JP6258515B2 - 電極ユニット、電解装置、および電解装置に用いる電極 - Google Patents

電極ユニット、電解装置、および電解装置に用いる電極 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、電極ユニット、電極ユニットを備える電解装置、電解装置に用いる電極に関する。
近年、水を電解して様々な機能を有する電解水、例えば、アルカリイオン水、オゾン水または次亜塩素酸水などを生成する電解装置が提供されている。電解装置としては、例えば、3室型の電解槽を有する電解水生成装置が提案されている。電解槽内は、陽イオン交換膜および陰イオン交換膜によって、中間室と、この中間室の両側に位置する陽極室および陰極室との3室に仕切られている。陽極室および陰極室には、貫通した多孔構造を有する陽極および陰極がそれぞれ配置されている。これらイオン交換膜および電極は、電極ユニットを構成している。
このような電解装置では、例えば、中間室に塩水を流し、陽極室および陰極室にそれぞれ水を流通する。中間室の塩水を陰極および陽極で電解することで、陽極で発生した塩素ガスから次亜塩素酸水を生成するとともに、陰極室で水酸化ナトリウム水を生成する。生成した次亜塩素酸水は殺菌消毒水として、水酸化ナトリウム水は洗浄水として活用される。
3室型の電解槽では陰イオン交換膜は塩素や次亜塩素酸により劣化しやすい。そのため、多孔構造の陽極と陰イオン交換膜との間に、オーバーラップや切り込みを入れた不織布を挿入して、塩素によるイオン交換膜の劣化を低減する技術が提案されている。
特開2006−322053号公報
しかしながら、不織布のような多孔質膜を電極とイオン交換膜との間に挟んだ場合、拡散過電圧が上昇し、電解効率が低減する。
本発明が解決しようとする課題は、長寿命で、高効率の電極ユニット、電解装置、および電解装置に用いる電極を提供することにある。
実施形態によれば、電解装置は、電極ユニットを備えている。電極ユニットは、第1表面と、この第1表面と反対側に位置する第2表面と、それぞれ前記第1表面および第2表面に開口する複数の貫通孔と、を有する第1電極と、前記第1電極の第1表面に対向して設けられた第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に設けられ、少なくとも陰イオンを通過させる隔膜と、を備え、前記第1電極の第1表面は、少なくとも電解についての反応不活性部を有し、前記反応不活性部は、触媒が担持されない部分で構成されている
図1は、第1の実施形態に係る電解装置を示す断面図。 図2は、第1変形例に係る電解装置の電解槽を示す断面図。 図3は、第2変形例に係る電解槽を示す断面図。 図4は、第1の実施形態に係る電解装置の電極ユニットを示す分解斜視図。 図5は、前記電極ユニットの第1電極を示す斜視図。 図6は、前記第1電極および隔膜を拡大して示す断面図。 図7は、前記第1電極の第1表面を活性部とした場合の、第1電極の第1表面と隔膜との間の次亜塩素酸濃度分布をシュミレーションした結果を示す図。 図8は、前記第1電極の第1表面を反応不活性部とした場合の、第1電極の第1表面と隔膜との間の次亜塩素酸濃度分布をシュミレーションした結果を示す図。 図9は、第2の実施形態に係る電解装置を示す断面図。 図10は、第2の実施形態に係る電解装置の電極ユニットを示す分解斜視図。 図11は、第2の実施形態に係る電極ユニットの第1電極を示す斜視図。 図12は、第3変形例に係る電解装置の断面図。 図13は、第3の実施形態に係る電解装置の第1電極を概略的に示す斜視図。 図14は、第3の実施形態に係る電解装置の第1電極および隔膜を示す断面図。 図15は、第3の実施形態に係る第1電極の製造工程を概略的に示す断面図。 図16は、第4の実施形態に係る電解装置を示す断面図。 図17は、電解反応活性の評価装置の構成例を示す斜視図。
以下に、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電解装置を概略的に示す断面図である。電解装置10は、例えば、2室型の電解槽11および電解槽11内に配置された電極ユニット12を備えている。電解槽11は、偏平な矩形箱状に形成され、その内部は、電極ユニット12により、陽極室16と陰極室18との2室に仕切られている。
電極ユニット12は、陽極室16内に位置する第1電極(陽極)20と、陰極室18内に位置する第2電極(対向電極、陰極)22と、第1および第2電極間に設けられた隔膜24と、を有している。隔膜24は、少なくとも陰イオンを透過させる膜であり、この隔膜24により、電解槽11内の電解室を陽極室16と陰極室18とに仕切っている。第1電極20は、隔膜24に対向しているとともに陽極室16に臨んで配置され、第2電極22は、隔膜24に対向しているとともに陰極室18に臨んで配置されている。
電解装置10は、電極ユニット12の第1および第2電極20、22に電圧を印加する電源30、電流計、電圧計、およびこれらを制御する制御装置36等を備えている。陽極室16、陰極室18には液体の流路を設けても良い。陽極室16、陰極室18には、外部から原水あるいは電解液等の液体を供給、排出するための配管やポンプ等を接続してもよい。また、電極ユニット12と陽極室16あるいは陰極室18との間に多孔質のスペーサを設けてもよい。
電解装置10において、電源30の両極は第1電極20と第2電極22に電気的に接続されている。電源30は、制御装置36による制御の下、第1および第2電極20、22に電圧を印加する。図示しない電圧計は、第1電極20と第2電極22に電気的に接続され、電極ユニット12に印加される電圧を検出する。その検出情報は、制御装置36に供給される。図示しない電流計は、電極ユニット12の電圧印加回路に接続され、電極ユニット12を流れる電流を検出する。その検出情報は制御装置36に供給される。制御装置36は、メモリに記憶されたプログラムに従い、前記検出情報に応じて、電源30による電極ユニット12に対する電圧の印加もしくは負荷を制御する。電解装置10は、陽極室16および陰極室18に反応対象物質が供給された状態で、第1電極20と第2電極22との間に電圧を印加あるいは負荷して、電解のための電気化学反応を進行させる。本実施形態の電解装置10は、ハロゲン元素を含む電解質を電解し、電解生成物としてハロゲン化合物を生成するシステムに用いることが好ましい。
図2は、第1変形例に係る電解装置の電解槽を示す断面図である。図2に示すように、第1電極20の周縁部、第2電極22の周縁部、および隔膜24の周縁部は、電解水の電解槽11外部への漏えいを防止するためのシール部として利用することもできる。電解槽11は、陽極室16を形成する矩形状の陽極カバー11aと、陰極室18を形成する矩形状の陰極カバー11bと、を有し、これらの陽極カバー11aと陰極カバー11bは、第1電極20の周縁部、第2電極22の周縁部、および隔膜24の周縁部を挟んで、互いに連結されている。すなわち、第1電極20の周縁部、第2電極22の周縁部、および隔膜24の周縁部は、陽極カバー11aと陰極カバー11bとの間に挟持され、電解槽11に固定されている。また、第1電極20の周縁部と陽極カバー11aとの間に、Oリング等のシール部材8aが設けられている。第2電極22の周縁部と陰極カバー11bとの間に、Oリング等のシール部材8bが設けられている。
図3は、第2変形例に係る電解装置の電解槽を示す断面図である。第2変形例のように、第1電極20と隔膜24との間に、例えば、不織布等からなるセパレータ25を設けてもよい。
次に、電解槽11の電極ユニット12について詳細に説明する。図4は、電解装置10における電極ユニットを示す分解斜視図、図5は、第1電極の第1表面側を示す斜視図である。
図1、図2および図4に示すように、板状の第1電極20は、例えば、矩形状の金属板からなる基材21に多数の貫通孔13を形成した多孔構造を有している。基材21は、第1表面21aおよび、第1表面21aとほぼ平行に対向する第2表面21bを有している。第1表面21aと第2表面21bとの間隔、すなわち、板厚はT1に形成されている。第1表面21aは隔膜24に対向し、第2表面21bは陽極室16に対向する。
貫通孔13は、第1電極20のほぼ全面に亘り、マトリクス状に並んで多数形成されている。各貫通孔13は、例えば、断面が円形に形成され、第1表面21aおよび第2表面21bに開口している。なお、貫通孔13は、第1表面21a側の開口径が第2表面21b側の開口径よりも大きくなるように、テーパー状の壁面、あるいは湾曲した壁面により形成されてもよい。貫通孔13は、円形に限らず、矩形状、楕円形等、種々の形状を用いることができる。貫通孔13は、規則的に限らず、ランダムに並んで形成してもよい。
第1電極20の基材21としては、チタン、クロム、アルミニウムやその合金等の弁金属、導電性金属を用いることができる。この中ではチタンが好ましい。電解反応によっては、活性化過電圧を下げるために、第1電極20の第1表面21a、第2表面21b、および貫通孔13の側面(内面)に電解触媒(触媒層)を形成することが好ましい。触媒層は、電解に対して活性な電解反応活性部50を形成する。触媒層の厚さは、通常、0.5〜5μm程度とする。電極を陽極として用いる場合、電極の基材自体として白金等の貴金属触媒や酸化イリジウム等の酸化物触媒を用いることが好ましい。電解触媒の単位面積当たりの量が第1電極20の両面で異なるように形成してもよい。
本実施形態によれば、第1電極20の第1表面21aは、ほぼ平坦に形成され、電解に関して不活性な電解反応不活性部52を有している。この電解反応不活性部52については、後で詳述する。
図1、図2および図4に示すように、本実施形態では、第2電極(対向電極、陰極)22は、第1電極20と同様に構成されている。すなわち、第2電極22は、例えば、矩形状の金属板からなる基材23に多数の貫通孔15を形成した多孔構造を有している。基材23は、第1表面23aおよび、第1表面23aとほぼ平行に対向する第2表面23bを有している。第1表面23aは隔膜24に対向し、第2表面23bは陰極室18に対向する。
隔膜24としては、種々の電解質膜やナノポアを有する多孔質膜を用いることができる。電解質膜としては、高分子電解質膜、例えば、イオン交換固体高分子電解質膜、具体的には、アニオン交換性の膜、或いは炭化水素系の膜を用いることができる。アニオン交換性の膜としては、株式会社トクヤマ製のA201、株式会社アストム製のAMX、旭硝子株式会社製のセレミオン等が挙げられる。ナノポアを有する多孔質膜としては、多孔質ガラス、多高質アルミナ、多孔質チタニア等の多孔質セラミックス、多孔質ポリエチレン、多孔質プロピレン等の多孔質ポリマー等がある。このような隔膜24を設けることにより、イオン選択性を向上することができる。
隔膜24は、例えば、第1電極20とほぼ等しい寸法の矩形状に形成され、第1電極20の第1表面21aの全面と対向している。本実施形態において、隔膜24は、第1電極20の第1表面21aと第2電極22の第1表面23aとの間に挟持される。第1電極20と隔膜24は直接接触させた方が、イオンの拡散過電圧が低くなるため好ましいが、必ずしも接触していなくてもよい。あるいは、図3に示した第2変形例のように、第1電極20と隔膜24との間にセパレータ25など他の構造体が設けられていてもよい。また、第1電極20と隔膜24の周縁部は、電解水の電解槽11外部への漏えいを防止するためのシール部として利用することもできる。第2電極22も、隔膜24に直接、接触していなくても良く、あるいは、第2電極22と隔膜24との間に他の構造体が設けられていてもよい。
電解装置10において、電解反応で生成した酸性水やアルカリ性水、反応ガスなどの電解生成物は、第1電極20の第2表面21bを通って、および第2電極22の第2表面23bを通って、陽極室16および陰極室18から外部に排出される。しかしながら、陽極室16に送液される原水、もしくは電解液の流れは、貫通孔13内部で妨げられ、また、第1電極20の第1表面21aと隔膜24との隣接部では流れによる排出が困難となる。更に、反応生成物、例えば次亜塩素酸、塩素ガス等が滞留して反応過電圧が上昇し、また、ラジカルなどによる隔膜24の劣化を招く。更に、第1電極20と隔膜24との間の狭い領域でガスが発生すると、ガスの圧力で隔膜24が破れることもある。
そこで、第1の実施形態によれば、隔膜24と対向する第1電極20の第1表面21aは、電解反応を生じない電解反応不活性部52を少なくとも一部に有し、他の部分を電解反応活性部50としている。図1、図3および図5に示すように、例えば、パンチングメタル形状の第1電極20においては、電解反応活性部50は、貫通孔13の側面(内面)、もしくは第2表面21b、もしくは、第1表面21aのそれぞれ貫通孔13の周囲に形成され、第1表面21aのその他の部分を電解反応不活性部52としている。第1表面21aのそれぞれ貫通孔13の周囲を囲んだ複数の環状部に電解反応活性部50を形成する場合、図6に示すように、第1表面21aと隔膜24との距離をDとしたとき、第1表面21aの、少なくとも貫通孔13の周縁からの距離LがL≧1.5×Dである部分を電解反応不活性部52とすることが好ましい。
塩化ナトリウム水溶液の電解による次亜塩素酸生成を例としてシミュレーションを行った。隔膜24を透過して第1電極(陽極)20に電気的に引きつけられて陽極室16に到達する塩素イオンの濃度分布と、第1電極20の電流密度分布、および、陽極室16を流れる流体の流速分布の結果として、図7に示すように、第1電極20の第1表面21aを電解反応活性部50とした場合、第1電極20の第1表面21aと隔膜24との間に次亜塩素酸が高濃度に滞留することがわかった。このように、第1電極20の隔膜24近傍に高濃度の領域が発生する現象は、隔膜24を透過してイオンが供給される電解セルに固有の現象であると考えられる。高濃度の次亜塩素酸が隔膜24の表面に滞留すると、隔膜24の劣化を招く。特に、隔膜24の表面が高濃度域になるのは、貫通孔13の周縁からの距離LがL≧1.5×Dの領域である。従って、この領域に相当する部分の電極表面を電解反応不活性部とすることにより、次亜塩素酸の生成が抑制され、次亜塩素酸の滞留を防ぐことができると考えられる。
図8は、第1電極20の第1表面21aを不活性にした場合の次亜塩素酸の濃度分布を示している。この図から、第1表面21aを電解反応不活性部52とした場合、隔膜24の表面に次亜塩素酸高濃度域が生じないことがわかる。以上のことから、第1電極20の第1表面21aにおいて、貫通孔13の周縁からの距離LがL≧1.5×Dである部分を電解反応不活性部52とすることにより、隔膜24表面の次亜塩素酸高濃度域の発生を抑制できることを見出した。
先述のように、拡散過電圧をできるだけ低減するためには、電極と隔膜24を接触させるのが理想的である。この場合、第1電極20の第1表面21aと隔膜24との距離Dが0となるため、貫通孔13の周縁から電解反応不活性部までの距離Lも0となり、即ち、第1表面21aがほぼ全面、電解反応不活性部52であることが好ましい。なお、後述するが、第1表面21aが平坦面ではなく、凹凸を持つ場合はこの限りではない。
図2に示した第1変形例のように、第1電極20の周縁部および隔膜24の周縁部をシール部として用いる場合、シール部において、隔膜24内を拡散してきた陰イオンと若干の電解反応を生じるが、原水や電解液などの流体が遮蔽されているため、次亜塩素酸や塩素ガス等の反応生成物が排出されず、隔膜の劣化を生じやすい。従って、シール部に相当する第1電極20の第1表面21aの周縁部は、触媒層を設けることなく、電解反応不活性部52とすることが好ましい。
本実施形態および変形例において、電解反応不活性部52とは、例えば、通常運転電流密度範囲(30〜300mA/cm2)における電解反応過電圧が、電解反応活性部50よりも300mV以上大きい部分であると定義している。
従って、ここでいう「不活性」とは「活性部」に比較して相対的に十分活性度が低いことを意味しており、全く電解反応しないことを意味するものではない。
電解反応活性部50と電解反応不活性部52を区別する方法としては、それぞれの電極を別々に作って、電気化学反応活性を評価する方法がある。例えば、電解反応の一つである塩素の発生反応を目的として、10wt%シュウ酸水溶液中で、1時間、80℃で処理した0.1mmのチタン板(電極基材)に、塩化イリジウム(IrCl3・nH2O)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、ディッピングで塗布した後、乾燥させ450℃で10分間焼成する。この塗布と乾燥、焼成を5回繰り返して酸化イリジウム触媒を形成した電極を得る。この電極を、反応電極面積が1cm×1cmとなるように切り出し、図17に示す3極式セル80の作用極71として挿入する。3極式セル80の対極74には白金メッシュを用い、参照極73には可逆水素電極(RHE)を用いる。電解液75に0.1Mの塩酸と1Mの塩水を加え、ポテンシオスタットを用いて作用極71に電圧を印加してサイクリックボルタモグラムを取得する。この際、125mA/cm2の電流が流れたときの電圧は1.6VvsRHEであった。
これに対し、酸化イリジウムを塗布する代わりに、オルトチタン酸テトライソプロピルに氷浴下でエタノールおよびジエタノールアミンを加え、攪拌しながらエタノール混合水を滴下してゾルを作製してチタン板にコートする。その後、500℃で7分間焼成し、コートと焼成を3回繰り返した後、450℃で1時間焼成して酸化チタンの絶縁被膜を形成した電極を得る。この電極を、反応電極面積が1cm×1cmとなるように切り出し、0.1Mの塩酸と1Mの塩水の電解液中でサイクリックボルタモグラムを取得する。この際、125mA/cm2の電流が流れたときの電圧は1.9VvsRHEであった。
仮に、同一の電極に上述した酸化イリジウム触媒と酸化チタンの絶縁被膜が存在していると、上記結果のように同一電流を引くときに300mV以上の電圧差が生じる。そのため、電解反応にもよるが、ターフェル勾配が60mV/decを想定すると、約150倍もの反応速度の差になる。すなわち、反応のほとんどが酸化イリジウム触媒上で起こることになるので、酸化イリジウム触媒の形成領域は電解反応活性部、酸化チタン絶縁被膜の形成領域は電解不活性部として定義することができる。
なお、上述した例では、塩素発生に言及したが、酸素発生や酸素還元、金属酸化、ソーダ電解反応などの種々の電気化学反応であれば、電解反応活性部および電解反応不活性部を設けるこの手法は有効である。
すなわち、電解反応不活性部52では、電解反応が殆ど生じないため、第1電極20と隔膜24との界面の電解反応生成物やガスが滞留しやすい部分に設けることで、隔膜24の劣化を抑制することが出来る。
電解反応活性部50および電解反応不活性部52の形成方法としては、図3に示したように、チタン、クロム、アルミニウムやその合金等の弁金属からなる第1電極20の第1表面21aの一部にのみ、ここでは、各貫通孔13の周囲の環状部のみに、導電性を有する白金等の貴金属触媒や酸化イリジウム等の酸化物触媒等を塗布して電解反応活性部50とすることができる。この場合、電解電圧を適当に設定することにより、活性化過電圧の低い触媒塗布部が電解反応活性部50となり、相対的に活性化過電圧が高い触媒を塗布しない部分が電解反応不活性部52となる。
この他にも、電極の全面に触媒を形成したのち、ガス発生を抑制したい部分の触媒を除去して電解反応不活性部52を形成することもできる。例えば、パンチングメタル状のチタン電極の全面(第1表面21a、第2表面21b、貫通孔13の側面)に触媒層を形成したのち、周縁部を含む第1表面21aを研磨やブラスト加工により触媒を除去することで不活性部を形成することができる。パンチングメタルの場合は、ダレがある面を第1表面21aとし、上記の方法で触媒塗布と研磨による触媒除去をおこなうと、ダレの部分に付着した触媒は研磨で除去されることなく残るため、図5に示すような構造の電極を容易に作製することができる。
電解反応不活性部52の他の形成方法としては、例えば、第1電極20の第1表面21aに、塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ABS、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、フッ素樹脂、塩素化ポリエーテル、メチルペンテン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のプラスチックや、天然ゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、フッ素ゴム等のゴム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ニッケル、酸化タングステン等のセラミックなどからなる絶縁層を形成することにより、電解反応不活性部52とすることができる。
すなわち、電解反応活性部50を構成する導電性部分の表面は主に106S/m以上の導電率を持つ材料で形成され、電解反応不活性部52を構成する絶縁性部分の表面は主に10-6S/m以下の導電率を持つ材料で形成される。
更に、絶縁層の材料として塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリイミド、フッ素樹脂、酸化ケイ素、酸化タングステンなど、pHが2以上6以下の領域においてゼータ電位が負となる材料を用いれば、電気的な反発で第1電極20と隔膜(陰イオン交換膜)24との界面への陰イオンの供給が抑制され、より効果的に反応ガスの滞留による陰イオン交換膜の劣化を抑制し、長寿命の電極ユニット12および電解装置10を提供することができる。
電解によって陽極室16で次亜塩素酸を生成する場合は、次亜塩素酸に対する耐久性を考慮して、絶縁層の材料は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリエチレン、フッ素樹脂、酸化ケイ素、酸化タングステンが好ましい。特に、フッ素樹脂、酸化ケイ素は安定性と絶縁特性の面からより好ましい。
以上のように構成された電解装置および電極ユニットによれば、少なくとも陰イオンを通過させる隔膜と対向する第1電極の第1表面に、電解反応不活性部52を設けることにより、電解反応生成物が隔膜表面に滞留しやすい部分の電解反応を抑制することができる。電解反応不活性部52を設ける位置は、第1電極の第1表面と隔膜との距離に応じて決定される。これにより、反応ガスによる隔膜、例えば、陰イオン交換膜、の劣化を抑制し、長寿命の電極ユニットおよび電解装置を得ることができる。
更に、隔膜と対向する第1電極の第1表面に、電解反応活性部50と電解反応不活性部52とを設けることにより、第1電極20と隔膜(陰イオン交換膜)とを接触させて拡散過電圧を低く抑えつつ、反応ガスが排出されにくい部分を電解反応不活性部として電解反応を抑制し、反応ガスの排出が容易な部分を電解反応活性部50として電解反応を生じさせる。これにより、反応ガスによる隔膜、例えば、陰イオン交換膜、の劣化を抑制し、長寿命の電極ユニットおよび電解装置を提供することができる。また、電極の拡散過電圧の上昇を抑制し、反応効率の向上を図ることができる。
以上のことから、本実施形態によれば、長期間に亘って電解性能を維持可能な長寿命の電極ユニット、電解装置、および電極が得られる。
次に、他の実施形態に係る電極ユニットおよび電解装置について説明する。なお、以下に説明する他の実施形態において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る電解装置を概略的に示す断面図、図10は、電極ユニットの分解斜視図、図11は、第1電極の第1表面側を示す斜視図である。
電解反応する電極の反応面積を大きくするためには、細いメッシュで電極を構成する方が良いが、細線だけで構成すると電解電流に対する抵抗過電圧が高くなり、電極としての機械的強度も確保できない。そこで、第2の実施形態によれば、第1電極20は、電流の主要路と強度維持を兼ねる線幅の広い線状部と、電解反応面積を確保するための細い線状部とからなる網目構造としている。すなわち、第1電極20は、2種類以上の異なる幅の線状部を有する網目構造を有し、細い線状部の表面が電解反応活性部を形成している。また、第1電極20は多孔構造を有し、その貫通孔は、第1表面21a側と第2表面21b側とで開口径が相違している。
図9および図10に示すように、第1電極20は、例えば、矩形状の金属板からなる基材21に多数の貫通孔を形成した多孔構造およびメッシュ構造を有している。基材21は、第1表面21aおよび、第1表面21aとほぼ平行に対向する第2表面21bを有している。第1表面21aは隔膜24に対向し、第2表面21bは陽極室16に対向する。
基材21の第1表面21aに複数の第1孔部40が形成され、第1表面21aに開口している。また、第2表面21bに複数の第2孔部42が形成され、第2表面21bに開口している。隔膜24側となる第1孔部40の開口径R1は、第2孔部42の開口径R2よりも小さく、また、孔部の数は、第1孔部40が第2孔部42よりも多く形成されている。第1孔部40の深さはT1、第2孔部42の深さはT2である。本実施形態において、T1<T2に形成されている。
第2孔部42は、例えば、矩形状に形成され、第2表面21bにマトリクス状に並んで設けられている。各第2孔部42を規定している周壁は、孔部の底から開口に向かって、すなわち、第2表面側に向かって、径が広くなるようなテーパー面あるいは湾曲面により形成してもよい。隣り合う第2孔部42間の間隔、すなわち、電極の線状部60aの幅はW2に設定されている。なお、第2孔部42は、矩形状に限定されることなく、他の種々の形状としてもよい。また、第2孔部42は、規則的に限らず、ランダムに並んで形成してもよい。
第1孔部40は、例えば、矩形状に形成され、第1表面21aにマトリクス状に並んで設けられている。各第1孔部40を規定している壁面は、孔部の底から開口に向かって、すなわち、第1表面21aに向かって、径が広くなるようなテーパー面あるいは湾曲面により形成してもよい。本実施形態において、複数、例えば、16個の第1孔部40が、1つの第2孔部42と対向して設けられている。これら16個の第1孔部40は、それぞれ第2孔部42に連通し、第2孔部42と共に基材21を貫通する貫通孔を形成している。隣合う第1孔部40間に網目状の線状部60bが形成され、線状部60bの幅W1は、第2孔部42間の線状部60aの幅W2よりも小さく設定されている。これにより、第1表面21aにおける第1孔部40の数密度は、第2表面21bにおける第2孔部42の数密度よりも充分に大きい。
なお、第1孔部40は、矩形状に限定されることなく、他の形状としてもよい。第1孔部40は、規則的に限らず、ランダムに並んで形成してもよい。更に、全ての第1孔部40が第2孔部42に連通している構成に限らず、第2孔部42に連通していない第1孔部を含んでいてもよい。
図11に示すように、第1電極20の第1表面21aは、電解反応活性部50および電解反応不活性部52を有している。第1表面21aにおいて、隔膜24との接触幅が広く発生したガスが排出されにくい幅広の線状部60aを電解反応不活性部52とし、容易に発生ガスが排出できる線幅の細い線状部60bを電解反応活性部50としている。電解反応活性部50および電解反応不活性部52の形成方法は、前述した第1の実施形態と同様である。すなわち、例えば、導電性を有する白金等の貴金属触媒や酸化イリジウム等の酸化物触媒等を細い線状部60bに塗布して電解反応活性部50とすることができる。あるいは、幅広の線状部60aに絶縁層を形成して電解反応不活性部52とすることができる。
図9および図10に示すように、第2の実施形態によれば、第2電極(陰極)22は、第1電極20と同様に、多孔構造およびメッシュ構造に構成されている。すなわち、第2電極22は、例えば、矩形状の金属板からなる基材23を有し、基材23は、第1表面23aおよび、第1表面23aとほぼ平行に対向する第2表面23bを有している。第1表面23aは隔膜24に対向し、第2表面23bは陰極室18に対向する。
基材23の第1表面23aに複数の第1孔部44が形成され、第1表面23aに開口している。また、第2表面23bに複数の第2孔部46が形成され、第2表面23bに開口している。隔膜24側となる第1孔部44の開口径は、第2孔部46の開口よりも小さく、また、孔部の数は、第1孔部44が第2孔部46よりも多く形成されている。第1孔部44の深さは、第2孔部46の深さよりも小さく形成されている。
複数、例えば、16個の第1孔部44が、1つの第2孔部46と対向して設けられている。これら16個の第1孔部44は、それぞれ第2孔部46に連通し、第2孔部46とともに基材23を貫通する貫通孔を形成している。隣合う第1孔部44間に幅の細いメッシュ状の線状部が形成され、隣合う第2孔部46間に幅の広い網目状、格子状の線状部が形成されている。第1表面23aにおける第1孔部44の数密度は、第2表面23bにおける第2孔部46の数密度よりも充分に大きい。
上記のように構成された第1電極20、隔膜24、第2電極22を対向配置することにより、電極ユニット12が得られる。第2の実施形態において、電解装置10の他の構成は、前述した第1の実施形態および第1変形例と同一である。第2の実施形態によれば、第1電極20と隔膜24とを接触させて拡散過電圧を低く抑えつつ、発生ガスを排出しにくい幅の広い線状部は電解反応を抑制し、発生ガスの排出が容易な細い線状部で電解反応を生じさせることにより、発生ガスによる隔膜(イオン交換膜)の劣化を抑制し、長寿命の電極ユニットおよび電解装置を得ることがきる。また、電極の拡散過電圧の上昇を抑制し、反応効率の向上を図ることができる。
なお、より発生ガスの排出を円滑にして隔膜の劣化を抑制するためには、第1電極20の第1表面の電解反応活性部50を、第2表面21b側に凹ませて、隔膜24との間に隙間を設けることが有効である。
図12は、第3変形例に係る電解装置を示している。
電解装置において、電解効率を高めるためには、目的とする生成物を生じる主反応と並行して進行する副反応を抑制することが有効である。例えば、先述の次亜塩素酸水を製造する電解装置においては、第1電極(陽極)の主反応は塩素イオンの酸化による次亜塩素酸の生成であるが、副反応として水酸化物イオンの酸化による酸素生成も生じる。隔膜を通って塩素イオンが陽極(第1電極)に達するため、塩素イオン濃度の濃い電極の第1表面(隔膜近傍)では塩素イオン酸化反応の拡散過電圧が低く、次亜塩素酸の生成効率が高い。しかし、電極の背面(第2表面)では塩素イオン濃度が低いため、塩素イオン酸化反応の拡散過電圧が高くなり、水酸化物イオン酸化反応による酸素生成が生じ易く、次亜塩素酸の生成効率が低くなる。
このような副反応の抑制のためには、図12に示すように、第1電極20の第2表面(背面)21bを電解反応不活性部54にすることが有効である。例えば、前述した実施形態と同様に、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ニッケル等のセラミックなどからなる絶縁層62を第2表面21b上に形成することにより、電解反応不活性部54とすることができる。
このような第1電極20では、主反応の拡散過電圧が高い第2表面21bにおいて副反応が進行することを抑制できるため、無駄に電流を消費することなく、効率よく目的とする電解生成物を生成することができる。
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係る電解装置の第1電極の第1表面側を示す斜視図である。本実施形態によれば、第1電極20の第1表面21aに第1パターンの第1凹み(凹凸)が全面に亘って形成され、第1電極20の第2表面21bに第1パターンと異なる第2パターンの第2凹み(凹凸)が全面に亘って形成されている。
本実施形態において、第1パターンの第1凹みは、基材21の第1表面21aに形成された複数の細い線状の第1凹部70を有し、これら第1凹部70はそれぞれ第1表面21aに開口している。第2パターンの第2凹みは、基材21の第2表面21bに形成された複数の粗い線状の第2凹部72を有し、これらの第2凹部72はそれぞれ第2表面21bに開口している。これら第1凹部70および第2凹部72は、基材21の周縁部を除いて、矩形状の有効領域全体に形成されている。そして、1つの第2凹部72に複数の第1凹部70が連通し、それぞれ貫通孔13を構成している。
複数の第1凹部70は、細長い直線状に形成され、第1方向X、例えば、水平方向、に延びている。複数の第1凹部70は、互いに平行に並んで設けられている。各第1凹部70は、第2凹部72の開口幅W3よりも長く形成されている。本実施形態において、第1凹部70は、第1表面21aの有効領域(第1表面の周縁部を除く矩形状の中央領域)の一端から他端まで連続して延びている。各第1凹部70の深さD1は、基材21の板厚Tの半分より浅く、例えば、0.1〜0.2mmに形成されている。本実施形態において、各第1凹部70は、底部側から第1表面21aに向かって幅が広くなるように形成され、すなわち、ほぼ台形の断面形状を有している。これにより、一部の第1凹部70は、0.2mmの貫通幅W2で複数の第2凹部72に連通している。
第2表面21b側に形成された複数の第2凹部72は、細長い直線状に形成され、第1方向Xと交差する方向、例えば、第1方向Xと直交する第2方向Yに延びている。複数の第2凹部72は、互いに平行に並んで設けられている。各第2凹部72は、第2表面21bの有効領域(第2表面の周縁部を除く矩形状の中央領域)の一端から他端まで連続して延びている。各第2凹部72の開口幅W3は、第1凹部70の開口幅W1よりも大きく、例えば1.6mmに形成され、第2凹部72の深さD2は、基材21の板厚Tの半分より深く、例えば、0.6〜0.7mmに形成されている。本実施形態において、各第2凹部72は、底部側から第2表面21bに向かって幅が広くなるように形成され、ほぼ台形の断面形状を有している。
図14に示すように、細長い線状に残っている第1表面21aを除いて、各第1凹部70の側面および底面、第2表面21bの全面に、触媒層、例えば、イリジウム酸化物触媒層が形成され、電解反応活性部50としている。第1表面21aは、触媒が形成されることなく、電解反応不活性部52を構成している。第1電極20は、第1表面21aが隔膜24に接した状態で配置される。
図15(a)に示すように、上記のように構成された第1電極20は、例えば、基材21の第1表面21aおよび第2表面21bをエッチングして部分的に削り取り、第1パターンを有する第1凹みおよび第2パターンを有する第2凹みを形成する。次いで、第1表面21a、第2表面21b、第1凹部70、および第2凹部72の全体を触媒層で被覆する。
続いて、図15(b)に示すように、凸部となっている第1表面21aを研磨し、第1表面21a上の触媒層を除去する。これにより、第1電極20の第1表面21aを電解反応不活性部52とする。第1凹部70および第2凹部72の断面形状は、台形に限らず、矩形状、半円形状、楕円形状、円弧形状等、種々の形状とすることができる。また、第1凹部70と第2凹部72とが交差する角度は、直角に限らず、他の任意の角度とすることができる。
上記構成の第1電極20によれば、細い線状の第1凹部70を流通した流体は、貫通孔13から線状の第2凹部72を通って陽極室16、もしくは陰極室へ流通する。主たる電解反応は、隔膜24からわずかに深さD1だけ離れた第1凹部70の底面の領域で起こり、生成物である次亜塩素酸は第1凹部70が形成するわずかな隙間から貫通孔13を介して陽極室16に回収される。これにより、高い生成効率と隔膜劣化防止を両立することができる。このような形状の第1電極20を用いる場合、電解生成物が滞留しやすいのは、隔膜24と最も隣接する第1表面21aの領域である。従って、凸状に残っている第1表面21aを電解反応不活性部52とし、第1凹部70の側面および底面を電解反応活性部50とするのが好ましい。このような第1電極の場合も、電極の周縁部をシール部とする場合は、当該周縁部の第1表面を電解反応不活性部とすることが好ましい。
(第4の実施形態)
図16は、第4の実施形態に係る電解装置を概略的に示す断面図である。第4の実施形態では、電解装置10は、3室型の電解槽11および電極ユニット12を備えている。電解槽11は、偏平な矩形箱状に形成され、その内部(電解室)に電極ユニット12が配置されている。電解槽11は、中間室19を形成する矩形枠状の中間フレーム11c、陽極室16を形成するほぼ矩形状の陽極カバー11a、および陰極室18を形成する陰極カバー11bを有し、陽極カバー11aと陰極カバー11bとの間に中間フレーム11cを挟んだ状態で、これらを互いに連結することにより、電解槽11を構成している。
電極ユニット12は、電解槽11の電解室内を陽極室16と中間室19とに仕切る第1隔膜24aと、電解室内を中間室19と陰極室18とに仕切る第2隔膜24bと、陽極室16内に位置し第1隔膜24aと対向する第1電極(陽極)20と、陰極室18内に位置し第2隔膜24bと対向する第2電極(陰極)22と、を備えている。第1隔膜24aおよび第2隔膜24bは、隙間をおいて互いに平行に対向し、これらの隔膜24a、24b間に、中間室19を形成している。中間室19内に、電解液を保持する保持体として、多孔質のスペーサを設けても良い。
電解装置10は、電極ユニット12の第1および第2電極20、22に電圧を印加するための電源30、電流計32、電圧計34、およびこれらを制御する制御装置36を備えている。陽極室16、陰極室18には液体の流路を設けても良い。陽極室16、陰極室18には、外部から液体を供給、排出するための配管やポンプ等を接続してもよい。また、場合により、電極ユニット12と陽極室16あるいは陰極室18との間に多孔質のスペーサを設けてもよい。
電極ユニット12において、第1電極20および第2電極22は、前述の第1の実施形態あるいは第2、第3の実施形態で示した第1電極および第2電極を用いる。すなわち、第1電極20および第2電極22は、多数の貫通孔を有する多孔構造を有している。また、第1隔膜24aと対向する第1電極20の第1表面21aは、電解反応不活性部52を有している。第1電極20の第2表面21bおよび各貫通孔13の側面(内面)に触媒層が形成され、電解反応活性部50を形成している。
第1隔膜24aは陰イオンを透過させる隔膜であり、第2隔膜24bは陽イオンを透過させる隔膜である。第1隔膜24aは、例えば、第1電極20とほぼ等しい寸法の矩形状に形成され、第1電極20の第1表面21aと対向している。第2隔膜24bは、例えば、第2電極22とほぼ等しい寸法の矩形状に形成され、第2電極22の第1表面23aと対向している。
第1隔膜24aおよび第2隔膜24bとして、前述の第1の実施形態で説明した種々の電解質膜やナノポアを有する多孔質膜を用いることができる。
第1電極20の周縁部、第2電極22の周縁部、および第1および第2隔膜24a、24bの周縁部は、電解水の電解槽11外部への漏えいを防止するためのシール部として利用することがきる。すなわち、第1電極20の周縁部および第1隔膜24aの周縁部は、中間フレーム11cと陽極カバー11aの端面との間に挟持され、電解槽11に固定されている。第1電極20の周縁部と陽極カバー11aとの間に、Oリング等のシール部材8a1が設けられている。第1隔膜24aの周縁部と中間フレーム11cとの間に、Oリング等のシール部材8a2が設けられている。
第2電極22の周縁部および第2隔膜24bの周縁部は、中間フレーム11cと陰極カバー11bの端面との間に挟持され、電解槽11に固定されている。第2電極22の周縁部と陰極カバー11bとの間に、Oリング等のシール部材8b1が設けられている。第2隔膜24bの周縁部と中間フレーム11cとの間に、Oリング等のシール部材8b2が設けられている。
シール部は流体の流れが発生しないものの、隔膜に含有するイオンと電極との間で電解反応が生じるため、電解生成物やガスが滞留して隔膜の劣化を生じやすい。従って、シール部において、第1電極20の第1表面21aは電解反応不活性部52としている。同様に、シール部において、第2電極22の第1表面23aは電解反応不活性部としている。


このような電解装置10は、ハロゲン元素を含む電解質を電解することが好ましい。例えば、次亜塩素酸水を生成する電解装置10とした場合、中間室19に塩素イオンを含む電解液、例えば、塩水を流し、左右の陽極室16および陰極室18に水を流して、中間室19の塩水を第1電極(陰極)20および第2電極(陽極)22で電解する。これにより、陽極室16で次亜塩素酸水を生成するとともに、陰極室18で水酸化ナトリウム水を生成する。
3室型の電解槽11を有する電解装置10では、第1電極(陽極)側で次亜塩素酸、および塩素ガスが発生するが、第1隔膜24aとして用いられる陰イオン交換膜が次亜塩素酸や塩素ガスにより劣化しやすい。そこで、電解反応不活性部52を有する第1電極20を第1隔膜(陰イオン交換膜)24aに隣接させて拡散過電圧を低く抑えつつ、次亜塩素酸や塩素ガスが滞留しやすい部分は電解反応不活性部52として電解反応を抑制し、次亜塩素酸や塩素ガスの排出が容易な部分は電解反応活性部50として電解反応を生じさせる。これにより、塩素ガスによる第1隔膜(陰イオン交換膜)24aの劣化を抑制し、長寿命の電極ユニット、電解装置を得ることが出来る。
次に、種々の実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
電極基材21に板厚T1が0.5mmの平坦なチタン板を用い、このチタン板をエッチングすることにより、図4ないし図6に示した第1電極20を作製する。電極の内、小径の第1孔部40を含んだ領域の厚み(第1孔部の深さ)T1は0.15mm、大径の第2孔部42を含んだ領域の厚み(第2孔部の深さ)T2は0.35mmである。第1孔部40は矩形状とし、その径R1は0.57mm、第2孔部42は矩形状とし、その径R2は2mmである。隣合う第1孔部40間に形成される網目状の線状部60bの幅W1は0.1mm、隣合う第2孔部42間に形成される幅広の線状部60aの幅W2は1.0mmである。
この第1電極20を10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理する。塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、電極基材21の第1表面21aに塗布した後、乾燥、焼成をする。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なう。こうした塗布、乾燥、焼成を5回繰り返して酸化イリジウム触媒を形成した電極基材を得る。この電極基材を、反応電極面積が3cm×4cmの大きさに切り出して、第1電極(陽極)20とする。
オルトチタン酸テトライソプロピルに氷浴下でエタノールおよびジエタノールアミンを加え、攪拌しながらエタノール混合水を滴下してゾルを作製する。このゾルを室温に戻し、第1電極20の第1表面21aの内、細い線状部60bをマスクした状態で、幅広の線状部60aに刷毛でコートする。コートした膜を500℃で7分間焼成する。コートと焼成を3回繰り返した後、500℃で1時間焼成して酸化チタンからなる絶縁層を得る。 上記電極作製において、酸化イリジウムを作製する代わりに白金を電極基材の表面にスパッタして第2電極(陰極)22とする。
これらの第1電極20および第2電極22電極を用いて図6で示した電極ユニット12および電解槽11を作製する。第1隔膜24aとして陰イオン交換膜であるトクヤマ製のA201を用い、第2隔膜24bとしてナフィオン117を用いる。電解液を保持する保持体として、厚さ5mmの多孔質ポリスチレンを用いる。これら第1および第2電極、第1および第2隔膜、多孔質ポリスチレンをシリコーンシール剤およびネジを用いて重ね合わせて固定し、電極ユニット12とする。
電解槽11の陽極室16および陰極室18は、それぞれストレート流路が形成された塩化ビニル製の容器で形成している。制御装置36、電源30、電圧計、電流計を設置する。陽極室16および陰極室18に水道水を供給するための配管とポンプを電解槽11に接続し、電極ユニット12の保持体(多孔質ポリスチレン)に飽和塩水を循環供給するための飽和塩水タンクと配管、ポンプを電解槽11に接続する。
電解装置10を用いて、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電解効率が70%以上と高く維持され、酸性水中の塩分濃度は0.05%以下を維持している。第1隔膜の劣化がほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができた。
(実施例2)
実施例1と同様にして酸化イリジウム触媒を形成した電極基材に対し、第1表面21aの細い線状部60bをマスクした状態で、第1表面21aの幅広の線状部60a上の酸化イリジウム触媒をサンドブラストで除去して第1電極20を作製した。第1電極20以外は、実施例1と同様にして電解装置10を作製した。
この電解装置を用いて、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電解効率が70%以上と高く維持され、酸性水中の塩分濃度は0.05%以下を維持している。第1隔膜の劣化がほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができた。
(実施例3)
実施例1と同様にして、チタン基材をエッチングして多孔構造の電極基材を作製した。この電極基材を予め10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理する。塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、電極基材の第1表面21aおよび第2表面21bの幅広の線状部60aをマスクした状態で、第1表面21aおよび第2表面21bに塗布した後、実施例1と同様に、乾燥と焼成を繰り返して、両面に酸化イリジウム触媒を形成した電極基材を得る。この電極基材を、反応電極面積が3cm×4cmの大きさに切り出して、第1電極(陽極)20とする。
第1電極(陽極)20以外は、実施例1と同様にして電解装置10を作製した。
この電解装置を用いて、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電解効率が70%以上と高く維持され、酸性水中の塩分濃度は0.05%以下を維持している。第1隔膜の劣化がほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができた。
(実施例4)
電極基材21に板厚T1が1mmの平坦なチタン板を用い、このチタン板をエッチングすることにより、図13に示した第1電極20を作製する。
図13に示すように、複数の第1凹部70は、細長い直線状に形成され、第1方向X、例えば、水平鉛直方向、に延びている。複数の第1凹部70は、互いに平行に並んで設けられている。各第1凹部70の開口幅W1は例えば0.4mm、第1凹部70の配列方向YのピッチP1は0.5mm、第1凹部70の深さD1は、基材21の板厚Tの半分より浅く、例えば、0.1〜0.2mmに形成している。
第2表面21b側に形成された複数の第2凹部72は、細長い直線状に形成され、第1方向Xと交差する方向、例えば、第1方向Xと直交する第2方向Yに延びている。各第2凹部72の開口幅W3は、第1凹部70の開口幅W1よりも充分に大きく、例えば2.4mm、第2凹部72の配列方向XのピッチP2は3mm、第2凹部72の深さD2は、基材21の板厚Tの半分より深く、例えば、0.6〜0.7mmに形成している。第2凹部72は、1.2mmの貫通幅開口長さで複数の第1凹部70に連通している。
上記のように第1凹部70および第2凹部72を形成した電極基材21を予め10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理する。塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液に電極基材をディッピングした後、実施例1と同様に、乾燥と焼成を繰り返して、全面に酸化イリジウム触媒を形成した電極基材を得る。そののち、第1表面21aを研磨して触媒を除去した。この電極基材を、反応電極面積が3cm×4cmの大きさに切り出して、第1電極(陽極)20とする。
第1電極(陽極)20以外は、実施例1と同様にして電解装置10を作製した。
この電解装置を用いて、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電解効率が70%以上と高く維持され、酸性水中の塩分濃度は0.05%以下を維持している。第1隔膜の劣化がほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができた。
(比較例1)
酸化チタンの絶縁被膜を設けないことを除いては、実施例1と同様にして第1電極および電解装置を作製した。この電解装置を用いて、電流1.5Aで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を、陰極側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後では、電解効率が50%以下に低下し、酸性水中の塩分濃度が1%を超えてしまい、第1隔膜(電解質膜)が劣化してしまった。
(比較例2)
第1電極(陽極)と第1隔膜(陰イオン交換膜)との間に厚さ80μmの不織布を設けたことを除いて、比較例1と同様にして電解装置を作製した。この電解装置を用いて、電流1.5Aで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を、陰極側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後では、電解効率が50%以下に低下し、酸性水中の塩分濃度が1%を超えてしまい、第1隔膜が劣化してしまった。
(比較例3)
第1表面21aの触媒を除去しないことを除いては、実施例4と同様にして第1電極および電解装置を作製した。この電解装置を用いて、電流1.5Aで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を、陰極側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後では、電解効率が50%以下に低下し、酸性水中の塩分濃度が1%を超えてしまい、第1隔膜(電解質膜)が劣化してしまった。
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、第1電極および第2電極は、矩形状に限定されることなく、他の種々の形状を選択可能である。第1電極の第1孔部および第2孔部は、矩形状に限定されることなく、円形、楕円形等、他の種々の形状としてもよい。各構成部材の材料は、前述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、他の材料を適宜選択可能である。

Claims (28)

  1. 第1表面と、この第1表面と反対側に位置する第2表面と、それぞれ前記第1表面および第2表面に開口する複数の貫通孔と、を有する第1電極と、
    前記第1電極の第1表面に対向して設けられた第2電極と、
    前記第1電極と第2電極との間に設けられ、少なくとも陰イオンを通過させる隔膜と、を備え、
    前記第1電極の第1表面は、少なくとも電解についての反応不活性部を有し、
    前記反応不活性部は、触媒が担持されない部分で構成されている電極ユニット。
  2. 前記第1表面と前記隔膜との距離をDとしたとき、前記第1表面の、少なくとも前記貫通孔の周縁からの距離LがL≧1.5×Dである部分が反応不活性部である請求項1に記載の電極ユニット。
  3. 前記反応不活性部は、絶縁性部分で構成されている請求項1又は2に記載の電極ユニット。
  4. 前記反応不活性部は、前記第1表面の少なくとも一部に絶縁層が形成された絶縁層形成部で構成されている請求項3に記載の電極ユニット。
  5. 前記絶縁層が、pHが2以上6以下の領域においてゼータ電位が負となる材料で形成される請求項4に記載の電極ユニット。
  6. 前記第1電極の前記第2表面は、電解についての反応不活性部を有している請求項1からのいずれか1項に記載の電極ユニット。
  7. 前記第1電極の第1表面は、電解についての反応活性部と反応不活性部とを有している請求項1からのいずれか1項に記載の電極ユニット。
  8. 前記反応活性部は、前記第1表面の少なくとも一部に導電性を有する金属触媒あるいは酸化物触媒が塗布された触媒塗布部で構成されている請求項に記載の電極ユニット。
  9. 前記第1表面において、前記反応活性部は、前記各貫通孔の周囲に位置する請求項7又は8に記載の電極ユニット。
  10. 前記第1電極は、2種類以上の異なる幅の線状部を有する網目構造を有し、最も細い線状部の表面が前記反応活性部を構成している請求項7又は8に記載の電極ユニット。
  11. 前記第1電極は、前記第1表面に形成された複数の凹部を有し、前記第1表面が前記反応不活性部を構成し、前記各凹部の底面が前記反応活性部を構成している請求項7又は8に記載の電極ユニット。
  12. 前記第1電極の前記第1表面の周縁部が反応不活性部であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電極ユニット。
  13. 電解室を有する電解槽と、
    前記電解室内に配置された請求項1から12のいずれか1項に記載の電極ユニットと、
    を備える電解装置。
  14. 前記電解室にはハロゲン元素を含む電解質液が充填され、電解によりハロゲン化合物を生成する請求項13に記載の電解装置。
  15. 前記電極ユニットは、前記電解室を電解液が供給される陰極室と水が供給される陽極室とに区画する少なくとも陰イオンを通過させる第1隔膜を備え、
    前記第1電極は前記第1隔膜に対向して前記陽極室内に配置され、前記第2電極は前記第1隔膜に対向して前記陰極室内に配置されている請求項13又は14に記載の電解装置。
  16. 前記電極ユニットは、前記電解室を電解質液が供給される中間室と水が供給される陽極室とに区画する少なくとも陰イオンを通過させる第1隔膜と、前記電解室を前記中間室と水が供給される陰極室とに区画する少なくとも陽イオンを通過させる第2隔膜と、を備え、前記第1電極は前記第1隔膜に対向して前記陽極室内に配置され、前記第2電極は前記第2隔膜に対向して前記陰極室内に配置されている請求項13又は14に記載の電解装置。
  17. 前記第1電極の前記第1表面の前記貫通孔のある領域の周縁部が反応不活性部である請求項15又は16に記載の電解装置。
  18. 電解装置に用いる電極であって、
    第1表面と、この第1表面と反対側に位置する第2表面と、それぞれ前記第1表面および第2表面に開口する複数の貫通孔と、を備え、
    前記第1表面は、電解についての反応活性部と反応不活性部とを有し、
    前記反応不活性部は、触媒が担持されない部分で構成されている電極。
  19. 前記第1表面と隔膜との距離をDとしたとき、前記第1表面の、少なくとも前記貫通孔の周縁からの距離LがL≧1.5×Dである部分が反応不活性部である請求項18に記載の電極。
  20. 前記反応活性部と前記反応不活性部は、導電性部分と絶縁性部分とでそれぞれ構成されている請求項18又は19に記載の電極。
  21. 前記反応不活性部は、前記第1表面の少なくとも一部に絶縁層が形成された絶縁層形成部で構成されている請求項20に記載の電極。
  22. 前記絶縁層が、pHが2以上6以下の領域においてゼータ電位が負となる材料で形成される請求項21に記載の電極。
  23. 前記反応活性部は、触媒が担持された部分で構成されている請求項18又は19に記載の電極。
  24. 前記反応活性部は、前記第1表面の少なくとも一部に導電性を有する金属触媒あるいは酸化物触媒が塗布された触媒塗布部で構成されている請求項23に記載の電極。
  25. 前記反応活性部は、前記第1表面において、前記各貫通孔の周囲に位置する請求項18から24のいずれか1項に記載の電極。
  26. 2種類以上の異なる幅の線状部を有する網目構造を有し、最も細い線状部の表面が前記反応活性部を構成している請求項18から24のいずれか1項に記載の電極。
  27. 前記第1表面に形成された複数の凹部を有し、前記第1表面が前記反応不活性部を構成し、前記各凹部の底面が前記反応活性部を構成している請求項18から24のいずれか1項に記載の電極。
  28. 前記第2表面は、電解についての反応不活性部を有している請求項18から27のいずれか1項に記載の電極。
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