JP4857837B2 - プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法に関する。
液晶パネルの構成部材である位相差フィルムや偏光板保護フィルムなどに用いられる光学フィルムには、高い光学的な均質性が求められる。位相差フィルムは、原反フィルムを延伸して分子の配向軸と配向度を制御し、所望の位相差を発現させることにより得られる。したがって、延伸前の原反シートにも、高いレベルの光学的均質性が要求される。
上記したように、位相差フィルム用原反シートには、シートそのものにフィッシュアイやブツ、あるいはダイラインと呼ばれるスジなどの欠陥がないこと、高透明であること等に加えて、厚み偏差が少なく、配向のない無配向なシートであることが要求される。このようなシートの製造方法としては、例えば特許文献1に記載されているような方法が知られている。
特開2004−306549号公報
特許文献1に記載された方法とは、熱可塑性樹脂を押出機のダイからフィルム状の溶融押出して金属又はセラミックからなる冷却ロールと該ロールの周方向に圧接して回転するゴムロールとの間隙に支持体層とともに挟圧し、熱可塑性樹脂層を支持体層とともに該熱可塑性樹脂層が冷却するまで引き取り張力の下に搬送した後、支持体層を剥離分離して熱可塑性樹脂フィルムを得る方法である。
上記文献における熱可塑性樹脂とは、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィンのような高価な特殊材料である。一方市場からは、より低価格な位相差フィルムが望まれており、プロピレン系樹脂のような安価な材料を用いて位相差フィルムを製造する試みもなされている。しかしながらプロピレン系樹脂を用いて従来の方法により位相差フィルム用原反シートを製造した場合には、透明性が高くかつ配向が小さい)低位相差)シートを得ることは困難であった。
本発明は、透明性が高く、かつ配向の小さいプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法を提供するものである。
すなわち本発明は、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法において、プロピレン系樹脂をTダイより180℃以上300℃以下で押出しした溶融状シートを、表面温度が0℃以上30℃以下の金属製冷却ロールと、該金属製冷却ロールの周方向に圧接して回転する表面温度が0℃以上30℃以下のゴムロールとの間に、厚みが5μm以上50μm未満の熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムとともに挟圧することを特徴とするプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法である。
本発明の製造方法によれば、高透明でかつ配向の小さいプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを得ることができる。
本発明におけるプロピレン系樹脂とは、エチレン、及び炭素原子数4〜12のα―オレフィンの群から選択される1つ以上のモノマーとプロピレンとのランダム共重合体、あるいは、プロピレンの単独重合体である。位相差フィルムの耐熱性の観点から、該位相差フィルムを構成する樹脂としてプロピレン系共重合体を用いる場合、その組成は、該共重合体の重量を100%としたとき、プロピレン由来の構成単位が80重量%以上100重量%未満の共重合体であり、好ましくは90重量%以上100重量%未満である。このような共重合体からなる位相差フィルムは、熱収縮が起こりにくく、該位相差フィルムを液晶パネルに組み込んで使用した場合に、色むらが少ない。
本発明におけるプロピレン系樹脂としては、上記したようなプロピレン由来の構成単位が80重量%以上100重量%未満のランダム共重合体またはプロピレン単独重合体であれば、分子量やプロピレン由来の構成単位の構成割合、タクチシティーなどが異なる2種類以上の重合体をブレンドして用いてもよい。また、本発明におけるプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートは、本発明の効果を阻害しない範囲で、りん系やフェノール系などの酸化防止剤、金属不活性剤、中和剤、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、粘着付与剤、帯電防止剤、スリップ剤などを含有していてもよい。
本発明では、プロピレン系樹脂をTダイより押出しした溶融状シートを、金属製冷却ロールと、該金属製冷却ロールの周方向に圧接して回転するゴムロールとの間で、熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムとともに挟圧することにより、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを製造する。
プロピレン系樹脂は押出機中で溶融混練され、Tダイよりシート状に押出される。押出される溶融状シートの温度は、180℃以上300℃以下である。溶融状シートの温度が180℃未満の場合には、延展性に劣るため、得られる原反フィルムは厚みが不均一であり、位相差ムラのあるフィルムとなる。一方溶融状シートの温度が300℃を超える場合には、樹脂の劣化や分解が起こり、シート中に気泡が生じたり、炭化物が含まれたりすることがある。
プロピレン系樹脂を押出機中で溶融混練する際に用いられるスクリューとしては、単軸押出機の場合、L/D=24〜36、圧縮比1.5〜4のフルフライトタイプ、バリアタイプ、さらにマドック型の混練部分を有するタイプを用いることができる。プロピレン系樹脂の劣化・分解を抑制し、均一に溶融混練するという観点から、L/D=28〜36、圧縮比2.5〜3.5のバリアタイプのスクリューを用いることが好ましい。また、プロピレン系樹脂の劣化・分解を抑制するため、押出機内は、窒素雰囲気、あるいは真空にすることが好ましい。
また、プロピレン系樹脂が劣化・分解した場合に発生する揮発ガスを取り除くため、押出機先端に1mm以上5mmφ以下のオリフィスを設け、押出機先端部分の樹脂圧力を高めることも好ましい。オリフィスの押出機先端部分の樹脂圧力を高めるとは、先端での背圧を高めることを意味しており、これにより押出の安定を向上させることができる。使用するオリフィスは、より好ましくは2mmφ以上4mmφ以下である。
本発明において使用されるTダイは、樹脂の流路表面に微小な段差や傷のないものが好ましく、また、そのリップ部分は、溶融したプロピレン系樹脂との摩擦係数の小さい材料でめっき、あるいはコーティングされ、さらにリップ先端が0.3mmφ以下に研磨されたシャープエッジ形状のものが好ましい。摩擦係数の低い材料としては、タングステンカーバイド系、フッ素系の特殊めっきなどが挙げられる。上記のようなTダイを用いることにより、目ヤニの発生を抑制でき、同時にダイラインを抑制できるので、外観の均一性により優れる位相差フィルム用原反シートが得られる。使用するTダイは、マニホールドがコートハンガー形状であり、かつ下記式(1)または(2)を満たすことが好ましく、式(3)、または式(4)を満たすことがより好ましい。
Tダイのリップ巾1500mm未満の時:
Tダイの厚み方向長さ>180mm・・・式(1)
Tダイのリップ巾1500mm以上の時:
Tダイの厚み方向長さ>220mm・・・式(2)
Tダイのリップ巾1500mm未満の時:
Tダイの高さ方向長さ>250mm・・・式(3)
Tダイのリップ巾1500mm以上の時:
Tダイの高さ方向長さ>280mm・・・式(4)
上記式を満たすTダイを用いることにより、Tダイ内部での溶融状プロピレン系樹脂の流れを整えることができ、かつ、リップ部分でも厚みムラを抑えながら押出すことができるため、より厚み精度に優れ、位相差のより均一な原反シートを得ることができる。
プロピレン系樹脂の押出変動を抑制する観点から、押出機とTダイとの間にアダプターを介してギアポンプを取り付けることが好ましい。また、プロピレン系樹脂中にある異物を取り除くため、リーフディスクフィルターを取り付けることが好ましい。
Tダイより押出された溶融状シートは、表面温度が0℃以上30℃以下に調整された金属製冷却ロール(チルロール)と、該金属製冷却ロールの周方向に圧接して回転する表面温度が0℃以上30℃以下に調整されたゴムロールとの間に、厚みが5μm以上50μm未満の熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムとともに挟圧されて冷却固化し、位相差フィルム用原反シートが得られる。金属製冷却ロールとゴムロールの表面温度は、いずれも0℃以上30℃以下の範囲に調整することが必要である。前記ロールの表面温度が30℃を超える場合、溶融状シートの冷却固化に時間がかかるため、プロピレン系樹脂中の結晶成分が成長してしまい、得られる原反シートは透明性に劣るものとなる。一方、ロールの表面温度が0℃未満の場合、金属製冷却ロールの表面が結露して水滴が付着し、シートの外観を悪化させるため好ましくない。
使用する金属製冷却ロールは、その表面が位相差フィルム用原反シート表面に転写することから、その表面は可能な限り鏡面状態であることが好ましい。具体的には、金属製冷却ロールの表面の粗度は2.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5μm以下である。金属製冷却ロールとニップ部分を作るゴムロールは、その表面硬度が65〜80であることが好ましく、70〜80であることがより好ましい。このような表面硬度のゴムロールを用いることにより、溶融状シートにかかる線圧を均一に維持することが容易となり、かつ、金属製冷却ロールとゴムロールとの間に溶融状シートをバンク(樹脂溜り)を形成することなく成形することが容易となる。バンクが形成されると、得られる原反シートの位相差が大きくなる傾向がある。
溶融状シートを挟圧する圧力(線圧)は、金属製冷却ロールに対してゴムロールを押し付ける圧力により決まる。線圧は、50N/cm以上300N/cm以下が好ましく、100N/cm以上250N/cm以下がより好ましい。線圧を前記範囲とすることにより、バンクを形成することなく、一定の線圧を維持しながら原反シートを製造することが容易となる。
金属製冷却ロールとゴムロールの間で、溶融状シートとともに挟圧される厚み5μm以上50μm未満の熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムとしては、平滑性に優れるものを用いることが好ましい。溶融状シートの片面は、熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムと接した状態で、ロール間で挟圧されるため、得られる原反シートの片面には、前記二軸延伸フィルムの表面状態が転写される。したがって、使用する熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムの表面粗度が小さく、平滑であればあるほど、得られる原反シートの平滑性は良好となり、位相差ムラを小さくすることができる。使用する熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムの表面粗度は0.01μm以上1.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01μm以上1.0μm以下である。また使用する熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムの厚みは、本願発明のように製造する原反シートがプロピレン系樹脂製である場合には5μm以上50μm未満であることが必要であり、好ましくは10μm以上30μm以下である。使用する熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムが5μmより薄い場合、皺なく通紙することが困難になるなど、ハンドリングで問題を生じるため好ましくなく、一方、50μm以上である場合は、溶融状シートの冷却効率が悪くなり、得られる原反シートの透明性が悪化するため好ましくない。前記二軸延伸フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、プロピレン系樹脂と強固に熱融着しない樹脂であればよく、具体的にはポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリルなどである。これらの内、湿度や熱などによる寸法変化の少ないポリエステルが最も好ましい。
本発明の製造方法において、Tダイのリップから金属製冷却ロールとゴムロールで挟圧されるまでの距離(エアギャップ)を、200mm以下とすることが好ましく、160mm以下とすることがより好ましい。Tダイより押出された溶融状シートは、リップからロールまでの間引き伸ばされて、配向が生じやすくなる。エアギャップの範囲をこのようにすることにより、配向のより小さい原反シートを得ることができる。エアギャップの下限値は、使用する金属製冷却ロールの径とゴムロールの径、および使用するリップの先端形状により決定され、通常50mm以上である。
本発明における位相差フィルム用原反シートを製造する加工速度は、溶融状シートを冷却固化するために必要な時間により決定される。使用する金属製冷却ロールの径が大きくなると、溶融状シートと前記ロールとの接触する距離が長くなるため、より高速での製造が可能となる。具体的には、600mmφの金属製冷却ロールを用いる場合、加工速度は、最大で15〜20m/min程度となる。
金属製ロールとゴムロールとの間で二軸延伸フィルムとともに挟圧された溶融状シートは、ロールと接触して冷却固化された後、前記二軸延伸フィルムと積層された状態で、必要に応じて端部をスリットした後、巻取機にて巻き取られ、位相差フィルム用原反シートとなる。熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムを巻取機の前で剥離し、位相差フィルム用原反シートのみを巻き取ることも可能である。また、原反シートの熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムと接する面とは反対側の面に、熱可塑性樹脂製保護フィルムを積層した後、巻き取ってもよい。またさらに、前記位相差フィルム用原反シートから、熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムを剥離除去した後、別の熱可塑性樹脂製保護フィルムを前記原反シートの片面、または両面に積層してもよい。ロール間で挟圧した熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムを原反シートから剥離する場合には、該原反シートの温度が、60℃以下、好ましくは40℃以下まで冷却されたあとに剥離除去することが好ましい。原反シートの温度が高い状態で二軸延伸フィルムを剥離すると、原反シートが変形して配向を生じ、位相差が大きくなることがある。
本発明で得られるプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの厚みは、通常50μm以上400μm以下である。製造する原反シートの厚みが厚すぎる場合は、ロールにより冷却効率が悪くなり、得られるシートの透明性に劣ることがある。一方原反シートの厚みが薄すぎる場合には、該原反シートを延伸して位相差フィルムを製造する際の取り扱いが困難となることがある。
本発明で得られるプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートは、透明性に優れ、かつ配向の小さい、すなわち位相差の小さいシートである。具体的にその透明性は、JIS K7136で測定される全HAZE値が10以下、好ましくは7以下である。原反シートの位相差値は、通常0nm以上7nm以下、好ましくは0nm以上5nm以下である。得られる原反シートのHAZE値および位相差値がこのような値となるように、材料や厚みを適宜選択すればよい。
本発明により得られるプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを延伸することにより、プロピレン系樹脂製位相差フィルムが得られる。延伸は、ロール延伸、ロングスパン延伸などの縦一軸延伸、テンター法による横一軸延伸、これらを組み合わせた逐次二軸延伸、さらには、同時二軸延伸などの方法が用いられる。オーブン中で加熱し、該オーブンの入口および出口に配置されたニップロールの速度比による延伸を行うロングスパン延伸(縦一軸延伸)のあとに、テンター法による横延伸を組み合わせた逐次二軸延伸法で延伸することが、得られる位相差フィルムの配向軸の均一性や位相差ムラなどの光学特性の点から好ましい。
本発明の製造方法で得られるプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを延伸する際に、延伸倍率等の延伸条件を制御することによって、それぞれの用途に応じた位相差を発現させることができ、テレビ、パソコン用モニター、カーナビ、デジタルカメラ、携帯電話などの各種液晶パネルに適した位相差フィルムを得ることができる。また延伸条件の選択によっては、偏光板保護フィルムとしても使用することができる。
以下に実施例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(1)全HAZE値の測定
得られる位相差フィルム用原反シートと熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムとの積層フィルムから熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムを剥離除去して位相差フィルム用原反シートのみとした後、該原反シートについて、JIS K7136に従い全HAZE値の測定を行った。内部HAZEは、測定するシートをフタル酸ジメチルで満たしたセルの中に入れ測定した。
(2)位相差値の測定
得られる位相差フィルム用原反シートと熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムとの積層フィルムから熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムを剥離除去して位相差フィルム用原反シートのみとした後、該原反シートについて、王子計測器サービス(株)製自動複屈折計KOBRA−WPRを用いて測定を行った。
(3)押出ラミネート加工
住友重機械(株)製押出ラミネーターに、800mm巾Tダイ(厚み352mm、高さ350mm)を取付けた装置を用いた。熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムを繰出機より繰出し、金属製冷却ロールとゴムロールからなる挟圧部分を経由し巻取機で巻き取る通常の通紙ラインで通紙し、金属の冷却ロールとゴムロールの挟圧部分の真上にTダイを配置した状態(エアギャップ=150mm)で、65mmΦ押出機(L/D=32、CR=3、バリアタイプスクリュー)で所定の温度でプロピレン系樹脂を溶融混練し、Tダイのリップから押出した溶融状シートを熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルム上に積層し、所定温度に温調した金属製冷却ロールとゴムロールにて挟圧し冷却固化させた後、巻取機にて巻き取った。使用した金属製冷却ロールの表面粗度は0.5μm以下、ゴムロール(シリコン製)の硬度は75であった。
(4)総合判定
全HAZE値が10以下、位相差値が7nm以下の二つの条件をともに満たす場合を○、どちらか片方のみを満たす場合を△、二つの条件をともに満たさない場合を×とした。
[実施例1]
熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムとして、二軸延伸ポリエステル(東洋紡績(株)社製:25μm、表面粗度1μm)を用い、押出ラミネーターに通紙した。プロピレン系樹脂(エチレン−プロピレン共重合体:プロピレン由来の構成単位の割合=95.4重量%、融点=136℃)を樹脂温度250℃となるように65mmΦ押出機にて溶融混練し、800mm巾のTダイリップより該プロピレン系樹脂を押出し、熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルム上に積層した。他の加工条件は、表1に示したとおりであった。得られたプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを前記した方法により評価した。評価結果を表1に示した。
[実施例2]
金属製冷却ロールとゴムロール間の線圧を200N/cmとした以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを得た。結果を表1に示した。
[実施例3]
金属製冷却ロールとゴムロール間の線圧を250N/cmとした以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを得た。結果を表1に示した。
[実施例4]
加工速度を20m/minから10m/minとした以外は、実施例2と同様にして、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを得た。結果を表1に示した。
[実施例5]
熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムの厚みを12μmとした以外は実施例4と同様にして、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを得た。結果を表1に示した。
[比較例1]
熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムの厚みを50μmとした以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを得た。結果を表1に示した。
[比較例2]
金属製冷却ロールとゴムロール間の線圧を200N/cmとした以外は比較例1と同様にして、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを得た。結果を表1に示した。
[比較例3]
冷却ロールの温度を40℃にした以外は比較例2と同様にして、プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートを得た。結果を表1に示した。
Figure 0004857837
本発明のプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法の模式図である。
符号の説明
1:押出機
2:ホッパー
3:ギアポンプ
4:リーフディスクフィルター
5:アダプター
6:コンバーター
7:Tダイ
8:溶融状シート
9:熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルム
10:ゴムロール
11:金属製冷却ロール
12:ドクターロール
13:剥離ロール
14:プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シート

Claims (2)

  1. プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法において、プロピレン系樹脂をTダイより180℃以上300℃以下で押出しした溶融状シートを、表面温度が0℃以上30℃以下の金属製冷却ロールと、該金属製冷却ロールの周方向に圧接して回転する表面温度が0℃以上30℃以下のゴムロールとの間に、厚みが5μm以上25μm以下の熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムとともに挟圧して積層フィルムを得、前記積層フィルムから前記熱可塑性樹脂製二軸延伸フィルムを剥離除去することを特徴とするプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法。
  2. プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートが、プロピレン由来の構成単位を80〜100重量部含有するプロピレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1記載のプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法。
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