JP2010139736A - 位相差フィルムの製造方法 - Google Patents
位相差フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010139736A JP2010139736A JP2008315704A JP2008315704A JP2010139736A JP 2010139736 A JP2010139736 A JP 2010139736A JP 2008315704 A JP2008315704 A JP 2008315704A JP 2008315704 A JP2008315704 A JP 2008315704A JP 2010139736 A JP2010139736 A JP 2010139736A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- temperature
- retardation
- thickness
- polypropylene resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
Abstract
【解決手段】10重量%以下のエチレンユニットを含有するプロピレン/エチレン共重合体であるポリプロピレン樹脂からなる長尺状の未延伸フィルムを、温度110〜140℃および滞留時間10〜120秒の範囲内で予熱する工程と、3〜10倍の延伸倍率で横一軸延伸する工程と、温度60〜135℃および滞留時間10〜120秒の範囲内で熱固定する工程と、下記式(1)で示される時間y(hr)以上の間、温度20〜25℃、相対湿度50〜60%の環境下に養生する工程と、を備える位相差フィルムの製造方法である。x(nm)は熱固定を行なう工程直後に測定される延伸フィルムの面内位相差値を示す(ただし、x≧50)。
y=0.00877x2−1.09x+147 (1)
【選択図】なし
Description
y=0.00877x2−1.09x+147 (1)
ここで、式中、xは上記熱固定を行なう工程(C)の直後に測定される延伸フィルムの面内位相差値を示し(単位:nm)、x≧50を満たす。yは養生時間(単位:時間)である。
[工程(A)]
本発明の位相差フィルムの製造方法においては、まず、ポリプロピレン樹脂からなる長尺状の未延伸フィルムを、温度110〜140℃および滞留時間10〜120秒の範囲内で予熱する(工程(A))。
本工程で用いられる長尺状の未延伸フィルムを構成するポリプロピレン樹脂は、プロピレンを主体とし、それと共重合可能なコモノマーを少量、たとえば20重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で共重合させた共重合体からなる。プロピレンと共重合可能なコモノマーの量は、好ましくは1重量%以上である。
(2)マグネシウム、チタン、およびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて電子供与性化合物等の第三成分とを組み合わせた触媒系、
(3)メタロセン系触媒等。
(2)Tダイのリップ幅が1500mm以上:Tダイの厚み方向長さ>220mm
(3)Tダイのリップ幅が1500mm未満:Tダイの高さ方向長さ>250mm
(4)Tダイのリップ幅が1500mm以上:Tダイの高さ方向長さ>280mm
このような条件を満たすTダイを用いることにより、Tダイ内部での溶融状ポリプロピレン樹脂の流れを整えることができ、かつ、リップ部分でも膜厚のバラツキを抑えながら押出すことができるため、より幅方向の厚み精度に優れる原反フィルム(未延伸フィルム)を得ることができる。
本発明の位相差フィルムの製造方法においては、次に、予熱された未延伸フィルムを3〜10倍の延伸倍率で横一軸延伸する(工程(B))。横一軸延伸は、テンター延伸機の予熱工程を行なうゾーンを通過した未延伸フィルムを引き続き、延伸工程を行なうゾーンを通過させることにより行なうことができる。延伸工程での延伸温度は、テンター延伸機の延伸工程を行なうゾーンにおける雰囲気温度を意味する。延伸温度は、上記工程(A)における予熱温度より低いことが好ましい。予熱された未延伸フィルムを予熱工程よりも低い温度で延伸することにより、フィルムを均一に延伸できるようになり、その結果、光軸、および位相差の均一性に優れた位相差フィルムを得ることができる。延伸温度は、予熱工程(工程(A))における予熱温度より5〜20℃低いことが好ましく、7〜15℃低いことがより好ましい。また、延伸倍率は、光軸を発現させる方向(遅相軸となる方向)で3〜10倍程度の範囲から、必要とする位相差値に合わせて適宜選択すればよく、好ましくは3〜7倍の範囲である。このときの延伸倍率を3倍以上とすることにより、後述するNz係数を0.9〜1.1の範囲とすることができる。一方、延伸倍率が10倍を超えると、位相差値の均一性が損なわれる場合がある。
本発明の位相差フィルムの製造方法においては、次に、得られた延伸フィルムを温度60〜135℃および滞留時間10〜120秒の範囲内で熱固定する(工程(C))。延伸フィルムの熱固定は、テンター延伸機の延伸工程を行なうゾーンを通過した延伸フィルムを引き続き、熱固定工程を行なうゾーンを通過させることにより行なうことができる。熱固定工程での熱固定温度は、テンター延伸機の熱固定工程を行なうゾーンにおける雰囲気温度を意味する。また、滞留時間とは、延伸フィルムがテンター延伸機の熱固定工程を行なうゾーン内に存在する時間を意味する。
本発明の位相差フィルムの製造方法においては、次に、熱固定された延伸フィルムを、下記式(1)で示される時間y以上の間、温度20〜25℃、相対湿度50〜60%の環境下に養生する(工程(D))。養生は、典型的には、上記熱固定された延伸フィルムをロール状に巻き取った後行なう。
y=0.00877x2−1.09x+147 (1)
ここで、式中、xは上記熱固定を行なう工程(C)の直後に測定される延伸フィルムの面内位相差値を示し(単位:nm)、x≧50を満たす。yは養生時間(単位:時間)である。
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (III)
また、これらの式(I)、(II)および(III)から、Nz係数と面内位相差値R0および厚み方向の位相差値Rthとの関係は、次の式(IV)で表すことができる。
また、フィルム厚みの測定、および位相差値の測定は、次に示す方法で行なった。
長尺状の未延伸フィルムを幅方向(長尺方向に対して垂直な方向)にカットし、測定用サンプルとした。このサンプルについて、厚み計KG601B(アンリツ社製)を用いて、幅方向全体にわたって連続的に膜厚を測定し、膜厚プロファイルを得た。この膜厚プロファイルより凸部膜厚の平均値と凹部膜厚の平均値を算出し、その差を膜厚分布とした。
前記の膜厚分布の測定で得られた膜厚プロファイルより、その平均値を算出し、フィルム厚みとした。
デジタルマイクロメーターMH−15M((株)ニコン製)を用いて測定した。
位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器(株)製)を用いて、測定波長590nmで測定した。
上記位相差値の測定と同様にして、製造直後(養生工程終了直後)および製造後50日後の面内位相差値を測定し、その差の絶対値を面内位相差値変動とした。
メルトフローレートが8g/10分であり、アイソタクチックの立体規則性を有するプロピレンエチレンランダム共重合体(エチレン含有量4.6%)からなるポリプロピレン樹脂を、樹脂温度が250℃となるように65mmφ押出機にて溶融混練し、800mm幅のTダイリップより該プロピレン樹脂を押出し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムの厚みの平均値は40μmであり、膜厚分布は0.4μmであった。
実施例1で用いたものと同じプロピレンエチレンランダム共重合体を用いて未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムの厚みは40μmであり、膜厚分布は0.4μmであった。
実施例1で用いたものと同じプロピレンエチレンランダム共重合体を用いて未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムの厚みは110μmであり、膜厚分布は0.5μmであった。
実施例1で用いたものと同じプロピレンエチレンランダム共重合体を用いて未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムの厚みは40μmであり、膜厚分布は0.5μmであった。
養生時間を336時間とした他は、実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、厚み、面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rth、Nz係数、および面内位相差値変動を測定した。結果を表1に示す。
養生時間を168時間とした他は、実施例2と同様にして位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、厚み、面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rth、Nz係数、および面内位相差値変動を測定した。結果を表1に示す。
養生時間を528時間とした他は、実施例3と同様にして位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、厚み、面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rth、Nz係数、および面内位相差値変動を測定した。結果を表1に示す。
養生工程を設けなかった(養生時間=0)他は、実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、厚み、面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rth、Nz係数、および面内位相差値変動を測定した。結果を表1に示す。
養生時間を120時間とした他は、実施例1と同様にして位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、厚み、面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rth、Nz係数、および面内位相差値変動を測定した。結果を表1に示す。
養生時間を72時間とした他は、実施例2と同様にして位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、厚み、面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rth、Nz係数、および面内位相差値変動を測定した。結果を表1に示す。
養生時間を336時間とした他は、実施例3と同様にして位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、厚み、面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rth、Nz係数、および面内位相差値変動を測定した。結果を表1に示す。
養生時間を72時間とした他は、実施例4と同様にして位相差フィルムを得た。得られた位相差フィルムについて、厚み、面内位相差値R0、厚み方向位相差値Rth、Nz係数、および面内位相差値変動を測定した。結果を表1に示す。
Claims (2)
- (A)10重量%以下のエチレンユニットを含有するプロピレンとエチレンとの共重合体であるポリプロピレン樹脂からなる長尺状の未延伸フィルムを、温度110〜140℃および滞留時間10〜120秒の範囲内で予熱する工程と、
(B)予熱された未延伸フィルムを3〜10倍の延伸倍率で横一軸延伸する工程と、
(C)得られた延伸フィルムを温度60〜135℃および滞留時間10〜120秒の範囲内で熱固定する工程と、
(D)下記式(1)で示される時間y以上の間、温度20〜25℃、相対湿度50〜60%の環境下に養生する工程と、
を備える位相差フィルムの製造方法。
y=0.00877x2−1.09x+147 (1)
[式中、xは前記熱固定を行なう工程(C)の直後に測定される延伸フィルムの面内位相差値を示し(単位:nm)、x≧50を満たす。yは養生時間(単位:時間)である。] - 前記ポリプロピレン樹脂からなる長尺状未延伸フィルムの幅方向に連続的に測定した膜厚プロファイルにおける凸部膜厚の平均値と凹部膜厚の平均値との差が1μm以下である請求項1に記載の位相差フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008315704A JP5333908B2 (ja) | 2008-12-11 | 2008-12-11 | 位相差フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008315704A JP5333908B2 (ja) | 2008-12-11 | 2008-12-11 | 位相差フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010139736A true JP2010139736A (ja) | 2010-06-24 |
JP5333908B2 JP5333908B2 (ja) | 2013-11-06 |
Family
ID=42349938
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008315704A Expired - Fee Related JP5333908B2 (ja) | 2008-12-11 | 2008-12-11 | 位相差フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5333908B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010195993A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Mitsui Chemicals Inc | 延伸フィルム、およびその製造方法 |
JP2011194715A (ja) * | 2010-03-19 | 2011-10-06 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 延伸フィルム |
JP2012037597A (ja) * | 2010-08-04 | 2012-02-23 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 位相差フィルムの製造方法 |
JP2013076982A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-25 | Mitsubishi Chemicals Corp | 位相差フィルム、並びにこれを用いた円偏光板及び画像表示装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02256003A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-10-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | 光学フィルム |
JP2008276164A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-11-13 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 光学用フィルム |
-
2008
- 2008-12-11 JP JP2008315704A patent/JP5333908B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02256003A (ja) * | 1988-12-27 | 1990-10-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | 光学フィルム |
JP2008276164A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-11-13 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 光学用フィルム |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010195993A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Mitsui Chemicals Inc | 延伸フィルム、およびその製造方法 |
JP2011194715A (ja) * | 2010-03-19 | 2011-10-06 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 延伸フィルム |
JP2012037597A (ja) * | 2010-08-04 | 2012-02-23 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 位相差フィルムの製造方法 |
JP2013076982A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-25 | Mitsubishi Chemicals Corp | 位相差フィルム、並びにこれを用いた円偏光板及び画像表示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5333908B2 (ja) | 2013-11-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2009128371A1 (ja) | 位相差フィルム、楕円偏光板、液晶表示装置、および楕円偏光板の製造方法 | |
JP2009134257A (ja) | 位相差フィルム、およびそれを用いた楕円偏光板 | |
JP5211603B2 (ja) | 位相差フィルム用原反フィルム、位相差フィルムおよび液晶表示装置 | |
KR20100108343A (ko) | 광학 보상 필름 | |
JP2009090653A (ja) | 熱可塑性樹脂製光学フィルムの製造方法 | |
JP5333908B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP5174595B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反フィルムの製造方法 | |
JP2011143717A (ja) | ポリプロピレン系樹脂製シートの製造方法 | |
JP5120938B2 (ja) | 粘着剤層付位相差フィルム及びそれを用いた楕円偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2010139756A (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP6476844B2 (ja) | 二軸配向ポリプロピレンフィルム | |
JP4857837B2 (ja) | プロピレン系樹脂製位相差フィルム用原反シートの製造方法 | |
JP2011248045A (ja) | 楕円偏光板セット及びこれを備えた液晶パネル並びに液晶表示装置 | |
JP2012179901A (ja) | 光学フィルムを製造する方法 | |
JP5333898B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP2011194715A (ja) | 延伸フィルム | |
JP2010139735A (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP2011123288A (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP2011154238A (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP5348581B2 (ja) | 粘着剤層付位相差フィルム、ならびにそれを用いた楕円偏光板および液晶表示装置 | |
JP2012123182A (ja) | 光学フィルム及びこれを備えた偏光板並びに液晶表示装置 | |
JP2005280218A (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP2011152736A (ja) | 延伸フィルム、位相差フィルム、および複合光学部材 | |
JP2010000737A (ja) | 延伸フィルム、位相差フィルム、および複合光学部材 | |
JP2013228712A (ja) | ポリプロピレン系樹脂製位相差フィルムを製造する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111020 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120924 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121002 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130702 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130718 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |