JP6542265B2 - 多孔質隔膜、その製造方法、次亜塩素酸水製造用電極ユニット、及びそれを用いた次亜塩素酸水製造装置 - Google Patents

多孔質隔膜、その製造方法、次亜塩素酸水製造用電極ユニット、及びそれを用いた次亜塩素酸水製造装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、多孔質隔膜、その製造方法、次亜塩素酸水製造用電極ユニット、及びそれを用いた次亜塩素酸水製造装置に関する。
近年、水や塩を電解して様々な機能を有する電解水、例えば、アルカリイオン水、オゾン水または次亜塩素酸水などを生成する電解装置が提供されている。この中で次亜塩素酸水は殺菌性が強いが安定であり、次亜塩素酸塩と異なり残渣がないことから食品、衛生、農業分野等への幅広い応用が期待されている。次亜塩素酸水製造装置は、主に、電解槽と、電解槽内に設けられた電極ユニットとを備えている。
例えば、3室型の電解槽を有する次亜塩素酸水製造装置が提案されている。この電解槽は、電極ユニットを構成する陽イオン交換膜および陰イオン交換膜によって、中間室と、この中間室の両側に位置する陽極室および陰極室との3室に仕切られている。陽極室および陰極室には、電極ユニットの陽極および陰極がそれぞれ設けられている。電極として、金属板基材にエクスパンド、エッチング、あるいはパンチングによって多数の貫通孔を加工した多孔構造の電極が用いられている。
このような次亜塩素酸水製造装置では、例えば、中間室に塩水を流し、陽極室および陰極室にそれぞれ水を流通する。中間室の塩水を陰極および陽極で電解することで、陽極で次亜塩素酸水を生成するとともに、陰極室で水酸化ナトリウム水や水素を生成する。生成した次亜塩素酸水は殺菌消毒水として、水酸化ナトリウム水は洗浄水として活用される。
3室型の次亜塩素酸水製造装置では、陰イオン交換膜は塩素や次亜塩素酸により化学的に劣化しやすい。そのため、電極と電解質膜との間に、オーバーラップや切り込みを入れた不織布を挿入して、塩素による電極の劣化を低減する技術が提案されている。
また、平坦な電極上にゾル、ゲルで多孔質の無機酸化物膜を形成し、塩素イオンを通りにくくして塩素イオンの反応を防ぎ、水のみを通りやすくする水電解用電極ユニットが知られている。
しかしながら、上述した構成の次亜塩素酸水製造装置では、長期間の運転により、電極ユニットの劣化が生じることは避けられない。
特開2012−172199号公報 特開2006−322053号公報 特開平11−100688号公報 特開2014−12889号公報
本発明の実施形態の課題は、長寿命の多孔質隔膜、その製造方法、次亜塩素酸製造用電極ユニットとこれを用いた次亜塩素酸製造装置を提供することにある。
実施形態にかかる次亜塩素酸水製造用電極ユニットは、第1表面と、前記第1表面と反対側に位置する第2表面と、前記第1表面に開口する複数の第1孔部と、前記第2表面に開口しているとともに、前記第1孔部よりも大径の複数の第2孔部と、を有し、1つの前記第2孔部に複数の前記第1孔部が連通している陽電極と、前記陽電極に対向して配置された陰電極と、pHが2から6までの領域の中でゼータ電位が正を示す第1の無機酸化物を含有する第1の多孔質隔膜とを具備し、
前記第1の無機酸化物は、前記第1の多孔質隔膜の内部よりも前記第1の多孔質隔膜の表面に高密度で分布している。
実施形態に係る次亜塩素酸水製造装置の一例を概略的に示す図である。 実施形態に使用可能な次亜塩素酸水製造装置の電極ユニットの分解斜視図である。 実施形態に係る無機酸化物を含有する多孔質隔膜のイオン輸送を示す模式図である。 酸化チタンのゼータ電位とpHとの関係を表すグラフ図である。 酸化ジルコニウムのゼータ電位とpHとの関係を表すグラフ図である。 実施形態に使用される電極と多孔質隔膜の構成の一例を表す模式図である。 実施形態に使用される第1電極及び多孔質隔膜製造工程の一例を表す模式図である。 実施形態に使用される第1電極及び多孔質隔膜製造工程の一例を表す模式図である。 実施形態に使用される第1電極及び多孔質隔膜製造工程の一例を表す模式図である。 実施形態に使用される第1電極及び多孔質隔膜製造工程の一例を表す模式図である。 実施形態に使用される第1電極及び多孔質隔膜製造工程の一例を表す模式図である。 実施形態に使用される第1電極及び多孔質隔膜製造工程の一例を表す模式図である。 実施形態に係る多孔質隔膜の断面の一例を示す図である。 実施形態に係る角が丸いひし形の貫通孔を持つ電極の一例を表す図である。 実施形態に係る角が丸いひし形の貫通孔を持つ電極の一例を表す図である。 実施形態に係る電解装置の他の一例を概略的に示す図である。 実施形態に使用される多孔質隔膜の製造方法の一例を表す図である。 実施形態に使用される多孔質隔膜の製造方法の一例を表す図である。 実施形態に使用される多孔質隔膜の製造方法の一例を表す図である。 実施形態に使用される電極の製造方法の一例を表す図である。 実施形態に使用される電極の製造方法の一例を表す図である。 実施形態に使用される電極の製造方法の一例を表す図である。 実施形態に使用される電極の製造方法の一例を表す図である。 実施形態に係る電極装置の一例を概略的に示す図である。
実施形態にかかる次亜塩素酸水製造用電極ユニットは、陽電極と、陽電極に対向して配置された陰電極と、陽電極の陰電極側に形成された第1の多孔質隔膜とを含む。
第1の多孔質隔膜は、pHが2から6までの領域の中でゼータ電位が正の第1の無機酸化物を含有する。
また、実施形態にかかる次亜塩素酸水製造用電極ユニットは、陰電極の陽電極側に形成された第2の多孔質隔膜をさらに含むことができる。
第2の多孔質隔膜は、pHが8から10までの領域の中でゼータ電位が負の第2の無機酸化物を含有することができる。
第1の無機酸化物として、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコン及びアルミニウム酸化物から選択される少なくとも1つを用いることができる。
第2の無機酸化物として、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、タングステン酸化物、ゼオライト、ジルコン及びゼオライトから選択される少なくとも1つを用いることができる。
第1の無機酸化物は、第1の多孔質隔膜の内部よりも第1の多孔質隔膜の表面に高密度で分布させることができる。
第2の無機酸化物もまた、第2の多孔質隔膜の内部よりも第2の多孔質隔膜の表面に高密度で分布させることができる。
実施形態に使用可能な陽電極の一例として、第1表面と、第1表面と反対側に位置する第2表面を有し、第1表面には複数の第1孔部が開口し、第2表面には第1孔部よりも大径の複数の第2孔部が開口し、1つの第2孔部に複数の第1孔部が連通しているものがあげられる。
第1の多孔質隔膜として、第1の孔径を有する第1の多孔質層と、第1の多孔質層上に形成され、第1の孔径とは異なる第2の孔径を有する第2の多孔質層とを含む多層膜を使用することができる。
また、第2の多孔質隔膜として、第3の孔径を有する第3の多孔質層と、第3の多孔質層上に形成され、第3の孔径とは異なる第4の孔径を有する第4の多孔質層とを含む多層膜を使用することができる。
第1の多孔質隔膜は、第1の無機酸化物とは異なる第3の無機酸化物をさらに含むことができる。また、第1の無機酸化物と第3の無機酸化物の比率が第1の多孔質隔膜の表面と内部で異なることが可能である。
第3の無機酸化物は、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコン及びアルミニウム酸化物から選択できる。
また、第2の多孔質隔膜は、第2の無機酸化物とは異なる第4の無機酸化物をさらに含むことができる。また、第2の無機酸化物と第4の無機酸化物の比率が第1の多孔質隔膜の表面と内部で異なることが可能である。
第4の無機酸化物は、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、タングステン酸化物、ゼオライト、ジルコン及びゼオライトから選択できる。
陽電極と陰電極との間に、液体もしくは固体電解質を保持する手段をさらに設けることができる。
第1の多孔質隔膜の表面ゼータ電位を、pH4において−30mVより大きくすることができる。
陽電極と第1の多孔質隔膜の間に電解触媒からなる第1の触媒層をさらに含むことができる。また、第1の触媒層とは反対側の前記陽電極の表面に第2の触媒層をさらに含むことができる。第1の触媒層の単位面積当たりの量と、第2の触媒層の単位面積当たりの量とが異なることも可能である。
実施形態に係る次亜塩素酸水製造装置は、上記次亜塩素酸水製造用電極ユニット、電極に電圧を印加するための電源、及び制御装置を含む。
実施形態に係る多孔質隔膜は、上記第1の多孔質薄膜及び上記第2の多孔質薄膜のうち少なくとも一方に使用可能であって、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜のうち少なくとも1種の多孔質膜と、多孔質膜上に形成された、ガラス繊維及びフッ素系ポリマーを含有する多孔質複合膜とを含む多孔質積層体と、
多孔質積層体の少なくとも一方の面に形成された、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、及びジルコンからなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物を含む被覆層とを含む。
多孔質隔膜は0.1mL/min/cm/MPa以上6mL/min/cm/MPa 以下の透水性を有することができる。
ガラス繊維としてガラスクロスを用いることができる。
多孔質膜は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、ゼオライト、及びジルコンからなる群から選択される少なくとも1種の粒子を含むことができる。
また、実施形態に係る多孔質膜の製造方法は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜のうち少なくとも1種の多孔質膜上にガラス繊維を積層する工程と、ガラス繊維を介して多孔質膜上にフッ素系ポリマー含有液を塗布し、多孔質膜上にガラス繊維及びフッ素系ポリマーからなる複合膜を形成する工程と、多孔質膜と複合膜の積層体の少なくとも一方の表面に無機酸化物前駆体溶液を適用し、無機酸化物を含む被覆層を形成する工程とを含む。
積層する工程として加熱プレスを用いることができる。
無機酸化物前駆体溶液を適用し、無機酸化物を含む被覆層を形成する工程では、無機酸化物前駆体溶液を塗布した後、加熱することができる。
以下に、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。例えば図では電極は平面上に描かれているが、電極ユニットの形状に合わせて彎曲してもよいし、円筒状になっていてもよい。
図1は、実施形態に係る次亜塩素酸水製造装置の一例を概略的に示す図である。
次亜塩素酸製造装置10は、3室型の電解槽11および電極ユニット12を備えている。電解槽11は、偏平な矩形箱状に形成され、その内部は、隔壁14および電極ユニット12により、陽極室16と陰極室18と、電極間に形成された中間室19との3室に仕切られている。
電極ユニット12は、陽極室16内に位置する第1電極(陽極)20と、陰極室18内に位置する第2電極(対向電極、陰極)22と、第1電極20の第1表面21a上に触媒層28が形成されてもよい。その上に形成されたpHが2から6までの領域の中でゼータ電位が正の無機酸化物を含有している多孔質隔膜24を有する。第2電極22の第1表面23aに形成されたpHが8から10までの領域の中でゼータ電位が負の無機酸化物を含有する多孔質隔膜27と、を有してもよい。第1電極20および第2電極22は、隙間をおいて互いに平行に対向し、これらの多孔質隔膜24、27間に、電解液を保持する中間室(電解液室)19を形成していてもよい。中間室19内に、電解液を保持する保持体25を設けても良い。第1電極20および第2電極22は、絶縁性を有する複数のブリッジ60により、互いに連結してもよい。
次亜塩素酸水製造装置10は、電極ユニット12の第1および第2電極20、22に電圧を印加するための電源30、およびこれを制御する制御装置36を備えている。電流計32、電圧計34を備えてもよい。陽極室16、陰極室18には液体の流路を設けても良い。陽極室16、陰極室18には、外部から液体を供給、排出するための配管やポンプ等を接続してもよい。また、場合により、電極ユニット12と陽極室16あるいは陰極室18との間に多孔質のスペーサーを設けてもよい。
電極ユニット12において、第1電極20および第2電極22は、多孔構造に構成されている。電極ユニット12の第1電極20は多孔構造を有し、その貫通孔は、第1表面21a側と第2表面21b側とで開口径が相違していてもよい。
図1に示すように、第1電極20は、例えば、矩形状の金属板からなる基材21に多数の貫通孔を形成した多孔構造を有している。基材21は、第1表面21aおよび、第1表面21aとほぼ平行に対向する第2表面21bを有している。第1表面21aと第2表面21bとの間隔、すなわち、板厚はT1に形成されている。第1表面21aは多孔質隔膜24に対向し、第2表面21bは陽極室16に対向する。
基材21の第1表面21aに複数の第1孔部40が形成され、第1表面21aに開口している。また、第2表面21bに複数の第2孔部42が形成され、第2表面21bに開口している。多孔質隔膜24側となる第1凹部40の開口径R1は、第2凹部42の開口径R2よりも小さい。凹部の数は第1凹部40が第2凹部42よりも多く形成されていることが好ましい。多孔質隔膜への凹部の端による応力が緩和され多孔質隔膜の寿命が増大する。また、第2凹部の数を少なくできることから電気抵抗を低減でき、配線の代わりや機械的な保持にも有利となる。
第1孔部40の深さはT2、第2孔部42の深さはT3であり、T2+T3=T1に形成されている。また、実施形態において、T2<T3に形成されている。
第1孔部40は、例えば、矩形状に形成され、第1表面21aにマトリクス状に並んで設けられている。各第1孔部40を規定している周壁は、孔部の底から開口に向かって、すなわち、第1表面21aに向かって、径が広くなるようなテーパー面あるいは湾曲面により形成してもよい。
図では第1凹部40と第2凹部42が連結した貫通孔が形成されているが、連結されていない凹部や、一部が連結された凹部があってもよい。基材21は同一基材であり、異なる基材を一部溶接などして積層させた電極ではない。異なる基材を積層させた場合には基材接触面に次亜塩素酸が滞留しやすく生成効率が低下する。また接合箇所に電流集中しやすく触媒劣化が起こりやすい。
図2は、実施形態に使用可能な次亜塩素酸水製造用電極ユニットの分解斜視図である。
実施形態において、図2で示すように複数、例えば、9個の第1孔部40が、1つの第2孔部42と対向して設けられている。これら9個の第1孔部40は、それぞれ第2孔部42に連通し、第2孔部42と共に基材21を貫通する貫通孔を形成している。隣り合う第1孔部40間の間隔W1は、第2孔部42間の間隔W2よりも小さく設定されている。これにより、第1表面21aにおける第1孔部40の数密度は、第2表面21bにおける第2孔部42の数密度よりも充分に大きい。
なお、第1孔部40は、矩形状に限定されることなく、他の形状としてもよい。第1孔部40は、規則的に限らず、ランダムに並んで形成してもよい。更に、全ての第1孔部40が第2孔部42に連通している構成に限らず、第2孔部42に連通していない第1孔部を含んでいてもよい。
第1孔部40の開口としては小さい方が圧力を均一化するためには好ましいが、物質拡散を阻害するためある程度の大きさは必要であり、正方形とした場合の開口の一辺が0.1mmから2mmが好ましく、より好ましくは0.2mmから1.5mmであり、さらに好ましくは0.3mmから1mmである。開口としては正方形、長方形、ひし形、円、楕円等と様々な形状を用いることができるが、開口面積としては上記正方形の開口面積と同じ、0.01mmから4mmのものが好ましい。開口も含めた電極面積に占める開口面積の割合(開口率)は0.05から0.5が好ましく、0.1から0.4がより好ましく、0.15から0.3がさらに好ましい。開口率が小さすぎるとガス抜けが困難になる。開口率が大きすぎると電極反応が阻害される。
第2孔部42は、例えば、矩形状に形成され、第2表面21bにマトリクス状に並んで設けられている。各第2孔部42を規定している周壁は、孔部の底から開口に向かって、すなわち、第2表面側に向かって、径が広くなるようなテーパー面42aあるいは湾曲面により形成してもよい。隣り合う第2孔部42間の間隔、すなわち、電極の線状部の幅、はW2に設定されている。なお、第2孔部42は、矩形状に限定されることなく、他の種々の形状としてもよい。また、第2孔部42は、規則的に限らず、ランダムに並んで形成してもよい。
第2孔部42の開口も正方形、長方形、ひし形、円、楕円等と様々な形状を用いることができる。第2孔部42の開口としては大きい方がガス抜けをよくするためには好ましいが、電気抵抗が大きくなるためあまり大きくはできない。正方形の開口とすると一辺が1mmから40mmが好ましく、より好ましくは2mmから30mmであり、さらに好ましくは3mmから20mmである。開口としては正方形、長方形、ひし形、円、楕円等と様々な形状を用いることができるが、開口面積としては上記正方形の開口面積と同じ、1mmから1600mmのものが好ましい。長方形や楕円のように一方向に長くして電極の端から端につながるような開口も可能である。
多孔質隔膜24は、例えば、第1電極20とほぼ等しい寸法の矩形状に形成され、第1表面21aの全面と対向している。多孔質隔膜27は、第2電極22とほぼ等しい寸法の矩形状に形成され、第1表面23aの全面と対向している。多孔質隔膜24、27は、孔径の異なる複数の多孔質隔膜の積層膜を用いてもよい。
第1電極20の基材21としては、チタン、クロム、アルミニウムやその合金等の弁金属、導電性金属を用いることができる。この中ではチタンが好ましい。第1電極20の第1表面21aおよび第2表面21bに電解触媒(触媒層)28を形成する。陽極触媒としては、白金等の貴金属触媒や酸化イリジウム等の酸化物触媒を用いることが好ましい。電解触媒の単位面積当たりの量が第1電極の両面で異なるように形成してもよい。これにより副反応等を抑制することができる。基材21の表面粗さは、0.01μmから3μmが好ましい。0.01μm以下では電極の実質の表面積が減少する。3μm以上では電極の凸部に多孔質隔膜に対する応力が集中しやすくなる。より好ましくは0.02μmから2μmであり、さらに好ましくは0.03μmから1μmである。電極の平坦性は無機酸化物を含有する化学的には安定であるがもろい多孔質隔膜にとって重要である。
図3に、実施形態に使用可能な多孔質隔膜におけるイオン輸送を模式的に表す図を示す。
多孔質隔膜24にはpHが2から6までの領域においてゼータ電位が正の無機酸化物が含有されている。pH2から6までの次亜塩素酸は殺菌性が大きいため、電解条件は陽極水がこのpH範囲に入るように調整されることが好ましい。より好ましくはpHが3から6までであり、さらに好ましくはpHが4から6までである。図3でチタン酸化物の例で示す模式図のように、このpH領域の陽電極近傍では、塩化物イオン(Cl)に対する多孔質隔膜内部における輸送性能が増大し、次亜塩素酸(HClO)を生成し、陽極20を通過して陽極室へと送られる。逆に、ナトリウムイオンは多孔質隔膜内部に入りにくくなる。このため、実施形態によれば、pHが2から6までの領域の中でゼータ電位が正の無機酸化物が含有する多孔質隔膜を使用することにより、イオン交換膜を使用しなくても、塩化物イオンを陽極室に選択的に透過させることができる。
なお、pH2未満では塩素ガスが発生しやすくなり危険性が増す。pH6を越えると殺菌性が低下する。
図4に酸化チタンのゼータ電位のpH依存性を表すグラフ図、図5に酸化ジルコニウムのゼータ電位のpH依存性を表すグラフ図を各々示す。
図示するように、酸化チタンや酸化ジルコニウムは、酸性領域では正にアルカリ性領域では負になる。
pH2から6までの領域の中でゼータ電位が正の無機酸化物としては、種々のものを用いることができる。例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化銅、酸化鉄、及びジルコン(ジルコニウムとケイ素の複合酸化物)等を用いることができる。この中では、酸化ジルコニウムおよび酸化チタン、ジルコンが化学的安定性から好ましい。酸化ジルコニウムは曲げ耐性にも強くさらに好ましい。
無機酸化物中には水酸化物やアルコキシド、オキシハロゲン化物、水和物が含まれていてもよい。無機酸化物を、金属ハロゲン化物や金属アルコキシドの加水分解を経て作製する場合には、後処理の温度にもよるがこれらの混合物になりやすい。
無機酸化物は多孔質隔膜中における分布が一様でなくてもよい。例えば孔の周りや表面に無機酸化物が多く存在することができる。たとえば表面における無機酸化物の面積被覆率は50から100%であり、多孔質隔膜内部における断面の無機酸化物の比率は表面より少なく20から80%であってもよい。無機酸化物として異なる金属酸化物の混合物を使用することができる。また存在個所が異なっていてもよい。たとえば表面には曲げ強度の大きい酸化ジルコニウムを含有する層が存在し、内部には正の電位の絶対値の大きい酸化チタンが含有された層が存在することが可能である。
多孔質隔膜の表面のゼータ電位としてはpH4においてー30mVより大きいことが好ましい。pH2ではー30mVより値は大きくなるためpH4の値が重要である。−30mVより小さいと多孔質隔膜に電圧をかけても塩化物イオンが多孔質隔膜内部に入りにくい。あまり高電圧をかけると電解反応で副反応が起こりやすくなる。より好ましくは−15mVより大きいことであり、さらに好ましくは正である。
実施形態では、陰電極上の陽電極側に別の多孔質隔膜をさらに配置することが可能であり、この多孔質隔膜はpHが8から10までの領域の中でゼータ電位が負の無機酸化物を含有することができる。これにより、弱アルカリ領域の陰極近傍において多孔質隔膜内のナトリウムイオンやプロトンなどの陽イオンの輸送性能が増し、イオン交換膜を使用しなくてもナトリウムイオンやプロトンなどの陽イオンを陰極室に選択的に透過させることができる。
pHが8から10までの領域の中でゼータ電位が負の無機酸化物としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化タングステン、ジルコン、及びゼオライトを用いることができる。この無機酸化物として、異なる金属酸化物の混合物を使用することができる。また存在個所が異なっていてもよい。たとえば表面には曲げ強度の大きい酸化ジルコニウムを含有する層が存在し、内部には負の電位のpH範囲が広い酸化シリコンや酸化タングステンが含有された層が存在することが可能である。
無機酸化物の多孔質隔膜24は、ナノ粒子を塗布して膜を形成することにより、あるいは、ゾルーゲルで作製することにより、面内および立体的にも不規則的な孔を有することができる。この場合、多孔質隔膜24は、曲げ等にも強くなる。多孔質隔膜24には、無機酸化物の他に、ポリマーが含まれていてもよい。ポリマーは膜に柔軟性を与える。このようなポリマーとしては、化学的に安定な主鎖にハロゲン原子が置換したものが好ましく、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(登録商標)等が好ましい。その他、ポリマーとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素ポリマー、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド等の所謂エンジニアリングプラスチックを用いることができる。
多孔質隔膜24の孔径は、第1電極20側の開口径と第2電極22側の開口径とが異なっていてもよい。孔の第2電極22側の開口径をより大きくすることにより、イオンの移動をより容易にするとともに第1電極20の貫通孔13による応力集中を低減することができる。これは電極22側の開口が大きい方が拡散によるイオン移動が容易になるからである。陰イオンは電極20側の孔径が小さくても比較的容易に電極に引き寄せられる。逆に電極20側の孔径が大きいと生成した次亜塩素酸等が多孔質隔膜側に拡散しやすくなってしまう。
多孔質隔膜の表面の孔径は高分解能の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いることにより測定できる。また内部の孔は断面SEM観察により測定できる。
図6に、実施形態に使用される電極と多孔質隔膜の構成の一例を表す模式図を示す。
図6に示すように、多孔質隔膜24は、第1電極20の第1表面21a部分を覆う第1領域24aと、貫通孔40の開口を覆う第2領域24bと、を有している。21a部分では発生する塩素等のガスが排出されにくい。そのため、電極ユニット12が劣化しやすい。そこで、多孔質隔膜24において、第1領域の表面孔を無くす、すなわち、無孔に形成するか、あるいは、第1領域24aにおける表面孔の径を第2領域における孔の径よりも小さくすることにより、第1領域24aと接する領域での電解反応を抑制し電極ユニット12の劣化を防止することができる。無孔に形成するか、あるいは孔の径を小さくするには、第1電極の第1表面21aにスクリーン印刷等で別途薄い無孔膜や孔径の小さい多孔質隔膜を形成することができる。ただし、電極の反応面積が少なくなるため、ガスが抜けやすい部分の電極領域で十分な反応が起こるようにすることができる。また。第1電極20の多孔質隔膜24と反対側の第2表面21bを電気絶縁性膜で覆うことにより、副反応を低減することが可能である。
多孔質隔膜24として、孔径の異なる複数の多孔質隔膜を積層した多層膜を用いてもよい。この場合、第2電極22側に位置する多孔質隔膜の孔径を、第1電極20側に位置する多孔質隔膜の孔径よりも大きくすることにより、イオンの移動をより容易にするとともに電極の貫通孔による応力集中を低減することができる。
上記のように構成された第1電極20と第2電極22との間に多孔質隔膜24を挟んだ状態で、これらをプレスすることにより、第1電極20、多孔質隔膜24、第2電極22が接して、電極ユニット12が得られる。
図1で示したように、電極ユニット12は、電解槽11内に配設され、隔壁14に取付けられている。隔壁14と電極ユニット12とにより、電解槽11内を陽極室16と陰極室18に仕切っている。これにより、電極ユニット12は、構成部材の配置方向が、例えば、水平方向となるように、電解槽11内に配設されている。電極ユニット12の第1電極20は、陽極室16に臨んで配置され、第2電極22は、陰極室18に臨んで配置されている。
電解装置10において、電源30の両極は第1電極20と第2電極22に電気的に接続されている。電源30は、制御装置36による制御の下、第1および第2電極20、22に電圧を印加する。電圧計34は、第1電極20と第2電極22に電気的に接続され、電極ユニット12に印加される電圧を検出する。その検出情報は、制御装置36に供給される。電流計32は、電極ユニット12の電圧印加回路に接続され、電極ユニット12を流れる電流を検出する。その検出情報は制御装置36に供給される。制御装置36は、メモリに記憶されたプログラムに従い、前記検出情報に応じて、電源30による電極ユニット12に対する電圧の印加もしくは負荷を制御する。電解装置10は、陽極室16および陰極室18に反応対象物質が供給された状態で、第1電極20と第2電極22との間に電圧を印加あるいは負荷して、電解のための電気化学反応を進行させる。
以上のように構成された電解装置および電極ユニットによれば、イオンの選択的な輸送効率が高く、化学的に安定な無機酸化物を含有する多孔質隔膜24を設けることにより、第1電極20と第2電極22との距離をできるだけ一定に保ち、液体の流れも均一化することができる。これにより、電解反応が電極界面で均一に起こることが可能となる。電解反応が均一に起こることから、触媒の劣化や電極金属の劣化が均一に生じ、電極ユニットの寿命を長くすることができる。また、電解反応をむらなく均一に生じさせ、電解装置の反応効率向上および電極の劣化防止を図ることができる。
多孔構造の第1電極20において、第1表面側の開口が広くなるテーパー面や湾曲面で貫通孔を形成することにより、貫通孔の開口との多孔質隔膜24との接触角が鈍角となり、多孔質隔膜24への応力集中を低減することもできる。
図7Aないし図7Fに、実施形態に使用される第1電極及び多孔質薄膜の製造工程の一例を表す模式図を各々示す。
第1電極20および多孔質膜24は、以下のように製造することができる。
第1電極20は、例えば、マスクを用いたエッチング法により作製することができる。図7A及び図7Bに示すように、1枚の平坦な基材21を用意し、基材21の第1表面21aおよび第2表面21bにレジスト膜50a、50bを塗布する。図7Cに示すように、図示しない光学マスクを用いてレジスト膜50a、50bを露光し、それぞれエッチング用のマスク52a、52bを作製する。図7Dに示すように、これらマスク52a、52bを介して、基材21の第1表面21aおよび第2表面21bを溶液によりウェットエッチングすることにより、複数の第1孔部40および複数の第2孔部42を形成する。その後、マスク52a、52bを除去することにより、第1電極20が得られる。
第1および第2孔部40、42のテーパーや湾曲面の形状は基材21の材質やエッチング条件により制御することができる。エッチングの条件によっては逆テーパー状の形状も可能である。第1孔部40の深さはT2、第2孔部42の深さはT3であり、T2<T3となるように、第1および第2孔部を形成する。なお、エッチングにおいては、基材21の両面を同時にエッチングしてもよく、あるいは、片面ずつエッチングしてもよい。エッチングの種類は、ウェットエッチングに限らず、ドライエッチングなどを用いても良い。また、エッチングに限らず、エクスパンド法、パンチング法、あるいは、レーザーや精密切削などによる加工で第1電極20を製造することも可能である。
第1電極20の表面に触媒28が形成された第1表面21a上に多孔質隔膜24を形成する一例としては、まず、図7Eに示すように、無機酸化物粒子および/もしくは無機酸化物前駆体を含有する溶液を第1表面21aに塗布して前処理膜24cを作製する。次いで、図7Fに示すように、前処理膜24cを焼結して多孔を有する多孔質隔膜24を作製する。
無機酸化物前駆体を含有する溶液を作製する方法としては、例えば金属のアルコキシドをアルコールに溶解させ、多孔質構造を作製するためにグリセリン等の高沸点の溶媒を加え、あるいは、焼結する際に酸化して炭酸ガスになりやすい脂肪酸等の有機物を混合して、溶液を作製することができる。また、溶液は、少量の水を添加して金属アルコキシドを部分的に加水分解させて粘度を上昇させることにより、電極の多孔を覆うことができる。
多孔質隔膜24を形成するには、別の多孔質膜に無機酸化物粒子および/もしくは無機酸化物前駆体を含有する溶液を塗布することができる。もしくは第1電極20の第1表面21a上にあらかじめ大きな孔を有する多孔質膜を形成し、その表面および孔を無機酸化物粒子およびもしくは無機酸化物前駆体で覆うようにすることができる。さらにまたは、上記方法により電解液を保持する保持体25上に無機酸化物を有する多孔質隔膜を形成することができる。またこれらを組み合わせることができる。
無機酸化物粒子および/または無機酸化物前駆体を含有する溶液を塗布する方法としては、刷毛塗りやスプレー、ディッピング等を使用することができる。前処理膜24cを焼結して多孔を作製する工程では、焼結温度は100〜600℃程度にすることができる。
以上の構成や製造方法等により長期間に亘って高効率な次亜塩素酸製造性能を維持できる長寿命の電極ユニットとこれを用いた次亜塩素酸製造装置を提供することができる。
なお、第1電極および第2電極は、矩形状に限定されることなく、他の種々の形状を選択可能である。第1電極の第1孔部および第2孔部は、矩形状に限定されることなく、円形、楕円形等、他の種々の形状としてもよい。各構成部材の材料は、前述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、他の材料を適宜選択可能である。
図8は、実施形態に係る多孔質隔膜の構成を示す断面を表す模式図である。
図示するように、多孔質隔膜24は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜から選択される少なくとも1つの多孔質膜51と、ガラス繊維54およびフッ素系ポリマー(例えばポリテトラフルオロエチレンもしくはポリフッ化ビニリデン)55からなる多孔質複合膜52との積層体であって、上記積層体の表面が少なくとも酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、及びジルコンいずれかの無機酸化物53で被覆されている。
多孔質隔膜24は、例えば、第1電極20とほぼ等しい寸法の矩形状に形成され、第1表面21aの全面と対向している。多孔質隔膜27は、第2電極22とほぼ等しい寸法の矩形状に形成され、第1表面23aの全面と対向している。
多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜から選択される少なくとも1つの多孔質膜51はベースの膜として用いることができる。これらは延伸等によって多孔構造が作製されるが一般に孔の大きさの制御が難しい傾向がある。また、機械的な強度が弱いために、水圧等で伸びて孔径が変化する傾向がある。ガラス繊維は化学的に安定であり、また強度も大きいため水圧等にも変化が少ない。これにフッ素系ポリマーを混合して複合膜とすることにより、孔径の調整と化学的及び機械的強度を得ることができる。上記の中では多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜とポリフッ化ビニリデン複合膜の積層が最も好ましい。
実施形態に係る多孔質薄膜を用いると、化学的に安定なガラス繊維をフッ素系ポリマーと混合して複合膜とし、さらに多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜から選択される多孔質膜と積層させることにより、孔径の調整と、酸化に強い化学的強度と、機械的強度が可能となり、長寿命の多孔質隔膜、その製造方法、次亜塩素酸製造用電極ユニットとこれを用いた次亜塩素酸製造装置が得られる。
多孔質隔膜の透水性は0.1 mL/min/cm/MPa以上 6 mL/min/cm/MPa 以下であることが好ましい。0.1 mL/min/cm/MPaより小さいとイオンの透過量も小さくなり駆動電圧が大きくなる。6 mL/min/cm2/MPaより大きいと、電解水中の塩の濃度が高くなりすぎる。より好ましくは0.3 mL/min/cm/MPa以上4 mL/min/cm/MPa 以下であり、さらに好ましいのは0.5 mL/min/cm/MPa以上2 mL/min/cm/MPa 以下である。
多孔質隔膜としてはイオン選択性のある膜を使用できる。多孔質隔膜は無機酸化物が被覆されている他に、内部に含むことができる。特に陽電極側の多孔質隔膜にはpHが2から6までの領域の中でゼータ電位が正の無機酸化物を使用することができる。これにより、化学的に安定で弱酸性領域で陰イオンに対する多孔質隔膜の輸送性能を増大させることができる。
無機酸化物として、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、ジルコン、酸化銅、酸化鉄およびこれらの混合酸化物を用いることができる。好ましくは、化学的安定性が良好な無機酸化物として、酸化ジルコニウム、酸化チタン、ジルコンを用いることができる。この中で、曲げ耐性が良好な無機酸化物として、酸化ジルコニムがさらに好ましい。無機酸化物は、水酸化物やアルコキシド、オキシハロゲン化物、水和物を含むことができる。金属ハロゲン化物や金属アルコキシドの加水分解を経て無機酸化物を作製すると、後処理の温度によっては、これらの混合物になることがある。
多孔質隔膜中における無機酸化物の存在比率が場所によって異なることが可能である。例えば孔の周りや表面に無機酸化物の存在比率を多くすることができる。
無機酸化物はジルコンのような複合酸化物や異なる無機酸化物の混合物を使用することができる。また、多孔質隔膜は、異なる2種以上の酸化物をさらに含み、各酸化物の存在比率が多孔質隔膜の位置によって異なることも可能である。たとえば表面には曲げ強度の大きい酸化ジルコニウムを含有する領域が存在し、内部には正の電位の絶対値の大きい酸化チタンが含有された領域が存在することができる。
図9A及び図9Bに、図1の第1電極20として使用可能な電極の一例を表す模式図を示す。
図9Aは、第1電極20を第2表面21bから見た図である。
図9Bは、貫通孔の断面を表す模式図である。
図中、貫通孔は、第1凹部40と第2凹部42が連結したものである。
第1電極20に設けられた所定の複数の貫通孔は例えば、図9Bに示すように角が丸まったひし形である。開口は光学顕微鏡を用いて測定できる。この場合、第1凹部40の形状も貫通孔と同様に角が丸まったひし形である。凹部断面は内部が狭くなるテーパーや曲線状にすることができる。
次亜塩素酸が生成する陽極での素反応は、Mを触媒として
M+HO→M−OH+H+e …(1)
M−OH→M−O+H+e …(2)
M−O+Cl+H→M+HClO …(3)
トータルとして
O+Cl→HClO+H+2e …(4)
である。
一方、陰極では
2HO+2e→H+2OH …(5)
全反応は陽イオンもいれて
2NaCl+3HO→HClO+HCl+2NaOH+H …(6)
である。
一方、陽極では酸素が発生する副反応も同時に起こる場合があり、その反応は
M+HO→M−OH+H+e …(1)
M−OH→M−O+H+e …(2)
2M−O→2M+O …(7)
トータルとして、
2HO→O+2H++2e …(8)
である。
反応に必要な塩化物イオンの濃度が小さいと反応式(7)の反応が起こりやすくなる。したがって、次亜塩素酸を効率よく生成するには塩化物イオンの濃度を高くすることが必要である。塩化物イオンは多孔質隔膜側から供給され、電極の遮蔽部では溜まり、拡散により開口から外部に流出する。このため、塩化物イオンの濃度を上げるには多孔質隔膜中の塩化物イオンの移動を容易にすることが重要である。
実施形態の貫通孔の形状としてはどのような形状も可能であるが、端が丸い長方形であるか、楕円もしくは角が丸いひし形が好ましい。このような形状では端が丸いため隔に対する応力集中が起こりにくい。また開口間隔を密にすることができると、開口率を高くすることができる。
貫通孔の開口面積は0.01mmから4mmまでにすることができる。0.01mmより小さいとガスや次亜塩素酸などの反応生成物の外部への排出が困難になり、部材の劣化等が起こりやすくなる。4mmより大きいと電気抵抗が大きくなり、電極反応の効率が低下する傾向がある。好ましくは0.1mmから1.5mmである。より好ましくは0.2mmから1mmである。
第2凹部の開口面積は1〜1600mmにすることができる。好ましくは4mmから900mmであり、より好ましくは9mmから400mmである。長方形や楕円のように一方向に長くしてシール部を除く電極の端から端につながるような凹部も可能である。
第2凹部42の開口は正方形、長方形、ひし形、円、楕円等と様々な形状を用いることができる。第2凹部42の開口径は大きい方が次亜塩素酸やガス抜けをより良好にし得るけれども、電気抵抗が大きくなることから、あまり大きくはできない。第2凹部62の開口としては、図示するように、長方形や楕円のように一方向に長くしてシール部を除く電極の端から端につながるような凹部も可能である。
また第1凹部63の開口も正方形、長方形、ひし形、円、楕円等と様々な形状を用いることができる。図示するように、長方形や楕円のように一方向に長くしてシール部を除く電極の端から端につながるような開口も可能である。
第1凹部と第2凹部の端から端につながるような2つの凹部が直交していてもよいし平行であってもよい。直行しているとガス拡散がしやすい。平行になっていると塩化物イオンを溜めやすい。直交とは87度から93度の角度で交差することであり、平行とは交差角が3度以内である。
多孔構造の第1電極20において、第1表面側の開口が広くなるテーパー面や湾曲面で貫通孔を形成することにより、貫通孔の開口との多孔質隔膜24との接触角が鈍角となり多孔質隔膜24への応力集中を低減することもできる。
図10は、実施形態に係る電解装置の他の一例を概略的に示す図である。
図10に示すように、図1の構成に加えて、陽極室16、陰極室18には液体の流路を設けても良い。また、場合により、電極ユニット12と陽極室16あるいは陰極室18との間に多孔質のスペーサーを設けてもよい。また電解槽11に塩化物イオンを含む電解質を導入するラインL1、塩水溜107、電解槽に水を供給するラインL2およびL3、電解槽から酸性電解水を取り出すラインL4、及び電解槽からアルカリ性電解水を取り出すラインL5をさらに設けてもよい。また塩化物イオンを含む電解質を循環するためのラインL7を設けてもよいし、排出するためのラインを設けてもよい。また、軟水器109および、軟水器109に吸着剤再生用の酸性電解水を酸性電解水溜106から供給するためのラインL6をさらに設けてもよい。軟水機は陰極側に供給する水にのみ用いてもよい。さらに、アルカリ電解水を貯蔵すためのタンクを設けてもよい。また酸性の廃液とアルカリ性の廃液を混合して中性に近づけるためのタンクを設けてもよい。各ラインには水質センサー70を設置してもよい。
上記構成の多孔質隔膜24の製造方法の一例を以下に説明する。
図11Aから図11Cに、実施形態に係る多孔質隔膜の製造方法の一例を表す図を示す。
図11Aに示すような多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜から選択される少なくとも1つの多孔質膜51を用意する。次に、図11Bにしめすように、多孔質膜51とガラス繊維54を積層する。続いて、図11Cに示すように、フッ素系ポリマーの含有液を塗布してフッ素系ポリマー塗布層を作製する。その後、それを乾燥してガラス繊維54とフッ素系ポリマー層55の複合多孔質膜52を作製する。次に、複合多孔質膜52表面に無機酸化物前駆体溶液を塗布し、加熱することにより図8に示すような多孔質隔膜24を製造する。
多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜から選択される少なくとも1つの多孔質膜51とガラス繊維54の積層にはホットプレスを適用することが好ましい。特にホットローラープレスを適用することが好ましい。多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜や多孔質ポリフッ化ビニリデン膜に対しては100℃から130℃が好ましく、多孔質ポリエチレン膜に対しては60℃から80℃が好ましい。
フッ素系ポリマー含有液を塗布する工程はディップコート、スプレーコート、バーコート、ドロップコート、スクリーン印刷等がある。ディップコートが量産性や制御性から好ましい。スプレーコート、バーコート、ドロップコート、スクリーン印刷では、基材にPETなど若干疎水性のポリマーやガラスを用いることが好ましく、塗布、乾燥させた多孔質隔膜前駆体を基材と簡便に剥離することができる。
無機酸化物前駆体が金属アルコキシドであることが好ましい。多孔質隔膜前駆体に金属アルコキシドのアルコール溶液を塗布し加熱することにより多孔質隔膜を製造する。金属アルコキシドのアルコール溶液を塗布する工程として、ディップコート、スプレーコート、バーコート、ドロップコート、スクリーン印刷等があげられる。ディップコートが量産性や制御性から好ましい。加熱は多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜に対しては200℃から300℃が好ましく、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜に対しては100℃から130℃が好ましく、多孔質ポリエチレン膜に対しては80℃から100℃が好ましい。なお、近赤外線ランプで加熱することが多孔質ポリエチレン膜に対しては特に好ましく表面温度だけを高温にすることができる。
図12Aから図12Dに、実施形態に係る第1電極の製造方法を示す。
第1電極20は、例えば、マスクを用いたエッチング法により作製することができる。
図12A及び図12Bに示すように、1枚の平坦な基材21を用意する。
基材21の第1表面21aおよび第2表面21bにレジスト膜50a、50bを塗布する。
図12Cに示すように、図示しない光学マスクを用いてレジスト膜50a、50bを露光し、それぞれエッチング用のマスク52a、52bを作製する。光学マスクによって開口面積や開口率は規定される。
図12Dに示すように、これらマスク52a、52bを介して、基材21の第1表面21aおよび第2表面21bを溶液によりウェットエッチングすることにより、複数の第1凹部40および複数の第2凹部42を形成する。その後、マスク52a、52bを除去することにより、第1電極20が得られる。第1凹部40及び第2凹部42の平面形状は光学マスクおよびエッチング条件により制御することができる。マスクを設計することにより電極内の開口率や開口面積、開口形状等は自由に制御できる。
第1および第2凹部40、42のテーパーや湾曲面の形状、および断面曲率は基材21の材質やエッチング条件により制御することができる。第1凹部40の深さをT2、第2凹部42の深さをT3とするとき、T2<T3となるように、第1および第2凹部を形成する。なお、エッチングにおいては、基材21の両面を同時にエッチングしてもよく、あるいは、片面ずつエッチングしてもよい。エッチングの種類は、ウェットエッチングに限らず、ドライエッチングなどを用いても良い。また、エッチングに限らず、エクスパンド法、パンチング法、あるいは、レーザーや精密切削などによる加工で第1電極20を製造することも可能であるがウェットエッチング法が最も好ましい。なお、別の方法で電極を作製しておいてからウェットエッチングで第1凹部や第2凹部のエッジ部の曲率半径を所定の値に調整することもできる。
実施形態に使用される第1電極20の基材21としては、チタン、クロム、アルミニウムやその合金等の弁金属、導電性金属を用いることができる。陽極に用いる場合には、特にチタンが好ましい。陰極に用いる場合にはチタン、クロム、アルミニウム、その他の合金及びステンレス等が好ましい。この中がSUS316LやSUS310Sなど水素脆化を起こしにくいステンレスが特に好ましい。
第1電極20の第1表面21aおよび第2表面21bに電解触媒(触媒層)28を形成する。陽極触媒としては、白金等の貴金属触媒や酸化イリジウム等の酸化物触媒を用いることが好ましい。陽極触媒を作製する前に電極を陽極酸化により微小な酸化膜の凹凸を作製することが触媒と基材との密着性を上げることから好ましい。
第1電極と第1の多孔質隔膜の間に設けられた電解触媒からなる第1の触媒層、及び第1の触媒層とは反対側の第1電極の表面に設けられ、第1の触媒層とは単位面積当たりの量が異なる第2の触媒層をさらに含むことができる。
電解触媒の単位面積当たりの量が第1電極の両面で異なるように形成してもよい。これにより副反応等を抑制することができる。
陽電極の多孔質膜側の表面(第1表面)が凹部を除いて略平坦であることが好ましい。平坦部の表面粗さは、0.01μmから3μmが好ましい。0.01μmより小さいと電極の実質の表面積が減少する傾向があり、3μmより大きいと電極の凸部に多孔質隔膜に対する応力が集中しやすくなる傾向がある。より好ましくは0.02μmから2μmであり、さらに好ましくは0.03μmから1μmである。
上記のように構成された第1電極20と第2電極22との間に多孔質隔膜24を挟んだ状態で、これらをプレスすることにより、第1電極20、多孔質隔膜24、第2電極22が接して、電極ユニット12が得られる。
図1で示したように、電極ユニット12は、電解槽11内に配設され、隔壁14に取付けられている。隔壁14と電極ユニット12とにより、電解槽11内を陽極室16と陰極室18に仕切っている。これにより、電極ユニット12は、構成部材の配置方向が、例えば、水平方向となるように、電解槽11内に配設されている。電極ユニット12の第1電極20は、陽極室16に臨んで配置され、第2電極22は、陰極室18に臨んで配置されている。
電解装置10において、電源30の両極は第1電極20と第2電極22に電気的に接続されている。電源30は、制御装置36による制御の下、第1および第2電極20、22に電圧を印加する。電圧計34は、第1電極20と第2電極22に電気的に接続され、電極ユニット12に印加される電圧を検出する。その検出情報は、制御装置36に供給される。電流計32は、電極ユニット12の電圧印加回路に接続され、電極ユニット12を流れる電流を検出する。その検出情報は制御装置36に供給される。制御装置36は、メモリに記憶されたプログラムに従い、検出情報に応じて、電源30による電極ユニット12に対する電圧の印加もしくは負荷を制御する。電解装置10は、陽極室16および陰極室18に反応対象物質が供給された状態で、第1電極20と第2電極22との間に電圧を印加あるいは負荷して、電解のための電気化学反応を進行させる。
次に、種々の実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
電極基材21として、板厚T1が0.5mmの平坦なチタン板を用意する。
このチタン板を図7Aないし図7Fに示す工程と同様にしてようにエッチングすることにより、図1と同様の構成を有する電極20を作製する。電極20において、小径の第1孔部40を含んだ領域の厚み(第1孔部の深さ)は0.15mm、大径の第2孔部42を含んだ領域の厚み(第2孔部の深さ)は0.35mmである。第1孔部40は正方形とし、正方形の頂点は丸まっているが、直線部を外挿して得られる正方形の一辺R1は0.57mm、第2孔部42は正方形とし、正方形の頂点は丸まっているが、直線部を外挿して得られる正方形の一辺R2は2mmである。隣り合う第1孔部40間に形成される線状部の幅W1は0.1mm、隣り合う第2孔部42間に形成される幅広の線状部の幅W2は1.0mmである。
このエッチングされた電極基材21を10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理する。塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、電極基材21の第1表面21aに刷毛で塗布した後、乾燥、焼成して触媒層28を作成する。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なう。こうした塗布、乾燥、焼成を5回繰り返した電極基材を、反応電極面積が3cm×4cmの大きさに切り出して、第1電極(陽極)20とする。なお電極20の21b表面にも密度は小さいが一部触媒層が形成される。この触媒層は水分子を電解してpHを下げるのに役立つ。
テトライソプロポキシチタン(IV)に氷浴下でエタノールおよびジエタノールアミンを加え、攪拌しながらエタノール混合水を滴下してゾルを作製する。ゾルの粘性を増加させ、熱処理による多孔質化を良好にするため、ポリエチレングリコール(分子量5000)を室温にもどしたゾルに添加し、多孔質隔膜塗布材料を得る。得られた多孔質隔膜塗布材料を第1電極20の第1表面21aに刷毛で塗布して塗布膜を形成する。塗布膜を500℃で7分間焼成する。多孔質隔膜塗布材料の塗布と焼成を3回繰り返した後、500℃で1時間焼成して酸化チタンからなる多孔質隔膜24を得る。酸化チタンの各pHにおけるゼータ電位は例えば図4のグラフで表される。ゼータ電位は電気泳動法 (マルバーン社製 ゼータサイザーナノZS)により測定し、pHは純水に塩酸および水酸化ナトリウムを加えて酸性側からアルカリ性側に測定する。
上記電極作製において、触媒層として酸化イリジウムを作製する代わりに白金をスパッタすること以外は第1電極と同様にして第2電極(対向電極、陰極)22を形成する。その上に上記と同様にして、酸化チタン膜からなる多孔質隔膜27を作製する。
これらの第1電極20および第2電極22電極を用いて図1で示した電極ユニット12を作製する。電解液を保持する保持体25として、厚さ5mmの多孔質ポリスチレンを用いる。これら第1および第2電極、多孔質隔膜、多孔質ポリスチレンをシリコーンシール剤用いて重ね合わせて固定し、電極ユニット12とする。この電極ユニット12を用いて図1と同様の構成を有する電解装置10を作製する。
電解槽11の陽極室16および陰極室18は、それぞれストレート流路が形成された塩化ビニル製の容器で形成している。電極ユニット12に制御装置36、電源30、電圧計34、電流計32を設置する。さらに、陽極室16および陰極室18に水を供給するための配管とポンプを電解槽11に接続し、電極ユニット12の保持体(多孔質ポリスチレン)25に飽和食塩水を循環供給するための飽和食塩水タンクと配管、ポンプを電極ユニットに接続することにより、電解装置10が得られる。
得られた電解装置10を用いて、電圧4V、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電圧上昇や生成物濃度の変化はほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができる。
(実施例2)
多孔質隔膜として厚さ100μmのガラス布に粒径100〜500μmの酸化チタン粒子とポリフッ化ビニリデン粒子の水分散混合液を塗布して乾燥する。さらにテトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液に漬けて大気中に引き上げる。大気中80℃で1時間乾燥し多孔質隔膜を作成する。この多孔質隔膜は断面SEMの観察から表面および孔表面の方が無機酸化物が多く、また孔径は小さい。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−12mVである。
多孔質隔膜塗布材料を第1及び第2電極に各々塗布及び焼成して作製する多孔質隔膜のかわりに、上記多孔質隔膜をそれぞれ使用すること以外は実施例1と同様にして電極ユニットを形成する。この電極ユニットを用いて図1と同様の構成を有する電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電圧4.4V、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電圧上昇や生成物濃度の変化はほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができる。
(実施例3)
厚さ5mmの多孔質ポリスチレンを用意する。この多孔質ポリスチレンに粒径100〜500μmの酸化ジルコニウム粒子の水分散液に超音波をかけて分散させながら、両側から交互に吸引ろ過し、多孔に酸化ジルコニウム粒子を吸着させる。図5に酸化ジルコニムのゼータ電位のpH依存性を示す。テトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液に漬けて大気中に引き上げる。大気中80℃で1時間乾燥し多孔質隔膜を作成する。
多孔質隔膜塗布材料を第1及び第2電極に各々塗布及び焼成して作製する多孔質隔膜のかわりに、上記多孔質隔膜をそれぞれ使用すること以外は実施例1と同様にして電極ユニットを形成する。この電極ユニットを用いて図1と同様の構成を有する電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電圧4.2V、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電圧上昇や生成物濃度の変化はほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができる。
(実施例4)
テトライソプロポキシチタン(IV)の代わりトリイソプロキシアルミニウムを用いることを除いては実施例1と同様にして電解装置10を作製する。
この電解装置を用いて、電圧4.0V、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電圧上昇や生成物濃度の変化はほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができる。
(実施例5)
酸化ジルコニウム粒子の代わりにジルコン粒子を用いることを除いては実施例3と同様にして電解装置10を作製する。
この電解装置を用いて、電圧4.2V、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電圧上昇や生成物濃度の変化はほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができる。
(実施例6)
第1の多孔質隔膜として実施例2と同様にして多孔質隔膜を作製する。次に、第2の多孔質隔膜として厚さ100μmのガラス布に粒径100nm〜1μmの酸化タングステン微粒子とポリフッ化ビニリデン粒子の水分散混合液を塗布して乾燥して作製する。
上記多孔質隔膜をそれぞれ使用すること以外は実施例2と同様にして電極ユニットを形成する。この電極ユニットを用いて図1と同様の構成を有する電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電圧4.1V、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電圧上昇や生成物濃度の変化はほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができる。
(実施例7)
第1の多孔質隔膜として実施例2と同様にして多孔質隔膜を作製する。次に第2の多孔質隔膜として厚さ100μmのガラス布に粒径100nm〜1μmの酸化タングステン微粒子とポリフッ化ビニリデン粒子の水分散混合液を塗布して乾燥する。次にテトライソポロポキシシランの5%イソプロパノール溶液に漬けて大気中に引き上げる。大気中80℃で1時間乾燥し第2の多孔質隔膜を作成する。
上記多孔質隔膜をそれぞれ使用すること以外は実施例2と同様にして電極ユニットを形成する。この電極ユニットを用いて図1と同様の構成を有する電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電圧4.0V、電流1.5Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水酸化ナトリウム水を生成する。1000時間の連続運転後でも、電圧上昇や生成物濃度の変化はほとんど見られず、安定した電解処理を実行することができる。
(比較例1)
多孔質隔膜塗布材料を第1及び第2電極に各々塗布及び焼成して作製する多孔質隔膜の代わりに、多孔質ポリスチレン膜を用いることを除いては、実施例1と同様にして電解装置を作製した。
この電解装置を用いて、電圧4V、電流1.5Aで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を、陰極側では水酸化ナトリウム水を生成する。陽極側には塩化ナトリウムの混入が見られる。1000時間の連続運転後では、電圧の大幅上昇や生成物濃度の低下が見られ、長期安定性に欠ける。
(比較例2)
テトライソプロピキジルコニウム(IV)の代わりにテトライソプロポキシシランを用いることを除いては、実施例2と同様にして第1の多孔質隔膜を作製し、その他は実施例2と同様にして電解装置を作製した。
この第1の多孔質隔膜のゼータ電位はpH4において−40mVである。この電解装置では、電圧5V、電流1.5Aと電解に必要な電圧が高い。
(実施例8)
厚さ30μmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(住友電工 ポアフロン HPW−010-30)に厚さ75μmのガラスクロス(日東紡 3313)を100℃で機械プレスして一体化する。ガラスクロスと共にプレスされたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜を、ポリテトラフルオロエチレン微粒子分散液 (三井・デュポン フロロケミカル 31−JR)を2倍に希釈した分散液中にディップコートして200℃で20分間加熱する。ポリテトラフルオロエチレン微粒子の添加量は 16mg/cmである。次に、この多孔質膜を、テトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液にディップコートし、大気中200℃で一時間乾燥し、多孔質隔膜24と27を作成する。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−10mVである。またpH8から10におけるゼータ電位は−40mVである。透水性は0.5mL/min/cm/MPaである。
第1電極の基材21として、板厚T1が0.5mmの平坦なチタン板を用意する。
このチタン板を図11Aから図11Cに示す工程と同様にして、エッチングすることにより、第1の実施形態に使用可能な第1電極20を作製する。電極は水流方向の長さが15cmで幅が10cmである。
第1電極20のうち、面積の小さい第1凹部40を含んだ領域の厚み(第1凹部の深さ)は0.1mm、面積の大きい第2凹部42を含んだ領域の厚み(第2凹部の深さ)は0.4mmである。第1凹孔部40は、図9A及び図9Bで示すような角の丸いひし形(外挿したひし形の頂点の角度は60°と120°)である。貫通孔も角の丸いひし形である。第2凹部42もひし形であり、ひし形の一辺は約3.6mmである。
このエッチングされた電極基材21を10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理する。さらに1M硫酸アンモニウムと0.5Mフッ化アンモニウムの混合水溶液中で2時間10Vで陽極酸化する。次に、塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、電極基材21の第1表面21aに塗布した後、乾燥、焼成して触媒層28を作成する。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なう。こうした塗布、乾燥、焼成を5回繰り返した電極基材を第1電極(陽極)20とする。
酸化イリジウム触媒層28を作成する代わりに、触媒層として白金をスパッタすること以外は第1電極21と同様にして、第2電極(対向電極、陰極)22を形成する。電解液を保持する保持体25として、厚さ5mmの多孔質ポリスチレンを用いる。これら第1電極20、多孔質隔膜24、多孔質ポリスチレン25、多孔質隔膜27、第2電極22をシリコーンパッキンおよびネジを用いて重ね合わせて固定し、電極ユニット12を作成する。この電極ユニット12を電解槽11内に載置し、隔壁14および電極ユニット12により、陽極室16と陰極室18と、電極間に配置された多孔質ポリスチレン25が設けられた中間室19との3室に仕切られる。
電解槽11の陽極室16および陰極室18は、それぞれストレート流路が形成された塩化ビニル製の容器で形成している。制御装置36、電源30、電圧計34、電流計32を設置する。給水源106から陽極室16および陰極室18に水を供給するための配管とポンプを電解槽11に接続し、給水ライン104,105を確保する。さらに、陽極室16から次亜塩素酸水を取り出すラインL4および陰極室18からアルカリ性水を取り出すラインL5を設けることができる。電極ユニット12の保持体(多孔質ポリスチレン)25に飽和食塩水を循環供給するための飽和食塩水タンク107と配管、ポンプを電極ユニットに接続し、電解槽に塩化物イオンを含む電解質を導入するラインL1と、余剰の電解質を回収するライン108を確保する。また、水質センサー70として酸性電解水の出口ラインには導電率センサーをアルカリ性電解水の出口ラインにはpHセンサーを設置する。これにより、図10と同様の構成を有する電解装置が得られる。
電解装置10を用いて、流量5L/分、電圧7.5V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の2000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また、多孔質隔膜の透水性の上昇率は0%(測定誤差内)である。
(比較例3)
ガラスクロスを用いる代わりにポリフェニレンスルフィドクロスを用いることを除いては実施例8と同様にして電解装置を作製する。流量5L/分、電圧7.5V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の1300時間連続稼働では、電解水中の塩分濃度が急上昇し、多孔質隔膜が破断する。
(実施例9)
ポリテトラフルオロエチレン分散液を用いる代わりにポリフッ化ビニリデン分散液を用いることを除いては実施例8と同様に多孔質隔膜を作製する。ポリフッ化ビニリデン微粒子の添加量は 18mg/cmである。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−14mVである。また、pH8から10におけるゼータ電位は−45mVである。透水性は1.0mL/min/cm/MPaである。この多孔質隔膜を用いて実施例1と同様にして電解装置を作製する。流量5L/分、電圧7.8V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の1000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また、多孔質隔膜の透水性の上昇率は2%である。
(実施例10)
多孔質隔膜として厚さ100μmのポリエチレン多孔質膜(日東電工 サンマップ LC)に厚さ75μmのガラスクロス(日東紡 3313)を80℃で機械プレスして一体化する。ガラスクロスと共にプレスされたポリテトラフルオロエチレン多孔質膜に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子分散液 (三井・デュポン フロロケミカル 31−JR)を2倍に希釈した分散液をドロップコートして100℃で20分間加熱する。ポリテトラフルオロエチレン微粒子の添加量は14mg/cmである。次に、得られた多孔質膜をテトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液中にディップコートし、大気中100℃で一時間乾燥し、多孔質隔膜24と27を作成する。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−5mVである。また、pH8から10におけるゼータ電位は−30mVである。透水性は5mL/min/cm/MPaである。この多孔質隔膜を用いて実施例1と同様にして電解装置を作製する。流量5L/分、電圧8.5V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の1000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また、多孔質隔膜の透水性の上昇率は5%である。
(比較例4)
ポリエチレン多孔質膜の代わりにポリプロピレン・ポリエチレン複合多孔質膜を用いることを除いては実施例10と同様に電解装置を作製する。流量5L/分、電圧8.7V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の640時間連続稼働で電解水中の塩分濃度が急上昇し、多孔質隔膜が破断する。
(実施例11)
ディップコートの速度を早くしてポリテトラフルオロエチレン微粒子の添加量を13mg/cmにする他は実施例8と同様にしてガラスクロスと共にプレスされた多孔質膜にをポリテトラフルオロエチレン微粒子分散液をディップコートする。ディップコート後、得られた多孔質膜にテトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液をディップコートし、大気中200℃で一時間乾燥し、多孔質隔膜24と27を作成する。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−10mVである。また、pH8から10のおけるゼータ電位は−40mVである。透水性は4mL/min/cm/MPaである。この多孔質隔膜を用いて実施例1と同様にして電解装置を作製する。流量5L/分、電圧8.2V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の1000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また、多孔質隔膜の透水性の上昇率は1%である。
(実施例12)
多孔質隔膜として厚さ30μmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(住友電工 ポアフロン HPW−010-30)に厚さ75μmのガラスクロス(日東紡 3313)を100℃で機械プレスして一体化する。ポリテトラフルオロエチレン微粒子分散液 (三井・デュポン フロロケミカル 31−JR)を2倍に希釈した分散液に粒径200nmの酸化チタン微粒子を10wt%混合する。この多孔質膜を混合分散液中にディップコートして200℃で20分間加熱する。ポリテトラフルオロエチレンおよび酸化チタン微粒子の添加量は 18mg/cmである。次に、得られた多孔質膜をテトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液中にディップコートし、大気中300℃で一時間乾燥し、多孔質隔膜24と27を作成する。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−7mVである。また、pH8から10のおけるゼータ電位は−45mVである。透水性は0.4mL/min/cm/MPaである。この多孔質隔膜を用いて実施例8と同様にして電解装置を作製する。流量5L/分、電圧7.2V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の1000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また、多孔質隔膜の透水性の上昇率は1%である。
(実施例13)
多孔質隔膜としてポリフッ化ビニリデン多孔質膜(巴工業)に厚さ75μmのガラスクロス(日東紡 3313)を100℃で機械プレスして一体化する。ポリテトラフルオロエチレン微粒子分散液 (三井・デュポン フロロケミカル 31−JR)を2倍に希釈した分散液に粒径200nmの酸化チタン微粒子を10wt%混合する。この多孔質膜を混合分散液中にディップコートして200℃で20分間加熱する。ポリテトラフルオロエチレンおよび酸化チタン微粒子の添加量は 18mg/cmである。次に、得られた多孔質膜をテトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液中にディップコートし、大気中300℃で一時間乾燥し、多孔質隔膜24と27を作成する。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−5mVである。また、pH8から10のおけるゼータ電位は−40mVである。透水性は0.3mL/min/cm/MPaである。この多孔質隔膜を用いて実施例8と同様にして電解装置を作製する。流量5L/分、電圧7.4V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の1000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また、多孔質隔膜の透水性の上昇率は1%である。
(実施例14)
多孔質隔膜として厚さ30μmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(住友電工 ポアフロン HPW−010-30)に厚さ75μmのガラスクロス(日東紡 3313)を100℃で機械プレスして一体化する。ポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドンの10%溶液に粒径100nmの酸化ジルコニウム微粒子を10wt%混合する。この多孔質膜を混合溶液中にディップコートして真空中で100℃で10分間加熱する。ポリフッ化ビニリデンおよび酸化ジルコニム微粒子の添加量は 16mg/cmである。次に、得られた多孔質膜をテトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液中にディップコートし、大気中300℃で一時間乾燥し、多孔質隔膜24と27を作成する。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−8mVである。また、pH8から10のおけるゼータ電位は−45mVである。透水性は0.3mL/min/cm/MPaである。この多孔質隔膜を用いて実施例8と同様にして電解装置を作製する。流量5L/分、電圧7.0V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の1000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また、多孔質隔膜の透水性の上昇率は1.5%である。
(実施例15)
多孔質隔膜として厚さ30μmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜(住友電工 ポアフロン HPW−010-30)と厚さ100μmのポリエチレン多孔質膜(日東電工 サンマップ LC)を積層し、ポリエチレン多孔質膜側に厚さ75μmのガラスクロス(日東紡 3313)を80℃で機械プレスして一体化する。ポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドンの10%溶液に粒径100nmの酸化ジルコニウム微粒子を10wt%混合する。この多孔質膜を混合溶液中にディップコートして真空中で100℃で10分間加熱する。ポリフッ化ビニリデンおよび酸化ジルコニム微粒子の添加量は17mg/cmである。次に、得られた多孔質膜をテトライソプロポキシジルコニウム(IV)の5%イソプロパノール溶液中にディップコートし、大気中300℃で一時間乾燥し、多孔質隔膜24と27を作成する。この多孔質隔膜表面のpH4におけるゼータ電位は−10mVである。また、pH8から10のおけるゼータ電位は−40mVである。透水性は0.2mL/min/cm/MPaである。この多孔質隔膜を用いて実施例8と同様にして電解装置を作製する。流量5L/分、電圧7.5V、電流30Aで電解を行い、第1電極(陽極)20側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)22側では水素および水酸化ナトリウム水を生成する。この装置の1000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また、多孔質隔膜の透水性の上昇率は0.5%である。

(実施例16)
図13に示すように、この電解装置310では、電解槽11の代わりに、陰極室318及び陰極室318を取り囲むように配置された陽極室316を有し、流路及び配管もなく自然対流により水流が形成されるバッチ型の電解槽311を使用すること以外は、図1と同様の構成を有する。陽極室316および陰極室318の容量は、それぞれ2L、0.1Lであり、実施例1と同様に作製される電極ユニットを用いる。ただし電極のサイズは4x3cmである。
電圧7.3V、電流2,6Aで5分間、電解を行い、第1電極(陽極)側では次亜塩素酸水を、第2電極(陰極)側では水素および水酸化ナトリウム水生成する。この装置の1000時間連続稼働では電圧の上昇は見られない。また多孔質隔膜の透水性の変化も見られない。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜のうち少なくとも1種の多孔質膜と、前記多孔質膜上に形成された、ガラス繊維及びフッ素系ポリマーからなる複合膜とを含む積層体と、
前記積層体の少なくとも一方の表面に形成された、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、及びジルコンからなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物を含む被覆層とを具備する多孔質隔膜。
[2]0.1mL/min/cm /MPa以上6mL/min/cm /MPa 以下の透水性を有する[1]に記載の多孔質隔膜。
[3]前記ガラス繊維は、ガラスクロスである[1]もしくは[2]に記載の多孔質隔膜。
[4]前記多孔質膜は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、ゼオライト、及びジルコンからなる群から選択される少なくとも1種の粒子を含む[1]から[3]のいずれか1項に記載の多孔質隔膜。
[5]多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜のうち少なくとも1種の前記多孔質膜上にガラス繊維を積層する工程と、前記ガラス繊維を介して前記多孔質膜上にフッ素系ポリマー含有液を塗布し、前記多孔質膜上に前記ガラス繊維及び前記フッ素系ポリマーからなる複合膜を形成する工程と、前記多孔質膜と前記複合膜の積層体の少なくとも一方の表面に無機酸化物前駆体溶液を適用し、無機酸化物を含む被覆層を形成する工程とを具備する多孔質隔膜の製造方法。
[6]前記積層する工程は加熱プレスを用いる[5]記載の多孔質隔膜の製造方法。
[7]陽電極と、
前記陽電極に対向して配置された陰電極と、
pHが2から6までの領域の中でゼータ電位が正を示す第1の無機酸化物を含有する第1の多孔質隔膜とを具備する次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[8]前記陰電極の陽電極側に、pHが8から10までの領域の中でゼータ電位が負の第2の無機酸化物を含有する第2の多孔質隔膜がさらに形成されている[7]に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[9]前記多孔質隔膜として[1から4までのいずれか1項]に記載の多孔質隔膜を適用する[7]もしくは[8]に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[10]前記陽電極は、第1表面と、前記第1表面と反対側に位置する第2表面と、前記第1表面に開口する複数の第1孔部と、前記第2表面に開口しているとともに、前記第1孔部よりも大径の複数の第2孔部と、を有し、1つの前記第2孔部に複数の前記第1孔部が連通している[7]から[9]のいずれか1つに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[11]前記第1孔部の開口面積が0.01mm から4mm までである[7]から[10]のいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[12]前記第1の無機酸化物は、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコン及びアルミニウム酸化物から選択される少なくとも1つである[7]から[11]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[13]前記第1の無機酸化物は、前記第1の多孔質隔膜の内部よりも前記第1の多孔質隔膜の表面に高密度で分布している[7]から[12]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[14]前記第2の無機酸化物は、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ケイ素酸化物、タングステン酸化物、ゼオライト、ジルコン及びアルミニウム酸化物の少なくともいずれか1つである[7]から[13]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[15]前記第1の多孔質隔膜は第1の孔径を有する第1の多孔質層と前記第1の孔径とは異なる第2の孔径を有する第2の多孔質層との積層である[7]から[14]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[16]前記第1の多孔質隔膜は、第1の無機酸化物とは異なる第3の無機酸化物をさらに含み、前記第1の無機酸化物と第3の無機酸化物の比率が前記第1の多孔質隔膜の表面と内部で異なる[7]から[15]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[17]前記陽電極と前記陰電極との間に液体もしくは固体電解質を保持する手段を有する[7]から[16]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水生成電極ユニット。
[18]前記第1の多孔質隔膜の表面ゼータ電位がpH4において−30mVより大きい[7]から[17]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[19]前記陽電極と第1の多孔質隔膜の間に電解触媒からなる第1の触媒層をさらに含む[7]から[18]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
[20][7]から[19]までのいずれかに記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット、電極に電圧を印加するための電源、及び制御装置を具備する次亜塩素酸水製造装置。
符号の説明
10…電解装置、11…電解槽、12…電極ユニット、14…隔壁、16…陽極室、18…陰極室、19…中間室(電解液室)、20…第1電極(陽極)、21、23…基材、22…第2電極(対向電極、陰極)、21a、23a…第1表面、21b、23b…第2表面、24、27…多孔質隔膜、25…保持体、28…触媒層、30…電源、32…電流計、34…電圧計、40、44…第1孔部、42、46…第2孔部、50…レジスト膜、51…多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質フッ化ビニリデン膜もしくは多孔質ポリエチレン膜、 52…多孔質複合膜、53…無機酸化物、54…ガラス繊維、55…フッ素系ポリマー、60…ブリッジ、70…水質センサー

Claims (15)

  1. 第1表面と、前記第1表面と反対側に位置する第2表面と、前記第1表面に開口する複数の第1孔部と、前記第2表面に開口しているとともに、前記第1孔部よりも大径の複数の第2孔部と、を有し、1つの前記第2孔部に複数の前記第1孔部が連通している陽電極と、
    前記陽電極に対向して配置された陰電極と、
    pHが2から6までの領域の中でゼータ電位が正を示す第1の無機酸化物を含有する第1の多孔質隔膜とを具備し、
    前記第1の無機酸化物は、前記第1の多孔質隔膜の内部よりも前記第1の多孔質隔膜の表面に高密度で分布している次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  2. 前記陰電極の陽電極側に、pHが8から10までの領域の中でゼータ電位が負の第2の無機酸化物を含有する第2の多孔質隔膜がさらに形成されている請求項1に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  3. 前記第2の無機酸化物は、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ケイ素酸化物、タングステン酸化物、ゼオライト、ジルコン及びアルミニウム酸化物の少なくともいずれか1つである請求項2に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  4. 前記多孔質隔膜として、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜、多孔質ポリフッ化ビニリデン膜、及び多孔質ポリエチレン膜のうち少なくとも1種の多孔質膜と、前記多孔質膜上に形成された、ガラス繊維及びフッ素系ポリマーからなる複合膜とを含む積層体と、
    前記積層体の少なくとも一方の表面に形成された、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、及びジルコンからなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物を含む被覆層とを具備する多孔質隔膜を適用する請求項1ないしのいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  5. 前記多孔質隔膜は、0.1mL/min/cm /MPa以上6mL/min/cm /MPa 以下の透水性を有する請求項4に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  6. 前記ガラス繊維は、ガラスクロスである請求項4または5に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  7. 前記多孔質膜は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、ゼオライト、及びジルコンからなる群から選択される少なくとも1種の粒子を含む請求項から6のいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  8. 前記第1孔部の開口面積が0.01mm から4mm までである請求項1から7のいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  9. 前記第の無機酸化物は、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコン及びアルミニウム酸化物から選択される少なくとも1つである請求項1から8までのいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  10. 前記第1の多孔質隔膜は第1の孔径を有する第1の多孔質層と前記第1の孔径とは異なる第2の孔径を有する第2の多孔質層との積層である請求項1から9までのいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  11. 前記第1の多孔質隔膜は、前記第1の無機酸化物とは異なる第3の無機酸化物をさらに含み、前記第1の無機酸化物と第3の無機酸化物の比率が前記第1の多孔質隔膜の表面と内部で異なる請求項1から10までのいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  12. 前記陽電極と前記陰電極との間に液体もしくは固体電解質を保持する手段を有する請求項1から11までのいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  13. 前記第1の多孔質隔膜の表面ゼータ電位がpH4において−30mVより大きい請求項1から12までのいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  14. 前記陽電極と前記第1の多孔質隔膜の間に電解触媒からなる第1の触媒層をさらに含む請求項1から13までのいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット。
  15. 請求項1から14までのいずれか1項に記載の次亜塩素酸水製造用電極ユニット、電極に電圧を印加するための電源、及び制御装置を具備する次亜塩素酸水製造装置。
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