JPH1050145A - 異方性導電膜及びその製造方法 - Google Patents

異方性導電膜及びその製造方法

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JPH1050145A
JPH1050145A JP8207500A JP20750096A JPH1050145A JP H1050145 A JPH1050145 A JP H1050145A JP 8207500 A JP8207500 A JP 8207500A JP 20750096 A JP20750096 A JP 20750096A JP H1050145 A JPH1050145 A JP H1050145A
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film
plating
metal
oxide film
conductive film
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JP8207500A
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Akira Nakabayashi
明 中林
Takashi Kimura
高志 木村
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性フィラー間のピッチがミクロンオーダ
ーの極めて微小である異方性導電膜を得る。 【解決手段】 異方性導電膜20は、厚さ3〜50μm
の絶縁性薄膜14にこの薄膜を貫通する繊維径が0.0
1〜0.2μmの繊維状の金属13aが4〜180本/
μm2の割合で混入してなる。アルミニウム材10を酸
化して表面に微細孔12を有する多孔質酸化皮膜11を
形成し、皮膜11をめっき処理して微細孔に金属13a
を充填しかつ皮膜表面をめっき膜13bで被覆し、皮膜
11を溶解して繊維状の金属13aがめっき膜13bに
林立した剣山状の析出物13をアルミニウム材10から
分離し、析出物13の金属13aの林立側に絶縁性硬化
液を流し込んで乾燥して絶縁性薄膜14を形成し、薄膜
の片面にあるめっき膜13bを溶解して薄膜14を露出
させることにより、異方性導電膜20を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶ディスプレイパ
ネルとフレキシブル配線板との接続、或いはICチップ
又はLSIチップのチップ電極と基板電極との接続に用
いられる異方性導電膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の異方性導電膜は金属粉末
や球状樹脂に金属を被覆したものを導電性フィラーとし
て接着剤に分散して製造されている。しかし、導電性フ
ィラーのサイズやその凝集を回避するため、或いは要求
される異方性導電膜の厚さによって、導電性フィラー間
のピッチは50μm程度にしか狭めることができなかっ
た。この点を改良するため、熱可塑性樹脂からなるペー
スト材に針状金属の導電性ウイスカを重量比で15%程
度添加し、このペースト材をスクリーン印刷により基板
に印刷した後、この基板を強磁界中に置いて上下方向に
振動させることにより、ペースト材中に不均一に分散し
ていた導電性ウイスカを基板に対して垂直方向に整列さ
せた異方性導電膜が提案されている(特開平5−112
65)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平5−1
1265号公報に示される異方性導電膜は、磁力によっ
て水平状態の針状金属の導電性ウイスカを垂直状態にす
るため、この導電性ウイスカをペースト材に多量に添加
することができず、また針状金属自体の太さが最小でも
数μmであるため、結果として導電性フィラーである針
状金属間のピッチを数10μm程度にしか狭めることが
できなかった。本発明の目的は、導電性フィラー間のピ
ッチがミクロンオーダーの極めて微小である異方性導電
膜及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、厚さ3〜50μmの絶縁性薄膜14
にこの薄膜14を貫通する繊維径が0.01〜0.2μ
mの繊維状の金属13aが4〜180本/μm2の割合
で混入した異方性導電膜20である。この金属13aは
極めて微細であるため、導電性フィラーである繊維状金
属間のピッチを微小にすることができる。
【0005】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、金属13aがAu,Ag,Pt,Pd,C
u,Ni,Co,Sn,Pb又はSn−Pbのいずれか
である異方性導電膜である。金属13aの材質は要求さ
れる異方性導電膜の特性により決められる。金属13a
は酸化皮膜11を無電解めっき処理又は電気めっき処理
できるものであれば、上記金属に限定されない。
【0006】請求項3に係る発明は、図2に示すよう
に、アルミニウム材10を陽極酸化してその表面に微細
孔12を有する多孔質酸化皮膜11を形成し、この酸化
皮膜11を無電解めっき処理又は電気めっき処理してそ
の微細孔12に金属13aを充填するとともにこの酸化
皮膜11の表面をめっき膜13bで被覆し、このめっき
処理した酸化皮膜11を溶解して繊維状の金属13aが
めっき膜13bに林立した剣山状の析出物13をアルミ
ニウム材10から分離し、この分離した析出物13の繊
維状の金属13aが林立した側に絶縁性硬化液を流し込
み、この硬化液を乾燥して絶縁性薄膜14を形成し、こ
の絶縁性薄膜14の片面にあるめっき膜13bを溶解し
て絶縁性薄膜14を露出させる異方性導電膜の製造方法
である。陽極酸化の条件により、酸化皮膜11の微細孔
12の孔径及び孔長が決められ、これが繊維状の金属1
3aの繊維径及び繊維長になる。この金属13aは極め
て微細なため、この金属13aを導電性フィラーとする
異方性導電膜20は、導電性フィラー間のピッチが極め
て微小なものとなる。
【0007】請求項4に係る発明は、図3に示すよう
に、アルミニウム材10を陽極酸化してその表面に微細
孔12を有する多孔質酸化皮膜11を形成し、この酸化
皮膜11を無電解めっき処理又は電気めっき処理してそ
の微細孔12に金属13aを充填し、この微細孔12に
金属13aを充填した酸化皮膜11を更に別のめっき液
で無電解めっき処理又は電気めっき処理して微細孔12
に充填した金属13aと連続しかつ酸化皮膜11の表面
を被覆するめっき膜16を形成し、このめっき処理した
酸化皮膜11を溶解して繊維状の金属13aがめっき膜
16に林立した剣山状の析出物17をアルミニウム材1
0から分離し、この分離した析出物17の繊維状の金属
13aが林立した側に絶縁性硬化液を流し込み、この硬
化液を乾燥して絶縁性薄膜14を形成し、この絶縁性薄
膜14の片面にあるめっき膜16を溶解して絶縁性薄膜
14を露出させる異方性導電膜の製造方法である。金属
13aとめっき膜16の金属を異ならせることにより、
めっき膜16の除去が容易になり、所望の繊維径及び繊
維長の繊維状の金属13aが埋め込まれた異方性導電膜
20が容易に得られる。
【0008】請求項5に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、金属13aがAu,Ag,Pt,P
d,Cu,Ni,Co,Sn,PbまたはSn−Pbで
ある導電性塗料の製造方法である。金属13aの材質は
要求される異方性導電膜の特性により決められる。金属
13aは酸化皮膜11を無電解めっき処理又は電気めっ
き処理できるものであれば、上記金属に限定されない。
この金属13aは極めて微細であるため、導電性フィラ
ーである繊維状金属間のピッチを微小にすることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項3に係る異方性導電膜の製
造方法では、先ずアルミニウム材に対して電気分解を行
う。このアルミニウム材は純粋なアルミニウム材に限ら
ずその合金を含む。アルミニウム合金としては、Al−
Cu−Mg系、Al−Si系、Al−Zn−Mg−Cu
系の加工用合金、Al−Cu−Si系、Al−Si系、
Al−Cu−Ni−Mg系、Al−Mg系、Al−Si
−Cu−Ni−Mg系の鋳造用合金が挙げられる。この
電気分解は電解液としてシュウ酸、硫酸、クロム酸水溶
液を用い、この電解液中でアルミニウム材をアノード処
理することにより行われる。これにより、図2(a)及
び(b)に示すように、素地であるアルミニウム材10
の表面には多孔質酸化皮膜11(Al23)が形成され
る。酸化皮膜11の微細孔12はアルミニウム材表面に
垂直方向に細い柱状に多数形成される。この柱状の微細
孔12は孔径が0.01〜0.2μm程度また孔長が
0.1〜50μm程度である。
【0010】次いで、図2(c)に示すように、酸化皮
膜11を無電解めっき処理又は電気めっき処理すること
により、これらの微細孔12の深部に至るまで金属13
aを充填し、かつ酸化皮膜11の表面全体をめっき膜1
3bで被覆する。無電解めっき処理を行う前には、アル
ミニウム材の酸化皮膜に触媒化処理を施しておくことが
必要である。金属13aは酸化皮膜11を無電解めっき
処理又は電気めっき処理できるものであれば、特に制限
されない。Au,Ag,Pt,Pd,Cu,Ni,C
o,Sn,Pb又はSn−Pbが好ましい。次に、図2
(d)に示すように、酸化皮膜11のみをNaOH,K
OH,HCl,H3PO4等の水溶液で溶解することによ
り、繊維状の金属13aがめっき膜13bに林立した剣
山状の析出物13をアルミニウム材10から分離して得
る。続いて、図2(e)に示すように、析出物13の繊
維状の金属13aが林立した側に絶縁性硬化液を流し込
み、この硬化液を乾燥して絶縁性薄膜14を形成する。
このとき絶縁性薄膜14の表面に金属13aを露出させ
ておくことが好ましい。絶縁性硬化液としては、液状又
はペースト状の樹脂、接着剤、ゴムなどの加熱により、
又は室温放置で硬化するものが例示される。続いて、図
2(f)に示すように、この絶縁性薄膜14の片面にあ
るめっき膜13bを硝酸、王水等で溶解して絶縁性薄膜
14を露出させることにより、繊維状金属13aが微小
なピッチで絶縁性薄膜14に埋め込まれた異方性導電膜
20が得られる。
【0011】請求項4に係る導電性塗料の製造方法で
は、図3(c)及び(d)に示すように、微細孔12に
金属13aを充填した後で、陽極酸化皮膜11の上に別
のめっき液でめっき処理して金属13aと異なる金属の
めっき膜16を陽極酸化皮膜11の表面を被覆するよう
に形成した点が、請求項3に係る製造方法との相違点で
ある。図3(d)〜(f)に示す、析出物17の形成、
絶縁性薄膜14の形成、めっき膜16の除去は、請求項
3に係る製造方法に準じて行われる。
【0012】請求項3及び請求項4に係る製造方法によ
り、図1に示すように、繊維径が0.01〜0.2μ
m、繊維長が3〜50μmであって繊維径の10倍以上
である繊維状金属13aが絶縁性薄膜14の厚さ方向に
揃って貫通した異方性導電膜20が得られる。繊維状金
属は好ましくは繊維径が0.02〜0.1μm、より好
ましくは繊維径が0.03〜0.08μmであって、好
ましくは繊維長が4〜20μm、より好ましくは繊維長
が5〜10μmである。製造上の理由から繊維径の下限
(0.01μm)が決められ、異方性導電膜の厚さから
繊維長の下限(3μm)が決められる。請求項1及び請
求項2に係る製造方法で得られた異方性導電膜は、導電
性フィラーが微細孔12に相応した極めて微細な繊維
状、針状である上、絶縁性薄膜の厚さ方向に揃って絶縁
性薄膜に貫通するため、導電性フィラー間のピッチをミ
クロンオーダーにすることができる。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 <実施例1>先ず、A1050材のアルミニウム板(1
00mm×100mm×0.5mm)をアルカリ水溶液
で脱脂し、硝酸水溶液で洗浄した後、0℃の硫酸20w
t%の電解液に浸漬した。アルミニウム板を陽極として
この電解液中で直流3A/dm2の電流密度で5分間通
電してその表面に多孔質陽極酸化皮膜を形成した。この
条件下で形成された皮膜の膜厚は約5μmであった。次
いで、このアルミニウム板を水洗した後、5wt%のS
nCl2溶液に5分間浸漬して感受性化処理し、引き続
いて0.1wt%のPdCl2溶液に1分間浸漬して活
性化処理することにより皮膜に触媒性を付与した後、こ
のアルミニウム板を無電解Niめっき処理した。無電解
Niめっきは、硫酸ニッケル3wt%、次亜リン酸ナト
リウム3wt%及びクエン酸2wt%からなる溶液をア
ンモニア水でpH10に調整した50℃の溶液にアルミ
ニウム板を30分間浸漬することにより行った。この条
件下で形成されたNiめっき膜は陽極酸化皮の微細孔を
充填するとともに、酸化皮膜の表面を覆っていた。
【0014】次に、Niめっき処理されたアルミニウム
板を20wt%のNaOH水溶液に浸漬して表面の陽極
酸化皮膜を溶解させた。これにより厚さ約3μmのNi
めっき膜上に長さ約5μmの繊維状のNiが林立した、
剣山状の析出物をアルミニウム板より分離した。この分
離した析出物の繊維状Niが林立した側に、市販の流動
ペースト状の室温加硫型シリコーンゴム(東レシリコー
ン社製、高透明RVTゴム)を約5μmの厚さになるよ
うに流し込んだ後、この流し込んだシリコーンゴムを室
温で24時間放置して加硫させた。次いで加硫したシリ
コーンゴム膜の片側だけにあるNiめっき膜をシリコー
ンゴム膜が露出するまで硝酸で溶解させた。これらの処
理によりシリコーンゴム膜の厚さ方向に繊維方向を揃え
て繊維状Niが埋め込まれた厚さが約5μmの導電膜を
得た。
【0015】<実施例2>実施例1と同じアルミニウム
板を用いて、このアルミニウム板を実施例1と同様に脱
脂、洗浄した後、陽極酸化して、表面に約5μm厚の多
孔質陽極酸化皮膜を形成した。次いで、市販の亜硫酸A
uめっき(上村工業社製、アウルナ593)を用いて、
陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム板をこのめっき液
に浸漬し、このアルミニウム板を陰極にしてこのめっき
液中で直流1A/dm2の電流密度で10分間通電して
Auめっき処理した。この条件下で形成されたAuめっ
き膜は陽極酸化皮膜の微細孔を充填するだけで、酸化皮
膜の表面はAuめっき膜で覆われていなかった。次に、
ピロリン酸銅8wt%、ピロリン酸カリウム35wt%
からなる溶液をアンモニア水でpH8.5に調整した5
0℃の溶液にアルミニウム板を浸漬し、このアルミニウ
ム板を陰極にしてこの溶液中で直流3A/dm2の電流
密度で15分間通電してCuめっき処理した。この条件
下で形成されたCuめっき膜は陽極酸化皮膜の微細孔に
充填されたAuと連続して析出して陽極酸化皮膜の表面
を覆っていた。
【0016】引き続いて、実施例1と同様にこのアルミ
ニウム板を20wt%のNaOH水溶液に浸漬して表面
の陽極酸化皮膜を溶解させた。これにより厚さ約9μm
のCuめっき膜上に長さ約5μmの繊維状のAuが林立
した、剣山状の析出物をアルミニウム板より分離した。
この分離した析出物の繊維状Auが林立した側に、14
0℃に加熱して溶融させた市販の低分子量ポリスチレン
(三洋化成社製、ハイマーS1400)を約5μmの厚
さになるように流し込んだ後、この流し込んだポリスチ
レンを室温で24時間放置して冷却させた。次いで硬化
したポリスチレン膜の片側だけにある箔状のCuめっき
膜をポリスチレン膜が露出するまで硝酸で溶解させた。
これらの処理によりポリスチレン膜の厚さ方向に繊維方
向を揃えて繊維状Niが埋め込まれた厚さが約5μmの
導電膜を得た。
【0017】<実施例3>実施例1と同じアルミニウム
板を用いて、このアルミニウム板を実施例1と同様に脱
脂、洗浄した後、10℃のシュウ酸0.5wt%の電解
液に浸漬した。このアルミニウム板を陽極にしてこの電
解液中で直流3A/dm2の電流密度で6分間通電して
その表面に多孔質陽極酸化皮膜を形成した後、リン酸5
wt%水溶液に20℃で10分間浸漬し、微細孔を広げ
るポアワイドニング処理を行った。この条件下で形成さ
れた皮膜の膜厚は約5μmであった。次いで、このアル
ミニウム板を水洗した後、スルファミン酸ニッケル40
wt%、ホウ酸30wt%からなる溶液を水酸化ニッケ
ルでpH4に調整した40℃の溶液に浸漬した。このア
ルミニウム板を陰極にしてこの溶液中で直流3A/dm
2の電流密度で8分間通電してNiめっき処理した。こ
の条件下で形成されたNiめっき膜は陽極酸化皮膜の微
細孔を充填するだけで、酸化皮膜の表面はNiめっき膜
で覆われていなかった。
【0018】次に、ピロリン酸銅8wt%、ピロリン酸
カリウム35wt%からなる溶液をアンモニア水でpH
8.5に調整した50℃の溶液にアルミニウム板を浸漬
し、このアルミニウム板を陰極にしてこの溶液中で直流
3A/dm2の電流密度で15分間通電してCuめっき
処理した。この条件下で形成されたCuめっき膜は陽極
酸化皮膜の微細孔に充填されたNiと連続して析出して
陽極酸化皮膜の表面を覆っていた。引き続いて、実施例
1と同様にこのアルミニウム板を20wt%のNaOH
水溶液に浸漬して表面の陽極酸化皮膜を溶解させた。こ
れにより厚さ約9μmの箔状のCuめっき膜上に長さ約
5μmの繊維状のNiが林立した、剣山状の析出物をア
ルミニウム板より分離した。この分離した析出物の繊維
状Niが林立した側に、市販のアルコール溶性型のフェ
ノール樹脂系接着剤(東邦理化工業製)を約5μmの厚
さになるように真空排気条件下で流し込んだ後、接着剤
中のアルコールを蒸発させた。次いで80℃で1時間乾
燥した後、硬化したフェノール樹脂膜の片側だけにある
箔状のCuめっき膜をフェノール樹脂膜が露出するまで
硝酸で溶解させた。これらの処理によりフェノール樹脂
膜の厚さ方向に繊維方向を揃えて繊維状Niが埋め込ま
れた厚さが約5μmの導電膜を得た。
【0019】<導電膜の導通試験>実施例1〜実施例3
の厚さが約5μmの各導電膜について、各導電性フィラ
ーの径及び長さを測定し、かつ各導電膜について電気導
通試験を行った。この導通試験では、各導電膜の両面を
10×10×0.5mmの2枚の白金板で挟み、白金板
を表1に示す温度で、表1に示す圧力と時間で保持し
た。実施例2及び実施例3では、白金板を加熱した後、
それぞれ室温で放冷して導電膜に白金板を融着及び接着
させた。この状態で白金板間の距離、即ち導電膜の厚さ
を測定した後、導電膜の厚さ方向及び導電膜の面方向の
導通試験を行った。これらの結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、実施例1〜実施
例3の導電膜とも、膜の厚さ方向には導電性を示し、膜
の面方向には導電性を示さず、異方性導電膜として機能
した。また金属繊維間の距離である導電性フィラー間の
ピッチは実施例1〜実施例3ともに、サブミクロンオー
ダーの微小な間隔であった。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、繊
維径が0.01〜0.2μmで繊維長が3〜50μmの
超微細な繊維状の金属が絶縁性薄膜にその膜の厚さ方向
に揃って貫通した、繊維状金属間のピッチがミクロンオ
ーダーの微小な異方性導電膜が得られる。この異方性導
電膜を回路基板上に設けた後、異方性導電膜の表面に独
立した外部電極、例えば液晶表示装置の複数の電極端子
を圧接して設けた場合に、液晶表示装置の各種電極端子
に繊維状の金属がそれぞれ接触し、外部電極と基板上の
回路パターンとが異方性をもって電気的に接続される。
或いはフリップチプの面実装に用いることにより、IC
の電極と回路パターンとが異方性をもって電気的に接続
される。この結果、回路パターンのピッチを微細化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方性導電膜の拡大断面図。
【図2】本発明の異方性導電膜の製造を工程順に示す
図。
【図3】本発明の異方性導電膜の別の製造を工程順に示
す図。
【符号の説明】 10 アルミニウム材 11 酸化皮膜 12 微細孔 13,17 析出物 13a 金属 13b,16 めっき膜 14 絶縁性薄膜 20 異方性導電膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ3〜50μmの絶縁性薄膜(14)に前
    記薄膜(14)を貫通する繊維径が0.01〜0.2μmの
    繊維状の金属(13a)が4〜180本/μm2の割合で混入
    した異方性導電膜。
  2. 【請求項2】 金属(13a)がAu,Ag,Pt,Pd,
    Cu,Ni,Co,Sn,Pb又はSn−Pbのいずれ
    かである請求項1記載の異方性導電膜。
  3. 【請求項3】 アルミニウム材(10)を陽極酸化してその
    表面に微細孔(12)を有する多孔質酸化皮膜(11)を形成
    し、 前記酸化皮膜(11)を無電解めっき処理又は電気めっき処
    理してその微細孔(12)に金属(13a)を充填するとともに
    前記酸化皮膜(11)の表面をめっき膜(13b)で被覆し、 前記めっき処理した酸化皮膜(11)を溶解して繊維状の金
    属(13a)が前記めっき膜(13b)に林立した剣山状の析出物
    (13)を前記アルミニウム材(10)から分離し、 前記分離した析出物(13)の繊維状の金属(13a)が林立し
    た側に絶縁性硬化液を流し込み、 前記硬化液を乾燥して絶縁性薄膜(14)を形成し、 前記絶縁性薄膜(14)の片面にある前記めっき膜(16)を溶
    解して前記絶縁性薄膜(14)を露出させる異方性導電膜の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム材(10)を陽極酸化してその
    表面に微細孔(12)を有する多孔質酸化皮膜(11)を形成
    し、 前記酸化皮膜(11)を無電解めっき処理又は電気めっき処
    理してその微細孔(12)に金属(13a)を充填し、 前記微細孔(12)に金属(13a)を充填した酸化皮膜(11)を
    更に別のめっき液で無電解めっき処理又は電気めっき処
    理して前記微細孔(12)に充填した金属(13a)と連続しか
    つ前記酸化皮膜(11)の表面を被覆するめっき膜(16)を形
    成し、 前記めっき処理した酸化皮膜(11)を溶解して繊維状の金
    属(13a)が前記めっき膜(16)に林立した剣山状の析出物
    (17)を前記アルミニウム材(10)から分離し、 前記分離した析出物(17)の繊維状の金属(13a)が林立し
    た側に絶縁性硬化液を流し込み、 前記硬化液を乾燥して絶縁性薄膜(14)を形成し、 前記絶縁性薄膜(14)の片面にある前記めっき膜(16)を溶
    解して前記絶縁性薄膜(14)を露出させる異方性導電膜の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 金属(13a)がAu,Ag,Pt,Pd,
    Cu,Ni,Co,Sn,Pb又はSn−Pbのいずれ
    かである請求項3又は4記載の異方性導電膜の製造方
    法。
JP8207500A 1996-08-07 1996-08-07 異方性導電膜及びその製造方法 Pending JPH1050145A (ja)

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