JP5764474B2 - 電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法 - Google Patents

電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法 Download PDF

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本発明は、殺菌や洗浄等に用いられる次亜塩素酸、オゾン、過酸化水素を電解合成する装置、あるいは廃水を電解処理する電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法に関する。
[殺菌消毒液]
従来、特許文献1、特許文献2及び特許文献3などによれば、広範な環境における殺菌消毒剤として、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤が広く用いられている。中でも次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩は、価格面と効果の点で汎用されているが、医療、食品工業等、種々の分野で要求される微生物の殺菌、滅菌に対して、更にその効力を向上させるための多くの提案がなされている。通常、このような組成物は各成分を水中に添加するか、各成分を含有する水溶液を混合することで利用される。
[電解水の代替利用]
しかしながら、塩素系殺菌剤を多量に使用すると、各種の弊害が発生する。例えば大量に食材を取り扱う工場、小売店では100ppmを越える次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄を行っており、これが食材の味を損なうのみならず危険性(THM、トリハロメタンの増加)を生じさせるため問題視されている。
これを解決することを主目的として、電気分解により生成される電解水が、農業、食品、医療等の分野において有用であることが鋭意検討され、日本を中心に電解水、或いは、オゾン水への代替利用が進んでいる。クリーンな電気エネルギーを利用して、電極表面で化学反応を制御することにより、水素、酸素、オゾン、過酸化水素などを合成できるが、陽極での酸化反応では、水処理に有効な酸化剤(有効塩素、オゾンなどの過酸化物)が生成し、一部OHラジカルなどの活性種も発生することが知られている。
電解水の優れた殺菌・消毒作用に着目し、医療現場や家庭での利用、例えば患部、切開部、留置カテーテルの経皮開口部等の殺菌、消毒、あるいはキッチン用品、ベビー用品、家具等の家庭用品、トイレ、浴槽等の住居まわりの殺菌、消毒に使用することが検討されている。このような電解水は、溶解によりイオンが生じる溶質、例えば塩化ナトリウム等を添加し、また必要に応じpH調整のための酸を添加した水を、電気分解することによって得られる。
[電解水の種類]
食品添加物として認可される酸性電解水のほかに、電解質、電極の選択により複数の過酸化物を含有する電解水が合成できる。電解セルでの陽極反応は、水のみの場合、
2H2O=O2+4H++4e- (1)
の酸素発生が進行するが、触媒、電解条件によって、オゾンが生成し、これを溶解したオゾン水が合成できる。
3H2O=O3+6H++6e- (2)
塩酸、塩化物イオンを添加した場合には、式(3)及び(4)に従って次亜塩素酸が生成するが、
2Cl-=Cl2+2e- (3)
Cl2+H2O=HCl+HClO (4)
硫酸を添加した場合には式(5)の通り反応して過硫酸が生成する。
2SO4 2-=S28 2-+2e- (5)
炭酸イオンが存在する場合、式(6)の通り反応して過炭酸が生成する。
2CO3 2-=C26 2-+2e- (6)
陰極反応では、水素を過剰に溶解している水素水、アルカリイオン水などの合成が可能である。
2H++2e-=H2 (7)
2H2O+2e-=H2+2OH- (8)
また、過酸化水素などの合成も可能であり、陰極での酸素還元により、高い効率で得られることが知られている。
2+H2O+2e-→OH-+HO2 - 又はO2+2H++2e-→H22 (9)
[電解水の特徴]
非特許文献1によれば、食品添加物として認可されている電解水の種類には、
a)弱アルカリの電解次亜水(添加物名:電解次亜塩素酸ナトリウム水、20〜200ppm、pH>7.5、0.1〜2%食塩水原料、無隔膜)
b)微酸性電解水(添加物名:微酸性次亜塩素酸水、10〜30ppm、pH=5〜6.5、2〜6%塩酸原料、無隔膜)
c)強酸性電解水(添加物名:強酸性次亜塩素酸水、20〜60ppm、pH<2.7、0.2%以下食塩水原料、隔膜セル陽極水)
などがある。
添加物としての認可は現状では得られていないが、同様に有用な電解水として、3室法にて合成される弱酸性電解水(10〜50ppm、pH=2.7〜5、中間室に飽和食塩原料、アニオン交換膜とカチオン交換膜を各1枚用いる)も知られている。
酸性電解水のメリットは、
(1)THMは酸性では生成しにくいため安全性が優れている。
(2)耐性菌が発生しにくい、オンサイトで管理がしやすい。
(3)アルカリ性電解水との併用処理ができる。
(4)水道水のような感覚で利用でき、手指に匂いが残らない。
(5)直前での使用で十分(殺菌時間が短い)。
などである。これらの電解水は装置としての初期投資はかかるが、低濃度で殺菌効果が高く、有益である。
これらについては急性毒性試験、変異原性試験などでは異常がなく、水道水と差異のない安全性が検証され、2002年に食品添加物として認可されている。遊離塩素は、pHにより以下の化学平衡が成り立つ。
Cl2+H2O=H++Cl-+HClO,HClO+OH-=H2O+ClO- (10)
pH3より小さい範囲では塩素ガスの発生が無視できない。pH3〜pH7の範囲では非解離型の次亜塩素酸(HClO)が多く存在し、pH8以上では解離型(ClO-)が主成分となる。非解離型の殺菌力は解離型の10倍以上であると報告されている。薬液の次亜塩素酸ナトリウムは弱アルカリ性であり解離しているため、上記b)、c)の酸性電解水はそれよりも大きい殺菌力を有している。
2005年に家庭用電解水生成器としてのJIS規格が制定され、また、非特許文献2によれば、食材洗浄における電解水の利用が提唱された。
一方、陰極側で合成されるアルカリ性電解水の中で、飲用アルカリ性電解水(pH9.5±0.3)は、胃腸症状改善効果が比較臨床試験(二重盲検試験)により確認され、その生成器(アルカリイオン整水器)が家庭用医療機器として薬事認可されている。また、pH11〜11.5の強アルカリ性電解水は、洗浄プロセスに利用されている。
最近では中性電解水と呼ばれる中性領域の電解次亜水(20ppm、pH6.5〜7.5)も提案されている。
[オゾン水の特徴]
長期にわたる次亜塩素酸塩の使用により該薬剤に対する耐性菌(大腸菌や乳酸菌類)が生じており、殺菌効果に疑念が生じている。
オゾンガスを溶解したオゾン水は、優れた殺菌性、酸化性を有しており、塩素系剤などと比較して残留性が無く、生体への悪影響が少ないという特長をもつ。歯科分野としての応用が1934年に報告されているが、食品工場や電子部品の洗浄薬剤としては1980年代より実用化が始まった。
オゾン水は、米国FDA(食品医薬品局)では食品貯蔵、製造工程での殺菌剤として、2001年に食品添加物リストに登載され、食品工場内の殺菌、および、食品そのものの殺菌に多くの実績がある。オゾンは、国内でも製造用剤として天然食品添加物に認可されており、オゾンガスを溶解したオゾン水自体の毒性を示すデータはほとんどない。最近では、皮膚科、眼科などの医療分野においても、これまでの殺菌消毒水と同等以上の効果を発揮しつつ、生体への負荷を軽減できる点が注目されている。
オゾン製造には、無声放電法と電解法が知られている。無声放電法ではオゾン水を得るために、生成ガスを溶解させる補助手段の選定が必須となる。電解式オゾン発生器は、放電式に比較して消費電力は大きいが、水を原料として容易に高濃度オゾン水が得られる。オゾン発生用の電極触媒材料としてPbO2、Ptおよびダイヤモンド(BDD)などがある。オゾン水濃度として、0.1〜10ppmの範囲において利用されることが多い。
オゾン水のメリットとして、
(1)オゾン(OHラジカル)殺菌効果は細胞壁の酸化破壊であり無差別性のため耐性菌が存在しないといえる。
(2)残留性がない。
などがあり、必要に応じて他の残留性を有する酸化剤(次亜塩素酸塩、過硫酸塩、過炭酸塩など)と併用すれば、より有効な殺菌処理が可能となる。
[オゾン水の従来製法]
オゾン水は従来から放電型のオゾンガス発生器を用いて製造することが一般的であり、数ppmのオゾン水を容易に製造でき、浄水処理、食品洗浄分野で利用されている。しかしながら、瞬時応答性に優れたハンディかつ高濃度なオゾン水装置の発生器としては以下の理由により不適当であった。
(1)オゾンをいったんガスとして発生させ、その後、水に溶解させる2つの工程を必要とすること。
(2)後述する電解法に比較して生成オゾン濃度が低いため高圧下で水中に注入し、溶解させ、製造する必要がある。
(3)発生電源が高電圧・高周波のため、小型化しにくい。
(4)放電によるオゾン水生成装置では、オゾンガス発生能力が安定するまで時間(数分間の待機時間)を要し、瞬時に一定濃度のオゾン水を調製することが困難である。
[電解オゾン製造法]
電解法は、放電法に比較して電力原単位は劣るが、高濃度のオゾンガス及び水が容易に得られる特徴により、電子部品洗浄などの特殊分野で汎用されている。原理的に直流低圧電源を用いるため、瞬時応答性、安全性に優れており、小型のオゾンガス、オゾン水発生器としての利用が期待されている。また、用途に応じて電池駆動、発電機駆動、交流直流変換駆動が選択できる。
オゾンガスを効率よく発生させるには、適切な触媒と電解質を選択することが不可欠である。電極材料として、白金などの貴金属、α−二酸化鉛、β−二酸化鉛、フルオロカーボンを含浸させたグラッシーカーボン、ダイヤモンドが知られている。電解質としては、硫酸、リン酸、フッ素基含有などの水溶液が利用されてきたが、これらの電解質は取り扱いが不便であり広く使用されてはいない。固体高分子電解質を隔膜として用い、純水を原料とする水電解セルは、その点で管理がしやすく、汎用されていることが、非特許文献3に記載されている。従来からの触媒である二酸化鉛では、12質量%以上の高濃度なオゾンガスが得られる。
直接合成方式と呼ばれるシステムでは、電極近傍の溶液に十分な流速を与えることで、ガス化する前にオゾン水として取り出すようにしており、特許文献4に記載されている。また、純水以外の原料水を電解系に供給する場合は、貴金属電極触媒自体の活性が水質の影響を受けるため、寿命や効率などの電解性能が変動することは注意を要する。特許文献5では、導電性ダイヤモンドが電解水(オゾン含む)用電極として有用であることが開示されている。
[電解過酸化水素水の特徴]
過酸化水素は水の殺菌処理に適した薬剤である。分解しても無害な水と酸素に変換されるのみで環境衛生上の問題も生じない。しかしながら過酸化水素は不安定であり、長期間の保存が不可能であるため、又輸送に伴う安全性、汚染対策の面から、オンサイト型装置の需要が高まっている。
オンサイトで過酸化水素を製造する手法として電解法が提案されている。電解法ではオンサイトでの過酸化水素製造が可能になり、安定化剤なしに長期間の保存が不可能であるという過酸化水素の欠点を解消し、かつ輸送に伴う危険性や汚染対策も不要になる。電解による過酸化水素の製造に関しては、非特許文献4において各種電解生成方法が比較して記載され、これらの方法ではいずれもアルカリ水溶液の雰囲気で過酸化水素が効率良く得られるため、原料としてのアルカリ成分を供給する必要がある。
特許文献6では純水等の伝導度が極端に低い電解液から過酸化水素を製造するために、イオン交換樹脂粒子を充填したセルにて電解することにより、電解液の伝導度が極端に低くても、高純度及び高濃度の過酸化水素を製造することが提案されている。
特許文献7では陰極表面への金属析出を防止しかつ適度な電流密度で過酸化水素を製造するために、多価金属イオンを前処理工程により除去することで、電解を継続しても陰極への金属水酸化物や炭酸塩の析出が殆どなく、長期間に亘り安定した過酸化水素製造が可能になることを開示している。しかしながら、実用的な前処理装置については記載がない。
これまでの電解装置で、原料として硬度成分、あるいはTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形物)成分を含む原料(井戸水、水道水)を原料とする場合、硬度、TDS成分が電解セル構成部材である電極や膜などに析出し、電圧増加や目的生成物の電流効率の低下といった電解性能の低下を招く。特にイオン交換膜を使用する電解装置では、これら成分の低減が不可欠となっている。
廃水などの電解処理を行なう場合でも、硬度、TDS成分が高いとスケールが析出生成し、頻繁に逆電が必要となり、電極など構成部材の劣化を加速する。
このような場合、通常用いられる原料水の前処理には軟水装置があるが、硬度が高い原料水では処理後の塩分が増大するため、塩分による金属腐食、目的反応の阻害などの不都合な現象が進行する。また、軟水装置の樹脂を再生するためには、塩水を供給し再生工程を行うための多量の塩水を必要とし、価格的な課題が残っている。また、前処理として純水装置を用いることもしばしばあるが、イオン伝導性物質を排除するため塩酸やアルカリが必要となり、また伝導度が減少し、電解電圧が増加し、電力消費量が増大し、結果として、かえって処理価格が増大する。
また、原料水の前処理として、RO逆浸透装置を用いると、イオンに限らず分子レベルの不純物を除去できるが、目詰まりを起こし易く、再生のために多量の水を必要とし、装置価格も高く、本発明で使用する簡便な電解装置との組み合わせは実用上困難である。更には、中空糸によるろ過、EDIなどの前処理装置と組み合わせても、イオンの除去はできない。また、電解透析技術であるEDIでは、電極スケールによる劣化が生じるため、再生工程を行うための薬液を必要とする。
以上のように、原料水質の安定化、清浄化が安価に行えれば、電解装置の利用が拡大すると推定されていたが、これまで簡便な装置は見出されていなかった。
生活用水や産業用水の製造において、脱塩技術は人の健康や工程の効率、製品性能を決める重要な役割をする。重金属や硝酸性窒素、フッ化物イオンが含まれた水を長期間飲用した場合、健康に悪影響を与える可能性がある。また、硬水(hard water)はボイラーや熱交換器にスケールを生じ効率を大きく下げることがある。電子産業や医薬産業でもイオン物質を完全に除去した超純水は製品性能を決める重要なユーティリティとして利用される。世界的な水不足により、海水の淡水化、排水および塩水の処理方法に関する研究が活発に進行している。この中でもイオン交換樹脂を利用した方法がよく使われているが、樹脂の再生時の薬剤使用および経済的な負担が大きい短所がある。
近年、これらに代わるための技術としてCDI(Capacitive deionization)装置が注目されている。CDI装置とは、蓄電式脱イオン装置又は容量性脱イオン装置、又は単に脱イオン装置と呼ばれるものであり、多孔性の電極に電圧を印加して、前記電極に極性を帯びるようにすることで、原料水中のイオン性物質を電極表面に吸着させて除去する装置、言い換えると、電気二重層(EDLC:Electric double-layer capacitor)を用いてイオン化した成分を電極表面に吸着させて除去する装置である。即ち、CDI装置においては、陽極及び陰極の両電極の間に溶存イオンを含有する原料水を流し、電圧を印加すると、溶存イオンのうち陰イオン成分が陽極に、陽イオン成分が陰極に吸着されて濃縮され、両電極を短絡させるか逆電流を流す等の方法により、前記濃縮されたイオンが前記各電極から脱着される。この種CDI装置は、高い電位差を必要としないので、エネルギー効率が高く、イオン吸着時に有害な有機物や病原体まで除去でき、再生時に化学薬品を必要としないという利点を有している。
この種CDI装置としては、特許文献8〜11等が公知である。
CDIはRO処理、軟水処理、純水処理、EDI(電解透析)に比較して、
(1)前処理、管理の手間がかからない
(2)すべてのイオン性物質が除去可能
(3)機能を阻害するような不純物が存在しない
(4)低電力
(5)再生のために薬液が不要
(6)処理により発生する排水量がわずかである
などの長所があり、上記分野への利用が進んでいる。
この種CDI装置のような電場によるイオン性物質の除去自体は、電気化学の分析技術の前処理としては常用されているが、各種の実用化されている電解合成装置及び電解処理装置の前処理としての利用は検討された実例がない。その理由としては、最近までCDI装置の安定性、効率が実用レベルでなかったためと推定される。
特開2001−253803号公報 特開2001−342496号公報 特開2002−145710号公報 特開平8−134677号公報 特開平9−268395号公報 特開2000−104189号公報 特開2002−317287号公報 韓国公開特許公報10−2009−0036791号公報 韓国登録特許公報10−0798429号公報 韓国登録特許公報10−0934161号公報 特開2011−140018号公報
「水の特性と新しい利用技術」(2004年、NTS社) 文部科学省の「2009年度学校給食法改定における衛生管理基準および関連マニュアル」 J. Electrochem. Soc., 132, 367(1985) Journal of Applied Electro-chemistry Vol.25, 613〜(1995)
本発明は、前記課題の多くを解決でき、製造も容易で、かつ高性能を得ることができる電解装置に適する前処理装置を有する電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法を提供することを目的とする。本発明の電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法は、硬度、TDSの高い原料水を利用しても、目的の電解プロセスを長期にわたって安定に稼動することが利用できる。
本発明における第1の課題解決手段は、上記目的を達成する為、陽極及び陰極の両電極の間に溶存イオンを含有する原料水を流し、電圧を印加し、溶存イオンのうち陰イオン成分を陽極に、陽イオン成分を陰極に吸着して濃縮し、両電極を短絡させるか逆電流を流す等の方法により、前記濃縮されたイオンを前記各電極から脱着させるCDI装置と電解セルから構成され、前記CDI装置に、TDSが100〜1000ppmである原料水を流入して、当該原料水の前処理を行ない、当該原料水のTDSを100ppm以下まで処理し、処理されたCDI処理水を前記電解セルに供給し、電解合成を行なう事を特徴とする電解合成装置を提供する事にある。
本発明における第2の課題解決手段は、電解セルにより電解水を合成する電解合成装置を提供することにある。
本発明における第3の課題解決手段は、電解セルによりオゾンガスあるいはオゾン水を合成する電解合成装置を提供することにある。
本発明における第4の課題解決手段は、電解セルにより次亜塩素酸を含む電解酸性水、次亜塩素酸塩、あるいはアルカリ性水を合成する電解合成装置を提供することにある。
本発明における第5の課題解決手段は、電解セルにより過酸化水素を合成する電解合成装置を提供することにある。
本発明における第6の課題解決手段は、前記電解合成装置を用いて電解合成を行うことを特徴とする電解合成方法を提供することにある。
本発明における第7の課題解決手段は、CDI装置と電解セルから構成され、前記CDI装置にTDSが100〜1000ppmである原料水を流入して、当該原料水の前処理を行ない、当該原料水のTDSを100ppm以下まで処理し、処理されたCDI処理水を前記電解セルに供給し、電解処理を行なう事を特徴とする電解処理装置を提供することにある。
本発明における第8の課題解決手段は、前記電解処理装置を用いて電解処理を行うことを特徴とする電解処理方法にある。
電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法において、原料水に硬度成分などが多く含まれる場合でも、電解性能を良好に維持することができ、水道水や地下水、天然水を主体とする原料の電解合成、電解透析、廃水処理などへのプロセスの実用化が達成され、次亜塩素酸、アルカリ、オゾン、過酸化水素などの有効な物質をオンサイトで製造し、保存や輸送を危険なく行うことが可能となり、経済的に電解水を得ることができるようになった。
本発明による電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法の模式図。 CDI装置における浄水処理の原理。 CDI装置用電極およびスペーサー接合図。 電解次亜水生成のための電解セルの概略縦断面図。 強酸性電解水および強アルカリ性電解水生成のための電解セルの1例を示す概略縦断面図。 弱酸性電解水および強アルカリ性電解水生成のための電解セルの1例を示す概略縦断面図。 電解オゾン水生成のための電解セルの1例を示す概略縦断面図。 電解オゾン水生成のための電解セルの他の例を示す概略縦断面図。 電解過酸化水素水生成のための電解セルの例を示す概略縦断面図。
次に本発明の各構成要素に関し説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、図1に示す通り、原料水をCDI装置に供給する。CDI装置の原料水としては、水道水、井戸水、天然地下水などが適しているが、海水などの塩分を多く含む原料水(TDSとして1000ppm以上)であると、吸着できるイオン容量に限界があるため、イオン除去率は小さくなる。TDSが100ppm以下である場合は、電解水に直接供給してもほぼ影響がないため、CDI装置を利用する必然性がない。したがって、TDSとして100〜1000ppmの範囲にある原料水を使用するとき、CDI装置が必要となる。
CDI装置によってTDSが100〜1000ppmの範囲にある原料水のTDSを100ppm以下まで処理した後、TDSを100ppm以下まで処理されたCDI処理水を電解セルに供給し、電源制御部により電圧、電流を制御し、電解合成水又は電解処理水を生成する。
具体的には、TDSが500ppmの原水は、適切な容量のCDI装置を用いると、除去率90%が達成され、従って処理した水のTDSを50ppm以下に低減できる。一方、TDSが10000ppmの原水は、同等のCDI装置で、除去率30%程度に小さくなり、従って、処理した水のTDSは、7000ppm以下には低減できない。
[CDIセル構造]
図2は、CDI装置による浄水処理の原理を示したものである。CDI装置による浄水処理は電気二重層の理論を根拠として、電極の表面に電気を通電し、プラスマイナスの電場を与えると水中にある反対の電荷を有するイオンが電極の表面に吸着される性質を利用した方法である。図2(a)は、CDI装置における純水化工程、すなわち、原料水の処理工程を示したものであり、図2(b)は、CDI装置における再生化工程を示したものであり、陽イオン、陰イオンが含まれた原料水を二つの多孔性を有する陰極1、陽極2間を通過するときに電場により原料水の中に含まれたイオンが除去される。陽極2にCl-のような陰イオンが移動し、陰極1にNa+のような陽イオンが移動して帯電が行われて、原料水は、イオンが除去されたより純粋な形態になって排出される。再生工程では電極間を短絡させ、あるいはまた反対の電場を印加することで、蓄積されていたイオンを溶液中にもどし、これを廃水として流すことで行われる。
図3は、1組の電極1、2とスペーサー3を示している。電極1、2は、必要に応じてイオン交換基を含有する活物質と電気的接続を行う集電体からなる。それぞれの中央には流通孔4が開けられ、液の流通経路を構成する。
CDI装置は、2系列設置して、交互に電場をかけ、原料水の流れを切り替える弁を流路に設け、どちらか一方からは常に純度の高い処理水が得られるように工夫することで、連続的に原料水を処理することができる。
[CDI構成材料]
本発明に用いる電極成分は、電極の蓄電容量を高めるために表面積の大きい活物質であることが好ましい。
上記電極活物質は比表面積が高い活性炭素系列の物質であり、活性炭素粉末、活性炭素繊維、カーボンナノチューブ、炭素エアロゲルまたはこれらの混合物を使用することができ、粉末に成形してから用いることが望ましい。また、金属酸化物の物質としてRuO2、Ni(OH)2、MnO2、PbO2、TiO2またはこれらの混合物などを用いることができる。
また本発明では、必要に応じて上記電極活物質と一緒に伝導性物質を追加することができ、電気抵抗が低い伝導性物質であれば制限なく用いることができる。具体的に例を挙げると、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの伝導性カーボンブラックが使用可能である。
このような伝導性物質は必要な物性によってその含量範囲を調節でき、より具体的には制限はされていないが、平均粒径が1μm以下のもの、より望ましい10nm〜1μmであるものを用いるのが電極の電気伝導度を高めるのに好ましく、上記電極活物質100質量部について、1〜10質量部範囲にすることが好ましい。
また、イオン交換作用をもつ高分子バインダー物質を電極活物質と混合させることで、イオンの吸着効率と速度を増加させることが可能である。陽イオン交換基をもつ高分子樹脂はスルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、ホスホノ基(−PO32)、ホスホン基(−HPO2H)などの陽イオン交換基を持つものを用い、陰イオン交換基をもつ高分子樹脂は4級アンモニウム塩(−NH3),1−3級アミン(−NH2、−NHR、−NR2)、4級ホスホニウム基(−PR4)、3級スルホニウム基(−SR3)などの陰イオン交換基をもつものを使用する。
上記樹脂は、平均粒径が10μm以下のもの、より具体的には10nm〜10μmを用いるのが電極の有効な比表面積と処理容量を増加させることが望ましく、イオン交換作用基をもつ高分子物質20質量部について、活物質を50〜1000質量部の範囲で用いることが好適である。
電極活物質は、必要に応じて、樹脂バインダー、伝導性物質と適量な割合にて混合し、ジメチルアセトアミド(DMAc)などの非水溶媒に溶解させて、スラリーを製造する。
つぎに、上記スラリーを集電体に塗布する段階で、上記集電体は電源供給装置を通じ製造した電極に電流を供給したとき、電流が電極表面に均一に分布できるように伝導性の優れたものを用いることが望ましい。このような例として、アルミニウム、ニッケル、銅、チタニウム、鉄、ステンレススチール、黒鉛またはこれらの混合物を含むシート、薄膜または平直金網形態を用いることができる。
塗布方法はスプレー、ディップコーティング、ドクターブレード、スピンコーティングに限らず、塗布厚さは50〜300μmの範囲にするのが、電極の電気抵抗を低下し、除去効率を高めるのに望ましい。また、必要に応じて上記スラリーを集電体に塗布する段階を、一度以上繰り返すことが可能である。コーティングした後、25〜80℃で10〜60分乾燥させることで固化できる。
つぎに上記電極を一定の厚さを持たせ、電極表面の平滑度を付与するために必要に応じてプレス加工を行う。プレスによる圧縮率は、乾燥された塗布層の厚さの0〜30%程度を圧縮することが望ましい。圧縮率が30%を超える場合、複合電極表面と電極活物質の密度は良くなるが、硬くなり壊れやすいため、取り扱いが困難となる。圧縮率は1〜25%にする方が電極全体の均一性が向上し、電極特性の再現性がよくなる。
陽イオン交換基が含まれる高分子バインダーを混合して製作した電極を陰極とし、陰イオン交換基が含まれる高分子バインダーを混合して製作した電極を陽極として用いることが好ましい。
スペーサーは水が流れ、流路を形成することができる不織布や薄くてきめ細かい網状布である。
陽極と陰極の間に設置されるスペーサーは陽極と陰極を隔離し、電極間に水が流れる流路を形成するためである。
一つのCDIモジュールで処理される水の量が小さい場合、複数個のモジュールの陰極端子と陽極端子を並列に連結することで、処理能力を簡単に向上させることができる。
[電解セル]
次に、次亜塩素酸、アルカリ、オゾン、過酸化水素など各種の実用化されている電解合成装置及び電解処理装置に使用するための電解セルを図示の例に基づいて説明する。
[次亜塩素酸合成用電解セル]
図4は、1室法電解次亜水の電解セルを模式的に示している。1対の電極1、2の間に、原料水を流す構造で、電極間距離は0.1mm〜10mm程度が好適である。図4(a)は、CDI装置にて処理した水道水や井戸水をそのまま供給する場合を示したものであり、図4(b)は、CDI装置にて処理した原料水を用いて作製した0.1〜2%塩水を供給する場合を示したものであり、(4)式、(10)式に従い、次亜塩素酸イオンが生成する。いずれでも弱アルカリ性の溶液が得られる。前者からは有効塩素濃度として2〜5ppm、pH>7.5の電解次亜水が製造できる。
また、後者からは、有効塩素濃度として20〜200ppm、pH>7.5の電解次亜水が製造できる。
[2室の強酸性電解水およびアルカリ性電解水合成用電解セル]
図5は2室の強酸性電解水およびアルカリ性電解水の合成セルを模式的に示している。電極1、2の間に隔膜6を挟んだ構造であり、陽極室7にCDI装置にて処理した原料水を用いて作製した0.2%程度の塩水を、陰極室8にはCDI装置にて処理した原料水を供給し電流を流すと、陽極室7からは20〜60PPMの有効塩素(HClO形態)を含むpH<2.7の強酸性電解水が、陰極室8からはpHが11以上の強アルカリ性電解水が製造可能である。隔膜6にはイオン交換膜や中性隔膜が利用される。本電解セルは、膜−電極接合体を使用したものであり、導電性の小さい原料水では、イオン交換膜を電極間に配置し接合した、膜−電極接合体を使用することが好ましい。膜と電極の隙間は、狭すぎる場合には電解の原料や生成物の隙間からの物質移動が抑制され、広すぎる場合には、電圧の増加や電流効率の低下を招くため、隙間は0.1mm〜10mm程度が好適である。
[3室の弱酸性電解水およびアルカリ性電解水合成用電解セル]
図6は3室の弱酸性電解水およびアルカリ性電解水の合成セルを模式的に示している。陽極室7と中間室9は陰イオン交換膜10により、陰極室8と中間室9は陽イオン交換膜11で区画されている。中間室9に供給する塩は比較的純度の高いもの(純度99.5%以上)を使用する。中間室9に飽和塩水を、陽極室7、陰極室8にCDI装置にて処理した原料水を供給し電流を流すと、陽極室7からは、2.7<pH<5、20〜60ppmの有効塩素(HClO形態)を含む弱酸性電解水が、陰極室8からはpHが11以上の強アルカリ性電解水が製造可能である。
[電解オゾン水合成用電解セル]
図7に電解オゾン水合成用電解セルを例示した。陰極1とは陽極2は、陽イオン交換膜11の両面に一体に形成され、陽極2を含む陽極室7と陰極1を含む陰極室8に分けられている。CDI装置にて処理した原料水を供給し、生成したオゾン水を取り出す。この構造では陰極1で発生する水素が分離でき、高いオゾン分圧が保たれ、高濃度なオゾン水の生成が可能となる。
図8は、電解オゾン水合成用電解セルの他の例を示した。この電解オゾン水合成用電解セルは、棒状陽極12の周囲に、帯状のイオン交換膜13を被覆し、該膜13の表面に線状陰極14を巻き付けた構造となっている。これをプラスチックチューブ15内に装着し、CDI装置にて処理した原料水を供給し、生成したオゾン水を取り出す。本接合体では、水素ガスとオゾン、酸素ガスを混合した水が合成される。
[電解過酸化水素水合成用電解セル]
図9は、過酸化水素水の製造に適した電解過酸化水素水合成用電解セルの一実施態様例を示す縦断面図である。この電解過酸化水素水合成用電解セルは、陽イオン交換膜11により、該イオン交換膜11に密着した多孔板状の陽極2を有する陽極室7と、酸素ガス拡散陰極16を有する陰極室8に区画された2室型電解セルである。17は、ガス室、18は、陰極給電体、19は、陰極液供給管、20は、酸素ガス供給管である。
酸素ガス拡散陰極16にはその背面に密着した陰極給電体18により給電され、かつ背面側に設置された酸素ガス供給管20から酸素ガスが供給される。CDI装置にて処理した原料水は、陰極液供給管19を通して陰極室8に供給する。
前記酸素ガス供給管20を通して供給された酸素含有ガスは、前記酸素ガス拡散陰極16を透過し、その間に一部が電極触媒により還元されて過酸化水素に変換されて陰極室8に達し、電解液に溶解して、過酸化水素水として過酸化水素水排出管21より、電解過酸化水素水合成用電解セルから取り出される。
次に、次亜塩素酸、アルカリ、オゾン、過酸化水素など各種の実用化されている電解合成装置及び電解処理装置に使用するための電解合成用電解セル又は電解処理用電解セルに使用するための各構成要素である、陽極2の陽極触媒、陰極1の陰極触媒、隔膜材料について詳述する。
[電解用陽極材料]
酸化を行う陽極触媒には酸化鉛、酸化錫、白金などの貴金属、DSA(貴金属酸化物を主体とする電極)、カーボン、導電性ダイヤモンドなどがあり、耐食性の観点から、電極触媒として白金、イリジウムなどの貴金属及びそれらの酸化物、導電性ダイヤモンドの使用が望ましい。また、電極基体として使用しうる材料は、長寿命の観点と処理表面への汚染が起きないように耐食性を有することが必要であり、陽極基材としてはチタン、ニオブなどの弁金属、その合金の使用が望ましい。メッシュやパイプ、棒、ビーズなど従来汎用されている任意形状の基材表面へ陽極材料を担持できる。
触媒は陽極の一部に存在すればよく、前記基材の一部が露出していても支障ない。
次亜塩素酸の場合、電極としてはPt、IrO2などの触媒成分が汎用されている。
ダイヤモンドはドーピングにより電気伝導性の制御も可能であることから、電極材料として有望とされている。ダイヤモンド電極は水の分解反応に対しては不活性であり、酸化反応では酸素以外にオゾン、過酸化水素の生成が報告されている。導電性ダイヤモンドを用いることにより、電解反応が進行しやすくなり、これらの電解生成過酸化物が格段に効率良く製造される。更にダイヤモンド電極では前述の電解種以外に、OHラジカル、電解質の酸化体が生成し、これらと前記電解種による殺菌、漂白効果が相乗的に利用できる。
ダイヤモンド電極の基材としては、Si(単結晶,多結晶)、Nb、Ta、Zr、Ti、Mo、W、黒鉛、各種カーバイドなどが使用可能であり、用途によって選択できる。
[陰極材料]
陰極反応は主に水素発生であり、水素に対して脆化しない電極触媒が好ましく、白金族金属、ニッケル、ステンレス、チタン、ジルコニウム、金、銀、カーボン、ダイヤモンドなどが好ましい。陰極給電体としては、カーボン、ニッケル、ステンレス、チタンなどの金属、その合金や酸化物を好ましくは多孔体又はシートとして使用し、反応生成ガス及び電解水の供給及び取り出しを円滑に行うために、疎水性又は親水性の材料を給電体表面に分散担持することが望ましい。
過酸化水素を合成する陰極は、ガス拡散電極の構造を有するものが好ましい。陰極への酸素供給量は理論量の1〜2倍程度が良く、一般に酸素濃度が大きいほど、大きい電流密度で過酸化水素を製造できる。
[隔膜材料]
電極反応で生成した活性な物質を安定に装置から排出するために中性隔膜やイオン交換膜が利用可能である。隔膜はフッ素樹脂系、炭化水素樹脂系のいずれでも良いが、オゾンや過酸化物耐食性の面で前者が好ましい。イオン交換膜は、陽極、陰極で生成した物質が反対の電極で消費されるのを防止するとともに、液の電導度の低い場合でも電解を速やかに進行させる機能を有するため、伝導性の乏しい純水などを原料として利用する場合に好ましく使用できる。
上記の各電解セルの電解条件は、液温5〜60℃、電流密度0.1〜100A/dm2が好ましい。電解槽材料は、耐久性、及び過酸化水素の安定性の観点から、ガラスライニング材料、カーボン、耐食性が優れたチタンやステンレス、PTFE樹脂等を使用することが好ましい。合成させる次亜塩素酸、オゾン、過酸化水素濃度は、水量と電流密度を調節することにより、1〜10000ppmまでの制御が可能である。
次に、本発明の電解水生成に関する実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。各実施例におけるオゾン水濃度、次亜塩素酸濃度は紫外分光光度法およびヨウ素滴定法を用いて、また、過酸化水素は硫酸チタン添加により着色させる吸光法を用いて定量した。
[実施例1]
・CDI装置用陽イオン交換性電極の製造
陽イオン交換基をもつポリスチレン(陽イオン交換容量=1.5meq/g、Mw=350,000)1.0g,ジメチルアセトアミド(DMAc)20gを混合し高分子溶液を製造したのち、上記高分子溶液に活性炭素粉末(比表面積1600m2/g)9.0gを混合し、陽イオン交換電極スラリーを製造した。該スラリーを伝導性黒鉛シート(厚さ130μm)上に、ドクターブレードでコーティング厚さが200μmになるようにコーティングしたのち、70℃で30分乾燥し陽イオン選択性をもつ陰極を製造した。
・CDI装置用陰イオン交換性電極の製造
陰イオン交換基をもつポリエーテルスルホン(陰イオン交換容量=1.2meq/g、Mw=350,000)1.0g、ジメチルアセトアミド20gを混合し、高分子溶液を製造したのち、上記高分子溶液に活性炭素粉末(比表面積=1600m2/g)9.0gを混合し、陰イオン交換電極スラリーを製造した。該スラリーを伝導性黒鉛シート上に厚さが200μmになるようにコーティングしたのち、70℃で30分乾燥し陰イオン選択性をもつ陽極を製造した。
・CDI装置の製作
製造されたそれぞれの電極を10×10cm2に切断した後、該陽極と陰極、および電極間に0.1mm厚さのスペーサー(200mesh,ポリアミド製)それぞれを順に40枚ずつ積層し、電極の中央に1cmの穴を開け、溶液が電極の四面からスペーサーを通過し中央に抜けられるようにした。図5に示すように室枠に固定して、CDIセルを作製した。
・CDI装置の性能評価
陽極・陰極間に硬度70ppm、TDS150ppmの水道水を2.5L/min流入させ、1.5Vの正電圧を印加して3分間吸着→1分間の短絡および逆電圧の脱着からなるサイクルを繰り返して精製された流出水の硬度およびTDSはそれぞれ10ppm、30ppmとなった。
・電解オゾン合成用電解合成用セル
オゾンを発生する電解セルの陽極として、導電性ダイヤモンド触媒を形成したニオブ製の棒(直径2mm、長さ5cm)を用い、隔膜としてイオン交換膜(デュポン製Nafion324、厚さ0.3mm、幅2mm)の帯を前記陽極に螺旋状に巻き、陰極として、市販の白金線(直径0.4mm)を前記隔膜の上から巻き、図8のような陽極−膜−陰極接合体とした。この膜−電極接合体をPFAパイプ(内径5mm)に固定し、PE樹脂製チューブ(内径5mm)と接続した。CDIにて処理した水道水の流速を0.5L/minとし、電流1Aを流したときのセル電圧は9V、オゾン濃度は1ppmであった(電流効率は10%に相当)。100時間後のオゾン水濃度はほぼ1ppmであった。
[比較例1]
CDI装置にて処理を行っていない水道水を用いたこと以外は実施例1と同様の電解を行なった場合、徐々に電圧増加し、オゾン水濃度が低下した。100時間電解後の接合体表面には白色のスケールが析出しており、パイプ内の水道水の流れが閉塞により偏流が生じていた。
[実施例2]
両面にコーティングされた陽極と陰極の積層数を25にしたこと以外は実施例1と同様にCDI装置を製作し、硬度200ppm、TDS400ppmの水道水を2L/min流入させた。陽極・陰極間に1.5Vの正電圧を印加しての3分間の吸着→1分間の短絡および逆電圧の脱着のサイクルを繰り返して精製された流出水の硬度およびTDSはそれぞれ20ppm、100ppmとなった。
電極として白金被覆チタン基材メッシュ、アニオン膜はトクヤマAMX、カチオン膜はNafion117を用いて、図6のような3室電解水セルを作製した。有効な電極面積は50cm2であった。中間室に加える原料塩には精製食塩(純度99.5%以上)を使用した。電流密度を10A/dm2として、供給水量は陽極室、陰極室とも1L/minに制御し電解を行なったところ、初期の電解性能として、次亜塩素酸濃度として40ppm、効率は50%、セル電圧は8Vであった。アルカリ濃度は75ppm、電流効率60%であった。100時間の稼動を行ったところ、濃度として36ppm、効率は45%を維持し、セル電圧も変化がなかった。アルカリの濃度は70ppmで、電流効率55%を維持した。
[比較例2]
実施例2の電解水セルに水道水をそのまま原料水として供給しながら電解したところ、初期性能は、濃度として20ppm、効率は25%、セル電圧は10Vであった。アルカリ濃度は25ppm、電流効率20%であった。100時間の稼動後には、次亜塩素酸濃度は10ppm、効率は12%に減少し、電圧が15Vとなった。アルカリ濃度は12ppmで、電流効率10%まで減少した。電解後にセルを解体し、電極、膜を観察したところ、電極にスケールが析出していた。陽極面の析出物はSiが主成分であり、陰極面にはCa、Mgの水酸化物が析出していた。膜の一部にもスケールが析出し、わずかながらピンホールの生成が観察された。
[実施例3]
電極として5g/m2の白金触媒を形成したチタン板を2枚用い、実施例1で製作したCDI装置により処理した水道水で、1000ppmとなるように食塩を含む塩水を作製して、1L/minにて供給しながら1Aの電流を流したところ、10時間後において、生成した次亜塩素酸ナトリウム濃度は25ppm、電流効率は10%、セル電圧は8Vであった。pHは7.5であった。
[比較例3]
実施例3のセルに水道水をそのまま用いたこと以外は同様に10時間電解したところ、次亜塩素酸ナトリウム濃度は14ppm、効率は6%、セル電圧は10Vであった。電解後にセルを解体し、電極を観察したところ、電極にスケールが析出していた。陽極面の析出物はSiが主成分であり、陰極面にはCa、Mgの水酸化物が析出していた。
[実施例4]
チタン多孔板に酸化イリジウム触媒を熱分解法により10g/m2となるように担持させ陽極とした。黒鉛粉末(東海カーボン株式会社製、TGP−2)とPTFE樹脂とを混練し、カーボンクロスに塗布した後、330℃で焼成し、プレス装置にて0.5mm厚に加工して酸素ガス拡散陰極を作製した。この酸素ガス拡散陰極を、厚さ5mmの多孔性黒鉛板から成る陰極給電体と一体化した。膜−陰極間にイオン交換膜(デュポン社製ナフィオン117)に挿入し、距離を3mmとなるようにし、電解有効面積が125cm2である電解セルを組み立てた。実施例1で製作したCDI装置により処理を行った原料水道水を陽極室及び陰極室に0.1L/minで供給し、かつ陰極に空気を100mL/minで供給しながら、温度25℃で1.25Aの電流を流したところ、電圧は14Vであり、溶液室出口で約25ppmの過酸化水素が約20%の電流効率で得られた。この電解過酸化水素製造を1000時間継続したところ、電圧には変化がなく、過酸化水素濃度は20ppm、電流効率は約16%と減少したが、運転を継続できた。
[比較例4]
実施例4のセルに水道水をそのまま原料水として供給しながら同様に電解したところ、電圧は12Vであり、溶液室出口で約16ppmの過酸化水素が約12%の電流効率で得られた。100時間の稼動後には濃度は11ppm、効率は8%に減少し、電圧が15Vとなった。電解後にセルを解体し、電極、膜を観察したところ、電極にスケールが析出していた。膜の一部にスケールの析出が観察された。
本発明は、殺菌や洗浄等に用いられる次亜塩素酸、オゾン、過酸化水素を電解合成する装置、あるいは廃水を電解処理する電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法に利用することができる。
1:陰極
2:陽極
3:スペーサー
4:流通孔
6:隔膜
7:陽極室
8:陰極室
9:中間室
10:陰イオン交換膜
11:陽イオン交換膜
12:棒状陽極
13:イオン交換膜
14:線状陰極
15:プラスチックチューブ
16:酸素ガス拡散陰極
17:ガス室
18:陰極給電体
19:陰極液供給管
20:酸素ガス供給管
21:過酸化水素水排出管

Claims (8)

  1. 陽極及び陰極の両電極の間に溶存イオンを含有する原料水を流し、電圧を印加し、溶存イオンのうち陰イオン成分を陽極に、陽イオン成分を陰極に吸着して濃縮し、前記両電極を短絡させること、または、逆電流を流すことにより、前記濃縮されたイオンを前記電極から脱着させる脱イオン装置(以下、「CDI装置」という)と電解セルから構成され、前記CDI装置が、前記陽極、前記陰極、および前記陽極と前記陰極を隔離し、前記両電極間にその四面から原料水が流れこむ流路を形成するための不織布又は網状布よりなるスペーサーよりなり、前記電極及び前記スペーサーの中央部に前記原料水が通過する流通孔を有するCDIモジュールを並列に連結されたものであり、
    該CDI装置にTotal Dissolved Solids:総溶解固形物(以下、「TDS」という)が100〜1000ppmである原料水を流入して、電荷の移動により、当該原料水の前処理を行ない、当該原料水のTDSを100ppm以下まで処理し、処理されたCDI処理水を前記電解セルに供給し、電解合成を行なう事を特徴とする電解合成装置。
  2. 電解セルにより電解水を合成する請求項1に記載の電解合成装置。
  3. 電解セルによりオゾンガスあるいはオゾン水を合成する請求項1に記載の電解合成装置。
  4. 電解セルにより次亜塩素酸を含む電解酸性水、次亜塩素酸塩、あるいはアルカリ性水を合成する請求項1に記載の電解合成装置。
  5. 電解セルにより過酸化水素を合成する請求項1に記載の電解合成装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解合成装置を用いて電解合成を行うことを特徴とする電解合成方法。
  7. CDI装置と電解セルから構成され、前記CDI装置にTDSが100〜1000ppmである原料水を流入して、当該原料水の前処理を行ない、当該原料水のTDSを100ppm以下まで処理し、処理されたCDI処理水を前記電解セルに供給し、電解処理を行なう事を特徴とする電解処理装置。
  8. 請求項7に記載の電解処理装置を用いて電解処理を行うことを特徴とする電解処理方法。
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