性が高く、好ましい。
[プロピレン−1−ブテンランダム共重合体の製造]
[予備重合−1]
内容積3Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム25ミリモル、ターシャリーブチルノルマルプロピルジメトキシシラン2.5ミリモルと上記固体触媒成分15gを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン35gを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った後、予備重合スラリーを内容積150Lの攪拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン100Lを加えて、予備重合触媒成分のスラリーとした。
[重合工程−1]
内容積1440Lの攪拌機付き流動床反応器に、プロピレン、1−ブテン、水素、トリエチルアルミニウム、シクロヘキシルエチルジメトキシシランおよび予備重合触媒成分のスラリーを連続的に供給し、重合温度65℃、重合圧力1.1MPa、循環ガス風量150m3/時間、反応器内のプロピレン濃度68.7モル%、1−ブテン濃度23.1モル%、水素濃度8.16モル%、トリエチルアルミニウムの供給量31.6ミリモル/時間、ターシャリーブチルノルマルプロピルジメトキシシランの供給量3.17ミリモル/時間、予備重合触媒成分のスラリーの供給量が固体触媒成分換算として0.78g/時間の条件で連続的に重合を行った。得られた重合体(A−1)は14.5kg/時間で内容積325Lの反応器に抜き出され、固体触媒をメタノール0.3Lで失活させた後、回収ドラムで60℃、2時間窒素乾燥し、回収を行った。得られた重合体(1)の物性を表1に示す。得られた重合体(1)中のプロピレン由来の単量体単位は80mol%であり、1−ブテン由来の単量体単位は20mol%であった。MFRは8g/10分であった。
[光学用フィルムの作成]
あらかじめ、二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)社製:25μm)を繰出機より繰出し、金属製冷却ロールとシリコン製ゴムロールからなる挟圧部分を経由し巻取機で巻き取る通常の押出ラミネーション法の通紙ラインで通紙した。金属製冷却ロールとシリコン製ゴムロールの挟圧部分の真上に450mm巾Tダイを配置した状態で、上記で得られた重合体(1)を50mmφ押出機を用い240℃で溶融混練し、Tダイのリップから押出した溶融状シートを二軸延伸ポリエステルフィルム上に積層し、10℃に温調した金属製冷却ロールと10℃に温調したシリコン製ゴムロールにて挟圧し、ライン速度5m/分で冷却固化させた後、巻取機にて巻き取り、厚さ80μmの原反フィルムを得た。
前記原反フィルムを2組のニップロール間にオーブンを有するロングスパン縦延伸機に導入して縦延伸を行った。オーブンは2ゾーンに分かれており、各ゾーンの長さは1mであった。縦延伸の条件は、第1ゾーンの温度=90℃、第2ゾーンの温度=94℃、入口速度=5m/分、延伸倍率=1.5倍であった。縦延伸フィルムの厚みは73μm、面内位相差R0は630nm、厚み方向位相差Rthは350nmであった。
さらに、この縦延伸フィルムをテンター法で横延伸を行い、光学用フィルムを得た。横延伸の条件は、予熱ゾーンの温度=125℃、延伸ゾーンの温度=120℃、熱固定ゾーンの温度=120℃、延伸倍率=4倍、横延伸機の入口におけるチャック間距離=150mm、出口におけるチャック間距離=600mm、ライン速度=1m/分であった。得られた光学用フィルムの厚みは15μm、面内位相差R0は110nm、厚み方向位相差Rthは100nmであり、光学的均質性は8nmであった。光学的均質性は高く、位相差フィルムとして使用するのに適していた。
実施例1と同じ重合体(1)を用い、以下の方法に従って(6)の評価用の光学用フィルムを作成した。
[光学用フィルムの作製]
重合体(1)を、シリンダー温度を250℃とした50mmφ押出機に投入して溶融混練し、13kg/hの押出量で前記押出機に取り付けられた450mm巾Tダイより押出した。押出されたフィルム状の溶融重合体(1)を、13℃に温調した250mmφの冷却ロールと、13℃に温調した金属スリーブからなる外筒とその内部にある弾性体ロールから構成されるタッチロールにより挟圧して冷却し、厚さ100μmの原反フィルムを得た。Tダイの吐出口とロールとの距離(エアーギャップ)は20mm、冷却ロールとタッチロールとの間で溶融状シートを挟圧した距離は10mmであった。
前記原反フィルムを2組のニップロール間にオーブンを有するロングスパン縦延伸機に導入して縦延伸を行った。オーブンは2ゾーンに分かれており、各ゾーンの長さは1mであった。縦延伸の条件は、第1ゾーンの温度=90℃、第2ゾーンの温度=94℃、入口速度=5m/分、延伸倍率=1.5倍であった。縦延伸フィルムの厚みは90μm、面内位相差R0は800nm、厚み方向位相差Rthは450nmであった。
さらに、この縦延伸フィルムをテンター法で横延伸を行い、光学用フィルムを得た。横延伸の条件は、予熱ゾーンの温度=128℃、延伸ゾーンの温度=120℃、熱固定ゾーンの温度=120℃、延伸倍率=4倍、横延伸機の入口におけるチャック間距離=150mm、出口におけるチャック間距離=600mm、ライン速度=1m/分であった。得られた光学用フィルムの厚みは19μm、面内位相差R0は90nm、厚み方向位相差Rthは140nmであり、光学均質性は10nmであった。光学的均質性は高く、位相差フィルムとして使用するのに適していた。
使用する樹脂をプロピレン−エチレンランダム共重合体(1)(プロピレン由来の単量体単位は93mol%、エチレン由来の単量体単位は7mol%。Tm=137℃、結晶融解熱量=77J/g、a軸長=6.59Å、b軸長=21.04Å、MFR=7g/10分)とした以外は、実施例1と同様にして厚さ140μm原反フィルムを作製した。前記原反フィルムを2組のニップロール間にオーブンを有するロングスパン縦延伸機に導入して縦延伸を行った。オーブンは2ゾーンに分かれており、各ゾーンの長さは1mであった。縦延伸の条件は、第1ゾーンの温度=126℃、第2ゾーンの温度=130℃、入口速度=6m/分、延伸倍率=2倍であった。縦延伸フィルムの厚みは100μm、面内位相差R0は1080nm、厚み方向位相差Rthは580nmであった。
さらに、この縦延伸フィルムをテンター法で横延伸を行い、光学用フィルムを得た。横延伸の条件は、予熱ゾーンの温度=141℃、延伸ゾーンの温度=131℃、熱固定ゾーンの温度=131℃、延伸倍率=4倍、横延伸機の入口におけるチャック間距離=150mm、出口におけるチャック間距離=600mm、ライン速度=1m/分であった。得られた光学用フィルムの厚みは21μm、面内位相差R0は50nm、厚み方向位相差Rthは120nmであり、光学的均質性は20nmであり、光学的均質性が低かった。
使用する樹脂をプロピレン−1−ブテンランダム共重合体(2)(プロピレン由来の単量体単位は98mol%、1−ブテン由来の単量体単位は2mol%。Tm=158℃、MFR=2g/10分)とし、押出機で溶融混練する温度を300℃とした以外は実施例1と同様にして原反フィルムを作製した。
前記原反フィルムを2組のニップロール間にオーブンを有するロングスパン縦延伸機に導入して縦延伸を行った。オーブンは2ゾーンに分かれており、各ゾーンの長さは1mであった。縦延伸の条件は、第1ゾーンの温度=142℃、第2ゾーンの温度=146℃、入口速度=5m/分、延伸倍率=1.5倍であった。縦延伸フィルムの厚みは68μm、面内位相差R0は700nm、厚み方向位相差Rthは410nmであった。
さらに、この縦延伸フィルムをテンター法で横延伸を行い、光学用フィルムを得た。横延伸の条件は、予熱ゾーンの温度=158℃、延伸ゾーンの温度=148℃、熱固定ゾーンの温度=148℃、延伸倍率=4倍、横延伸機の入口におけるチャック間距離=150mm、出口におけるチャック間距離=600mm、ライン速度=1m/分であった。得られた光学用フィルムの厚みは17μm、面内位相差R0は130nm、厚み方向位相差Rthは130nmであり、光学的均質性は54nmであり、光学的均質性が低かった。
使用する樹脂をプロピレン−エチレンランダム共重合体(2)(プロピレン由来の単量体単位は99.3mol%、エチレン由来の単量体単位は0.7mol%。Tm=159℃、結晶融解熱量90J/g、MFR=2g/10分)とし、押出機で溶融混練する温度を300℃とした以外は実施例1と同様にして原反フィルムを作製した。
前記原反フィルムを2組のニップロール間にオーブンを有するロングスパン縦延伸機に導入して縦延伸を行った。オーブンは2ゾーンに分かれており、各ゾーンの長さは1mであった。縦延伸の条件は、第1ゾーンの温度=142℃、第2ゾーンの温度=146℃、入口速度=5m/分、延伸倍率=1.5倍であった。縦延伸フィルムの厚みは69μm、面内位相差R0は800nm、厚み方向位相差Rthは410nmであった。
さらに、この縦延伸フィルムをテンター法で横延伸を行い、光学フィルムを得た。横延伸の条件は、予熱ゾーンの温度=158℃、延伸ゾーンの温度=148℃、熱固定ゾーンの温度=148℃、延伸倍率=4倍、横延伸機の入口におけるチャック間距離=150mm、出口におけるチャック間距離=600mm、ライン速度=1m/分であった。得られた光学用フィルムの厚みは17μm、面内位相差R0は180nm、厚み方向位相差Rthは150nmであり、光学的均質性は75nmであり、光学的均質性が低かった。
Claims (3)
- エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマー由来の単量体単位とプロピレン由来の単量体単位とを有するプロピレン系共重合体であって、広角X線回折測定により求められる結晶格子定数のa軸が6.60Åより大きく、b軸が21.1Åより大きいプロピレン系共重合体を主成分とする層を少なくとも1層含有する光学用フィルム。
- 請求項1に記載の光学用フィルムが、少なくとも一方向に延伸されてなる光学用フィルム。
- 光学用フィルムが位相差フィルムである請求項1または2のいずれかに記載の光学用フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007245041A JP2008276164A (ja) | 2007-03-30 | 2007-09-21 | 光学用フィルム |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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