JP2741997B2 - 立体回路板の製造方法 - Google Patents

立体回路板の製造方法

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JP2741997B2
JP2741997B2 JP4342199A JP34219992A JP2741997B2 JP 2741997 B2 JP2741997 B2 JP 2741997B2 JP 4342199 A JP4342199 A JP 4342199A JP 34219992 A JP34219992 A JP 34219992A JP 2741997 B2 JP2741997 B2 JP 2741997B2
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俊之 鈴木
勲二 中嶋
久尚 梶浦
篤宏 中本
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体的な表面を有して
回路を立体的に設けた立体回路板の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板として、樹脂のモールド
成形品で回路基板を作成した立体回路板が提供されてい
る。この立体回路板は表面が平坦面であることを前提と
する従来の回路形成法をそのまま採用することはできな
いので、特開平4−76985号公報、特開平1−20
6692号公報等にみられるように種々の工夫がなされ
ている。
【0003】図1及び図2は立体回路板の製造の各工程
を示すものであり、図1及び図2に基づいて立体回路板
の製造の一例の概略を説明する。まず図1(a)のよう
に立体的に表面を有する回路基板1を樹脂成形すること
によって作成し、表面を粗面化した後に、無電解メッキ
をおこなって図1(b)のように回路基板1の表面の全
面に無電解メッキ層2を施し、次にこの上から図1
(c)のようにフォトレジスト3を全面に亘って塗着
し、図1(d)のようにフォトマスク4を被せて露光し
た後に現像し、回路形成部分のフォトレジスト3を除去
する。この後に無電解メッキ層2に通電して電気メッキ
をおこなうことによって、図2(a)のように無電解メ
ッキ層2のフォトレジスト3で覆われていない露出面に
電気メッキ層5を析出させ、さらにこの電気メッキ層5
の上に図2(b)のようにニッケルメッキや金メッキを
してこれらのメッキ層7を形成した後に、図2(c)の
ようにフォトレジスト3を剥離すると共に無電解メッキ
層2の不要部分をエッチングすることによって無電解メ
ッキ層2と電気メッキ層5及びニッケルと金のメッキ層
7で構成される回路6の形成をおこなうことができる。
そして図2(d)のようにワイヤー19をボンディング
することによって電子部品等の部品18を回路基板1に
実装することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1(a)のように回
路基板1を樹脂成形して作成するにあたっては、金型に
樹脂成形材料を射出することによっておこなわれるが、
金型には成形した回路基板1を突き出して離型するため
にノックアウトピンが設けられており、成形した回路基
板1の表面にノックアウトピンの先端面の跡8がバリや
段差として残ることになる。そして従来では金型にこの
ノックアウトピンを設ける箇所は、成形した回路基板1
を離型し易くなることのみを念頭に置いて設計されてお
り、回路基板1に形成する回路6のパターンニングは無
視されていた。従って回路基板1の回路6を設ける箇所
においてノックアウトピンが設けられていると、ノック
アウトピンの跡8が図14に示すように複数の回路6を
横切るように残ることがある。しかしこのように複数の
回路6を横切る箇所にノックアウトピンの跡8が残って
バリや段差が生じていると、図1(d)の露光工程にお
いてノックアウトピンの跡8が露光の際の影になってフ
ォトレジスト3の必要箇所が残らず、電気メッキが不要
箇所になされてメッキ残存物で回路6間に絶縁不良が起
こるおそれがあった。
【0005】さらに、図1(c)の工程のように回路基
板1の表面にフォトレジスト3を塗着するにあたって、
立体的な回路基板1の表面に均一な厚みでフォトレジス
ト3を塗着するために、前記特開平4−76985号公
報に開示されるようにフォトレジスト3として電着レジ
ストを用いて電着塗装をすることがおこなわれている。
そしてこの電着レジストとしては前記特開平1−206
692号の実施例において使用されているようにアニオ
ン型電着レジストが一般的である。アニオン型電着レジ
ストによる電着塗装は、図9(a)に示すように回路基
板1を電着レジスト液30に浸漬すると共に電着レジス
ト液30に電極10を差込み、回路基板1の表面に形成
した無電解メッキ層2を陽極に接続すると共に電極10
を陰極に接続し、両者間に直流電流を流すことによって
おこなわれるものであり、陽極では2H2 O→4H+
2 ↑+4e- の反応が起こって、この4H+ の作用で
RCOO- →RCOOHの反応が生じて電着レジストを
陽極に接続した無電解メッキ層2の表面に析出させるこ
とができる。一方、陰極ではCu→Cu2++2e-の反
応が起こって、この2e- の作用で2H2 O+2e-
2OH- +H2 ↑の反応が生じる。このようにして電着
塗装がおこなわれるが、析出させる電着レジストの樹脂
は上記のように末端にカルボン酸を有しており、このカ
ルボン酸は耐アルカリ性に弱く、シアン浴にも弱い。従
って金メッキをおこなう際にシアン浴に浸漬するとカル
ボン酸を有するレジストが溶け出して剥離してしまうお
それがあり、金メッキをおこなうことができないという
問題があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ノックアウトピン跡によって絶縁不良が発生する
おそれなく回路基板を成形することができ、また金メッ
キを支障なくおこなうことができる立体回路板の製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る立体回路板
の製造方法は、立体的な回路基板1を樹脂成形で形成
し、回路基板1の表面にメッキにより回路6を形成して
立体回路板を製造するにあたって、回路基板1に形成さ
れる回路6を避けた部分、あるいは回路6の面積の広い
部分内に、離型用ノックアウトピンの位置が設定された
金型を用いて回路基板1の成形をおこなうようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0008】
【0009】さらに、立体的な回路基板1の段差11の
角部11a,11bにアールを付けるようにしてある。
さらに、回路基板1の表面の回路形成部分のみを粗面化
し、回路基板1の表面に触媒核12を付与した後に無電
解メッキをおこなうようにしてある。この方法に替え
て、回路基板1の回路形成部分に対応する箇所において
金型13の成形面に凹凸14を設け、金型13の成形面
に触媒核12を付着させて回路基板を成形することによ
って、成形された回路基板1の表面に触媒核12を転写
させ、この後に無電解メッキをおこなうようにしてもよ
い。
【0010】またこの方法に替えて、回路基板1の表面
にZnO薄膜15を付着させ、このZnO薄膜15の表
面に触媒核12を付与した後に無電解メッキをおこなう
ようにしてもよい。さらに、電気メッキ浴内で回路基板
1の表面に不溶解電極16を対向させて通電することに
よって回路基板1の表面に電気メッキをおこなうにあた
って、不溶解電極16を回路基板1の立体表面と同じ立
体形状に形成して回路基板1と不溶解電極16とをその
表面間の距離が被メッキ面の全面に亘ってほぼ同一にな
るように対向させるようにしてある。
【0011】この場合、不溶解電極16の回路基板1に
対向する表面を、回路基板1へのメッキ部分を除いて絶
縁物17によって被覆するようにしてもよい。さらに、
回路基板1の表面に電気メッキをおこなうにあたって、
銅メッキを光沢メッキで施した上にニッケルメッキを施
すようにしてある。さらに、回路基板1にワイヤーボン
ディングして部品18を実装するにあたって、ボンディ
ング部6bのみをボンディング表面側から局所加熱する
ようにしてある。
【0012】
【作用】立体的な回路基板1を樹脂成形で製造するにあ
たって、回路基板1に形成される回路6を避けた部分、
あるいは回路6の面積の広い部分内に、離型用ノックア
ウトピンの位置が設定された金型を用いて成形をおこな
うことによって、回路基板1の表面に残るノックアウト
ピン跡8が露光の際の影になり電気メッキが不要箇所に
なされてメッキ残存物が回路基板1に生じても、このメ
ッキ残存物は回路6間に跨がるようには存在せず、回路
6間に絶縁不良が起こることがなくなる。
【0013】また、樹脂成形で製造された立体的な回路
基板1の表面にフォトレジスト3を塗着した後に、この
上にこの回路基板1の形状に対応した立体的なフォトマ
スク4を重ねて露光することによって、パターン精度の
高い回路を形成することができ、高密度配線が可能にな
る。さらに、フォトレジスト3として用いるカチオン型
電着レジストはレジスト樹脂内にカルボン酸を有してお
らず、金メッキの際のシアン浴にレジストが溶けるよう
なおそれなく、このフォトレジスト3をめっきレジスト
として用いて金メッキ7をおこなうことができる。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳述する。回路
基板1は立体的な表面を有する成形品によって形成され
るものであり、例えば樹脂としてポリプラスチック社製
「ベクトラC820」を用い、予備乾燥150℃、8時
間以上、射出時間4〜5秒、金型温度130℃、樹脂温
度310℃の条件で射出成形することによって作成する
ことができる。
【0015】このように回路基板1を成形するにあたっ
て、金型には成形した回路基板1を突き出して離型する
ためのノックアウトピンが設けられているが、本発明で
はこのノックアウトピンを金型に設ける位置を、ノック
アウトピンの先端が回路基板1に形成する回路6の間に
跨がらない位置、すなわち回路基板1に形成される回路
6を避けた部分に位置するように、あるいは回路6のう
ちランド6aなど面積の広い部分内に全体が収まるよう
に、設計した金型を用いて成形をおこなうようにしてい
る。従って成形した回路基板1の表面にノックアウトピ
ンの先端面の跡8がバリや段差として残ることになる
が、このノックアウトピンの跡8は図3に示すように、
回路6間の回路6が存在しない箇所に残ったり、回路6
内に全体が収まるように残ったりすることになる。従っ
て後述の露光工程でノックアウトピンの跡8が影になっ
て、フォトレジスト3が部分的に露光されずに現像処理
で溶解されて、電気メッキ層5がこの部分に形成されて
残っても、この残存メッキは回路6の存在しない箇所に
残ったり、回路6内に収まるように残ったりするもので
あって、回路6間に跨がるように残ることはなく、メッ
キ残存物によって回路6間に絶縁不良が起こることがな
くなるものである。また、このようにノックアウトピン
の跡8が回路基板1の表面に残っても絶縁不良のおそれ
がないために、ノックアウトピンの跡8を完全に除去す
るような必要がなくなり、回路基板1の成形の作業性を
良くすることができるものである。
【0016】ここで、回路基板1の表面は上記のように
立体的に成形されているために、回路基板1の表面には
各所に段差11があり、段差11の凸の角部11aや凹
の角部11bがシャープに尖るように形成されている
と、図1(c)のフォトレジスト3を塗着する工程でフ
ォトレジスト3が角部11a,11bにうまくのらず、
また図1(d)の露光の工程で光が角部11a,11b
に十分当たらず、この結果回路パターンの精度が悪くな
るおそれがある。このために本発明では、図4に示すよ
うに段差11の角部11a,11bにアールを付けて、
フォトレジスト3が角部11a,11bにうまくのるよ
うにすると共に、また露光時の光が角部11a,11b
にも十分当たるようにして、段差11の大きい立体形状
の回路基板1であっても、高密度配線を信頼性良く形成
することができるようにしてある。この角部11a,1
1bにアールは曲率半径Rが0.1mm以上であること
が好ましい。
【0017】また、回路6のランド6aには半田工程で
半田付けがおこなわれるが、ランド6aの部分のみに半
田が付着するように半田レジストをランド6a以外の箇
所にスクリーン印刷することがおこなわれている。しか
し表面が立体的な回路基板1ではスクリーン印刷が難し
く、また露光・現像等の工程も増えて工数の上で好まし
くない。そこで、本発明の回路基板1では図5の実施例
のように回路基板1を成形して半田レジストを用いる必
要なくランド6aに半田付けできるようにしてある。す
なわち、図5(a)や図5(b)のようにランド6aを
形成する部分を凹部21として形成したり、図5(c)
のようにランド6aを形成する箇所よりも回路6を形成
する箇所が高くなるように凸部22を形成したりして、
ランド6aに付着させる半田が回路6の表面に流れて付
着することを防止できるようにしてあり、また図5
(d)のようにランド6aと回路6との境界部にリブ2
3を設けて仕切ったり、図5(e)のようにランド6a
をコ字形のリブ23で囲ったり、図5(f)のようにラ
ンド6aをロ字形のリブ23で囲ったりして、ランド6
aに付着させる半田が回路6へと流れることをリブ23
で遮って防止できるようにしてあり、この結果、半田レ
ジストを用いる必要なく半田付けをおこなうことが可能
になって、半田レジスト塗布工程を省略して工数を削減
することができるものである。
【0018】上記のように成形した回路基板1に無電解
銅メッキ等の無電解メッキを施して、図1(b)に示す
ように回路基板1の表面の全面に無電解メッキ層2を形
成する。無電解メッキの処理工程の一例を説明すると、
まず奥野薬品社製「エースクリーンA−220」の50
g/リットル溶液を用いて55℃、5分間の条件で脱脂
することによって、回路基板1の表面の油等を取り除
き、次にNaOHの500g/リットル溶液を用いて7
0℃、30分間の条件でエッチングすることによって、
メッキの密着性を高めるために回路基板1の表面を粗面
化する。60℃、2分間の条件で湯洗してエッチングさ
れた樹脂やフィラーを凹凸細部まで完全に取り除いた後
に、HCl(36%)の50ミリリットル/リットル溶
液を用いて室温下2分間処理することによって強アルカ
リを中和する。次に、奥野薬品社製「コンデイライザS
P」の150ミリリットル/リットル溶液を用いて40
℃、5分間の条件でコンディショナ処理をおこなって回
路基板1の表面の水濡れ性を良くし、さらに奥野薬品社
製「OPC−SALM」の250g/リットル溶液及び
奥野薬品社製「OPC−80キャタM」の40ミリリッ
トル/リットル溶液を用いて触媒付与処理を室温下5分
間おこなうことによって、パラジウムの触媒核を回路基
板1の表面に吸着させる。そして奥野薬品社製「OPC
−500アクセレMX−1」の100ミリリットル/リ
ットル溶液及び奥野薬品社製「OPC−500アクセレ
MX−2」の10ミリリットル/リットル溶液を用い
て、40℃、7分間の条件で活性化処理することによっ
て塩化パラジウムを金属パラジウムに還元した後に、奥
野薬品社製「OPC−750M A」の100ミリリッ
トル/リットル溶液、奥野薬品社製「OPC−750M
B」の100ミリリットル/リットル溶液、奥野薬品
社製「OPC−750M C」の2ミリリットル/リッ
トル溶液を用い、22℃、20分間の条件で無電解銅メ
ッキをおこなうことによって、酸化還元反応で銅錯体化
合物を金属銅にして回路基板1の表面に析出させ、回路
基板1の全面に厚み0.5μmの無電解メッキ層2を形
成することができるものである。尚、上記のように粗面
化のエッチング処理をNaOH溶液を用いておこなうこ
とによって、クロム酸を使用しない工法でおこなうこと
ができるものである。
【0019】ここで、上記のようにエッチング処理して
粗面化するにあたって、回路基板1の表面全面を粗面化
すると、この粗面によってパラジウムの触媒核は回路基
板1の全面に強固に吸着することになり、後述する図2
(c)における回路形成後の回路6以外の箇所の無電解
メッキ層2をエッチング除去する工程でうまく除去する
ことができず、回路6以外の箇所にパラジウムの触媒核
やメッキの一部が残存して絶縁不良を起こしたり、回路
パターンの精度が悪くなったりするおそれがある。また
これらの除去を完全におこなうようにエッチング条件を
高くするとオーバーエッチングになるおそれがある。
【0020】そこで本発明の一実施例では、エッチング
液25としてNaOHの500g/リットル溶液を室温
(常温)で用い、図6(a)のように回路基板1をエッ
チング液25に浸漬し、そして回路基板1の表面のうち
回路形成部のみにYAGレーザー、炭酸ガスレーザー、
アルゴンガスレーザーなどのレーザー光(図6(a)の
矢印線)を照射することによって、図6(b)のように
回路基板1の表面の回路形成部のみを選択的に粗面26
を形成するようにしてある。エッチング液25は室温で
あるために回路基板1の表面のうちレーザー光を照射し
た部分以外はほとんどエッチングされないものであり、
レーザー光の照射は粗面26の表面粗さがRa=1.0
〜5.0μm程度になるように、レーザーパワーやスキ
ャンのスピードを調整するのが好ましい。このようにし
て回路基板1の表面の回路形成部のみを選択的に粗面化
した後、上記と同様にして触媒核の核付けをして無電解
メッキをおこなうことができるものである。そしてこの
ものでは、粗面26となった回路形成部分には触媒核は
強固に吸着されてメッキの付着強度も高くなるが、粗面
に形成されていない回路6以外の回路基板1の表面は平
滑で触媒核の吸着強度は低く、図2(c)の工程で回路
6以外の箇所の無電解メッキ層2をエッチング除去する
際に触媒核やメッキを残存させることなく除去を完全に
おこなうことができ、絶縁信頼性を高めることができる
と共に回路パターンの精度を高めることができるもので
ある。またこのように触媒核やメッキの除去が容易にな
るためにエッチング条件を高くする必要がなく、オーバ
ーエッチングになるおそれがなくなるものである。
【0021】また回路基板1の回路形成部分のみを粗面
化するにあたっては、上記のように回路基板1の表面を
選択的に粗面化処理する他に、金型13に樹脂成形材料
を射出成形して回路基板1を成形する際に同時におこな
うようにすることができる。すなわち、まず回路基板1
の回路形成部分に対応する位置において金型13に凹凸
14を設ける。この凹凸14の形成は、金型13の成形
面の全面にレジスト膜28を塗着し、レジスト膜28の
うち回路形成部分のみをレーザー等で除去したり、露光
・現像して除去したりすることによって図7(a)のよ
うに金型13の一部を露出させ、この露出させた金型1
3の表面をサンドブラスト法や化学研磨法、電解研磨法
等で蝕刻することによって、Ra=1.0〜5.0μm
程度の微細な凹凸14を図7(b)のように設けること
によっておこなうことができる。そして金型13から図
7(c)のようにレジスト膜28を剥離した後、図7
(d)のように金型13の成形面の全面にパラジウム触
媒核12を付着させる。このように触媒核12を付着さ
せた金型13を用いて既述したと同様にして射出成形し
て離型することによって、図7(e)のような、金型1
3の凹凸14によって回路形成部分に粗面26が転写し
て形成されると共に表面の全面に金型13から触媒核1
2が転写されて付着した回路基板1を得ることができ
る。このように作成した回路基板1の表面に上記と同様
にして図7(f)に示すように無電解メッキをおこなっ
て図7(f)に示すように無電解メッキ層2を設けるこ
とができるものである。このものにあっても、粗面とな
った回路形成部分には触媒核は強固に吸着されてメッキ
の付着強度も高くなるが、粗面に形成されていない回路
6以外の回路基板1の表面は平滑で触媒核の吸着強度は
低いために、回路6以外の箇所の無電解メッキ層2をエ
ッチング除去する際に触媒核やメッキを残存させること
なく除去を完全におこなうことができるものであり、上
記と同様に絶縁信頼性を高めることができると共に回路
パターンの精度を高めることができ、さらにこのように
触媒核やメッキの除去が容易になるためにエッチング条
件を高くする必要がなくなってオーバーエッチングにな
るおそれがなくなるものである。また、このものでは凹
凸14を設けた金型13は繰り返して回路基板1の成形
に使用できるので、粗面化の処理を回路基板1に対して
一々おこなう必要なく回路基板1の回路形成部分のみに
粗面26を形成することができ、工数を削減することが
できるものである。
【0022】上記各実施例では回路基板1に粗面を設け
て無電解メッキのための触媒核の吸着力を高めるように
しているが、回路基板1の表面に粗面を形成するとファ
インパターンで回路形成することが難しくなり、ワイヤ
ーボンディング性や高周波特性も低下するおそれがあ
る。そこで、本発明では回路基板1の表面に粗面を形成
しないで無電解メッキをおこなうこともできる。すなわ
ち、射出成形して図8(a)のような回路基板1を作成
した後、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティ
ング等の通常のドライコーティング法で図8(b)のよ
うに回路基板1の回路形成面の全面にZnO薄膜15を
0.1〜1μm程度の厚みで付着させる。次に上記無電
解メッキ工程におけるエッチングによる粗化処理やコン
ディショニング処理を除いて、図8(c)に示すように
パラジウム触媒核12をZnO薄膜15に吸着させて付
与すると共に、さらに活性化して金属パラジウム化する
処理を経て、無電解メッキをおこなって図8(d)のよ
うに回路基板1の表面に無電解メッキ層2を形成するこ
とができる。パラジウム触媒核12はZnO薄膜15に
強固に吸着されるものであり、従って粗面化をおこなう
必要なく高い密着力で無電解メッキをおこなうことがで
きるものである。またこのように回路基板1の表面には
粗面が形成していないので、ファインパターンで回路形
成することが容易になるものであり、表面平滑であるた
めにワイヤーボンディング性や高周波特性も高まるもの
である。
【0023】上記のようにして図1(b)のように回路
基板1の表面の全面に無電解メッキ層2を形成した後、
この上の全面に亘って図1(c)のようにフォトレジス
ト3を塗着する。フォトレジスト3としてはカチオン型
電着レジストを用い、電着塗装することによってフォト
レジスト3の塗着をおこなうものである。レジスト電着
工程の一例を説明すると、まず5%硫酸を用いて室温で
15秒間処理すると共に乳酸(10−5−1−0.2
%)を用いて室温で15秒間処理することによって、回
路基板1の表面を前処理する。次に図9(b)に示すよ
うに回路基板1をシプレイ社製「イーグル」の電着レジ
スト液30に浸漬すると共に電着レジスト液30に電極
10を差込み、回路基板1の表面に形成した無電解メッ
キ層2を陰極に接続すると共に電極10を陽極に接続
し、両者間に直流電流を流すことによっておこなうこと
ができる。浸漬は揺動5回で60秒間の条件でおこなう
ことができ、また電着レジスト液30を22℃に調整し
て50V、40秒の条件で通電することによって電着塗
装をおこなうことができる。
【0024】ここで、カチオン型電着レジストを用いて
電着をおこなうにあたって、陰極では2H2 O+2e-
→2OH- +H2 ↑の反応が起こって、この2OH-
作用でRNH+ →RN+H2 Oの反応が生じて電着レジ
ストを陰極に接続した無電解メッキ層2の表面に析出さ
せることができる。一方陽極では2H2 O→4H+ +O
2 ↑+4e- の反応が起こっている。このようにして電
着塗装がおこなわれるものであり、析出させるカチオン
型電着レジストの樹脂内にはアニオン型電着レジストの
場合のようにカルボン酸がなく、カチオン型電着レジス
トは耐アルカリ性が良く、耐シアン性も良い。従ってこ
のカチオン型電着レジストを図2(b)の金メッキの工
程においてもメッキレジストとして使用することができ
るものであり、回路6の表面に施した金メッキによっ
て、回路基板1に直接ワイヤーボンディングしたりベア
ーチップ実装をおこなったりすることが可能になり、実
装の高密度化が容易になるものである。尚、図10に示
すように一対の電極10,10をそれぞれ陽極に接続し
て電着レジスト液30に差込み、無電解メッキ層2を陰
極に接続した回路基板1を一対の電極10,10間にお
いて電着レジスト液30に浸漬して電着をおこなうこと
によって、回路基板1の表裏両面に均一に電着レジスト
を析出させることができる。
【0025】上記のように電着塗装をおこなって回路基
板1の表面の全面にフォトレジスト3を塗着した後、室
温でトップコートをおこない、さらに80℃で5分間乾
燥する。そして次に、回路基板1の回路形成面に図1
(d)のようにこの回路基板1の形状に対応した立体的
な形状のフォトマスク4を重ね、600mj(1000
カウント)の条件で光を照射して露光し、次にフォトレ
ジスト4を外して回路基板1の表面にシプレイ社製「イ
ーグル現像液」を45℃、90秒の条件でスプレーして
現像をおこなうことによって、回路形成部分のフォトレ
ジスト3を溶解除去し、60℃で10分間乾燥する。
【0026】上記のようにして露光・現像をおこなって
回路形成部分のフォトレジスト3を除去し、回路形成部
分の無電解メッキ層2を露出させた後、無電解メッキ層
2に通電して電気銅メッキなど電気メッキを施す。電気
メッキ工程の一例を説明すると、まず「エースクリン」
の50g/リットル溶液を用いて40〜50℃、2秒の
条件で脱脂した後、硫酸の50g/リットル溶液を用い
て室温、20秒の条件で酸洗する。そして硫酸銅80g
/リットル、硫酸180g/リットル、塩素イオン50
mg/リットルの組成の「トップルチナ」をメッキ浴と
して用いて、室温、50分の条件で電気メッキをおこな
い、図2(a)のように無電解メッキ層2の露出部のみ
に電気メッキ層5を15μmの厚みで析出させる。
【0027】このようにして図2(a)のように電気メ
ッキをおこなったのちに、さらに無電解メッキ層2に通
電して電気メッキ層5の上に電気ニッケルメッキを施
す。電気ニッケルメッキは、「アクナB−40」の18
ミリリットル/リットル溶液、「アクナB−10」の1
ミリリットル/リットル溶液、硫酸ニッケルの270g
/リットル溶液、塩化ニッケルの50g/リットル溶液
をメッキ浴として用い、50℃、3A/dm2 、25分
の条件で通電して、電気メッキ層5の上にニッケルメッ
キを5μmの厚みで析出させることによっておこなうこ
とができる。
【0028】このようにニッケルメッキをおこなった後
に、さらに無電解メッキ層2に通電してニッケルメッキ
の上に電気金メッキを施す。電気金メッキは、「テンペ
レックス401(99.99%)」をメッキ浴として用
い、65℃、1A/dm2 、90秒の条件で通電して、
ニッケルメッキの上に金メッキを0.5μmの厚みで析
出させることによっておこなうことができる。
【0029】上記のようにして図2(a)のようにフォ
トレジスト3を除去して露出された無電解メッキ層2の
上に電気メッキ層5を電気メッキすると共に、図2
(b)のように電気メッキ層5の上にニッケル及び金の
メッキ層7を電気メッキするが、これらの電気メッキ
は、回路基板1と不溶解電極16を電気メッキ浴に浸漬
して両者を対向させ、それぞれに通電をすることによっ
ておこなうことができる。しかし回路基板1の表面は立
体的に形成されているために、不溶解電極16が平板で
形成されていると回路基板1の表面と不溶解電極16の
表面との間の距離は一定にならず、両者間の電解強度の
分布が不均一になって、メッキ厚を均一にすることがで
きない。このために回路基板1と不溶解電極16の間に
遮蔽板を適当に入れることによって均一性を確保するこ
とが試みられるが、均一化することは難しい。
【0030】そこで本発明では、不溶解電極16を回路
基板1の立体表面と同じ立体形状に形成して、回路基板
1と不溶解電極16とをその表面間の距離が被メッキ面
の全面に亘ってほぼ同一になるように対向させるように
してある。この立体形状に形成した不溶解電極16を作
成する方法についてまず説明する。すなわち、図11
(a)のような回路基板1を母型として用い、母型の回
路基板1の被メッキ面に図11(b)のように導体化・
離型処理して表面処理層32を設けた後に、この表面に
電鋳法で図11(c)のようにメッキすることによって
不溶解電極16を成形し、そして母型の回路基板1から
離型することによって図11(d)のように不溶解電極
16を得ることができる。不溶解電極16の材料として
は白金、チタン、銀等が適しており、また不溶解電極1
6は回路基板1を母型として形成しているために、回路
基板1の表面と同じ凹凸の立体表面に不溶解電極16を
形成することができるものである。このように作成した
不溶解電極16を図11(e)のように、回路基板1の
無電解メッキ層2及びフォトレジスト3を設けた被メッ
キ面に平行に対向させて両者間に通電して電圧を印加す
ることによって電気メッキをおこなうことができるもの
である。このとき、回路基板1の被メッキ面の凹凸と不
溶解電極16の対向する表面の凹凸とが平行に対向する
ために、回路基板1と不溶解電極16の表面間の距離が
全面に亘って同一になり、両者間の電解強度の分布が均
一になって、メッキ厚を均一にすることができるもので
あり、回路6を均一な厚みで形成することが可能になる
ものである。
【0031】図12は他の実施例を示すものであり、図
11(a)乃至(d)と同様にして図12(a)のよう
に作成した不溶解電極16の表面のうち、メッキをおこ
なう回路形成部に対応する箇所だけを露出させてその他
の部分を絶縁物17で被覆するようにしたものである。
被覆の方法は、まず図12(b)のようにポジ型の感光
性ポリイミドなどを10〜30μmの厚みで全面コート
して絶縁性のレジスト層34を形成し、次にアルゴンレ
ーザーを回路形成部に対応する箇所に照射して露光し、
現像することによって、露光した箇所を溶解除去して図
12(c)のように不溶解電極16の表面を露出させ
る。ネガ型の場合には逆に回路形成部に対応する箇所以
外をレーザー照射して露光・現像するようにすればよ
い。そしてこのように回路形成部に対応する箇所だけを
露出させてその他の部分をレジスト層34による絶縁物
17で被覆した不溶解電極16を用い、図12(d)の
ように回路基板1の被メッキ面に平行に対向させて両者
間に電圧を印加することによって電気メッキをおこなう
ことができる。このとき、回路基板1と不溶解電極16
の表面間の距離が全面に亘って同一になるために、両者
間の電解強度の分布が均一になってメッキ厚を均一にす
ることができるものであり、しかも不溶解電極16の表
面はメッキ部分のみが露出されており他の箇所は絶縁物
17で絶縁されているために、不溶解電極16の露出部
分の電流密度が高まり、メッキの速度を速くして生産性
を高めることが可能になるものである。
【0032】また、上記図2(a)のように銅の電気メ
ッキ層5を電気メッキした後に、図2(b)のようにニ
ッケル及び金のメッキ層7を電気メッキするにあたっ
て、銅の電気メッキ層5を無光沢メッキで形成すると、
この上にニッケルメッキをして表面の平滑性や硬度を高
めるためにはニッケルメッキの厚みを厚くする必要があ
り、メッキ作業に時間がかかると共にコストがアップす
る。
【0033】そこで本発明では、銅の電気メッキ層5を
装飾用の光沢メッキで形成するようにしてある。この光
沢メッキは、CuSO4 220g/リットル、銅50g
/リットル、H2 SO4 50g/リットル、塩素イオン
80mg/リットル、光沢剤5mg/リットルの液組成
のメッキ浴を液温23℃に調整し、2〜3A/dm2
条件で通電することによっておこなうことができ、10
〜20μmの厚みで銅の光沢メッキを施すことができ
る。このように銅の光沢メッキで電気メッキ層5を形成
した後に、この上にニッケルの電気メッキをおこなう。
ニッケルメッキは、NiSO4 ・7H2 O180g/リ
ットル、NH4 Cl25g/リットル、H 3 BO3 30
g/リットルの液組成のメッキ浴を用い、PHを5.6
〜5.9に、浴温を43〜60℃に調整して電流密度
2.5〜10A/dm2 の条件で通電することによって
おこなうことができるものであり、メッキ厚は下地によ
って適当に設定すればよいが、3〜20μm程度が適当
である。このニッケルメッキはコバルトや鉄等との合金
メッキとしておこなうようにしてもよい。ニッケルコバ
ルト合金メッキは、Ni(NH2 SO3 2 200g/
リットル、Co(NH2SO3 2 190g/リット
ル、H3 BO3 35g/リットル、NiCl2 3g/リ
ットルの液組成のメッキ浴を用い、PHを3.5に、浴
温を40〜60℃に調整して電流密度2〜5A/dm2
の条件で通電することによっておこなうことができる。
またニッケル鉄合金メッキは、Ni(NH2 SO3 2
・4H2 O350g/リットル、Fe(NH2 SO3
2 ・4H2 O150g/リットル、酢酸ナトリウム27
g/リットルの液組成のメッキ浴を用い、PHを3.0
に、浴温を25〜35℃(30℃が好ましい)に調整し
て電流密度3〜5A/dm2 の条件で通電することによ
っておこなうことができる。このようにニッケルメッキ
をおこなった後に、この上に0.5μm程度の厚みで金
メッキをおこなうものである。そして上記のように銅の
電気メッキをおこなった後にニッケルメッキをおこなう
にあたって、銅の電気メッキを光沢メッキで施すように
しているために、電気メッキ層5の表面は平滑に形成さ
れており、ニッケルメッキの厚みを厚くする必要なく電
気メッキ層5の表面を平滑に被覆することができるもの
であり、薄いニッケルメッキで平滑性と表面硬さを確保
することができてワイヤボンデイング性を高めることが
できるものである。またこのようにニッケルメッキの厚
みを厚くする必要がなくなるので、トータルメッキ厚を
薄くして、メッキ作業の時間を短縮できると共にコスト
ダウンすることが可能になるものである。
【0034】上記のようにして電気メッキをおこなった
後に、シプレイ社製「イーグル剥離液」を用いて回路基
板1を55℃の条件で1分間処理することによって、回
路基板1の表面のフォトレジスト3を剥離する。さらに
過硫酸アンモニウムを用いて40℃で1分間処理してソ
フトエッチングをおこなうことによって、回路形成部以
外の不要な無電解メッキ層2を回路基板1の表面から溶
解除去し、室温で15秒間純水洗した後、60℃で10
分間乾燥する。このようにして図2(c)に示すよう
に、無電解メッキ層2と電気メッキ層5及びニッケルと
金のメッキ層7からなる回路6のパターン形成をおこな
うことができるものであり、例えば傾斜角度70度、凹
凸の段差8mm、回路パターンのライン/スペース=2
00μm/200μmのワイヤーボンディング可能な立
体回路板を作成することができるものである。
【0035】そして図2(c)のように回路6の形成を
おこなった後に、LSIなど電子部品等の部品18を搭
載して回路6のボンディング部6bと部品18との間に
金線等のワイヤー19を超音波キャピラリー35で超音
波併用熱圧着してボンディングすることによって、図2
(d)に示すように回路基板1の上に部品18を実装す
ることができるものである。このようにワイヤーボンデ
ィングをおこなうにあたっては、ボンディング部6bを
加熱することが好ましく、このために図15に示すよう
に熱板36の上に回路基板1をセットすることによっ
て、回路基板1の下面からボンディング部6bを加熱す
るようにしているが、回路基板1は樹脂成形品であるた
めに熱伝導率が低く下面から上面のボンディング部6b
へ熱が伝わるのに時間がかかって熱効率が悪く、また回
路基板1の表面形状により下面と上面のボンディング部
6bとの間の距離がまちまちであるためにボンディング
部6bの加熱温度がばらついて安定したボンディングを
おこなうことができない。そこで本発明では、図13に
示すようにボンディング部6bのみをボンディング表面
側から局所加熱するようにしてある。この局所加熱は、
レーザー光等のビームを照射機37からスポット照射し
ておこなったり、熱風による表面加熱等によっておこな
うことができる。このようにボンディング部6bのみを
ボンディング表面側から局所加熱することによって、加
熱の必要な部分のみを効率的に加熱することができ、し
かも熱伝導率の小さい回路基板1によって熱が下方へ放
散されることが少なくなって、ボンディング部6bの加
熱温度が安定し、安定したボンディングをおこなうこと
ができるものである。
【0036】
【発明の効果】上記のように本発明は、立体的な回路基
板を樹脂成形で形成し、回路基板の表面にメッキにより
回路を形成して立体回路板を製造するにあたって、回路
基板に形成される回路を避けた部分、あるいは回路の面
積の広い部分内に、離型用ノックアウトピンの位置が設
定された金型を用いて回路基板の成形をおこなうように
したので、回路基板の表面に残るノックアウトピン跡が
露光の際の影になって電気メッキが不要箇所になされて
メッキ残存物が回路基板に生じても、このメッキ残存物
は回路間に跨がるようには存在しないものであり、回路
間に絶縁不良が起こることがなくなるものである。
【0037】また、樹脂成形で製造された立体的な回路
基板の表面にフォトレジストを塗着した後に、この上に
この回路基板の形状に対応した立体的なフォトマスクを
重ねて露光するようにしたので、表面の段差が大きい回
路基板であってもパターン精度の高い回路形成をするこ
とができ、高密度配線が可能になるものである。さら
に、フォトレジストとしてカチオン型の電着レジストを
用いるようにしたので、カチオン型の電着レジストはレ
ジスト樹脂内にカルボン酸を有しておらず、金メッキの
際のシアン浴にレジストが溶けるようなおそれなく、こ
のフォトレジストをめっきレジストとして用いて金メッ
キをおこなうことができるものである。
【0038】さらに、立体的な回路基板の段差の角部に
アールを付けるようにしたので、アールを付けた角部に
はフォトレジストがうまくのるようになると共に露光時
の光が十分当たるようになり、表面の段差の大きい立体
形状の回路基板であっても高密度配線を信頼性良く形成
することができるものである。さらに、回路基板の表面
の回路形成部分のみを粗面化し、回路基板の表面に触媒
核を付与した後に無電解メッキをおこなうようにしたの
で、粗面となった回路形成部分には触媒核は強固に吸着
されてメッキの付着強度も高くなるが、粗面に形成され
ていない回路以外の回路基板の表面は平滑で触媒核の吸
着強度は低くなり、回路以外の触媒核やメッキを除去す
る際にこれらが残存することなく除去を完全におこなう
ことができるものであり、絶縁信頼性を高めることがで
きると共に回路パターンの精度を高め高密度化すること
ができるものである。
【0039】また、回路基板の回路形成部分に対応する
箇所において金型の成形面に凹凸を設け、金型の成形面
に触媒核を付着させて回路基板を成形することによっ
て、成形された回路基板の表面に触媒核を転写させ、こ
の後に無電解メッキをおこなうようにしたので、粗面と
なった回路形成部分には触媒核は強固に吸着されてメッ
キの付着強度も高くなるが、粗面に形成されていない回
路以外の回路基板の表面は平滑で触媒核の吸着強度は低
くなり、触媒核やメッキを残存させることなく除去を完
全におこなって絶縁信頼性を高めることができると共に
回路パターンの精度を高めることができるものであり、
しかも凹凸を設けた金型は繰り返して回路基板の成形に
使用できるのものであって、粗面化の処理を回路基板に
一々おこなう必要なく回路基板の回路形成部分のみに粗
面を形成することができ、工数を削減することができる
ものである。
【0040】また、回路基板の表面にZnO薄膜を付着
させ、このZnO薄膜の表面に触媒核を付与した後に無
電解メッキをおこなうようにしたので、触媒核をZnO
薄膜に強固に吸着させて回路基板に付着せることがで
き、回路基板の表面を粗面化する必要なく高い密着力で
無電解メッキをおこなうことができるものであり、ファ
インパターンで回路形成することが容易になると共にワ
イヤーボンディング性や高周波特性も高まるものであ
る。
【0041】さらに、電気メッキ浴内で回路基板の表面
に不溶解電極を対向させて通電することによって回路基
板の表面に電気メッキをおこなうにあたって、不溶解電
極を回路基板の立体表面と同じ立体形状に形成して回路
基板と不溶解電極とをその表面間の距離が被メッキ面の
全面に亘ってほぼ同一になるように対向させるようにし
たので、回路基板と不溶解電極の表面間の電解強度の分
布が均一になって、メッキ厚を均一にすることができる
ものであり、回路を均一な厚みで形成することが可能に
なるものである。
【0042】この不溶解電極にあって、不溶解電極の回
路基板に対向する表面を、回路基板へのメッキ部分を除
いて絶縁物によって被覆するようにしたので、不溶解電
極のメッキ部分のみが露出されてこの露出部分の電流密
度が高まり、メッキの速度を速くして生産性を高めるこ
とが可能になるものである。さらに、回路基板の表面に
電気メッキをおこなうにあたって、銅メッキを光沢メッ
キで施した上にニッケルメッキを施すようにしたので、
光沢メッキで銅メッキの表面は平滑に形成されており、
ニッケルメッキの厚みを厚くする必要なく平滑に被覆す
ることができ、薄いニッケルメッキで平滑性と表面硬さ
を確保することができてワイヤボンデイング性を高める
ことができるものであり、またこのようにニッケルメッ
キの厚みを厚くする必要がなくなるので、メッキ作業の
時間を短縮できると共にコストダウンすることが可能に
なるものである。
【0043】さらに、回路基板にワイヤーボンディング
して部品を実装するにあたって、ボンディング部のみを
ボンディング表面側から局所加熱するようにしたので、
加熱の必要な部分のみを効率的に加熱することができ、
しかも熱伝導率の小さい回路基板によって熱が下方へ放
散されることが少なくなって、ボンディング部の加熱温
度が安定し、安定したボンディングをおこなうことがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体回路板の製造工程の一例を示すも
のであり、(a)乃至(d)はその前半部の各工程の断
面図である。
【図2】同上の後半部の各工程の断面図である。
【図3】回路基板に形成されるノックアツトピン跡の位
置を示す概略図である。
【図4】回路基板の段差の角部の状態を示す側面図であ
る。
【図5】回路基板のランド部の詳細を示すものであり、
(a)乃至(f)はそれぞれ斜視図である。
【図6】回路基板への粗面の形成の一例を示すものであ
り、(a)は粗面形成方法を示す断面図、(b)は回路
基板の一部の拡大した断面図である。
【図7】回路基板への粗面の形成の他例を示すものであ
り、(a)乃至(d)は金型の断面図、(e),(f)
は回路基板の断面図である。
【図8】回路基板への無電解メッキの一例を示すもので
あり、(a)乃至(d)は回路基板の断面図である。
【図9】電着塗装の原理を示すものであり、(a)はア
ニオン型電着レジストの場合の概略断面図、(b)はカ
チオン型電着レジストの場合の概略断面図である。
【図10】カチオン型電着レジストによる電着塗装の概
略断面図である。
【図11】回路基板への電気メッキの一例を示すもので
あり、(a)乃至(e)はそれぞれ断面図である。
【図12】回路基板への電気メッキの他例を示すもので
あり、(a)乃至(d)はそれぞれ断面図である。
【図13】回路基板へのワイヤーボンディング作業の断
面図である。
【図14】従来例の回路基板に形成されるノックアツト
ピン跡の位置を示す概略図である。
【図15】従来例における回路基板へのワイヤーボンデ
ィング作業の断面図である。
【符号の説明】
1 回路基板 2 無電解メッキ層 3 フォトレジスト 4 フォトマスク 5 電気メッキ層 6 回路 7 ニッケルと金のメッキ層 11 段差 12 触媒核 13 金型 14 凹凸 15 ZnO薄膜 16 不溶解電極 17 絶縁物 18 部品 19 ワイヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29C 45/40 B29C 45/40 B29L 31:34 (72)発明者 中本 篤宏 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−243317(JP,A) 特開 平4−76985(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体的な回路基板を樹脂成形で形成し、
    回路基板の表面にメッキにより回路を形成して立体回路
    板を製造するにあたって、回路基板に形成される回路を
    避けた部分、あるいは回路の面積の広い部分内に、離型
    用ノックアウトピンの位置が設定された金型を用いて
    路基板の成形をおこなうようにしたことを特徴とする立
    体回路板の製造方法。
  2. 【請求項2】 立体的な回路基板の段差の角部にアール
    を付けることを特徴とする請求項1に記載の立体回路板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 回路基板の表面の回路形成部分のみを粗
    面化し、回路基板の表面に触媒核を付与した後に無電解
    メッキをおこなうことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の立体回路板の製造方法。
  4. 【請求項4】 回路基板の回路形成部分に対応する箇所
    において金型の成形面に凹凸を設け、金型の成形面に触
    媒核を付着させて回路基板を成形することによって、成
    形された回路基板の表面に触媒核を転写させ、この後に
    無電解メッキをおこなうことを特徴とする請求項に記
    載の立体回路板の製造方法。
  5. 【請求項5】 回路基板の表面にZnO薄膜を付着さ
    せ、このZnO薄膜の表面に触媒核を付与した後に無電
    解メッキをおこなうことを特徴とする請求項1又は2
    記載の立体回路板の製造方法。
  6. 【請求項6】 電気メッキ浴内で回路基板の表面に不溶
    解電極を対向させて通電することによって回路基板の表
    面に電気メッキをおこなうにあたって、不溶解電極を回
    路基板の立体表面と同じ立体形状に形成して回路基板と
    不溶解電極とをその表面間の距離が被メッキ面の全面に
    亘ってほぼ同一になるように対向させることを特徴とす
    る請求項1乃至のいずれかに記載の立体回路板の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 不溶解電極の回路基板に対向する表面
    を、回路基板へのメッキ部分を除いて絶縁物によって被
    覆することを特徴とする請求項に記載の立体回路板の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 回路基板の表面に電気メッキをおこなう
    にあたって、銅メッキを光沢メッキで施した上にニッケ
    ルメッキを施すことを特徴とする請求項1乃至のいず
    れかに記載の立体回路板の製造方法。
  9. 【請求項9】 回路基板にワイヤーボンディングして部
    品を実装するにあたって、ボンディング部のみをボンデ
    ィング表面側から局所加熱することを特徴とする請求項
    1乃至のいずれかに記載の立体回路板の製造方法。
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