JP6220957B1 - ダイヤモンド電極、ダイヤモンド電極の製造方法及び電解水生成装置 - Google Patents

ダイヤモンド電極、ダイヤモンド電極の製造方法及び電解水生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ダイヤモンド膜の剥離を防止することができるダイヤモンド電極、ダイヤモンド電極の製造方法及び電解水生成装置を提供することを課題としている。【解決手段】本発明のダイヤモンド電極は、電極用基板の少なくとも一方の面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極であって、前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたり多数の線状の溝部が形成されており、前記溝部が形成された前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通するとともに、前記溝部の幅を跨いで貫通する穴部が複数形成され、前記溝部の幅が、前記穴部の径よりも小さいことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ダイヤモンド電極、ダイヤモンド電極の製造方法及び電解水生成装置に関する。
近年、オゾン水は食品の殺菌や悪臭ガスの脱臭などの用途に広範に使用されており、さらに医療や介護の分野で、数多い知見例が発表され始めている。また、半導体製造領域においても、超微細構造に対するオゾン酸化の特徴が認められ、オゾン水の使用が必須とされている。
このようなオゾン水の製法として、陽イオン交換膜の一方の面に陽極電極を圧接させ、他方の面に陰極電極を圧接してなる触媒電極の電解面に原料水を直接接触させて、水の電気分解によりオゾン水を生成させる直接電解法を利用したものが知られている。
直接電解法で使用する触媒電極は、白金、金、白金被覆チタン等を材料とすることが一般的である。しかしながら、上述のような材料を使用した場合、原料水の電気分解に伴って、電極が消耗・溶出するという現象が生じる。その結果、溶出した金属イオンが陽イオン交換膜に付着して反応を阻害してしまうため、オゾン水の生成効率が低下するという問題がある。
また、原料水として食塩水を使用していたが、オゾン発生に伴い不純物が生じることから、純水又は精製水を使用することが好ましいとされている。しかしながら、純水又は精製水のような導電率の低い水を使用する場合、上述の白金等からなる触媒電極では電解電流が流れにくく、オゾンの発生が微量であった。
そこで、マイクロ波プラズマCVD法によって形成した自立体型導電性ダイヤモンド板を陽極として使用したり(例えば、特許文献1参照)、チタン等の電極用基板上にCVD法によってダイヤモンド薄膜を形成した陽極や陰極を使用することが知られている。
また、上記のように電極用基板上にダイヤモンド薄膜を形成する場合、電極用基板は、オゾン発生効率の点で、多孔状や網目状とすることが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このような多孔状や網目状の薄い電極用基板上にCVD法等の蒸着によってダイヤモンドを成膜した場合、多数の孔や網目が電極用基板の両面を貫通しているので、電極用基板の表面側から蒸着により成膜したダイヤモンド膜は、多数の孔や網目部分で保持されにくく、電極用基板の裏面側に抜けて剥離しやすかった。また、多数の孔や網目部分でダイヤモンド膜が剥離することに伴い、その他の箇所も一緒に引っ張られて剥離してしまうことがあった。
さらに、多数の孔や網目のピッチ間隔も広く、孔や網目を形成する壁面に成膜されたダイヤモンド膜が剥離し易かった。
なお、上記自立体型導電性ダイヤモンド板の場合には、ダイヤモンド膜の剥離は問題とはならない。
特開2007−44630号公報 特許第4970115号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ダイヤモンド膜の剥離を防止することができるダイヤモンド電極、ダイヤモンド電極の製造方法及び電解水生成装置を提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、電極用基板のダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたり多数の線状の溝部と、溝部の幅を跨いで貫通する複数の穴部を形成し、溝部の幅を穴部の径よりも小さくすることによって、ダイヤモンド膜の剥離を防止することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.電極用基板の少なくとも一方の面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極であって、
前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたり多数の線状の溝部が形成されており、
前記溝部が形成された前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通するとともに、前記溝部の幅を跨いで貫通する穴部が複数形成され、
前記溝部の幅が、前記穴部の径よりも小さく、かつ、
前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部、若しくは、
前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向に沿って、螺旋状の溝部が形成され、
さらに、前記電極用基板の外周面に、当該外周面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部が形成されていることを特徴とするダイヤモンド電極。
.前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に形成された前記溝部の幅が、0.01〜1.0mmの範囲内であることを特徴とする第1項に記載のダイヤモンド電極。
.前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に形成された、互いに隣接する前記溝部のピッチ間隔が、0.02〜50mmの範囲内であることを特徴とする第1項又は2項に記載のダイヤモンド電極。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載のダイヤモンド電極の製造方法であって、
前記電極用基板の前記ダイヤモンドを蒸着する面に、全面にわたり多数の線状の溝部を形成し、
前記溝部を形成した前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通するとともに、前記溝部の幅を跨いで貫通する穴部を複数形成し、
前記溝部の幅を、前記穴部の径よりも小さくし、かつ、
前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部、若しくは、
前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向に沿って、螺旋状の溝部を形成し、
さらに、前記電極用基板の外周面に、当該外周面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部を形成することを特徴とするダイヤモンド電極の製造方法。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載のダイヤモンド電極を備えたことを特徴とする電解水生成装置。
本発明によれば、ダイヤモンド膜の剥離を防止することができるダイヤモンド電極、ダイヤモンド電極の製造方法及び電解水生成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
電極用基板のダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたり多数の線状の溝部が形成されており、電極用基板の両面を貫通するとともに、溝部の幅を跨いで貫通する穴部が複数形成され、溝部の幅が穴部の径よりも小さいので、多数の線状の溝部がダイヤモンド膜で埋め込まれてダイヤモンド膜の剥離を防止することができる。
すなわち、例えば、図2に示すように、溝部203を形成する互いに対向する壁面203a,203a間が全てダイヤモンド膜Dで埋められるため、ダイヤモンド膜Dが確実に保持されて剥離を防止することができる。一方、図11(a)に示すように、電極用基板301に、本発明の線状の溝部203よりも幅の広い溝部302(例えば、2mm以上の溝部)を形成した場合には、溝部302を形成する互いに対向する壁面302a,302a間が全てダイヤモンド膜Dで埋められない(互いに対向する一方の壁面302aに成膜されたダイヤモンド膜Dと、他方の壁面302aに成膜されたダイヤモンド膜Dとの間に空間Kが生じる)ことから、ダイヤモンド膜Dが剥離しやすい。また、図11(b)に示すような、電極用基板303の両面を貫通する孔304を形成した場合においても、孔304を形成する互いに対向する壁面304a,304a間が全てダイヤモンド膜Dで埋められないため、ダイヤモンド膜Dが剥離しやすい。また、ダイヤモンド膜Dが剥離した箇所から引っ張られて、他の箇所のダイヤモンド膜Dも剥離してしまう。
以上のように、本発明では、電極用基板のダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたって、従来よりも幅の狭い多数の線状の溝部を形成することで、線状の溝部内が全てダイヤモンド膜で埋められることから、ダイヤモンド膜の剥離を防止することができる。
また、言い換えると、溝部を形成せずに、電極用基板の表面に直接、ダイヤモンド膜を成膜する場合は、1つの大きな面積の電極用基板で、当該面積と同等の大きな面積を有するダイヤモンド膜を保持することになるため、ダイヤモンド膜の端から剥がれやすくなるが、本発明のように多数の線状の溝部を形成して、電極用基板を多数の小さな区画に分けることで、小さな面積の各区画で、当該面積と同等の小さな面積のダイヤモンド膜がそれぞれ保持されることになるので、ダイヤモンド膜が剥がれにくくなる。この点からも、ダイヤモンド膜の剥離を防止することができると言える。
(a)は、本発明のダイヤモンド電極の平面図、(b)は、図1(a)のX−X線における矢視断面図、(c)は、図1(a)のY−Y線における矢視断面図である。 本発明に係る溝部の拡大断面図である。 (a)〜(c)は、本発明に係る溝部の変形例を示した断面図である。 本発明のダイヤモンド電極の変形例を示した平面図である。 本発明のダイヤモンド電極の変形例を示した平面図である。 本発明のダイヤモンド電極の変形例を示した平面図である。 (a)〜(c)は、本発明のダイヤモンド電極の一部を示した斜視図である。 (a)及び(b)は、本発明のダイヤモンド電極の一部を示した斜視図である。 本発明のダイヤモンド電極の変形例を示した断面図である。 オゾン水生成装置の概略を模式的に示した側断面図である。 従来例のダイヤモンド電極の溝部を示した断面図である。
本発明のダイヤモンド電極は、電極用基板の少なくとも一方の面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極であって、前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたり多数の線状の溝部が形成されており、前記溝部が形成された前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通するとともに、前記溝部の幅を跨いで貫通する穴部が複数形成され、前記溝部の幅が、前記穴部の径よりも小さいことを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部が形成されていること、また、前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向に沿って、螺旋状の溝部が形成されていることが好ましい。これにより、穴部を形成する壁面に成膜されたダイヤモンド膜が剥離するのを防止することができる。また、穴部を形成する壁面に溝部を形成することにより、表面積が増えることから、オゾン発生用の電極として使用した場合に、原料水の電極への接触面積が増えて、オゾン水生成効率が上がる。また、オゾン水以外の電解水生成用の電極として使用した場合にも、電解水の生成効率が上がる。
前記電極用基板の外周面に、当該外周面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部が形成されていることが好ましい。
すなわち、電極用基板の外周面に溝部を形成しない場合には、当該外周面に成膜されたダイヤモンド膜が剥離し易く、この剥離に伴って、電極用基板の表面に成膜されたダイヤモンド膜も引っ張られて一緒に剥離するという問題があったが、電極用基板の外周面に溝部を形成することで、当該外周面に成膜されたダイヤモンド膜の剥離防止だけでなく、電極用基板の表面に成膜されたダイヤモンド膜の剥離防止にもつながる。また、電極用基板の外周面に成膜されたダイヤモンド膜が剥離した場合、この剥離部分の電極用基板の外周面を切断する作業を行っていたが、あらかじめ電極用基板の外周面に溝部を形成しておくことで、このような剥離部分における電極用基板の切断作業を省略することができる。
前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に形成された前記溝部の幅が、0.01〜1.0mmの範囲内であることが、ダイヤモンド膜の剥離防止の点で好ましい。
また、前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に形成された、互いに隣接する前記溝部のピッチ間隔が、0.02〜50mmの範囲内であることも、ダイヤモンド膜の剥離防止の点で好ましい。
本発明のダイヤモンド電極の製造方法は、前記電極用基板の前記ダイヤモンドを蒸着する面に、全面にわたり多数の線状の溝部を形成し、前記溝部を形成した前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通するとともに、前記溝部の幅を跨いで貫通する穴部を複数形成し、前記溝部の幅を、前記穴部の径よりも小さくすることを特徴とする。これにより、多数の線状の溝部内にダイヤモンドが埋め込まれて、ダイヤモンド膜の剥離を防止することができる。
本発明のダイヤモンド電極は、電解水生成装置に好適に用いられる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[ダイヤモンド電極]
図1(a)は、本発明のダイヤモンド電極の平面図、図1(b)は、図1(a)のX−X線における矢視断面図、図1(c)は、図1(a)のY−Y線における矢視断面図である。
本発明のダイヤモンド電極200は、電極用基板201の少なくとも一方の面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極である。
電極用基板201は、平面視正方形状であってもよいし、平面視長方形状であってもよいし、平面視円形状であってもよいが、加工面で平面視正方形状又は平面視長方形状が好ましい。
平面視長方形状の場合、電極用基板201の長手方向の長さが、15〜500mmの範囲内であり、短手方向の長さが、10〜350mmの範囲内であることが好ましい。
平面視正方形状の場合は、一辺の長さが、10〜500mmの範囲内であることが好ましい。
平面視円形状の場合は、直径が、φ10〜φ500mmの範囲内であることが好ましい。
また、電極用基板201の厚さは、0.5〜2.0mmの範囲内であることが好ましい。
電極用基板201としては、例えば、安定性が良い点で、チタン、タングステン、白金、金又はその被覆金属を使用することが好ましい。特に、チタンに白金を被覆した金属を使用すると、製造コストを安価に抑えることができる点で好ましい。また、金属以外にも、曲がるセラミックスを使用することもできる。さらに、ダイヤモンド膜の密着性が良好な(剥離防止できる)点で、シリコンウェハが最も好ましい。
電極用基板201のダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたり多数の線状の溝部203が形成されている。
また、全面にわたり多数の線状の溝部203が形成された電極用基板201に、当該電極用基板201の両面を貫通するとともに、溝部203の幅mを跨いで貫通する穴部202が複数形成されている。そして、本発明では、溝部203の幅mが、穴部202の径(直径)Mよりも小さいことを特徴とする。
具体的には、例えば図1では、平面視正方形状の電極用基板201の上面に、当該電極用基板201の縦方向に沿って延びる溝部203が、横方向に沿って所定間隔で、全面にわたり多数形成されている。なお、図1の溝部203は、電極用基板201の上面(表面)のみに形成しているが、電極用基板201の上下面(表裏面)の両方に形成してもよい。
溝部203の断面形状は、図1(b)及び図2に示すように、三角形状をなしている。溝部203の断面形状は、三角形状の他、図3(a)〜(c)に示すような、四角形状、半円形状、又は、U字形状であってもよいが、加工面で三角形状が好ましい。
なお、図3(a)〜(c)のいずれの断面形状においても、溝部203を形成する互いに対向する壁面203a,203a間が、全てダイヤモンドで埋められるので、ダイヤモンド膜Dの剥離が防止される。
なお、図面の関係上、ダイヤモンド膜Dは、図2及び図3のみに図示している。
図4は、溝部203の幅m及び溝部203のピッチ間隔P1を、図1の場合よりも小さくした場合であり、この場合には、図1の場合よりも、電極用基板201がより小さな面積の区画に分けられるため、各区画に成膜されるダイヤモンド膜Dの面積も小さくなる。よって、ダイヤモンド膜Dが剥がれにくくなり、剥離防止がより確実となる。
さらに、図5に示すように、電極用基板201の縦方向及び横方向に沿ってそれぞれ延びる溝部203を形成し、格子状としてもよい。この場合においても、図1の場合よりダイヤモンド剥離防止の点で好ましい。
また、図6に示すように、溝部203の幅m及び溝部203のピッチ間隔P1を、図5の場合よりも小さくしてもよい。この場合、図5の場合よりもダイヤモンド膜Dの剥離防止が良好となる。
溝部203の幅mは、0.01〜1.0mmの範囲内であることが、ダイヤモンド膜Dの剥離防止の点で好ましい。より好ましくは、0.01〜0.4mmの範囲内である。
また、横方向又は縦方向に互いに隣接する溝部203のピッチ間隔P1が、0.02〜50mmの範囲内であることが、ダイヤモンド膜Dの剥離防止の点で好ましい。
電極用基板201の両面を貫通して形成された穴部202は、平面視円形状で、側断面視で矩形状をなしている(図1(c)参照)。複数の穴部202は、電極用基板201の縦方向及び横方向に沿って整列して形成されている。
このような複数の穴部202は、オゾン発生用の電極として使用した場合、穴部202を介して、原料水が陽イオン交換膜に接触するようになっており、発生したオゾン気泡や、水素イオン、水等が移動する流路となる。また、穴部202の形成により、ダイヤモンド電極200の表面積が増えて、原料水のダイヤモンド電極200への接触面積が増えることからオゾン発生効率が上がる。
また、このような複数の穴部202により、後述する陽イオン交換膜を全面的に覆い隠すように密着しない形状のもとなる。これによって、陽イオン交換膜に陽極電極(本発明のダイヤモンド電極200)を圧接した際に、陽イオン交換膜に陽極電極が接触する部分と接触しない部分とが生じることによって、原料水が流れた際に渦流を生じ、陽極電極で発生したオゾンの微泡を巻き込んで溶解を早めることができる。
穴部202の径Mは、前記溝部203の幅mより大きく、0.5〜10.0mmの範囲内であることが、オゾン水等の電解水生成効率が上がる点で好ましい。
また、穴部202のピッチ間隔P2は、0.5〜20mmの範囲内であることが、電極用基板201の強度面で好ましい。
電極用基板201の穴部202を形成する壁面(内周面)202aには、当該壁面202aの周方向又は電極用基板201の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部204が形成されていることが好ましい。
すなわち、図7(a)に示すように、電極用基板201の穴部202を形成する壁面202aに、電極用基板201の厚さ方向に沿って、多数の線状の溝部204が形成されている。また、図7(b)の場合には、電極用基板201の穴部202を形成する壁面202aに、当該壁面202aの周方向に沿って、多数の線状の溝部204が形成されている。多数の線状の溝部204は、電極用基板201の厚さ方向において等間隔に平行となるように形成されている。
また、図示しないが、電極用基板201の厚さ方向と、壁面202aの周方向との両方向に沿ってそれぞれ多数の溝部204が形成されていてもよい。
さらに、図7(c)に示すように、電極用基板201の穴部202を形成する壁面202aに、当該壁面202aの周方向に沿って、螺旋状の溝部204が形成されていてもよい。螺旋状にすることで、加工性がよくなりコストダウンができる。
また、電極用基板201の外周面201aに、当該外周面201aの周方向又は前記電極用基板201の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、溝部205が多数形成されていることが好ましい。
すなわち、図8(a)に示すように、電極用基板201の外周面(4つの側面)201aに、電極用基板201の厚さ方向に沿って、溝部205が多数形成されている。また、図8(b)の場合には、電極用基板201の外周面201aに、当該外周面201aの周方向に沿って、溝部205が多数形成されている。また、図示しないが、電極用基板201の厚さ方向と、外周面201aの周方向との両方向に沿ってそれぞれ多数の溝部205が形成されていてもよい。
なお、電極用基板201の穴部202を形成する壁面202aに形成された溝部204、及び、電極用基板201の外周面201aに形成された溝部205の、断面形状は、特に限定されるものではなく、上述した電極用基板201のダイヤモンドを蒸着する面に形成された溝部203と同様に、三角形状、四角形状、半円形状、又は、U字形状等のいずれであってもよく、これら以外の形状であってもよい。
また、穴部202を形成する壁面202aに形成された溝部204の幅は、0.01〜1.0mmの範囲内であることが、ダイヤモンド膜Dの剥離防止の点で好ましい。また、互いに隣接する溝部204のピッチ間隔P3は、0.01〜3.0mmの範囲内であることが、ダイヤモンド膜Dの剥離防止の点で好ましい。
さらに、電極用基板201の外周面201aに形成された溝部205の幅は、0.01〜1.0mmの範囲内であることが、ダイヤモンド膜Dの剥離防止の点で好ましい。また、互いに隣接する溝部205のピッチ間隔P4は、0.01〜3.0mmの範囲内であることが、ダイヤモンド膜Dの剥離防止の点で好ましい。
なお、図1に示す穴部202は、平面視で円形状、側断面視で矩形状をなしているが、これに限らず、例えば、図9に示す穴部202のように、平面視で円形状、側断面視で台形状をなしたものであってもよい。すなわち、電極用基板201の上面に開口する穴部202の径が、電極用基板201の下面に開口する穴部202の径よりも大きくなっている。このような側断面視で台形状をなした穴部202とすることによって、図1に示すような側断面視で矩形状の穴部202よりも、表面積を大きくすることができ、オゾン水等の電解水の生成効率に有利となる。なお、図9に示す側断面視台形状の穴部202を形成した場合、穴部202の径の大きい側の電極面をイオン交換膜側に配置することが好ましい。
また、この側断面視台形状の穴部202とした場合にも、上記と同様に、穴部202を形成する壁面202aに多数の溝部(図示しない)を形成することが、ダイヤモンド膜Dの剥離防止の点で好ましい。
また、穴部202の形状は、その他、種々の形状に変更可能である。
本発明のダイヤモンド電極200は、上記のような電極用基板201の表面(少なくとも後述する陽イオン交換膜側の面)に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを成膜したものである。また、本発明のダイヤモンド電極200を、電解水(微酸性水、強酸性水、アルカリ性水等)を生成するための電極として使用する場合には、電極用基板201の両面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを成膜したものであることが好ましい。
ホウ素のドープ量は、ダイヤモンドの炭素に対して0.1〜8.0%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、1.0〜5.0%の範囲内であることが好ましい。
ホウ素のドープ量を0.1〜8.0%の範囲内としたのは、ドープ量を0.1%未満とした場合、導電率が小さくなり、例えば、オゾン等の発生が低下してしまうためであり、ドープ量を8.0%より多くすることは理論的に困難なためである。ホウ素のドープ量を0.1〜8.0%の範囲内とすることによって、導電率が大きくなり、電流効率が向上することからオゾン発生に有利となる。
[ダイヤモンド電極の製造方法]
本発明のダイヤモンド電極200の製造方法は、前記電極用基板201の前記ダイヤモンドを蒸着する面に、全面にわたり多数の線状の溝部203を形成し、前記溝部203を形成した前記電極用基板201に、当該電極用基板201の両面を貫通するとともに、前記溝部203の幅mを跨いで貫通する穴部202を複数形成し、前記溝部203の幅mを、前記穴部202の径Mよりも小さくすることを特徴とする。
電極用基板201に多数の溝部203を形成する方法としては、例えば、レーザー加工機を用いて形成することができる。
また、溝部203を形成した電極用基板201に複数の穴部202を形成する方法としては、例えば、レーザー加工機を用いて形成することができる。
ホウ素をドープしたダイヤモンドの成膜方法としては、例えば、プラズマCVD法や熱フェラメントCVD法等が挙げられる。
プラズマCVD法の場合、具体的には、チャンバー内に電極用基板201を配置し、チャンバー内に予め水素ガスを導入して、水素ガスによりプラズマを発生させておく。次いで、炭素源としてアセトン又はメタンガス等、ホウ素源としてトリメトキシボラン又はトリメチルボロン等を、キャリアガスである水素、窒素、Ar等によりバブリングを行って気化して原料ガスとし、この原料ガスを、上記プラズマ発生のための水素ガスとは別ラインからチャンバー内に導入する。このようにしてチャンバー内に配置した電極用基板201上に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを成膜する。なお、チャンバー内の温度は、1000〜1500℃の範囲内が好ましい。
ホウ素をダイヤモンドの炭素に対して0.1〜8.0%の範囲でドープするためには、液体原料のアセトンとトリメトキシボランの仕込み量を変えることによって、炭素/ホウ素比を調整し、所定のドープ量となるようにする。
また、ホウ素を高濃度にドープする際は、上記液体原料をキャリアガスのバブリングにより気化して原料ガスとした上で、チャンバー内に導入するが、その際の原料ガスのチャンバー内への導入流量を例えばニードルバルブにより絞ることによって制御する。
具体的に、ドープ量を0.1〜8.0%の範囲とするための条件としては、プラズマ出力2500〜5000W、チャンバー内圧力110〜130Trr、炭素源圧力2000〜3500Pa、成膜時間を8時間程度とすることが好ましい。なお、ここで言う炭素源圧力とは、上述の気化した原料ガス(アセトン+トリメトキシボランをキャリアガスによりバブリングして気化した炭素源(ホウ素源))が、バルブにより制御されてチャンバー内へ導入される前の圧力を言う。すなわち、バルブを通る前の気化した炭素源(ホウ素源)の圧力である。
本発明の実施形態によれば、電極用基板201の少なくとも一方の面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極200であって、電極用基板201のダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたり多数の線状の溝部203が形成されており、溝部203が形成された電極用基板201に、当該電極用基板201の両面を貫通するとともに、溝部203の幅mを跨いで貫通する穴部202が複数形成され、溝部203の幅mが、穴部202の径Mよりも小さいので、溝部203を形成する互いに対向する壁面203a,203a間全てにダイヤモンドが埋め込まれる。これにより、ダイヤモンド膜Dの剥離を防止することができる。
また、本発明のダイヤモンド電極200をオゾン生成用の電極として使用した場合には、電極用基板201に形成された複数の穴部202の形成により、ダイヤモンド電極200の表面積が増えて、原料水のダイヤモンド電極200への接触面積が増えることからオゾン発生効率が上がる。特に、穴部202を形成する壁面202aに、溝部204を形成することによって、より表面積が増えることからオゾン発生効率に優れたものとなる。なお、オゾン水以外の電解水を生成するための電極として使用した場合も同様に、電解水の生成効率が上がる。また、穴部202を形成する壁面202aに形成された溝部204内にもダイヤモンドが埋め込まれて、ダイヤモンド膜Dの剥離を防止することができる。
さらに、電極用基板201の外周面201aにも、溝部205を形成することによって、溝部205内にダイヤモンドが埋め込まれて、ダイヤモンド膜Dの剥離を防止することができる。よって、従来、外周面から剥離したダイヤモンド膜Dに引っ張られて、電極用基板201の表面に成膜されたダイヤモンド膜Dも一緒に剥離するという問題があったが、これを防止することができる。また、電極用基板201の外周面のダイヤモンド膜Dが剥離した場合に、剥離部分における電極用基板201の外周面を切断する作業も行う必要がなくなる。
本発明のダイヤモンド電極200は、電解水生成装置に適用することができる。電解水生成装置の一例として、オゾン水を生成するオゾン水生成装置、水素水を生成する水素水生成装置、強酸性電解水を生成する装置、アルカリ性電解水を生成する装置、弱酸性電解水を生成する装置、微酸性電解水を生成する装置、電解次亜水を生成する装置、アルカリイオン水を生成する装置等が挙げられる。
以下では、オゾン水生成装置に本発明のダイヤモンド電極200を適用した場合について説明する。
[オゾン水生成装置]
オゾン水生成装置100は、上述した本発明のダイヤモンド電極200を備える。
図10は、オゾン水生成装置の概略を模式的に示した側断面図である。
オゾン水生成装置100は、原料水が供給されるケーシング1内に触媒電極2を配置して構成したものである。
触媒電極2は、陽イオン交換膜21と、陽イオン交換膜21の一方の面に圧接された陽極電極22と、他方の面に圧接された陰極電極23と、を備えている。そして、触媒電極2の陽極電極22と陰極電極23間に直流電圧を印加することによって陽極電極22側にオゾン気泡を発生させて、そのオゾン気泡を原料水に溶解させることによりオゾン水を生成する装置であり、本発明は、直接電解式のオゾン水生成装置である。
ケーシング1は、互いに対向配置された第1筐体13及び第2筐体14から構成されている。
第1筐体13及び第2筐体14は、板状をなし、互いに対向する対向面に凹部131,141が形成されている。これら第1筐体13及び第2筐体14の凹部131,141同士を互いに対向させることによって、収容室3が形成されている。収容室3には、触媒電極2が収容されている。
第1筐体13及び第2筐体14の下面には、収容室3内に原料水を供給するための供給流路11a,11bが形成され、第1筐体13及び第2筐体14の上面に収容室3内で生成された陽極電極22側のオゾン水及び陰極電極23側の水素水(陰極水)を排出するための排出流路12a,12bが形成されている。
第1筐体13と第2筐体14の対向面間には、陽イオン交換膜21が狭持されている。すなわち、陽イオン交換膜21の外周が第1筐体13及び第2筐体14によって狭持されて固定されている。
陽イオン交換膜21の第1筐体13側の面には、陽極電極22が設けられ、第2筐体14側の面には陰極電極23が設けられている。さらに、陽極電極22の陽イオン交換膜21と反対側の面には、保持板15が配置され、陰極電極23の陽イオン交換膜21と反対側の面にも、保持板16が配置されている。保持板15は、第1筐体13の内壁面に嵌め込まれ、保持板16は、第2筐体14の内壁面に嵌め込まれている。
そして、第1筐体13に嵌め込まれた保持板15と、第2筐体14に嵌め込まれた保持板16によって、陽極電極22、陰極電極23及び陽イオン交換膜21が適度に圧接されている。
このようにして陽イオン交換膜21によって収容室3内が、陽極電極22側と陰極電極23側とに分割されている。また、原料水、オゾン水並びに水素水(陰極水)などが、第1筐体13及び第2筐体14の対向面間から外部に漏れないように密閉されている。
原料水は、供給流路11a,11bから供給され、供給流路11a,11bから排出流路12a,12bへと水流が発生している。そして、供給流路11a,11bから供給された原料水は、収容室3内においてそれぞれ陽極電極22と陰極電極23に連続的に接触するようになっている。
次に、触媒電極2について詳細に説明する。
陽イオン交換膜21としては、従来公知のものを使用することができ、発生するオゾンに耐久性の強いフッ素系陽イオン交換膜を使用することができ、例えば厚さ100〜300μmの範囲内が好ましい。
陽極電極22は、上述した本発明のダイヤモンド電極200を使用することができる。
陰極電極23も、上述した本発明のダイヤモンド電極200を使用することが好ましい。なお、陰極電極23は、上記本発明のダイヤモンド電極以外に、安定性が良い点で、チタン、タングステン、白金、金又はその被覆金属を使用することもでき、特にチタンに白金を被覆した金属を使用すると製造コストを安価に抑えることができる。
以上の陽イオン交換膜21、陽極電極22及び陰極電極23は、平板状に形成されて触媒電極2とされている。触媒電極2はケーシング1内の保持板15,16で圧接保持されている。
また、陽極電極22と陰極電極23との間には、電源装置80の出力端が電気的に連結され、直流電圧が印加されるように構成されている。すなわち、陽極電極22及び陰極電極23は、各電極22,23に導線24を介して電源装置80に連結されている。印加する直流電圧は、例えば6〜15ボルトの範囲内が好ましい。
なお、陽極電極22及び陰極電極23の供給流路11a,11bの上流側は、原料水供給部60に接続されている。
原料水供給部60としては、原料水が貯留されたタンク及びタンクに接続された低吐出圧の小型ポンプ等からなるものが挙げられる。原料水としては、純水を使用する。本発明で言う純水とは、導電率が0.5〜5μS/cmの範囲内のものを言う。
また、図示しないが、陽極電極22側の供給流路11aと排出流路12aとを配管で接続してループ状にして循環させても良い。このようにループ状にすることで、オゾン水による配管洗浄を行うことができる。さらに、図示しないが、陰極電極23側も供給流路11bと排出流路12bとを配管で接続してループ状にして循環させ、原料水を再利用しても良い。
陽極電極22の排出流路12aの下流側には、陽極電極22側で生成されたオゾン水の濃度を検出する濃度検出センサ50が設けられている。
なお、上述のように陽極電極22側の供給流路11aと排出流路12aとを配管で接続してループ状にした場合は、排出流路12aの下流側直ぐの位置に限らず、原料水供給部60の上流側直ぐの位置に設けても良く、ループ状の配管のいずれに設けても良く、また、複数個所に設けても良い。
濃度検出センサ50は、オゾン水の濃度を測定することができるものであれば、特に限定しないが、例えば、検出電極(図示しない)と、比較電極(図示しない)と、これら検出電極及び比較電極の一方の端部に結線して電流値を測定する電流計(図示しない)等から構成されたものが挙げられる。この濃度検出センサ50は、比較電極及び検出電極をオゾン水に浸すことによって発生する起電力からオゾン水のオゾン濃度に対応した電流値を得るガルバニ式の濃度検出センサである。
電流計は、オゾン水生成装置100の制御部70に電気的に接続されており、電流計で測定された出力値が制御部70に出力されるようになっている。
検出電極としては、例えば白金や金等からなる電極を使用し、比較電極としては銀や塩化銀を使用することが好ましい。
このような検出電極及び比較電極は、陽極電極22の排出流路12aを流れるオゾン水に接触するようになっている。そして、検出電極及び比較電極がオゾン水に接触することで、検出電極のオゾン濃度変化による電流値を検出して濃度を測定する。
なお、オゾン濃度を測定する方式として、上述のガルバニ式以外に、例えば、紫外線吸収率からオゾン水濃度を測定する紫外線吸収方式を用いても構わない。
次に、上述の構成からなるオゾン水生成装置100を使用してオゾン水を生成する方法について説明する。
まず、陽極電極22及び陰極電極23側の供給流路11a,11bから原料水(純水)をケーシング1内に供給する。そして、これら原料水を、陽極電極22及び陰極電極23の各面に連続接触させる。
同時に、電源装置80を駆動させることによって、陽極電極22及び陰極電極23間に所定の電圧を印加する。この通電により原料水が電気分解されて、原料水中の水素が陽極電極22側から陽イオン交換膜21中を通過して陰極電極23側へと加速して移動する。その結果、陽極電極22側にはオゾン気泡が発生し、陰極電極23側には水素気泡が発生する。
ここで、陽極電極22側では原料水はわずかな陽極電極22の凹凸によって流れの方向が複雑に変わり渦流となる。そのため、陽極電極22側では、発生したオゾン気泡をいち早く水中に取り込んで溶解させることによってオゾン水を生成し、陽極電極22と陽イオン交換膜21との間(正確には陽極電極22と陰極電極23との間)に電流が多く流れる状態を確保することになる。
このようにしてオゾン水が生成されると、オゾン水は排出流路12aへと排出される。 一方、陰極電極23側においては、水素気泡が発生し、排出流路12bから水素水(陰極水)として排出される。
また、通電中に、濃度検出センサ50によってオゾン濃度が測定される。そして、測定されたオゾン水の濃度が制御部70に出力され、制御部70は、出力された測定濃度が、予め設定された濃度となるように、電源装置80の出力調整を行うことによって、陽極32及び陰極33間の印加電圧が制御される。このようにして、生成されたオゾン水の濃度が設定濃度に維持され、濃度低下を防止し、高濃度のオゾン水を安定して生成することができる。
オゾン水生成装置100は、例えば、オゾン水で手洗いが可能な手洗い装置等に用いることができる。
また、本発明の電解水生成装置の一例として、オゾン水生成装置100を説明したが、下記のような各電解水(機能水)を生成する装置に適用しても構わない。なお、下記に示す各電解水は、電解水のpH、電解水を生成するための電解層(2室型(隔膜有)、一室型(無隔膜))、生成される生成極及び被電解液の種類によって分類されている。
(1)強酸性電解水:pH2.2〜2.7、二室型で生成極は陽極、被電解液が0.2%未満の食塩水
(2)アルカリ性電解水:pH11〜11.5、二室型で生成極は陰極、被電解液が0.2%未満の食塩水
(3)弱酸性電解水:pH2.7〜5、二室型、被電解液が0.1%未満の食塩水
(4)微酸性電解水:pH5〜6.5、一室型、被電解液が2〜6%の希塩酸または塩酸/食塩水
(5)電解次亜水:pH7.5より大きい、一室型、被電解液が0.1%未満の食塩水
(6)アルカリイオン水:pH8〜10、二室型で生成極は陰極、被電解液が水道水
したがって、上記の各電解水を生成する装置に、本発明のダイヤモンド電極200を使用する場合には、基本的に上述したオゾン水生成装置100において使用した原料水の代わりに上記の各被電解液を用い、一室型の場合にはイオン交換膜を設けない構成で、二室型の場合には上述したオゾン水生成装置100と同様の構成とすればよい。
なお、特にダイヤモンド電極200としては、電極用基板201の両面にホウ素をドープしたダイヤモンドを成膜したものであることが好ましい。
また、電解水生成装置の一例として、水素水を生成する装置は、上述したオゾン水生成装置100と同様のものが挙げられる。すなわち、上記オゾン水生成装置100における陰極側から水素水が生成される。
2 触媒電極
21 陽イオン交換膜
22 陽極電極
23 陰極電極
100 オゾン水生成装置
200 ダイヤモンド電極
201 電極用基板
201a 電極用基板の外周面
202 穴部
202a 穴部を形成する壁面
203 溝部
203a 溝部を形成する壁面
204 溝部
205 溝部
D ダイヤモンド膜
m 溝部の幅
M 穴部の径
P1 電極用基板のダイヤモンドが蒸着される面に形成された溝部のピッチ間隔
P2 穴部のピッチ間隔
P3 穴部を形成する壁面に形成された溝部のピッチ間隔
P4 電極用基板の外周面に形成された溝部のピッチ間隔

Claims (5)

  1. 電極用基板の少なくとも一方の面に、ホウ素をドープしたダイヤモンドを蒸着により形成してなるダイヤモンド電極であって、
    前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に、全面にわたり多数の線状の溝部が形成されており、
    前記溝部が形成された前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通するとともに、前記溝部の幅を跨いで貫通する穴部が複数形成され、
    前記溝部の幅が、前記穴部の径よりも小さく、かつ、
    前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部、若しくは、
    前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向に沿って、螺旋状の溝部が形成され、
    さらに、前記電極用基板の外周面に、当該外周面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部が形成されていることを特徴とするダイヤモンド電極。
  2. 前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に形成された前記溝部の幅が、0.01mm〜1.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド電極。
  3. 前記電極用基板の前記ダイヤモンドが蒸着される面に形成された、互いに隣接する前記溝部のピッチ間隔が、0.02〜50mmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイヤモンド電極。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のダイヤモンド電極の製造方法であって、
    前記電極用基板の前記ダイヤモンドを蒸着する面に、全面にわたり多数の線状の溝部を形成し、
    前記溝部を形成した前記電極用基板に、当該電極用基板の両面を貫通するとともに、前記溝部の幅を跨いで貫通する穴部を複数形成し、
    前記溝部の幅を、前記穴部の径よりも小さくし、かつ、
    前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部、若しくは、
    前記電極用基板の前記穴部を形成する壁面に、当該壁面の周方向に沿って、螺旋状の溝部を形成し、
    さらに、前記電極用基板の外周面に、当該外周面の周方向又は前記電極用基板の厚さ方向のうち少なくともいずれか一方に沿って、多数の線状の溝部を形成することを特徴とするダイヤモンド電極の製造方法。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のダイヤモンド電極を備えたことを特徴とする電解水生成装置。
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