JP3920805B2 - 光学用フィルムの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学用フィルムの製造法に関し、さらに詳しくは、厚みむらが少なく、優れた平滑性を持ち、全面に亘り均一な光学特性を有する光学用フィルムの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置には光学フィルム又はシート(以後、フィルムと総称)が多用されている。液晶表示装置には、偏光を発生させるための偏光膜や表面に透明電極を設けたタッチパネル及び透明電極を設けたガラス基盤に代わるプラスチック基盤と液晶分子から発生するリターデーション等からの光学位相差を補償するための位相差板等が配備されている。
【0003】
偏光膜にあっては、延伸ポリビニルアルコールヨード吸着膜等の例では、湿気から守るために耐湿性の保護膜が貼合される。このような保護膜として、通常、トリアセチルセルローズのキャストフィルムが使用されている。タッチパネルはフィルム基盤上に透明導電層を設けて使用され、通常、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが使用されている。これらのフィルムには、透明性、防湿性、複屈折性の改善が要望されている。更に、透明電極を設けたガラス基盤に代わるプラスチック基盤が嘱望されている。これらには、次に述べる位相差板とともに、各種の高分子フィルムが提案されている。
【0004】
位相差板には、延伸した光学フィルムが使用される。かかる光学フィルムには、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド等の高分子フィルムが挙げられる。そして、位相差板は、これらの高分子フィルムを一軸又は二軸に延伸して配向させることにより得られる。
【0005】
近年、前記液晶表示装置用の各種光学フィルムの合理化、品質向上が求められている。正確な液晶表示を得るためには、これらの光学フィルムには、第1に、全面に亘って残留応力が少なく低い位相差でありバラツキも少ないこと、第2に、位相差は厚みにも比例するので厚みむらやダイラインがないこと、及び厚みも所望の厚みに等しくすること、が必要である。第3に、当然、フィルム傷、異物の混入、しわ等は避けなければならない。
【0006】
従来、光学用フィルムの製造方法としては、以下のような方法が提案されている。
【0007】
(1)樹脂を溶剤に溶解させて溶液とし、この溶液を無端の金属ベルトまたはベースフィルムの上に流延した後、溶剤を乾燥除去して樹脂層を形成し、その後、樹脂層を無端の金属ベルトまたはベースフィルムから剥離分離する方法(特許文献1参照)。
(2)樹脂を押出機を用いてダイから膜状に溶融押出し、冷却ロールにて冷却して得る方法(特許文献2〜4参照)。
【0008】
しかしながら、上記(1)の方法では、溶剤を完全に乾燥して除去することは難しく、残留溶剤にむらが出来ると延伸の際に応力むらとなり、均一な位相差を実現出来ない。従って、これを避けるためには乾燥設備を充実させ大量のエネルギーが必要であり、その結果、、製造設備が高くなり、またランニングコストが高くなる。その上に、溶剤により作業環境が悪化する虞れがあり、その保全に費用がかかる。
上記(2)の方法は、複数の冷却ロールを用いることが多く、従って、各ロール間で収縮応力が発生し引張応力が残留してしまう。これを避けるためには、温度とロールの回転速度の精密な制御などの方法があるが、残留応力を一定にすることは困難である。その上に、得られるフィルムには、厚みむら、ダイライン、ギヤマークが発生しやすく、光学用途に供する原反は得られ難い。
【0009】
この溶融押出法の欠点を改善するために、押出機のダイから吐出した溶融樹脂を一対のロールによって挟圧する方法が提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、この方法では光学的用途に供し得るような、ダイライン、ギヤーマーク、厚みむらを解決したフィルムを提供することは困難である。また、一対のロールの挟圧では不十分と見られ、無端金属ベルトを上下に設置し、その間に溶融樹脂を挟圧する方法が提案されている(特許文献6参照)。しかし、この方法でも挟圧の個所が金属ベルトを挟圧するロール間の挟圧のみであり、金属ベルトと樹脂との密着が不足したりして均一なフィルムが得られ難い。
【0010】
無端金属ベルトによる挟圧を改善するために、多くの提案がなされている。例えば、ポリプロピレンの場合には、1個のキャストロールと1個の無端金属ベルトとを組み合わせ、金属ベルトをキャストロールの円弧に沿わせて挟圧する方法がある(特許文献7、8参照)。更に、この方法をベースに、冷却温度を押出樹脂のガラス転移温度の周辺に設定する方法(特許文献9参照)、またはガラス転移温度より高めに設定する方法(特許文献10参照)、金属ロールから剥離後の引き取り速度を調節する方法(特許文献11参照)、剥離ロールをキャストロールの直近に設ける方法(特許文献12参照)が提案されている。しかしながら、これらの方法は、残留位相差の発生を極力防ぐなど、一定の品質を得るのが困難で、また設備、運転のコストが高くなる。
【0011】
一方、挟圧の方法を金属と金属間から金属とゴム物質との挟圧により溶融樹脂の挟圧効果を上げようとする試みがある。その一例として、ロール間の一定の間隙を保つためにスプリングや油圧ピストン等の押圧手段を組み合わせた提案がなされている(特許文献13参照)が、フィルム表面の特性に不満が残る。
【0012】
更に、基材上の押出ポリオレフィンの表面性を改善するために、鏡面光沢を有するフィルムを積層転写し、この面を金属蒸着する方法(特許文献14参照)が知られているが、紙を基材とするラミネート加工紙の光沢の改善であって、光学フィルムの製造を何ら示唆するものではない。
【0013】
【特許文献1】
特開平4−301415号公報
【特許文献2】
特開平4−118213号公報
【特許文献3】
特開平4−166319号公報
【特許文献4】
特開平4−275129号公報
【特許文献5】
特開昭62−48523号公報
【特許文献6】
特開平3−75110号公報
【特許文献7】
特開平6−170919号公報
【特許文献8】
特開平6−166089号公報
【特許文献9】
特開平9−239812号公報
【特許文献10】
特開2000−280268号公報
【特許文献11】
特開平9−290427号公報
【特許文献12】
特開平10−16034号公報
【特許文献13】
特開2000−280315号公報
【特許文献14】
特開昭59−5056号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の有する問題点を解消し、液晶表示装置に使用される各種の光学フィルム、例えば、位相差板用光学フィルム等の原反として有用な、ダイラインやギアーマーク等の厚みむらがなく、均一な厚みの残留位相差のほとんどない光学用フィルム、及び該光学用フィルムを用いて位相差フィルム等を安価で生産性よく製造せんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる実情に鑑み、上記課題を解決するべく鋭意研究の結果、押出ダイよりフィルム状に溶融押出した熱可塑性樹脂を支持体層とともに金属又はセラミックからなる冷却ロールとゴムロールとで挟圧して擬似的接着状態で搬送させた後、支持体層を剥離除去することにより目的とする光学用フィルムが得られることを見い出し本発明に到達した。
【0016】
即ち、本発明の請求項1に係る発明は、熱可塑性樹脂を押出機のダイからフィルム状に溶融押出して、金属又はセラミックからなる冷却ロールと該ロールの周方向に圧接して回転するゴムロールとの間隙に合成樹脂フィルムまたは紙をベースとした塗工紙からなる支持体層とともに挟圧し、熱可塑性樹脂層を支持体層とともに該熱可塑性樹脂層が冷却するまで引き取り張力の下に搬送した後、支持体層を剥離分離して熱可塑性樹脂フィルムを得ることを特徴とする光学用フィルムの製造法を内容とする。
【0018】
本発明の請求項2に係る発明は、支持体層をゴムロールと接する側に配備して熱可塑性樹脂層を挟圧する請求項1記載の光学用フィルムの製造法を内容とする。
【0019】
本発明の請求項3に係る発明は、支持体層をゴムロールと接する側及び冷却ロールと接する側の双方に配備して熱可塑性樹脂層を挟圧する請求項1記載の光学用フィルムの製造法を内容とする。
【0020】
本発明の請求項4に係る発明は、熱可塑性樹脂が環状ポリオレフィンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造法を内容とする。
【0021】
本発明の請求項5に係る発明は、支持体層が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造法を内容とする。
【0022】
本発明の請求項6に係る発明は、平滑性が平均粗さRaで0.01μm以下であり、複屈折性がリターデーションで30nm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造法を内容とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
溶融押出法によって光学用フィルムを製造しようとする場合、各種の工夫と改良を重ねても押出ダイより発生するダイラインと溶融押出樹脂の剪断による樹脂の流れ、冷却による樹脂の収縮及び引き取りによるフィルムにかかる応力によって残留位相差が発生する。これを改善するために、通常は金属ロールと金属ロールまたは平滑な金属ベルトとの間に挟圧して平滑面を写し取り、更に押出方向の樹脂の流れとダイラインなどの押出方向の樹脂の厚みむらを、圧力により他の方向への樹脂の流れを生じせしめて解消しようと試みられてきた。
【0024】
本発明者らは、硬質素材、即ち、金属またはセラミックスからなる冷却ロールと、軟質素材からなるロール、即ち、ゴムロールとを用い、しかも熱の不良導体の合成樹脂フィルムまたは紙をベースとした塗工紙等からなる支持体層を介して溶融押出樹脂層を挟圧することにより、金属と金属の挟圧の場合よりも圧力による他の方向への樹脂の流れが生じやすく、表面の平滑面の写し取りも良好で、ダイラインの消滅及びダイ内流動による残留応力が大巾に減少することを見い出した。
【0025】
更に、溶融押出樹脂層を支持体層とともに適切な温度まで搬送するので、冷却による収縮と引き取りの応力を目的とする光学用フィルムに与えることが避けられ、これによりダイラインなどの厚みむらと、製造過程により発生する残留位相差を同時に解消できることを見い出した。
【0026】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、光学フィルムの製造に適した樹脂が選ばれる。このためには、透明な樹脂であること、及び、例えば組み込まれた液晶表示装置の使用時の信頼性を高めるために、耐熱性や耐湿度性が実用的に差支えない程度に備えていることが求められる。このような熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン等が好適である。なかでも環状ポリオレフィンは他の熱可塑性樹脂に比較して、分子が配向した時に分子の配向による複屈折が生じにくいため、光学フィルムの原反の製造に適している。
【0027】
環状ポリオレフィンとは、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものである。脂環式構造としてはシクロアルカン、シクロアルケン構造を挙げ得るが、シクロアルカン構造が光学用としては適している。これらの脂環式構造の単位は5〜15個の炭素原子数が好ましい。そして、これらの脂環式構造を有する単位が50重量%以上含まれる重合体が好ましい。このような重合体としては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、側鎖脂環式構造を有する炭化水素重合体及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でもノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物が好ましい。
【0028】
本発明の溶融押出成形方法を説明するための模式図を図1に示した。同図では、押出ダイ1から、押し出されたフィルム状の溶融樹脂8の部分より示す。押出機は単軸、二軸または溶融混練機のいずれでもよい。それぞれのスクリューの形状は適宜選択され、特に限定されない。通常スクリューの直径は40〜150mm、L/Dはは20〜35、好ましくは25〜30であり、圧縮比は2.5〜4である。
【0029】
樹脂投入のホッパー内部とシリンダーの溶融ゾーンを窒素パージして酸素濃度を下げておくと、無色透明の劣化の少ないフィルムが得られるので好ましい。
【0030】
溶融樹脂は、メッシュまたは多孔質フィルター材を通過して異物を除いた後、ギヤーポンプを通して一定の時間当たりの吐出量を確保するのが好ましい。その後、押出ダイ1からフィルム状の溶融樹脂8として押出される。押出ダイ1はシートやフィルムを成形するために用いられる通常の形状のものでよい。例えば、コートハンガー型、ストレートマニホールド型、フィッシュテール型ダイが使用できる。押出ダイ1の開孔部の間隙は目的とするシートやフィルムの厚みに応じて選定されるが、通常は0.1〜3mm程度である。
【0031】
図1において、押出ダイ1から押し出されたフィルム状の溶融樹脂8は、金属又はセラミックからなる冷却ロール2とゴムロール3の間に挟圧された支持体層9の間に挟み込まれる。ゴムロール3は、溶融樹脂8の全幅に均一な押出し圧力を与えるために金属のバックアップロール4により冷却ロール2の側へ押さえ付けられている。押さえ付け圧力は適宜選ばれるが、ゴムロールの接触面積当たり5kg/cm2 〜50kg/cm2 程度である。ゴムロールは金属芯の外周に同心円状に各種のゴム状物質を巻いた構造であり、ゴム状物質の厚さは適宜選ばれる。ゴム状物質の硬度は任意であるが、やや硬い方が好ましい。ゴム状物質は、SBR、NBR、クロロプレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリエステルエラストマー、ウレタンゴム、シリコンゴム等とこれらの配合物等から選ばれる。
【0032】
冷却ロール2は精密に温度制御され、通常、溶融樹脂8のガラス転移温度を中心として+50℃から−50℃の範囲が適切である。溶融樹脂8は冷却ロール2と支持体層9に挟まれながら支持体層9と擬似的に接着された状態で第2冷却ロール5に搬送され、一定の張力の下で該冷却ロール5に押し付けられて冷却され、成形フィルムとされる。
【0033】
成形フィルム11と支持体層9は擬似的な接着状態で第2冷却ロール5から第3冷却ロール6により調節された引き取り力で引き取られ、ここで支持体層9を剥離分離した成形フィルム11はロール7を経てフィルム製品12として巻取りリール(図示せず)に送られ巻き取られる。各ロールは連動して、または独立に駆動力を与えられて、支持体層9と溶融樹脂8もしくは成形フィルム11とがともに搬送されるように運転される。
【0034】
図2は、フィルム状の溶融樹脂8の両側、即ち、ゴムロール3と接する側及び冷却ロール2と接する側の双方に支持体層9及び10を配した場合の模式図である。冷却ロールの温度条件を含めて、図1の片側の支持体層の場合とほぼ同じ要領で運転される。成形フィルム11は、冷却ロール6、ロール7によりそれぞれの支持体層9及び10が剥離分離されてフィルム製品12として巻き取られる。
【0035】
挟圧される支持体層としては、金属に比べて熱の不良導体である、合成樹脂のフィルム類や紙をベースとする塗工紙が使用される。支持体層の表面の平滑性が、目的とするフィルム製品の表面に転写されるおそれがあるので、できるだけ平坦な凹凸の少ない表面を有する支持体層が好ましく、JISB0601に定められた中心線平均粗さで0.01μm以下の表面粗さ特性を有する支持体層が好ましい。更に、合成樹脂のフィルム類にあっては、フィルム状に押出された溶融樹脂に耐えるものでなければならない。従って、比較的耐熱性の高い、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルフィド、ポリイミド等のフィルム類、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリエチレンナフタレート等の二軸延伸フィルム、等を挙げることができる。特に、平滑性の良好な点で、溶剤によるキャスティングによって得られる上記樹脂からなるフィルム類やトリアセチルアセテートのキャスティングフィルム及び二軸延伸のポリエステルフィルム類が好ましい。そして、フィルム状に押し出された溶融樹脂と支持体層は挟圧されてともに搬送される。押出樹脂と支持体層は、疑似的に接着しても冷却後に剥離分離できれば同種であっても異種であってもよい。
【0036】
紙をベースとする塗工紙では、紙の凹凸をなくした塗工紙が選ばれる。このような塗工紙としては、例えば、合成皮革用工程紙、アート紙などがある。支持体層の膜厚は限定されないが、薄すぎると効果少なく、厚すぎると運転に支障を起こしやすい。従って、通常、50μm〜ら200μmが適している。
支持体層は、溶融樹脂と挟圧される前に予熱して供給することができる。その温度は運転の冷却温度以上で支持体層が熱収縮を起こさない温度である。
【0037】
支持体層と溶融樹脂層とは、上記したように、冷却され剥離分離されるまではともに搬送される。両者が異種の場合には接着が不足してともに搬送し難い場合があるが、このような場合には、支持体層側の接着力を増すために積層側の面をコロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、プラズマ放電処理などの表面処理を行うことが好ましい。
【0038】
各種の光学フィルムの原反として用いられる押出フィルムとしては、ダイラインがなく膜厚の均一なフィルムが要求される。膜厚の最大と最小の差は平均膜厚の5%以下が好ましく、より好ましくは2%以下である。フィルムの表面の粗さは、JISB0601にもとづいた中心線平均粗さRaで0.01μm以下が好ましい。ダイラインの解消は、溶融樹脂を適切なフィルター材を通して異物を減少させること、及び焼け樹脂の発生の少ない押出条件を設定してダイからのダイラインを減少せしめフィルム状に押出されるダイの内面平滑性は無論のこと、ダイ間隙の調整を厳密に行い、支持体層と挟圧される運転条件を最適化することによって達成される。
【0039】
更に、各種の光学フィルムの原反として用いられる押出フィルムとしては、ばらつきの殆どない低複屈折フィルムであることが必要である。このばらつきはリターデーションをnmで表示した場合5nm以下が好ましく、これを実現するにはフィルムのリターデーションが小さい方が有利であるので、膜厚100μmでは30nm以下、好ましくは10nm以下とするのが良い。このためには、適切な樹脂を選び、更に適切な支持体層を選び挟圧する条件を調節するとともに、その他の運転条件を適切に設定することが必要である。このようなばらつきの小さいフィルムは、分子配向時に複屈折の生じ難い光弾性係数の小さい環状ポリオレフィンを使用して支持体層と挟圧成形することにより十分に達成することができる。
【0040】
上記の如くして得られた光学用フィルムは、ヨード吸着延伸ポリビニルアルコール偏光膜の耐湿保護膜として、各種の粘着剤又は接着剤と貼合して使用することができる。更に、表面に透明導電層を設けたタッチパネルや液晶表示用ガラス基盤代替のプラスチック基盤では、金属酸化物膜、例えばITO(インジウム−酸化スズ)膜やAZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)膜等をスパッタリングや金属蒸着によって形成することができる。
更に、位相差板には、上記の光学フィルムを原反として、予熱された後、一定の温度の下で周速度の異なる2本のロール間でフィルムの巻き方向と同一方に延伸することにより、縦方向延伸の位相差フィルムが得られる。これに対して、光学フィルム原反をフィルムの両脇をクランプやピンでつかみ、走行しながら走行方向と直交した方向に伸ばすことにより、横方向の位相差フィルムが得られる。同様に、クランプやピンを走行しながら走行方向とこれと直交した方向の両方向に引き伸ばすと同時二軸延伸フィルムとなり、厚み方向の位相差フィルムが得られる。また、縦または横方向に延伸した後、さらにどちらからの方向に2段に延伸することもできる。延伸倍率は通常1.5〜4倍である。延伸に代えて、フィルム幅方向に縮まることないロール間の圧延によっても延伸効果を得ることができる。
【0041】
得られた延伸光学フィルムは、各種光学用フィルムとして有用であり、例えば、位相差板として、通常、延伸方向に対してバイアス方向に裁断して液晶表示装置の光学補償のために組み込まれる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0043】
実施例1
環状ポリオレフィン樹脂(アートンD4531、Tg132℃、JSR株式会社製)を、図1の模式図にのっとり、内径65mmのL/D32の単軸スクリューにて多孔質のフィルターを通した後、ギアーポンプで一定吐出量で幅884mmの押出ダイ1よりフィルム状に押し出した。押出ダイ1としては、チョークレスのコートハンガーダイを用いた。押出ダイ1より吐出した溶融樹脂11の温度は278℃であった。
【0044】
支持体層9として、膜厚75μmで、表面粗さ特性が中心線平均粗さで0.005μm、最大粗さで0.07μm、10点平均粗さで0.07μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(O3LF8、帝人デュポンフィルム株式会社製)をゴムロール3側に配備し、フィルム状の溶融樹脂を面圧12kg/cm2 の圧力で冷却ロール(金属製)2との間に挟圧した。冷却ロール2は90℃に保持された。支持体層9と溶融樹脂層8はともに47℃に保たれた第2の冷却ロール5に搬送され、次いで、35℃に保たれた第3の冷却ロール6に搬送され、ここで支持体層9のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離分離して巻き取り、一方、成形フィルム11は次のロール7を経てフィルム製品12として巻き取った。運転ラインの速度は6m/分で運転した。
【0045】
得られた成形フィルム(フィルム製品)の特性は、下記の方法によって観察・測定された。その結果を表1に示した。
【0046】
ダイライン:
斜めに置いた試料フィルム面に平行光線を入射させ、透過した光線をスクリーンに写し出して、光の線状の濃淡を確認する。
【0047】
膜厚:
試料フィルム幅方向に20mm間隔で35個所の膜厚を膜厚計により測定して平均値を求めるとともに、最高と最低の公差を求めた。
【0048】
表面粗さ特性:
キーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK−8500を用いて、200μm×200μmの面積を有する試料フィルムからフィルム幅方向に3個所採取し、JISB0601に準拠して中心線平均粗さRa、最大粗さRmax、10点平均粗さRzを算出して平均値を求める。支持体層接触面(ゴムロール側)を表とし、冷却ロール側を裏として測定した。
【0049】
リターデーション:
自動複屈折計 KOBRA−21ADHによりニコル偏光子とニコル検光子をとともに平行に置き、試料フィルムに単一波長光束を照射して光線軸回りに1回転したときの透過光強度の角度依存性から位相差を算出する。
測定波長590nm、試料寸法35mm×35mm
試料は幅方向に5個採取し、5個所の平均値と最高と最低の公差を求めた。
【0050】
実施例2
支持体層としての二軸延伸ポリエチレンテレフタレートの膜厚を実施例1の75μmから125μmに変更した以外は実施例1と同様の方法で成形フィルム(フィルム製品12)を製造し、諸特性を測定した。結果を表1に示した。
【0051】
実施例3
一の支持体層9をゴムロール3側に配備し、他の支持体層10を冷却ロール2側にも配備して、溶融樹脂層8を両面より挟圧する以外は実施例1と同様の方法によって成形フィルム11(フィルム製品12)を得て諸特性を測定した。結果を表1に示した。
【0052】
実施例4
実施例1の運転ラインの速度を12m/分に変更して、これに合わせた吐出量を押し出し、実施例1と略同一の膜厚になるようにした以外は実施例1と同様の方法で成形フィルム11(フィルム製品12)を得た。このフィルムの諸特性を表1に示した。
【0053】
比較例1
実施例1のゴムロール3と冷却ロール2の間を完全に解放して、フィルム状の溶融樹脂層8を冷却ロール2の頂上部に接するように押出して、支持体層9を用いず、またゴムロール3と挟圧することなく実施例1と同一のパスラインを通して成形フィルム11(フィルム製品12)を得た。得られたフィルムの諸特性を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
表1から明かなように、支持体層とともに溶融樹脂層を挟圧して成形したフィルムは、支持体層の表面粗さ特性に近いフィルムが得られ、ダイラインも殆ど視認できないことがわかる。更に、リターデーションは、支持体層を用いず挟圧しない押出しフィルムに比べて極度に低下していることがわかる。このリターデーションの低下は、実施例3の如く、両面支持体層挟圧がより効果的であるが、実施例1、2、4の如く、片面でも十分に効果がある。そして、リターデーションは支持体層の膜厚にはあまり影響を受けず、また、運転速度にもあまり影響を受けない。
【0056】
実施例5
実施例1の環状ポリオレフィン樹脂に代えてポリカーボネート(パンライトL1225ZE、帝人株式会社製)を実施例1と同一の装置によりフィルム状の溶融樹脂層8を押出した。押出し樹脂温度は280℃であった。
該溶融樹脂層8に挟圧される支持体層9としては、溶液キャストによって製造されたポリカーボネートの100μmのフィルム(鐘淵化学工業株式会社製エルメック)を用い、それ以外は実施例1と同様にして成形フィルム(フィルム製品)を得た。支持体層の溶液キャストフィルムと溶融押出したフィルムとは疑似接着するので、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートを運転の当初の部分に剥離ガイドとして挿入して挟圧すると、これより剥離点となり実施例1と同一の個所で剥離が可能となる。得られた成形フィルム11(フィルム製品12)の特性値は表2に示した。
【0057】
比較例2
実施例5で使用した、溶液キャストしたポリカーボネートフィルムの特性値を表2に併記した。
【0058】
【表2】
【0059】
表2より明かなように、溶液キャストによって得られたフィルムを支持体層として溶融樹脂層を挟圧してフィルム成形することにより、表面粗さの特性はほぼ溶液キャストフィルムの表面性に近くなり、ダイラインの発生も防ぐことができる。更に、リターデーションは、挟圧によって溶液キャストフィルムに近いリターデーションを有するフィルムが得られる。
【0060】
【発明の効果】
叙上のとおり、フィルム状に溶融押出した樹脂を熱不良導体の合成樹脂フィルムまたは紙をベースとした塗工紙からなる支持体層とともに硬軟ロール間、即ち、金属又はセラミック製ロールとゴムロール間に挟圧して成形する本発明の方法は、ダイラインを解消し、リターデーションが小さく、そのバラツキも少ない光学用に適したフィルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学用フィルムを、片面支持体層を配備し挟圧して製造する場合の模式図である。
【図2】本発明の光学用フィルムを、両面支持体層を配備し挟圧して製造する場合の模式図である。
【符号の説明】
1 押出ダイ
2 金属又はセラミックからなる冷却ロール
3 ゴムロール
4 バックアップロール
5 第2冷却ロール
6 第3冷却ロール
7 ロール
8 熱可塑性樹脂層、フィルム状溶融樹脂(層)
9 ゴムロール側支持体層
10 冷却ロール側支持体層
11 成形フィルム
12 フィルム製品
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂を押出機のダイからフィルム状に溶融押出して金属又はセラミックからなる冷却ロールと該ロールの周方向に圧接して回転するゴムロールとの間隙に合成樹脂フィルムまたは紙をベースとした塗工紙からなる支持体層とともに挟圧し、熱可塑性樹脂層を支持体層とともに該熱可塑性樹脂層が冷却するまで引き取り張力の下に搬送した後、支持体層を剥離分離して熱可塑性樹脂フィルムを得ることを特徴とする光学用フィルムの製造法。
- 支持体層をゴムロールと接する側に配備して熱可塑性樹脂層を挟圧する請求項1記載の光学用フィルムの製造法。
- 支持体層をゴムロールと接する側及び冷却ロールと接する側の双方に配備して熱可塑性樹脂層を挟圧する請求項1記載の光学用フィルムの製造法。
- 熱可塑性樹脂が環状ポリオレフィンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造法。
- 支持体層が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造法。
- 平滑性が平均粗さRaで0.01μm以下であり、複屈折性がリターデーションで30nm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造法。
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