JPH0788474A - 高純度水の製造方法 - Google Patents

高純度水の製造方法

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JPH0788474A
JPH0788474A JP12241891A JP12241891A JPH0788474A JP H0788474 A JPH0788474 A JP H0788474A JP 12241891 A JP12241891 A JP 12241891A JP 12241891 A JP12241891 A JP 12241891A JP H0788474 A JPH0788474 A JP H0788474A
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reverse osmosis
water
osmosis membrane
electrolytic cell
deionized water
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Hiroyuki Hashimoto
浩幸 橋本
Takeshi Takahashi
剛 高橋
Mina Satou
美奈 佐藤
Takeshi Nakazawa
猛 中沢
Sadashi Kuzumaki
貞司 葛巻
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Konica Minolta Inc
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Organo Corp
Konica Minolta Inc
Japan Organo Co Ltd
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    • C02F2303/04Disinfection

Abstract

(57)【要約】 【目的】 逆浸透膜を使用して高純度の脱イオン水を製
造する際に逆浸透膜の単独使用では、逆浸透膜の汚染が
比較的早く起こり、脱イオン水製造を継続するためには
前記逆浸透膜の交換や回生処理を行う必要があるが、逆
浸透膜の回生処理は薬剤を使用するためコストと手間が
掛かるだけでなく使用済薬剤の廃棄による環境汚染の問
題が生ずる。本発明は簡便な手法で逆浸透膜の汚染を防
止し長期間に亘って高純度脱イオン水の製造を継続でき
る方法を提供することを目的とする。 【構成】 不純物を含有する原水を、まず固定床型三次
元電極電解槽2により処理して微生物や硬度成分を除去
した後、逆浸透膜8を装着した高純度脱イオン水製造装
置9等に導き脱イオンすることにより、前記原水中の微
生物等の不純物が殆ど逆浸透膜に接触しないようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆浸透法と電気化学的
処理を併用する高純度水の製造方法に関し、より詳細に
は高純度水を製造する際にまず原水の電気化学的処理を
行った後、逆浸透膜を透過させて処理することにより使
用する逆浸透膜の寿命を大幅に延ばすとともに、得られ
る高純度水の純度を更に向上させるための方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来から各種用途例えば海水からの脱イオ
ン水の製造等に逆浸透法が採用されている。逆浸透法に
よる高純度水製造法とは、イオンを透過させず水のみが
浸透する逆浸透膜の一方サイドに高圧の原水を供給し該
原水中の水のみを逆浸透膜を透過させ、該逆浸透膜の逆
サイドで不純物イオンが除去された高純度水を得る方法
である。しかしこの方法では通常前記原水の純度が低く
不純物を多く含むため、前記逆浸透膜が汚染され比較的
短期間で該逆浸透膜の機能が低下し十分な効率で高純度
水を得ることができなくなり、高純度水製造を継続する
ためには逆浸透膜の再生や交換が必要となる。逆浸透膜
の再生及び交換を頻繁に行うことは手間が掛かるだけで
なく再生用の薬剤の使用量が増大してコスト高になり、
更に使用済薬剤の廃棄による環境汚染の問題も生ずるた
め、簡便な方法で逆浸透膜の寿命を可能な限り延ばすこ
とが要請されている。
【0003】
【発明が解決すべき問題点】逆浸透膜の汚染に繋がる因
子としては前述の原水の純度が最も顕著で、該原水の純
度を向上させるために該原水を逆浸透膜と接触させる前
にフィルターにより濾過して固体の不純物を除去した後
に逆浸透膜と接触させることにより該逆浸透膜の寿命を
延ばすことは広く行われている。しかし逆浸透膜を汚染
する不純物は濾過により除去できる固形分だけでなく微
生物のようにフィルターの目を通り抜けてしまうような
微細な不純物等も含まれている。従って逆浸透膜の寿命
を十分に延ばすためには濾過操作を併用するだけでは不
十分であり、より有効な処理方法が望まれている。
【0004】
【発明の目的】本発明は、逆浸透膜を使用して高純度水
を製造する際に電気化学的処理を併用することにより、
前記逆浸透膜の汚染を最小限に抑制し該逆浸透膜の交換
や再生を行うことなく長期間に亘って前記高純度水を製
造するための方法を提供することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、不純物イオ
ンを含有する原水を逆浸透膜を透過させることにより前
記不純物イオンを除去して高純度水を製造する方法にお
いて、前記原水を固定床型三次元電極電解槽に供給し該
原水を電気化学的に処理した後に前記逆浸透膜を透過さ
せることを特徴とする高純度水の製造方法である。なお
本発明方法では電極等の表面上で実質的な電気化学反応
を生起しないことがあるため本発明に使用される槽は電
気化学的処理槽というべきであるが、一般呼称に従って
電解槽と称する。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明方法
は、前述の通り逆浸透膜の寿命を大幅に延ばすだけでな
く逆浸透膜単独の場合より脱イオン度の高いつまり高純
度の脱イオンを製造できることを特徴としている。本発
明では逆浸透膜が装着された高純度水製造装置に原水を
供給する前に該原水を固定床型三次元電極電解槽に供給
して電気化学的処理を行うが、該固定床型三次元電極電
解槽は次のような構成のものを使用する。該電解槽は、
固定床型三次元電極電解槽つまり固定床型単極式電解槽
及び固定床式複極式電解槽であり、これらの電解槽では
該電解槽の三次元電極が莫大な表面積を有するため電極
表面と原水との接触面積を増大させることができ、これ
により装置サイズを小さくし、かつ電気化学的処理の効
率を上げることができる点で有利である。
【0007】前記固定床型三次元電極電解槽における電
極は一般に三次元電極と給電用電極を含み、該三次元電
極は前述の使用する電解槽に応じた形状を有し、固定床
型複極式電解槽を使用する場合には、前記原水が透過可
能な多孔質材料、例えば粒状、球状、フェルト状、織布
状、多孔質ブロック状等の形状を有する活性炭、グラフ
ァイト、炭素繊維等の炭素系材料から、あるいは同形状
を有するニッケル、銅、ステンレス、鉄、チタン等の金
属材料、更にそれら金属材料に貴金属のコーティングを
施した材料から形成された複数個の好ましくは粒状、球
状、繊維状、フェルト状、織布状、多孔質ブロック状、
スポンジ状の誘電体を直流電場内に置き、両端に設置し
た平板状又はエキスパンドメッシュ状やパーフォレーテ
ィッドプレート状等の多孔板体から成る給電用電極間に
直流電圧あるいは交流電圧を印加して前記誘電体を分極
させ該誘電体の一端及び他端にそれぞれ陽極及び陰極を
形成させて成る三次元電極を収容した固定床型複極式電
解槽とすることが可能であり、この他に単独で陽極とし
てあるいは陰極として機能する三次元材料を交互に短絡
しないように設置しかつ電気的に接続して固定床型複極
式電解槽とすることができる。
【0008】前記誘電体として活性炭、グラファイト、
炭素繊維等の炭素系材料を使用しかつ陽極から酸素ガス
を発生させながら原水を処理する場合には、前記誘電体
が酸素ガスにより酸化され炭酸ガスとして溶解し易くな
る。これを防止するためには前記誘電体の陽分極する側
にチタン等の基材上に酸化イリジウム、酸化ルテニウム
等の白金族金属酸化物を被覆し通常不溶性金属電極とし
て使用される多孔質材料を接触状態で設置し、酸素発生
が主として該多孔質材料上で生ずるようにすればよい。
又他のタイプの固定床型複極式電解槽として、例えば円
筒状の電解槽本体内に給電用陽極及び陰極を設置し、該
給電用両極間に、三次元電極として機能する多数の導電
性固定床形成用粒子と該固定床形成用粒子より少数の電
気絶縁性の合成樹脂等から成る絶縁粒子とをほぼ均一に
混在させた電解槽がある。該電解槽では両給電用電極間
に通電して電位を印加すると、固定床形成用粒子が前記
誘電体と同様に分極しその一端が正に又他端が負に帯電
して各固定床形成用粒子に電位が生じ、各粒子に原水中
の微生物を滅菌する機能が付与される。なお前記絶縁粒
子は、前記両給電用電極が導電性の前記固定床形成用粒
子により電気的に接続されて短絡することを防止する機
能を有する。
【0009】又単極式固定床型電解槽を使用する場合に
は、前記した誘電体又は単独で陽極としてあるいは陰極
として機能する三次元材料各1個を隔膜を介してあるい
は介さずに電解槽内に設置するようにする。前述の原水
をこの固定床型三次元電極電解槽に供給すると、該原水
中の微生物は液流動によって前記電解槽の陽極や陰極あ
るいは誘電体や固定床形成用粒子等に接触しそれらの表
面で強力な酸化還元反応を受けたり高電位の電流に接触
し、その活動が弱まったり自身が死滅して滅菌が行われ
ると考えられる。
【0010】従って本発明方法では、原水中の微生物が
電圧が印加された電極や誘電体や固定床形成用粒子等に
接触すれば充分であり、両極間に電流を流して水素及び
酸素等のガス発生を伴う実質的な電解反応を生起させる
ことは必須ではなく、むしろ実質的な電解反応が生じな
い低い電位を電極表面に印加することが好ましい。これ
は実質的な電解反応が生じた場合に原水成分にガス発生
に起因する化学的変化を与えてしまい、これにより複雑
な作用が原水に起こることがあり、一定の処理性能を常
に維持することが難しくなるからであり、更に微生物を
滅菌する以外のガス発生反応に無駄な電力を使うことに
なり不経済でもある。特に多量の酸素ガスや水素ガスの
発生が生ずる電位では、これらガスによる酸化還元反応
が起こることがあり、又それら発生ガスが電極表面上を
覆ってしまい電極性能を悪くすることがある。従って本
発明の電気化学的処理においては、印加電位を陽極電位
が実質的な酸素発生を伴わない+0.2 〜+1.2 V(vs.SC
E)、陰極電位が実質的に水素発生を伴わない0〜−1.0
V(vs.SCE)となるようにすることが望ましいが、液中物
質が酸化還元反応を受けず液性の変化が生じない場合や
又その反応量がさほど問題にならない場合には、陽極電
位を+2.0 V(vs.SHE)より卑な電位とし、陰極電位が−
2.0 V(vs.SHE)より貴な電位とすることもできる。
【0011】この電気化学的処理により原水中から逆浸
透膜の汚染を招き易い微生物類が除去される。従って電
気化学的処理を行った原水を逆浸透膜を装着した高純度
水製造装置に供給して脱イオン水製造を行うと、逆浸透
膜を殆ど汚染することなく長期間に亘って高純度の脱イ
オン水を製造することが可能になる。更に水道水等の原
水には前述の微生物以外にカルシウムイオンやマグネシ
ウムイオンが含有され、該水道水をそのまま逆浸透膜に
接触させると前記カルシウムイオンやマグネシウムイオ
ンが逆浸透膜に付着して該逆浸透膜の高純度水製造能力
を低下させることになる。しかし該原水を前記固定床型
三次元電極電解槽を使用して電気化学的に処理すると該
電解槽の陰極や三次元電極上でカルシウムイオンやマグ
ネシウムイオンの水酸化物として析出したりあるいは例
えば電解槽の液出口に設置したフィルタ等に補集されて
前記原水から除去されるため、前記逆浸透膜の汚染を効
果的に抑制することができる。
【0012】いずれの形態の電極を使用する場合でも、
処理すべき原水が流れる電解槽内に液が電極や誘電体や
微粒子に接触せずに流通できる空隙があると原水の処理
効率が低下するため、電極等は電解槽内の原水の流れが
ショートパスしないように配置することが望ましい。前
記電解槽内を隔膜で区画して陽極室と陰極室を形成して
も、隔膜を使用せずにそのまま通電を行うこともできる
が、隔膜を使用せずかつ電極の極間距離あるいは誘電体
と電極、又は誘電体相互の間隔を狭くする場合には短絡
防止のため電気絶縁性のスペーサとして例えば有機高分
子材料で作製した網状スペーサ等を両極間あるいは前記
誘電体間等に挿入することができる。又隔膜を使用する
場合には流通する原水の移動を妨害しないように多孔質
例えばその開口率が10%以上95%以下好ましくは20%以
上80%以下のものを使用することが望ましく、該隔膜は
少なくとも前記原水が透過できる程度の孔径の微細孔を
有していなければならない。
【0013】前記電解槽に供給される原水の流量は、該
原水が効率的に電極等の表面と接触できるように規定す
ればよく、完全な層流であると横方向の移動が少なく電
極、誘電体及び微粒子表面との接触が少なくなるため、
乱流状態を形成するようにすることが好ましく、500 以
上のレイノルズ数を有する乱流とすることが特に好まし
い。更に本発明に使用する電解槽の前後の少なくとも一
方特に該電解槽の前にフィルターを設置して電解槽に入
る前の原水から固形不純物を除去しておくことが望まし
い。なお、本発明方法に使用する電解槽では該電解槽に
漏洩電流が生じ該漏洩電流が電解槽から原水を通して他
の部材例えば配管に流れ込み、該配管を電気化学的に腐
食させ溶出させることがあるため、電解槽内の陽陰極が
相対しない電極背面部及び/又は前記電解槽の出入口配
管内に、前記原水より導電性の高い部材をその一端を接
地可能なように設置して前記漏洩電流を遮断することが
できる。
【0014】このように前記固定床型三次元電極電解槽
により電気化学的に処理され微生物や金属イオン等が除
去されて純度が向上した原水は、次いで逆浸透膜を装着
した高純度水製造装置により脱イオンされ更に高純度の
脱イオン水が製造される。使用する逆浸透膜は高純度脱
イオン水製造に従来から使用されているものを制限なく
使用すればよく、電気化学的処理が行われた原水が逆浸
透膜を透過する際に必要な該逆浸透膜の両側間の圧力差
は15kg/cm2 程度である。該逆浸透膜と接触する原
水は電気化学的処理により予め金属イオン等の不純物が
除去され清浄化されているため、逆浸透膜の汚染は最小
限に抑制され、該逆浸透膜を交換あるいは再生すること
なく長期間に亘り高純度脱イオン水を製造することが可
能になる。
【0015】次に添付図面に基づいて本発明に使用でき
る電解槽の好ましい例及び該電解槽と逆浸透膜を使用す
る高純度脱イオン水の製造方法を説明するが、本発明方
法はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明
方法の電解槽として使用可能な固定床型複極式電解槽の
一例を示す概略縦断面図、図2は、図1の電解槽と逆浸
透膜を装着した高純度脱イオン水製造装置を使用して原
水から高純度脱イオン水を製造するシステムのフローチ
ャートである。上下にフランジ1を有する円筒形の電解
槽本体2の内部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッ
シュ状の給電用陽極ターミナル3と給電用陰極ターミナ
ル4が設けられている。電解槽本体2は、長期間の使用
又は再度の使用にも耐え得る電気絶縁材料で形成するこ
とが好ましく、特に合成樹脂であるポリエピクロルヒド
リン、ポリビニルメタクリレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化エチレン、フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂等が好ましく使用でき
る。正の直流電圧を与える前記陽極ターミナル3は、例
えば炭素材 (例えば活性炭、炭、コークス、石炭
等)、グラファイト材(例えば炭素繊維、カーボンクロ
ス、グラファイト等)、炭素複合材 (例えば炭素に金
属を粉状で混ぜ焼結したもの等)、活性炭素繊維不織布
(例えばKE−1000フェルト、東洋紡株式会社)、又は
これに白金、白金、パラジウムやニッケルを担持させた
材料、更に寸法安定性電極 (白金族酸化物被覆チタン
材) 、白金被覆チタン材、ニッケル材、ステンレス材、
鉄材等から形成される。又陽極ターミナル3に対向し負
の直流電圧を与える陰極ターミナル4は、例えば白金、
ステンレス、チタン、ニッケル、銅、ハステロイ、グラ
ファイト、炭素材、軟鋼あるいは白金族金属をコーティ
ングした金属材料等から形成されている。
【0016】前記両電極ターミナル3、4間には複数個
の図示の例では3個のスポンジ状の固定床5が積層さ
れ、かつ該固定床5間及び該固定床5と前記両電極ター
ミナル3、4間に4枚の多孔質の隔膜あるいはスペーサ
ー6が挟持されている。各固定床5は電解槽本体2の内
壁に密着し固定床5の内部を通過せず、固定床5と電解
槽本体2の側壁との間を流れる写真処理液の漏洩流がな
るべく少なくなるように配置されている。隔膜を使用す
る場合には該隔膜として織布、素焼板、粒子焼結ブラス
チック、多孔板、イオン交換膜等が用いられ、スペーサ
ーとして電気絶縁性材料で製作された織布、多孔板、
網、棒状材等が使用される。該電解槽本体2は図2に示
すように、その出口側が逆浸透膜8が収容された高純度
脱イオン水製造装置9に接続されている。前述の電解槽
本体2に図2に矢印で示すように下方から水道水等の原
水を供給しながら通電を行うと、前記各固定床5が図1
の如く下面が正に上面が負に分極して固定床5内及び固
定床5間に電位が生じ、該電解槽内を流通する原水はこ
の電位を有する固定床5に接触してその中に含有される
黴や細菌の滅菌及びカルシウムイオン及びマグネシウム
イオン除去等の処理が行われて該電解槽の上方から取り
出される。取り出された原水の純度は電解槽に供給され
る前の原水と比較して大きく上昇している。この原水を
前記高純度脱イオン水製造装置9の逆浸透膜8の一方サ
イドに高圧下供給すると、該圧力により原水中の水のみ
が該逆浸透膜8を浸透して逆サイドに移行し、該逆浸透
膜8を透過できない前記原水中の不純物が除去されて高
純度脱イオン水が得られる。この場合該製造装置9中の
逆浸透膜8は電気化学的処理が行われ清浄化された原水
とのみ接触するため、寿命が長く交換や再生を行うこと
なく長期間脱イオン水の製造を行うことができる。
【0017】図3は、本発明に使用できる複極型固定床
式電解槽の他の例を示すもので、該電解槽は図1の電解
槽の固定床5の給電用陰極4に向かう側つまり陽分極す
る側にメッシュ状の不溶性金属材料7を密着状態で設置
したものであり、他の部材は図1と同一であるので同一
符号を付して説明を省略する。直流電圧が印加された固
定床5はその両端部において最も大きく分極が生じ、ガ
ス発生が伴う場合には該両端部において最も激しくガス
発生が生ずる。従って最も強く陽分極するつまり最も激
しく酸素ガスが発生する固定床5の給電用陰極4に向か
う端部には最も速く溶解が生じる。図示の通りこの部分
に不溶性金属材料7を設置しておくと、該不溶性金属材
料7の過電圧が固定床5を形成する炭素系材料の過電圧
より低いため殆どの酸素ガスが前記不溶性金属材料7か
ら発生し固定床5は殆ど酸素ガスと接触しなくなるた
め、前記固定床5の溶解は効果的に抑制される。又該電
解槽2に供給された水道水等の原水は図1の場合と同様
に処理された後、高純度脱イオン水製造装置に供給され
る。
【0018】図4は、本発明方法に使用できる複極型固
定床式電解槽の他の例を示すものである。上下にフラン
ジ11を有する円筒形の電解槽本体12の内部上端近傍及び
下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電用陽極13と給電
用陰極14が設けられている。電解槽本体12は、長期間の
使用又は再度の使用にも耐え得る電気絶縁材料特に合成
樹脂で形成することが好ましい。前記両給電用電極13、
14間には、導電性材料例えば炭素系材料で形成された多
数の固定床形成用粒子15と該固定床形成用粒子15より少
数の例えば合成樹脂製の絶縁粒子18とがほぼ均一に混在
している。該絶縁粒子18は、前記給電用陽極13及び給電
用陰極14が完全に短絡することを防止する機能を有して
いる。このような構成から成る電解槽に下方から矢印で
示すように原水を供給しながら通電を行うと、前記各固
定床形成用粒子15が給電用陽極13側が負に又給電用陰極
14側が正に分極して表面積が莫大な三次元電極として機
能し、図1及び図3の電解槽と同様にして前記原水の滅
菌等が行われ、その後高純度脱イオン水製造装置へ供給
されて高純度脱イオン水が製造される。
【0019】図5は、本発明に使用できる単極型固定床
式電解槽を例示するものである。上下にフランジ21を有
する円筒形の電解槽本体22の内部上端近傍及び下端近傍
にはそれぞれメッシュ状の給電用陽極23と給電用陰極24
が設けられている。電解槽本体22は、長期間の使用又は
再度の使用にも耐え得る電気絶縁材料特に合成樹脂で形
成することが好ましい。前記両給電用電極23、24間に
は、隔膜26を挟んで導電性材料例えば炭素繊維をフェル
ト状に成形した1対の固定床25が陽極室内及び陰極室内
に充填され、前記陽極室内及び陰極室内のフェルト状炭
素繊維はそれぞれ前記給電用陽極23と給電用陰極24に電
気的に接続され、陽極室内の固定床は正に陰極室内の固
定床は負に帯電されている。この電解槽に下方から矢印
で示すように原水を供給しながら通電を行うと、図1、
図3及び図4の場合と同様に固定床25が表面積が莫大な
三次元電極として機能して原水中の黴や細菌等の微生物
の滅菌等が行われる。
【0020】
【実施例】以下に本発明方法による水道水からの高純度
脱イオン水の製造の実施例を記載するが、該実施例は本
発明方法を限定するものではない。実施例1 図1に示した電解槽を図2に示すように逆浸透膜を装着
した高純度脱イオン水製造装置とともに使用して水道水
から高純度脱イオン水を製造した。前記電解槽は、塩化
ビニル樹脂製の高さ 100mm、内径50mmのフランジ付
円筒形であり、該円筒体の内部に開孔率60%の炭素繊維
から成る直径50mm、厚さ10mmの固定床3個を、開口
率85%で直径50mm及び厚さ 1.5mmのポリエチレン樹
脂製隔膜4枚で挟み込み、上下両端の隔膜にそれぞれ白
金をその表面にメッキしたチタン製である直径48mm厚
さ 1.0mmのメッシュ状陽極ターミナル及び陰極ターミ
ナルを接触させて設置した。前記高純度脱イオン水製造
装置としては、逆浸透装置(東レ株式会社LV−10T型
RO装置)を使用した。
【0021】前記電解槽に、微生物数35個/ミリリット
ルでカルシウムイオン濃度105.0 ppm及びマグネシウ
ムイオン濃度25.6ppmである水道水を原水として4.6
リットル/分の速度で供給した。該電解槽から取り出さ
れた水道水をそのまま前記高純度脱イオン水製造装置の
前記逆浸透膜により区画された一方の室に導き、逆浸透
膜を浸透させて他方の室で高純度脱イオン水を製造し、
該高純度脱イオン水を該製造装置から取り出した。前記
製造装置から取り出された高純度脱イオン水中の微生物
数は0個/ミリリットルでカルシウムイオン濃度は3.0
ppm及びマグネシウムイオン濃度は0.4ppmであっ
た。電解槽及び高純度脱イオン水製造装置への水道水の
供給を30日間継続した後、該製造装置から取り出される
脱イオン水の微生物数、カルシウムイオン濃度及びマグ
ネシウムイオン濃度を再度測定したところ、それぞれ0
個/ミリリットル、3.2 ppm及び0.5 ppmであり、
得られた脱イオン水の純度は初期の脱イオン水の純度と
ほぼ同じであった。
【0022】比較例1 実施例1と同じ水道水を使用し、該水道水を原水として
直接実施例1の高純度脱イオン水製造装置に供給して逆
浸透により脱イオン水を製造し、得られた脱イオン水の
微生物数、カルシウムイオン濃度及びマグネシウムイオ
ン濃度を測定したところ、それぞれ0個/ミリリット
ル、3.5 ppm及び0.8 ppmであった。高純度脱イオ
ン水製造装置への水道水の供給を30日間継続した後、再
度微生物数、カルシウムイオン濃度及びマグネシウムイ
オン濃度を測定したところ、それぞれ103 個/ミリリッ
トル、28.7ppm及び12.0ppmであり、得られた脱イ
オン水の純度は初期の脱イオン水の純度より大きく低下
し、逆浸透膜の交換が必要であることが判った。
【0023】実施例2 実施例1で使用した電解槽及び高純度脱イオン水製造装
置を使用して水道水から脱イオン水を製造した。実施例
1の水道水に炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを溶
解してカルシウムイオン濃度を100.5 ppm及びマグネ
シウムイオン濃度を21.0ppmとした水道水を原水とし
て使用した。この原水を実施例1と同様の条件で電気化
学的処理及び逆浸透処理を行い、高純度脱イオン水製造
装置から取り出された高純度脱イオン水中のカルシウム
イオン濃度及びマグネシウムイオン濃度を測定したとこ
ろそれぞれ2.8 ppm及び0.4 ppmであった。電解槽
及び高純度脱イオン水製造装置への水道水の供給を30日
間継続した後、再度脱イオン水のカルシウムイオン濃度
及びマグネシウムイオン濃度を測定したところ、それぞ
れ3.0 ppm及び0.6 ppmであり、得られた脱イオン
水の純度は初期の脱イオン水の純度はほぼ同じであっ
た。
【0024】比較例2 実施例2と同じ水道水を使用し、該水道水を原水として
直接実施例1の高純度脱イオン水製造装置に供給して逆
浸透により脱イオン水を製造し、得られた脱イオン水の
カルシウムイオン濃度及びマグネシウムイオン濃度を測
定したところ、それぞれ3.5 ppm及び0.7 ppmであ
った。高純度脱イオン水製造装置への水道水の供給を30
日間継続した後、再度カルシウムイオン濃度及びマグネ
シウムイオン濃度を測定したところ、それぞれ、30.0p
pm及び13.1ppmであり、得られた脱イオン水の純度
は初期の脱イオン水の純度より大きく低下し、逆浸透膜
の再生あるいは交換が必要であることが判った。
【0025】実施例3 実施例1で使用した電解槽及び高純度脱イオン水製造装
置を使用して水道水から脱イオン水を製造した。実施例
1の水道水に微生物を添加して微生物数を650個/ミリ
リットルとした水道水を原水として使用した。この原水
を実施例1と同様の条件で電気化学的処理及び逆浸透処
理を行い、高純度脱イオン水製造装置から取り出された
高純度脱イオン水中の微生物数を測定したところ0個/
ミリリットルであった。電解槽及び高純度脱イオン水製
造装置への原水の供給を14日間継続した後、再度脱イオ
ン水中の微生物数を測定したところ、5個/ミリリット
ルであり、得られた脱イオン水の純度は初期の脱イオン
水の純度とほぼ同じであった。
【0026】比較例3 実施例3と同じ水道水を原水として使用し、該原水を直
接実施例1の高純度脱イオン水製造装置に供給して逆浸
透により脱イオン水を製造し、得られた脱イオン水の微
生物数を測定したところ、2個/ミリリットルであっ
た。高純度脱イオン水製造装置への原水の供給を14日間
継続した後、再度微生物数を測定したところ、2500個/
ミリリットルであり、得られた脱イオン水の純度は初期
の脱イオン水の純度より大きく低下し、逆浸透膜の再生
あるいは交換が必要であることが判った。
【0027】
【発明の効果】本発明方法は、不純物を含有する原水を
逆浸透膜で脱イオンして高純度脱イオン水を製造する際
に、前記原水を逆浸透膜に接触させる前に電気化学的に
処理することで該原水中の不純物の少なくとも一部を除
去し、これにより前記逆浸透膜を汚染することなくその
脱イオン能を長期間一定値以上に維持し、該逆浸透膜の
交換や再生を行うことなく高純度脱イオン水を安定して
製造できるようにした方法である(請求項1)。本発明
方法は水道水等の金属イオンや微生物を含む原水を対象
とし、該原水を前処理や後処理を行うことなく電解槽と
逆浸透膜を装着した高純度脱イオン水製造装置等を接続
し、そのライン内を流通させるのみで逆浸透膜を殆ど汚
染することなく高純度脱イオン水を定常的に得ることが
できる。
【0028】つまり原水を固定床型三次元電極電解槽に
供給すると、該原水中の微生物は電位を与えられた陽極
や陰極あるいは誘電体や固定床形成用粒子等に接触しそ
れらの表面で強力な酸化還元反応を受けたり高電位の電
流に接触し、その活動が弱まったり自身が死滅して滅菌
が行われ、又原水中に含まれるカルシウムイオンやマグ
ネシウムイオン等はその水酸化物として原水から除去さ
れ、これらは殆ど逆浸透膜に接触することがなくなる。
従って逆浸透膜の再生用の薬剤を使用する必要がなく、
手間とコストが低減されるだけでなく、使用済薬剤の廃
棄による環境汚染を効果的に防止することができる。更
に前記電解槽の前後の少なくとも一方にフィルターを設
置しておくと(請求項2)、生ずる沈澱等が除去されて
電解槽及び逆浸透膜の汚染を更に効果的に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の電解槽として使用可能な固定床型
複極式電解槽の一例を示す概略縦断面図。
【図2】図1の電解槽と高純度脱イオン水製造装置を使
用して原水から高純度脱イオン水を製造するシステムの
フローチャート。
【図3】本発明に使用できる複極型固定床式電解槽の他
の例を示す概略縦断面図。
【図4】本発明方法に使用できる複極型固定床式電解槽
の他の例を示す概略縦断面図。
【図5】本発明に使用できる単極型固定床式電解槽を例
示する概略縦断面図。
【符号の説明】
1・・・フランジ 2・・・電解槽本体 3、4・・・
給電用電極ターミナル5・・・固定床 6・・・スペー
サー 7・・・不溶性金属材料 8・・・逆浸透膜 9
・・・高純度脱イオン水製造装置 11・・・フランジ
12・・・電解槽本体 13、14・・・給電用電極ターミナ
ル 15・・・固定床形成用粒子 18・・・絶縁粒子 21
・・・フランジ 22・・・電解槽本体 23、24・・・給
電用電極ターミナル 25・・・固定床 26・・・隔膜
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆浸透法と電気化学的
処理を併用する高純度水の製造方法に関し、より詳細に
は高純度水を製造する際にまず原水の電気化学的処理を
行った後、逆浸透膜を透過させて処理することにより使
用する逆浸透膜の汚染を防止し、得られる高純度水の純
度を更に向上させるための方法に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来技術】従来から各種用途例えば海水からの脱イオ
ン水の製造等に逆浸透法が採用されている。逆浸透法に
よる高純度水製造法とは、イオンを透過させず水のみが
浸透する逆浸透膜の一方サイドに高圧の原水を供給し一
方サイドからイオンが濃縮された濃縮水を取り出し、該
逆浸透膜の逆サイドで不純物イオンが除去された高純度
水を得る方法である。しかしこの方法では原水中に存在
する微生物やカルシウムイオン、マグネシウムイオン等
の硬度成分により前記逆浸透膜が汚染され比較的短期間
で該逆浸透膜の機能が低下し十分な効率で高純度水を得
ることができなくなり、高純度水製造を継続するために
は逆浸透膜の回生処理や交換が必要となる。逆浸透膜の
回生処理や交換を頻繁に行うことは手間が掛かるだけで
なく回生処理用の薬剤の使用量が増大してコスト高にな
り、更に使用済薬剤の廃棄による環境汚染の問題も生ず
るため、簡便な方法で逆浸透膜の汚染を防止することが
要請されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決すべき問題点】逆浸透膜の汚染を防止する
ために該原水を逆浸透膜と接触させる前にフィルターに
より濾過して固体の不純物を除去した後に逆浸透膜と接
触させることは広く行われている。しかし逆浸透膜を汚
染する不純物は濾過により除去できる固形分だけでなく
前述したように微生物のようにフィルターを通り抜けて
しまうような微細な不純物等も含まれており、又従来の
フィルターは硬度成分を除去することができない。従っ
て逆浸透膜の汚染を防止するためには濾過操作を併用す
るだけでは不十分であり、より有効な処理方法が望まれ
ている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【発明の目的】本発明は、逆浸透膜を使用して高純度水
を製造する際に電気化学的処理を併用することにより、
前記逆浸透膜の汚染を最小限に抑制し該逆浸透膜の交換
や回生処理を行うことなく長期間に亘って前記高純度水
を製造するための方法を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明では
逆浸透膜が装着された高純度水製造装置に原水を供給す
る前に該原水を固定床型三次元電極電解槽に供給して電
気化学的処理を行うが、該固定床型三次元電極電解槽は
次のような構成のものを使用する。該電解槽は、固定床
型三次元電極電解槽つまり固定床型単極式電解槽及び固
定床式複極式電解槽であり、これらの電解槽では該電解
槽の三次元電極が莫大な表面積を有するため電極表面と
原水との接触面積を増大させることができ、これにより
装置サイズを小さくし、かつ電気化学的処理の効率を上
げることができる点で有利である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】このように前記固定床型三次元電極電解槽
により電気化学的に処理され微生物や硬度成分が除去さ
れて純度が向上した原水は、次いで逆浸透膜を装着した
高純度水製造装置により脱イオンされ更に高純度の脱イ
オン水が製造される。使用する逆浸透膜は高純度脱イオ
ン水製造に従来から使用されているものを制限なく使用
すればよい。該逆浸透膜と接触する原水は電気化学的処
理により予め微生物や硬度成分等の不純物が除去され清
浄化されているため、逆浸透膜の汚染は最小限に抑制さ
れ、該逆浸透膜を交換あるいは回生処理することなく長
期間に亘り高純度脱イオン水を製造することが可能にな
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】前記両電極ターミナル3、4間には複数個
の図示の例では3個のスポンジ状の固定床5が積層さ
れ、かつ該固定床5間及び該固定床5と前記両電極ター
ミナル3、4間に4枚の多孔質の隔膜あるいはスペーサ
ー6が挟持されている。各固定床5は電解槽本体2の内
壁に密着し固定床5の内部を通過せず、固定床5と電解
槽本体2の側壁との間を流れる処理液の漏洩流がなるべ
く少なくなるように配置されている。隔膜を使用する場
合には該隔膜として織布、素焼板、粒子焼結ブラスチッ
ク、多孔板、イオン交換膜等が用いられ、スペーサーと
して電気絶縁性材料で製作された織布、多孔板、網、棒
状材等が使用される。該電解槽本体2は図2に示すよう
に、その出口側が逆浸透膜8が収容された高純度脱イオ
ン水製造装置9に接続されている。前述の電解槽本体2
に図2に矢印で示すように下方から水道水等の原水を供
給しながら通電を行うと、前記各固定床5が図1の如く
下面が正に上面が負に分極して固定床5内及び固定床5
間に電位が生じ、該電解槽内を流通する原水はこの電位
を有する固定床5に接触してその中に含有される黴や細
菌の滅菌及びカルシウムイオン及びマグネシウムイオン
除去等の処理が行われて該電解槽の上方から取り出され
る。取り出された原水の純度は電解槽に供給される前の
原水と比較して大きく上昇している。この原水を前記高
純度脱イオン水製造装置9の逆浸透膜8の一方サイドに
高圧下供給すると、一方サイドから濃縮水が得られると
ともに該逆浸透膜8を透過できない前記原水中の不純物
が除去され高純度脱イオン水が逆サイドから得られる。
この場合該製造装置9中の逆浸透膜8は電気化学的処理
が行われ清浄化された原水とのみ接触するため、汚染が
防止され交換や回生処理行うことなく長期間脱イオン水
の製造を行うことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【実施例】以下に本発明方法による水道水からの高純度
脱イオン水の製造の実施例を記載するが、該実施例は本
発明方法を限定するものではない。実施例1 図1に示した電解槽を図2に示すように逆浸透膜を装着
した高純度脱イオン水製造装置とともに使用して水道水
から高純度脱イオン水を製造した。前記電解槽は、塩化
ビニル樹脂製の高さ 100mm、内径50mmのフランジ付
円筒形であり、該円筒体の内部に開孔率60%の炭素繊維
から成る直径50mm、厚さ10mmの固定床3個を、開口
率85%で直径50mm及び厚さ 1.5mmのポリエチレン樹
脂製隔膜4枚で挟み込み、上下両端の隔膜にそれぞれ白
金をその表面にメッキしたチタン製である直径48mm厚
さ 1.0mmのメッシュ状陽極ターミナル及び陰極ターミ
ナルを接触させて設置した。前記高純度脱イオン水製造
装置としては、逆浸透装置〔東レ株式会社LV−10T型
(セルロース膜)RO装置)を使用した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】前記電解槽に、微生物数35個/ミリリット
ルでカルシウムイオン濃度105.0 ppm及びマグネシウ
ムイオン濃度25.6ppmである水道水を原水として4.6
リットル/分の速度で供給した。該電解槽から取り出さ
れた水道水をそのまま前記高純度脱イオン水製造装置の
前記逆浸透膜により区画された一方の室に導き、逆浸透
膜を浸透させて他方の室で高純度脱イオン水を製造し、
該高純度脱イオン水を該製造装置から取り出した。前記
製造装置から取り出された高純度脱イオン水中の微生物
数は0個/ミリリットルでカルシウムイオン濃度は1.4
ppm及びマグネシウムイオン濃度は0.2ppmであっ
た。電解槽及び高純度脱イオン水製造装置への水道水の
供給を30日間継続した後、該製造装置から取り出される
脱イオン水の微生物数、カルシウムイオン濃度及びマグ
ネシウムイオン濃度を再度測定したところ、それぞれ0
個/ミリリットル、1.4 ppm及び0.2 ppmであり、
得られた脱イオン水の純度は初期のそれとほぼ同じであ
った。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】比較例1 実施例1と同じ水道水を使用し、該水道水を原水として
直接実施例1の高純度脱イオン水製造装置に供給して逆
浸透により脱イオン水を製造する操作を半年間継続した
ところ逆浸透装置の差圧が上昇し脱イオン水の流量が初
期と比較して80%に低下した。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】実施例2 実施例1で使用した電解槽及び高純度脱イオン水製造装
置を使用して水道水から脱イオン水を製造した。実施例
1の水道水に微生物を添加して微生物数を650個/ミリ
リットルとした水道水を原水として使用した。この原水
を実施例1と同様の条件で電気化学的処理及び逆浸透処
理を行い、高純度脱イオン水製造装置から取り出された
高純度脱イオン水中の微生物数を測定したところ0個/
ミリリットルであった。電解槽及び高純度脱イオン水製
造装置への原水の供給を半年間継続した後、再度脱イオ
ン水中の微生物数を測定したところ、0個/ミリリット
ルであり、得られた脱イオン水の純度及び流量は初期の
それとほぼ同じであった。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】比較例2 実施例2と同じ水道水を原水として使用し、該原水を直
接実施例1の高純度脱イオン水製造装置に供給して逆浸
透により脱イオン水を製造する操作を半年間継続したと
ころ逆浸透装置の差圧が上昇し脱イオン水の流量が初期
と比較して50%に低下した。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【発明の効果】本発明方法は、不純物を含有する原水を
逆浸透膜で脱イオンして高純度脱イオン水を製造する際
に、前記原水を逆浸透膜に接触させる前に電気化学的に
処理することで該原水中の不純物の微生物及び硬度成分
を除去し、これにより前記逆浸透膜を汚染することなく
その脱イオン能を長期間一定値以上に維持し、該逆浸透
膜の交換や回生処理を行うことなく高純度脱イオン水を
安定して製造できるようにした方法である(請求項
1)。本発明方法は水道水等の硬度成分や微生物を含む
原水を対象とし、該原水を前処理や後処理を行うことな
く電解槽と逆浸透膜を装着した高純度脱イオン水製造装
置等を接続し、そのライン内を流通させるのみで逆浸透
膜を殆ど汚染することなく高純度脱イオン水を定常的に
得ることができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】つまり原水を固定床型三次元電極電解槽に
供給すると、該原水中の微生物は電位を与えられた陽極
や陰極あるいは誘電体や固定床形成用粒子等に接触しそ
れらの表面で強力な酸化還元反応を受けたり高電位の電
流に接触し、その活動が弱まったり自身が死滅して滅菌
が行われ、又原水中に含まれるカルシウムイオンやマグ
ネシウムイオン等はその水酸化物として原水から除去さ
れるので逆浸透膜の汚染を効果的に防止することができ
る。従って逆浸透膜の回生処理の頻度や交換頻度を大幅
に少なくすることができ、手間とコストが低減されるだ
けでなく、使用済薬剤の廃棄による環境汚染を効果的に
防止することができる。更に前記電解槽の前後の少なく
とも一方にフィルターを設置しておくと(請求項2)、
生ずる沈澱等が除去されて電解槽及び逆浸透膜の汚染を
更に効果的に防止することができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 美奈 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 中沢 猛 東京都文京区本郷5丁目5番16号オルガノ 株式会社内 (72)発明者 葛巻 貞司 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号オルガノ 株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物イオンを含有する原水を逆浸透膜
    を透過させることにより前記不純物イオンを除去して高
    純度水を製造する方法において、前記原水を固定床型三
    次元電極電解槽に供給し該原水を電気化学的に処理した
    後に前記逆浸透膜を透過させることを特徴とする高純度
    水の製造方法。
  2. 【請求項2】 固定床型三次元電極電解槽の前後の少な
    くとも一方にフィルターを設置するようにした請求項1
    に記載の方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013108104A (ja) * 2011-11-17 2013-06-06 Permelec Electrode Ltd 電解合成装置、電解処理装置、電解合成方法及び電解処理方法
JP2014151270A (ja) * 2013-02-08 2014-08-25 Yukinobu Mori 水素水製造装置及び水素水の製造方法
CN108383318A (zh) * 2018-04-20 2018-08-10 张克勤 一种磁分离装置
US11267727B2 (en) * 2012-04-02 2022-03-08 The Bd Of Trustees Of The Leland Stanford Jr Univ Water sterilization devices and uses thereof

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