JP2007038487A - 光学用フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フィルムの全幅に亘り厚み変動がなく、ダイライン、ギヤーマークやその他の縞模様がなく、リターデーションとそのバラツキも小さい、光学用に適したフィルムを溶融押出により製造する方法を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂を溶融押出するに際し、金属又はセラミックの冷却ロール2とゴムロール3との間隙に溶融樹脂層8を外気と遮断できるように覆って支持体層9とともに挟圧することを特徴とする光学用フィルムの製造方法である。
【選択図】図4
【解決手段】 熱可塑性樹脂を溶融押出するに際し、金属又はセラミックの冷却ロール2とゴムロール3との間隙に溶融樹脂層8を外気と遮断できるように覆って支持体層9とともに挟圧することを特徴とする光学用フィルムの製造方法である。
【選択図】図4
Description
本発明は光学用フィルムの製造方法に関し、更に詳しくは、光学むらの原因となる厚みむらが少なく、優れた平滑性を持ち、全面に亘り均一な光学特性を有する光学用フィルムを溶融押出によって製造する方法に関する。
近年、液晶表示装置には光学用フィルム又はシート(以後、フィルムと総称)が多用されている。これらの光学用フィルムは、偏光を発生させるための偏光膜の保護膜、表面に透明電極を設けたタッチパネル用の基盤フィルム、及び液晶分子から発生するリターデーション等からの光学位相差を補償するための位相差板等として用いられている。
これらの光学用フィルムには、第1に、全面に亘って残留応力が少なく低い位相差でありバラツキも少ないこと、第2に、位相差は厚みにも比例するので厚みむらやダイラインがないこと、及び厚みも所望の厚みに等しくすること、が必要である。第3に、当然、フィルム傷、異物の混入、しわ等は避けなければならない。
これらの光学用フィルムには、第1に、全面に亘って残留応力が少なく低い位相差でありバラツキも少ないこと、第2に、位相差は厚みにも比例するので厚みむらやダイラインがないこと、及び厚みも所望の厚みに等しくすること、が必要である。第3に、当然、フィルム傷、異物の混入、しわ等は避けなければならない。
従来、これらの光学用フィルムは樹脂を溶剤に溶解させて溶液とし、この溶液を無端の金属ベルト又はベースフィルムの上に流延した後、溶剤を乾燥除去して樹脂層を形成し、その後、樹脂層を無端の金属ベルト又はベースフィルムから剥離分離する溶剤キャスト法が用いられてきた。しかしながら、この方法では設備費、ランニングコストが高くなるとともに、溶剤による作業環境への悪影響が避けられず、従って、抜本的な合理化とともに、品質の向上も求められている。
近年、環状ポリオレフィンによるフィルムが高い透明性と耐熱性を有し、低い吸湿性であって、その上に分子配向時に複屈折が生じ難いので光学用フィルムとして注目されるようになった。この材料を用いて上記のような問題を含む溶剤キャスト法ではなく溶融押出法によって製造する方法が期待されている。
溶融押出法によって光学用フィルムを製造しようとする場合の欠点は、押出ダイより発生するダイラインと溶融押出樹脂の剪断による樹脂の流れ、冷却による樹脂の収縮及び引き取りによるフィルムにかかる応力によって残留位相差が発生することにある。これを改善するために、通常は金属ロールと金属ロール又は平滑な金属ベルトとの間に挟圧して平滑面を写し取り、更に押出方向の樹脂の流れとダイラインなどの押出方向の樹脂の厚みむらを、圧力により他の方向への樹脂の流れを生じせしめることにより解消しようと試みられてきた(特許文献1参照)。
しかし、この方法でも残留位相差の発生は十分には解消されず、また剥離模様が出やすい等の欠点があり、これを改善するために、熱可塑性樹脂を挟圧している最下流のロールの回転軸心と冷却ロールとの回転軸心間の距離を一定の関係とすることにより、熱可塑性樹脂にかかる挟圧力を均一にする方法が提案されている(特許文献2参照)。
最近になって、金属ロールとゴムロールにより溶融樹脂を直接挟圧して光学用フィルムを得た例が報告されている(特許文献3参照)。この場合は、加硫ゴムロール上に同じゴムの溶液又はエマルジョンを塗布して凹凸を調製し、且つ、ゴムロールと金属ロールの間隙の調節によってフィルムの表面特性を調節しようとするものである。しかし、この方法では、ロングランで製造した時のゴムロールの耐久性に問題があり、また、安定したフィルム表面性が得られ難い。
また、このような技術として、硬質素材、即ち、金属又はセラミックからなる冷却ロールと、軟質素材からなるロール、即ち、ゴムロールとを用い、しかも熱の不良導体の合成樹脂フィルム等からなる支持体層を介して溶融押出樹脂層を挟圧することにより、金属と金属の挟圧の場合よりも支持体層と押出樹脂との接着性や密着性を強め、ゴムロールによる圧力の分配を起こし、ダイからの溶融樹脂の厚みむらが生じていても他の方向へ樹脂の流れを生じやすくするとともに平坦化して、且つ、溶融樹脂が写し取りやすいゴムロール表面の精度を支持体層により緩和し、支持体層の表面の平滑性を良く写し取り、ロングラン性を高め、ダイラインの消滅及びダイ内流動による残留応力を大巾に減少させる方法が提案されている(特許文献4参照)。
しかし、金属又はセラミックからなる冷却ロールとゴムロールとの間隙に溶融樹脂と支持体層を挟圧してフィルムを製造する場合、押出ダイの吐出口を2本のロール間の間隙に或る距離以上に接近させることはできず、どうしてもエアーギャップが生ずる。エアーギャップ内では吐出された溶融樹脂層はカーテン状となり、空間内でフリーとなるため極めて不安定な状態になり、空気の流れにも影響を受けてカーテン状の溶融樹脂層が揺れ、ダイライン、ギヤーマーク等の製品フィルムの厚みむらの原因となる。
特開平6−170919号公報
特開平10−10321号公報
特開2004−155101号公報
特開2004−306549号公報
本発明は、上記実情に鑑み、溶融押出によって光学用フィルムを製造するために金属又はセラミックからなる冷却ロールとゴムロールとの間隙に溶融樹脂層と支持体層を挟圧して製造する場合、押出ダイの吐出口と2本のロール間の間隙との間のエアーギャップ内でのカーテン状の溶融樹脂層の不安定さを解消して、厚みむらやダイライン、ギャーマーク等のむらがなく、均一な厚みの残留位相差のほとんどない光学用フィルムを安価で生産性よく製造することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究の結果、押出ダイよりフィルム状に溶融押出した熱可塑性樹脂を支持体層とともに金属又はセラミックからなる冷却ロールとゴムロールとで挟圧して、目的とする光学用フィルムを製造する場合に、押出ダイの吐出口と2本のロール間の間隙との間のエアーギャップ内が、押出ダイや溶融樹脂の温度と冷却ロールや支持体層の温度との温度差で起きる空気流の乱れが原因でカーテン状の溶融樹脂層の揺れを生じ、ダイラインやギヤマーク等の厚みむらの原因となることを見い出して本発明に至った。
即ち、本発明の請求項1は、熱可塑性樹脂を押出ダイより溶融押出して金属又はセラミックの冷却ロールとゴムロールとの間隙に溶融樹脂層を支持体層とともに挟圧してフィルムを製造するに際し、前記押出ダイ吐出口より前記金属又はセラミックの冷却ロールとゴムロールとの間隙に前記支持体層とともに挟圧する個所までの溶融樹脂層(以下、溶融体カーテンと記す)の周辺の空間を実質的に外気と遮断することを特徴とする光学用フィルムの製造方法である。
本発明の請求項2は、覆いを設けることにより溶融体カーテンの周辺の空間を実質的に外気と遮断することを特徴とする請求項1記載の光学用フィルムの製造方法である。
本発明の請求項3は、覆いを冷却ロールとゴムロールの回転及び供給する支持体層の走行の妨げにならない程度に接近して設けることを特徴とする請求項2記載の光学用フィルムの製造方法である。
本発明の請求項4は、押出ダイと冷却ロールとの温度差が150℃から250℃の範囲に設定された溶融体カーテンの周辺空間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法である。
本発明の請求項5は、覆いが保温又は加熱の機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法である。
本発明の請求項6は、押出ダイ内の溶融樹脂層の流路の方向及び溶融体カーテンの落下方向と、冷却ロールとゴムロールにより溶融樹脂層及び支持体層と挟圧する個所との関係がすべてほぼ鉛直の方向にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法である。
本発明の請求項7は、熱可塑性樹脂が環状ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法である。
本発明の製造方法によれば、エアーギャップ内の空気流の乱れが防止され、その結果、カーテン状の溶融樹脂層の揺れが生じないため、厚みむらが少なく、優れた平滑性を有し僅かな光学的オーダーの凹凸もなく、低いリターデーションで、全面に亘り均一な光学特性を有する光学用フィルムが提供される。
熱可塑性樹脂を押出ダイより溶融押出して金属又はセラミックからなる冷却ロールとゴムロールとの間隙に溶融樹脂層と支持体層を挟圧して光学用フィルムを製造する方法では、押出ダイの吐出口と2本のロール間の間隙との間にエアーギャップが生ずる。エアーギャップ内では、吐出された溶融樹脂層はカーテン状(以下、溶融体カーテンと称す)となり、この空間内でフリーとなって不安定な状況を生ずる。この不安定な溶融体カーテンを避けるためには、エアーギャップを極力短くすることである。しかし、この距離は、冷却ロールとゴムロールの径とその配置、及び押出ダイ吐出口周辺の形状等によって決まるので、短くするにも自ら限界がある。
冷却ロール及びゴムロールの径はそれぞれ制限的であり、配置も精度よい挟圧条件を満たすためには両ロールの軸は水平位置が好ましく、且つ、溶融体カーテンをほぼ鉛直方向に受け止め挟圧するのが好ましい。
この関係を図1の模式図で表す。同図において、押出ダイ1の溶融樹脂の流路方向と押出ダイ吐出口1aから吐出された溶融樹脂層8のエアーギャップ内の溶融体カーテン8aの方向及び支持体層9と冷却ロール2とゴムロール3との挟圧する接点の位置が、すべてほぼ鉛直の関係にあることが望ましい。しかし、支持体層が供給される方向とは対称的に、溶融体カーテンを僅かにその反対側から送り込んでも良いが、溶融体カーテン8aの長さは、冷却ロール2又はゴムロール3の径のいずれか大きい方の径と押出ダイ吐出口1a周辺の形状によって決まる。
押出ダイ吐出口1a周辺の形状は、吐出物の幅方向の精度を高めるために設計上必要な押出ダイ1の厚みを確保して、その上、ダイ吐出口1aの間隙調整用のボルト等で形状が決められる。冷却ロール2及びゴムロール3の径は、フィルムの生産量、とりわけフィルム製品幅及び生産速度に応じて適宜決められる。通常、冷却ロール2の径はゴムロール3の径よりも大きく、従って、冷却ロール2の径がエアーギャップ量を決めることになる。一例として、冷却ロール2の幅2050mmで直径450mmの場合、エアーギャップ量は現状では85mm程度必要となる。
エアーギャップ内では、押出ダイ、溶融樹脂の温度と、冷却ロール、ゴムロール及び供給される支持体層の温度との間に大きな温度差がある。溶融押出樹脂は耐熱性樹脂にあっては、例えば、押出ダイは330℃程度の温度を要し、冷却ロールには80℃程度を必要とする。通常の樹脂にあっては、耐熱性樹脂より低い温度でよく、例えば、200℃程度の押出ダイに対し、冷却ロールは50℃程度で実施される。従って、押出ダイと冷却ロールとの温度差は、150℃以上250℃程度である。
その上、押出ダイ吐出口1aの間隙調整用のボルト等で空気の流路に差が出やすく、溶融体カーテン8aの周辺の空気が乱れ(揺れ)やすい。空気の乱れは、押出ダイ吐出口1aの先端での溶融体カーテン8aの液離れの程度を変化させ製品のフィルムの厚みに変化を与えることがわかり、溶融体カーテン8の周辺の空気の乱れを防止することが光学用フィルムの製造に必要であることがわかった。このためには、溶融体カーテン8aの周辺と外気とを遮断することが有効であることを見い出した。
溶融体カーテン8aと外気との遮断には、図4に示すように、溶融体カーテン8aの周辺を覆う方法が有効である。この覆い13は、回転する冷却ロール2及びゴムロール3と覆いの間、及び供給し走行する支持体層9の間は、回転や走行の妨げにならない程度に接近することにより、溶融体カーテン8aの周辺と外気とを実質的に遮断し、空気の乱れを減じることができる。
従って、空気の乱れを防ぐための覆い13は、押出ダイ1の底面が平坦である場合は両ロール2、3や支持体層9と接近することで覆いの一部とすることができるが、膜厚調整装置や押出ダイ両端等の凹凸のある場合は覆いが必要である。
覆い13の材料は、金属やプラスチック等特に制約はないが、溶融体カーテンからの揮発物がある場合には付着する液滴を防ぐ必要があり、保温や加熱機能を覆い13に付加しておくことが必要な場合がある。
覆い13の材料は、金属やプラスチック等特に制約はないが、溶融体カーテンからの揮発物がある場合には付着する液滴を防ぐ必要があり、保温や加熱機能を覆い13に付加しておくことが必要な場合がある。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、光学用フィルムの製造に適した樹脂が選ばれる。このためには、透明な樹脂であること、及び、例えば、組み込まれた液晶表示装置の使用時の信頼性を高めるために、耐熱性や耐湿度性を実用的に差支えない程度に備えていることが求められる。このような熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、芳香族ポリエステル、環状ポリオレフィン等が好適である。なかでも環状ポリオレフィンは他の熱可塑性樹脂に比較して、低吸湿性で耐熱性が高く、優れた光学特性を有し、特に分子が配向した時に分子の配向による複屈折が生じにくいため、光学用フィルムの原反の製造に適している。
環状ポリオレフィンとは、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものである。脂環式構造としてはシクロアルカン、シクロアルケン構造を挙げ得るが、シクロアルカン構造が光学用としては適している。これらの脂環式構造の単位は5〜15個の炭素原子数が好ましい。そして、これらの脂環式構造を有する単位が50重量%以上含まれる重合体が好ましい。このような重合体としては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、側鎖脂環式構造を有する炭化水素重合体及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でもノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物が好ましい。これらの代表的な樹脂として、アートン(JSR株式会社製商品名)、ゼオネックス(日本ゼオン株式会社製商品名)、ゼオノア(日本ゼオン株式会社製商品名)、アペル(三井化学株式会社製商品名)等を挙げることができる。
本発明の溶融押出成形方法を説明するための模式図を図2に示す。同図では、押出ダイ1から押し出されたフィルム状の溶融樹脂8の部分より示す。押出機は単軸、二軸又は溶融混練機のいずれでもよい。それぞれのスクリューの形状は適宜選択され、特に限定されない。通常、スクリューの直径は40〜150mm、L/Dはは20〜38、好ましくは25〜34であり、圧縮比は2.5〜4である。
樹脂の押出機への投入方法には特に制約はないが、ホッパー内の樹脂粉の発生が極力少なくなるように乾燥、搬送すること、乾燥温度に近い±2℃の樹脂温度で押出機に投入すること、又はガラス転移温度(Tg)の高い樹脂種ではTgの60%〜80%の温度に加温するとスクリュー内の滞留時間が短くなり良質のフィルムが得られやすい。更に、ホッパー内部とシリンダーの溶融ゾーンを窒素パージして酸素濃度を下げることは好ましい態様である。
溶融樹脂は、メッシュ又は多孔質フィルター材を通過して異物を除いた後、ギヤーポンプを通して一定の時間当たりの吐出量を確保するのが好ましい。その後、押出ダイ1からフィルム状の溶融樹脂8として押出される。押出ダイ1はシートやフィルムを成形するために用いられる通常の形状のものでよい。例えば、コートハンガー型、ストレートマニホールド型、フィッシュテール型ダイが使用できる。押出ダイ1の開孔部の間隙は目的とするシートやフィルムの厚みに応じて選定されるが、通常は0.3mm〜3mm程度である。
図2において、押出ダイ1から押し出されたフィルム状の溶融樹脂8は、金属又はセラミックからなる冷却ロール2とゴムロール3の間に支持体層9とともに挟み込まれる。ゴムロール3は、溶融樹脂8の全幅に均一な圧力を与えるために金属のバックアップロール4により冷却ロール2の側へ押さえ付けられる、冷却ロール2との間隙が設定される。
冷却ロール2とゴムロール3との間隙の設定は、バックアップロール4を通じて設定された押圧力によって調節される。押圧力は、空気圧を通じてエアーシリンダーによりバックアップロール4に伝えられる。更に、厳密な間隙の設定は、コッターと呼ばれるストッパーを利用して行うと良い。これは1個のストッパーが冷却ロール側かゴムロール側の回転軸に設けられ、他のストッパーはこれに対応した固定したレール上に設けられて相互に傾斜面で受け止め、傾斜面を上下に摺動することにより微調整できるようになっている。このストッパーにより冷却ロール2とゴムロール3との接近の限度が定められ、そしてバックアップロール4よりゴムロール3に押圧力が加えられる。
冷却ロール2は精密に温度制御され、通常、溶融樹脂8のガラス転移温度を起点として+30℃から−70℃の範囲が適切である。溶融樹脂8は冷却ロール2と支持体層9に挟まれながら支持体層9と擬似的に接着された状態で第2冷却ロール5に搬送され、一定の張力の下で該冷却ロール5に押し付けられて冷却され、成形フィルム11とされる。
成形フィルム11と支持体層9は擬似的な接着状態で第2冷却ロール5から第3冷却ロール6により調節された引き取り力で引き取られ、ここで支持体層9を剥離分離した成形フィルム11はロール7を経てフィルム製品12として巻取りリール(図示せず)に送られ巻き取られる。各ロールは連動して、又は独立に駆動力を与えられて、支持体層9と溶融樹脂8もしくは成形フィルム11とがともに搬送されるように運転される。
支持体層9は溶融樹脂8の両側から支持することもできる。図3は、ゴムロール3と接する側及び冷却ロール2と接する側の双方に支持体層9及び10を配した場合の模式図である。冷却ロールの温度条件を含めて、図2の片側の支持体層の場合とほぼ同じ要領で運転される。成形フィルム11は、冷却ロール6、ロール7によりそれぞれの支持体層9及び10が剥離分離されてフィルム製品12として巻き取られる。
挟圧される支持体層9、10としては、金属に比べて熱の不良導体であることが重要で、合成樹脂のフィルム類が好ましい。支持体層の表面の平滑性が、目的とするフィルム製品の表面に転写されるおそれがあるので、できるだけ平坦な凹凸の少ない表面を有する支持体層が好ましく、JISB0601に定められた中心線平均粗さで0.01μm以下の表面粗さ特性を有する支持体層が好ましい。更に、支持体層としての合成樹脂のフィルム類にあっては、フィルム状に押出された溶融樹脂の温度に耐えるものでなければならない。従って、比較的耐熱性の高い、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルフィド、ポリイミド等のフィルム類、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリエチレンナフタレート等の二軸延伸フィルム、等を挙げることができる。特に、平滑性の良好な点で、溶剤によるキャスティングによって得られる上記樹脂からなるフィルム類やトリアセチルセルロースのキャスティングフィルム及び二軸延伸のポリエステルフィルム類が好ましい。
挟圧に用いられるゴムロール3は、金属芯の外周に同心円状に各種のゴム状物質を巻いた構造であり、ゴム状物質の厚さは適宜選ばれるが、通常、5〜15mmが適切である。
ゴムロール3は、それを構成するゴム状物質の硬度が挟圧の効果に影響があり、ショアー硬度で60以上なければ効果が少ない。ショアー硬度で60未満であれば押出ダイからの溶融樹脂の厚みむらの平坦化効果は少なく残留位相差も大きい。またショアー硬度が100以上のゴムロールの存在は少ない。ゴム状物質は、SBR、NBR、クロロプレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリエステルエラストマー、ウレタンゴム、シリコンゴム等とこれらの配合物等から選ぶことができるが、運転の使用温度等からNBR又はシリコンゴムが好ましい。
金属又はセラミックの冷却ロール2とゴムロール3による挟圧の効果は、溶融樹脂8の温度、流動特性に負うところが多い。従って、最適な押出し条件の下に樹脂は押出されるが、押出ダイより吐出後のエアーギャップ間で冷却されることもあるので、溶融樹脂8の最適状態を保持するために、このエアーギャップ間を保温し、又は加熱して溶融樹脂8の冷却を防ぐことも有効である。このために、前記したように、溶融体カーテン8aの周辺と外気との遮断のできる覆いに保温、加熱の機能を付加しておくことが好ましい。
光学用フィルムの光学むらには、フィルム製造の運転方向に沿ったダイライン、及び厚薄むら等の縦縞、エアーギャップによる肉厚部からのいろいろな方向の縞、主に斜め方向の縞と運転方向と直交するギヤマークによる横縞と、フィルムの冷却ロールや支持体層との密着不足による密着むら等がある。
ゴムロール3又は冷却ロール2の挟圧相手側への押圧力は過大になると縦縞は解消し易いが、横縞や斜め縞が発生し易い。押圧力が過少になると横縞は発生しないが縦縞は解消できず、空気の巻き込みによる密着むらを起こす。
支持体層9、10の膜厚は限定されないが、薄すぎると効果少なく、厚すぎると運転に支障を起こしやすい。従って、通常、50μm〜200μmが適している。
支持体層9、10は、溶融樹脂8と挟圧される前に予熱して供給することができる。その温度は運転の冷却温度以上で支持体層9、10が熱収縮を起こさない温度である。
支持体層9、10の膜厚は限定されないが、薄すぎると効果少なく、厚すぎると運転に支障を起こしやすい。従って、通常、50μm〜200μmが適している。
支持体層9、10は、溶融樹脂8と挟圧される前に予熱して供給することができる。その温度は運転の冷却温度以上で支持体層9、10が熱収縮を起こさない温度である。
支持体層9、10と溶融樹脂層8とは、上記したように、冷却され剥離分離されるまではともに搬送される。両者が異種の場合には接着が不足してともに搬送し難い場合があるが、このような場合には、支持体層側の接着力を増すために溶融樹脂層との積層側の面をコロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、グロー放電、プラズマ放電処理などの表面処理を行い接着力を高めることが好ましい。成形フィルム11は、支持体層9、10を剥離分離した後、適切な寸法で両端部をトリミングしてフィルム製品12とする。
各種の光学用フィルムの原反として用いられる押出フィルムとしては、ダイラインがなく、膜厚の均一なフィルムが要求される。膜厚の最大と最小の差は平均膜厚の3%以下が好ましく、より好ましくは1%以下である。フィルムの表面の粗さは、JISB0601にもとづいた中心線平均粗さRaで0.01μm以下が好ましい。ダイラインの解消と膜厚の均一性は、溶融樹脂8を適切なフィルター材を通して異物を減少させること、及び焼け樹脂の発生の少ない押出条件を設定して押出ダイからのダイラインを減少せしめ、フィルム状に押出されるダイの内面平滑性は無論のこと、ダイ間隙の調整を厳密に行い、溶融体カーテン8aの周辺の空気を外部と遮断して安定化させ、押出ダイス内の溶融体流路、溶融体カーテン8aの落下方向と支持体層9、10と挟圧点とがほぼ鉛直の方向に配備して支持体層と挟圧される運転条件を前述の如く最適化することによって達成される。
各種の光学用フィルムの原反として用いられる押出フィルムとしては、光学むらがないことが重要である。前述の如く光学むらには大別して縦縞、横縞、その他の縞模様と密着むら等が観察される。これらの光学むらは通常の透過光では観察されない場合でも斜めの方向に光を入射させ透過した光を垂直な面に写し出して観察すると極めて良く確認できる。斜めの方向を大きくしてゆくと益々観察しやすいが、通常45度方向入射で視認できなければ実用上差し支えることはない。
更に、各種の光学用フィルムの原反として用いられる押出フィルムとしては、ばらつきの殆どない低複屈折フィルムであることが必要である。このばらつきはリターデーションをnmで表示した場合5nm以下が好ましく、これを実現するにはフィルムのリターデーションが小さい方が有利であるので、膜厚100μmでは20nm以下、好ましくは10nm以下とするのが良い。このためには、適切な樹脂を選び、更に適切な支持体層を選び挟圧する条件を調節する。このようなばらつきの小さいフィルムは、分子配向時に複屈折の生じ難い光弾性係数の小さい環状ポリオレフィンを使用して支持体層と挟圧成形することにより十分に達成することができる。
上記の如くして得られた光学用フィルムは、ヨード吸着延伸ポリビニルアルコール偏光膜の耐湿保護膜として、各種の粘着剤又は接着剤と貼合して使用することができる。更に、表面に透明導電層を設けたタッチパネルや液晶表示用ガラス基盤代替のプラスチック基盤では、金属酸化物膜、例えばITO(インジウム−酸化スズ)膜やAZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)膜等をスパッタリングや金属蒸着によって形成することができる。
更に、位相差板には、上記の光学用フィルムを原反として、予熱された後、一定の温度の下で周速度の異なる2本のロール間でフィルムの巻き方向と同一方に延伸することにより、縦方向延伸の位相差フィルムが得られる。これに対して、光学用フィルム原反をフィルムの両脇をクランプやピンでつかみ、走行しながら走行方向と直交した方向に伸ばすことにより、横方向の位相差フィルムが得られる。同様に、クランプやピンを走行しながら走行方向とこれと直交した方向の両方向に引き伸ばすと同時二軸延伸フィルムとなり、厚み方向の位相差フィルムが得られる。また、縦又は横方向に延伸した後、さらにどちらかの方向に2段に延伸することもできる。延伸倍率は通常1.2倍〜3倍である。延伸に代えて、フィルム幅方向に縮まることのないロール間の圧延によっても延伸効果を得ることができる。
得られた延伸光学用フィルムは、各種の光学用フィルムとして有用である。
得られた延伸光学用フィルムは、各種の光学用フィルムとして有用である。
以下、本発明を実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
(樹脂溶融押出の方法)
環状ポリオレフィン樹脂(アートンR5300、Tg122℃、JSR株式会社製)を、図1及び図2の模式図に示した溶融押出成形方法に従い、内径100mmのL/D32の単軸スクリューにて多孔質のフィルターを通した後、ギアーポンプで一定吐出量で吐出幅1746mmの押出ダイ1よりフィルム状に押し出した。押出ダイ1としては、チョークレスのコートハンガーダイを用いた。押出ダイ1よりフィルム厚130μmになるように吐出した。ダイ温度は280℃であった。
(樹脂溶融押出の方法)
環状ポリオレフィン樹脂(アートンR5300、Tg122℃、JSR株式会社製)を、図1及び図2の模式図に示した溶融押出成形方法に従い、内径100mmのL/D32の単軸スクリューにて多孔質のフィルターを通した後、ギアーポンプで一定吐出量で吐出幅1746mmの押出ダイ1よりフィルム状に押し出した。押出ダイ1としては、チョークレスのコートハンガーダイを用いた。押出ダイ1よりフィルム厚130μmになるように吐出した。ダイ温度は280℃であった。
(支持体層及び挟圧の方法)
支持体層9として、膜厚125μmで、JIS B0601に定められた表面粗さ特性が中心線平均粗さで0.005μm、最大粗さで0.07μm、10点平均粗さで0.07μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(O3LF8、帝人デュポンフィルム株式会社製)をゴムロール3側に配備し、直径450mmの金属製の冷却ロール2に駆動装置を設け、直径250mmのゴムロール3とこれに密接する直径400mmの金属製バックアップロール4により押圧した。押出ダイ吐出口1aから押し出された溶融樹脂層8は、支持体層9とともに、90℃に保たれた金属製の冷却ロール2と金属芯に肉厚6.5mmで巻かれたNBRからなる1750mm長さのゴムロール3との間に挟圧した。冷却ロール2とゴムロール3との間隙が50μmになるようにストッパーの位置を設定した。そして、バックアップロール4を通じてのゴムロール3への押圧力は、5kgf/cm2 の空気圧を用いて冷却ロール2側に押し付けた。押出ダイ1と金属ロール2とゴムロール3の挟圧個所までのエアーギャップは90mmを要した。このエアーギャップ間の溶融体カーテン8aの周辺を外気と遮断するため、図4に示す如く、押出ダイ1の吐出口の膜厚調整設置のある支持体層9の供給側、つまりゴムロール3の幅に沿った面と、ゴムロール側3と冷却ロール2の2つの側面との3面を金属製の覆い13で支持体層9及びゴムロール3の可動面まで3mmに接近して囲った。他の1面、つまり冷却ロール2側は押出ダイ1の底面と冷却ロール2とは2mmまで接近しているので覆いがなくとも外気との遮断は可能である(図1参照)。
支持体層9として、膜厚125μmで、JIS B0601に定められた表面粗さ特性が中心線平均粗さで0.005μm、最大粗さで0.07μm、10点平均粗さで0.07μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(O3LF8、帝人デュポンフィルム株式会社製)をゴムロール3側に配備し、直径450mmの金属製の冷却ロール2に駆動装置を設け、直径250mmのゴムロール3とこれに密接する直径400mmの金属製バックアップロール4により押圧した。押出ダイ吐出口1aから押し出された溶融樹脂層8は、支持体層9とともに、90℃に保たれた金属製の冷却ロール2と金属芯に肉厚6.5mmで巻かれたNBRからなる1750mm長さのゴムロール3との間に挟圧した。冷却ロール2とゴムロール3との間隙が50μmになるようにストッパーの位置を設定した。そして、バックアップロール4を通じてのゴムロール3への押圧力は、5kgf/cm2 の空気圧を用いて冷却ロール2側に押し付けた。押出ダイ1と金属ロール2とゴムロール3の挟圧個所までのエアーギャップは90mmを要した。このエアーギャップ間の溶融体カーテン8aの周辺を外気と遮断するため、図4に示す如く、押出ダイ1の吐出口の膜厚調整設置のある支持体層9の供給側、つまりゴムロール3の幅に沿った面と、ゴムロール側3と冷却ロール2の2つの側面との3面を金属製の覆い13で支持体層9及びゴムロール3の可動面まで3mmに接近して囲った。他の1面、つまり冷却ロール2側は押出ダイ1の底面と冷却ロール2とは2mmまで接近しているので覆いがなくとも外気との遮断は可能である(図1参照)。
(冷却巻き取りの方法)
支持体層9と溶融樹脂層8は、ともに80℃に保たれた第2の冷却ロール5に搬送され、次いで、35℃に保たれた第3の冷却ロール6に搬送され、ここで支持体層9のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離分離して巻き取り、一方、成形フィルム11は次のロール7を経てフィルム製品12として巻き取った。運転ラインの速度は10m/分で運転した。
支持体層9と溶融樹脂層8は、ともに80℃に保たれた第2の冷却ロール5に搬送され、次いで、35℃に保たれた第3の冷却ロール6に搬送され、ここで支持体層9のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離分離して巻き取り、一方、成形フィルム11は次のロール7を経てフィルム製品12として巻き取った。運転ラインの速度は10m/分で運転した。
(フィルム特性の観察・測定の方法)
得られた成形フィルムの表面粗さ特性は支持体層9のそれにほぼ近い特性を示し、その他の特性は下記の方法によって観察・測定し、その結果を表1に示した。
得られた成形フィルムの表面粗さ特性は支持体層9のそれにほぼ近い特性を示し、その他の特性は下記の方法によって観察・測定し、その結果を表1に示した。
膜厚:
試料フィルム幅方向に基準点と製品が2m流れた点、及び流れ方向に両端より200mmと中央に製品幅と同一長さに試料採取してMOCON140E膜厚計(MOCON株式会社製)により測定し平均値を求めるとともに、最高と最低の公差を求めた。
試料フィルム幅方向に基準点と製品が2m流れた点、及び流れ方向に両端より200mmと中央に製品幅と同一長さに試料採取してMOCON140E膜厚計(MOCON株式会社製)により測定し平均値を求めるとともに、最高と最低の公差を求めた。
リターデーション:
自動複屈折計 KOBRA−21ADHによりニコル偏光子とニコル検光子をともに平行に置き、試料フィルム(試料寸法35mm×35mm)に単一波長光束を照射して光線軸回りに1回転したときの透過光強度の角度依存性から位相差を算出する(測定波長590nm)。
試料フィルムは幅方向に5個採取し、5個所の平均値と最高と最低の公差を求めた。
自動複屈折計 KOBRA−21ADHによりニコル偏光子とニコル検光子をともに平行に置き、試料フィルム(試料寸法35mm×35mm)に単一波長光束を照射して光線軸回りに1回転したときの透過光強度の角度依存性から位相差を算出する(測定波長590nm)。
試料フィルムは幅方向に5個採取し、5個所の平均値と最高と最低の公差を求めた。
光学むら:
図5に示す如く、光源14として150Wのキセノンランプの点光源よりの光線に対して、縦縞観察の場合はフィルム製品12の流れ方向を立て製品の45度方向より光を入射し透過光を背後のスクリーン15に写し出して観察する。横縞観察の場合はフィルム製品を横にして観察する。斜め縞は両端に入りやすく、密着むらとともにその双方から観察する。観察結果の評価は次の基準による。結果は表1に示した。
縞模様、むら状態が明らかに存在する 0ポイント
縞模様、むら状態がぼんやり存在する 1ポイント
縞模様、むら状態が僅かに存在する 2ポイント
縞模様、むら状態が確認できない 3ポイント
図5に示す如く、光源14として150Wのキセノンランプの点光源よりの光線に対して、縦縞観察の場合はフィルム製品12の流れ方向を立て製品の45度方向より光を入射し透過光を背後のスクリーン15に写し出して観察する。横縞観察の場合はフィルム製品を横にして観察する。斜め縞は両端に入りやすく、密着むらとともにその双方から観察する。観察結果の評価は次の基準による。結果は表1に示した。
縞模様、むら状態が明らかに存在する 0ポイント
縞模様、むら状態がぼんやり存在する 1ポイント
縞模様、むら状態が僅かに存在する 2ポイント
縞模様、むら状態が確認できない 3ポイント
比較例
図4に示した覆い13を設けなかった他は実施例と同様の操作を繰り返した。得られたフィルムの膜厚、リターデーション、光学むらのフィルム特性を実施例と同様の方法で評価し、その評価結果を表1に示した。
図4に示した覆い13を設けなかった他は実施例と同様の操作を繰り返した。得られたフィルムの膜厚、リターデーション、光学むらのフィルム特性を実施例と同様の方法で評価し、その評価結果を表1に示した。
表1の結果より、溶融体カーテン8aと外気とを遮断する覆いの設置の有無は、典型的に製品流れ方向の端部の膜厚変動に大きな影響を与え、端部より200mm内側の個所でも変動が見られる。この流れ方向の変動が幅方向へも影響を与え、膜変動を大きくしている。この結果から、遮断覆いを設置することにより、製品の流れ方向、製品幅方向ともに、膜厚変動を非常に小さくできることがわかる。
叙上のとおり、熱可塑性樹脂を溶融押出して金属又はセラミックの冷却ロールとゴムロールとの間隙に支持体層とともに挟圧してフィルムを製造する際に、押出ダイ吐出口より金属又はセラミックの冷却ロールとゴムロールとの間隙に支持体層とともに挟圧する個所までの溶融樹脂の溶融体カーテンの周辺を外気と遮断して製造することにより、フィルムの膜厚の変動を減ずることができ、ダイラインやギヤーマークその他の縞模様がなく、リターデーションが小さく、そのバラツキも小さい光学むらのないフィルムが得られ、液晶表示装置等に使用される各種の光学用フィルムとして有用である。
1 押出ダイ
1a 押出ダイ吐出口
2 金属又はセラミックからなる冷却ロール
3 ゴムロール
4 バックアップロール
5 第2冷却ロール
6 第3冷却ロール
7 ロール
8 溶融樹脂(層)
8a 溶融体カーテン
9 ゴムロール側支持体層
10 冷却ロール側支持体層
11 成形フィルム
12 フィルム製品
13 覆い
14 キセノンランプ点火源
15 スクリーン
1a 押出ダイ吐出口
2 金属又はセラミックからなる冷却ロール
3 ゴムロール
4 バックアップロール
5 第2冷却ロール
6 第3冷却ロール
7 ロール
8 溶融樹脂(層)
8a 溶融体カーテン
9 ゴムロール側支持体層
10 冷却ロール側支持体層
11 成形フィルム
12 フィルム製品
13 覆い
14 キセノンランプ点火源
15 スクリーン
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂を押出ダイより溶融押出して金属又はセラミックの冷却ロールとゴムロールとの間隙に溶融樹脂層を支持体層とともに挟圧してフィルムを製造するに際し、前記押出ダイ吐出口より前記金属又はセラミックの冷却ロールとゴムロールとの間隙に前記支持体層とともに挟圧する個所までの溶融樹脂層(以下、溶融体カーテンと記す)の周辺の空間を実質的に外気と遮断することを特徴とする光学用フィルムの製造方法。
- 覆いを設けることにより溶融体カーテンの周辺の空間を実質的に外気と遮断することを特徴とする請求項1記載の光学用フィルムの製造方法。
- 覆いを冷却ロールとゴムロールの回転及び供給する支持体層の走行の妨げにならない程度に接近して設けることを特徴とする請求項2記載の光学用フィルムの製造方法。
- 押出ダイと冷却ロールとの温度差が150℃から250℃の範囲に設定された溶融体カーテンの周辺空間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 覆いが保温又は加熱の機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 押出ダイ内の溶融樹脂層の流路の方向及び溶融体カーテンの落下方向と、冷却ロールとゴムロールにより溶融樹脂層及び支持体層と挟圧する個所との関係がすべてほぼ鉛直の方向にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 熱可塑性樹脂が環状ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005224144A JP2007038487A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 光学用フィルムの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20090059067A (ko) * | 2007-12-05 | 2009-06-10 | 후지필름 가부시키가이샤 | 열가소성 수지 필름의 제조장치 및 그것의 제조방법 |
-
2005
- 2005-08-02 JP JP2005224144A patent/JP2007038487A/ja not_active Withdrawn
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KR101632261B1 (ko) * | 2007-12-05 | 2016-06-21 | 후지필름 가부시키가이샤 | 열가소성 수지 필름의 제조방법 |
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