JP2015147969A - 基板及びその製造方法 - Google Patents

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和真 長田
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満洋 渡邉
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Abstract

【課題】金属ナノロッドの高アスペクト比化が容易で、かつ金属ナノロッドを精度よく配設できる基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の基板は、アルミニウムの陽極酸化処理により形成される多孔質アルミナ自立膜と、この多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔の少なくとも表面側に充填される複数の金属ナノロッドとを備える。上記複数の金属ナノロッドの平均アスペクト比としては100以上が好ましい。上記複数の金属ナノロッドが、多孔質アルミナ自立膜の表面側に突出するとよい。本発明の基板の製造方法は、アルミニウム板の表面に陽極酸化処理により多孔質アルミナ被膜を形成する工程、上記アルミニウム板から多孔質アルミナ自立膜を分離する工程、及び上記多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔の少なくとも表面側に充填される複数の金属ナノロッドを形成する工程を備える。
【選択図】図1A

Description

本発明は、基板及びその製造方法に関する。
気相成長によるカーボンナノ構造体(例えばカーボンナノチューブ等)の製造用基板に代表される物質や波動等の伝達経路を有する機能性基板(例えば特開2005−330175号公報参照)、レーザ発振器等に用いられる光学素子、ナノインプリントの金型等として、板状の基材に複数の金属ナノロッドを配設した基板が用いられる。
特開2005−330175号公報
従来技術では上記金属ナノロッドは溶液法や塑性加工等により形成されるが、高アスペクト比の金属ナノロッドを形成する場合、金属ナノロッドの強度が不足し湾曲等の変形が発生する場合があり、アスペクト比を大きくするには限界がある。さらに、従来技術では金属ナノロッドの間隔や向きが一定となるよう均一に配設することが困難である。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、金属ナノロッドの高アスペクト比化が容易で、かつ金属ナノロッドを精度よく配設できる基板、及びこの基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、アルミニウムの陽極酸化処理により形成される多孔質アルミナ自立膜と、この多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔の少なくとも表面側に充填される複数の金属ナノロッドとを備える基板である。
さらに、上記課題を解決するためになされた別の発明は、アルミニウム板の表面に陽極酸化処理により多孔質アルミナ被膜を形成する工程、上記アルミニウム板から多孔質アルミナ自立膜を分離する工程、及び上記多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔の少なくとも表面側に充填される複数の金属ナノロッドを形成する工程を備え、上記多孔質アルミナ被膜形成工程において、アルミニウム板の表面を10℃以下に維持しつつ電圧を印加し、上記金属ナノロッド形成工程において、有機金属化合物とこの有機金属化合物の有機基と反応する物質とCOとを含む超臨界流体、亜臨界流体又は高温流体により、上記有機金属化合物に由来する金属を多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔へ充填する基板の製造方法である。
本発明の基板は、金属ナノロッドの高アスペクト比化が容易で、かつ金属ナノロッドを精度よく配設できるため、高アスペクト比の金属ナノロッドの高精度配置が求められる種々の用途に好適に用いることができる。
図1Aは、本発明の一実施形態における基板を示す模式的断面図である。 図1Bは、図1Aの基板の模式的平面図である。 図2は、本発明の一実施形態における基板の製造方法を示すフローチャートである。 図3は、多孔質アルミナ自立膜の形成に用いる装置を示す模式的説明図である。 図4Aは、多孔質アルミナ自立膜の断面を走査型電子顕微鏡により200倍の倍率で撮影した写真である。 図4Bは、多孔質アルミナ自立膜の断面を走査型電子顕微鏡により10000倍の倍率で撮影した写真である。 図4Cは、多孔質アルミナ自立膜の断面を走査型電子顕微鏡により50000倍の倍率で撮影した写真である。 図4Dは、多孔質アルミナ自立膜の表面を走査型電子顕微鏡により10000倍の倍率で撮影した写真である。 図4Eは、多孔質アルミナ自立膜の表面を走査型電子顕微鏡により50000倍の倍率で撮影した写真である。 図5は、金属ナノロッドの形成に用いる装置を示す模式的説明図である。 図6Aは、金属ナノロッドを充填した多孔質アルミナ自立膜の断面を走査型電子顕微鏡により200倍の倍率で撮影した写真である。 図6Bは、金属ナノロッドを充填した多孔質アルミナ自立膜の断面を走査型電子顕微鏡により10000倍の倍率で撮影した写真である。 図6Cは、金属ナノロッドを充填した多孔質アルミナ自立膜の断面を走査型電子顕微鏡により50000倍の倍率で撮影した写真である。 図7は、カーボンナノ構造体の製造装置を示す模式的端面図である。 図8は、図1Aとは異なる実施形態の基板を示す模式的断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明は、アルミニウムの陽極酸化処理により形成される多孔質アルミナ自立膜と、この多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔の少なくとも表面側に充填される複数の金属ナノロッドとを備える基板である。
当該基板は、アルミニウムを陽極酸化処理することによって得られる多孔質アルミナ自立膜の細孔に複数の金属ナノロッドが充填されるため、金属ナノロッドが強度に優れ、変形し難いため品質に優れる。また、多孔質アルミナ自立膜の細孔は略均一に形成することが可能であるため、当該基板は金属ナノロッドを略均一に配設することができる。そのため、当該基板はこのような複数の微細な金属ナノロッドが高精度に配列された基板として種々の用途に好適に用いることができる。
上記複数の金属ナノロッドの平均アスペクト比としては、100以上が好ましい。このように金属ナノロッドの平均アスペクト比を100以上とすることで、従来の技術では得られない細径かつ表面積の大きな金属ナノロッドを得ることができる。その結果、金属ナノロッドを物質や波動等の伝達経路として使用する用途において、その性能を顕著に向上することができる。
上記複数の金属ナノロッドが、多孔質アルミナ自立膜の表面側に突出するとよい。このように金属ナノロッドを多孔質アルミナ自立膜の表面側に突出させることで、金属ナノロッドの先端に例えば気相成長によりカーボンナノ構造体等を成長させる用途や、ナノインプリントの金型として用いる用途等に好適に使用できる。
上記複数の金属ナノロッドが、表面側に加えて多孔質アルミナ自立膜の裏面側に突出するとよい。このように金属ナノロッドを多孔質アルミナ自立膜の両面側に突出させることで、例えば金属ナノロッドの先端に気相成長によりカーボンナノ構造体等を成長させる用途等にさらに好適に使用できる。
上記複数の金属ナノロッドがニッケル、コバルト、又は鉄から構成されるとよい。金属ナノロッドをこれらの金属から構成することで、例えば炭素を金属ナノロッドに浸透させ易くできるため、気相成長によりカーボンナノ構造体等を成長させる用途においてカーボンナノ構造体等の製造効率を向上させることができる。
従って、当該基板は、炭素結晶からなるカーボンナノ構造体の気相成長用基板として好適に用いることができる。すなわち、気相成長によるカーボンナノ構造体の製造方法において、多孔質アルミナ自立膜の裏面側に炭素を含む原料ガスを供給することで、金属ナノロッドが触媒として機能し、多孔質アルミナ自立膜の表面側に突出した金属ナノロッドの先端から均質かつ細径のカーボンナノ構造体を成長させることができる。
さらに当該基板は、光学素子として好適に用いることができる。すなわち、例えば金属ナノロッドを整列させた構造は、メタマテリアルの一種であるプラズモニック結晶としても働くため、微小な光学フィルターやレーザ発振源などのナノ光学デバイスに当該基板を応用することができる。
また、当該基板は、ナノインプリントの金型として好適に用いることができる。すなわち、金属ナノロッドをプリントパターンとすることで高解像度のナノインプリントを容易かつ確実に実現することができる。
本発明は、アルミニウム板の表面に陽極酸化処理により多孔質アルミナ被膜を形成する工程、上記アルミニウム板から多孔質アルミナ自立膜を分離する工程、及び上記多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔の少なくとも表面側に充填される複数の金属ナノロッドを形成する工程を備え、上記多孔質アルミナ被膜形成工程において、アルミニウム板の表面を10℃以下に維持しつつ電圧を印加し、上記金属ナノロッド形成工程において、有機金属化合物とこの有機金属化合物の有機基と反応する物質とCOとを含む超臨界流体、亜臨界流体又は高温流体により、上記有機金属化合物に由来する金属を多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔へ充填する基板の製造方法を含む。
当該基板の製造方法は、アルミニウム板の表面を10℃以下に維持しながら電圧を印加して陽極酸化させることでアルミナ自立膜を形成するため、膜厚の大きい多孔質アルミナ自立膜を容易かつ確実に得ることができる。また、当該基板の製造方法は、上述の物質を含む超臨界流体、亜臨界流体又は高温流体により金属をこの多孔質アルミナ自立膜の細孔に充填し、金属ナノロッドを形成するため、アスペクト比が高く、かつ強度の高い金属ナノロッドを容易かつ確実に形成することができる。
ここで、「ナノロッド」とは、平均径がナノサイズ(1μm未満)の一方向に延在する棒状体を意味し、「平均径」とは、ナノロッドの断面と等面積の真円の直径(真円換算直径)の平均値を意味する。「アスペクト比」とは、平均径に対する軸方向長さの比を意味する。「超臨界流体」とは、臨界点以上の温度及び圧力を有し、気液の区別がない流体を意味する。「亜臨界流体」とは、臨界点近傍の高温高圧の液体又は気体を意味する。「高温流体」とは、例えば25℃以上の液体又は気体を意味する。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る基板及びその製造方法の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。なお、基板の実施形態における「表裏」は、基板の厚さ方向のうち、一方の面側を「表」、他方の面側を「裏」とする方向を意味し、当該基板の使用状態における表裏を意味するものではない。
[基板]
図1A及び図1Bの基板1は、アルミニウムの陽極酸化処理により形成される多孔質アルミナ自立膜2と、この多孔質アルミナ自立膜2の複数の細孔4に充填される複数の金属ナノロッド3とを備える。
<多孔質アルミナ自立膜>
多孔質アルミナ自立膜2は、アルミニウムの陽極酸化処理により形成される多孔質アルミナの自立膜である。
多孔質アルミナ自立膜2の平均厚さの下限としては、100μmが好ましく、230μmがより好ましい。一方、多孔質アルミナ自立膜2の平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、350μmがより好ましい。多孔質アルミナ自立膜2の平均厚さが上記下限未満の場合、当該基板1のハンドリング性及び強度が低下するおそれがあるほか、金属ナノロッド3のアスペクト比を高められないおそれがある。逆に、多孔質アルミナ自立膜2の平均厚さが上記上限を超える場合、製造コストが増大するほか、例えば炭素透過法によるカーボンナノ構造体の製造に当該基板1を用いる場合、カーボンナノ構造体の製造効率が低下するおそれがある。
多孔質アルミナ自立膜2は、厚さ方向に形成され、表面から裏面まで貫通する複数の細孔(ナノホール)4を有する。この複数の細孔4の平均径の下限としては、1nmが好ましく、5nmがより好ましい。一方、上記複数の細孔4の平均径の上限としては、100nmが好ましく、50nmがより好ましい。上記複数の細孔4の平均径が上記下限未満の場合、金属ナノロッド3の充填が困難になるおそれや、金属ナノロッド3の強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記複数の細孔4の平均径が上記上限を超える場合、金属ナノロッド3の平均径が大きくなりすぎ、用途によっては当該基板1を使用できなくなるおそれがある。なお、細孔4の「平均径」とは、細孔4の断面と等面積の真円の直径(真円換算直径)の平均値を意味する。
また、上記複数の細孔4の間隔(近接する細孔4間の距離)の下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましい。一方、上記複数の細孔4の間隔の上限としては、1000nmが好ましく、500nmがより好ましい。上記複数の細孔4の間隔が上記下限未満の場合、金属ナノロッド3の充填が困難になるおそれがある。逆に、上記複数の細孔4の間隔が上記上限を超える場合、金属ナノロッド3の密度が低下する。
なお、上記複数の細孔4は、多孔質アルミナ自立膜2の厚み方向に径が変化していてもよい。ただし、カーボンナノ構造体の製造に当該基板1を用いる場合には、金属ナノロッド3が略一定の径を有することが好ましいため、軸方向に径が略一定の細孔4を形成することが好ましい。
<金属ナノロッド>
上記複数の金属ナノロッド3は、上述の多孔質アルミナ自立膜2の複数の細孔4内の全体に亘って充填されている。
また、上記複数の金属ナノロッド3は、多孔質アルミナ自立膜2の表面側及び裏面側に突出している。このように金属ナノロッド3が多孔質アルミナ自立膜2の表面側及び裏面側から突出することで、例えば炭素透過法によるカーボンナノ構造体の製造に当該基板1を用いる場合、カーボンナノ構造体への原料供給を効率よく行ってカーボンナノ構造体の成長を効果的に促進しつつ、均質なカーボンナノ構造体を得ることができる。
上記複数の金属ナノロッド3は、金属から形成されている。この金属としては、例えばニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、白金等を挙げることができる。当該基板1を炭素結晶からなるカーボンナノ構造体の気相成長用基板として用いる場合、金属ナノロッド3はニッケル、コバルト、又は鉄から構成されるとよい。これらの金属は、炭素を浸透させ易く、カーボンナノ構造体等の製造効率を向上させることができる。
複数の金属ナノロッド3の平均径は、多孔質アルミナ自立膜2の複数の細孔4の平均径と一致する。また、複数の金属ナノロッド3の平均アスペクト比の下限としては、100が好ましく、10000がより好ましく、50000がさらに好ましい。一方、複数の金属ナノロッド3の平均アスペクト比の上限としては、500000が好ましく、300000がより好ましい。複数の金属ナノロッド3の平均アスペクト比が上記下限未満の場合、金属ナノロッド3を物質や波動等の伝達経路として使用する用途において、伝達効率が低下するおそれがある。逆に、複数の金属ナノロッド3の平均アスペクト比が上記上限を超える場合、多孔質アルミナ自立膜2の厚さが必要以上に大きくなり、コストの増大やハンドリング性の低下を招くおそれがある。
炭素透過法によるカーボンナノ構造体の製造に当該基板1を用いる場合、複数の金属ナノロッド3の平均長さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。複数の金属ナノロッド3の平均長さが上記下限未満の場合、カーボンナノ構造体を十分に成長させることができないおそれがある。なお、複数の金属ナノロッド3の平均長さの上限は、多孔質アルミナ自立膜2の平均厚さの上限と金属ナノロッド3の表面側からの平均突出長さの上限とによって規定される。
炭素透過法によるカーボンナノ構造体の製造に当該基板1を用いる場合、複数の金属ナノロッド3の表面側からの平均突出長さの上限としては、金属ナノロッド3の平均径の100%が好ましく、50%がより好ましい。複数の金属ナノロッド3の表面側からの平均突出長さが上記上限を超える場合、カーボンナノ構造体が1本の金属ナノロッド3に対して1対1の対応で成長せず、1本の金属ナノロッド3から複数のカーボンナノ構造体が成長し、所望の形状制御が困難になるおそれがある。
[基板の製造方法]
次に、当該基板1の製造方法について説明する。当該基板1の製造方法は、例えば図2に示すように以下の工程を備える。なお、後述するように当該基板1の用途によっては最後の金属ナノロッド突出工程(S4)は省略できる。
(1)アルミニウム板の表面に陽極酸化処理により多孔質アルミナ被膜を形成する工程(S1)
(2)上記アルミニウム板から多孔質アルミナ自立膜2を分離する工程(S2)
(3)上記多孔質アルミナ自立膜2の複数の細孔4の表面側に充填される複数の金属ナノロッド3を形成する工程(S3)
(4)上記多孔質アルミナ自立膜2の表層を選択的に除去し、金属ナノロッド3を多孔質アルミナ自立膜2の表面側及び裏面側に突出させる工程(S4)
<(1)多孔質アルミナ被膜形成工程>
多孔質アルミナ被膜形成工程(S1)では、アルミニウム板の表面を10℃以下に維持しつつ電圧を印加する陽極酸化処理により多孔質アルミナ被膜を形成する。この多孔質アルミナ被膜の形成は、例えば図3に示す多孔質アルミナ被膜形成装置を用いて行うことができる。
図3に示す多孔質アルミナ被膜形成装置は、電解槽101を備える。この電解槽101の内部には、アルミニウム板103と、非消耗性電極104と、ホルダ105とが配設される。
多孔質アルミナ被膜を形成する上記アルミニウム板103は、純アルミニウム又はアルミニウム合金製の板材である。上記アルミニウム合金としては、例えばAl−Mn系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金等が挙げられる。
上記アルミニウム板103は、上記ホルダ105に固定される。このホルダ105に電源102の陽極側が電気的に接続され、非消耗性電極104に電源102の陰極側が電気的に接続されている。アルミニウム板103の表面103aと非消耗性電極104とは、電解槽101の内部で対向するように配置されている。上記電源102は、直流電源、直流パルス電源、交流電源等を用いることができる。また電圧の波形は、例えば方形、三角、sin波、又はこれらの複合波形など、任意の形状とすることができる。電源102は、少なくとも0V以上100V以下、好ましくは0V以上30V以下の範囲で電圧を可変できるものが好ましい。
上記電解槽101の内部には、処理液が充填されている。この処理液としては、例えば硫酸が用いられる。この処理液の濃度としては、0.5mol/L以上10mol/L以下が好ましく、例えば濃度が1mol/Lの硫酸を用いることができる。処理液には、基本的には添加剤は不要であるが、例えば処理温度を低くする目的で処理液の氷点を下げるための非反応性氷結防止剤等の適当な添加剤を加えてもよい。また、電解槽101の内部のアルミニウム板103に近接する位置には、アルミニウム板103の表面103a及びこの表面103aに形成される多孔質アルミナ被膜を強制冷却する冷却部材として、冷却ジェットノズル106が配置されている。電解槽101の内部には、不活性ガス導入装置107と、アルミニウム板103の表面103a及びこの表面103aに形成される多孔質アルミナ被膜の膜面の温度を計測する測温体108とがさらに設けられる。
ホルダ105は、アルミニウム板103の表面103aを処理液に接触させるようにアルミニウム板103を保持する構造となっている。一方、アルミニウム板103の表面103aと反対側の面(裏面)側には、例えば樹脂製の絶縁体を用いた機械的シールがアルミニウム板103の外周稜線部及び裏面とホルダ105との接触部を覆うように配置される。これにより、アルミニウム板103の裏面は処理液から隔離される。そのため、ホルダ105に接続された陽極によって、表面103aの処理液に接触している部分に均一な電流分布が形成され、局所的な異常電流集中を回避できる。その結果、多孔質アルミナ被膜表面における膜厚不連続箇所が発生せず、局所的な応力集中箇所を無くし表面亀裂の発生を防止することができる。
なお、図3の多孔質アルミナ被膜形成装置は相対的な方向関係(たとえば、アルミニウム板103と非消耗性電極104とが対向し、冷却ジェットノズル106の噴射方向がアルミニウム板103に対して傾斜している状態)が保たれれば、アルミニウム板103の表面103aが縦横いずれの方向に向いてもよい。しかしながら、陽極酸化処理においては、アルミニウム板103の表面103a上に反応ガス気泡(主に水素気泡)が生成するため、アルミニウム板103が傾斜設置される場合、この気泡がアルミニウム板103上に沿って移動することがある。このとき、気泡接触部では処理液との接触不良が発生するため、局所的に被膜品質が低下するおそれがある。さらに、気密性を維持するためのホルダ105とアルミニウム板103との間に気泡が溜まってしまうおそれがある。そのため、図3に示したようにアルミニウム板103の表面103aが鉛直方向上向きになるように装置を構成することが望ましい。
多孔質アルミナ被膜の形成は、アルミニウム板103に電圧を印加し、陽極酸化することで行う。多孔質アルミナ被膜は、この陽極酸化によりアルミニウム板103表面に対して垂直方向に10μm/hr以上20μm/hr以下程度の膜成長速度にて形成される。
なお、陽極酸化処理中に印加電圧を変更することで、容易に細孔径を変化させることができる。例えば15V以上30V以下の電圧を印加することで、細孔の径を20nm以上30nm以下とすることができる。また、印加電圧を大きくすれば細孔径は大径化され、印加電圧を小さくすれば細孔径は小径化される。そのため、印加電圧を変化させることにより、細孔の延在方向に細孔径を変化させることができる。
陽極酸化処理中の処理液の溶解アルミニウム濃度の上限としては、75g/mLが好ましい。処理液の溶解アルミニウム濃度が上記上限を超えると、得られる多孔質アルミナ被膜の品質が低下するおそれがある。
なお、表面103aに多孔質アルミナ被膜が形成されたアルミニウム板103を処理液中に浸漬し、電圧の印加を解除した状態で処理液の保持温度を上げることで、細孔を拡径することができる。その後、処理温度を所定温度に戻すとともに電圧印加を再開すると、その後の被膜成長が再開する。このようにして細孔径を延在方向に一部又は全体的に変化させることもできる。
また、陽極酸化処理中、アルミニウム板103の近傍に配置された冷却ジェットノズル106を介して、アルミニウム板103の表面103aに斜め方向から処理液を噴射する。この冷却ジェットノズル106は、一方向から処理液をアルミニウム板103の表面103aに噴射することができるように複数のノズルを揃えたノズル束を有する。冷却ジェットノズル106は、冷却ジェットノズル106の先端の開口部が表面103a側に位置すると共に、処理液の噴射方向がアルミニウム板103の表面103aに対し傾斜するように配置されている。なお、ノズル束を構成する各ノズルは同一方向に揃えてもよいし、アルミニウム板103の表面103aの中心方向に向かって扇形に配置されてもよい。また、処理液の噴射は、定常噴射、パルス噴射、ランダム噴射等を選択することができる。
なお、冷却ジェットノズル106は、アルミニウム板103の外周の形状に沿った形状の母管と、この母管に接続された複数の噴射孔とを有する形状のものとすることもできる。上記複数の噴射孔をアルミニウム板103の表面103aに対し傾斜し、かつアルミニウム板103の中心部に向かうように配置することで、アルミニウム板103の表面103aに向けて複数方向から所定の流束を与えることができる。
冷却ジェットノズル106により処理液をアルミニウム板103の表面103a又はこの表面103aに形成される多孔質アルミナ被膜の膜面に噴射することで、陽極酸化によって膜表面に発生するジュール熱を強制排除し、膜表面の温度を10℃以下に維持することができる。また、アルミニウム板103の表面103aに噴射する処理液の温度を制御することによって、多孔質アルミナ被膜の膜面の温度調整を行なうことができる。なお、アルミニウム板103の表面103aに噴射する処理液の温度は浴温(電解槽101内の処理液温度)以下となるように温度制御することが好ましい。アルミニウム板103の表面103aの温度の上限としては、7℃がより好ましく、5℃がさらに好ましく、0℃が特に好ましい。アルミニウム板103の表面103aに噴射する処理液の温度を上記温度以下に維持することで、多孔質アルミナ被膜の膜表面の温度を上記下限以下に維持できる。なお、この噴射する処理液の温度は、排熱効果が大きくなるため浴温より低いほど好ましい。ただし、処理液の温度はノズル内で処理液が氷結しない温度とする必要がある。このように処理液の温度を制御することで、被膜溶解速度が小さくなるので、被膜成長速度が被膜溶解速度を上回り、多孔質アルミナ被膜の厚膜化が可能となる。
また、陽極酸化処理中、不活性ガス導入装置107から処理液中に例えばバブリングによって不活性ガスを導入することで、陽極反応中に増加する溶存酸素の量を低減できる。これにより、溶存酸素が過増大による陽極酸化反応の阻害を抑制できる。
以上のようにアルミニウム板103の表面温度を10℃以下に維持しながら所定の時間陽極酸化処理(電圧印加)を施すことによって、従来考えられていた限界膜厚を超える膜厚の多孔質アルミナ被膜を形成することができる。また、上述の方法で得られた多孔質アルミナ被膜は、アルミニウム板103の表面103aから厚さ方向に延在する複数の細孔を有する。
なお、多孔質アルミナ被膜形成工程(S1)において、アルミニウム板103として表面に凹状の溝プロファイルパターンを形成したものを用いることで、このプロファイルパターンに沿って容易に切断分離が可能な多孔質アルミナ自立膜を得ることができる。
<(2)多孔質アルミナ自立膜分離工程>
多孔質アルミナ自立膜分離工程(S2)では、上記多孔質アルミナ被膜形成工程(S1)の多孔質アルミナ被膜を表面に形成したアルミニウム板から多孔質アルミナ被膜のみを取り出し、多孔質アルミナ自立膜2を分離する。
上記多孔質アルミナ自立膜2の分離は、具体的には、例えば臭化メタノール等の薬液によるアルミニウム板の陽極酸化されていない残留部分の選択的な溶解除去、機械加工による上記残留部分の除去、電気化学的反応による多孔質アルミナ被膜の上記残留部分からの剥離等の方法を用いて行うことができる。このようにして分離した多孔質アルミナ被膜は、支持体なしで形状が保持され、単体で取り扱うことのできる単独自立膜となる。このようにして得られた多孔質アルミナ自立膜の写真を図4A,4B,4C,4D,4Eに示す。図4A,4B,4Cは、多孔質アルミナ自立膜の断面をそれぞれ200倍、10000倍、50000倍で拡大した写真であり、図4D,4Eは、多孔質アルミナ自立膜の表面をそれぞれ10000倍、50000倍で拡大した写真である。図4A,4B,4Cの写真では、断面と細孔の軸方向とが完全に平行になっていないため細孔が上下方向(厚さ方向)に貫通していないように見えるが、実際には細孔は上下方向に貫通している。
なお、上記多孔質アルミナ自立膜分離工程(S2)後に、後処理を行なうとよい。この後処理として、例えば湿式溶解、機械加工、電子ビーム照射等を多孔質アルミナ自立膜2に施し、細孔4の底部側(アルミニウム板と分離した側)の非貫通部分を除去することにより、図1Aに示す細孔4が膜の厚み方向に貫通した多孔質アルミナ自立膜2を得ることができる。また、湿式溶解によって、細孔4の拡径処理(ポアワイドニング)を行なうこともできる。このとき、溶解液の温度が高ければ、単位時間あたりの溶解量が多くなり孔径が大きくなるため、溶解液の温度と処理時間とを適切に組み合わせることによって、細孔4の孔径を調整できる。さらに、上記後処理においてマスキングなどを併用すれば用途に応じて一部領域の細孔4のみを貫通孔とすることができる。このマスキング材としては、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。
<(3)金属ナノロッド形成工程>
金属ナノロッド形成工程(S3)では、上記多孔質アルミナ自立膜分離工程(S2)で得られた多孔質アルミナ自立膜2の複数の細孔4の表面側に充填される複数の金属ナノロッド3を形成する。
この金属ナノロッド形成工程(S3)では、図5に示す金属ナノロッド形成装置を用いて金属ナノロッド3を形成する。この金属ナノロッド形成装置は、CO供給ボンベ201、金属ナノロッド3を形成する金属を含む有機金属化合物Xの有機基と反応する物質(以下、「反応物質」ともいう)を供給する反応物質供給ボンベ202、多孔質アルミナ自立膜2と有機金属化合物Xとを保持する耐圧反応容器203、耐圧反応容器203の内部を加熱するヒーター204及び圧力調整弁205を主に備える。
CO供給ボンベ201は、COを貯蔵し、耐圧反応容器203へ供給する容器である。同様に、反応物質供給ボンベ202は、反応物質を貯蔵し、耐圧反応容器203へ供給する容器である。これらのボンベと耐圧反応容器203とを接続する配管にはそれぞれポンプ等が配設される。
耐圧反応容器203は、多孔質アルミナ自立膜2を保持するホルダ203aと、有機金属化合物Xを撹拌する撹拌子203bとを有する。耐圧反応容器203の底部には有機金属化合物Xが配置される。また、上記ホルダ203aは、多孔質アルミナ自立膜2の表面が有機金属化合物Xに対向するように多孔質アルミナ自立膜2の端部を保持し、耐圧反応容器203の中央部分に固定する。
耐圧反応容器203としては、例えばオートクレーブ等に用いられる周知の耐圧耐熱容器を用いることができ、その材質としては例えばステンレスを用いることができる。
本工程では、まず耐圧反応容器203内に多孔質アルミナ自立膜2と有機金属化合物Xとを配置する。その後、反応物質供給ボンベ202から反応物質をポンプ等により耐圧反応容器203に導入する。次に、超臨界流体、亜臨界流体又は高温流体の媒質であるCOガスをCO供給ボンベ201から耐圧反応容器203内へ供給する。具体的には、CO供給ボンベ201内のCOを液化器(図示せず)で液化した後、昇圧ポンプで昇圧し、耐圧反応容器203内へ導入する。このとき耐圧反応容器203内の圧力が、COを超臨界流体とする場合には7.4MPa以上、亜臨界流体とする場合には7.4MPaよりわずかに低い値となるように圧力調整弁205によって調整する。また、有機金属化合物Xの種類によっては、COを高温流体とすればよく、この場合には耐圧反応容器203内を加圧せずに大気圧としてもよい。
耐圧反応容器203内はヒーター204によって加熱される。耐圧反応容器203内の加熱温度の下限としては、100℃が好ましく、200℃がより好ましい。一方、耐圧反応容器203内の加熱温度の上限としては、500℃が好ましく、400℃がより好ましい。耐圧反応容器203内の加熱温度が上記下限未満の場合、有機金属化合物Xに由来する金属の多孔質アルミナ自立膜2の細孔4への充填が不十分となるおそれや、充填速度が低下するおそれがある。逆に、耐圧反応容器203内の加熱温度が上記上限を超える場合、耐圧反応容器203等の耐熱性を高める必要があり、コストが不要に高くなるおそれがある。
上記COの供給及び加圧加熱により、耐圧反応容器203内で有機金属化合物Xの有機基が反応物質と反応し有機金属化合物Xに由来する金属が多孔質アルミナ自立膜2の複数の細孔4内に充填される。その結果、多孔質アルミナ自立膜2の複数の細孔4の表面側に金属ナノロッド3が形成される。なお、耐圧反応容器203内の有機金属化合物Xを撹拌子203bにより撹拌することで、細孔4への金属の充填を促進することができる。本工程の金属の充填時間(反応時間)は、例えば5分以上480分以下である。
なお、耐圧反応容器203への反応物質の供給は、COの供給と同時に行ってもよい。あるいは、COに反応物質を添加し、この反応物質が添加されたCOを加圧して耐圧反応容器203に供給してもよい。
本工程で用いる有機金属化合物Xは、金属ナノロッド3を構成する金属と有機基とを含む。この有機基としては、例えばカルボニル基、アルキル基などの炭化水素基等を挙げることができる。具体的には、金属ナノロッド3を構成する金属として鉄を用いる場合、有機金属化合物Xとして、カルボニル鉄(Fe(CO))、メチルビス(シクロペンタジエニル)鉄(FeCH(C)を用いることができる。また、金属ナノロッド3を構成する金属としてニッケルを用いる場合、有機金属化合物Xとして、ビス(ジピバロイルメタナト)ニッケル(Ni(HCOCHCOC)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ニッケル(Ni(FCCOCHCOCF)、ビス(ジイソブチリルメタナト)ニッケル(Ni(HCOCHCOC)を用いることができる。
本工程で用いる反応物質は、有機金属化合物Xの有機基と反応し、金属原子と有機基との結合を切断する物質である。このような反応物質としては、例えば水素、酸素等を用いることができる。
このようにして多孔質アルミナ自立膜に充填した金属ナノロッドの写真を図6A,6B,6Cに示す。図6A,6B,6Cは、多孔質アルミナ自立膜の細孔にニッケルで構成した金属ナノロッドを充填した基板の断面をそれぞれ200倍、10000倍、50000倍で拡大した写真である。これらの写真では、断面と金属ナノロッドの軸方向とが完全に平行になっていないため金属ナノロッドが多孔質アルミナ自立膜内に埋設されているように見えるが、実際には上下方向に貫通した細孔内に金属ナノロッドが充填されている。
<(4)金属ナノロッド突出工程>
金属ナノロッド突出工程(S4)では、金属ナノロッド3を形成した多孔質アルミナ自立膜2の表層を選択的に除去し、金属ナノロッド3を多孔質アルミナ自立膜2の表面側及び裏面側に突出させる。
具体的には、多孔質アルミナ自立膜2の表側の表層及び裏側の表層をそれぞれ金属ナノロッド3が溶解しない酸又はアルカリの溶液中に浸漬し選択的に除去することで、金属ナノロッド3を表面側及び裏面側に突出させる。この溶液としては、例えば10質量%濃度の水酸化ナトリウム溶液を用いることができる。
[基板の使用方法]
当該基板1は、例えば炭素結晶からなるカーボンナノ構造体の気相成長用基板として好適に用いられる。図7は、当該基板1を用いたカーボンナノ構造体の製造装置の一例である。
このカーボンナノ構造体製造装置は、加熱装置である電気炉、ガス導入部及び排気部、温度制御部、真空制御部、ガス流量計等を有する耐熱耐圧金属管である炉管301を備える。この炉管301内に当該基板1が挿入され、シール材302で隙間を塞いだ状態で炉管301内に固定される。炉管301は、当該基板1及びシール材302によって隔てられた原料ガス供給側空間(以下、「第1空間」ともいう)とカーボンナノ構造体成長側空間(以下、「第2空間」ともいう)とを有する。なお、当該基板1は、裏面側が第1空間、表面側が第2空間に接するよう固定される。上記第1空間には、原料ガス導入部が接続され、例えば隔壁303で形成される供給路により当該基板1の裏面側に向かって原料ガスG1が供給される。一方、上記第2空間にはキャリアガス導入部が接続され、キャリアガスG2が供給される。第1空間に供給された原料ガスの熱分解によって生じたカーボンは、当該基板1の複数の金属ナノロッド3に浸透し、その内部を移動して結晶成長面である金属ナノロッド3の表面側先端部に達し、この先端部からカーボン結晶として析出する。これにより、当該基板1の表面側にカーボンナノ構造体Yが気相成長する。
カーボンナノ構造体Yを気相成長させるための上記原料ガスG1は炭素含有ガスである。この炭素含有ガスとしては、メタンガス、プロパンガス、エチレンガス、アセチレンガス等の炭化水素系ガス、メチルアルコールガス、エチルアルコールガス等のアルコール系ガス、一酸化炭素ガスなど、カーボンナノ構造体の製造に対して一般的に用いられるガスを用いることができる。上記炭素含有ガスは1種で用いても2種以上を混合して用いても良い。
上記原料ガスは、炭素含有ガスに加えて他のガスを混合してもよい。この他のガスとしては、例えばアルゴンガス、窒素ガス、水素ガス、二酸化炭素ガス、水蒸気等を用いることができる。
当該基板1の表面側に成長するカーボンナノ構造体Yは、炭素含有ガスやその分解ガス等により分解する場合があるため、炉管301の第2空間には、カーボンナノ構造体Yとして成長する炭素結晶を実質的に変質させないガスをキャリアガスG2として供給することが好ましい。このキャリアガスG2としては、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガスが挙げられる。このようなキャリアガスを用いることで、不純物の生成を抑制し、より高純度のカーボンナノ構造体Yを成長させることができる。また、キャリアガスG2の供給により、当該基板1の表面近傍に炭素含有ガスが供給されず、当該基板1の表面側から金属ナノロッド3の内部に向かって炭素の侵入による圧力がかからないため、炭素が当該基板1の表面側で過飽和状態になり、炭素結晶が効率良く析出する。
また、当該基板1の裏面に対して、炭素含有ガスとその他のガスとの混合ガスの吹付けや、プラズマ等のイオンによる付着炭素の除去処理等をすることによって、当該基板1の裏面への炭素の付着を防ぐことが好ましい。
さらに、当該基板1の表面に炭素結晶を析出させる前もしくは炭素結晶を析出させる際に、当該基板1の表面に対して還元性ガスを接触させることが好ましい。当該基板1の製造過程において、金属ナノロッド3の表出面が酸化されている場合があるため、当該基板1の表面に還元性ガスを接触させることによって、金属ナノロッド3表面の金属酸化物層を除去し、カーボンナノ構造体Yをより均一な形状で成長させることができる。上記還元性ガスを接触させる方法としては、例えば水素ガス等を当該基板1の表面に接触させる方法等が挙げられる。
カーボンナノ構造体Yの成長温度は特に限定されず、炭素含有ガスの種類等によって適宜選択されれば良いが、例えば500℃以上960℃以下とすることができる。ただし、製造条件によっては当該基板1が変形する場合があるほか、金属ナノロッド3に不純物が付着して金属ナノロッド3の合金化や化合物化等が生じ、触媒活性が低下するという変質が起こる場合がある。この場合、所望の形状を有するカーボンナノ構造体Yを確実に成長させることが困難となるため、カーボンナノ構造体Yの成長温度は金属ナノロッド3をできるだけ変形又は変質させない温度に設定することが好ましい。
次に、カーボンナノ構造体Yの具体的な製造方法について説明する。まず、炉管301内にアルゴンガス等のキャリアガスG2を供給し、温度を例えば850℃程度に設定する。その後、第1空間側に炭素含有ガスとして例えばメタンガスを1時間供給し、その後徐々に500℃程度まで温度を下げ、メタンガスの供給を止めた後、室温まで冷却する。以上の方法により、当該基板1の表面側の金属ナノロッド3の突出部からカーボンナノ構造体Yを成長させることができる。
なお、カーボンナノ構造体Yをより高効率に生成させる目的で、炭素含有ガスの分解により得られる炭素をイオン化した状態で当該基板1の裏面に接触させることが好ましい。具体的には、イオン化した炭素を電界により加速して当該基板1に衝突させる方法を用いることができる。このようにイオン化した状態で炭素を供給することによって、金属ナノロッド3に対する炭素の溶解性を向上させ、より高濃度の炭素を金属ナノロッド3に供給できるため、カーボンナノ構造体Yの製造効率を向上させることができる。
上述のイオン化した炭素を供給する方法としては、例えばプラズマ浸炭処理等が採用され得る。プラズマ浸炭処理としては、炭素含有ガスが供給された炉管301と当該基板1との間に電圧を印加してグロー放電させ、炭素含有ガスのプラズマを発生させることによって、イオン化した状態の炭素を供給する方法等が挙げられる。
当該基板1は、カーボンナノ構造体製造装置に用いることで、種々のカーボンナノ構造体を製造できる。具体的には、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノテープ、カーボンナノホーン等を好ましく例示でき、より典型的にはカーボンナノチューブを例示できる。
また、当該基板1は、上述のカーボンナノ構造体の製造用途以外に、光学素子、又はナノインプリントの金型としても好適に用いることができる。上記光学素子としては、複数の金属ナノロッド3の周期的整列構造によるプラズモニック結晶として働き、微小波長のレーザ光の発振器(レーザ発振源)や微小な光フィルター等を例示できる。また、上記ナノインプリントの金型としては、複数の金属ナノロッド3をプリントパターンとすることで高解像度を実現可能なナノインプリント用金型を例示できる。
[利点]
当該基板1は、アルミニウムを陽極酸化処理することによって得られる多孔質アルミナ自立膜2の細孔4に複数の金属ナノロッド3が充填されるため、金属ナノロッド3が強度に優れ、変形し難いため品質に優れる。また、多孔質アルミナ自立膜2の細孔4は略均一に形成することが可能であるため、当該基板1は金属ナノロッド3を略均一に配設することができる。そのため、当該基板1はこのような複数の微細な金属ナノロッドが高精度に配列された基板として種々の用途に好適に用いることができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の基板は、図8に示す基板11のように、金属ナノロッドが多孔質アルミナ自立膜の表面側(一方側)からのみ突出してもよい。さらに、金属ナノロッドが裏面側から突出しない場合、金属ナノロッドの裏面側の先端が多孔質アルミナ自立膜の裏面に到達しない、つまり多孔質アルミナ自立膜の細孔の裏面側に金属ナノロッドが充填されない基板も本発明の意図する範囲内である。なお、このような金属ナノロッドが多孔質アルミナ自立膜の裏面に到達しない基板の場合、細孔が多孔質アルミナ自立膜の裏面側に向かって拡径する構成とすることで、カーボンナノ構造体等を成長させる用途において原料ガスを細孔内に取り込み易くすることができる。
また、当該基板の用途によっては、金属ナノロッドは多孔質アルミナ自立膜の表面側からも裏面側からも突出していなくてもよい。また、多孔質アルミナ自立膜の細孔は裏面側に貫通しない有底孔であってもよい。
以上のように、本発明の基板は、金属ナノロッドの高アスペクト比化が容易で、かつ金属ナノロッドを精度よく配設できるため、高アスペクト比の金属ナノロッドの高精度配置が求められる種々の用途に好適に用いることができる。
1、11 基板
2 多孔質アルミナ自立膜
3 金属ナノロッド
4 細孔
101 電解槽
102 電源
103 アルミニウム板
103a 表面
104 非消耗性電極
105 ホルダ
106 冷却ジェットノズル
107 不活性ガス導入装置
201 CO供給ボンベ
202 反応物質供給ボンベ
203 耐圧反応容器
203a ホルダ
203b 撹拌子
204 ヒーター
205 圧力調整弁
301 炉管
302 シール材
303 隔壁
X 有機金属化合物
Y カーボンナノ構造体
G1 原料ガス
G2 キャリアガス

Claims (9)

  1. アルミニウムの陽極酸化処理により形成される多孔質アルミナ自立膜と、
    この多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔の少なくとも表面側に充填される複数の金属ナノロッドと
    を備える基板。
  2. 上記複数の金属ナノロッドの平均アスペクト比が100以上である請求項1に記載の基板。
  3. 上記複数の金属ナノロッドが、多孔質アルミナ自立膜の表面側に突出する請求項1又は請求項2に記載の基板。
  4. 上記複数の金属ナノロッドが、多孔質アルミナ自立膜の裏面側に突出する請求項3に記載の基板。
  5. 上記複数の金属ナノロッドがニッケル、コバルト、又は鉄から構成される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板。
  6. 炭素結晶からなるカーボンナノ構造体の気相成長用基板として用いられる請求項3に記載の基板。
  7. 光学素子として用いられる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板。
  8. ナノインプリントの金型として用いられる請求項3又は請求項4に記載の基板。
  9. アルミニウム板の表面に陽極酸化処理により多孔質アルミナ被膜を形成する工程、
    上記アルミニウム板から多孔質アルミナ自立膜を分離する工程、及び
    上記多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔の少なくとも表面側に充填される複数の金属ナノロッドを形成する工程
    を備え、
    上記多孔質アルミナ被膜形成工程において、アルミニウム板の表面を10℃以下に維持しつつ電圧を印加し、
    上記金属ナノロッド形成工程において、有機金属化合物とこの有機金属化合物の有機基と反応する物質とCOとを含む超臨界流体、亜臨界流体又は高温流体により、上記有機金属化合物に由来する金属を多孔質アルミナ自立膜の複数の細孔へ充填する基板の製造方法。
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