JP2008270158A - 異方導電性部材およびその製造方法 - Google Patents

異方導電性部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導通路の設置密度を飛躍的に向上させ、高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の電気的接続部材や検査用コネクタ等として使用することができる異方導電性部材、および、その製造方法の提供。
【解決手段】絶縁性基材中に、導電性部材からなる複数の導通路が、互いに絶縁された状態で前記絶縁性基材を厚み方向に貫通し、かつ、前記各導通路の一端が前記絶縁性基材の一方の面において露出し、前記各導通路の他端が前記絶縁性基材の他方の面において露出した状態で設けられる異方導電性部材であって、
前記導通路の密度が200万個/mm2以上であり、前記絶縁性基材が規則的に配列したマイクロポアを有するアルミニウム基板の陽極酸化皮膜からなる構造体である、異方導電性部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、異方導電性部材およびその製造方法に関する。
異方導電性部材は、半導体素子等の電子部品と回路基板との間に挿入し、加圧するだけで電子部品と回路基板間の電気的接続が得られるため、半導体素子等の電子部品等の電気的接続部材や機能検査を行う際の検査用コネクタ等として広く使用されている。
特に、半導体素子等の電子接続部材は、そのダウンサイジング化が顕著であり、従来のワイヤーボンディングのような直接配線基板を接続するような方式では、ワイヤーの径をこれ以上小さくすることが困難となってきている。
そこで、近年になり、絶縁素材の皮膜中に導電部材が貫通林立したタイプや金属球を配置したタイプの異方導電部材が注目されてきている。
また、半導体素子等の検査用コネクタは、半導体素子等の電子部品を回路基板に実装した後に機能検査を行うと、電子部品が不良であった場合に、回路基板もともに処分されることとなり、金額的な損失が大きくなってしまうという問題を回避するために使用される。
即ち、半導体素子等の電子部品を、実装時と同様のポジションで回路基板に異方導電性部材を介して接触させて機能検査を行うことで、電子部品を回路基板上に実装せずに、機能検査を実施でき、上記の問題を回避することができる。
このような異方導電性部材として、特許文献1には、「接着性絶縁材料からなるフィルム基板中に、導電性材料からなる複数の導通路が、互いに絶縁された状態で、かつ該フィルム基板を厚み方向に貫通した状態で配置され、フィルム基板の長手方向と平行な導通路の断面における形状の外周上の2点間の最大長の平均が10〜30μmであり、隣接する導通路の間隔が、上記最大長の平均の0.5〜3倍であることを特徴とする異方導電性フィルム。」が開示されている。
また、特許文献2には、「絶縁性樹脂よりなるフィルム基材中に、複数の導通路が、互いに絶縁されて、該フィルム基材を厚み方向に貫通し、かつ、千鳥配列で配置されている、異方導電性フィルムであって、導通路列内の導通路間距離よりも、隣り合う導通路列間での導通路間距離が小さいことを特徴とする、異方導電性フィルム。」が開示されている。
このような異方導電性フイルムの製造方法として、特許文献1および2には、異方導電性材料の細線を絶縁性フィルム上に挟み込んだ後、加熱及び加圧により一体化し、厚み方向にスクライブする方法が開示されている。
また、特許文献3には、レジストとマスクを用いて導電性の柱を電鋳で作製し、これに絶縁性素材を流し込み硬化させることで異方導電性フイルムを製造する方法が検討されている。
一方、特許文献4には、「電気的絶縁材からなる保持体と、該保持体中に互いに絶縁状態にて備えられた複数の導電部材とを有し、前記各導電部材の一端が前記保持体の一方の面において露出しており、前記各導電部材の他端が前記保持体の他方の面において露出している電気的接続部材を製造する方法において、
基体と、該基体に積層されて設けられるところの前記保持体となる絶縁層とを有する母材に対し前記絶縁層側から高エネルギビームを照射して、複数の領域において前記絶縁層の全部と前記基体の一部とを除去し、前記母材に複数の穴を形成する第1の工程と、
形成された複数の穴に、前記絶縁層の面と面一またはこの面より突出させて、前記導電部材となる導電材料を充填する第2の工程と、前記基体を除去する第3の工程と、を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。」が開示されており、絶縁層として、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の種々の材質に関する検討も行なわれている。
ところで、近年、半導体素子等の電子部品は、高集積化が一層進むことに伴い、電極(端子)サイズはより小さくなり、電極(端子)数はより増加し、端子間の距離もより狭くなってきている。また、狭ピッチで多数配置されている各端子の表面が本体表面よりも奥まった位置にある表面構造の電子部品も現れてきている。
そのため、このような電子部品に対応できるよう、異方導電性部材における導通路もその外径(太さ)をより小さくし、かつ、狭ピッチで配列させる必要が生じている。
しかしながら、上記特許文献1〜4等に記載されている異方導電性フイルムや電気的接続部材を製造する方法では、導通路のサイズを小さくすることは非常に困難であった。
特開2000−012619号公報 特開2005−085634号公報 特開2002−134570号公報 特開平03−182081号公報
したがって、本発明は、導通路の設置密度を飛躍的に向上させ、高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の電気的接続部材や検査用コネクタ等として使用することができる異方導電性部材、および、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、絶縁性基材としてアルミニウムの陽極酸化皮膜を用い、皮膜内に存在するマイクロポアの規則性を高めることにより、導通路の密度を飛躍的に向上できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供する。
(1)絶縁性基材中に、導電性部材からなる複数の導通路が、互いに絶縁された状態で上記絶縁性基材を厚み方向に貫通し、かつ、上記各導通路の一端が上記絶縁性基材の一方の面において露出し、上記各導通路の他端が上記絶縁性基材の他方の面において露出した状態で設けられる異方導電性部材であって、
上記導通路の密度が200万個/mm2以上であり、上記絶縁性基材がマイクロポアを有するアルミニウム基板の陽極酸化皮膜からなる構造体である、異方導電性部材。
(2)上記マイクロポアについて下記式(i)により定義される規則化度が50%以上である、上記(1)に記載の異方導電性部材。
規則化度(%)=B/A×100 (i)
上記式(i)中、Aは、測定範囲におけるマイクロポアの全数を表す。Bは、一のマイクロポアの重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に上記一のマイクロポア以外のマイクロポアの重心を6個含むことになる上記一のマイクロポアの測定範囲における数を表す。
(3)上記導通路が、上記各導通路の一端が上記絶縁性基材の一方の面から突出し、上記各導通路の他端が上記絶縁性基材の他方の面から突出してた状態で設けられる、上記(1)または(2)に記載の異方導電性部材。
(4)上記絶縁性基材の厚みが1〜1000μmであり、上記導通路の直径が5〜500nmである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の異方導電性部材を製造する異方導電性部材の製造方法であって、少なくとも、
アルミニウム基板を陽極酸化する陽極酸化処理工程、
上記陽極酸化処理工程の後に、上記陽極酸化により生じたマイクロポアによる孔を貫通化して上記絶縁性基材を得る貫通化処理工程、および、
上記貫通化処理工程の後に、得られた上記絶縁性基材における貫通化した孔の内部に導電性部材である金属を充填して上記異方導電性部材を得る金属充填工程、を具備する異方導電性部材の製造方法。
(6)更に、上記金属充填工程の後に、化学機械研磨処理によって表面および裏面を平滑化する表面平滑処理工程を具備する上記(5)に記載の異方導電性部材の製造方法。
(7)更に、上記金属充填工程の後に、トリミング処理工程を具備する上記(5)または(6)に記載の異方導電性部材の製造方法。
以下に示すように、本発明によれば、導通路の設置密度を飛躍的に向上させ、高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の電気的接続部材や検査用コネクタ等として使用することができる異方導電性部材、および、その製造方法を提供することができる。
また、本発明の異方導電性部材は、電子部品の電極(パッド)部分に接合される導通路の数が多く、圧力が分散されるため、電極へのダメージを軽減することが可能である。また、単一の電極に多くの導通路が接合(接触)しているので、導通路の一部分に異常が起きても全体の導電性確認への影響は極めて小さくなる。更に、評価用の回路基板の位置決めに対する負荷を大幅に低減することができる。
更に、本発明の異方導電性部材の製造方法は、本発明の異方導電性部材を効率的に製造することができるため非常に有用である。
以下に、本発明の異方導電性部材およびその製造方法を詳細に説明する。
本発明の異方導電性部材は、絶縁性基材中に、導電性部材からなる複数の導通路が、互いに絶縁された状態で上記絶縁性基材を厚み方向に貫通し、かつ、上記各導通路の一端が上記絶縁性基材の一方の面において露出し、上記各導通路の他端が上記絶縁性基材の他方の面において露出した状態で設けられる異方導電性部材であって、
上記導通路の密度が200万個/mm2以上であり、上記絶縁性基材がマイクロポアを有するアルミニウム基板の陽極酸化皮膜からなる構造体である、異方導電性部材である。
次に、本発明の異方導電性部材について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の異方導電性部材の好適な実施態様の一例を示す簡略図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は図1(A)の切断面線Ib−Ibからみた断面図である。
本発明の異方導電性部材1は、絶縁性基材2および導電性部材からなる複数の導通路3を具備するものである。
この導通路3は、軸線方向の長さが絶縁性基材2の厚み方向Zの長さ(厚み)以上で、かつ、密度が200万個/mm2以上となるよう互いに絶縁された状態で絶縁性基材2を貫通して設けられる。
また、この導通路3は、各導通路3の一端が絶縁性基材2の一方の面において露出し、各導通路3の他端が絶縁性基材2の他方の面において露出した状態で設けられるが、図1(b)に示すように、各導通路3の一端が絶縁性基材2の一方の面2aから突出し、各導通路3の他端が絶縁性基材2の他方の面2bから突出してた状態で設けられるのが好ましい。即ち、各導通路3の両端は、絶縁性基材の主面である2aおよび2bから突出する各突出部4aおよび4bを有するのが好ましい。
更に、この導通路3は、少なくとも絶縁性基材2内の部分(以下、「基材内導通部5」ともいう。)が、該フィルム基材2の厚み方向Zと略平行(図1においては平行)となるように設けられるのが好ましい。具体的には、上記絶縁性基材の厚みに対する上記導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)が、1.0〜1.2であるのが好ましく、1.0〜1.05であるのがより好ましい。
次に、絶縁性基材および導通路のぞれぞれについて、材料、寸法、形成方法等について説明する。
[絶縁性基材]
本発明の異方導電性部材を構成する上記絶縁性基材は、マイクロポアを有するアルミニウム基板の陽極酸化皮膜からなる構造体である。
本発明においては、平面方向の導電部の絶縁性をより確実に担保する観点から、上記マイクロポアについて下記式(i)により定義される規則化度が50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、80%以上であるのが更に好ましい。
規則化度(%)=B/A×100 (i)
上記式(i)中、Aは、測定範囲におけるマイクロポアの全数を表す。Bは、一のマイクロポアの重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に上記一のマイクロポア以外のマイクロポアの重心を6個含むことになる上記一のマイクロポアの測定範囲における数を表す。
図2は、ポアの規則化度を算出する方法の説明図である。図2を用いて、上記式(1)をより具体的に説明する。
図2(A)に示されるマイクロポア101は、マイクロポア101の重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円103(マイクロポア102に内接している。)を描いた場合に、円3の内部にマイクロポア101以外のマイクロポアの重心を6個含んでいる。したがって、マイクロポア101は、Bに算入される。
図2(B)に示されるマイクロポア104は、マイクロポア104の重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円106(マイクロポア105に内接している。)を描いた場合に、円106の内部にマイクロポア104以外のマイクロポアの重心を5個含んでいる。したがって、マイクロポア104は、Bに算入されない。
また、図2(B)に示されるマイクロポア107は、マイクロポア107の重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円109(マイクロポア108に内接している。)を描いた場合に、円109の内部にマイクロポア107以外のマイクロポアの重心を7個含んでいる。したがって、マイクロポア107は、Bに算入されない。
また、後述する導通路を直管構造とする観点から、上記マイクロポアが分岐構造を有しないこと、即ち、陽極酸化皮膜の一方の表面の単位面積あたりのマイクロポア数Aと、別表面の単位面積あたりのマイクロポア数Bの比率が、A/B=0.90〜1.10であるのが好ましく、A/B=0.95〜1.05であるのがより好ましく、A/B=0.98〜1.02であるのが特に好ましい。
更に、アルミニウムの陽極酸化皮膜の素材であるアルミナは、従来公知の異方導電性フィルム等を構成する絶縁性基材(例えば、熱可塑性エラストマー等)と同様、電気抵抗率は1014Ω・cm程度である。
本発明においては、上記絶縁性基材の厚み(図1(B)においては符号6で表される部分)は、1〜1000μmであるのが好ましく、5〜500μmであるのがより好ましく、10〜300μmであるのが更に好ましい。絶縁性基材の厚みがこの範囲であると、絶縁性基材の取り扱い性が良好となる。
また、本発明においては、上記絶縁性基材における上記導通路間の幅(図1(B)においては符号7で表される部分)は、10nm以上であるのが好ましく、20〜200nmであるのがより好ましい。絶縁性基材における導通路間の幅がこの範囲であると、絶縁性基材が絶縁性の隔壁として十分に機能する。
本発明においては、上記絶縁性基材は、例えば、アルミニウム基板を陽極酸化し、陽極酸化により生じたマイクロポアを貫通化することにより製造することができる。
ここで、陽極酸化および貫通化の処理工程については、後述する本発明の異方導電性部材の製造方法において詳述する。
[導通路]
本発明の異方導電性部材を構成する上記導通路は導電性部材からなるものである。
上記導電性部材は、電気抵抗率が103Ω・cm以下の材料であれば特に限定されず、その具体例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、インジウムがドープされたスズ酸化物(ITO)等が好適に例示される。
中でも、電気伝導性の観点から、銅、金、アルミニウム、ニッケルが好ましく、銅、金がより好ましい。
また、コストの観点から、導通路の上記絶縁性基材の両面から露出した面や突出した面(以下、「端面」ともいう。)の表面だけが金で形成されるのがより好ましい。
本発明においては、上記導通路は柱状であり、その直径(図1(B)においては符号8で表される部分)は5〜500nmであるのが好ましく、20〜400nmであるのがより好ましく、40〜200nmであるのが更に好ましく、50〜100nmであるのが特に好ましい。導通路の直径がこの範囲であると、電気信号を流した際に十分な応答が得ることができるため、本発明の異方導電性部材を電子部品の電気的接続部材や検査用コネクタとして、より好適に用いることができる。
また、上述したように、上記絶縁性基材の厚みに対する上記導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.0〜1.2であるのが好ましく、1.0〜1.05であるのがより好ましい。上記絶縁性基材の厚みに対する上記導通路の中心線の長さがこの範囲であると、上記導通路が直管構造であると評価でき、電気信号を流した際に1対1の応答を確実に得ることができるため、本発明の異方導電性部材を電子部品の検査用コネクタや電気的接続部材として、より好適に用いることができる。
また、本発明においては、上記導通路の両端が上記絶縁性基材の両面から突出している場合、その突出した部分(図1(B)においては符号4aおよび4bで表される部分。以下、「バンプ」ともいう。)の高さは、10〜100nmであるのが好ましく、10〜50nmであるのがより好ましい。バンブの高さがこの範囲であると、電子部品の電極(パッド)部分との接合性が向上する。
本発明においては、上記導通路は上記絶縁性基材によって互いに絶縁された状態で存在するものであるが、その密度は200万個/mm2以上であり、1000万個/mm2以上であるのが好ましく、5000万個/mm2以上であるのがより好ましく、1億個/mm2以上であるのが更に好ましい。
上記導通路の密度がこの範囲にあることにより、本発明の異方導電性部材は高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の検査用コネクタや電気的接続部材等として使用することができる。
本発明においては、隣接する各導通路の中心間距離(図1においては符号9で表される部分。以下、「ピッチ」ともいう。)は、20〜500nmであるのが好ましく、40〜200nmであるのがより好ましく、50〜140nmであるのが更に好ましい。ピッチがこの範囲であると、導通路直径と導通路間の幅(絶縁性の隔壁厚)とのバランスがとりやすい。
本発明においては、上記導通路は、例えば、上記絶縁性基材における貫通化したマイクロポアによる孔の内部に導電性部材である金属を充填することにより製造することができる。
ここで、金属を充填する処理工程については、後述する本発明の異方導電性部材の製造方法において詳述する。
本発明の異方導電性部材は、上述したように、上記絶縁性基材の厚みが1〜1000μm、好ましくは30〜300μmであり、かつ、上記導通路の直径が5〜500nm、好ましくは20〜400nmであるのが、高い絶縁性を維持しつつ、かつ、高密度で導通が確認できる理由から好ましい。
本発明の異方導電性部材の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう。)は、上述した本発明の異方導電性部材を製造する異方導電性部材の製造方法であって、少なくとも、
アルミニウム基板を陽極酸化する陽極酸化処理工程、
上記陽極酸化処理工程の後に、上記陽極酸化により生じたマイクロポアによる孔を貫通化して上記絶縁性基材を得る貫通化処理工程、および、
上記貫通化処理工程の後に、得られた上記絶縁性基材における貫通化した孔の内部に導電性部材である金属を充填して上記異方導電性部材を得る金属充填工程、を具備する異方導電性部材の製造方法である。
次に、本発明の製造方法に用いられるアルミニウム基板ならびに該アルミニウム基板に施す各処理工程について詳述する。
[アルミニウム基板]
本発明の製造方法に用いられるアルミニウム基板は、特に限定されず、その具体例としては、純アルミニウム板;アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板;低純度のアルミニウム(例えば、リサイクル材料)に高純度アルミニウムを蒸着させた基板;シリコンウエハー、石英、ガラス等の表面に蒸着、スパッタ等の方法により高純度アルミニウムを被覆させた基板;アルミニウムをラミネートした樹脂基板;等が挙げられる。
本発明においては、アルミニウム基板のうち、後述する陽極酸化処理工程により陽極酸化皮膜を設ける表面は、アルミニウム純度が、99.5質量%以上であるのが好ましく、99.9質量%以上であるのがより好ましく、99.99質量%以上であるのが更に好ましい。アルミニウム純度が上記範囲であると、マイクロポア配列の規則性が十分となる。
また、本発明においては、アルミニウム基板のうち後述する陽極酸化処理工程を施す表面は、あらかじめ脱脂処理および鏡面仕上げ処理が施されるのが好ましい。
<熱処理>
熱処理を施す場合は、200〜350℃で30秒〜2分程度施すのが好ましい。これにより、後述する陽極酸化処理工程により生成するマイクロポアの配列の規則性が向上する。
熱処理後のアルミニウム基板は、急速に冷却するのが好ましい。冷却する方法としては、例えば、水等に直接投入する方法が挙げられる。
<脱脂処理>
脱脂処理は、酸、アルカリ、有機溶剤等を用いて、アルミニウム基板表面に付着した、ほこり、脂、樹脂等の有機成分等を溶解させて除去し、有機成分を原因とする後述の各処理における欠陥の発生を防止することを目的として行われる。
脱脂処理としては、具体的には、例えば、各種アルコール(例えば、メタノール等)、各種ケトン(例えば、メチルエチルケトン等)、ベンジン、揮発油等の有機溶剤を常温でアルミニウム基板表面に接触させる方法(有機溶剤法);石けん、中性洗剤等の界面活性剤を含有する液を常温から80℃までの温度でアルミニウム基板表面に接触させ、その後、水洗する方法(界面活性剤法);濃度10〜200g/Lの硫酸水溶液を常温から70℃までの温度でアルミニウム基板表面に30〜80秒間接触させ、その後、水洗する方法;濃度5〜20g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を常温でアルミニウム基板表面に30秒間程度接触させつつ、アルミニウム基板表面を陰極にして電流密度1〜10A/dm2の直流電流を流して電解し、その後、濃度100〜500g/Lの硝酸水溶液を接触させて中和する方法;各種公知の陽極酸化処理用電解液を常温でアルミニウム基板表面に接触させつつ、アルミニウム基板表面を陰極にして電流密度1〜10A/dm2の直流電流を流して、または、交流電流を流して電解する方法;濃度10〜200g/Lのアルカリ水溶液を40〜50℃でアルミニウム基板表面に15〜60秒間接触させ、その後、濃度100〜500g/Lの硝酸水溶液を接触させて中和する方法;軽油、灯油等に界面活性剤、水等を混合させた乳化液を常温から50℃までの温度でアルミニウム基板表面に接触させ、その後、水洗する方法(乳化脱脂法);炭酸ナトリウム、リン酸塩類、界面活性剤等の混合液を常温から50℃までの温度でアルミニウム基板表面に30〜180秒間接触させ、その後、水洗する方法(リン酸塩法);等が挙げられる。
これらのうち、アルミニウム表面の脂分を除去しうる一方で、アルミニウムの溶解がほとんど起こらない観点から、有機溶剤法、界面活性剤法、乳化脱脂法、リン酸塩法が好ましい。
また、脱脂処理には、従来公知の脱脂剤を用いることができる。具体的には、例えば、市販されている各種脱脂剤を所定の方法で用いることにより行うことができる。
<鏡面仕上げ処理>
鏡面仕上げ処理は、アルミニウム基板の表面の凹凸をなくして、電着法等による粒子形成処理の均一性や再現性を向上させるために行われる。アルミニウム基板の表面の凹凸としては、例えば、アルミニウム基板が圧延を経て製造されたものである場合における、圧延時に発生した圧延筋が挙げられる。
本発明において、鏡面仕上げ処理は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、機械研磨、化学研磨、電解研磨が挙げられる。
機械研磨としては、例えば、各種市販の研磨布で研磨する方法、市販の各種研磨剤(例えば、ダイヤ、アルミナ)とバフとを組み合わせた方法等が挙げられる。具体的には、研磨剤を用いる場合、使用する研磨剤を粗い粒子から細かい粒子へと経時的に変更して行う方法が好適に例示される。この場合、最終的に用いる研磨剤としては、#1500のものが好ましい。これにより、光沢度を50%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに50%以上)とすることができる。
化学研磨としては、例えば、「アルミニウムハンドブック」,第6版,(社)日本アルミニウム協会編,2001年,p.164−165に記載されている各種の方法等が挙げられる。
また、リン酸−硝酸法、Alupol I法、Alupol V法、Alcoa R5法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好適に例示される。中でも、リン酸−硝酸法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好ましい。
化学研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
電解研磨としては、例えば、「アルミニウムハンドブック」,第6版,(社)日本アルミニウム協会編,2001年,p.164−165に記載されている各種の方法;米国特許第2708655号明細書に記載されている方法;「実務表面技術」,vol.33,No.3,1986年,p.32−38に記載されている方法;等が好適に挙げられる。
電解研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
これらの方法は、適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、例えば、研磨剤を粗い粒子から細かい粒子へと経時的に変更する機械研磨を施し、その後、電解研磨を施す方法が好適に挙げられる。
鏡面仕上げ処理により、例えば、平均表面粗さRa0.1μm以下、光沢度50%以上の表面を得ることができる。平均表面粗さRaは、0.03μm以下であるのが好ましく、0.02μm以下であるのがより好ましい。また、光沢度は70%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。
なお、光沢度は、圧延方向に垂直な方向において、JIS Z8741−1997の「方法3 60度鏡面光沢」の規定に準じて求められる正反射率である。具体的には、変角光沢度計(例えば、VG−1D、日本電色工業社製)を用いて、正反射率70%以下の場合には入反射角度60度で、正反射率70%を超える場合には入反射角度20度で、測定する。
[陽極酸化処理工程]
上記陽極酸化工程は、上記アルミニウム基板に陽極酸化処理を施すことにより、該アルミニウム基板表面にマイクロポアを有する酸化皮膜を形成する工程である。
本発明の製造方法における陽極酸化処理は、従来公知の方法を用いることができるが、上記絶縁性基材が上記式(i)により定義される規則化度が50%以上となるように配列するマイクロポアを有するアルミニウム基板の陽極酸化皮膜であるのが好ましいため、後述する自己規則化法や定電圧処理を用いるのが好ましい。
自己規則化法は、陽極酸化皮膜のマイクロポアが規則的に配列する性質を利用し、規則的な配列をかく乱する要因を取り除くことで、規則性を向上させる方法である。具体的には、高純度のアルミニウムを使用し、電解液の種類に応じた電圧で、長時間(例えば、数時間から十数時間)かけて、低速で陽極酸化皮膜を形成させる。
この方法においては、マイクロポアの経(ポア径)は電圧に依存するので、電圧を制御することにより、ある程度所望のポア径を得ることができる。
自己規則化法によりマイクロポアを形成するには、少なくとも後述する陽極酸化処理(A)を施せばよいが、後述する陽極酸化処理(A)、脱膜処理(B)および再陽極酸化処理(C)をこの順に施す方法(自己規則化方法I)や、後述する陽極酸化処理(D)と酸化皮膜溶解処理(E)とをこの順に少なくとも1回施す方法(自己規則化方法II)等により形成するのが好ましい。
次に、好適態様である自己規則化方法Iおよび自己規則化方法IIの各処理について詳述する。
〔自己規則化方法I〕
<陽極酸化処理(A)>
陽極酸化処理(A)における電解液の平均流速は、0.5〜20.0m/minであるのが好ましく、1.0〜15.0m/minであるのがより好ましく、2.0〜10.0m/minであるのが更に好ましい。上記範囲の流速で陽極酸化処理(A)を行うことにより、均一かつ高い規則性を有することができる。
また、電解液を上記条件で流動させる方法は、特に限定されないが、例えば、スターラーのような一般的なかくはん装置を使用する方法が用いられる。特に、かくはん速度をデジタル表示でコントロールできるようなスターラーを用いると、平均流速が制御できるため好ましい。このようなかくはん装置としては、例えば、「マグネティックスターラーHS−50D(AS ONE製)」等が挙げられる。
陽極酸化処理(A)は、例えば、酸濃度1〜10質量%の溶液中で、アルミニウム基板を陽極として通電する方法を用いることができる。
陽極酸化処理(A)に用いられる溶液としては、酸溶液であることが好ましく、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸、グリコール酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸等がより好ましく、中でも硫酸、リン酸、シュウ酸が特に好ましい。これらの酸は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
陽極酸化処理(A)の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度0.1〜20質量%、液温−10〜30℃、電流密度0.01〜20A/dm2、電圧3〜300V、電解時間0.5〜30時間であるのが好ましく、電解液濃度0.5〜15質量%、液温−5〜25℃、電流密度0.05〜15A/dm2、電圧5〜250V、電解時間1〜25時間であるのがより好ましく、電解液濃度1〜10質量%、液温0〜20℃、電流密度0.1〜10A/dm2、電圧10〜200V、電解時間2〜20時間であるのが更に好ましい。
陽極酸化処理(A)の処理時間は、0.5分〜16時間であるのが好ましく、1分〜12時間であるのがより好ましく、2分〜8時間であるのが更に好ましい。
陽極酸化処理(A)は、一定電圧下で行う以外に、電圧を断続的または連続的に変化させる方法も用いることができる。この場合は電圧を順次低くしていくのが好ましい。これにより、陽極酸化皮膜の抵抗を下げることが可能になり、陽極酸化皮膜に微細なマイクロポアが生成するため、特に電着処理により封孔処理する際に、均一性が向上する点で、好ましい。
本発明においては、このような陽極酸化処理(A)により形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、1〜1000μmであるのが好ましく、5〜500μmであるのがより好ましく、10〜300μmであるのが更に好ましい。
また、本発明においては、このような陽極酸化処理(A)により形成される陽極酸化皮膜のマイクロポアの平均ポア密度は50〜1500個/μm2であるのが好ましい。
また、マイクロポアの占める面積率は、20〜50%であるのが好ましい。
ここで、マイクロポアの占める面積率は、アルミニウム表面の面積に対するマイクロポアの開口部の面積の合計の割合で定義される。
<脱膜処理(B)>
脱膜処理(B)は、上記陽極酸化処理(A)によりアルミニウム基板表面に形成した陽極酸化皮膜を溶解させて除去する処理である。
上記陽極酸化処理(A)によりアルミニウム基板表面に陽極酸化皮膜を形成した後、後述する貫通化処理工程を直ちに施してもよいが、上記陽極酸化処理(A)の後、更に脱膜処理(B)および後述する再陽極酸化処理(C)をこの順で施した後に、後述する貫通化処理工程を施すのが好ましい。
陽極酸化皮膜は、アルミニウム基板に近くなるほど規則性が高くなっているので、この脱膜処理(B)により、一度陽極酸化皮膜を除去して、アルミニウム基板の表面に残存した陽極酸化皮膜の底部分を表面に露出させて、規則的な窪みを得ることができる。したがって、脱膜処理(B)では、アルミニウムは溶解させず、アルミナ(酸化アルミニウム)からなる陽極酸化皮膜のみを溶解させる。
アルミナ溶解液は、クロム化合物、硝酸、リン酸、ジルコニウム系化合物、チタン系化合物、リチウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、ケイフッ化ナトリウム、フッ化亜鉛、マンガン化合物、モリブデン化合物、マグネシウム化合物、バリウム化合物およびハロゲン単体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有した水溶液が好ましい。
具体的なクロム化合物としては、例えば、酸化クロム(III)、無水クロム(VI)酸等が挙げられる。
ジルコニウム系化合物としては、例えば、フッ化ジルコンアンモニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウムが挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、酸化チタン、硫化チタンが挙げられる。
リチウム塩としては、例えば、フッ化リチウム、塩化リチウムが挙げられる。
セリウム塩としては、例えば、フッ化セリウム、塩化セリウムが挙げられる。
マグネシウム塩としては、例えば、硫化マグネシウムが挙げられる。
マンガン化合物としては、例えば、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カルシウムが挙げられる。
モリブデン化合物としては、例えば、モリブデン酸ナトリウムが挙げられる。
マグネシウム化合物としては、例えば、フッ化マグネシウム・五水和物が挙げられる。
バリウム化合物としては、例えば、酸化バリウム、酢酸バリウム、炭酸バリウム、塩素酸バリウム、塩化バリウム、フッ化バリウム、ヨウ化バリウム、乳酸バリウム、シュウ酸バリウム、過塩素酸バリウム、セレン酸バリウム、亜セレン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、亜硫酸バリウム、チタン酸バリウム、水酸化バリウム、硝酸バリウム、あるいはこれらの水和物等が挙げられる。
上記バリウム化合物の中でも、酸化バリウム、酢酸バリウム、炭酸バリウムが好ましく、酸化バリウムが特に好ましい。
ハロゲン単体としては、例えば、塩素、フッ素、臭素が挙げられる。
中でも、上記アルミナ溶解液が、酸を含有する水溶液であるのが好ましく、酸として、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等が挙げられ、2種以上の酸の混合物であってもよい。
酸濃度としては、0.01mol/L以上であるのが好ましく、0.05mol/L以上であるのがより好ましく、0.1mol/L以上であるのが更に好ましい。上限は特にないが、一般的には10mol/L以下であるのが好ましく、5mol/L以下であるのがより好ましい。不要に高い濃度は経済的でないし、より高いとアルミニウム基板が溶解するおそれがある。
アルミナ溶解液は、−10℃以上であるのが好ましく、−5℃以上であるのがより好ましく、0℃以上であるのが更に好ましい。なお、沸騰したアルミナ溶解液を用いて処理すると、規則化の起点が破壊され、乱れるので、沸騰させないで用いるのが好ましい。
アルミナ溶解液は、アルミナを溶解し、アルミニウムを溶解しない。ここで、アルミナ溶解液は、アルミニウムを実質的に溶解させなければよく、わずかに溶解させるものであってもよい。
脱膜処理(B)は、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム基板を上述したアルミナ溶解液に接触させることにより行う。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。
浸せき法は、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム基板を上述したアルミナ溶解液に浸せきさせる処理である。浸せき処理の際にかくはんを行うと、ムラのない処理が行われるため、好ましい。
浸せき処理の時間は、10分以上であるのが好ましく、1時間以上であるのがより好ましく、3時間以上、5時間以上であるのが更に好ましい。
<再陽極酸化処理(C)>
上記脱膜処理(B)により陽極酸化皮膜を除去して、アルミニウム基板の表面に規則的な窪みを形成した後、再び陽極酸化処理を施すことで、マイクロポアの規則化度がより高い陽極酸化皮膜を形成することができる。
再陽極酸化処理(C)における陽極酸化処理は、従来公知の方法を用いることができるが、上述した陽極酸化処理(A)と同一の条件で行われるのが好ましい。
また、直流電圧を一定としつつ、断続的に電流のオンおよびオフを繰り返す方法、直流電圧を断続的に変化させつつ、電流のオンおよびオフを繰り返す方法も好適に用いることができる。これらの方法によれば、陽極酸化皮膜に微細なマイクロポアが生成するため、特に電着処理により封孔処理する際に、均一性が向上する点で、好ましい。
また、再陽極酸化処理(C)を低温で行うと、マイクロポアの配列が規則的になり、また、ポア径が均一になる。
一方、再陽極酸化処理(C)を比較的高温で行うことにより、マイクロポアの配列を乱し、また、ポア径のばらつきを所定の範囲にすることができる。また、処理時間によっても、ポア径のばらつきを制御することができる。
本発明においては、このような再陽極酸化処理(C)により形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、30〜1000μmであるのが好ましく、50〜500μmであるのが更に好ましい。
また、本発明においては、このような陽極酸化処理(C)により形成される陽極酸化皮膜のマイクロポアのポア径は0.01〜0.5μmであるのが好ましく、0.02〜0.1μmであるのがより好ましい。
平均ポア密度は、1000万個/mm2以上であるのが好ましい。
自己規則化方法Iにおいては、上述した陽極酸化処理(A)および脱膜処理(B)に代えて、例えば、物理的方法、粒子線法、ブロックコポリマー法、レジストパターン・露光・エッチング法等により、上述した再陽極酸化処理(C)によるマイクロポア生成の起点となる窪みを形成させてもよい。
<物理的方法>
例えば、インプリント法(突起を有する基板またはロールをアルミニウム板に圧接し、凹部を形成する、転写法、プレスパターニング法)を用いる方法が挙げられる。具体的には、複数の突起を表面に有する基板をアルミニウム表面に押し付けて窪みを形成させる方法が挙げられる。例えば、特開平10−121292号公報に記載されている方法を用いることができる。
また、アルミニウム表面にポリスチレン球を稠密状態で配列させ、その上からSiO2を蒸着した後、ポリスチレン球を除去し、蒸着されたSiO2をマスクとして基板をエッチングして窪みを形成させる方法も挙げられる。
<粒子線法>
粒子線法は、アルミニウム表面に粒子線を照射して窪みを形成させる方法である。粒子線法は、窪みの位置を自由に制御することができるという利点を有する。
粒子線としては、例えば、荷電粒子ビーム、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)、電子ビームが挙げられる。
粒子線法としては、例えば、特開2001−105400号公報に記載されている方法を用いることもできる。
<ブロックコポリマー法>
ブロックコポリマー法は、アルミニウム表面にブロックコポリマー層を形成させ、熱アニールによりブロックコポリマー層に海島構造を形成させた後、島部分を除去して窪みを形成させる方法である。
ブロックコポリマー法としては、例えば、特開2003−129288号公報に記載されている方法を用いることができる。
<レジストパターン・露光・エッチング法>
レジストパターン・露光・エッチング法は、フォトリソグラフィあるいは電子ビームリソグラフィ法によりアルミニウム板表面のレジストに露光および現像を施し、レジストパタンを形成した後これをエッチングする。レジストを設け、エッチングしてアルミニウム表面まで貫通した窪みを形成させる方法である。
〔自己規則化方法II〕
<第1の工程:陽極酸化処理(D)>
陽極酸化処理(D)は、従来公知の電解液を用いることができるが、直流定電圧条件下にて、通電時の皮膜形成速度Aと、非通電時の皮膜溶解速度Bとした時、以下一般式(ii)で表されるパラメータRが、160≦R≦200、好ましくは170≦R≦190、特に好ましくは175≦R≦185を満たす電解液を用いて処理を施すことで、孔の規則配列性を大幅に向上することができる。
R=A[nm/s]÷(B[nm/s]×加電圧[V]) ・・・ (ii)
陽極酸化処理(D)における電解液の平均流速は、上述した陽極酸化処理(A)と同様、0.5〜20.0m/minであるのが好ましく、1.0〜15.0m/minであるのがより好ましく、2.0〜10.0m/minであるのが更に好ましい。上記範囲の流速で陽極酸化処理(D)を行うことにより、均一かつ高い規則性を有することができる。
また、電解液を上記条件で流動させる方法は、上述した陽極酸化処理(A)と同様、特に限定されないが、例えば、スターラーのような一般的なかくはん装置を使用する方法が用いられる。特に、かくはん速度をデジタル表示でコントロールできるようなスターラーを用いると、平均流速が制御できるため、好ましい。そのようなかくはん装置としては、例えば、「マグネティックスターラーHS−50D(AS ONE製)」等が挙げられる。
また、陽極酸化処理液の粘度としては、25℃1気圧下における粘度が0.0001〜100.0Pa・sが好ましく、0.0005〜80.0Pa・sが更に好ましい。上記範囲の粘度を有する電解液で陽極酸化処理(D)を行うことにより、均一かつ高い規則性を有することができる。
陽極酸化処理(D)で用いる電解液には、酸性、アルカリ性いずれも使用することができるが、孔の真円性を高める観点から酸性の電解液が好適に用いられる。
具体的には、上述した陽極酸化処理(A)と同様、塩酸、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、グリコール酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸、グリコール酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸等がより好ましく、中でも硫酸、リン酸、シュウ酸が特に好ましい。これらの酸は単独でまたは2種以上を組み合わせて、上記一般式(ii)の計算式より所望のパラメータに調整して用いることができる。
陽極酸化処理(D)の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、上述した陽極酸化処理(A)と同様、一般的には電解液濃度0.1〜20質量%、液温−10〜30℃、電流密度0.01〜20A/dm2、電圧3〜500V、電解時間0.5〜30時間であるのが好ましく、電解液濃度0.5〜15質量%、液温−5〜25℃、電流密度0.05〜15A/dm2、電圧5〜250V、電解時間1〜25時間であるのがより好ましく、電解液濃度1〜10質量%、液温0〜20℃、電流密度0.1〜10A/dm2、電圧10〜200V、電解時間2〜20時間であるのが更に好ましい。
本発明においては、このような陽極酸化処理(D)により形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、0.1〜300μmであるのが好ましく、0.5〜150μmであるのがより好ましく、1〜100μmであるのが更に好ましい。
また、本発明においては、このような陽極酸化処理(D)により形成される陽極酸化皮膜のマイクロポアの平均ポア密度は50〜1500個/μm2であるのが好ましい。
また、マイクロポアの占める面積率は、20〜50%であるのが好ましい。
ここで、マイクロポアの占める面積率は、アルミニウム表面の面積に対するマイクロポアの開口部の面積の合計の割合で定義される。
この陽極酸化処理(D)により、図3(A)に示されるように、アルミニウム基板12の表面に、マイクロポア16aを有する陽極酸化皮膜14aが形成される。なお、陽極酸化皮膜14aのアルミニウム基板12側には、バリア層18aが存在している。
<第2の工程:酸化皮膜溶解処理(E)>
酸化皮膜溶解処理(E)は、上記陽極酸化処理(D)により形成された陽極酸化皮膜に存在するポア径を拡大させる処理(孔径拡大処理)である。
酸化皮膜溶解処理(E)は、上記陽極酸化処理(D)後のアルミニウム基板を酸水溶液またはアルカリ水溶液に接触させることにより行う。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。
酸化皮膜溶解処理(E)において、酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。中でも、クロム酸を含有しない水溶液が安全性に優れる点で好ましい。酸水溶液の濃度は1〜10質量%であるのが好ましい。酸水溶液の温度は、25〜60℃であるのが好ましい。
一方、酸化皮膜溶解処理(E)において、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であるのが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であるのが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8〜120分であるのが好ましく、10〜90分であるのがより好ましく、15〜60分であるのが更に好ましい。
また、酸化皮膜溶解処理(E)において、ポア径の拡大量は陽極酸化処理(D)の条件により異なるが、処理前後の拡大比が1.05倍〜100倍が好ましく、1.1倍〜75倍がより好ましく、1.2倍〜50倍が特に好ましい。
この酸化皮膜溶解処理(B)により、図3(B)に示されるように、図3(A)に示される陽極酸化皮膜14aの表面およびマイクロポア16aの内部(バリア層18aおよび多孔質層)が溶解し、アルミニウム基板12上に、マイクロポア16bを有する陽極酸化皮膜14bを有するアルミニウム部材が得られる。なお、図3(A)と同様、陽極酸化皮膜14bのアルミニウム基板12側には、バリア層18bが存在している。
<第3の工程:陽極酸化処理(D)>
自己規則化方法IIにおいては、上記酸化皮膜溶解処理(E)の後に、再度上記陽極酸化処理(D)を施すのが好ましい。
再度の陽極酸化処理(D)により、図3(C)に示されるように、図3(B)に示されるアルミニウム基板12の酸化反応が進行し、アルミニウム基板12上に、マイクロポア16bよりも深くなったマイクロポア16cを有する陽極酸化皮膜14cを有するアルミニウム部材が得られる。なお、図3(A)と同様、陽極酸化皮膜14cのアルミニウム基板12側には、バリア層18cが存在している。
<第4の工程:酸化皮膜溶解処理(E)>
また、自己規則化方法IIにおいては、上記陽極酸化処理(D)、上記酸化皮膜溶解処理(E)および上記陽極酸化処理(D)をこの順に施した後に、更に上記酸化皮膜溶解処理(E)を施すのが好ましい。
この処理により、マイクロポアの中に処理液が入るため、第3の工程で施した陽極酸化処理(D)で形成された陽極酸化皮膜を全て溶解し、第3の工程で施した陽極酸化処理(D)で形成されたマイクロポアのポア径を広げることができる。
即ち、再度の酸化皮膜溶解処理(E)により、図3(D)に示されるように、図3(C)に示される陽極酸化皮膜14cの変曲点より表面側のマイクロポア16cの内部が溶解し、アルミニウム基板12上に、直管状のマイクロポア16dを有する陽極酸化皮膜14dを有するアルミニウム部材が得られる。なお、図3(A)と同様、陽極酸化皮膜14dのアルミニウム基板12側には、バリア層18dが存在している。
ここで、マイクロポアのポア径の拡大量は、第3の工程で施した陽極酸化処理(D)の処理条件により異なるが、処理前後の拡大比が1.05倍〜100倍が好ましく、1.1倍〜75倍がより好ましく、1.2倍〜50倍が特に好ましい。
自己規則化方法IIは、上述した陽極酸化処理(D)と酸化皮膜溶解処理(E)のサイクルを1回以上行うものである。繰り返しの回数が多いほど、上述したポアの配列の規則性が高くなる。
また、直前の陽極酸化処理(D)で形成された陽極酸化皮膜を酸化皮膜溶解処理(E)で全て溶解することにより、皮膜表面から見たマイクロポアの真円性が飛躍的に向上するため、上記サイクルを2回以上繰り返して行うのが好ましく、3回以上繰り返して行うのがより好ましく、4回以上繰り返して行うのが更に好ましい。
また、上記サイクルを2回以上繰り返して行う場合、各回の酸化皮膜溶解処理および陽極酸化処理の条件は、それぞれ同じであっても、異なっていてもよく、また、最後の処理を陽極酸化処理で終えてもよい。
〔定電圧処理〕
定電圧処理は、長時間(例えば、数時間から十数時間)かけて、低速で陽極酸化皮膜を形成させる処理方法である。この処理方法においては、ポア径が電圧に依存するため、マイクロポアの分岐を防ぐ観点から、電圧を一定に制御することが必須となる。
陽極酸化処理における電解液の平均流速は、0.5〜20.0m/minであるのが好ましく、1.0〜15.0m/minであるのがより好ましく、2.0〜10.0m/minであるのが更に好ましい。上記範囲の流速で陽極酸化処理を行うことにより、均一かつ高い規則性を有することができる。
また、電解液を上記条件で流動させる方法は、特に限定されないが、例えば、スターラーのような一般的なかくはん装置を使用する方法が用いられる。特に、かくはん速度をデジタル表示でコントロールできるようなスターラーを用いると、平均流速が制御できるため好ましい。このようなかくはん装置としては、例えば、「マグネティックスターラーHS−50D(AS ONE製)」等が挙げられる。
陽極酸化処理は、例えば、酸濃度1〜10質量%の溶液中で、アルミニウム基板を陽極として通電する方法を用いることができる。
陽極酸化処理に用いられる溶液としては、酸溶液であることが好ましく、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸、グリコール酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸等がより好ましく、中でも硫酸、リン酸、シュウ酸が特に好ましい。これらの酸は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度0.1〜20質量%、液温−10〜30℃、電流密度0.01〜20A/dm2、電圧3〜300V、電解時間0.5〜50時間であるのが好ましく、電解液濃度0.5〜15質量%、液温−5〜25℃、電流密度0.05〜15A/dm2、電圧5〜250V、電解時間1〜25時間であるのがより好ましく、電解液
濃度1〜10質量%、液温0〜20℃、電流密度0.1〜10A/dm2、電圧10〜2
00V、電解時間2〜20時間であるのが更に好ましい。
陽極酸化処理の処理時間は、0.5分〜16時間であるのが好ましく、1分〜12時間であるのがより好ましく、2分〜8時間であるのが更に好ましい。
本発明においては、このような陽極酸化処理により形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、1〜1000μmであるのが好ましく、5〜500μmであるのがより好ましく、10〜300μmであるのが更に好ましい。
また、本発明においては、このような陽極酸化処理により形成される陽極酸化皮膜のマイクロポアの平均ポア密度は50〜1500個/μm2であるのが好ましい。
また、マイクロポアの占める面積率は、20〜50%であるのが好ましい。
ここで、マイクロポアの占める面積率は、アルミニウム表面の面積に対するマイクロポアの開口部の面積の合計の割合で定義される。
[貫通化処理工程]
上記貫通化処理工程は、上記陽極酸化処理工程の後に、上記陽極酸化により生じたマイクロポアによる孔を貫通化して上記絶縁性基材を得る工程である。
上記貫通化処理工程としては、具体的には、例えば、上記陽極酸化処理工程の後に、アルミニウム基板(図3(D)においては符号12で表される部分)を溶解し、陽極酸化皮膜の底部(図3(D)においては符号18dで表される部分)を除去する方法;上記陽極酸化処理工程の後に、アルミニウム基板およびアルミニウム基板近傍の陽極酸化皮膜を切断する方法;等が挙げれる。
次に、好適態様である前者の方法について詳述する。
<アルミニウム基板の溶解>
上記陽極酸化処理工程の後のアルミニウム基板の溶解は、陽極酸化皮膜(アルミナ)は溶解しにくく、アルミニウムを溶解しやすい処理液を用いる。
即ち、アルミニウム溶解速度1μm/分以上、好ましくは3μm/分以上、より好ましくは5μm/分以上、および、陽極酸化皮膜溶解速度0.1nm/分以下、好ましくは0.05nm/分以下、より好ましくは0.01nm/分以下の条件を有する処理液を用いる。
具体的には、アルミよりもイオン化傾向の低い金属化合物を少なくとも1種含み、かつ、pHが4以下8以上、好ましくは3以下9以上、より好ましくは2以下10以上の処理液を使用して浸漬処理を行う。
このような処理液としては、酸またはアルカリ水溶液をベースとし、例えば、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、水銀、銀、パラジウム、白金、金の化合物(例えば、塩化白金酸)、これらのフッ化物、これらの塩化物等を配合したものであるのが好ましい。
中でも、酸水溶液ベースが好ましく、塩化物をブレンドするのが好ましい。
特に、塩酸水溶液に塩化水銀をブレンドした処理液(塩酸/塩化水銀)、塩酸水溶液に塩化銅をブレンドした処理液(塩酸/塩化銅)が、処理ラチチュードの観点から好ましい。
なお、このような処理液の組成は特に限定されず、例えば、臭素/メタノール混合物、臭素/エタノール混合物、王水等を用いることができる。
また、このような処理液の酸またはアルカリ濃度は、0.01〜10mol/Lが好ましく、0.05〜5mol/Lがより好ましい。
更に、このような処理液を用いた処理温度は、−10℃〜80℃が好ましく、0℃〜60℃が好ましい。
本発明においては、アルミニウム基板の溶解は、上記陽極酸化処理工程の後のアルミニウム基板を上述した処理液に接触させることにより行う。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。このときの接触時間としては、10秒〜5時間が好ましく、1分〜3時間がより好ましい。
<陽極酸化皮膜の底部の除去>
アルミニウム基板を溶解した後の陽極酸化皮膜の底部の除去は、酸水溶液またはアルカリ水溶液に浸せきさせることにより行う。底部の陽極酸化皮膜が除去されることにより、マイクロポアによる孔が貫通する。
陽極酸化皮膜の底部の除去は、予めpH緩衝液に浸漬させてマイクロポアによる孔の開口側から孔内にpH緩衝液を充填した後に、開口部の逆面、即ち、陽極酸化皮膜の底部に酸水溶液またはアルカリ水溶液に接触させる方法により行うのが好ましい。
酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。酸水溶液の濃度は1〜10質量%であるのが好ましい。酸水溶液の温度は、25〜40℃であるのが好ましい。
一方、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であるのが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であるのが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液や、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8〜120分であるのが好ましく、10〜90分であるのがより好ましく、15〜60分であるのが更に好ましい。
また、予めpH緩衝液に浸漬させる場合は、上述した酸/アルカリに適宜対応した緩衝液を使用する。
この貫通化処理工程により、図3(D)に示されるアルミニウム基板12およびバリア層18dがなくなった状態の構造物、即ち、図4(A)に示される絶縁性基材20が得られる。
一方、後者のアルミニウム基板およびアルミニウム基板近傍の陽極酸化皮膜を切断する方法としては、アルミニウム基板(図3(D)においては符号12で表される部分)および陽極酸化皮膜の底部(図3(D)においては符号18dで表される部分)を、レーザー等による切削処理や種々の研磨処理等を用いて物理的に除去する方法が好適に例示される。
[金属充填工程]
上記金属充填工程は、上記貫通化処理工程の後に、得られた上記絶縁性基材における貫通化した孔の内部に導電性部材である金属を充填して上記異方導電性部材を得る工程である。
ここで、充填する金属は、異方導電性部材の導通路を構成するものであり、本発明の異方導電性部材において説明したものと同様である。
本発明の製造方法においては、金属の充填方法として、電解メッキ法または無電解メッキ法を用いることができる。
ここで、着色などに用いられる従来公知の電解メッキ法では、選択的に孔中に金属を高アスペクトで析出(成長)させることは困難である。これは、析出金属が孔内で消費され一定時間以上電解を行なってもメッキが成長しないためと考えられる。
そのため、本発明の製造方法においては、電解メッキ法により金属を充填する場合は、パルス電解または定電位電解の際に休止時間をもうける必要がある。休止時間は、10秒以上必要で、30〜60秒あるの好ましい。
また、電解液のかくはんを促進するため、超音波を加えることも望ましい。
更に、電解電圧は、通常20V以下であって望ましくは10V以下であるが、使用する電解液における目的金属の析出電位を予め測定し、その電位+1V以内で定電位電解を行なうことが好ましい。なお、定電位電解を行なう際には、サイクリックボルタンメトリを併用できるものが望ましく、Solartron社、BAS社、北斗電工社、IVIUM社等のポテンショスタット装置を用いることができる。
メッキ液は、従来公知のメッキ液を用いることができる。
具体的には、銅を析出させる場合には硫酸銅水溶液が一般的に用いられるが、硫酸銅の濃度は、1〜300g/Lであるのが好ましく、100〜200g/Lであるのがより好ましい。また、電解液中に塩酸を添加すると析出を促進することができる。この場合、塩酸濃度は10〜20g/Lであるのが好ましい。
また、金を析出させる場合、テトラクロロ金の硫酸溶液を用い、交流電解でメッキを行なうのが望ましい。
なお、無電解メッキ法では、アスペクトの高いマイクロポアからなる孔中に金属を完全に充填には長時間を要するので、本発明の製造方法においては、電解メッキ法により金属を充填するのが望ましい。
この金属充填工程により、図4(B)に示される異方導電性部材21が得られる。
[表面平滑化処理]
本発明の製造方法においては、上記金属充填工程の後に、化学機械研磨処理によって表面および裏面を平滑化する表面平滑処理工程を具備するのが好ましい。
化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理を行うことにより、金属を充填させた後の表面および裏面の平滑化と表面に付着した余分な金属を除去することができる。
CMP処理には、フジミインコーポレイテッド社製のPNANERLITE−7000、日立化成社製のGPX HSC800、旭硝子(セイミケミカル)社製のCL−1000等のCMPスラリーを用いることができる。
なお、陽極酸化皮膜を研磨したくないので、層間絶縁膜やバリアメタル用のスラリーを用いるのは好ましくない。
[トリミング処理]
本発明の製造方法においては、上記金属充填工程または上記CMP処理を施した場合は上記表面平滑処理工程の後に、トリミング処理工程を具備するのが好ましい。
上記トリミング処理工程は、上記金属充填工程または上記CMP処理を施した場合は上記表面平滑処理工程の後に、異方導電性部材表面の絶縁性基材のみを一部除去し、導通路を突出させる工程である。
ここで、トリミング処理は、導通路を構成する金属を溶解しない条件であれば、上述した酸化皮膜溶解処理(E)と同様の処理条件で施すことができる。特に、溶解速度を管理しやすいリン酸を用いるのが好ましい。
このトリミング工程により、図4(C)に示される異方導電性部材21が得られる。
[電着処理]
本発明の製造方法においては、上記トリミング処理工程に代えてまたは上記トリミング処理工程の後に、図4(B)に示される導通路3の表面にのみ、更に同一のまたは異なる導電性金属を析出させる電着処理工程を具備するものであってもよい(図4(D))。
本発明においては、電着処理は、異種金属の電気陰性度の差異を利用した無電解メッキ処理も含む処理である。
ここで、無電解メッキ処理は、無電解メッキ処理液(例えば、pHが1〜9の貴金属含有処理液に、pHが6〜13の還元剤処理液を適宜混合した液)に浸漬させる工程である。
本発明の製造方法においては、上記トリミング処理および上記電着処理は、異方導電性部材の使用直前に施すのが好ましい。これらの処理を使用直前に施すことにより、バンプ部分を構成する導通路の金属が使用直前まで酸化しないため好ましい。
[保護膜形成処理]
本発明の製造方法においては、アルミナで形成された絶縁性基材が、空気中の水分との水和により、経時により孔径が変化してしまうことから、上記金属充填工程前に、保護膜形成処理を施すことが好ましい。
保護膜としては、Zr元素および/またはSi元素を含有する無機保護膜、あるいは、水不溶性ポリマーを含有する有機保護膜が挙げられる。
Zr元素を有する保護膜の形成方法は特に限定されないが、例えば、ジルコニウム化合物が溶解している水溶液に直接浸せきして処理する方法が一般的である。また、保護膜の強固性と安定性の観点から、リン化合物をあわせて溶解させた水溶液を用いることが好ましい。
ここで、ジルコニウム化合物としては、具体的には、例えば、ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カルシウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)ジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム(IV)ジクロリド等が挙げられ、中でも、フッ化ジルコン酸ナトリウムが好ましい。
また、水溶液におけるジルコニウム化合物の濃度としては、保護膜厚の均一性の観点から、0.01〜10wt%が好ましく、0.05〜5wt%がより好ましい。
リン化合物としては、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられ、中でも、リン酸水素ナトリウムが好ましい。
また、水溶液におけるジルコニウム化合物の濃度としては、保護膜厚の均一性の観点から、0.1〜20wt%が好ましく、0.5〜10wt%がより好ましい。
また、処理温度としては、0〜120℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。
一方、Si元素を有する保護膜の形成方法は特に限定されないが、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩が溶解している水溶液に直接浸せきして処理する方法が一般的である。
アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、ケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す。)と濃度によって保護膜厚の調節が可能である。
ここで、Mとしては、特にナトリウム、カリウムが好適に用いられる。
また、モル比は、〔SiO2〕/〔M2O〕が0.1〜5.0が好ましく、0.5〜3.0がより好ましい。
更に、SiO2の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
有機保護膜としては、水不溶性ポリマーが溶解している有機溶剤に、直接浸せきしたのち、加熱処理により溶剤のみを揮発させる方法が好ましい。
水不溶性ポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリサルホン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、セロハン等が挙げられる。
また、有機溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等が挙げられる。
濃度としては、0.1〜50wt%が好ましく、1〜30wt%がより好ましい。
また、溶剤揮発時の加熱温度としては、30〜300℃が好ましく、50〜200℃がより好ましい。
保護膜形成処理後において、保護膜を含めた陽極酸化皮膜の膜厚は、0.1〜1000μmであるのが好ましく、1〜500μmであるのが更に好ましい。
本発明の製造方法においては、得られる異方導電性部材の用途に応じて、加熱処理を施すことにより、硬度および耐ヒートサイクル性を制御することができる。
例えば、100℃以上で加熱することが好ましく、200℃以上がより好ましく、400℃以上が特に好ましい。また加熱時間としては、10秒〜24時間が好ましく、1分〜12時間がより好ましく、30分〜8時間が特に好ましい。このような加熱処理により高度が向上し、半導体製造工程等における加熱および冷却のヒートサイクル時においても伸縮が抑制される。
(実施例1)
(A)鏡面仕上げ処理(電解研磨処理)
高純度アルミニウム基板(住友軽金属社製、純度99.99質量%、厚さ0.4mm)を10cm四方の面積で陽極酸化処理できるようカットし、以下組成の電解研磨液を用い、電圧25V、液温度65℃、液流速3.0m/minの条件で電解研磨処理を施した。
陰極はカーボン電極とし、電源は、GP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
(電解研磨液組成)
・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬) 660mL
・純水 160mL
・硫酸 150mL
・エチレングリコール 30mL
(B)陽極酸化処理工程(自己規則化法I)
次いで、電解研磨処理後のアルミニウム基板に、0.30mol/L硫酸の電解液で、電圧25V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件で、5時間のプレ陽極酸化処理を施した。
その後、プレ陽極酸化処理後のアルミニウム基板を、0.2mol/L無水クロム酸、0.6mol/Lリン酸の混合水溶液(液温:50℃)に12時間浸漬させる脱膜処理を施した。
その後、0.30mol/L硫酸の電解液で、電圧25V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件で、1時間の再陽極酸化処理を施した。
なお、プレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理は、いずれも陰極はステンレス電極とし、電源はGP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、冷却装置にはNeoCool BD36(ヤマト科学社製)、かくはん加温装置にはペアスターラー PS−100(EYELA社製)を用いた。更に、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
(C)貫通化処理工程
次いで、20質量%塩化水銀水溶液(昇汞)に20℃、3時間浸漬させることによりアルミニウム基板を溶解し、更に、5質量%リン酸に30℃、30分間浸漬させることにより陽極酸化皮膜の底部を除去し、マイクロポアを有する陽極酸化皮膜からなる構造体(絶縁性基材)を作製した。
(D)加熱処理
次いで、上記で得られた構造体に、温度400℃で1時間の加熱処理を施した。
(E)金属充填処理工程
次いで、上記加熱処理後の構造体の一方の表面に銅電極を密着させ、該銅電極を陰極にし、白金を正極にして電解メッキを行なった。
硫酸銅/硫酸/塩酸=200/50/15(g/L)の混合溶液を25℃に保った状態で電解液として使用し、定電圧パルス電解を実施することにより、マイクロポアからなる孔に銅が充填された構造体(異方導電性部材)を製造した。
ここで、定電圧パルス電解は、山本鍍金社製のメッキ装置を用い、北斗電工社製の電源(HZ−3000)を用い、メッキ液中でサイクリックボルタンメトリを行なって析出電位を確認した後、皮膜側の電位を−2Vに設定して行った。また、定電圧パルス電解のパルス波形は矩形波であった。具体的には、電解の総処理時間が300秒になるように、1回の電解時間が60秒の電解処理を、各電解処理の間に40秒の休止時間を設けて5回施した。
銅を充填した後の表面をFE−SEMで観察すると、陽極酸化皮膜の表面から一部あふれるような形になっていた。
(F)表面平滑化処理工程
次いで、銅が充填された構造体の表面および裏面に、CMP処理を施した。
CMPスラリーとしては、フジミインコーポレイテッド社製のPNANERLITE−7000を用いた。
(G)トリミング処理
次いで、CMP処理後の構造体をリン酸溶液に浸漬し、陽極酸化皮膜を選択的に溶解することで、導通路である銅の円柱を突出させた。
リン酸溶液は、上記貫通化処理と同じ液を使い、処理時間を5分とした。
次いで、水洗し、乾燥した後に、FE−SEMで観察した。
その結果、下記第1表にも示すように、導通路の突出部の高さ(バンプ高さ)が10nmであり、電極部サイズである導通路の直径が40nmであり、部材の厚みが50μmであることを確認した。また、部材の厚みに対する導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.01であることを確認した。
(実施例2)
(A)〜(G)までの各処理を実施例1と同様に行なった後、更に、絶縁性基材(陽極酸化皮膜)表面から突出した銅を金で被覆する処理を行った。
具体的には、実施例1で得られたトリミング処理後の異方導電性部材を、50℃に維持した市販の無電解メッキ処理液(プレシャスハブ)に15分間浸漬させることにより、絶縁性基材表面から突出した銅の表面に金を析出させた。
実施例1と同様にFE−SEMで観察すると、突出部分は丸みを帯びており、バンプ高さは20nm程度に増加していた。また、下記第1表にも示すように、電極部サイズである導通路の直径が40nmであり、部材の厚みが50μmであることを確認した。また、部材の厚みに対する導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.02であることを確認した。
(実施例3)
上記(B)陽極酸化処理工程(自己規則化法I)におけるプレ陽極酸化および再陽極酸化処理を0.50mol/Lシュウ酸の電解液、電圧40V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件に変え、上記(G)トリミング処理の処理時間を10分とした以外は、実施例1と同じ条件で処理を行い、構造体(異方導電性部材)を製造した。
実施例1と同様にFE−SEMで観察すると、下記第1表にも示すように、バンプ高さは40nmであり、電極部サイズである導通路の直径が120nmであり、部材の厚みが50μmであることを確認した。また、部材の厚みに対する導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.01であることを確認した。
(比較例1)
先ず、金属材料からなる線材に、接着性絶縁材料からなる被覆層を形成する。被覆層の厚さは、通常、3〜50μm程度、好ましくは5〜20μm程度である。被覆層の厚さをこの程度の厚さにすることで、導通路の最大長(幅)の平均値に対する導通路と導通路との間隔を上記所定の間隔にすることができる。
この絶縁線材を芯材上に巻線して、ロール状の巻線コイルを形成する。
巻線は、リレー、トランスなどの電磁コイルを製造するための公知技術であるスピンドル方式や、フライヤー方式などを応用し、最密巻きにするのが好ましい。巻き幅(電磁コイルにおけるボビンの全長であって、1層内のターン数に関係する)、厚み(層数に関係する)などの巻線仕様は、目的に応じて適宜決定する。
次いで、巻線コイルに対して、加熱および/または加圧を施し、層内、層間において隣接する絶縁導線同士を接着性絶縁材料からなる被覆層の部分で融着および/または圧着させて一体化し、巻線コイルブロックを形成する。
次いで、巻線コイルブロックを薄くシート状にスライスすることにより異方導電性フィルムを形成した。
また、導通を確保するために反応性エッチングにより金属材料部分を露出させた。イオン反応性プラズマ装置を用いてテトラフルオロカーボン(CF4)を反応性ガスに採用し0.5L/min流しながら2000Wの電力で30分間処理した。
この導通路の両端を導電性材料で被覆することが望ましく、メッキや気相分解法などを用い、金属材料を積層する。
具体的には、接着性絶縁材料としてポリカルボジイミド樹脂(ガラス転移点170℃)、絶縁材料としてポリアミドイミド樹脂(ガラス転移点270℃)を用いた。
また、導通路には最大長(幅)の平均が18μmの円柱状の銅線を用い、導通路の両端の表面には金を積層し、隣接する導通路間の相互の中心間距離(ピッチ)は35μm、異方導電性フィルムの厚みは50μmに設定した。
また、FE−SEMで観察した結果、下記第1表にも示すように、導通路の突出部の高さ(バンプ高さ)が15μmであり、電極部サイズである導通路の直径が18μmであることを確認した。更に、異方導電性フィルムの厚みに対する導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.01であることを確認した。
(比較例2)
比較例2として、特許文献3(特開2002−134570号公報)に記載された実施例に相当する例を行った。
具体的には、まず、図5(A)に示すように、厚み0.5mm×幅30mm×長さ30mmの方形の銅基板41に、厚み150μmの均一な厚みのレジスト層(膜)42を形成した。
レジスト材料は、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA樹脂)を用い、塗膜形成後、常温で4時間の乾燥を行った。
次いで、図5(B)に示すように、直径20μmの円形同士がピッチ40μmで細密充填状に配列されたマスク(ドイツ国カールスルーエ社製)43を銅基板41上に重ねて、垂直方向上方よりX線44を照射し、マスク43によって遮蔽されていないレジスト膜部分をX線に露光させた。
ここでは、レジスト側壁面の形状精度が優れているシンクロトロン放射X線を用いた。
次いで、図5(C)に示すように、レジスト膜のX線露光部分を現像により溶解除去することにより、アスペクト比((長さ/直径)の値)が10であるポーラスな構造が形成された微細構造レジスト膜45を有してなる母型Mを形成した。
次いで、図5(D)に示すように、前記溶解除去部分に、電鋳法により、ニッケル導電性極細線群46を形成した。メッキ液47としてスルファミン酸浴を用い、ニッケル電極をプラス側の電極とし、銅基板をマイナス側の電極として電鋳を行った。
電鋳工程後、図5(E)に示すように、形成されたニッケル導電性極細線群46の周りの残存レジスト膜(微細構造レジスト膜)45を溶解除去し、銅基板41上にニッケル導電性極細線群46が形成された基体Vを得た。
次いで、この基体Vを型枠内に収容し、図5(F)に示すように、ニッケル導電性極細線群46の周りにシート状基材材料48(本例ではシリコーン樹脂)を充填し、これを硬化させることにより、銅基板上に、シリコーン樹脂製のシート状基材を作製した。
次いで、前記作製したものから銅基板を取り外し、更に表面・裏面をエキシマレーザーにてトリミング処理することにより、図5(G)に示すような異方性導電フィルム49を作製した。本例ではシリコーン樹脂層の厚みは約100μm、導電性部の突出部の高さ(バンプ高さ)は平均10μmであった。なお、得られた異方性導電フィルム49において各導電性極細線の露出している端部は研磨して尖らせ、更に電気抵抗を下げるため端部に金メッキを施した。
また、FE−SEMで観察した結果、下記第1表にも示すように、導通路の突出部の高さ(バンプ高さ)が10μmであり、電極部サイズである導通路の直径が20μmであることを確認した。更に、異方導電性フィルムの厚みに対する導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.05であることを確認した。
実施例1〜3ならびに比較例1および2で得られた異方導電性部材(フィルム)の形状を下記第1表に示す。
ここで、規則化度は、得られた異方銅導電性部材(フィルム)についてFE−SEMにより表面写真(倍率20000倍)を撮影し、2μm×2μmの視野で、マイクロポアについて上記式(i)により定義される規則化度を測定した。なお、規則化度の測定は、10箇所において行い、平均値を算出した。
また、周期とは、導通路の中心間距離(ピッチ)をいい、得られた異方銅導電性部材(フィルム)についてFE−SEMにより表面写真(倍率50000倍)を撮影し、50点測定した平均値である。
また、密度は、図6に示すように、上記式(i)により定義される規則化度が50%以上となるように配列するマイクロポアの単位格子51中に1/2個の導電性電極部52があるとして、下記式により計算した。ここで、下記式中、Ppは周期を表す。
密度(個/μm2)=(1/2個)/{Pp(μm)×Pp(μm)×√3×(1/2)}
Figure 2008270158

実施例1〜3ならびに比較例1および2で得られた異方導電性部材(フィルム)を用いて、評価用半導体素子および評価用回路基盤を接続し、その導通性を評価した。
ここで、評価用半導体素子および評価用回路基盤の接続条件は下記第2表に示すとおりであり、接続の態様は図7の測定例I〜IVに示す通りである。なお、図7の測定例Iは、異方導電性部材(フィルム)を用いず、プローブ(プローブカード)で直接評価した態様であり、測定例IVは、評価用回路基板の信号取り出し部を変更し、プローブ配列を最適化した態様である。
また、導電性の評価は、評価用半導体素子と評価用回路基板との間に、異方導電性部材(フィルム)を挿み、圧力30kgf/チップの荷重を加えた状態で行った。その結果を第3表に示す。
Figure 2008270158
Figure 2008270158
Figure 2008270158
第3表に示す結果から、比較例の異方導電性フィルムは、評価用半導体素子の電極サイズ(パッドサイズ)が大きい場合にはその機能を十分に発揮できるが(測定例II)、評価用回路基盤の配線幅が微細化すると導通が確認できない電極が数多く存在していることが分かる(測定例III)。また、プローブを最適化しても、導通路の密度自体が絶対的に不足しているため、導通性評価は不完全なままである(測定例IV)。
これに対し、実施例1〜3の異方導電性部材を用いた場合、測定例IIIではプローブの不足から予想される理論値37.5%をほぼ達成し、測定例IVではいずれの導電体も完全な導通が得られていることが確認できた。
また、導通性を評価した後の評価用半導体素子および評価用回路基板の電極表面を観察したところ、実施例1〜3の異方導電性部材を用いた場合は、荷重が多点で分散されているせいかキズ等のダメージは確認されなかった。
一方、測定例Iのプローブで直接導電性を確認した電極表面には明瞭なキズが確認できた。
(実施例4)
上記(B)陽極酸化処理工程(自己規則化法I)に代えて、電解研磨処理後のアルミニウム基板に、0.20mol/L硫酸の電解液で、電圧20V、液温度10℃、液流速3.0m/minの条件で、12時間の陽極酸化処理を施した以外は、実施例1と同じ条件で処理を行い、構造体(異方導電性部材)を製造した。
なお、陽極酸化処理は、いずれも陰極はステンレス電極とし、電源はGP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、冷却装置にはNeoCool BD36(ヤマト科学社製)、かくはん加温装置にはペアスターラー PS−100(EYELA社製)を用いた。更に、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
実施例1と同様にFE−SEMで観察すると、下記第4表にも示すように、バンプ高さは10nmであり、電極部サイズである導通路の直径が30nmであり、部材の厚みが100μmであることを確認した。また、部材の厚みに対する導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.01であることを確認した。
(実施例5)
実施例4と同様に各処理を行なった後、更に、絶縁性基材(陽極酸化皮膜)表面から突出した銅を金で被覆する処理を行った。
具体的には、実施例4で得られたトリミング処理後の異方導電性部材を、50℃に維持した市販の無電解メッキ処理液(プレシャスハブ)に15分間浸漬させることにより、絶縁性基材表面から突出した銅の表面に金を析出させた。
実施例4と同様にFE−SEMで観察すると、突出部分は丸みを帯びており、バンプ高さは20nm程度に増加していた。また、下記第4表にも示すように、電極部サイズである導通路の直径が30nmであり、部材の厚みが100μmであることを確認した。また、部材の厚みに対する導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.02であることを確認した。
(実施例6)
上記(B)陽極酸化処理工程(自己規則化法I)におけるプレ陽極酸化および再陽極酸化処理を0.20mol/Lシュウ酸の電解液、電圧50V、液温度20℃、液流速3.0m/minの条件に変え、上記(G)トリミング処理の処理時間を10分とした以外は、実施例1と同じ条件で処理を行い、構造体(異方導電性部材)を製造した。
実施例1と同様にFE−SEMで観察すると、下記第4表にも示すように、バンプ高さは40nmであり、電極部サイズである導通路の直径が130nmであり、部材の厚みが90μmであることを確認した。また、部材の厚みに対する導通路の中心線の長さ(長さ/厚み)は1.01であることを確認した。
実施例4〜6で得られた異方導電性部材(フィルム)の形状を下記第4表に示す。
ここで、規則化度、周期および密度は、実施例1と同様の方法により測定した。
Figure 2008270158
実施例1〜6ならびに比較例1および2で得られた異方導電性部材(フィルム)を用いて、その異方導通性を評価した。
深さ方向の導電性(導電部抵抗)については、図8に示すように、実施例1〜6ならびに比較例1および2で得られた異方導電性部材(フィルム)を1.5mm×6.0mmの大きさにカットしたデバイス61を、Auより構成される同サイズの電極62(ピッチ:10μm)に挟み込み、200℃、0.5MPa、1分の条件で加圧圧着させ、G1とG2の間の電気抵抗を測定した。抵抗値が小さいほど、異方導通性が良好であることを表す。その結果を第5表に示す。
また、面方向の絶縁性(絶縁部抵抗)に関しては、G1とS1の間の電気抵抗を測定した。抵抗値が大きいほど、異方導通性が良好であることを表す。その結果を第5表に示す。
Figure 2008270158
本発明の異方導電性部材は、半導体素子等の電子部品等の機能検査を行う際の検査用コネクタとして用いることができるが、実施例でも示すように、従来公知の半導体検査装置であるプローブカードと組み合わせたり、一体化させて用いることもできる。
また、本発明の異方導電性部材は、CPUなどのマザーボードとインターポーザーの間の電気的接点(電子接続部材)として用いることもでき、インターポーザーとSiウェハとの間の電気的接点として用いることもできる。
このような場合には、プローブではなく、信号取り出し用パッドを配線した基板上に本発明の膜を組み合わせることで、検査プローブとしても用いることが可能である。
なお、Siウェハの信号取り出し面に本発明の異方導電性部材を一体化させておくことにより、配線構造へのダメージを与えることなく、また製法上も非常に精密なアライメントを必要とすることなく電気信号の取り出しが可能となる。
本発明の異方導電性部材は、特に、電子接続部材として使用する場合、ラベル貼付機で使用される、商品に価格表示や日付表示などを表示する表示ラベルのように、所定径および所定幅の巻き芯71に巻き取られたテープ(台紙)72の外側面に、所定寸法の異方導電性部材73を貼り付けた状態で供給することができる(図9参照。)。
ここで、異方導電性部材の寸法は、例えば、これを使用する半導体チップの寸法と略同一寸法とし、テープの幅は、異方導電性部材の幅に応じて適宜決定することができる。
また、異方導電性部材の基板はアルミナであり、後から切ったり、折り曲げたりすることは困難であるため、異方導電性部材の寸法に応じて巻き芯の径および幅を適宜決定することが望ましい。具体的には、テープ長さ方向の異方導電性部材の寸法が大きくなるほど、巻き芯の径を大きくすることが望ましい。
また、異方導電性部材はテープに貼り付けられているが、テープの材質は、異方導電性部材を剥した際に接着剤が異方導電性部材表面に残らないものであるのが好ましい。
この供給形態では、ユーザは、テープに貼り付けられた異方性導電膜を1枚ずつ剥がして使用することができる。
また、本発明の異方導電性部材は、特に、電子接続部材として使用する場合、引き出し型の収納箱81の中に、所定寸法の異方導電性部材82を立てて並べて収納した状態で供給することができる(図10参照。)。
ここで、収納箱の寸法は、異方導電性部材の寸法に応じて適宜変更することができる。
また、収納箱の内部では、隣接する異方導電性部材同士が接触するため、両者の間に緩衝材を挿入したり、個々の異方性導電膜を袋詰めするなど、隣接する異方性導電膜同士が接触しないように収納することが望ましい。
この供給形態では、ユーザは、収納箱に収納された異方性導電膜を1枚ずつ取り出して使用することができる。
また、本発明の異方導電性部材は、特に、電子接続部材として使用する場合、半導体ウェハのように、略円形の所定径の樹脂板91の一方の面の全面に異方導電性部材92を貼り付けた状態で供給することができる(図11参照。)。
ここで、樹脂板の直径は、例えば、この異方性導電膜を使用する半導体ウェハの直径と略同一の5インチや8インチとすることができる。
また、異方導電性部材は、例えば、半導体チップのウェハレベルチップサイズパッケージ(Wafer Level Chip Size Package)と同様、これを使用する半導体チップの寸法と略同一寸法に切断して使用できるように、あらかじめ樹脂板とともに切れ目93を入れておくのが望ましい。
この供給形態では、ユーザは、樹脂板の一方の面の全面に貼り付けられた異方性導電膜を、切れ目に沿って樹脂板とともに切断して個々に分割した後、樹脂板を取り除いてから異方性導電膜を使用することができる。
また、個々の半導体チップとインターポーザとの接続部材として本発明の異方導電性部材を使用する場合、あらかじめ半導体ウェハとインターポーザとを、異方性導電膜で接続した状態で供給することもできる。
更に、本発明の異方導電性部材は、光伝送素材の用途としても応用が期待できる。
図1は、本発明の異方導電性部材の好適な実施態様の一例を示す簡略図である。 図2は、ポアの規則化度を算出する方法の説明図である。 図3は、本発明の製造方法における陽極酸化処理工程の一例を説明する模式的な端面図である。 図4は、本発明の製造方法における金属充填工程等の一例を説明する模式的な端面図である。 図5は、比較例2の異方性導電部材の製造方法の手順を説明する模式的な断面図である。 図6は、導電性部材(フィルム)の導通路の密度を計算するための説明図である。 図7は、[実施例]における評価用半導体素子および評価用回路基盤の接続の態様を示すは図である。 図8は、実施例1〜6ならびに比較例1および2で得られた異方導電性部材(フィルム)の面方向の絶縁性(電気抵抗)を測定する装置の模式図である。 図9は、本発明の異方導電性部材の供給形態の一例を説明する模式図である。 図10は、本発明の異方導電性部材の供給形態の一例を説明する模式図である。 図11は、本発明の異方導電性部材の供給形態の一例を説明する模式図である。
符号の説明
1 異方導電性部材
2 絶縁性基材
3 導通路
4a,4b 突出部
5 基材内導通部
6 絶縁性基材の厚み
7 導通路間の幅
8 導通路の直径
9 導通路の中心間距離(ピッチ)
12 アルミニウム基板
14a、14b、14c、14d 陽極酸化皮膜
16a、16b、16c、16d マイクロポア
18a、18b、18c、18d バリア層
20 絶縁性基材
21 異方導電性部材
41 銅基板
42 レジスト層
43 マスク
44 X線
M 母型
45 微細構造レジスト膜(残存レジスト膜)
46 ニッケル導電性極細線群
47 メッキ浴
V 基体
48 シート状基材材料
49 異方性導電フィルム
51 マイクロポアの単位格子
52 導電性電極部
61 デバイス
62 電極
71 巻き芯
72 テープ(台紙)
73、82、92 異方導電性部材
81 収納箱
91 樹脂板
93 切れ目
101、102、104、105、107、108 マイクロポア
103、106、109 円

Claims (7)

  1. 絶縁性基材中に、導電性部材からなる複数の導通路が、互いに絶縁された状態で前記絶縁性基材を厚み方向に貫通し、かつ、前記各導通路の一端が前記絶縁性基材の一方の面において露出し、前記各導通路の他端が前記絶縁性基材の他方の面において露出した状態で設けられる異方導電性部材であって、
    前記導通路の密度が200万個/mm2以上であり、前記絶縁性基材がマイクロポアを有するアルミニウム基板の陽極酸化皮膜からなる構造体である、異方導電性部材。
  2. 前記マイクロポアについて下記式(i)により定義される規則化度が50%以上である、請求項1に記載の異方導電性部材。
    規則化度(%)=B/A×100 (i)
    前記式(i)中、Aは、測定範囲におけるマイクロポアの全数を表す。Bは、一のマイクロポアの重心を中心とし、他のマイクロポアの縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に前記一のマイクロポア以外のマイクロポアの重心を6個含むことになる前記一のマイクロポアの測定範囲における数を表す。
  3. 前記導通路が、前記各導通路の一端が前記絶縁性基材の一方の面から突出し、前記各導通路の他端が前記絶縁性基材の他方の面から突出してた状態で設けられる、請求項1または2に記載の異方導電性部材。
  4. 前記絶縁性基材の厚みが1〜1000μmであり、前記導通路の直径が5〜500nmである、請求項1〜3のいずれかに記載の異方導電性部材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の異方導電性部材を製造する異方導電性部材の製造方法であって、少なくとも、
    アルミニウム基板を陽極酸化する陽極酸化処理工程、
    前記陽極酸化処理工程の後に、前記陽極酸化により生じたマイクロポアによる孔を貫通化して前記絶縁性基材を得る貫通化処理工程、および、
    前記貫通化処理工程の後に、得られた前記絶縁性基材における貫通化した孔の内部に導電性部材である金属を充填して前記異方導電性部材を得る金属充填工程、を具備する異方導電性部材の製造方法。
  6. 更に、前記金属充填工程の後に、化学機械研磨処理によって表面および裏面を平滑化する表面平滑処理工程を具備する請求項5に記載の異方導電性部材の製造方法。
  7. 更に、前記金属充填工程の後に、トリミング処理工程を具備する請求項5または6に記載の異方導電性部材の製造方法。
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