JP2016168542A - 電解水生成装置および電解水生成方法 - Google Patents

電解水生成装置および電解水生成方法 Download PDF

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Norihiro Yoshinaga
典裕 吉永
内藤 勝之
Katsuyuki Naito
勝之 内藤
梅 武
Takeshi Ume
武 梅
富松 師浩
Norihiro Tomimatsu
師浩 富松
亮介 八木
Ryosuke Yagi
亮介 八木
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Masahiro Yokota
昌広 横田
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英男 太田
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Abstract

【課題】スケールが溜まりにくく、電解水を低コストで製造可能で、かつ、原料として塩酸を使用することなく電解水製造時の安全性に優れた、電解水生成装置および電解水生成方法を提供する。【解決手段】第1の陽電極14を配した陽極室11、第1の陰電極15を配した陰極室12および中間室13を有し、陽極室11と中間室13とがバイポーラ膜16により仕切られており、陰極室12と中間室13とが少なくとも陰イオンを透過させる隔膜17により仕切られている、3室型の電解槽と、中間室13に形成される水溶液に対して電圧を印加して、次亜塩素酸水を生成可能とする第2の陽電極18および第2の陰電極19と、を有する電解水生成装置10。【選択図】図1

Description

本発明は、電解水生成装置および電解水生成方法に関するものである。
従来、次亜塩素酸水などの機能水を生成する電解水生成装置として、1室型や2室型、さらには3室型の電解槽を有する種々の電解水生成装置が用いられている。
例えば、3室型の電解槽は、ナフィオン等の陽イオン交換膜、四級アンモニウム塩や四級ホスホニウム塩等を有する陰イオン交換膜、逆浸透膜等によって、電解セルが陽極室、中間室および陰極室と3室に区切られる。陽極室および陰極室には、陽電極および陰電極がそれぞれ配置されている。
このような3室型の電解槽を有する電解水生成装置では、例えば、中間室に塩化ナトリウム水を流し、陰極室および陽極室に水を流して、中間室の塩化ナトリウム水を電気分解する。この電気分解により、陽極室で発生した塩素ガスを水に溶解させて次亜塩素酸水を生成するとともに、陰極室では水酸化ナトリウム水を生成する。生成した次亜塩素酸水は殺菌消毒水として、水酸化ナトリウム水は洗浄水として、それぞれ活用される。
また、2室型の電解槽を有する電解水生成装置は、ナフィオン等の陽イオン交換膜や、四級アンモニウム塩や四級ホスホニウム塩等を有する陰イオン交換膜、逆浸透膜等によって、電解槽が陽極室および陰極室の2室に区切られる。陽極室および陰極室には、陽電極および陰電極がそれぞれ配置されている。
このような2室型の電解槽を有する電解水生成装置では、例えば、陽極室に塩化ナトリウム水を流し、陰極室に水を流して、塩化ナトリウム水を陽極室で電気分解する。この電気分解により、陽極室で発生した塩素ガスが水に溶解して次亜塩素酸水を生成させる。
また、1室型の電解槽を有する電解水生成装置では、塩酸と水を混ぜた塩酸水溶液を収容する浴槽に、陽電極および陰電極が配置されている。この装置で電気分解を行うと、陽電極で発生した塩素ガスが水に溶解して次亜塩素酸水が生成され、同時に陰電極では水素ガスが生成する。
なお、装置構成としてバイポーラ膜を使用した電気透析装置が知られているが、次亜塩素酸水を製造するものは知られていない。
国際公開第1999/33496号 特開2008−264746号公報 特開2000−218275号公報 国際公開第2014/077373号
谷岡明彦著、「バイポーラ膜の機能」、繊維学会誌、繊維学会、平成7(1995)年1月、第51巻、第1号、p.16−22
3室型の電解槽を用いる場合は、塩化ナトリウムと水を用意するだけで上記の反応を起こすことができ、原料の調達、取り扱いが容易で、安全に、次亜塩素酸水を得ることができる。さらに、次亜塩素酸水に塩水が混ざらないメリットがある。一方、電解槽には常に水または塩化ナトリウム水を供給、排出等をしなければならず、また、水の使用量が多く、それに伴い多くの配管等が必要であるため、装置構造が複雑になる問題がある。
2室型の電解槽を用いる場合、3室型の電解槽を用いた場合と同様、塩化ナトリウムと水を用意するだけで上記の反応を起こすことができ、原料の調達、取り扱いが容易で、安全に、次亜塩素酸水を得ることができる。ただし、2室型の電解槽の場合は次亜塩素酸水に塩水が混ざる欠点がある。
ところで、2室型および3室型の電解槽では、陰極室においてアルカリ水が生成するが、アルカリ条件下では水中のカルシウムやマグネシウム等が炭酸塩や炭酸水素塩となり、スケールとして沈着し、配管等を塞いでしまう問題もある。そこで、一般にイオン交換樹脂により水道水の金属イオンを取り除いたイオン交換水を使用するが、それでもスケールの発生を完全になくすことは困難である。完全にスケールの発生を無くすためには、イオン交換水を蒸留した超純水を用いる必要がある。
さらに、食肉工場や植物工場等で次亜塩素酸水を使う場合、工場のサイズにも依るが、数L/分程度の比較的多量の次亜塩素酸水量が要求されるため、そのような場合、供給水が超純水やイオン交換水等であるイオン交換樹脂を用いる系では、そのメンテナンスが頻繁に必要となる。さらに、このような場合、水道水を全て超純水に置き換えることはコスト上極めて難しい。
また、1室型の電解槽での反応は、2室型や3室型の電解槽の場合と異なり、アルカリ水が生成しないためスケールが溜まり難いメリットがある。しかし、原料として劇物の塩酸を使用するため、その取り扱いや管理(消防署等への申請も必要)等が煩雑になってしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、スケールが溜まりにくく、電解水を低コストで製造可能で、かつ、原料として塩酸を使用することなく電解水製造時の安全性に優れた、電解水生成装置および電解水生成方法を提供することである。
実施形態の電解水生成装置は、水が供給される第1の陽電極を配した陽極室、塩素化合物水溶液が供給される第1の陰電極を配した陰極室および前記陽極室と前記陰極室との間に形成された中間室を有し、前記陽極室と前記中間室とが陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを接合してなるバイポーラ膜により仕切られており、前記陰極室と前記中間室とが少なくとも陰イオンを透過させる隔膜により仕切られている、3室型の電解槽と、前記中間室に形成される水溶液に対して電圧を印加して、次亜塩素酸水を生成可能とする第2の陽電極および第2の陰電極と、を有する。
また、実施形態の電解水生成方法は、上記電解水生成装置の前記3室型の電解槽において、前記陽極室に水を、前記陰極室に塩素化合物水溶液を、供給する供給工程と、前記第1の陽電極および第1の陰電極に電圧を印加する第1の電解工程と、前記第1の電解工程により前記中間室に形成される水溶液に対して、前記第2の陽電極および第2の陰電極に電圧を印加して次亜塩素酸水を生成する第2の電解工程と、を有する。
第1の実施形態に係る電解水生成装置の概略構成を示す図である。 第2の実施形態に係る電解水生成装置の概略構成を示す図である。 従来の3室型の電解槽を有する電解水生成装置の概略構成を示す図である。
実施形態の電解水生成装置は、上記したように、水が供給される第1の陽電極を配した陽極室、塩素化合物水溶液が供給される第1の陰電極を配した陰極室および陽極室と陰極室との間に形成された中間室を有する。そして、これら陽極室と中間室とは陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを接合してなるバイポーラ膜により仕切られており、陰極室と中間室とは少なくとも陰イオンを透過させる隔膜により仕切られている。すなわち、この電解水生成装置は、3室型の電解槽を有して構成される。
そして、上記中間室に形成される水溶液に対して電圧を印加して、次亜塩素酸水を生成可能とする第2の陽電極および第2の陰電極を有している。
以下に、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電解水生成装置の概略的な構成を示した図である。
この図1に示した電解水生成装置10は、陽極室11、陰極室12および中間室13を有し、第1の陽電極14と第1の陰電極15とが、それぞれ陽極室11と陰極室12とに一対の電極として配された3室型の電解槽を有する装置である。この3室型の電解槽は、陽極室11と中間室13とが陽イオン交換膜16aと陰イオン交換膜16bとを接合してなるバイポーラ膜16により仕切られており、陰極室12と中間室13とが少なくとも陰イオンを透過させる隔膜17により仕切られている。そして、中間室13には、第2の陽電極18と第2の陰電極19が一対の電極として配されている。
陽極室11には、上記のように第1の陽電極14が配され、さらに、電解水生成にあたっては水が供給されるようになっている。陰極室12には、上記のように第1の陰電極15が配され、さらに、電解水生成にあたっては塩素化合物水溶液が供給されるようになっている。水や塩素化合物水溶液を供給するにあたっては、ポンプや注射器、重力等を使って供給可能とする供給機構を有する供給ラインをそれぞれ設ければよい。
また、第1の陽電極14と第1の陰電極15には、これら電極間に電圧を印加するための電源(図示せず)が設けられており、さらに、電流計や電圧計を備えて印加する電圧を調整できるようにしておいてもよい。
また、陽極室11および陰極室12には、内部の液体を排出する流路を設けてもよい。さらに、発生するガスの排出口を設けてもよい。
中間室13は、陽極室11と陰極室12の間に設けられ、この実施形態は3室型の電解槽から構成される。これらの各室を仕切るものとして、陽極室11と中間室13の間には、陽イオン交換膜16aと陰イオン交換膜16bとが接合されたバイポーラ膜16が、陰極室12と中間室13との間には、少なくとも陰イオンを透過させる隔膜17が、設けられている。なお、中間室13には、電解水生成にあたっては希釈するための水が供給されるようになっている。
バイポーラ膜16は、陽イオン交換膜16aと陰イオン交換膜16bと貼り合せて接合された膜であり、一方の主面が陽イオン交換膜16aにより、他方の主面が陰イオン交換膜16bにより構成される膜である。このバイポーラ膜16で仕切ることにより、膜上で水を分解することで得られる水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)をそれぞれ特定方向にのみ放出できる。
この実施形態においては、陽イオン交換膜16aが中間室側に陰イオン交換膜16bが陽極室側になるように配置する。すなわち、水の分解により得られる水素イオン(H)を中間室側に、水酸化物イオン(OH)を陽極室側に供給するように配置する。
このバイポーラ膜としては、陽イオン交換固体高分子電解質膜と陰イオン交換固体高分子電解質膜とを重ねて貼り合せたバイポーラ膜が好ましく、具体的には、ネオセプタ(株式会社アストム製、商品名;登録商標)等が挙げられる。
隔膜17は、少なくとも陰イオンを透過させる機能を有する膜である。この隔膜17によって、陰極室12から中間室13に陰イオンが透過できるようになっている。隔膜17は、少なくとも陰イオンを透過させることができる膜であればよく、主に陰イオンを透過させることができる膜であることが好ましい。
この隔膜17としては、陰イオン交換膜、逆浸透膜等の電解質膜や、陰イオンを主に透過させるようにした多孔質膜が挙げられる。より具体的には、陰イオン交換膜としては、例えば、A201(株式会社トクヤマ製、商品名)、ネオセプタ(株式会社アストム製、商品名;登録商標)、セレミオン(旭硝子株式会社製、商品名)等が、逆浸透膜としてはロメンブラ(東レ株式会社製、商品名)等が挙げられる。また、多孔質膜としては、ナノポアを有する多孔質膜が挙げられ、例えば、多孔質ガラス、多孔質アルミナ、多孔質チタニア等の多孔質セラミックス、多孔質ポリエチレン、多孔質プロピレン等の多孔質ポリマー等が挙げられる。このような多孔質膜はpHが6以下の領域においてゼータ電位が正を示すことが好ましい。また、多孔質膜にpHが6以下の領域においてゼータ電位が正の無機酸化物を含有させることでも陰イオン透過性の膜を得ることができる。このような陽極側隔膜16を設けることにより、イオン選択性を向上させ、所望の電解水を生成するための電気分解を行うことができる。
さらに、この第1の実施形態においては、中間室13内に、第2の陽電極18と第2の陰電極19が設けられる。この第2の陽電極18と第2の陰電極19には、これら電極間に電圧を印加するための電源(図示せず)が設けられており、さらに、電流計や電圧計を備えて印加する電圧を調整できるようにしておいてもよい。この第2の陽電極18および第2の陰電極19を設けることにより、第1の陽電極および第1の陰電極に電圧を印加して中間室に形成される水溶液に対して、さらに電気分解を生じさせることができる。
なお、上記した第1の陽電極、第1の陰電極、第2の陽電極および第2の陰電極は、いずれも、チタン、クロム、アルミニウムやその合金等のバルブ金属、導電性金属を基材とすることができる。この中ではチタンが好ましい。電解反応によっては、活性化過電圧を下げるために、基材表面に電解触媒(触媒層)を形成することが好ましい。触媒層の厚さは、通常、0.5〜5.0μm程度とする。また、触媒金属を基材として用いてもよい。
また、第1の陽電極および第2の陽電極は、酸性および高電位に耐える白金等の貴金属や酸化イリジウム、酸化ルテニウム等の酸化物を触媒として用いることができる。第1の陰電極では、アルカリ耐性のあるニッケルや貴金属等を触媒に用いることができる。第2の陰電極には酸性に耐性のある白金等の貴金属触媒や銅、銀、ステンレス等を触媒に用いることができる。
次に、図1の電解水生成装置10を用いて電解水を生成する電解水生成方法について説明する。
電解水の生成にあたっては、まず、陽極室11および中間室13に水を、陰極室12に塩素化合物水溶液を供給する(供給工程)。ここで供給する水は、市水、工水や、脱イオン処理を施したイオン交換水、イオン交換水を蒸留した超純水等が挙げられる。塩素化合物水溶液は、塩素を含有する塩素含有化合物を含有した水溶液であればよい。ここで塩素含有化合物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
なお、本明細書において、イオン交換水とは、イオン交換樹脂により脱イオン処理した水で導電率が1.0μS/cm以下のものをいい、超純水とは、さらに蒸留処理した導電率が0.1μS/cm以下のものをいう。
次に、陽極室11と陰極室12にそれぞれ設けられている第1の陽電極14と第1の陰電極15間に電圧を印加する(第1の電解工程)。この電圧の印加により、陰極室12では水が電気分解されることで水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)が生成し、水酸化物イオン(OH)が水溶液中に含まれる塩化ナトリウム(NaCl)中のナトリウムイオン(Na)と反応することで、水酸化ナトリウム(NaOH)が生成する。このとき、ナトリウムイオンの対アニオンであった塩化物イオン(Cl)が隔膜17を通って中間室13側に移動する。
同時に、中間室13と陽極室11間に設置されたバイポーラ膜16では水の分解反応により、その膜上に、水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)が生成する。ところが、バイポーラ膜16は、特定のイオンを透過させる膜が貼りあわされているため、水素イオン(H)および水酸化物イオン(OH)は、それぞれ特定の方向にしか移動できない。すなわち、陽極室11側に水酸化物イオン(OH)が、中間室13側に水素イオン(H)が移動して、それぞれ所望の水溶液が生成することとなる。
なお、このとき陽極室11では水酸化物イオン(OH)から酸素が生成する。一方、中間室13においては、水素イオン(H)が移動してくるため、この水素イオン(H)と陰極室12側から移動してきた塩化物イオン(Cl)の濃度が高まる。
次いで、中間室に設けられている第2の陽電極18と第2の陰電極19間に電圧を印加する(第2の電解工程)。この電圧の印加により、中間室中の第2の陽極において塩素(Cl)が、第2の陰極において水素(H)が生成する。このとき生成する塩素が水中に溶け込むことで次亜塩素酸(HClO)が生成し、電解水として次亜塩素酸水が得られる。得られた次亜塩素酸水は、中間室13から排出して、そのままユースポイントへ供給して使用したり、次亜塩素酸水貯槽を設けて一旦貯留できるようにしておいてもよい。ここで、第1の電解工程と第2の電解工程は順番に行っても、同時に行ってもよい。
なお、この中間室13には、希釈用の水が供給されるようになっており、弱酸性の次亜塩素酸水が比較的大量に、効率よく製造できる。
次亜塩素酸水の製造にあたって、この実施形態においては、使用する原料として水と塩素化合物水溶液を用意すればよく、その取扱いや管理が容易で、安全性に優れた電解水生成装置および生成方法となる。
また、中間室13が酸性溶液となるため、従来の3室型の電解槽による電解水生成と比較し、スケールの生成しやすい陰極室のpHが上がりにくくなり、スケールの発生を抑制でき、装置寿命を長くすることができる。
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に係る電解水生成装置の概略的な構成を示した図である。
この図2に示した電解水生成装置20は、陽極室11、陰極室12および中間室13を有し、第1の陽電極14と第1の陰電極15とが、それぞれ陽極室11と陰極室12とに一対の電極として配された3室型の電解槽を有し、さらに、この電解水生成装置20は、第2の陽電極18と第2の陰電極19が一対の電極として配されている1室型の電解槽を有する装置である。
上記3室型の電解槽は、陽極室11と中間室13とが陽イオン交換膜16aと陰イオン交換膜16bとを接合してなるバイポーラ膜16により仕切られており、陰極室12と中間室13とが少なくとも陰イオンを透過させる隔膜17により仕切られている。
この第2の実施形態は、第1の実施形態において、第2の陽電極18と第2の陰電極19を中間室13内に設けずに、3室型の電解槽の外部に設けるようにした点が異なるものである。そして、電極を外部に設けるにあたって、中間室13で形成される水溶液を収容し、その中で電気分解が可能となるように第2の陽電極18と第2の陰電極19とを配置した、1室型の電解槽21を設けている。
以下、第1の実施形態との相違点を主に説明し、共通する部分については省略する。
この第2の実施形態では、上記のように、第1の実施形態の3室型の電解槽から第2の陽電極18および第2の陰電極19が除かれた形で3室型の電解槽が構成される。そして、この3室型の電解槽の外部に、中間室13で形成される水溶液を収容し、第2の陽電極および第2の陰電極を配した1室型の電解槽21が設けられている。このとき、中間室13から1室型の電解槽21に、中間室13で形成される水溶液を移送できるように移送ライン22が設けられている。この移送ライン22には、所望のタイミングで移送可能なようにバルブ、ポンプ、水頭等の移送を促進する機構を設けることが好ましい。
なお、第1の実施形態では中間室13に希釈用の水を供給するようにしていたが、第2の実施形態においては、水を供給してもよいし供給しなくてもよい。これは、第2の電解工程を中間室13外で行なうため、第1の電解工程の段階では、陽極室11および陰極室12から浸透する水量での希釈で十分なためである。一方、第2の電解工程においては水の供給が求められるため、1室型の電解槽21に希釈用の水を供給できるようにする。
この第2の実施形態における電解水生成においては、第1の実施形態と同様に第1の電解工程を行う。このとき、中間室13内では第2の電解工程が行われないため、陽極室11側から供給される水素イオン(H)と陰極室12側から供給される塩化物イオン(Cl)により、中間室13には塩酸(HCl)水溶液が形成される。
次いで、得られた塩酸水溶液を、1室型の電解槽21に移送するとともに、希釈用の水を供給して混合した後、第2の陽電極18および第2の陰電極19に電圧を印加し、第2の電解工程を行う。
この第2の電解工程により、第2の陽極では塩素が、第2の陰極では水素が、それぞれ発生し、塩素が水中に溶け込むことで次亜塩素酸水が得られる。
このように、3室型の電解槽で一旦塩酸水溶液を生成し、これを1室型の電解槽で電気分解させることで、3室型の電解槽では水と塩素化合物水溶液を必要量使用し、中間室には必要に応じて水を供給すればよい。すなわち、3室型の電解槽で使用する原料は少量でも十分な次亜塩素酸水を生成可能となる。
このように原料の使用量が少量で済むことの利点は、使用する水、塩素化合物水溶液中の水、のいずれもイオン交換水や超純水等を使用できる点にある。このようにイオン交換水や超純水等を使用することで、アルカリ性電解水が生成される陰極室12において、スケールの発生を効果的に抑制することができる。また、市水や工水等を用いても、循環する水の量が少ないため、スケールに成りうる金属イオンの総供給量が少なく、スケールの成長速度を抑えることができる。
さらに、1室型の電解槽21においては、希釈用の水が供給され、こちらは多量の水を供給するため、一般に市水、工水等を使用する。ここで希釈用の水としてイオン交換水や超純水を使用することは電解水製造のコストが増加してしまうため製造コストを考慮すると好ましくない。しかしながら、この第2の実施形態における1室型の電解槽21は、その槽中の溶液が酸性であるため、市水、工水等の硬度成分が含まれる水を使用して希釈しても、効果的にスケールの発生を抑制できる。したがって、第2の実施形態は、製造コストも抑えつつ、スケールの発生も抑制できる優れた電解水生成装置および生成方法を提供できるものである。
より具体的に説明すると、この第2の実施形態によれば、例えば、2L/分で50ppmの次亜塩素酸水を1日(24時間)製造する場合、1室型の電解槽21に供給する希釈水量は2880Lと多量であるが、3室型の電解槽に供給する塩の量は160gでよく、水の供給量も123gと少量でよい。すなわち、3室型の電解槽に供給する水と塩素化合物水溶液を構成する水とを超純水とし、1室型の電解槽21に供給する希釈水を市水や工水とでき、電解水の製造コストを抑えつつ、この実施形態の場合はスケールの発生も効果的に抑制でき、優れた効果を奏することがわかる。
一方、従来の3室型や2室型の電解水生成装置では、同様の次亜塩素酸水を製造するためには、希釈水量としては同量の2880L必要になる。図3には、従来の3室型の電解水生成装置を示したが、この電解水生成装置50は、陽極室51、陰極室52、中間室53、陽電極54、陰電極55が設けられている点は本実施形態と類似の構成であるが、陽極室51と中間室53とが陰イオン交換膜56により仕切られており、陰極室52と中間室53とが陽イオン交換膜57により仕切られている点で異なる。また、第2の陽電極および第2の陰電極は設けられていない。
そして、この従来の電解水生成装置50では、原料として、水を陽極室51および陰極室52に、塩素化合物水溶液(塩化ナトリウム水溶液)を中間室53に、供給して次亜塩素酸水を製造する。次亜塩素酸水は陽極室51で生成され、陰極室52ではアルカリ電解水(水酸化ナトリウム水溶液)が生成される。
ここで、従来の3室型の電解槽を使用した場合、電解槽に希釈水を直接供給するため、スケールの発生を十分に抑制するためには2880Lの水を全てイオン交換樹脂等に通し、イオン交換水や超純水とする必要がある。しかし、希釈水をイオン交換水や超純水とした場合でも、数ppmの金属イオンは残存しており、同時に生成するアルカリ電解水と混ざることで金属イオンの析出が起こり配管を閉塞する等の問題は残っていた。
しかしながら、この第2の実施形態においては、イオン交換水や超純水を使用するのは3室型の電解槽に供給する原料中の水だけでよく、コストも軽減できるし、スケールの発生が効果的に抑制でき配管の閉塞等が起こりづらくなるため、装置のメンテナンスが非常に楽になる。
さらに、2L/分で次亜塩素酸水を製造しようとする場合、上記のように連続的に大量の希釈水を供給しなければならない。従来の3室型や2室型の電解槽では、この希釈水を隔膜で仕切られた陽極室、陰極室、中間室に供給するため、各室にかかる圧力等を考慮して流量等を決定し、配管等も所定の関係になるように装置を設計しなければならず、装置構成が複雑になっている。
一方、第2の実施形態においては、1室型の電解槽21も3室型の電解槽もバッチ式が可能になり、また、希釈水は無隔膜の1室型の電解槽21に供給するものであり、圧力等の考慮が厳格ではなくなるため配管等の装置構成をシンプルにできる。そのためメンテナンスも簡便なものとできる。
(実施例1)
図1に示す電解水生成装置を用いて、以下のように電解水を生成する。
使用する全ての電極基材は、厚さ0.5mmの平坦なチタン製であり、菱形に開放された複数の開口部が、開口部間の線状部の幅(W)は1.0mm、菱型の長対角線の長さ(LW)は2.0mm、菱型の短対角線の長さ(SW)は1.5mmの開口部として整列して設けられている。その菱型の一対の角度θは120°である。
この電極基材をあらかじめ10質量%シュウ酸水溶液中に、1時間、80℃で浸漬処理した後、塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、電極基材に塗布し、乾燥と焼成を行う。この場合、乾燥は80℃で10分間行い、焼成は450℃で10分間行う。こうした塗布と乾燥と焼成を5回繰り返した電極を第1および第2の陽電極に使用する。
また10質量%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理した電極基材に白金をスパッタすることにより第1および第2の陰電極とする。
第1の陽電極および陰電極の反応電極面積は5cm×3cmとし、第2の陽電極および陰電極の反応電極面積は10cm×15cmとする。
陽極室11と中間室13の隔膜としてバイポーラ膜であるネオセプタ(株式会社アストム製、商品名;登録商標)を用い、陰極室12と中間室13の隔膜17として陰イオン交換膜のA201を用いる。塩化ビニル製の陽極室11と中間室13との間に、これらを仕切るバイポーラ膜を陰イオン交換膜側が陽極室11を陽イオン交換膜側が中間室13を向くように挟み込み、塩化ビニル製の中間室13と陰極室12との間に、これらを仕切る陰イオン交換膜を挟み込む。陽極室11に第1の陽電極14を、陰極室12に第1の陰電極15を、中間室13には第2の陽電極および第2の陰電極をそれぞれ挿入する。
第1の陽電極14と第1の陰電極15、第2の陽電極18と第2の陰電極19の、それぞれの電極間に電源を設置し、陽極室11には超純水を供給して満たし、陰極室には飽和塩化ナトリウム水(塩化ナトリウム+超純水)を供給して満たす。中間室には2L/分の水道水を供給する。
第1の陽電極14と第1の陰電極15間に電圧を印加し、電流3Aで1時間電気分解を行う。同時に、中間室13の第2の陽電極18と第2の陰電極19間に電圧を印加し、電流6Aで1時間電気分解を行う。このとき、中間室からは2L/分で次亜塩素酸水を回収するが、その次亜塩素酸の濃度は47ppmとなる。
さらに運転を重ねると、350時間までは通常運転ができ、後述する比較例1と比べ装置の使用可能時間を長くすることができる。ただし、その後に電圧が上がり、陰極室12に水が供給できずに運転が不能になる。陰極室12を確認すると陰電極15上に沈着物が確認できる。また直径10mmの陰極室側排水配管にも沈着物が確認できる。これらを塩酸で洗浄して取り除くと再度運転可能であり、陰電極15上および配管内にスケールが堆積していたものと言える。
一方で、同様の装置、運転条件とし、中間室13に供給する水として水道水の代わりに2L/分のイオン交換水を供給した場合は4500時間後にスケールの影響で電圧が上昇する。
したがって、実施例1の電解水生成装置は、スケールの発生を抑制し、従来よりも使用時間を長くできる。また、より長期間安定的に次亜塩素酸水を得るためには水道水よりもイオン交換水か超純水を供給することが好ましい。
(実施例2)
図2に示す電解水生成装置を用いて、以下のように電解水を生成する。
使用する全ての電極基材は、厚さ0.5mmの平坦なチタン製であり、菱形に開放された複数の開口部が、開口部間の線状部のWは1.0mm、菱型のLWは2.0mm、菱型のSWは1.5mmの開口部として整列して設けられている。その菱型の一対の角度θは120°である。
この電極基材をあらかじめ10質量%シュウ酸水溶液中に、1時間、80℃で浸漬処理した後、塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、電極基材に塗布し、乾燥と焼成を行う。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なう。こうした塗布と乾燥と焼成を5回繰り返した電極を第1および第2の陽電極とする。
また10質量%シュウ酸水溶液中に、1時間、80℃で浸漬処理した電極基材に、白金をスパッタすることにより第1および第2の陰電極とする。
第1の陽電極および陰電極の反応電極面積は5cm×3cmとし、第2の陽電極および陰電極の反応電極面積は10cm×15cmとする。
陽極室11と中間室13の隔膜としてバイポーラ膜であるネオセプタ(株式会社アストム製、商品名;登録商標)を用い、陰極室12と中間室13の隔膜17として陰イオン交換膜のA201を用いる。塩化ビニル製の陽極室11と中間室13とを仕切るバイポーラ膜を陰イオン交換膜側が陽極室11を陽イオン交換膜側が中間室13を向くように挟み込み、塩化ビニル製の中間室13と陰極室12とを仕切る陰イオン交換膜を挟み込む。陽極室11に第1の陽電極14を、陰極室12に第1の陰電極15を挿入する。この電極間に電源を設置する。
塩化ビニル製の別の槽中に第2の陽電極18と第2の陰電極19を設置し、1室型の電解槽21を構成する。この1室型の電解槽21には、中間室13から水溶液を移送する配管とポンプを、また外部から希釈水として水道水を供給する配管とポンプを設置する。
まず、陽極室11に超純水を供給して満たし、陰極室に飽和塩化ナトリウム水(塩化ナトリウム+超純水)を供給して満たす。中間室には5cc/分で超純水を供給する。
中間室13で得られる水溶液を5cc/分で1室型の電解槽21中へ移送する。
同時に、1室型の電解槽21へは2L/分で水道水を供給する。
第1の陽電極14と第1の陰電極15間に電圧を印加し、電流3Aで1時間電気分解を行い、中間室13で塩酸水溶液が得られる。このとき、陽極室11では酸素が、陰極室12では水素と水酸化ナトリウム水溶液が得られる。さらに中間室13で得られた塩酸水溶液を中間室13の外部へ送り出し、1室型の電解槽21に供給し、同時に1室型の電解槽21には水道水を供給する。塩酸水溶液と水道水とは混合され、得られる混合液に対して、第2の陽電極と第2の陰電極間に電圧を印加し、電流6Aで1時間電解を行う。このとき2L/分の速度で1室型の電解槽21から外部へ次亜塩素酸水を排出し回収すると、次亜塩素酸の濃度は47ppmとなる。また、この次亜塩素酸水への塩化ナトリウムの混入量は10mg/L以下であった。
さらに運転を重ねたところ、5000時間問題なく運転できる。このとき、3室型の電解槽の配管を確認するが、スケール等の付着は見られない。また、1室型の電解槽21でもスケール等の付着は見られない。この例は、多量のイオン交換水や超純水を使用せずに、スケールの発生を十分に抑制可能とした極めて優れたものである。
(比較例1)
図3に示す電解水生成装置を用いて、以下のように電解水を生成する。
使用する全ての電極基材は、厚さ0.5mmの平坦なチタン製であり、菱形に開放された複数の開口部が、開口部間の線状部のWは1.0mm、菱型のLWは2.0mm、菱型のSWは1.5mmの開口部として整列して設けられている。その菱型の一対の角度θは120°である。
この電極基材をあらかじめ10質量%シュウ酸水溶液中に、1時間、80℃で浸漬処理した後、塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、電極基材に塗布し、乾燥と焼成を行う。この場合、乾燥は80℃で10分間行い、焼成は450℃で10分間行う。こうした塗布と乾燥と焼成を5回繰り返した電極を陽電極54とする。
また10質量%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理した電極基材に白金をスパッタすることにより陰電極55とする。
この陽電極54および陰電極55の反応電極面積は10cm×15cmとする。
ストレート流路が形成された塩化ビニル製の陽極室51と陰極室52、多孔質ポリスチレン製の中間室53となる容器を用意し、これらを重ね合わせ、陽極室51と中間室53との隔膜として陰イオン交換膜であるトクヤマ製のA201を、陰極室52と中間室53との隔膜としてナフィオン117を挟み込む。そして、陽極室51に陽電極54を、陰極室52に陰電極55を挿入し、電解槽を構成する。
陽電極54と陰電極55との間に電源を設置し、陽極室51および陰極室52には水道水を供給可能なように配管、ポンプを、中間室53には飽和塩化ナトリウム水を循環供給するための飽和塩化ナトリウム水溶液貯槽と循環接続された配管、ポンプを設置する。
陽極室51および陰極室52には2L/分の速度で水道水を供給し、中間室53には飽和塩化ナトリウム水(塩化ナトリウム+超純水)を供給して満たす。
陽電極54と陰電極55との間に電活を印加し、電圧6Aで1時間電気分解を行い、陽極室51から次亜塩素酸水が得られ、回収される。陰極室52からは水酸化ナトリウム水溶液が得られる。このとき回収される次亜塩素酸の濃度は45ppmとなる。次亜塩素酸水への塩化ナトリウムの混入量は25mg/Lであった。
さらに運転を重ねると、150時間後に電圧が上がり、陰極室52に水が供給できずに運転が不能になる。陰極室52を確認すると陰電極55上に沈着物が確認できる。また直径10mmの陰極室側排水配管にも沈着物が確認できる。これらを塩酸で洗浄して取り除くと再度運転可能であり、陰電極55上および配管内にスケールが堆積していたものと言える。
一方で、同様の装置、運転条件とし、陽極室51および陰極室52に供給する水として水道水の代わりに2L/分のイオン交換水を供給した場合は3500時間経過した後に、スケールの影響で電圧が上昇する。
(実施例3)
実施例2において、3室型の電解槽の陰極室12に供給する塩化ナトリウム水溶液に代えて塩化カリウム水溶液を用いた以外は同様の条件で運転を行うと、1室型の電解槽21からは次亜塩素酸水が、陰極室12からは水酸化カリウム水溶液が回収される。得られた次亜塩素酸水の次亜塩素酸の濃度は47ppmとなる。
さらに運転を重ねたところ、5000時間問題なく運転できる。このとき、3室型の電解槽の配管を確認するが、スケール等の付着は見られない。また、1室型の電解槽21でもスケール等の付着は見られない。
(実施例4)
実施例2において、3室型の電解槽の陰極室12と中間室13に挟まれた陰イオン交換膜に代えて逆浸透膜ロメンブラ(東レ株式会社製、商品名)を用いた以外は同様の条件で運転を行うと、1室型の電解槽21からは次亜塩素酸水が、陰極室12からは水酸化ナトリウム水溶液が回収される。得られた次亜塩素酸水の次亜塩素酸の濃度は47ppmとなる。
さらに運転を重ねたところ、5000時間問題なく運転できる。このとき、3室型の電解槽の配管を確認するが、スケール等の付着は見られない。また、1室型の電解槽21でもスケール等の付着は見られない。
(実施例5)
実施例2において、3室型の電解槽に供給する水を超純水に代えてイオン交換水を用いた以外は同様の条件で運転を行うと、1室型の電解槽21からは次亜塩素酸水が、陰極室12からは水酸化ナトリウム水溶液が回収される。得られた次亜塩素酸水の次亜塩素酸の濃度は47ppmとなる。
さらに運転を重ねたところ、5000時間問題なく運転できる。このとき、3室型の電解槽の配管を確認したところ、少量のスケールの付着が確認できたが、電解電圧の変動等は見られない。
以上より、本実施形態により、次亜塩素酸水の製造における電解水生成装置でのスケールの発生を抑制できていることが理解できる。さらに、第2の実施形態によっては、使用する希釈水として水道水等を使用してもスケールの発生を効果的に抑制でき、低コストで簡便に次亜塩素酸水を製造できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,20…電解水生成装置、11…陽極室、12…陰極室、13…中間室、14…第1の陽電極、15…第1の陰電極、16…バイポーラ膜、17…隔膜、18…第2の陽電極、19…第2の陰電極、21…1室型の電解槽、22…移送ライン

Claims (13)

  1. 水が供給される第1の陽電極を配した陽極室、塩素化合物水溶液が供給される第1の陰電極を配した陰極室および前記陽極室と前記陰極室との間に形成された中間室を有し、前記陽極室と前記中間室とが陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを接合してなるバイポーラ膜により仕切られており、前記陰極室と前記中間室とが少なくとも陰イオンを透過させる隔膜により仕切られている、3室型の電解槽と、
    前記中間室に形成される水溶液に対して電圧を印加して、次亜塩素酸水を生成可能とする第2の陽電極および第2の陰電極と、
    を有する電解水生成装置。
  2. 前記バイポーラ膜は、その陰イオン交換膜が前記陽極室側に、前記陽イオン交換膜が前記中間室側に、配置されてなる請求項1記載の電解水生成装置。
  3. 前記第2の陽電極および第2の陰電極が、前記中間室で形成される水溶液に対して前記中間室内で電圧を印加可能なように、前記中間室内に配されている請求項1または2記載の電解水生成装置。
  4. 前記第2の陽電極および第2の陰電極が、前記中間室で形成される水溶液を前記3室型の電解槽外で一旦貯留する容器内に配され、前記中間室で形成される水溶液に対して前記中間室外で電圧を印加可能なように、1室型の電解槽を形成する請求項1または2記載の電解水生成装置。
  5. 前記隔膜がアニオン交換膜である請求項1乃至4のいずれか1項記載の電解水生成装置。
  6. 前記隔膜が逆浸透膜である請求項1乃至4のいずれか1項記載の電解水生成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の電解水生成装置の前記3室型の電解槽において、前記陽極室に水を、前記陰極室に塩素化合物水溶液を、供給する供給工程と、
    前記第1の陽電極および第1の陰電極に電圧を印加する第1の電解工程と、
    前記第1の電解工程により前記中間室に形成される水溶液に対して、前記第2の陽電極および第2の陰電極に電圧を印加して次亜塩素酸水を生成する第2の電解工程と、
    を有する電解水生成方法。
  8. 前記供給工程において、前記中間室にも水を供給する請求項7記載の電解水生成方法。
  9. 前記陰極室に供給する塩素化合物水溶液が塩化ナトリウム水溶液である請求項7又は8記載の電解水生成方法。
  10. 前記陰極室に供給する塩素化合物水溶液が塩化カリウム水溶液である請求項7又は8記載の電解水生成方法。
  11. 前記電解水生成装置が、請求項3記載の電解水生成装置であって、
    前記第2の電解工程において、前記中間室に希釈用の水を継続的に供給する請求項7乃至10のいずれか1項記載の電解水生成方法。
  12. 前記電解水生成装置が、請求項4記載の電解水生成装置であって、
    前記第2の電解工程において、前記1室型の電解槽に希釈用の水を継続的に供給する請求項7乃至10のいずれか1項記載の電解水生成方法。
  13. 前記陽極室および前記中間室に供給する水ならびに前記陰極室に供給する塩素化合物水溶液を構成する水が、超純水である請求項7乃至12のいずれか1項記載の電解水生成方法。
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