JP5253972B2 - 構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、異方導電性部材として使用可能な構造体およびその製造方法に関する。
異方導電性部材は、半導体素子等の電子部品と回路基板との間に挿入し、加圧するだけで電子部品と回路基板間の電気的接続が得られるため、半導体素子等の電子部品等の接続部材及び機能検査を行う際の検査用コネクタ等、広く使用されているほか、光伝送素材の用途としても応用が期待でき、注目度が高い部材である。
特に半導体素子等の電子接続部材は、そのダウンサイジング化が顕著であり、従来のワイヤーボンディングのような直接配線基板を接続するような方式では、接続の安定性を十分に保証することができない。これに代わり近年注目されているのが異方導電性部材であり、絶縁素材の皮膜中に導電性部材が貫通林立したタイプや、金属球を配置したタイプのものが注目されている。
また、検査用コネクタは、半導体素子等の電子部品を回路基板に実装した後に機能検査を行うと、電子部品が不良であった場合に、回路基板もともに処分されることとなり、金額的な損失が大きくなってしまうという問題を回避するためである。
即ち、半導体素子等の電子部品を、実装時と同様のポジションで回路基板に異方導電性部材を介して接触させて機能検査を行うことで、電子部品を回路基板上に実装せずに、機能検査を実施でき、上記の問題を回避することができる。
このような異方導電性部材として、特許文献1には、「接着性絶縁材料からなるフィルム基板中に、導電性材料からなる複数の導通路が、互いに絶縁された状態で、かつ該フィルム基板を厚み方向に貫通した状態で配置され、フィルム基板の長手方向と平行な導通路の断面における形状の外周上の2点間の最大長の平均が10〜30μmであり、隣接する導通路の間隔が、上記最大長の平均の0.5〜3倍であることを特徴とする異方導電性フィルム。」が開示されている。
また、特許文献2には、「絶縁性樹脂よりなるフィルム基材中に、複数の導通路が、互いに絶縁されて、該フィルム基材を厚み方向に貫通し、かつ、千鳥配列で配置されている、異方導電性フィルムであって、導通路列内の導通路間距離よりも、隣り合う導通路列間での導通路間距離が小さいことを特徴とする、異方導電性フィルム。」が開示されている。
このような異方導電性フィルムの製造方法として、特許文献1および2には、異方導電性材料の細線を絶縁性フィルム上に挟み込んだ後、加熱及び加圧により一体化し、厚み方向にスクライブする方法が開示されている。
また、特許文献3には、レジストとマスクを用いて導電性の柱を電鋳で作製し、これに絶縁性素材を流し込み硬化させることで異方導電性フィルムを製造する方法が検討されている。
一方、特許文献4には、「電気的絶縁材からなる保持体と、該保持体中に互いに絶縁状態にて備えられた複数の導電部材とを有し、前記各導電部材の一端が前記保持体の一方の面において露出しており、前記各導電部材の他端が前記保持体の他方の面において露出している電気的接続部材を製造する方法において、
基体と、該基体に積層されて設けられるところの前記保持体となる絶縁層とを有する母材に対し前記絶縁層側から高エネルギビームを照射して、複数の領域において前記絶縁層の全部と前記基体の一部とを除去し、前記母材に複数の穴を形成する第1の工程と、
形成された複数の穴に、前記絶縁層の面と面一またはこの面より突出させて、前記導電部材となる導電材料を充填する第2の工程と、前記基体を除去する第3の工程と、を有することを特徴とする電気的接続部材の製造方法。」が開示されており、絶縁層として、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の種々の材質に関する検討も行なわれている。
ところで、近年、半導体素子等の電子部品は、高集積化が一層進むことに伴い、電極(端子)サイズはより小さくなり、電極(端子)数はより増加し、端子間の距離もより狭くなってきている。また、狭ピッチで多数配置されている各端子の表面が本体表面よりも奥まった位置にある表面構造の電子部品も現れてきている。
そのため、このような電子部品に対応できるよう、異方導電性部材における導通路もその外径(太さ)をより小さくし、かつ、狭ピッチで配列させる必要が生じている。
しかしながら、上記特許文献1〜4等に記載されている異方導電性フィルムや電気的接続部材を製造する方法では、導通路のサイズを小さくすることは非常に困難であり、狭ピッチでサイズが小さい導通路を得るために、導電性材料を高い充填率で充填させることはさらに困難である。
さらに、特許文献5には、接触抵抗を長期間にわたって低く維持するために、複数の探針の少なくとも被検査体の測定用の端子に接触する部分を金メッキしたことを特徴とするプローブカードを開示している。異方導電性部材においても、導通路をなす導電性材料の外部に露出する表面を保護する目的で該導電性材料の表面を金属材料で被覆することが好ましいと考えられる。しかしながら、特許文献5には、高集積化に対応した部材の被覆に関する態様や製法についての最適条件は明らかとなっておらず、接合適性と導電性とをあわせもった異方導電性部材を得ることは困難であった。
したがって、接合適性と導電性とをあわせもった異方導電性部材を得るために、該異方導電性部材の導通路の表面修飾に関する具体的な態様およびその製法の開発が期待されている。
特開2000−012619号公報 特開2005−085634号公報 特開2002−134570号公報 特開平03−182081号公報 特開平03−209738号公報
したがって、本発明は、導通路の設置密度を飛躍的に向上させ、高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の接続用部材等として使用することができる狭ピッチに対応した異方導電性部材として使用可能な、接合適性と導電性とをあわせもった構造体、および、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、絶縁性基板に導電体が貫通し、かつ、該絶縁性基板表面から該導電体の一部が突出した導電体において、該絶縁性基材表面から突出した該導電体の表面を極めて薄く金属で被覆することにより、接合適性と導電性とをあわせもった構造体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(i)〜(vi)を提供する。
(i)絶縁性基板に導電体が貫通する構造体であって、
該導電体が、円相当径10〜500nmであり、かつ該絶縁性基板表面からの高さが50nm以上の突出部を有するものであり、
該突出部の表面が金属によって被覆されており、該突出部を被覆する被覆層を含めた該突出部の高さH(nm)と、該突出部を被覆する被覆層の厚さT(nm)と、が(1)式の関係を満たす、構造体。
T/H≦0.8・・・(1)式
(ii)前記導電体が金属であり、前記導電体をなす金属と、前記被覆層をなす金属と、が、異なる金属である上記(i)に記載の構造体。
(iii)前記絶縁性基板が1×106〜1×1010/mm2の密度で、円相当径10〜500nmの貫通孔を有する上記(i)または(ii)に記載の構造体。
(iv)前記貫通孔が、(2)式により定義される規則化度が50%以上である上記(iii)に記載の構造体。
規則化度(%)=B/A×100・・・(2)式
上記式(2)中、Aは、測定範囲における貫通孔の全数を表す。Bは、一の貫通孔の重心を中心とし、他の貫通孔の縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に上記一の貫通孔以外の貫通孔の重心を6個含むことになる上記一の貫通孔の測定範囲における数を表す。
(v)前記絶縁性基材が、アルミニウムの陽極酸化により得られたアルミナ基材であることを特徴とする、上記(i)乃至(iv)のいずれかに記載の構造体。
(vi)前記被覆層が置換型無電解めっき法により形成されることを特徴とする上記(i)乃至(v)のいずれかに記載の構造体の製造方法。
以下に示すように、本発明によれば、高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の接続用部材等として使用することができる、接合適性と導電性とをあわせもった、異方導電性部材に好適な構造体、および、その製造方法を提供することができる。
異方導電性部材において、絶縁性基材表面から突出する導電体の表面の被覆には金のような高価な金属材料が使用されるが、本発明では、該絶縁性基材表面から突出した該導電体の表面を金属で極めて薄く被覆することができるため、異方導電性部材として用いる導電体を低コストで製造することができる。
本発明の構造体において、絶縁性基板として規則化度が50%以上の貫通孔を有するものを使用すれば、該構造体を電子部品の接続用部材として使用した際に、電子部品に加わる圧力が十分分散されるため、該接続用部材との接続により電子部品がダメージを受ける可能性を低減することができる。
以下に、本発明の構造体およびその製造方法について詳細に説明する。
本発明の構造体は、絶縁性基板に導電体が貫通する構造体であって、
該導電体が、円相当径10〜500nmであり、かつ該絶縁性基板表面からの高さが50nm以上の突出部を有するものであり、
該突出部の表面が金属によって被覆されており、該突出部を被覆する被覆層を含めた該突出部の高さH(nm)と、該突出部を被覆する被覆層の厚さT(nm)と、が(1)式の関係を満たす。
T/H≦0.8・・・(1)式
図1は、本発明の構造体の好適な実施態様の一例を示す簡略図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は図1(A)の切断面線IB−IBからみた断面図である。
本発明の構造体1は、絶縁性基材2に設けられた貫通孔3を導電体4が貫通するものである。本発明の構造体1を異方導電性部材として用いる際に、絶縁性基材2を貫通する導電体4が該異方導電性部材の導通路をなす。詳しくは後述するが、導電体4は金属であることが好ましい。したがって、本発明の構造体1は、絶縁性基材2に設けられた貫通孔3に金属を充填することによって得られることが好ましい。
本発明の構造体1は、異方導電性部材として用いられるものであるため、該異方導電性部材の導通路をなす導電体4は、その一部が絶縁性基材2の表面(2a,2b)から突出した突出部(4a,4b)を有している。
本発明の構造体1において、該突出部(4a,4b)の表面が金属によって被覆されている。すなわち、該突出部(4a,4b)の表面には金属からなる被覆層5が形成されている。
次に、構造体の各構成要素について、材料、寸法等について説明する。
[絶縁性基材]
本発明の構造体1を構成する絶縁性基材2には、導電体4の円相当径に応じた所望の円相当径を有する貫通孔3が設けられている。具体的には、絶縁性基材2には、円相当径10〜500nmの貫通孔3が設けられている。ここで、絶縁性基材は、従来公知の異方導電性フィルム等を構成する絶縁性基材(例えば、熱可塑性エラストマー等)と同程度の電気抵抗率(1014Ω・cm)を有するものであればよい。
絶縁性基材は、上記を満たす限り特に限定されないが、所望の円相当径を有する独立した貫通孔3が得られ、しかも、高アスペクト比の貫通孔3を得られることから、金属の陽極酸化により形成される酸化皮膜が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であることからアルミニウムの陽極酸化により得られるアルミナ基材が特に好ましい。
図1では、絶縁性基材2に貫通孔3が複数設けられた状態で示されているが、本発明の構造体は、絶縁性基材に最低限1つの貫通孔が設けられていればよい。すなわち、本発明の構造体は、絶縁性基材を1つの導電体が貫通するものであってもよい。但し、異方導電性部材として用いる場合、絶縁性基材を貫通する導電体は複数であることが好ましい。したがって、図1に示すように、絶縁性基材2には複数の貫通孔3が設けられていることが好ましい。
本発明の構造体1において、絶縁性基材2に設けられた貫通孔3は互いに絶縁された状態で存在するものであるが、その密度は1×106〜1×1010/mm2であることが好ましい。
貫通孔3の密度がこの範囲にあることにより、本発明の構造体は高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の検査用コネクタ等として使用することができる。なお、貫通孔3の密度を1×1010/mm2以下とするのは、密度が高すぎるとインピーダンス特性により異方導電性を保つことが困難になる場合がある。
貫通孔3の密度が、2×106〜8×109/mm2であるのが好ましく、5×106〜5×109/mm2であるのがより好ましい。
本発明の構造体1において、貫通孔3の円相当径(図1(B)においては符号8で表される部分)が10〜500nmである。
貫通孔3の円相当径がこの範囲であると、電気信号を流した際に十分な応答が得ることができるため、本発明の構造体1を電子部品の検査用コネクタとして好適に用いることができる。
貫通孔3の円相当径は、20〜400nmであるのが好ましく、40〜200nmであるのがより好ましく、50〜100nmであるのが更に好ましい。
本発明の構造体1を構成する絶縁性基材2は、貫通孔3について下記式(i)により定義される規則化度が50%以上であることが、貫通孔3の密度、したがって、導電体4の密度を高めることができることから好ましい。規則化度が50%以上であれば、本発明にの構造体を電子部品の接続用部材として使用した際に、電子部品に加わる圧力が十分分散されるため、該接続用部材との接続により電子部品がダメージを受ける可能性を低減することができる。
規則化度(%)=B/A×100 (i)
上記式(i)中、Aは、測定範囲における貫通孔の全数を表す。Bは、一の貫通孔の重心を中心とし、他の貫通孔の縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に上記一の貫通孔以外の貫通孔の重心を6個含むことになる上記一の貫通孔の測定範囲における数を表す。
図2は、貫通孔の規則化度を算出する方法の説明図である。図2を用いて、上記式(1)をより具体的に説明する。
図2(A)に示される貫通孔101は、貫通孔101の重心を中心とし、他の貫通孔の縁に内接する最も半径が短い円103(貫通孔102に内接している。)を描いた場合に、円103の内部に貫通孔101以外の貫通孔の重心を6個含んでいる。したがって、貫通孔101は、Bに算入される。
図2(B)に示される貫通孔104は、貫通孔104の重心を中心とし、他の貫通孔の縁に内接する最も半径が短い円106(貫通孔105に内接している。)を描いた場合に、円106の内部に貫通孔104以外の貫通孔の重心を5個含んでいる。したがって、貫通孔104は、Bに算入されない。
また、図2(B)に示される貫通孔107は、貫通孔107の重心を中心とし、他の貫通孔の縁に内接する最も半径が短い円109(貫通孔108に内接している。)を描いた場合に、円109の内部に貫通孔107以外の貫通孔の重心を7個含んでいる。したがって、貫通孔107は、Bに算入されない。
本発明の構造体1を構成する絶縁性基材2は、厚み(図1(B)においては符号6で表される部分)が、30〜300μmであるのが好ましく、50〜100μmであるのがより好ましい。絶縁性基材の厚みがこの範囲であると、絶縁性基材の取り扱い性が良好となる。
また、本発明の構造体1を構成する絶縁性基材2において、貫通孔3間の幅(図1(B)においては符号7で表される部分)は、10nm以上であるのが好ましく、20〜100nmであるのがより好ましく、20〜50nmであるのが更に好ましい。絶縁性基材2において、貫通孔3間の幅がこの範囲であると、絶縁性基材2が絶縁性の隔壁として十分に機能する。
また、本発明の構造体1において、隣接する貫通孔3の中心間距離(図1においては符号9で表される部分。以下、「ピッチ」ともいう。)は、20〜500nmであるのが好ましく、40〜200nmであるのがより好ましく、50〜140nmであるのが更に好ましい。ピッチがこの範囲であると、貫通孔3の直径と貫通孔3間の幅(絶縁性の隔壁厚)とのバランスがとりやすい。
[導電体]
本発明の構造体1において、絶縁性基板を貫通する導電体4は、電気抵抗率が103Ω・cm以上の材料であれば特に限定されず、その具体例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)等の金属が好適に例示される。
中でも、電気伝導性の観点から、銅、金、アルミニウム、ニッケルが好ましく、銅、金、ニッケルがより好ましい。
本発明の構造体1において、導電体4の円相当径(図1(B)においては符号8で表される部分)が10〜500nmである。
導電体4の円相当径がこの範囲であると、電気信号を流した際に十分な応答が得ることができるため、本発明の構造体1を電子部品の検査用コネクタとして好適に用いることができる。
導電体4の円相当径は、20〜400nmであるのが好ましく、40〜200nmであるのがより好ましく、50〜100nmであるのが更に好ましい。
また、本発明の構造体1において、絶縁性基材2の表面2a,2bからの突出部(4a,4b)の高さHは50nm以上である。本明細書において、突出部(4a,4b)の高さHといった場合、突出部(4a,4b)のみの高さではなく、該突出部(4a,4b)を被覆する被覆層5を含めた高さを意味する。突出部(4a,4b)の高さHがこの範囲であることにより、電子部品の電極(パッド)部分との接合性が向上し、接合特性と導電性とをあわせもった構造体となる。
突出部(4a,4b)の高さHは50〜1000nmであるのが好ましく、50〜500nmであるのがより好ましい。
なお、図1(B)では、突出部(4a,4b)と被覆層5との関係をわかりやすくするため、突出部(4a,4b)の先端が丸みを帯びた形状で示されているが、突出部(4a,4b)の形状はこれに限定されず、円柱状のように先端が角を有する形状であってもよい。
本発明の構造体1では、突出部(4a,4b)の表面に被覆層5を設けることにより、該突出部(4a,4b)が自然酸化されることを防止する。
また、本発明の構造体を電子部品との接続用部材として用いる場合、電子部品側の電気的接点と、本発明の構造体1の突出部(4a,4b)と、を熱拡散により接合するが、突出部(4a,4b)の表面に被覆層5を設けることにより、電気部品との接合を容易にし、かつ、接合強度を向上させる。
また、導電体4に金以外の金属(例えば、銅、ニッケル)を使用し、被覆層5に金を使用することにより、導電体の製造コストを下げることができる。
したがって、被覆層5には使用する金属は、導電体4に使用する金属よりも酸化されにくく、かつ導電体4と同等の電気伝導性を有する金属、すなわち、電気抵抗率が103Ω・cm以上の金属であることが好ましい。このような金属としては金、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、クロム(Cr)、タングステン(W)などが挙げられる。これらの金属のうち、電気伝導性が良好である金、ニッケル、ロジウム、タングステンが好ましく、酸化されにくいことや硬度などの点も含めると、金またはニッケルが特に好ましい。
本発明の構造体1において、突出部(4a,4b)の高さHと、被覆層5の厚さTと、が(1)式の関係を満たす。
T/H≦0.8・・・(1)式
ここで、本発明の構造体に突出部が複数存在する場合、突出部の高さHおよび被覆層の厚さTは、複数存在する突出部における平均値であり、例えば、測定範囲(例えば、1〜5μm2)に存在する突出部から任意に少なくとも10点選んで測定した突出部の高さおよび被覆層の厚さの平均値である。
上述したように、本発明の構造体1において、突出部(4a,4b)の表面に被覆層5を設ける目的の1つは、また、本発明の構造体を電子部品との接続用部材として用いる場合、電子部品側の電気的接点と、本発明の構造体1の突出部(4a,4b)と、を熱拡散等により接合する際に、電気部品との接合を容易にし、かつ、接合強度を向上させることであるが、金属部材同士を熱拡散により接合させる際には、互いの金属材料同士が熱拡散して合金層を形成し、電気抵抗値が増加することが知られている。したがって、被覆層5の厚さが大きいと、熱拡散時の合金層形成による電気抵抗値の増加が無視できなくなる。突出部(4a,4b)の高さHと、被覆層5の厚さTと、が(1)式の関係を満たしていれば、熱拡散時の合金層形成による電気抵抗値の増加が軽微であり、本発明の構造体を電子部品との接続用部材として用いた場合に電気抵抗値の増加が問題となることはない。
本発明の構造体1において、被覆層5の厚さTは5nm以上であることが、接合特性と導電性とをあわせもった構造体となるので好ましい。被覆層5の厚さTは、10〜200nmであることがより好ましく、20〜100nmであることがさらに好ましい。
本発明の構造体は、以下に述べる手順で製造することができる。
本発明の構造体は、貫通孔を有する絶縁性基材の該貫通孔の内部に導電体である金属を充填した後、該絶縁性基材の表面の一部を除去して導電体の突出部を形成し、続いて、該突出部の表面を金属で被覆することによって製造することができる。
貫通孔を有する絶縁性基材は、上記したようにアルミニウムの陽極酸化により得られるアルミナ基材が好ましい。
貫通孔を有する絶縁性基材として、アルミニウムの陽極酸化によるアルミナ基材を用いる場合、アルミニウム基板に、少なくとも、
(A)陽極酸化により、マイクロポアを有する酸化皮膜を形成する処理(陽極酸化処理)、および、
(B)前記(A)処理で得られた酸化皮膜から、アルミニウムを除去する処理(アルミニウム除去処理)、
(C)前記(B)処理でアルミニウムが除去された酸化皮膜に存在するマイクロポアを貫通化させる処理(貫通化処理)、をこの順に施すことにより得ることができる。
次に、上記の手順で貫通孔を有する絶縁性基材を製造する際に用いられるアルミニウム基板、および該アルミニウム基板に施す各処理について詳述する。
〔アルミニウム基板〕
アルミニウム基板は、特に限定されず、その具体例としては、純アルミニウム板;アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板;低純度のアルミニウム(例えば、リサイクル材料)に高純度アルミニウムを蒸着させた基板;シリコンウエハー、石英、ガラス等の表面に蒸着、スパッタ等の方法により高純度アルミニウムを被覆させた基板;アルミニウムをラミネートした樹脂基板;等が挙げられる。
本発明においては、アルミニウム基板のうち、後述する陽極酸化処理を施す表面は、アルミニウム純度が、99.5質量%以上であるのが好ましく、99.9質量%以上であるのがより好ましく、99.99質量%以上であるのが更に好ましい。アルミニウム純度が上記範囲であると、マイクロポアの独立性が十分となり、該マイクロポアを貫通化させて得た貫通孔に金属を充填した際の独立性が保持され、本発明の構造体を異方導電性部材として用いた場合に、漏れ電流等の影響がなくなるため好ましい。
また、本発明においては、アルミニウム基板のうち、後述する陽極酸化処理を施す表面は、あらかじめ脱脂処理および鏡面仕上げ処理が施されるのが好ましく、特に、マイクロポアの独立性を向上させる観点から、熱処理が施されるのが好ましい。
<熱処理>
熱処理を施す場合は、200〜350℃で30秒〜2分程度施すのが好ましい。具体的には、例えば、アルミニウム基板を加熱オーブンに入れる方法等が挙げられる。
このような熱処理を施すことにより、後述する陽極酸化処理により生成するマイクロポアの独立性が向上する。
また、熱処理後のアルミニウム基板は、急速に冷却するのが好ましい。冷却する方法としては、例えば、水等に直接投入する方法等が挙げられる。
<脱脂処理>
脱脂処理は、酸、アルカリ、有機溶剤等を用いて、アルミニウム基板表面に付着した、ほこり、脂、樹脂等の有機成分等を溶解させて除去し、有機成分を原因とする後述の各処理における欠陥の発生を防止することを目的として行われる。
脱脂処理としては、具体的には、例えば、各種アルコール(例えば、メタノール等)、各種ケトン(例えば、メチルエチルケトン等)、ベンジン、揮発油等の有機溶剤を常温でアルミニウム基板表面に接触させる方法(有機溶剤法);石けん、中性洗剤等の界面活性剤を含有する液を常温から80℃までの温度でアルミニウム基板表面に接触させ、その後、水洗する方法(界面活性剤法);濃度10〜200g/Lの硫酸水溶液を常温から70℃までの温度でアルミニウム基板表面に30〜80秒間接触させ、その後、水洗する方法;濃度5〜20g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を常温でアルミニウム基板表面に30秒間程度接触させつつ、アルミニウム基板表面を陰極にして電流密度1〜10A/dm2の直流電流を流して電解し、その後、濃度100〜500g/Lの硝酸水溶液を接触させて中和する方法;各種公知の陽極酸化処理用電解液を常温でアルミニウム基板表面に接触させつつ、アルミニウム基板表面を陰極にして電流密度1〜10A/dm2の直流電流を流して、または、交流電流を流して電解する方法;濃度10〜200g/Lのアルカリ水溶液を40〜50℃でアルミニウム基板表面に15〜60秒間接触させ、その後、濃度100〜500g/Lの硝酸水溶液を接触させて中和する方法;軽油、灯油等に界面活性剤、水等を混合させた乳化液を常温から50℃までの温度でアルミニウム基板表面に接触させ、その後、水洗する方法(乳化脱脂法);炭酸ナトリウム、リン酸塩類、界面活性剤等の混合液を常温から50℃までの温度でアルミニウム基板表面に30〜180秒間接触させ、その後、水洗する方法(リン酸塩法);等が挙げられる。
これらのうち、アルミニウム表面の脂分を除去しうる一方で、アルミニウムの溶解がほとんど起こらない観点から、有機溶剤法、界面活性剤法、乳化脱脂法、リン酸塩法が好ましい。
また、脱脂処理には、従来公知の脱脂剤を用いることができる。具体的には、例えば、市販されている各種脱脂剤を所定の方法で用いることにより行うことができる。
<鏡面仕上げ処理>
鏡面仕上げ処理は、アルミニウム基板の表面の凹凸、例えば、アルミニウム基板の圧延時に発生した圧延筋等をなくして、電着法等による封孔処理の均一性や再現性を向上させるために行われる。
本発明において、鏡面仕上げ処理は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、機械研磨、化学研磨、電解研磨が挙げられる。
機械研磨としては、例えば、各種市販の研磨布で研磨する方法、市販の各種研磨剤(例えば、ダイヤ、アルミナ)とバフとを組み合わせた方法等が挙げられる。具体的には、研磨剤を用いる場合、使用する研磨剤を粗い粒子から細かい粒子へと経時的に変更して行う方法が好適に例示される。この場合、最終的に用いる研磨剤としては、#1500のものが好ましい。これにより、光沢度を50%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに50%以上)とすることができる。
化学研磨としては、例えば、「アルミニウムハンドブック」,第6版,(社)日本アルミニウム協会編,2001年,p.164−165に記載されている各種の方法等が挙げられる。
また、リン酸−硝酸法、Alupol I法、Alupol V法、Alcoa R5法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好適に挙げられる。中でも、リン酸−硝酸法、H3PO4−CH3COOH−Cu法、H3PO4−HNO3−CH3COOH法が好ましい。
化学研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
電解研磨としては、例えば、「アルミニウムハンドブック」,第6版,(社)日本アルミニウム協会編,2001年,p.164−165に記載されている各種の方法;米国特許第2708655号明細書に記載されている方法;「実務表面技術」,vol.33,No.3,1986年,p.32−38に記載されている方法;等が好適に挙げられる。
電解研磨により、光沢度を70%以上(圧延アルミニウムである場合、その圧延方向および幅方向ともに70%以上)とすることができる。
これらの方法は、適宜組み合わせて用いることができる。具体的には、例えば、研磨剤を粗い粒子から細かい粒子へと経時的に変更する機械研磨を施し、その後、電解研磨を施す方法が好適に挙げられる。
鏡面仕上げ処理により、例えば、平均表面粗さRa0.1μm以下、光沢度50%以上の表面を得ることができる。平均表面粗さRaは、0.03μm以下であるのが好ましく、0.02μm以下であるのがより好ましい。また、光沢度は70%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましい。
なお、光沢度は、圧延方向に垂直な方向において、JIS Z8741−1997の「方法3 60度鏡面光沢」の規定に準じて求められる正反射率である。具体的には、変角光沢度計(例えば、VG−1D、日本電色工業社製)を用いて、正反射率70%以下の場合には入反射角度60度で、正反射率70%を超える場合には入反射角度20度で、測定する。
(A)陽極酸化処理
(A)処理では、アルミニウム基板を陽極酸化することにより、該アルミニウム基板表面にマイクロポアを有する酸化皮膜を形成する。
陽極酸化処理としては、従来公知の方法を用いることができる。本発明の構造体を異方導電性部材として用いる場合、マイクロポアの独立性が重要であるため、例えば、特許第3,714,507号、特開2002−285382号公報、特開2006−124827号公報、特開2007−204802号公報、特開2007−231339号公報、特開2007−231405公報、特開2007−231340号公報、特開2007−238988号公報、等に記載されている、自己規則化法による陽極酸化処理が好ましい。これらの処理は、各特許および公報の処理条件にて記載されている処理が好ましい。
また、独立のマイクロポアを形成するその他の方法としては、例えばインプリント法(突起を有する基板またはロールをアルミニウム板に圧接し、凹部を形成する、転写法、プレスパターニング法)を用いる方法が挙げられる。具体的には、複数の突起を表面に有する基板をアルミニウム基板表面に押し付けて窪みを形成させる方法が挙げられる。例えば、特開平10−121292号公報に記載されている方法を用いることができる。
また、アルミニウム基板表面にポリスチレン球を稠密状態で配列させ、その上からSiO2を蒸着した後、ポリスチレン球を除去し、蒸着されたSiO2をマスクとして基板をエッチングして窪みを形成させる方法も挙げられる。
また、その他の方法として粒子線法が挙げられる。粒子線法は、アルミニウム基板表面に粒子線を照射して窪みを形成させる方法である。粒子線法は、窪みの位置を自由に制御することができるという利点を有する。
粒子線としては、例えば、荷電粒子ビーム、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)、電子ビームが挙げられる。
粒子線法としては、例えば、特開2001−105400号公報に記載されている方法を用いることもできる。
そのほか、ブロックコポリマー法も挙げられる。ブロックコポリマー法は、アルミニウム基板表面にブロックコポリマー層を形成させ、熱アニールによりブロックコポリマー層に海島構造を形成させた後、島部分を除去して窪みを形成させる方法である。
ブロックコポリマー法としては、例えば、特開2003−129288号公報に記載されている方法を用いることができる。
そのほか、レジストパターン・露光・エッチング法も挙げられる。レジストパターン・露光・エッチング法は、フォトリソグラフィあるいは電子ビームリソグラフィ法によりアルミニウム基板表面にレジスト膜を形成し、該レジスト膜に露光および現像を施し、レジストパターンを形成した後これをエッチングすることにより、アルミニウム基板表面まで貫通した窪みを形成させる方法である。
このような、インプリント法、粒子線法、ブロックコポリマー法、レジストパターン・露光・エッチング法を使用する場合には、これらの処理でアルミニウムの基板表面に電解起点を与えた後に陽極酸化処理することにより、アルミニウム基板表面に独立したマイクロポアを有する酸化皮膜を形成することができる。
(B)アルミニウム除去処理。
(B)処理では、上記(A)処理で得られた酸化皮膜から、アルミニウム基板を溶解して除去する。
アルミニウム基板の溶解には、酸化皮膜(アルミナ)は溶解しにくく、アルミニウムを溶解しやすい処理液を用いる。
即ち、アルミニウム溶解速度1μm/分以上、好ましくは3μm/分以上、より好ましくは5μm/分以上、および、酸化皮膜(アルミナ)溶解速度0.1nm/分以下、好ましくは0.05nm/分以下、より好ましくは0.01nm/分以下の条件を有する処理液を用いる。
具体的には、アルミニウムよりもイオン化傾向の低い金属化合物を少なくとも1種含み、かつ、pHが4以下8以上、好ましくは3以下9以上、より好ましくは2以下10以上の処理液を使用する。
このような処理液としては、酸化皮膜(アルミナ)は溶解せず、アルミニウムを溶解する液であれば特に限定されないが、例えば、塩化水銀、臭素/メタノール混合物、臭素/エタノール混合物、王水、塩酸/塩化銅混合物等の水溶液等が挙げられる。
濃度としては、0.01〜10mol/Lが好ましく、0.05〜5mol/Lがより好ましい。
処理温度としては、−10℃〜80℃が好ましく、0℃〜60℃が好ましい。
アルミニウム基板の溶解は、上記(A)処理の後のアルミニウム基板を上述した処理液に接触させることにより行う。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。このときの接触時間としては、10秒〜5時間が好ましく、1分〜3時間がより好ましい。
アルミニウム基板の溶解後の酸化皮膜の膜厚は、1〜1000μmであるのが好ましく、10〜500μmであるのが更に好ましい。
アルミニウム基板の溶解後、後述する手順でマイクロポアを貫通化させる前に、酸化皮膜を水洗処理するのが好ましい。水和によるマイクロポアのポア径の変化を抑制するため、水洗処理は30℃以下で実施することが好ましい。
(C)貫通化処理
(C)処理では、上記(B)処理でアルミニウム基板が除去された酸化皮膜について、酸化皮膜の底部のみを除去することにより、酸化皮膜に存在するマイクロポアを貫通化させる。図3(A)は、この処理によって得られる貫通孔3を有する酸化皮膜(絶縁性基材2)を示している。
この処理は、酸化皮膜の底部のみを酸水溶液またはアルカリ水溶液に接させることにより行う。酸化皮膜の底部が除去されることにより、マイクロポアが貫通する(貫通孔が形成される)。
この処理により、酸化皮膜に存在するマイクロポアのうち70%以上が貫通することが好ましく、85%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
酸化皮膜底部の除去は、予めpH緩衝液に浸漬させてマイクロポアによる孔の開口側から孔内にpH緩衝液を充填した後に、開口部の逆面、即ち、酸化皮膜の底部に酸水溶液またはアルカリ水溶液に接触させる方法により行うのが好ましい。
この処理に酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。酸水溶液の濃度は1〜10質量%であるのが好ましい。酸水溶液の温度は、25〜40℃であるのが好ましい。
この処理にアルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であるのが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であるのが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8〜120分であるのが好ましく、10〜90分であるのがより好ましく、15〜60分であるのが更に好ましい。
マイクロポアを貫通化させた後の酸化皮膜の膜厚は、1〜1000μmであるのが好ましく、10〜500μmであるのが更に好ましい。
マイクロポアを貫通化させた後、酸化皮膜を水洗処理する。水和による貫通孔の径の変化を抑制するため、水洗処理は30℃以下で実施することが好ましい。
貫通化処理では、上記(A)処理で生じたマイクロポアを貫通化させることができる限り上述した処理以外の処理を用いてもよい。上述した処理では、上記(A)処理により、マイクロポアを有する酸化皮膜が形成されたアルミニウム基板から、上記(B)処理によりアルミニウム基板を溶解させた後、上記(C)処理により酸化皮膜を部分的に溶解させて、酸化皮膜の底部を除去することでマイクロポアを貫通化させたが、アルミニウム基板の除去とマイクロポアの貫通化を同時に行う処理を用いてもよい。
具体的には、上記(A)処理により形成した酸化皮膜の下方、即ち、酸化皮膜におけるアルミニウム基板側の部分を、レーザー等による切削処理や種々の研磨処理等を用いて物理的に除去し、貫通孔を有する酸化皮膜とする方法が好適に例示される。
貫通孔の内部に導電体である金属を充填する方法としては、電解メッキ法または無電解メッキ法を用いることができる。中でも電解メッキ法を用いた以下の(1),(2)の処理をこの順に施す方法が、貫通孔に金属を高い充填率で充填できることから好ましい。
(1)貫通孔を有する絶縁性基材の一方の表面に空隙のない電極膜を形成する処理(電極膜形成処理)
(2)電解めっき処理による金属充填処理
〔電極膜形成処理〕
電極形成処理は、上記(C)処理の後に、貫通孔を有する酸化皮膜の一方の表面に空隙のない電極膜を形成する処理である。
酸化皮膜の表面には、貫通孔による開口部が存在しているが、本処理により該酸化皮膜の表面に空隙のない電極膜を形成することにより、該開口部が電極膜で覆われた状態となる。
電極膜を形成する方法としては、貫通孔を有する酸化皮膜の一方の表面に空隙のない電極膜を形成することができる限り特に限定されない。具体的な形成方法としては、導電性材料、例えば、金属、の無電解めっき処理、導電性材料、例えば、金属、の直接塗布、等が好ましく、これらの中でも電極膜の均一性、及び操作の簡便性の観点から、無電解めっき処理が好ましい。
電極膜形成処理に関して、無電解めっき処理を用いる際には、そのめっき核を酸化皮膜の一方の表面に付与する必要がある。具体的には、無電解めっきにより付与するべき金属と同種の金属又は金属化合物、あるいは無電解めっきにより付与するべき金属よりもイオン化傾向の高い金属又は金属化合物を、酸化皮膜の一方の表面に付与する方法が好ましい。付与方法としては、金属又は金属化合物を蒸着あるいは直接塗布する方法が挙げられるが、特に限定されない。
上記のようにめっき核を付与したのち、無電解めっき処理により電極膜を形成する。処理方法は温度、時間により電極層の厚さを制御できる観点から、浸漬法が好ましい。
無電解めっき液の種類としては、従来公知のものを使用することができるが、濃度は、1〜300g/Lであるのが好ましく、100〜200g/Lであるのがより好ましい。
また、形成される電極膜の通電性を高める観点から、金めっき液、銅めっき液、銀めっき液等、貴金属を有するめっき液が好ましく、経時による電極の安定性すなわち、酸化による劣化を防ぐ観点から、金めっき液がより好ましい。
また、形成する電極膜の厚さとしては、0.05μm〜100μmが好ましく、0.1μm〜50μmがより好ましく、0.2μm〜20μmが特に好ましい。この範囲より厚さが薄いと、電極膜としての導電性が不十分となり、範囲より厚いと、その形成に時間を要してしまうため、それぞれ好ましくない。
また、無電解めっきの処理温度、処理時間としては、形成しうる電極の厚さに依存するが、0℃〜90℃、1分〜10時間が好ましく、5℃〜75℃、10分〜7時間がより好ましく、10℃〜60℃、30分〜5時間が特に好ましい。
[金属充填処理]
金属充填処理は、上記電極膜形成処理の後に、形成された電極膜を用いた電解めっき処理により、上記酸化皮膜の貫通孔の内部に導電体である金属を充填する処理である。
ここで、充填する金属は、本発明の構造体の導電体として説明したものと同様である。
着色などに用いられる従来公知の電解めっき処理では、選択的に貫通孔中に金属を高アスペクトで析出(成長)させることは困難である。これは、析出金属が貫通孔内で消費され一定時間以上電解を行ってもめっきが成長しないためと考えられる。
電解めっき処理により金属を充填する際に、パルス電解または定電位電解の際に休止時間をもうけることが好ましい。休止時間は、10秒以上必要で、30〜60秒あるのが好ましい。
また、電解液のかくはんを促進するため、超音波を加えることも望ましい。
更に、電解電圧は、通常20V以下であって望ましくは10V以下であるが、使用する電解液における目的金属の析出電位を予め測定し、その電位+1V以内で定電位電解を行うことが好ましい。なお、定電位電解を行う際には、サイクリックボルタンメトリを併用できるものが望ましく、Solartron社、BAS社、北斗電工社、IVIUM社等のポテンショスタット装置を用いることができる。
めっき液は、従来公知のめっき液を用いることができる。
具体的には、銅を析出させる場合には硫酸銅水溶液が一般的に用いられるが、硫酸銅の濃度は、1〜300g/Lであるのが好ましく、100〜200g/Lであるのがより好ましい。また、電解液中に塩酸を添加すると析出を促進することができる。この場合、塩酸濃度は10〜20g/Lであるのが好ましい。
また、金を析出させる場合、テトラクロロ金の硫酸溶液を用い、交流電解でめっき処理を行なうのが望ましい。
また、ニッケルを析出させる場合には硫酸ニッケル水溶液が一般的に用いられるが、硫酸ニッケルの濃度は、1〜300g/Lであるのが好ましい。
なお、電解めっき処理の際、めっき液を貫通孔内により充填させやすくするため、貫通孔の内表面を予め親水化処理して保護膜を形成しておくことが好ましい。この場合、シリケート処理と称されるSi元素を貫通孔の内表面に付与して保護膜を形成しておく方法が好適に例示される。
Si元素を貫通孔の内表面に付与して保護膜を形成する方法は特に限定されないが、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩が溶解している水溶液に直接浸せきして処理する方法が一般的である。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、ケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す。)と濃度によって保護膜厚の調節が可能である。
ここで、Mとしては、特にナトリウム、カリウムが好適に用いられる。
また、モル比〔SiO2〕/〔M2O〕は0.1〜5.0が好ましく、0.5〜3.0がより好ましい。
更に、SiO2の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
上記金属充填処理の後、酸化皮膜表面から電極膜を除去することで、図3(B)に示す状態、すなわち、酸化皮膜(絶縁性基材2)のマイクロポア貫通孔3に導電体(金属)4が充填された状態となる。
図1に示す構造体1では、絶縁性基材2に存在する全ての貫通孔3を導電体4が貫通しているが、絶縁性基材2に存在する全ての貫通孔3を導電体4が貫通していることは必ずしも要求されない。したがって、絶縁性基材2に存在する全ての貫通孔3に導電体(金属)4が充填されていることは必ずしも要求されない。ただし、本発明の構造体1において、絶縁性基材2に存在する貫通孔3に占める導電体(金属)4が充填されている貫通孔3の割合、すなわち、導電体(金属)4の充填率が80%以上であることが、本発明の導電体を異方導電性部材として用いた場合に、欠陥がきわめて少ない優れた異方導電性部材となるので好ましい。
ここで導電体(金属)4の充填率は、絶縁性基材2の表面をSEMで観察し、視野内における全貫通孔3の数に対する、導電体(金属)4が充填されている貫通孔3の数を比率計算することで求めることができる。
本発明の構造体1を異方導電性部材として用いる場合、絶縁性基材2に存在する貫通孔3のうち、導電体(金属)4が充填されていないものは、導通路として機能することができず、異方導電性部材の欠陥となる。
導電体(金属)4の充填率は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
上記した(1),(2)をこの順に施す方法によれば、酸化皮膜に存在する貫通孔に対して高い充填率で導電体(金属)を充填することができ、貫通孔に対する導電体(金属)の充填率が80%以上の構造体を得ることができる。
上記酸化皮膜表面から電極膜を除去する方法としては、以下に述べる表面平滑化処理を行うことが好ましい。
[表面平滑化処理]
本発明の製造方法においては、上記金属充填処理の後に、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理によって、酸化皮膜の表面および裏面を平滑化する表面平滑処理を行うことが好ましい。
表面平滑化処理を行うことにより、酸化皮膜の一方の表面に形成された電極膜が除去される。また、金属を充填させた後の酸化皮膜の表面および裏面の平滑化と表面に付着した余分な金属を除去することができる。
CMP処理には、フジミインコーポレイテッド社製のPNANERLITE−7000、日立化成社製のGPX HSC800、AGCセイミケミカル社製のCL−1000等のCMPスラリーを用いることができる。
なお、酸化皮膜を研磨したくないので、層間絶縁膜やバリアメタル用のスラリーを用いるのは好ましくない。
[トリミング処理]
上記金属充填処理の実施後、電極膜が除去された構造体(上記表面平滑化処理を実施した場合は上記表面平滑化処理の後の構造体)から、酸化皮膜のみを一部除去し、貫通孔に充填された導電体(金属)を酸化皮膜から突出させるトリミング処理を施す。
このトリミング処理により、貫通孔3に充填された導電体(金属)4が酸化皮膜(絶縁性基材)2の表面から突出した突出部(4a,4b)が形成される(図3(C))。本発明の構造体を異方導電性部材として用いる場合、上記金属充填工程の後に、トリミング処理を行うことが好ましい。
ここで、トリミング処理は、貫通孔に充填された導電体(金属)を溶解しない条件で上記酸化皮膜を酸水溶液またはアルカリ水溶液に接触させることにより行う。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸せき法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸せき法が好ましい。
酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。中でも、クロム酸を含有しない水溶液が安全性に優れる点で好ましい。酸水溶液の濃度は1〜10質量%であるのが好ましい。酸水溶液の温度は、25〜60℃であるのが好ましい。
一方、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であるのが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であるのが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。中でも、溶解速度を管理しやすいリン酸水溶液を用いる方法が特に好ましい。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8〜120分であるのが好ましく、10〜90分であるのがより好ましく、15〜60分であるのが更に好ましい。
[金属による突出部の被覆]
上記トリミング処理により形成された突出部(4a,4b)を金属で被覆することによって本発明の構造体が得られる(図3(D))。
突出部(4a,4b)を金属で被覆する方法は、電解めっき法、還元型無電解めっき法、置換型無電解めっき法(以下、置換めっき法という。)などのめっき法、真空蒸着法、スパッタリング法等、所望の厚さで金属を被覆することができる方法であれば特に限定されない。本発明においては、突出部のみを選択的に被覆でき、かつ、厚さ数10nm程度の薄層で被覆できることから置換めっき法が好ましい。
置換めっきに用いる、めっき液としては、Au、Niなどの被覆する金属の塩を含む水溶液が用いられ、被覆する金属のイオンを1〜10g/L(濃度)含むものが好ましい。
金属の塩としては、シアン化金カリウム、塩化金酸、亜硫酸金ナトリウムなどが挙げられる。これらのうち、めっき対象物への化学的ダメージが少なくできることから、亜硫酸金ナトリウムが好ましい。金属イオン濃度としては、1〜10g/Lが好ましく、例えば、均一で緻密な膜を得る場合には析出速度を意図的に遅くするために1〜5g/Lが好ましい。pHについては、基材へのダメージ軽減するために3〜10の範囲であることが好ましく、特に5〜9範囲であることが好ましい。めっき液の温度については、めっき反応促進のために、50〜95℃であることが好ましい。被覆膜厚の制御は、先述の金属イオン濃度、pH、温度などの条件設定により行うことができるが、液条件の変更はめっき皮膜の性質(例えば、密度など)が変わる心配があるため、処理時間を変更することで行うことが好ましい。この際、基材へのダメージや作製効率などを考慮し、通常は1〜90分程度で行うことが好ましい。
[被覆層の安定化処理]
突出部と被覆層との密着性を向上させる目的で、被覆層を熱処理する被覆層の安定化処理を行うことができる。被覆層を熱処理することにより、突出部を構成する金属材料と、被覆層を構成する金属材料と、が熱拡散により合金層を形成して、突出部と被覆層との密着性が向上する。熱処理の温度は30〜200℃が好ましい。熱処理時の突出部の表面酸化を抑制するために、熱処理を低温で行うことや、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うことも有効である。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
[1]鏡面仕上げ処理(電解研磨処理)
高純度アルミニウム基板(住友軽金属社製、純度99.99質量%、厚さ0.4mm)を、5mm×15mmの面が均一に陽極酸化処理できるようカットし、以下組成の電解研磨液を用い、電圧25V、液温度65℃、液流速3.0m/minの条件で電解研磨処理を施した。
陰極はカーボン電極とし、電源は、GP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
(電解研磨液組成)
・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬) 660mL
・純水 160mL
・硫酸 150mL
・エチレングリコール 30mL
[2]陽極酸化処理
次いで、電解研磨処理後のアルミニウム基板に、特開2007−204802号公報に記載の手順にしたがって自己規則化法による陽極酸化処理を施した。
電解研磨処理後のアルミニウム基板に、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件で、5時間のプレ陽極酸化処理を施した。
その後、プレ陽極酸化処理後のアルミニウム基板を、0.2mol/L無水クロム酸、0.6mol/Lリン酸の混合水溶液(液温:50℃)に12時間浸漬させる脱膜処理を施した。
その後、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度15℃、液流速3.0m/minの条件で、10時間の再陽極酸化処理を施し、膜厚80μmの酸化皮膜を得た。
なお、プレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理は、いずれも陰極はステンレス電極とし、電源はGP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、冷却装置にはNeoCool BD36(ヤマト科学社製)、かくはん加温装置にはペアスターラー PS−100(EYELA社製)を用いた。更に、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
[3]アルミニウム除去処理・貫通化処理
次いで、20質量%塩化水銀水溶液(昇汞)に20℃、3時間浸漬させることによりアルミニウム基板を溶解し、更に、5質量%リン酸に30℃、30分間浸漬させることにより酸化皮膜の底部を除去し、貫通孔を有する酸化皮膜を作製した。
[4]加熱処理
次いで、上記で得られた貫通孔を有する酸化皮膜に、温度400℃で1時間の加熱処理を施した。
[5]電極膜形成処理
次いで、上記加熱処理後の酸化皮膜の一方の表面に電極膜を形成する処理を施した。
すなわち、0.7g/L塩化金酸水溶液を、一方の表面に塗布し、140℃/1分で乾燥させ、更に500℃/1時間で焼成処理し、金のめっき核を作成した。
その後、無電解めっき液としてプレシャスファブACG2000基本液/還元液(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)製)を用いて、50℃/1時間浸漬処理し、空隙のない電極膜を形成した。
[6]金属充填処理
次いで、上記電極膜を形成した面に銅電極を密着させ、該銅電極を陰極にし、白金を正極にして電解めっき処理を施した。
硫酸銅/硫酸/塩酸=200/50/15(g/L)の混合溶液を25℃に保った状態で電解液として使用し、定電圧パルス電解を実施することにより、酸化皮膜の貫通孔に銅を充填した。
ここで、定電圧パルス電解は、山本鍍金社製のめっき装置を用い、北斗電工社製の電源(HZ−3000)を用い、めっき液中でサイクリックボルタンメトリを行って析出電位を確認した後、皮膜側の電位を−2Vに設定して行った。また、定電圧パルス電解のパルス波形は矩形波であった。具体的には、電解の総処理時間が300秒になるように、1回の電解時間が60秒の電解処理を、各電解処理の間に40秒の休止時間を設けて5回施した。
貫通孔に銅を充填した後の酸化皮膜の表面をFE−SEMで観察すると、酸化皮膜の表面から銅の一部があふれるような形になっていた。
[7]表面平滑化処理
次いで、貫通孔に銅が充填された酸化皮膜(膜厚80μm)の表面および裏面に、CMP処理を施し、両面から15μmずつ研磨することにより、酸化皮膜上に形成した電極膜を除去し、かつ、酸化皮膜の表面および裏面を平滑化した。表面平滑化処理後の酸化皮膜の膜厚は50μmであった。
CMPスラリーとしては、フジミインコーポレイテッド社製のPLANERLITE−7000を用いた。その後、FE−SEMで観察すると、貫通孔内に銅が充填されているのが確認できた。
[8]トリミング処理
次いで、CMP処理後の酸化皮膜をリン酸溶液に浸漬し、酸化皮膜を選択的に溶解することで、貫通孔に充填された銅の円柱を突出させて突出部を形成させた。リン酸溶液は、上記貫通化処理と同じ液を使い、処理時間を5分とした。
[9]金属による突出部の被覆
めっき液の金原料として亜硫酸金ナトリウム(金濃度として5g/g)を使用し、pH=6のめっき液を用いて、液温60℃として15分間浸漬することで置換型めっきを行い、突出部表面を金で被覆した。めっき後には純水の流水にて表面洗浄を行い、実施例1の構造体を得た(図4)。
(実施例2)
処理[9]での置換型めっき処理におけるめっき液への浸漬時間を60minとした以外は、実施例1と同様の処理により実施例2の構造体を得た(図4)。
(実施例3)
処理[6]を以下の手順で実施した以外は、実施例1と同様の処理により実施例3の構造体を得た(図4)。
[6]金属充填処理工程
上記電極膜を形成した面にニッケル電極を密着させ、該ニッケル電極を陰極にし、白金を正極にして電解めっき処理を施した。電気めっき液を硫酸ニッケル300g/Lを用い、60℃に保った状態で電解液として使用し、定電圧パルス電解を実施することにより、酸化皮膜の貫通孔にニッケルを充填した。
ここで、定電圧パルス電解は、山本鍍金社製のめっき装置を用い、北斗電工社製の電源(HZ−3000)を用い、めっき液中でサイクリックボルタンメトリを行って析出電位を確認した後、皮膜側の電位を−2Vに設定して行った。また、定電圧パルス電解のパルス波形は矩形波であった。具体的には、電解の総処理時間が300秒になるように、1回の電解時間が60秒の電解処理を、各電解処理の間に40秒の休止時間を設けて5回施した。
貫通孔にニッケルを充填した後の酸化皮膜の表面をFE−SEMで観察すると、酸化皮膜の表面からニッケルの一部があふれるような形になっていた。
(比較例1)
処理[9]を行わなかった以外は、実施例1と同様の処理により比較例1の構造体を得た(図4)。
(比較例2)
処理[8]および[9]を行わず、その代わりにフォトエッチングによるパターニングによって、貫通孔に充填された銅の上に金を用いて100nmの突出部を設けた以外は、実施例1と同様の処理により比較例2の構造体を得た(図4)。
(比較例3)
処理[8]および[9]を行わず、その代わりにフォトエッチングによるパターニングによって、貫通孔に充填された銅の上に金を用いて30nmの突出部を設けた以外は、実施例1と同様の処理により比較例3の構造体を得た(図4)。
(実施例4)
[1]鏡面仕上げ処理(電解研磨処理)
高純度アルミ二ウム基板(住友軽金属社製、純度99.99質量%、厚さ0.4mm)を、10cm四方の面積でカットし、以下の組成の電解研磨液を用いて、電圧10V、液温度65℃、液流速3.0m/minの条件で電解研磨処理を行った。陰極はカーボン電極とし、電源はGPO−250−30R(高砂製作所社製)を用いた。
(電解研磨液組成)
・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬) 660mL
・純水 160mL
・硫酸 150mL
・エチレングリコール 30mL
[2]脱脂処理
電解研磨処理後のアルミニウム基板を、1.75mol/L水酸化ナトリウム、及び0.16mol/L硝酸ナトリウムの処理液を用いて、60℃の条件で30〜90秒浸漬して脱脂処理した。
[3]起点形成処理
脱脂処理後のアルミニウム基板に、5.00mol/Lマロン酸の電解液で、電圧130.0V、液温度3℃の条件で7.5分間陽極酸化処理を施した。電圧はGPO−250−30R(高砂製作所社製)で定電圧設定にし、で130.0V(±0.1V)に制御した。上記の手順で陽極酸化処理が施されたアルミニウム基板を、さらに0.52mol/Lのリン酸水溶液で、40℃の条件で42.5分浸漬させる脱膜処理を施した。この手順を4回繰り返してマイクロポアの起点を形成した。
[4]定電圧陽極酸化処理
起点形成処理後のアルミニウム基板に、5.00mol/Lマロン酸の電解液で、電圧130.0V、液温度3℃の条件で7.5分間定電圧陽極酸化処理を施した。
[5]定電流陽極酸化処理
定電圧陽極酸化処理後のアルミニウム基板に、5.00mol/Lマロン酸の電解液で、電流密度120A/m2、液温度3℃の条件で90分間定電流陽極酸化処理を施した。電流はカレントトランス及び電圧計を用いて、導線部に流れる電流を測定し、120A/m2(±10A/m2)に制御し、アルミニウム基板表面にマイクロポアが直管状で且つハニカム状に配列された陽極酸化皮膜を形成した。
[6]アルミニウム除去処理・貫通化処理
次いで、20質量%塩化水銀水溶液(昇汞)に20℃、3時間浸漬させることによりアルミニウム基板を溶解し、更に、5質量%リン酸に30℃、30分間浸漬させることにより酸化皮膜の底部を除去し、貫通孔を有する酸化皮膜を作製した。
[7]加熱処理
次いで、上記で得られた貫通孔を有する酸化皮膜に、温度400℃で1時間の加熱処理を施した。
[8]電極膜形成処理
次いで、上記加熱処理後の酸化皮膜の一方の表面に電極膜を形成する処理を施した。
すなわち、0.7g/L塩化金酸水溶液を、一方の表面に塗布し、140℃/1分で乾燥させ、更に500℃/1時間で焼成処理し、金のめっき核を作成した。
その後、無電解めっき液としてプレシャスファブACG2000基本液/還元液(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)製)を用いて、50℃/1時間浸漬処理し、空隙のない電極膜を形成した。
[9]金属充填処理
次いで、上記電極膜を形成した面にニッケル電極を密着させ、該ニッケル電極を陰極にし、白金を正極にして電解めっき処理を施した。電気めっき液を硫酸ニッケル300g/Lを用い、60℃に保った状態で電解液として使用し、定電圧パルス電解を実施することにより、酸化皮膜の貫通孔にニッケルを充填した。
ここで、定電圧パルス電解は、山本鍍金社製のめっき装置を用い、北斗電工社製の電源(HZ−3000)を用い、めっき液中でサイクリックボルタンメトリを行って析出電位を確認した後、皮膜側の電位を−2Vに設定して行った。また、定電圧パルス電解のパルス波形は矩形波であった。具体的には、電解の総処理時間が300秒になるように、1回の電解時間が60秒の電解処理を、各電解処理の間に40秒の休止時間を設けて5回施した。
貫通孔にニッケルを充填した後の酸化皮膜の表面をFE−SEMで観察すると、酸化皮膜の表面からニッケルの一部があふれるような形になっていた。
[10]表面平滑化処理
次いで、貫通孔にニッケルが充填された酸化皮膜(膜厚80μm)の表面および裏面に、CMP処理を施し、両面から15μmずつ研磨することにより、酸化皮膜上に形成した電極膜を除去し、かつ、酸化皮膜の表面および裏面を平滑化した。表面平滑化処理後の酸化皮膜の膜厚は50μmであった。
CMPスラリーとしては、フジミインコーポレイテッド社製のPLANERLITE−7000を用いた。その後、FE−SEMで観察すると、貫通孔内にニッケルが充填されているのが確認できた。
[11]トリミング処理
次いで、CMP処理後の酸化皮膜をリン酸溶液に浸漬し、酸化皮膜を選択的に溶解することで、貫通孔に充填されたニッケルの円柱を突出させて突出部を形成させた。リン酸溶液は、上記貫通化処理と同じ液を使い、処理時間を5分とした。
[12]金属による突出部の被覆
めっき液の金原料として亜硫酸金ナトリウム(金濃度として5g/g)を使用し、pH
=6のめっき液を用いて、液温60℃として60分間浸漬することで置換型めっきを行い、突出部表面を金で被覆した。めっき後には純水の流水にて表面洗浄を行い、実施例4の構造体を得た(図4)。
以下に、得られた構造体の評価方法を記載する。
<貫通孔密度、貫通孔円相当径の測定>
貫通孔密度については、貫通化処理までを終えた皮膜の表面を走査型電子顕微鏡(日立製作所:S−900)を用いて100,000倍でランダムに10箇所観察し、総観察面積と貫通孔の数を元に、単位面積当たりの個数を算出した。
また、走査型電子顕微鏡で撮影した1μm×1μmの視野内の任意の貫通孔300個について円相当径を測定し、その平均値を求めた。
<接合処理>
構造体に対して5mm×15mmのAu板を5mm×5mmのエリアだけが重なるように置き、300℃の環境下で1min加熱し、その後、3N/mm2の応力をかけて接合を行った。
<抵抗値測定>
接合後のサンプルを用いて、0.1Aの電流を流しながら、直流4端子法により電圧を測定した。測定された電圧を元に、サンプルの電気抵抗値を算出した。
<接合強度測定>
接合後のサンプルを用いて、島津製作所社製オートグラフ(商品名)を用い、剥離するまで荷重をかけ、その時の最大応力を測定した。
<突出部の高さおよび表層金属厚の測定>
前述の方法で作製した各サンプルについて、集束イオンビーム加工観察装置(日立製作所:FB−2100)を用いてサンプルを断面方向に切り出し、透過型電子顕微鏡(日立製作所:HF−2000)にて断面観察を行い、突出部高さと該突出部を被覆する金属の厚さを測定した。なお、表1に示す突出部の高さHおよび被覆層の厚さTは、測定範囲(断面観察の長さ10μm領域)に存在する突出部から任意に少なくとも10点選んで測定した突出部の高さおよび被覆層の厚さの平均値である。
上記の実施例から得られた結果は表1の通りである。
Figure 0005253972
Cuからなる突出部をAuで被覆しなかった比較例1では、表面酸化によって抵抗値が高くなってしまい、また、十分な接合強度が得られないという問題があった。
Cuを突出させる代わりにAuからなる被覆層で突出部全体を構成する形とした比較例2では、十分な接合強度は得られるが、接合の熱処理において抵抗値が高くなってしまうという問題があった。同じくCuを突出させる代わりにAuからなる被覆層で突出部全体を構成する形とした比較例3では、接合に際して十分な突出高さを有していないことから、接合不良を起こす箇所が複数箇所発生し十分な接合強度が得られなかった。
これに対し、十分な突出部の高さを有し、かつ、CuまたはNiからなる突出部を下記式(1)を満たすようにAuで被覆した実施例1〜実施例4においては、優れた抵抗値および接合強度を有することが明らかになった。
T/H≦0.8・・・(1)式
図1(A),(B)は、本発明の構造体の好適な実施態様の一例を示す簡略図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は図1(A)の切断面線IB−IBからみた断面図である。 図2(A),(B)は、ポアの規則化度を算出する方法の説明図である。 図3(A)〜(D)は、本発明の構造体の製造手順を説明する模式的な端面図である。 図4は、実施例1〜4、比較例1〜3の構造体の突出部付近を示した模式的な端面図である。
符号の説明
1 構造体
2 絶縁性基材
3 貫通孔
4 導電体
4a,4b 突出部
5 被覆層
6 絶縁性基材の厚み
7 マイクロポア貫通孔間の幅
8 マイクロポア貫通孔の直径
9 マイクロポア貫通孔の中心間距離(ピッチ)
101、102、104、105、107、108 マイクロポア
103、106、109 円

Claims (6)

  1. 絶縁性基板に導電体が貫通する構造体であって、
    該導電体が、円相当径10〜500nmであり、かつ該絶縁性基板表面からの高さが50nm以上の突出部を有するものであり、
    該突出部の表面が金属によって被覆されており、該突出部を被覆する被覆層を含めた該突出部の高さH(nm)と、該被覆層の厚さT(nm)と、が(1)式の関係を満たし、前記Hが50〜500nmであり、前記Tが10〜200nmである、構造体。
    T/H≦0.8・・・(1)式
  2. 前記導電体が金属であり、前記導電体をなす金属と、前記被覆層をなす金属と、が、異なる金属である請求項1に記載の構造体。
  3. 前記絶縁性基板が1×106〜1×1010/mm2の密度で、円相当径10〜500nmの貫通孔を有する請求項1または2に記載の構造体。
  4. 前記貫通孔が、(2)式により定義される規則化度が50%以上である請求項3に記載の構造体。
    規則化度(%)=B/A×100・・・(2)式
    上記式(2)中、Aは、測定範囲における貫通孔の全数を表す。Bは、一の貫通孔の重心を中心とし、他の貫通孔の縁に内接する最も半径が短い円を描いた場合に、その円の内部に上記一の貫通孔以外の貫通孔の重心を6個含むことになる上記一の貫通孔の測定範囲における数を表す。
  5. 前記絶縁性基材が、アルミニウムの陽極酸化により得られたアルミナ基材であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の構造体。
  6. 前記被覆層が置換型無電解めっき法により形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の構造体の製造方法。
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