JP6220956B1 - ダイヤモンド電極、ダイヤモンド電極の製造方法及び電解水生成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のダイヤモンド電極は、矩形板状の電極用基板の表面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極であって、前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通する複数の穴部が、電極用基板の縦方向及び横方向に沿って整列して形成されており、電極用基板は、その縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士が、ピッチ間隔P1で形成された列と、縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士が、前記ピッチ間隔P1よりも大きなピッチ間隔P2で形成された列と、を有し、前記ピッチ間隔P1で形成された列の数が、前記ピッチ間隔P2で形成された列の数よりも多いことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このようなオゾン水の製法として、陽イオン交換膜の一方の面に陽極電極を圧接させ、他方の面に陰極電極を圧接してなる触媒電極の電解面に原料水を直接接触させて、水の電気分解によりオゾン水を生成させる直接電解法を利用したものが知られている。
直接電解法で使用する触媒電極は、白金、金、白金被覆チタン等を材料とすることが一般的である。しかしながら、上述のような材料を使用した場合、原料水の電気分解に伴って、電極が消耗・溶出するという現象が生じる。その結果、溶出した金属イオンが陽イオン交換膜に付着して反応を阻害してしまうため、オゾン水の生成効率が低下するという問題がある。
また、原料水として食塩水を使用していたが、オゾン発生に伴い不純物が生じることから、純水又は精製水を使用することが好ましいとされている。しかしながら、純水又は精製水のような導電率の低い水を使用する場合、上述の白金等からなる触媒電極では電解電流が流れにくく、オゾンの発生が微量であった。
そこで、マイクロ波プラズマCVD法によって形成した自立体型導電性ダイヤモンド板を陽極として使用したり(例えば、特許文献1参照)、チタン等の電極用基板上にCVD法によってダイヤモンド薄膜を形成した陽極や陰極を使用することが知られている。
しかしながら、このような多孔状や網目状の薄い電極用基板上にCVD法等の蒸着によってダイヤモンドを成膜する場合、1000〜1500℃程度の高温に基板を晒すため、電極用基板が弓なり状に反ったり、割れたりすることがあった。
なお、上記自立体型導電性ダイヤモンド板の場合には、上記のような変形や割れの問題は生じない。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通する複数の穴部が、前記電極用基板の縦方向及び横方向に沿って整列して形成されており、
前記電極用基板は、当該電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士が、ピッチ間隔P1で形成された列と、
前記電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士が、前記ピッチ間隔P1よりも大きなピッチ間隔P2で形成された列と、を有し、
前記ピッチ間隔P1で形成された列の数が、前記ピッチ間隔P2で形成された列の数よりも多く、
前記ピッチ間隔P1が0.1〜10mmの範囲内であり、前記ピッチ間隔P2が0.7〜15mmの範囲内であり、かつ、前記穴部の径が0.5〜10.0mmの範囲内であることを特徴とするダイヤモンド電極。
前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通する複数の穴部を、前記電極用基板の縦方向及び横方向に沿って整列して形成する際に、
前記電極用基板に、当該電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士を、ピッチ間隔P1で形成する列と、
前記電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士を、前記ピッチ間隔P1よりも大きなピッチ間隔P2で形成する列と、を設け、
前記ピッチ間隔P1で形成する列の数を、前記ピッチ間隔P2で形成する列の数よりも多くすることを特徴とするダイヤモンド電極の製造方法。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明では、電極用基板に、縦方向又は横方向に隣接する穴部同士がピッチ間隔P1で形成された列と、前記ピッチ間隔P1よりも大きなピッチ間隔P2で形成された列とを設け、前記ピッチ間隔P1で形成された列の数を、前記ピッチ間隔P2で形成された列の数よりも多くするので、蒸着時に高温雰囲気下に電極用基板を晒した際に、全てピッチ間隔P1で形成された電極用基板の場合に比べて、ピッチ間隔P1よりも大きなピッチ間隔P2で形成された穴部の列が補強となって、電極用基板の強度が増し、弓なり状に反ったり、割れたりすることがなくなる。
また、一般的に、電極用基板の強度を上げる方法として、穴部を全く形成しない列を設けることが考えらえるが、この場合には、電解水の生成効率が低下することから、全く穴部を形成しない列とするのではなく、ピッチ間隔の大きな穴部の列(ピッチ間隔P2で形成された列)をピッチ間隔の小さな穴部の列(ピッチ間隔P1で形成された列)より少ないものの、ある程度形成することにより、強度を保ちつつ、電解水の生成効率を上げることができる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記ピッチ間隔P2で形成された列が、前記電極用基板の縦方向又は横方向における長さの1〜15%の範囲内の中央部に位置することが、蒸着時における電極用基板の反りや割れをより効果的に抑制できる点で好ましい。
前記ピッチ間隔P1が、0.1〜10.0mmの範囲内であり、前記ピッチ間隔P2が、0.7〜15mmの範囲内であることが、電極用基板の強度面で好ましい。
前記穴部の径が、0.5〜10.0mmの範囲内であることが、電解水の生成効率が上がる点で好ましい。
前記穴部は、前記電極用基板の厚さ方向における側断面視で台形状をなしていることが、穴部の表面積が増大し、電解水の生成効率が上がる点で好ましい。
本発明のダイヤモンド電極は、電解水生成装置に好適に用いられる。
図1(a)は、本発明のダイヤモンド電極の平面図、図1(b)は、図1(a)のX−X線における矢視断面図である。
本発明のダイヤモンド電極200は、矩形板状の電極用基板201の表面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極である。
電極用基板201は、平面視正方形状であってもよいし、平面視長方形状であってもよいが、より反り防止の効果を得ることができる点で、平面視長方形状であることが好ましい。
平面視長方形状の場合、電極用基板201の長手方向の長さが、15〜750mmの範囲内であり、短手方向の長さが、10〜500mmの範囲内であることが好ましい。
平面視正方形状の場合は、一辺の長さが、10〜750mmの範囲内であることが好ましい。
また、電極用基板201の厚さは、0.5〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。
このような複数の穴部202は、オゾン発生用の電極として使用した場合、穴部202を介して、原料水が陽イオン交換膜に接触するようになっており、発生したオゾン気泡や、水素イオン、水等が移動する流路となる。
また、このような複数の穴部202により、後述する陽イオン交換膜を全面的に覆い隠すように密着しない形状のもとなる。これによって、陽イオン交換膜に陽極電極(ダイヤモンド電極)を圧接した際に、陽イオン交換膜に陽極電極が接触する部分と接触しない部分とが生じることによって、原料水が流れた際に渦流を生じ、陽極電極で発生したオゾンの微泡を巻き込んで溶解を早めることができる。
さらに、穴部202の径は、0.5〜10.0mmの範囲内であることが、オゾン水等の電解水生成効率が上がる点で好ましい。
また、横方向における右から1列目、3列目、5列目及び7列目においては、縦方向に沿って5個の穴部202がピッチ間隔P1で等間隔に形成されている。なお、横方向における2列目、4列目及び6列目の穴部202は、P1の間隔とP2の間隔が混在しており、等間隔には形成されていない。
このように、ダイヤモンド電極200には、ピッチ間隔P1で形成された列の数が、ピッチ間隔P2で形成された列の数よりも多くなっている。図1の場合には、ピッチ間隔P1で形成された列の数は8個で、ピッチ間隔P2で形成された列の数は1個となっている。
そして、このダイヤモンド電極200においても、ピッチ間隔P1で形成された列の数(7個)が、ピッチ間隔P2で形成された列の数(5個)よりも多くなっている。
図1の場合、ピッチ間隔P2で形成された列が、電極用基板201の縦方向における長さの1〜15%の範囲内の中央部、すなわち、縦方向における3列目に位置している。なお、前記ピッチ間隔P2で形成された列は、縦方向における3列目に限らず、電極用基板201の縦方向又は横方向における1〜15%の範囲内の中央部に位置すればよく、例えば、図示しないが、横方向における右から4列目の位置にしてもよい。
ホウ素のドープ量を0.1〜8.0%の範囲内としたのは、ドープ量を0.1%未満とした場合、導電率が小さくなり、例えばオゾン等の生成が低下してしまうためであり、ドープ量を8.0%より多くすることは理論的に困難なためである。ホウ素のドープ量を0.1〜8.0%の範囲内とすることによって、導電率が大きくなり、電流効率が向上することからオゾン発生に有利となる。
本発明のダイヤモンド電極の製造方法は、前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通する複数の穴部を、前記電極用基板の縦方向及び横方向に沿って整列して形成する際に、前記電極用基板に、当該電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士を、ピッチ間隔P1で形成する列と、前記電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士を、前記ピッチ間隔P1よりも大きなピッチ間隔P2で形成する列と、を設け、前記ピッチ間隔P1で形成する列の数を、前記ピッチ間隔P2で形成する列の数よりも多くすることを特徴とする。
プラズマCVD法の場合、具体的には、チャンバー内に電極用基板を配置し、チャンバー内に予め水素ガスを導入して、水素ガスによりプラズマを発生させておく。次いで、炭素源としてアセトン又はメタンガス等、ホウ素源としてトリメトキシボラン又はトリメチルボロン等を、キャリアガスである水素、窒素、Ar等によりバブリングを行って気化して原料ガスとし、この原料ガスを、上記プラズマ発生のための水素ガスとは別ラインからチャンバー内に導入する。このようにしてチャンバー内に配置した電極用基板上に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを成膜する。なお、チャンバー内の温度は、1000〜1500℃の範囲内が好ましい。
また、ホウ素を高濃度にドープする際は、上記液体原料をキャリアガスのバブリングにより気化して原料ガスとした上で、チャンバー内に導入するが、その際の原料ガスのチャンバー内への導入流量を例えばニードルバルブにより絞ることによって制御する。
具体的に、ドープ量を0.1〜8.0%の範囲とするための条件としては、プラズマ出力2500〜5000W、チャンバー内圧力110〜130Trr、炭素源圧力2000〜3500Pa、成膜時間を8時間程度とすることが好ましい。なお、ここで言う炭素源圧力とは、上述の気化した原料ガス(アセトン+トリメトキシボランをキャリアガスによりバブリングして気化した炭素源(ホウ素源))が、バルブにより制御されてチャンバー内へ導入される前の圧力を言う。すなわち、バルブを通る前の気化した炭素源(ホウ素源)の圧力である。
以下では、オゾン水生成装置に本発明のダイヤモンド電極200を適用した場合について説明する。
オゾン水生成装置は、上述した本発明のダイヤモンド電極を備える。
図4は、オゾン水生成装置の概略を模式的に示した側断面図である。
オゾン水生成装置100は、原料水が供給されるケーシング1内に触媒電極2を配置して構成したものである。
触媒電極2は、陽イオン交換膜21と、陽イオン交換膜21の一方の面に圧接された陽極電極22と、他方の面に圧接された陰極電極23と、を備えている。そして、触媒電極2の陽極電極22と陰極電極23間に直流電圧を印加することによって陽極電極22側にオゾン気泡を発生させて、そのオゾン気泡を原料水に溶解させることによりオゾン水を生成する装置であり、本発明は、直接電解式のオゾン水生成装置である。
第1筐体13及び第2筐体14は、板状をなし、互いに対向する対向面に凹部131,141が形成されている。これら第1筐体13及び第2筐体14の凹部131,141同士を互いに対向させることによって、収容室3が形成されている。収容室3には、触媒電極2が収容されている。
第1筐体13及び第2筐体14の下面には、収容室3内に原料水を供給するための供給流路11a,11bが形成され、第1筐体13及び第2筐体14の上面に収容室3内で生成された陽極電極22側のオゾン水及び陰極電極23側の陰極水を排出するための排出流路12a,12bが形成されている。
第1筐体13と第2筐体14の対向面間には、陽イオン交換膜21が狭持されている。すなわち、陽イオン交換膜21の外周が第1筐体13及び第2筐体14によって狭持されて固定されている。
陽イオン交換膜21の第1筐体13側の面には、陽極電極22が設けられ、第2筐体14側の面には陰極電極23が設けられている。さらに、陽極電極22の陽イオン交換膜21と反対側の面には、保持板15が配置され、陰極電極23の陽イオン交換膜21と反対側の面にも、保持板16が配置されている。保持板15は、第1筐体13の内壁面に嵌め込まれ、保持板16は、第2筐体14の内壁面に嵌め込まれている。
そして、第1筐体13に嵌め込まれた保持板15と、第2筐体14に嵌め込まれた保持板16によって、陽極電極22、陰極電極23及び陽イオン交換膜21が適度に圧接されている。
このようにして陽イオン交換膜21によって収容室3内が、陽極電極22側と陰極電極23側とに分割されている。また、原料水、オゾン水並びに陰極水などが、第1筐体13及び第2筐体14の対向面間から外部に漏れないように密閉されている。
陽イオン交換膜21としては、従来公知のものを使用することができ、発生するオゾンに耐久性の強いフッ素系陽イオン交換膜を使用することができ、例えば厚さ100〜300μmの範囲内が好ましい。
陰極電極23も、上述した本発明のダイヤモンド電極200を使用することが好ましい。なお、陰極電極23は、上記本発明のダイヤモンド電極以外に、安定性が良い点で、チタン、タングステン、白金、金又はその被覆金属を使用することもでき、特にチタンに白金を被覆した金属を使用すると製造コストを安価に抑えることができる。
また、陽極電極22と陰極電極23との間には、電源装置80の出力端が電気的に連結され、直流電圧が印加されるように構成されている。すなわち、陽極電極22及び陰極電極23は、各電極22,23に導線24を介して電源装置80に連結されている。印加する直流電圧は、例えば6〜15ボルトの範囲内が好ましい。
原料水供給部60としては、原料水が貯留されたタンク及びタンクに接続された低吐出圧の小型ポンプ等からなるものが挙げられる。原料水としては、純水を使用する。本発明で言う純水とは、導電率が0.5〜5μS/cmの範囲内のものを言う。
濃度を検出する濃度検出センサ50が設けられている。
なお、上述のように陽極電極22側の供給流路11aと排出流路12aとを配管で接続してループ状にした場合は、排出流路12aの下流側直ぐの位置に限らず、原料水供給部6
0の上流側直ぐの位置に設けても良く、ループ状の配管のいずれに設けても良く、また、複数個所に設けても良い。
電流計は、オゾン水生成装置100の制御部70に電気的に接続されており、電流計で測定された出力値が制御部70に出力されるようになっている。
検出電極としては、例えば白金や金等からなる電極を使用し、比較電極としては銀や塩化銀を使用することが好ましい。
このような検出電極及び比較電極は、陽極電極22の排出流路12aを流れるオゾン水
に接触するようになっている。そして、検出電極及び比較電極がオゾン水に接触することで、検出電極のオゾン濃度変化による電流値を検出して濃度を測定する。
まず、陽極電極22及び陰極電極23側の供給流路11a,11bから原料水(純水)をケーシング1内に供給する。そして、これら原料水を、陽極電極22及び陰極電極23の各面に連続接触させる。
同時に、電源装置80を駆動させることによって、陽極電極22及び陰極電極23間に所定の電圧を印加する。この通電により原料水が電気分解されて、原料水中の水素が陽極電極22側から陽イオン交換膜21中を通過して陰極電極23側へと加速して移動する。その結果、陽極電極22側にはオゾン気泡が発生し、陰極電極23側には水素気泡が発生する。
このようにしてオゾン水が生成されると、オゾン水は排出流路12aへと排出される。 一方、陰極電極23側においては、水素気泡が発生し、排出流路12bから水素水(陰極水)として排出される。
また、本発明の電解水生成装置の一例として、オゾン水生成装置100を説明したが、下記のような各電解水(機能水)を生成する装置に適用しても構わない。なお、下記に示す各電解水は、電解水のpH、電解水を生成するための電解層(2室型(隔膜有)、一室型(無隔膜))、生成される生成極及び被電解液の種類によって分類されている。
(1)強酸性電解水:pH2.2〜2.7、二室型で生成極は陽極、被電解液が0.2%未満の食塩水
(2)アルカリ性電解水:pH11〜11.5、二室型で生成極は陰極、被電解液が0.2%未満の食塩水
(3)弱酸性電解水:pH2.7〜5、二室型、被電解液が0.1%未満の食塩水
(4)微酸性電解水:pH5〜6.5、一室型、被電解液が2〜6%の希塩酸または塩酸/食塩水
(5)電解次亜水:pH7.5より大きい、一室型、被電解液が0.1%未満の食塩水
(6)アルカリイオン水:pH8〜10、二室型で生成極は陰極、被電解液が水道水
したがって、上記の各電解水を生成する装置に、本発明のダイヤモンド電極200を使用する場合には、基本的に上述したオゾン水生成装置100において使用した原料水の代わりに上記の各被電解液を用い、一室型の場合にはイオン交換膜を設けない構成で、二室型の場合には上述したオゾン水生成装置100と同様の構成とすればよい。なお、特にダイヤモンド電極200としては、電極用基板201の両面にホウ素をドープしたダイヤモンドを成膜したものであることが好ましい。
また、電解水生成装置の一例として、水素水を生成する装置は、上述したオゾン水生成装置100と同様のものが挙げられる。すなわち、上記オゾン水生成装置100における陰極側から水素水が生成される。
[ダイヤモンド電極(1)の製造]
電極用基板201として、80mm×80mm、厚さ3.0mmのチタン基材を用意した。そして、この電極用基板201に、図5(a)に示すように、縦方向及び横方向に5個ずつの穴部202をレーザー加工機を用いて、ピッチ間隔P1で等間隔に形成した。穴部202の径及びピッチ間隔P1は、下記表Iに示すとおりである。
また、プラズマ発生用の水素ガスのチャンバー内への導入流量532sccm、原料ガスのチャンバー内への流量10.8sccm、プラズマ出力4991W、チャンバー内圧力121.5Torr、炭素源圧力3061Pa、製膜時間8時間とした。
これによって、シリコンウェハの上面に、ホウ素ドープ量がダイヤモンドの炭素に対して3.0%のダイヤモンド電極(1)が得られた。
上記ダイヤモンド電極(1)の製造において、穴部の配置パターンを、図5(a)に代えて図5(b)に示すパターンとした以外は、同様にしてダイヤモンド電極(2)を製造した。穴部の径、穴部の個数、ピッチ間隔P1及びピッチ間隔P2は、下記表Iに示すとおりである。
上記ダイヤモンド電極(1)の製造において、穴部の配置パターンを、図5(a)に代えて図5(c)に示すパターンとした以外は、同様にしてダイヤモンド電極(3)を製造した。すなわち、図5(c)に示す配置パターンは、電極用基板の中心部を通ってコーナー部に伸びる斜め方向の列に穴部を形成しないパターンである。穴部の径、穴部の個数、ピッチ間隔P1及びピッチ間隔P2は、下記表Iに示すとおりである。
上記ダイヤモンド電極(1)の製造において、穴部の配置パターンを、図5(a)に代えて図5(d)に示すパターンとした以外は、同様にしてダイヤモンド電極(4)を製造した。すなわち、図5(d)に示す配置パターンは、電極用基板の縦方向における中央部(3列目)に穴部を形成しない列を設けたパターンである。穴部の径、穴部の個数、ピッチ間隔P1及びピッチ間隔P2は、下記表Iに示すとおりである。
上記ダイヤモンド電極(1)の製造において、穴部の配置パターンを、図5(a)に代えて図5(e)に示すパターンとした以外は、同様にしてダイヤモンド電極(5)を製造した。すなわち、図5(e)に示す配置パターンは、電極用基板の縦方向における中央部(3列目)に並ぶ穴部のピッチ間隔P2を、その他の1列目、2列目、4列目及び5列目に並ぶ穴部のピッチ間隔P1よりも大きくしたパターンである。穴部の径、穴部の個数、ピッチ間隔P1及びピッチ間隔P2は、下記表Iに示すとおりである。
上記ダイヤモンド電極(1)の製造において、穴部の配置パターンを、図5(a)に代えて図5(f)に示すパターンとした以外は、同様にしてダイヤモンド電極(6)を製造した。すなわち、図5(f)に示す配置パターンは、電極用基板の縦方向における2列目及び4列目に並ぶ穴部のピッチ間隔P2を、1列目、3列目及び5列目に並ぶ穴部のピッチ間隔P1よりも大きくしたパターンである。穴部の径、穴部の個数、ピッチ間隔P1及びピッチ間隔P2は、下記表Iに示すとおりである。
[ダイヤモンド電極(7)の製造]
上記ダイヤモンド電極(1)の製造において、大きさが40mm×40mmの電極用基板を使用し、かつ、穴部の径、穴部の個数、ピッチ間隔P1を、下記表Iに示すとおりとした以外は、同様にしてダイヤモンド電極(7)を製造した。すなわち、電極用基板の縦方向及び横方向に沿って、穴部をピッチ間隔P1で等間隔に形成した。
上記ダイヤモンド電極(5)の製造において、大きさが40mm×40mmの電極用基板を使用し、かつ、穴部の径、穴部の個数、ピッチ間隔P1及びピッチ間隔P2を、下記表Iに示すとおりとした以外は、同様にしてダイヤモンド電極(8)を製造した。すなわち、電極用基板の縦方向における中央一列のみをピッチ間隔P2で形成し、それ以外の列はピッチ間隔P1で形成した。
下記の評価を行い、その結果を下記表Iに示した。
<反り量>
上記のようにして製造したダイヤモンド電極について、ダイヤモンドを蒸着する前の電極用基板からの反り量を測定した。反り量は、最も反り量が大きかった箇所について測定した。反り量は、3mm以下を実用上問題なしとする。
上記のようにして製造したダイヤモンド電極を陽極及び陰極として用い、陽イオン交換膜(ナフイオン膜)の両面にそれぞれ圧接して、図4に示すオゾン水生成装置を作製した。そして、陽極電極及び陰極電極に2.0〜2.8Vの電位を10分間印加すると同時に、陽極電極及び陰極電極に原料水を供給してオゾン水を発生させた。供給する原料水としては、23.1℃、導電率0.685μS/cm、流量1.070L/minの純水を使用した。そして、生成したオゾン水の最大オゾン濃度を既知の濃度センサを用いて測定した。
一方、ダイヤモンド電極(3)のように、ピッチ間隔P1で形成された列が無い場合や、ダイヤモンド電極(4)のように、ピッチ間隔P2で形成された列が無い場合にも、オゾン濃度が低い。
本発明のダイヤモンド電極(5)及び(6)のように、ピッチ間隔P1で形成された列と、ピッチ間隔P2で形成された列とを有し、ピッチ間隔P1で形成された列の数が、ピッチ間隔P2で形成された列の数よりも少ない場合に、反りの発生を抑制しつつ、高いオゾン濃度が得られた。
なお、ダイヤモンド電極(7)及び(8)の評価結果からわかるように、この傾向は、電極用基板の大きさ及び穴の個数や穴の径を変えた場合にも、同様のことが言える。
さらに、上記実施例1及び2では、ダイヤモンド電極をオゾン水生成に使用したが、オゾン水以外の上述した電解水を生成する場合にも使用すると、本発明のダイヤモンド電極の場合には高い濃度の電解水が得られた。
21 陽イオン交換膜
22 陽極電極
23 陰極電極
100 オゾン水生成装置
200 ダイヤモンド電極
201 電極用基板
202、203 穴部
P1 ピッチ間隔
P2 ピッチ間隔
Claims (5)
- 矩形板状の電極用基板の表面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極であって、
前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通する複数の穴部が、前記電極用基板の縦方向及び横方向に沿って整列して形成されており、
前記電極用基板は、当該電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士が、ピッチ間隔P1で形成された列と、
前記電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士が、前記ピッチ間隔P1よりも大きなピッチ間隔P2で形成された列と、を有し、
前記ピッチ間隔P1で形成された列の数が、前記ピッチ間隔P2で形成された列の数よりも多く、
前記ピッチ間隔P1が0.1〜10mmの範囲内であり、前記ピッチ間隔P2が0.7〜15mmの範囲内であり、かつ、前記穴部の径が0.5〜10.0mmの範囲内であることを特徴とするダイヤモンド電極。 - 前記ピッチ間隔P2で形成された列が、前記電極用基板の縦方向又は横方向における長さの1〜15%の範囲内の中央部に位置することを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド電極。
- 前記穴部は、前記電極用基板の厚さ方向における側断面視で台形状をなしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイヤモンド電極。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のダイヤモンド電極の製造方法であって、
前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通する複数の穴部を、前記電極用基板の縦方向及び横方向に沿って整列して形成する際に、
前記電極用基板に、当該電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士を、ピッチ間隔P1で形成する列と、
前記電極用基板の縦方向又は横方向に互いに隣接する穴部同士を、前記ピッチ間隔P1よりも大きなピッチ間隔P2で形成する列と、を設け、
前記ピッチ間隔P1で形成する列の数を、前記ピッチ間隔P2で形成する列の数よりも多くすることを特徴とするダイヤモンド電極の製造方法。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のダイヤモンド電極を備えたことを特徴とする電解水生成装置。
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