JP2022122426A - アルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法 - Google Patents

アルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミックス基板に接合されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム回路板上の所定の部分に精度よく且つ安価にめっきを施すことができるとともに、アルミニウム回路板上に電子部品を搭載してパワーサイクル試験を行っても電子部品の電気的な異常を防止することができる、アルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法を提供する。【解決手段】セラミックス基板に接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム板の全面を覆うようにレジストを形成し、このレジストの所定の部分を除去してアルミニウム板の一部を露出させ、このアルミニウム板の露出した部分に、酸性または中性のNiめっき液を使用してNiめっき皮膜を形成し、このNiめっき皮膜の表面に、酸性、中性または弱アルカリ性の非シアン系のAuめっき液を使用してAuめっき皮膜を形成した後、レジストを剥離する。【選択図】図1I

Description

本発明は、セラミックス基板の一方の面にアルミニウム回路板が接合されたアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法に関し、特に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム回路板上のチップ部品や端子の取り付けが必要な部分などに部分的にめっきが施されたアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法に関する。
従来、電気自動車、電車、工作機械などの大電力を制御するために、パワーモジュールが使用されている。このようなパワーモジュール用の絶縁基板として、セラミックス基板の一方の面に接合された金属回路板上のチップ部品や端子の半田付けが必要な部分などに部分的にめっきが施された金属-セラミックス回路基板が使用されている。
このような金属-セラミックス回路基板の製造方法として、セラミックス基板に接合した金属板上に回路パターン形状の回路パターン形成用レジストを印刷し、金属板の不要部分をエッチング除去して回路パターンを形成し、回路パターン形成用レジストを剥離した後、回路パターン上の半田付けが必要な部分などの所定の部分以外に部分めっき用レジストを印刷して所定の部分にめっきを施した後に部分めっき用レジストを剥離するか、あるいは、回路パターン形成用レジストを剥離した後、回路パターン上の全面にめっきを施して、そのめっきの所定の部分に部分めっき用レジストを印刷してめっきの不要部分をエッチング除去した後に部分めっき用レジストを剥離する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1の方法では、回路パターン形成用レジストを剥離し、部分めっき用レジストを印刷した後、部分めっき用レジストを剥離しているので、2回のレジスト剥離工程を行う必要があり、金属-セラミックス回路基板の製造時間が長くなり、製造コストが高くなる。
このような問題を解消するため、セラミックス基板に接合した回路形成用金属板を所定の部分に窓部が設けられたマスキング部材に押圧しながら、窓部を介して回路形成用金属板の所定の部分にめっき液を噴射して、スパージャ方式(高圧噴射ジェット方式)により部分的にめっきを施す方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の方法では、部分めっき用レジストの印刷および除去の工程がないので、製造時間を短くすることができるが、所定の形状のマスキング部材を作製する必要があるので、製造コストの削減は十分とはいえず、めっきが必要な部分の大きさや形状が異なる金属-セラミックス回路基板を製造する場合に、マスキング部材を再度作製する必要がある。また、セラミックス基板に接合した回路形成用金属板の表面が凹状または凸状に反っている場合に、回路形成用金属板の表面にマスキング部材を密着させることができず、めっきが必要な部分からめっきがはみ出して、めっきパターンの精度が悪化したり、回路形成用金属板の角部にピンホールが形成され易くなる。
近年、銀微粒子を含む銀ペーストを接合材として使用し、被接合物間に接合材を介在させ、被接合物間に圧力を加えながら所定時間加熱して、接合材中の銀を焼結させて、(銀めっきされた銅材などの)被接合物同士を接合することが提案されており(例えば、特許文献3参照)、このような接合材を半田の代わりに使用して、金属セラミックス回路基板の金属回路板上に半導体チップなどの電子部品を固定する試みがなされている。
また、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板の一方の面にニッケルまたはニッケル合金のめっき皮膜を形成し、その上に銀接合層により電子部品を接合することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2003-31720号公報(段落番号0013-0034) 特開2004-6604号公報(段落番号0013-0038) 特開2011-80147号公報(段落番号0014-0020、0085) 特開2014-130989号公報(段落番号0007-0011)
しかし、特許文献4のように、ニッケルまたはニッケル合金でめっきされたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム回路板に銀接合層により電子部品を接合する場合、電子部品としてパワー半導体チップを使用して、そのパワー半導体チップのオンとオフを数万回以上繰り返すパワーサイクル試験を行うと、パワー半導体チップに電気的な異常が生じるおそれがある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、セラミックス基板に接合されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム回路板上の所定の部分に精度よく且つ安価にめっきを施すことができるとともに、アルミニウム回路板上に電子部品を搭載してパワーサイクル試験を行っても電子部品の電気的な異常を防止することができる、アルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、セラミックス基板に接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム板の全面を覆うように第1のレジストを形成し、この第1のレジストの所定の部分を除去してアルミニウム板の一部を露出させ、このアルミニウム板の露出した部分に、酸性または中性のNiめっき液を使用してNiめっき皮膜を形成し、このNiめっき皮膜の表面に、酸性、中性または弱アルカリ性の非シアン系のAuめっき液を使用してAuめっき皮膜を形成した後、このめっき皮膜を覆うように第2のレジストを形成し、第1レジストの所定の部分を除去してアルミニウム板の一部を露出させ、このアルミニウム板の露出した部分をエッチング処理により除去した後、第1および第2のレジストを剥離することによって、アルミニウム-セラミックス回路基板を製造すれば、セラミックス基板に接合されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム回路板上の所定の部分に精度よく且つ安価にめっきを施すことができるとともに、アルミニウム回路板上に電子部品を搭載してパワーサイクル試験を行っても電子部品の電気的な異常を防止することができる、アルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法は、セラミックス基板に接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム板の全面を覆うように第1のレジストを形成し、この第1のレジストの所定の部分を除去してアルミニウム板の一部を露出させ、このアルミニウム板の露出した部分に、酸性または中性のNiめっき液を使用してNiめっき皮膜を形成し、このNiめっき皮膜の表面に、酸性、中性または弱アルカリ性の非シアン系のAuめっき液を使用してAuめっき皮膜を形成した後、このめっき皮膜を覆うように第2のレジストを形成し、第1レジストの所定の部分を除去してアルミニウム板の一部を露出させ、このアルミニウム板の露出した部分をエッチング処理により除去した後、第1および第2のレジストを剥離することを特徴とする。
このアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法において、第1および第2のレジストは、電着レジストであるのが好ましい。Niめっき皮膜および前記Auめっき皮膜は、電気めっきまたは無電解めっきにより形成されるのが好ましい。Auめっき皮膜の形成に使用するAuめっき液は、中性の還元型めっき液であるのが好ましい。Auめっき皮膜を電気めっきにより形成する場合、Auめっき皮膜の形成に使用するAuめっき液は、pH8以下の弱アルカリ性のめっき液であるのが好ましい。Niめっき皮膜を形成する前に、アルミニウム板の露出した部分に亜鉛置換処理を行うのが好ましい。
また、アルミニウム板とセラミックス基板との接合は、アルミニウム溶湯をセラミックス基板の一方の面に接触させた後に冷却して固化させてアルミニウム板を形成することにより行うのが好ましい。また、アルミニウム溶湯をセラミックス基板の一方の面に接触させる際に、アルミニウム溶湯をセラミックス基板の他方の面に接触させ、冷却して固化させることによりアルミニウムベース板を形成してセラミックス基板の他方の面に接合するの好ましい。この場合、アルミニウム溶湯をセラミックス基板の他方の面に接触させる際に、セラミックス基板と略平行に離間して配置した強化部材の全面にアルミニウム溶湯を接触させ、冷却して固化させることによりアルミニウムベース板の内部に強化部材を配置して接合するのが好ましい。
また、Niめっき皮膜の厚さは、6~10μmであるのが好ましく、Auめっき皮膜の厚さは、50~200nmであるのが好ましい。
また、本発明による電子部品搭載基板は、セラミックス基板の一方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム回路板の一方の面が直接接合され、このアルミニウム回路板の一部にNiめっき皮膜が形成され、このNiめっき皮膜上にAuめっき皮膜が形成され、このAuめっき皮膜上に銀接合層により電子部品が接合されていることを特徴とする。
この電子部品搭載基板において、セラミックス基板の他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウムベース板が直接接合されているのが好ましい。この場合、アルミニウムベース板の内部に強化部材が配置されてアルミニウムベース板に直接接合されているのが好ましい。また、Niめっき皮膜の厚さは、6~10μmであるのが好ましく、Auめっき皮膜の厚さは、50~200nmであるのが好ましい。
本発明によれば、セラミックス基板に接合されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム回路板上の所定の部分に精度よく且つ安価にめっきを施すことができるとともに、アルミニウム回路板上に電子部品を搭載してパワーサイクル試験を行っても電子部品の電気的な異常を防止することができる、アルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法を提供することができる。
本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態において、セラミックス基板の一方の面に回路用アルミニウム板を接合し、他方の面にベース用アルミニウム板を接合する工程を示す断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態において、回路用アルミニウム板とベース用アルミニウム板の略全面にレジストを形成する工程を説明する断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態において、回路用アルミニウム板上のレジストの所定の部分を除去する工程を説明する断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態において、回路用アルミニウム板上のレジストを除去した部分にNiめっき皮膜を形成する工程を説明する断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態において、回路用アルミニウム板上のレジストを除去した部分にAuめっき皮膜を形成する工程を説明する断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法において、Auめっき皮膜を覆うようにレジストを形成する工程を説明する断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態において、回路用アルミニウム板とベース用アルミニウム板上のレジストの所定の部分を除去する工程を説明する断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態において、エッチング処理により回路用アルミニウム板とベース用アルミニウム板の不要部分を除去して、アルミニウム回路板とアルミニウムベース板を形成する工程を説明する断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態において、アルミニウム回路板とアルミニウムベース板上のレジストを除去する工程を説明する断面図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の変形例により製造されたアルミニウム-セラミックス回路基板の裏面を示す図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の他の変形例により製造されたアルミニウム-セラミックス回路基板の裏面を示す図である。 本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態の他の変形例により製造されるアルミニウム-セラミックス回路基板に使用するアルミニウム-セラミックス接合基板の断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施の形態について説明する。
まず、図1Aに示すように、セラミックス基板10の一方の面に回路用アルミニウム板12が接合したアルミニウム-セラミックス接合基板を製造する。このアルミニウム-セラミックス接合基板は、鋳型内においてアルミニウム溶湯をセラミックス基板10の一方の面に接触させ、冷却して固化させること(所謂溶湯接合法)により回路用アルミニウム板12を形成してセラミックス基板10の一方の面に接合することによって製造することができる。また、セラミックス基板10の他方の面にベース用アルミニウム板14が接合したアルミニウム-セラミックス接合基板を製造してもよい。このアルミニウム-セラミックス接合基板は、アルミニウム溶湯をセラミックス基板10の一方の面に接触させる際に、アルミニウム溶湯をセラミックス基板10の他方の面に接触させ、冷却して固化させることによりベース用アルミニウム板14を形成してセラミックス基板10の他方の面に接合することによって製造することができる。これらの場合、アルミニウム溶湯がアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯であるのが好ましい。あるいは、所謂溶湯接合法に代えて、セラミックス基板10の一方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路用アルミニウム板12を直接またはろう材を介して接合してもよく、他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるベース用アルミニウム板14を直接またはろう材を介して接合してもよい。
次に、図1Bに示すように、回路用アルミニウム板12とベース用アルミニウム板14の表面(それぞれセラミックス基板10と反対側の面)の略全面を覆うように(第1の)レジスト16を形成する。このレジスト16は、(耐酸性に優れているとともにpH8以下の弱アルカリ溶液にも耐えることができる)電着レジストであるのが好ましい。電着によって形成される電着レジストは、回路用アルミニウム板12とベース用アルミニウム板14の表面に凹凸があっても略均一の厚さにすることができる。なお、レジスト16として電着レジスト以外のレジストをスプレー式(噴射式)やディップ式(浸漬式)などにより形成することもできるが、スプレー式ではレジストインクのロスが多く、また、ベース用アルミニウム板14の裏面(セラミックス基板10と反対側の面)に多数のフィンが狭ピッチで形成されている場合には、電着レジスト以外のレジストをスプレー式やディップ式により形成すると、略均一の厚さのレジスト16を形成することができず、レジスト16が薄い部分にピンホールが形成され易く、ディップ式では、レジストインクの排出に時間がかかるため、レジストインクからの引き上げ速度が遅くなって、生産性が悪くなる。
次に、図1Cに示すように、回路用アルミニウム板12の表面に形成されたレジスト16の所定の部分(めっきをする部分)を除去して、部分めっき用レジストを形成する。このレジスト16の除去は、レジスト16の所定の部分にレーザー照射するレーザー加工によって行うのが好ましい。
次に、図1Dに示すように、回路用アルミニウム板12の表面のレジスト16が除去された部分にNiまたはNi合金からなるNiめっき皮膜18を形成する。このNiめっき皮膜18を形成する前に、回路用アルミニウム板12の表面のレジスト16が除去された部分をパラジウム活性化法や亜鉛置換法(ジンケート処理)により前処理するのが好ましく、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる回路用アルミニウム板12とNiめっき皮膜18の密着性を考慮すると亜鉛置換法により前処理するのが好ましい。このNiめっき皮膜18の形成は、回路用アルミニウム板12をめっき液に浸漬して行うのが好ましく、電気めっきまたは無電解めっきのいずれでもよい。電気めっきの場合は、ウッド浴やスルファミン酸浴などのめっき浴中において、回路用アルミニウム板12をカソード、Ni電極板をアノードとして行うのが好ましい。無電解めっきの場合は、Ni-P合金めっき浴またはNi-B合金めっき浴中において、Ni-P合金めっき皮膜またはNi-B合金めっき皮膜を形成するのが好ましい。このようにしてNiめっき皮膜18を形成することにより、スパージャ方式(高圧噴射ジェット方式)で部分めっきを行う場合のように、形状が異なる毎にマスキング部材を作製する必要がなく、製造コストを削減することができる。また、セラミックス基板10に接合した回路用アルミニウム板12の表面が凹状または凸状に反っていても、めっきが必要な部分からめっきがはみ出すのを抑制して、Niめっき皮膜18を精度よく形成することができる。このNi皮膜18の厚さは、セラミックス基板10と回路用アルミニウム板12との間の熱膨張差による回路用アルミニウム板12の表面のしわ状の変形を防止するために、6μm以上であるのが好ましく、6~10μmであるのがさらに好ましい。
次に、図1Eに示すように、Niめっき皮膜18上にAuめっき皮膜20を形成する。このAuめっき皮膜20の形成は、Niめっき皮膜18が形成された回路用アルミニウム板12をめっき液に浸漬して行うのが好ましく、電気めっきまたは無電解めっきのいずれでもよいが、電極の設置などが不要な無電解めっきによりAuめっき皮膜20を形成するのが好ましい。電気めっきまたは無電解めっきのいずれの場合も、レジスト16が殆ど腐食することなく良好な形状のAuめっき皮膜20を形成することができるように、中性の(非シアン系の)亜硫酸液などのめっき浴を用いるのが好ましい。電気めっきの場合は、めっき浴中において、回路用アルミニウム板12をカソード、Pt電極板などをアノードとして行うのが好ましい。なお、下地となるNiめっき皮膜18を電気めっきにより形成すると、表面酸化に強く、水酸基の吸着量が少ないNiめっき皮膜18を形成することができるので、Auめっき皮膜20の形成前にNiめっき皮膜18を乾燥しても、Niめっき皮膜18に対するAuめっき皮膜20の密着性を良好にすることができる。一方、Niめっき皮膜18を無電解めっきにより形成する場合には、Niめっき皮膜18の表面酸化などを抑制するために、Niめっき皮膜18がウエットな状態で10分以内にAuめっき皮膜20を形成するのが好ましい。
次に、図1Fに示すように、Auめっき皮膜20を覆うように(第2の)レジスト16を形成する。このレジスト16は、電着レジストであるのが好ましい。電着レジストであれば、Auめっき皮膜20を覆う(第2の)レジスト16の厚さを他の部分の(第1の)レジスト16と同じ厚さにして、回路用アルミニウム板12の表面のAuめっき皮膜20が形成されていない部分と形成されている部分で略均一の厚さに形成することができ、後でレジスト16を剥離するのが容易である。このように(第2の)レジスト16を形成することにより、回路用アルミニウム板12とAuめっき皮膜20の表面の略全面が(第1および第2の)レジスト16に覆われる。
次に、図1Gに示すように、回路用アルミニウム板12とベース用アルミニウム板14の表面に形成されたレジスト16の所定の部分(回路用アルミニウム板12とベース用アルミニウム板14の不要部分に対応する部分)除去して、回路パターン形成用レジストおよびアルミニウムベース板形成用レジストを形成する。このレジスト16の除去は、レーザー加工によって行うのが好ましい。
次に、図1Hに示すように、塩化第二鉄溶液などのエッチング液によってエッチング処理を行うことにより、回路用アルミニウム板12の不要部分を除去して所望の回路パターンのアルミニウム回路板12を形成するとともに、ベース用アルミニウム板14の不要部分を除去してアルミニウムベース板14を形成する。
次に、図1Iに示すように、(第1および第2の)レジスト16を剥離することにより、セラミックス基板10の一方の面に所望の回路パターンのアルミニウム回路板12が接合されるとともに他方の面にアルミニウムベース板14が接合されたアルミニウム-セラミックス回路基板が得られる。なお、レジスト16の剥離工程が1回だけであるので、アルミニウム-セラミックス回路基板の製造時間および製造コストを削減することができるとともに、レジスト16の剥離液によるめっきの密着性の低下やアルミニウム回路板12、アルミニウムベース板14およびセラミックス基板10へのダメージを抑制することができる。
また、図2に示すように、平板状のアルミニウムベース板14の裏面(セラミックス基板10と反対側の面)から略垂直方向に突出するとともに互いに所定の間隔で離間して略平行に伸びるように複数の板状の放熱フィン14aがアルミニウムベース板14と一体に形成された板フィン付アルミニウムベース板をセラミックス基板10に接合してもよいし、平板状のアルミニウムベース板14の裏面から略垂直方向に突出するとともに互いに所定の間隔で離間して配置するように多数の柱状(ピン状)の放熱フィン14bがアルミニウムベース板14と一体に形成されたピンフィン付アルミニウムベース板をセラミックス基板10に接合してもよい。
また、図4に示すように、(平面形状が略矩形の)アルミニウム合金からなるアルミニウムベース板114に(平面形状が略矩形の)セラミックス基板110の一方の面を直接接合させ、このセラミックス基板110の他方の面に(平面形状が略矩形の)アルミニウム合金からなる回路パターン用のアルミニウム板112を直接接合させ、(平面形状が略矩形の)板状の強化部材122をアルミニウムベース板114の内部においてアルミニウムベース板114のセラミックス基板110との接合面と略平行な(仮想)平面上に配置させてアルミニウムベース板114に直接接合させてもよい。このようにアルミニウムベース板114の内部に配置された強化部材122により、アルミニウム-セラミックス接合基板の反りおよびそのばらつき、特に長手方向の反りおよびそのばらつきを小さくすることができる。
以下、本発明によるアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
セラミックス基板を収容する空洞部が内部に形成されるとともにこの空洞部の両側にそれぞれベース用アルミニウム板と回路用アルミニウム板に対応する形状の空洞部が形成された(カーボン製の)鋳型内にセラミックス基板を配置し、鋳型内を窒素雰囲気にした状態で加熱し、(99.9質量%以上のアルミニウムからなる)アルミニウム溶湯をその表面の酸化膜を取り除きながら鋳型内に注湯した後、鋳型内に窒素ガスを吹き込んで100kPa程度に加圧しながら鋳型を冷却してアルミニウム溶湯を凝固させることにより、100mm×80mm×0.635mmの大きさの窒化アルミニウムからなるセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×1.5mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板が直接接合するとともに、他方の面に95mm×75mm×1.5mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板が直接接合した一体のアルミニウム-セラミックス接合基板を作製した。
このアルミニウム-セラミックス接合基板を電着槽内の電着フォトレジスト液に浸漬し、回路用アルミニウム板とベース用アルミニウム板に電極を取り付けて120Vの電圧を印加することにより、回路用アルミニウム板とベース用アルミニウム板の表面(それぞれセラミックス基板と反対側の面)の略全面を覆うように電着レジスト皮膜を形成し、80℃で30分間乾燥した後、紫外線により露光して硬化させることにより、厚さ40μmの(第1の)電着レジストを形成した。
次に、アルミニウム-セラミックス接合基板の回路用アルミニウム板の表面に形成されたレジストの15mm×15mmの大きさの略矩形の部分にレーザー照射して、その部分のレジストを除去して回路用アルミニウム板を露出させ。
次に、アルミニウム-セラミックス接合基板を液温50℃のアルミニウム用の脱脂液(上村工業株式会社製のUA-68を50g/L含む水溶液)に5分間浸漬して脱脂処理を行った後、液温57℃のアルミニウム用の化学研磨液(上村工業株式会社製のAZ-102を50g/L含む水溶液)に3分間浸漬して化学研磨処理を行った。この化学研磨処理後のアルミニウム-セラミックス接合基板を0.5L/Lの硝酸を含む水溶液に室温で30秒間浸漬し、水洗した後、亜鉛置換液(上村工業株式会社製のAZ-301-3Xを0.33L/L含む水溶液)に室温で30秒間浸漬する亜鉛置換処理を行った後、水洗した。この亜鉛置換処理後のアルミニウム-セラミックス接合基板を0.5L/Lの硝酸を含む水溶液に室温で20秒間浸漬し、水洗した後、亜鉛置換液(上村工業株式会社製のAZ-301-3Xを0.33L/L含む水溶液)に室温で20秒間浸漬して再び亜鉛置換処理を行った後、水洗した。このようにして前処理したアルミニウム-セラミックス接合基板を300g/Lの硫酸ニッケルと45g/Lの塩化ニッケルと30g/Lのホウ酸を含むNiめっき浴(ワット浴)に浸漬して、アルミニウム-セラミックス接合基板の回路用アルミニウム板をカソード、ニッケル板をアノードとして、液温50℃において電流密度20A/dmで2分間電気めっきを行って、回路用アルミニウム板の露出部分に厚さ8μmのNiめっき皮膜を形成した。
このようにしてNiめっき皮膜を形成した後のアルミニウム-セラミックス接合基板を(非シアン系の弱アルカリ性の)金めっき液(メタローテクノロジーズジャパン株式会社製のECF-60)に浸漬して、アルミニウム-セラミックス接合基板の回路用アルミニウム板をカソード、白金(Pt)板をアノードとして、液温50℃において電流密度0.5A/dmで30秒間電気めっきを行って、Niめっき皮膜上に厚さ100nmのAuめっき皮膜を形成した。
次に、上記の(第1の)電着レジストの形成方法と同様の方法により、Auめっき皮膜を覆うように厚さ40μmの(第2の)電着レジストを形成した。
次に、回路用アルミニウム板の表面に形成されたレジストがAuめっき皮膜を取り囲む36mm×30mmの大きさの略矩形になるように、レジストの不要部分にレーザーを照射することにより、その不要部分のレジストを除去して回路用アルミニウム板を露出させた後、塩化第二鉄溶液によってエッチング処理を行うことにより、回路用アルミニウム板の不要部分を除去して所望の回路パターンのアルミニウム回路板を形成し、その後、乳酸を主成分とするレジスト剥離液によりレジストを剥離して、セラミックス基板の一方の面に所望の回路パターンのアルミニウム回路板が直接接合するとともに他方の面に平板状のアルミニウムベース板が直接接合したアルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例2]
セラミックス基板として100mm×80mm×0.32mmの大きさの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用し、このセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×1.66mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板を直接接合させるとともに、他方の面に95mm×75mm×1.66mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板を直接接合させた以外は、実施例1と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例3]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例4]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例2と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例5]
Niめっき皮膜とAuめっき皮膜をそれぞれ電気めっきに代えて無電解めっきにより形成した以外は、実施例1と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
なお、無電解めっきによるNiめっき皮膜の形成では、前処理したアルミニウム-セラミックス接合基板を無電解ニッケルめっき液(上村工業株式会社製のニムデンSX)に浸漬し、液温を約90℃に保持して、30分間揺動しながら無電解めっきを行って、厚さ8μmのニッケル-リン合金めっき皮膜を形成した。
また、無電解めっきによるAuめっき皮膜の形成では、Niめっき皮膜を形成したアルミニウム-セラミックス接合基板を0.1L/Lの硫酸を含む水溶液に室温で20秒間浸漬して酸洗した後に水洗する前処理を行った後、金めっき液(奥野製薬工業株式会社製のセルフゴールドOTK-IT(中性の還元型無電解めっき液))に浸漬し、液温を50℃に保持して、2分間無電解めっきを行って、厚さ100nmのAuめっき皮膜を形成した。
[実施例6]
セラミックス基板として100mm×80mm×0.32mmの大きさの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用し、このセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×1.66mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板を直接接合させるとともに、他方の面に95mm×75mm×1.66mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板を直接接合させた以外は、実施例5と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例7]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例5と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例8]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例6と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例9]
Auめっき皮膜を電気めっきに代えて実施例5と同様の無電解めっきにより形成した以外は、実施例1と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例10]
セラミックス基板として100mm×80mm×0.32mmの大きさの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用し、このセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×1.66mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板を直接接合させるとともに、他方の面に95mm×75mm×1.66mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板を直接接合させた以外は、実施例9と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例11]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例9と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例12]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例10と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例13]
Niめっき皮膜を電気めっきに代えて実施例5と同様の無電解めっきにより形成した以外は、実施例1と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例14]
セラミックス基板として100mm×80mm×0.32mmの大きさの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用し、このセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×1.66mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板を直接接合させるとともに、他方の面に95mm×75mm×1.66mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板を直接接合させた以外は、実施例13と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例15]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例13と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例16]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例14と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例17]
カーボン製の鋳型内に、100mm×80mm×0.635mmの大きさの窒化アルミニウムからなるセラミックス基板と103mm×93mm×0.635mmの大きさの窒化アルミニウムからなる強化部材とを1.0mm離間して配置し、鋳型内を窒素雰囲気にした状態で加熱し、(99.9質量%以上のアルミニウムからなる)アルミニウム溶湯をその表面の酸化膜を取り除きながら鋳型内に注湯した後、鋳型内に窒素ガスを吹き込んで100kPa程度に加圧しながら鋳型を冷却してアルミニウム溶湯を凝固させることにより、セラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×2.835mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板が直接接合するとともに、他方の面に95mm×75mm×1.0mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板が直接接合し、ベース用アルミニウム板の内部(のセラミックス基板から1.0mm離間した位置)に強化部材がセラミックス基板と略平行に配置してベース用アルミニウム板と直接接合した一体のアルミニウム-セラミックス接合基板を作製した。
このアルミニウム-セラミックス接合基板を使用して、実施例1と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例18]
セラミックス基板として100mm×80mm×0.32mmの大きさの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用し、強化部材として103mm×93mm×0.32の大きさの窒化珪素からなる強化部材を使用し、このセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×3.15mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板を直接接合させるとともに、他方の面に95mm×75mm×1mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板を直接接合させた以外は、実施例17と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例19]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例17と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例20]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例18と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例21]
Niめっき皮膜とAuめっき皮膜をそれぞれ電気めっきに代えて無電解めっきにより形成した以外は、実施例17と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
なお、無電解めっきによるNiめっき皮膜の形成では、前処理したアルミニウム-セラミックス接合基板を無電解ニッケルめっき液(上村工業株式会社製のニムデンSX)に浸漬し、液温を約90℃に保持して、30分間揺動しながら無電解めっきを行って、厚さ8μmのニッケル-リン合金めっき皮膜を形成した。
また、無電解めっきによるAuめっき皮膜の形成では、Niめっき皮膜を形成したアルミニウム-セラミックス接合基板を0.1L/Lの硫酸を含む水溶液に室温で20秒間浸漬して酸洗した後に水洗する前処理を行った後、金めっき液(奥野製薬工業株式会社製のセルフゴールドOTK-IT(中性の還元型無電解めっき液))に浸漬し、液温を50℃に保持して、2分間無電解めっきを行って、厚さ100nmのAuめっき皮膜を形成した。
[実施例22]
セラミックス基板として100mm×80mm×0.32mmの大きさの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用し、強化部材として103mm×93mm×0.32の大きさの窒化珪素からなる強化部材を使用し、このセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×3.15mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板を直接接合させるとともに、他方の面に95mm×75mm×1mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板を直接接合させた以外は、実施例21と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例23]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例21と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例24]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例22と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例25]
Auめっき皮膜を電気めっきに代えて実施例21と同様の無電解めっきにより形成した以外は、実施例17と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例26]
セラミックス基板として100mm×80mm×0.32mmの大きさの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用し、強化部材として103mm×93mm×0.32の大きさの窒化珪素からなる強化部材を使用し、このセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×3.15mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板を直接接合させるとともに、他方の面に95mm×75mm×1mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板を直接接合させた以外は、実施例25と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例27]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例25と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例28]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例26と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例29]
Niめっき皮膜を電気めっきに代えて実施例21と同様の無電解めっきにより形成した以外は、実施例17と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例30]
セラミックス基板として100mm×80mm×0.32mmの大きさの窒化珪素からなるセラミックス基板を使用し、強化部材として103mm×93mm×0.32の大きさの窒化珪素からなる強化部材を使用し、このセラミックス基板の一方の面に140mm×90mm×3.15mmの大きさの平板状のベース用アルミニウム板を直接接合させるとともに、他方の面に95mm×75mm×1mmの大きさの平板状の回路用アルミニウム板を直接接合させた以外は、実施例29と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例31]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例29と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
[実施例32]
アルミニウム溶湯として0.04質量%のMgと0.04質量%のSiを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム溶湯を使用した以外は、実施例30と同様の方法により、アルミニウム-セラミックス回路基板を作製した。
実施例1~32で作製したアルミニウム-セラミックス回路基板について、工場顕微鏡によりめっきパターンの精度を評価し、目視によりピンホールの発生の有無を観察してレジストの耐性を評価したところ、めっきパターンの精度は良好であり、アルミニウム回路板とアルミニウムベース板にピンホールはなく、レジストの耐性は良好であった。また、目視によりアルミニウム回路板の表面のしわ状の変形を観察したところ、しわ状の変形は小さかった。
また、実施例1~32で作製したアルミニウム-セラミックス回路基板のアルミニウム回路板上のAuめっき皮膜の表面に、Agペースト(NBE Tech,LLC社製のNano Tach)をスクリーン印刷により塗布し、その上に電子部品として底面(裏面)がAgめっきされた(縦7.19mm×横6.74mm×厚さ0.07mmの大きさの)パワー半導体シリコンチップ(Fairchild社製のSi-IGBTチップ、型番PCFG75N60SMW)を配置し、大気中において、加圧しないで、250℃で10分間加熱することにより、Agペースト中のAgを焼結させてAg接合層を形成し、このAg接合層によりアルミニウム回路板上のAuめっき皮膜にシリコンチップを接合した。なお、この接合後のAg接合層の厚さは約30μmであった。
このようにして電子部品を搭載したアルミニウム-セラミックス回路基板について、シリコンチップの電極に試験電源を接続し、付加電流を3A、付加電圧を11Vに設定して、50秒間電流を流した後に40秒間電流を流さないようにオン/オフを繰り返すサイクル(電流をオンにすることによりシリコンチップが加熱されて50秒後にシリコンチップの温度が約175℃まで上昇し、電流をオフにすることによち40秒後にシリコンチップの温度が約45℃まで降下するサイクル(ΔT=130℃))を20,000サイクル行うパワーサイクル試験を行った。このパワーサイクル試験では、アルミニウム-セラミックス回路基板のアルミニウムベース板の裏面に厚さ100μmのサーマルグリース(信越化学株式会社製のG751)を介して取り付けた水冷の冷却ジャケットの入側の水温をチラーにより30℃に維持した。なお、パワー半導体シリコンチップのゲート-エミッタ間の電圧Vgeとそのシリコンチップの温度との間に線形の関係があることから、予めその線形の関係を求めておき、ゲート-エミッタ間の電圧Vgeからシリコンチップの温度を換算した。このパワーサイクル試験後のシリコンチップの温度の上昇(過渡熱抵抗の上昇)は、初期設定値(175℃)と比べて105%未満であり、シリコンチップに電気的な異常は生じなかった。
10、110 セラミックス基板
12、112 回路用アルミニウム板(アルミニウム回路板)
14、114 ベース用アルミニウム板(アルミニウムベース板)
14a 板状の放熱フィン
14b 柱状(ピン状)の放熱フィン
16 レジスト
18 Niめっき皮膜
20 Auめっき皮膜
122 強化部材

Claims (16)

  1. セラミックス基板に接合したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム板の全面を覆うように第1のレジストを形成し、この第1のレジストの所定の部分を除去してアルミニウム板の一部を露出させ、このアルミニウム板の露出した部分に、酸性または中性のNiめっき液を使用してNiめっき皮膜を形成し、このNiめっき皮膜の表面に、酸性、中性または弱アルカリ性の非シアン系のAuめっき液を使用してAuめっき皮膜を形成した後、このめっき皮膜を覆うように第2のレジストを形成し、第1レジストの所定の部分を除去してアルミニウム板の一部を露出させ、このアルミニウム板の露出した部分をエッチング処理により除去した後、第1および第2のレジストを剥離することを特徴とする、アルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  2. 前記第1および第2のレジストが電着レジストであることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  3. 前記Niめっき皮膜および前記Auめっき皮膜が、電気めっきまたは無電解めっきにより形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  4. 前記Auめっき皮膜の形成に使用するAuめっき液が中性の還元型めっき液であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  5. 前記Auめっき皮膜が電気めっきにより形成され、前記Auめっき皮膜の形成に使用するAuめっき液がpH8以下の弱アルカリ性のめっき液であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  6. 前記Niめっき皮膜を形成する前に、前記アルミニウム板の露出した部分に亜鉛置換処理を行うことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  7. 前記アルミニウム板と前記セラミックス基板との接合を、アルミニウム溶湯を前記セラミックス基板の一方の面に接触させた後に冷却して固化させて前記アルミニウム板を形成することにより行うことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  8. 前記アルミニウム溶湯を前記セラミックス基板の一方の面に接触させる際に、前記アルミニウム溶湯を前記セラミックス基板の他方の面に接触させ、冷却して固化させることによりアルミニウムベース板を形成して前記セラミックス基板の他方の面に接合することを特徴とする、請求項7に記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  9. 前記アルミニウム溶湯を前記セラミックス基板の他方の面に接触させる際に、前記セラミックス基板と略平行に離間して配置した強化部材の全面に前記アルミニウム溶湯を接触させ、冷却して固化させることにより前記アルミニウムベース板の内部に強化部材を配置して接合することを特徴とする、請求項8に記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  10. 前記Niめっき皮膜の厚さが6~10μmであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  11. 前記Auめっき皮膜の厚さが50~200nmであることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載のアルミニウム-セラミックス回路基板の製造方法。
  12. セラミックス基板の一方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム回路板の一方の面が直接接合され、このアルミニウム回路板の一部にNiめっき皮膜が形成され、このNiめっき皮膜上にAuめっき皮膜が形成され、このAuめっき皮膜上に銀接合層により電子部品が接合されていることを特徴とする、電子部品搭載基板。
  13. 前記セラミックス基板の他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウムベース板が直接接合されていることを特徴とする、請求項12に記載の電子部品搭載基板。
  14. 前記アルミニウムベース板の内部に強化部材が配置されて前記アルミニウムベース板に直接接合されていることを特徴とする、請求項13に記載の電子部品搭載基板。
  15. 前記Niめっき皮膜の厚さが6~10μmであることを特徴とする、請求項12乃至14のいずれかに記載の電子部品搭載基板。
  16. 前記Auめっき皮膜の厚さが50~200nmであることを特徴とする、請求項12乃至15のいずれかに記載の電子部品搭載基板。
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