JP2013166986A - オゾン水生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイヤモンド成膜時における熱変形よる電極の割れや反りの発生を防止することができ、また、電極の電解し易い位置に原料水を確実に供給することができ、オゾン水の生成効率を上げることができるオゾン水生成装置を提供する。
【解決手段】第1筐体1、第2筐体2及び触媒電極3を備えたオゾン水生成装置100において、第1筐体及び第2筐体間に収容室141,241が設けられ、第1筐体1には、収容室141に連通する陽極用供給流路5及び陽極用排出流路6が設けられ、第2筐体2には、収容室241に連通する陰極用供給流路7及び陰極用排出流路8が設けられ、陽極32が、第1筐体1側の面に、陽極用供給流路5及び陽極用排出流路6に連通する複数の溝部322が形成され、かつ、当該溝部322内に陽イオン交換膜31に連通する複数の貫通穴323が形成された基板321であり、基板321の第1筐体側の面にダイヤモンドが成膜されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、オゾン水生成装置に関する。
近年、オゾン水は食品の殺菌や悪臭ガスの脱臭などの用途に広範に使用されており、さらに医療や介護の分野で、数多い知見例が発表され始めている。また、半導体製造領域においても、超微細構造に対するオゾン酸化の特徴が認められ、オゾン水の使用が必須とされている。
このようなオゾン水の製法として、陽イオン交換膜の一方の面に陽極電極を圧接させ、他方の面に陰極電極を圧接してなる触媒電極の電解面に原料水を直接接触させて、水の電気分解によりオゾン水を生成させる直接電解法を利用したものが知られている。
直接電解法で使用する触媒電極は、白金、金、白金被覆チタン等を材料とすることが一般的である。しかしながら、上述のような材料を使用した場合、原料水の電気分解に伴って、電極が消耗・溶出するという現象が生じる。その結果、溶出した金属イオンが陽イオン交換膜に付着して反応を阻害してしまうため、オゾン水の生成効率が低下するという問題がある。
また、原料水として食塩水を使用していたが、オゾン発生に伴い不純物が生じることから、純水または精製水を使用することが好ましいとされている。しかしながら、純水または精製水のような電導性の低い水を使用する場合、上述の白金等からなる触媒電極では電解電流が流れにくく、オゾンの発生が微量であった。
そこで、陽極及び陰極に、導電性を付与したダイヤモンド薄膜を使用する技術が知られている。具体的には、エキスパンドメタルにダイヤモンド成膜した陽極や陰極について開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、チタン等の基板上にCVD法によってダイヤモンド薄膜を形成した陽極や陰極について開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−70701号公報 特開2007−44630号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の陽極や陰極は、エキスパンドメタルに蒸着等のCVD法によってダイヤモンドを成膜するので、熱変形によってエキスパンドメタルが反ったり、割れ易いという問題がある。
また、特許文献1のオゾン水生成装置では、上記陽極や陰極を電解槽中に配置し、電解槽に原料水を流して、陽極や陰極に原料水を接触させる構成となっている。特許文献2では、電解セルの陽極室に陽極を配置し、陰極室に陰極を配置し、陽極室及び陰極室にそれぞれ原料水を流して、陽極及び陰極に原料水を接触させる構成となっている。そのため、上記特許文献1及び2のいずれの場合も、原料水の供給流路及び生成されたオゾン水の排出流路が電解槽内や陽極室において混在している。すなわち、供給流路及び排出流路が設定されていない。したがって、供給された原料水が陽極に接触しないまま排出されたり、陽極の電解し易い位置に原料水が確実に供給されない。その結果、生成されるオゾン水の濃度が低く、オゾン水生成効率も悪くなるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ダイヤモンド成膜時における熱変形よる電極の割れや反りの発生を防止することができ、また、電極の電解し易い位置に原料水を確実に供給することができ、オゾン水の生成効率を上げることができるオゾン水生成装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明によれば、
第1筐体と、
前記第1筐体に重ね合わされる第2筐体と、
前記第1筐体及び第2筐体を重ね合わせることによって形成された収容室に収容された触媒電極と、を備え、
前記触媒電極が、前記第1筐体側から陽極、陽イオン交換膜及び陰極の順に設けられてなり、
前記触媒電極に原料水を供給するとともに前記陽極及び前記陰極間に直流電圧を印加することによってオゾン水を生成するオゾン水生成装置であって、
前記第1筐体には、前記収容室に連通し、原料水を前記触媒電極の前記陽極に供給する陽極用供給流路及び生成された生成水を排出する陽極用排出流路が設けられ、
前記第2筐体には、前記収容室に連通し、原料水を前記触媒電極の前記陰極に供給する陰極用供給流路及び生成された生成水を排出する陰極用排出流路が設けられ、
前記陽極が、第1筐体側の面に、前記陽極用供給流路及び前記陽極用排出流路に連通する複数の溝部が形成され、かつ、当該溝部内に前記陽イオン交換膜に連通する複数の貫通穴が形成された基板であり、
前記基板の前記第1筐体側の面に、ダイヤモンドが成膜されていることを特徴とするオゾン水生成装置が提供される。
請求項2の発明によれば、前記陽極の外周に、当該外周を囲むようにパッキン材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオゾン水生成装置が提供される。
請求項3の発明によれば、前記パッキン材の厚さは、前記陽極の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項2に記載のオゾン水生成装置が提供される。
請求項4の発明によれば、前記陽極の前記第1筐体側の面にクッション材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン水生成装置が提供される。
請求項5の発明によれば、前記パッキン材の硬度は、前記クッション材の硬度よりも高いことを特徴とする請求項4に記載のオゾン水生成装置が提供される。
請求項6の発明によれば、前記陽極を構成する基板がシリコンウェハであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のオゾン水生成装置が提供される。
本発明によれば、ダイヤモンド成膜時における熱変形よる電極の割れや反りの発生を防止することができる。また、電極の電解し易い位置に原料水を確実に供給することができ、オゾン水の生成効率を上げることができる。
第1の実施形態のオゾン水生成装置の外観斜視図である。 オゾン水生成装置の分解斜視図である。 図2における切断線I−Iに沿って切断した際の矢視断面図である。 (a)は陽極の平面図、(b)は切断線II−IIに沿って切断した際の矢視断面図である。 第1パッキン材、第1クッション材及び陽極の断面図を示している。 第2の実施形態のオゾン水生成装置の分解斜視図である。 図6における切断線III−IIIに沿って切断した際の矢視断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態のオゾン水生成装置の外観斜視図、図2は、オゾン水生成装置の分解斜視図、図3は、図2における切断線I−Iに沿って切断した際の矢視断面図である。
図1〜図3に示すように、本発明に係るオゾン水生成装置100は、第1筐体1と、第1筐体1に重ね合わされる第2筐体2と、これら第1筐体1及び第2筐体2の重ね合わせ面に形成された収容室144,244に収容される触媒電極3と、を備えている。
触媒電極3は、陽イオン交換膜31と、陽イオン交換膜31の一方の面に設けられた陽極32と、陽イオン交換膜31の他方の面に設けられた陰極33と、を備えている。第1筐体1側から、陽極32、陽イオン交換膜31、陰極33、第2筐体2の順に配置されている。
オゾン水生成装置100は、陽極32及び陰極33にそれぞれ原料水を供給するとともに陽極32及び陰極33間に直流電圧を印加することによって、陽極32側に微細オゾン気泡を発生させて、微細オゾン気泡を水に溶解させることにより、オゾン水を生成する。なお、陰極33側には、水素が発生し、水素が水に溶解して水素水(陰極水)が生成される。
第1筐体1は、最も外側に配置される第1狭持板11と、第1狭持板11の内側に配置される第1保持板13と、第1狭持板11及び第1保持板13の間に配置される第1シート材12と、第1保持板13の内側に配置されて、触媒電極3(陽極32)が収容される第1パッキン材14と、第1保持板13と第1パッキン材14との間に配置される第1クッション材15と、から構成されている。
第1狭持板11は、円板状をなしており、例えば、プラスチック製とすることが好ましい。第1狭持板11には、表裏面を貫通して形成された陽極用供給流路111及び排出流路112が形成されている。
陽極用供給流路111には、外部から陽極32に原料水を供給するための陽極用供給管91が嵌め込まれるようになっている。
陽極用排出流路112には、生成水(オゾン水)を外部に排出するための陽極用排出管92が嵌め込まれるようになっている。
これら陽極用供給流路111及び陽極用排出流路112の周囲に複数のボルト貫通穴113が等間隔に形成されている。
なお、陽極用供給管91は、図示しないが、例えば、原料水が貯留されたタンクに接続されたり、水道管に接続されている。また、陽極用排出管92は、例えば、生成されたオゾン水を貯留するためのタンクや、オゾン水を吐出させるノズル等に接続されている。
また、陽極用供給管91に供給する原料水としては、水道水、精製水などが挙げられる。
第1保持板13は、第1狭持板11と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、第1狭持板11の厚さよりも薄くなっている。
第1保持板13は、例えば、金属製とすること好ましい。
第1保持板13の表面には、第1狭持板11の陽極用供給流路111及び陽極用排出流路112に対応する位置に、それぞれ溝状の凹部が形成されている。凹部に、第1保持板13の裏面に貫通する7個の陽極用供給流路131及び7個の陽極用排出流路132が形成されている。
また、これら陽極用供給流路131及び陽極用排出流路132の周囲で、第1狭持板11のボルト貫通穴113に対応する位置に、複数のボルト貫通穴133が等間隔に形成されている。
第1シート材12は、第1狭持板11と第1保持板13との間に設けられ、第1狭持板11及び第1保持板13の間の水密性を確保するためのパッキンとして機能する。第1シート材12は、第1狭持板11及び第1保持板13と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、例えば、シリコン製とすることが好ましい。
また、第1シート材12には、第1狭持板11の陽極用供給流路111及び陽極用排出流路112に対応する位置にそれぞれ陽極用供給流路121及び陽極用排出流路122が形成されている。
また、陽極用供給流路121及び陽極用排出流路122の周囲に複数のボルト貫通穴123が形成されている。
第1パッキン材14は、第1保持板13の内側に設けられて、第1狭持板11及び第1保持板13と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、例えば、フッ素系樹脂、パイトンゴム、エチレンプロピレンゴム、ガスケット材などからなる硬度の高いものを使用することが好ましい。
第1パッキン材14には、中央に平面視円形状の貫通穴である収容室144が形成されている。後述するが、この収容室144に触媒電極3の陽極32が収容されるようになっている。すなわち、陽極32の外周が第1パッキン材14によって囲まれる。
また、収容室144の周囲には、複数のボルト貫通穴143が形成されている。
第1クッション材15は、第1保持板13と第1パッキン材14との間に設けられ、第1パッキン材14に荷重が加わった際の荷重を吸収する機能を有している。
第1クッション材15は、第1パッキン材14と平面視が同じ大きさの円板状をなしている。第1クッション材15の硬度は、第1パッキン材14の硬度よりも低く、第1クッション材15は、例えば、シリコン製(シリコンゴム、シリコンスポンジ)とすることが好ましい。第1クッション材15の硬度を第1パッキン材14の硬度よりも低くすることによって、後述する陽極32をシリコンウェハやチタン製とした場合に、陽極32の割れを防止することができるという効果が得られる。 第1クッション材15には、第1保持板13の7個の陽極用供給流路131及び7個の陽極用排出流路132に対応する位置にそれぞれ7個の陽極用供給流路151及び7個の陽極用排出流路152が形成されている。
また、陽極用供給流路151及び陽極用排出流路152の周囲に複数のボルト貫通穴153が形成されている。
図1〜図3に示すように、第2筐体2は、最も外側に配置される第2狭持板21と、第2狭持板21の内側に配置される第2保持板23と、第2狭持板21及び第2保持板23の間に配置される第2シート材22と、第2保持板23の内側に配置されて、触媒電極3(陰極33)が収容される第2パッキン材24と、第2保持板23と第2パッキン材24との間に配置される第2クッション材25と、から構成されている。
第2狭持板21は、円板状をなしており、例えば、プラスチック製とすることが好ましい。
第2狭持板21には、表裏面を貫通して形成された陰極用供給流路211及び陰極用排出流路212が形成されている。
陰極用供給流路211には、外部から陰極33に原料水を供給するための陰極用供給管93が嵌め込まれるようになっている。
陰極用排出流路212には、生成水(陰極水)を外部に排出するための陰極用排出管94が嵌め込まれるようになっている。
これら陰極用供給流路211及び陰極用排出流路212の周囲に複数のボルト貫通穴213が等間隔に形成されている。
なお、陰極用供給管93は、図示しないが、例えば、原料水が貯留されたタンクに接続されたり、水道管に接続されている。また、陰極用排出管94は、例えば、生成された陰極水を貯留するためのタンクに接続されている。
また、陰極用供給管93に供給する原料水としては、水道水、精製水などが挙げられる。
第2保持板23は、第2狭持板21と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、第2狭持板21の厚さよりも薄くなっている。
第2保持板23は、例えば、金属製とすることが好ましい。
第2保持板23の裏面には、第2狭持板21の陰極用供給流路211及び陰極用排出流路212に対応する位置に、それぞれ溝状の凹部が形成されている。凹部に、第2保持板23の表面に貫通する7個の陰極用供給流路231及び7個の陰極用排出流路232が形成されている。
また、これら陰極用供給流路231及び陰極用排出流路232の周囲で、第2狭持板21のボルト貫通穴213に対応する位置に、複数のボルト貫通穴233が等間隔に形成されている。
第2シート材22は、第2狭持板21と第2保持板23との間に設けられ、第2狭持板21及び第2保持板23の間の水密性を確保するためのパッキンとして機能する。第2シート材22は、第2狭持板21及び第2保持板23と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、例えば、シリコン製とすることが好ましい。
また、第2シート材22には、第2狭持板21の陰極用供給流路211及び陰極用排出流路212に対応する位置にそれぞれ陰極用供給流路221及び陰極用排出流路222が形成されている。
また、陰極用供給流路221及び陰極用排出流路222の周囲に複数のボルト貫通穴223が形成されている。
第2パッキン材24は、第2保持板23の内側に設けられて、第1狭持板21及び第1保持板23と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、例えば、フッ素系樹脂、パイトンゴム、エチレンプロピレンゴム、ガスケット材などからなる硬度の高いものを使用することが好ましい。
第2パッキン材24には、第1パッキン材14の収容室144と同様に平面視円形状の貫通穴である収容室244が形成されている。後述するが、この収容室244に、触媒電極3の陰極33がそれぞれ収容されるようになっている。すなわち、陰極33の外周が第2パッキン材24によって囲まれる。
また、収容室244の周囲には、複数のボルト貫通穴243が形成されている。
第2クッション材25は、第2保持板23と第2パッキン材24との間に設けられ、第2パッキン材24に荷重が加わった際の荷重を吸収する機能を有している。
第2クッション材25は、第2パッキン材24と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、第2パッキン材24の硬度よりも低い、例えば、シリコン製(シリコンゴム、シリコンスポンジ)とすることが好ましい。第2クッション材25の硬度を第2パッキン材24の硬度よりも低くすることによって、後述する陰極33をシリコンウェハやチタン製とした場合に、陰極33の割れを防止することができる。
第2クッション材25には、第2保持板23の陰極用供給流路231及び陰極用排出流路232に対応する位置にそれぞれ7個の陽極用供給流路251及び7個の陽極用排出流路252が形成されている。
また、陽極用供給流路251及び陽極用排出流路252の周囲に複数のボルト貫通穴253が形成されている。
触媒電極3は、陽極32、陽イオン交換膜31及び陰極33を有している。
図4は、陽極を示しており、(a)は陽極の平面図、(b)は切断線II−IIに沿って切断した際の矢視断面図、図5は、第1パッキン材、第1クッション材及び陽極の断面図を示している。
陽極32は、平面視円形状の基板321からなる。
基板321としては、オゾン発生触媒機能を有する金属を使用する。具体的には、安定性が良い点で白金、金またはその被覆金属を使用することが好ましく、特にチタンに白金を被覆した金属を使用すると製造コストを安価に抑えることができる。また、シリコンウェハを使用するとダイヤモンド成膜の密着性がいい(剥離防止)ができることから最も好ましい。
基板321の第1筐体1側の面(図2中、表面側)には、複数(7個)の溝部322が互いに平行となるように所定間隔に形成されている。
これら各溝部322内に、基板321の裏面に貫通する多数の貫通穴323が形成されている。
溝部322の幅は、例えば、0.5mm〜3.0mm程度が好ましく、溝部322の深さは、0.5mm〜2.0mm程度が好ましい。貫通穴323の径は、φ0.5〜φ3.0程度が好ましい。
各溝部322の一端部側に位置する7個の貫通穴323aは、第1狭持板11、第1シート材12、第1保持板13及び第1クッション材15の陽極用供給流路111,121,131,151に連通している。また、各溝部322のうち他端部側に位置する貫通穴323bは、第1狭持板11、第1シート材12、第1保持板13及び第1クッション材15の陽極用排出流路112,122,132,152に連通している。
なお、溝部322は、基板321の第1筐体側の面にのみ設けるとしたが、陽イオン交換膜31側の面にも同様にして設けても構わない。
また、図2及び図4では、溝部321を7個示したが、7個に限らず、さらに多数形成することが、オゾン水生成効率を向上させることができるため好ましい。
このような基板321の少なくとも第1筐体側の面にダイヤモンドが成膜されている。
ダイヤモンド成膜は、例えば、プラズマCVD法や熱フェラメントCVD法によって成膜することができる。
陽極32の製造方法としては、まず、基板321の第1筐体1側の面に複数の溝部322をエッチングなどによって形成し、その後、各溝部322にエッチング、レーザー加工などによって複数の貫通穴323を形成する。さらに、基板321の少なくとも第1筐体側の面に蒸着等によりダイヤモンドを成膜する。
このような陽極32は、図5に示すように、第1パッキン材14の収容室144に収容されて、陽極32の外周が第1パッキン材14に囲まれるようになっている。陽極32の陽イオン交換膜31と反対側の面には、第1クッション材15が配置されるようになっている。
陽極32は、第1パッキン材14の収容室144に嵌め込まれる大きさとなっている。
陽極32の厚さMは、第1パッキン材14の厚さNよりも薄いことが好ましく、具体的には、0.6mm〜3.0mm程度が好ましい。陽極32の厚さMを第1パッキン材14の厚さNより薄くすることによって、収容室144に陽極32が収容された状態で、陽極32の表面は、第1パッキン材14の表面から突出しない。したがって、オゾン水生成装置100を組み立てる際に、第1パッキン材14に荷重が加わっても、第1パッキン材14がストッパーとして機能し、陽極32に荷重が加わるのを防止することができる。
陽イオン交換膜31は、平面視円形状をなしており、第1狭持板11の平面視の大きさと同じである。陽イオン交換膜31の外周には、複数のボルト貫通穴313が等間隔に形成されている。
陽イオン交換膜31としては、従来公知のものを使用することができ、発生するオゾンに耐久性の強いフッ素系陽イオン交換膜を使用することができる。また、厚さは、100〜300μm程度が好ましい。
陰極33は、陽極32と同様に平面視円形状の基板331からなる。
基板331としては、オゾン発生触媒機能を有する金属を使用する。具体的には、上述の陽極32と同様に、安定性が良い点で、白金、金又はその被覆金属を使用することが好ましく、特にチタンに白金を被覆した金属を使用すると製造コストを安価に抑えることができる。また、シリコンウェハを使用するとダイヤモンド成膜の密着性がいい(剥離しづらい)ことから最も好ましい。
基板331の第2筐体2側の面(図2中、裏面側)には、複数(7個)の溝部332が互いに平行となるように所定間隔に形成されている。
これら各溝部332内に、基板331の表面に貫通する多数の貫通穴333が形成されている。
各溝部332の一端部側に位置する7個の貫通穴333aは、第2狭持板21、第2シート材22、第2保持板23及び第2クッション材25の陰極用供給流路211,221,231,251に連通している。また、各溝部332の他端部側に位置する貫通穴333bは、第2狭持板21、第2シート材22、第2保持板23及び第2クッション材25の陰極用排出流路212,222,232,252に連通している。
なお、溝部332は、基板331の第2筐体側の面にのみ設けるとしたが、陽イオン交換膜側の面にも同様にして設けても構わない。また、溝部332の個数も適宜変更可能である。
このような基板331の少なくとも第2筐体側の面に、陽極32の場合と同様にダイヤモンドが成膜されている。
また、陰極33の製造方法は、陽極32と同様の方法により製造することができる。
また、陽極32と陰極33との間には、電源装置(図示しない)の出力端が電気的に連結され、直流電圧が印加されるように構成されている。すなわち、陽極32及び陰極33は、各電極32,33に導線を介して電源装置に連結されている。印加する直流電圧は、例えば6〜24ボルトの範囲内が好ましい。
以上のように、陽イオン交換膜31の一方の面に、溝部322と反対側の面が接触するように陽極32が配置され、他方の面に溝部332と反対側の面が接触するように陰極33が配置されて触媒電極3が構成されている。
そして、第1狭持板11、第1シート材12、第1保持板13、第1クッション材15及び第1パッキン材14からなる第1筐体1と、第2狭持板21、第2シート材22、第2保持板23、第2クッション材25及び第2パッキン材24からなる第2筐体2と、が重ね合わされて、第1パッキン材14に形成された収容室144に触媒電極3の陽極32が収容され、第2パッキン材24に形成された収容室244に触媒電極3の陰極33が収容される。
このように触媒電極3が収容されて、各部材に形成されたボルト貫通穴113,123,133,143,153,213,223,233,243,253にボルトMを挿入して締結することによって、オゾン水生成装置100が組み立てられる。
なお、図2の符号中、カッコ書きの数字は、組み立てた際に形成される流路の符号を示している。
以上のようにして組み立てられたオゾン水生成装置100では、第1狭持板11、第1シート材12、第1保持板13及び第1クッション材15に形成された陽極用供給流路111,121,131,151が、互いに連通して一本の陽極用供給流路5とされる。この陽極用供給流路5は、陽極32の7個の貫通穴323aに連通している。
さらに、第1狭持板11、第1シート材12、第1保持板13及び第1クッション材15に形成された陽極用排出流路112,122,132,152が、互いに連通して一本の陽極用排出流路6とされる。この陽極用排出流路6は、陽極32の7個の貫通穴323bに連通している。
同様にして、第2狭持板21、第2シート材22、第2保持板23及び第2クッション材25に形成された陰極用供給流路211,221,231,251が、互いに連通して一本の陰極用供給流路7とされる。この陰極用供給流路7は、陰極33の7個の貫通穴333aに連通している。
さらに、第2狭持板21、第2シート材22、第2保持板23及び第2クッション材25に形成された陰極用排出流路212,222,232,252が、互いに連通して一本の陰極用排出流路8とされる。この陰極用排出流路8は、陰極33の7個の貫通穴333bに連通している。
なお、陽極用排出管92の下流側には、図示しないが、濃度検出センサが設けられている。濃度検出センサは、検出電極(図示しない)と電位測定の基準となる比較電極(図示しない)、これら検出電極及び比較電極の一方の端部に結線して電位を測定する電位差計(図示しない)等から構成されている。検出電極及び比較電極は、陽極用排出管92を流れるオゾン水に接触するようになっている。そして、検出電極及び比較電極がオゾン水に接触することで、検出電極のオゾン濃度変化による検出電極と比較電極との電位差を検出して濃度を測定する。
検出電極としては、例えば白金や金等からなる電極を使用し、比較電極としては銀や塩化銀を使用することが好ましい。
このようにして検出されたオゾン濃度に基づいて、オゾン水生成装置100内の制御部(図示しない)が予め設定されたオゾン濃度と一致するように、電源装置に陽極32及び陰極33間に印加する電力量を制御している。
次に、上述のオゾン水生成装置100の動作について説明する。
陽極用供給管91及び陰極用供給管93から原料水を供給すると同時に、電源装置を駆動させることによって、陽極32及び陰極33の間に所定の電圧を印加する。この通電により水が電気分解されて、陽極側にはオゾン気泡及び酸素気泡が発生し、陰極側には水素気泡が発生する。
詳細に説明すると、図2及び図3の矢印で示されるように、陽極用供給管91から原料水を供給すると、原料水は、陽極用供給流路111,121,131,151を流れて、貫通穴323aから溝部322を流れつつ、その他の貫通穴323も流れて、収容室144に収容された陽極32の全体に接触する。
陽極32に原料水が接触することによって、オゾン気泡が発生し、発生したオゾン気泡は水に溶解して高濃度のオゾン水となり、貫通穴323bから陽極用排出流路152,132,122,112を介して陽極用排出管92を流れて外部に排出される。
一方、陰極用供給管93から原料水を供給すると、原料水は、陰極用供給流路211,221,231,251を流れて、貫通穴333aから溝部332を流れつつ、その他の貫通穴333も流れて、収容室244に収容された陰極33の全体に接触する。
陰極33に原料水が接触することによって、水素気泡が発生し、発生した水素気泡は水に溶解して水素水(陰極水)となり、貫通穴333bから陰極用排出流路252,232,222,212を介して陰極用排出管94を流れて外部に排出される。
なお、図2に示される矢印は、図面の関係上、陽極32に形成された7つの溝部322のうち1つの溝部322に原料水が供給されてオゾン水が生成される場合を例に示したものであって、実際には、7つの溝部322全てに原料水が供給されてオゾン水が生成される。同様にして、陰極33側においても7つの溝部332全てに原料水が供給されるものとする。
なお、通電中に、同時に濃度検出センサによって、陽極用排出管92内のオゾン水濃度が測定され、制御部は予め設定されたオゾン濃度となるように電源装置の出力調整を行うことによって、陽極32及び陰極33間の電力量が制御される。以上のようにして、設定濃度のオゾン水が生成される。
以上、本実施形態によれば、陽極32が、第1筐体1側の面に、陽極用供給流路5(111,121,131,151)及び陽極用排出流路6(152,132,122,112)に連通する複数の溝部322が形成され、かつ、当該溝部322内に陽イオン交換膜31に連通する複数の貫通穴323が形成された基板321であるので、複数の溝部322内を原料水が流れることによって、陽極32の電解し易い位置に原料水を確実に供給することができ、オゾン水の生成効率を上げることができる。また、各溝部322内に複数の貫通穴323が形成されていることから、原料水が溝部322内を流れつつ、貫通穴323を介して陽イオン交換膜31に供給され、流路が確保される。また、溝部322を設けることによって、流路が確保されることから、流路確保のために別途エキスパンドメタル等を設ける必要もなくなり、より小型化を図ることができる。
また、溝部322と貫通穴323によって陽極32の表面積が大きくなることから、原料水との接触面積が増加し、この点においてもオゾン水の生成効率を上げることができる。
また、基板321の第1筐体1側の面にダイヤモンドが成膜されているので、原料水として従来のように食塩水ではなく、精製水等を使用することができ、不純物が生成されずに高濃度のオゾン水を生成することができる。
さらに、基板321に複数の溝部322が形成されていることから、ダイヤモンド成膜時における熱変形よる陽極32の割れや反りの発生を防止することができる。
また、陽極32の外周に当該外周を囲むように第1パッキン材14が設けられているので、第1パッキン材14によって陽極32が保護されて陽極32の割れを防止することができる。
特に、第1パッキン材14の厚さが陽極32の厚さよりも厚いので、オゾン水生成装置100に荷重が加わった場合に、第1パッキン材14がストッパーとして機能し、陽極32に荷重が加わるのを防止することができる。その結果、陽極32(ダイヤモンド薄膜)の割れ等を防止することができる。
また、陽極32の第1筐体1側の面に第1クッション材15が設けられているので、オゾン水生成装置100に荷重が加わった場合に、第1クッション材15によって荷重を吸収することができ、陽極32(ダイヤモンド薄膜)の割れ等を防止することができる。
[第2の実施形態]
図6は、第2の実施形態のオゾン水生成装置の分解斜視図、図7は、図6における切断線III−IIIに沿って切断した際の矢視断面図である。
第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、陰極にダイヤモンドが成膜されていない場合である。その他は、第1の実施形態と同様のため、同様の構成部分については同様の符号を付してその説明を省略する。
図6及び図7に示すように、陰極は、平面視円形状の基板であり、基板はオゾン発生触媒機能を有する金属である。具体的には、安定性が良い点で、白金、金又はその被覆金属を使用することが好ましく、特にチタンに白金を被覆した金属を使用すると製造コストを安価に抑えることができる。また、陰極33は、エキスパンドメタル状またはパンチングメタル状である。
さらに、陰極33の第2筐体側の面には、陰極33と同じ大きさのチタン製のエキスパンドメタル35が設けられている。
このような陰極33の外側(第2筐体側)には、第2クッション材25Aが設けられている。第2クッション材25Aは、基本的には第1の実施形態の第2クッション材25と同様であるが、陰極用供給流路251A及び陰極用排出流路252Aの個数が1個となっている。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 第1筐体
2 第2筐体
3 触媒電極
14 第1パッキン材
15 第1クッション材
31 陽イオン交換膜
32 陽極
33 陰極
100 オゾン水生成装置
5,111,121,131,151 陽極用供給流路
6,112,122,132,152 陽極用排出流路
7,211,221,231,251 陰極用供給流路
8,212,222,232,252 陰極用排出流路
141,241 収容室
321 基板
322 溝部
323 貫通穴
M 陽極の厚さ
N 第1パッキン材の厚さ
請求項の発明によれば、前記陽極の前記第1筐体側の面にクッション材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のオゾン水生成装置が提供される。
請求項の発明によれば、前記パッキン材の硬度は、前記クッション材の硬度と同じ、または、前記クッション材の硬度よりも高いことを特徴とする請求項に記載のオゾン水生成装置が提供される。
請求項の発明によれば、前記陽極を構成する基板がシリコンウェハであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のオゾン水生成装置が提供される。
第1パッキン材14は、第1保持板13の内側に設けられて、第1狭持板11及び第1保持板13と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、例えば、フッ素系樹脂、パイトンゴム、エチレンプロピレンゴム、ガスケット材などからなる硬度の高いものを使用することが好ましい。なお、第1パッキン材14の硬度は、後述する陽極32(基板321)の硬度より低くなっている。
第1パッキン材14には、中央に平面視円形状の貫通穴である収容室144が形成されている。後述するが、この収容室144に触媒電極3の陽極32が収容されるようになっている。すなわち、陽極32の外周が第1パッキン材14によって囲まれて保護される。
また、収容室144の周囲には、複数のボルト貫通穴143が形成されている。
第1クッション材15は、第1保持板13と第1パッキン材14との間に設けられ、第1パッキン材14や陽極32に荷重が加わった際の荷重を吸収する機能を有している。
第1クッション材15は、第1パッキン材14と平面視が同じ大きさの円板状をなしている。第1クッション材15の硬度は、第1パッキン材14の硬度と同じ、または、第1パッキン材14の硬度よりも低く、第1クッション材15は、例えば、シリコン製(シリコンゴム、シリコンスポンジ)とすることが好ましい。
第1クッション材15の硬度を第1パッキン材14の硬度と同じ、または、低くすることによって、オゾン水生成装置100を組み立てる際(圧接時)に、第1パッキン材14が第1クッション材15に押し込まれることになる。その結果、第1パッキン材14がストッパーとして機能し、陽極32に加わる荷重を低減でき、陽極32(ダイヤモンド成膜)の割れを防止することができるという効果が得られる。一方、第1クッション材15の硬度が第1パッキン材14の硬度よりも高い場合には、圧接時に、第1パッキン材14が第1クッション材15に押し込まれずに、第1クッション材15によって押し潰されてしまい、第1パッキン材14がストッパーとして機能せずに、陽極32に加わる荷重が大きくなり、陽極32(ダイヤモンド成膜)が割れてしまう。また、圧接時に偏りができ、第1クッション材15と第1パッキン材14とが密着しない部分から水漏れが発生する可能性がある。
第1クッション材15には、第1保持板13の7個の陽極用供給流路131及び7個の陽極用排出流路132に対応する位置にそれぞれ7個の陽極用供給流路151及び7個の陽極用排出流路152が形成されている。
また、陽極用供給流路151及び陽極用排出流路152の周囲に複数のボルト貫通穴153が形成されている。
第2パッキン材24は、第2保持板23の内側に設けられて、第1狭持板21及び第1保持板23と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、例えば、フッ素系樹脂、パイトンゴム、エチレンプロピレンゴム、ガスケット材などからなる硬度の高いものを使用することが好ましい。なお、第2パッキン材24の硬度は、陰極33の硬度より低いことが好ましい。
第2パッキン材24には、第1パッキン材14の収容室144と同様に平面視円形状の貫通穴である収容室244が形成されている。後述するが、この収容室244に、触媒電極3の陰極33がそれぞれ収容されるようになっている。すなわち、陰極33の外周が第2パッキン材24によって囲まれて保護される。
また、収容室244の周囲には、複数のボルト貫通穴243が形成されている。
第2クッション材25は、第2保持板23と第2パッキン材24との間に設けられ、第2パッキン材24及び陰極33に荷重が加わった際の荷重を吸収する機能を有している。
第2クッション材25は、第2パッキン材24と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、第2パッキン材24の硬度と同じ、または、第2パッキン材24の硬度よりも低い、例えば、シリコン製(シリコンゴム、シリコンスポンジ)とすることが好ましい。
第2クッション材25の硬度を第2パッキン材24の硬度と同じ、または、第2パッキン材24の硬度よりも低くすることによって、オゾン水生成装置100を組み立てる際(圧接時)に、第2パッキン材24が第2クッション材25に押し込まれることになる。その結果、第2パッキン材24がストッパーとして機能し、陰極33に加わる荷重を低減でき、陰極33の割れを防止することができるという効果が得られる。
第2クッション材25には、第2保持板23の陰極用供給流路231及び陰極用排出流路232に対応する位置にそれぞれ7個の陽極用供給流路251及び7個の陽極用排出流路252が形成されている。
また、陽極用供給流路251及び陽極用排出流路252の周囲に複数のボルト貫通穴253が形成されている。
このような陽極32は、図5に示すように、第1パッキン材14の収容室144に収容されて、陽極32の外周が第1パッキン材14に囲まれるようになっている。陽極32の陽イオン交換膜31と反対側の面には、第1クッション材15が配置されるようになっている。
陽極32は、第1パッキン材14の収容室144に嵌め込まれる大きさとなっている。
陽極32の厚さは具体的には、0.6mm〜3.0mm程度が好ましい。第1パッキン材14の厚さも、0.6mm〜3.0mm程度が好ましい。
以上のように、陽イオン交換膜31の一方の面に、溝部322と反対側の面が接触するように陽極32が配置され、他方の面に溝部332と反対側の面が接触するように陰極33が配置されて、これらが圧接されて触媒電極3が構成されている。
オゾン水生成装置100を組み立てる手順としては、図2に示すように、下側の部材から順に、第2狭持板21、第2シート材22、第2保持板23、第2クッション材25及び第2パッキン材24を重ね合わせていき、さらに、第2パッキン材24に形成された収容室244に陰極33を収容し、さらに、陽イオン交換膜31及び第1パッキン材14を重ね合わせる。第1パッキン材14に形成された収容室144に陽極32を収容し、さらに、第1クッション材15、第1保持板13、第1シート材12及び第1狭持板11を重ね合わせる。
最後に、各部材に形成されたボルト貫通穴113,123,133,143,153,213,223,233,243,253にボルトMを挿入して締結することによって圧接されて、オゾン水生成装置100が組み立てられる。
なお、上記のオゾン水生成装置100の組み立て手順では、図2において、下側の部材から順に重ね合わせるとしたが、これに限らず、図2において上側の部材から順に部材を重ね合わせても良い。
また、陽極32の外周に当該外周を囲むように第1パッキン材14が設けられているので、第1パッキン材14によって陽極32が保護されて、圧接時に、第1パッキン材14がストッパーとして機能し、陽極32に加わる荷重を低減することができる。その結果、陽極32(ダイヤモンド成膜)が割れるのを防止することができる。
また、陽極32の第1筐体1側の面に第1クッション材15が設けられているので、圧接時など、陽極32に荷重が加わった際に、第1クッション材15によって荷重を吸収することができ、陽極32(ダイヤモンド薄膜)の割れ等を防止することができる。
1 第1筐体
2 第2筐体
3 触媒電極
14 第1パッキン材
15 第1クッション材
31 陽イオン交換膜
32 陽極
33 陰極
100 オゾン水生成装置
5,111,121,131,151 陽極用供給流路
6,112,122,132,152 陽極用排出流路
7,211,221,231,251 陰極用供給流路
8,212,222,232,252 陰極用排出流路
141,241 収容室
321 基板
322 溝部
323 貫通穴
請求項4の発明によれば、前記パッキン材の硬度は、前記クッション材の硬度よりも高いことを特徴とする請求項3に記載のオゾン水生成装置が提供される。
第1パッキン材14は、第1保持板13の内側に設けられて、第1狭持板11及び第1保持板13と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、例えば、フッ素系樹脂、パイトンゴム、エチレンプロピレンゴム、ガスケット材などからなる硬度の高いものを使用することが好ましい
1パッキン材14には、中央に平面視円形状の貫通穴である収容室144が形成されている。後述するが、この収容室144に触媒電極3の陽極32が収容されるようになっている。すなわち、陽極32の外周が第1パッキン材14によって囲まれて保護される。
また、収容室144の周囲には、複数のボルト貫通穴143が形成されている。
第1クッション材15は、第1保持板13と第1パッキン材14との間に設けられ、第1パッキン材14や陽極32に荷重が加わった際の荷重を吸収する機能を有している。
第1クッション材15は、第1パッキン材14と平面視が同じ大きさの円板状をなしている。第1クッション材15の硬度は、第1パッキン材14の硬度よりも低く、第1クッション材15は、例えば、シリコン製(シリコンゴム、シリコンスポンジ)とすることが好ましい。
第1クッション材15の硬度を第1パッキン材14の硬度より低くすることによって、オゾン水生成装置100を組み立てる際(圧接時)に、第1パッキン材14が第1クッション材15に押し込まれることになる。その結果、第1パッキン材14がストッパーとして機能し、陽極32に加わる荷重を低減でき、陽極32(ダイヤモンド成膜)の割れを防止することができるという効果が得られる。一方、第1クッション材15の硬度が第1パッキン材14の硬度よりも高い場合には、圧接時に、第1パッキン材14が第1クッション材15に押し込まれずに、第1クッション材15によって押し潰されてしまい、第1パッキン材14がストッパーとして機能せずに、陽極32に加わる荷重が大きくなり、陽極32(ダイヤモンド成膜)が割れてしまう。また、圧接時に偏りができ、第1クッション材15と第1パッキン材14とが密着しない部分から水漏れが発生する可能性がある。
第1クッション材15には、第1保持板13の7個の陽極用供給流路131及び7個の陽極用排出流路132に対応する位置にそれぞれ7個の陽極用供給流路151及び7個の陽極用排出流路152が形成されている。
また、陽極用供給流路151及び陽極用排出流路152の周囲に複数のボルト貫通穴153が形成されている。
第2パッキン材24は、第2保持板23の内側に設けられて、第1狭持板21及び第1保持板23と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、例えば、フッ素系樹脂、パイトンゴム、エチレンプロピレンゴム、ガスケット材などからなる硬度の高いものを使用することが好ましい
2パッキン材24には、第1パッキン材14の収容室144と同様に平面視円形状の貫通穴である収容室244が形成されている。後述するが、この収容室244に、触媒電極3の陰極33がそれぞれ収容されるようになっている。すなわち、陰極33の外周が第2パッキン材24によって囲まれて保護される。
また、収容室244の周囲には、複数のボルト貫通穴243が形成されている。
第2クッション材25は、第2保持板23と第2パッキン材24との間に設けられ、第2パッキン材24及び陰極33に荷重が加わった際の荷重を吸収する機能を有している。
第2クッション材25は、第2パッキン材24と平面視が同じ大きさの円板状をなしており、第2パッキン材24の硬度よりも低い、例えば、シリコン製(シリコンゴム、シリコンスポンジ)とすることが好ましい。
第2クッション材25の硬度を第2パッキン材24の硬度よりも低くすることによって、オゾン水生成装置100を組み立てる際(圧接時)に、第2パッキン材24が第2クッション材25に押し込まれることになる。その結果、第2パッキン材24がストッパーとして機能し、陰極33に加わる荷重を低減でき、陰極33の割れを防止することができるという効果が得られる。
第2クッション材25には、第2保持板23の陰極用供給流路231及び陰極用排出流路232に対応する位置にそれぞれ7個の陽極用供給流路251及び7個の陽極用排出流路252が形成されている。
また、陽極用供給流路251及び陽極用排出流路252の周囲に複数のボルト貫通穴253が形成されている。
このような陽極32は、図5に示すように、第1パッキン材14の収容室144に収容されて、陽極32の外周が第1パッキン材14に囲まれるようになっている。陽極32の陽イオン交換膜31と反対側の面には、第1クッション材15が配置されるようになっている。
陽極32は、第1パッキン材14の収容室144に嵌め込まれる大きさとなっている。
陽極32の厚さは、具体的には、0.6mm〜3.0mm程度が好ましい

Claims (6)

  1. 第1筐体と、
    前記第1筐体に重ね合わされる第2筐体と、
    前記第1筐体及び第2筐体を重ね合わせることによって形成された収容室に収容された触媒電極と、を備え、
    前記触媒電極が、前記第1筐体側から陽極、陽イオン交換膜及び陰極の順に設けられてなり、
    前記触媒電極に原料水を供給するとともに前記陽極及び前記陰極間に直流電圧を印加することによってオゾン水を生成するオゾン水生成装置であって、
    前記第1筐体には、前記収容室に連通し、原料水を前記触媒電極の前記陽極に供給する陽極用供給流路及び生成された生成水を排出する陽極用排出流路が設けられ、
    前記第2筐体には、前記収容室に連通し、原料水を前記触媒電極の前記陰極に供給する陰極用供給流路及び生成された生成水を排出する陰極用排出流路が設けられ、
    前記陽極が、第1筐体側の面に、前記陽極用供給流路及び前記陽極用排出流路に連通する複数の溝部が形成され、かつ、当該溝部内に前記陽イオン交換膜に連通する複数の貫通穴が形成された基板であり、
    前記基板の前記第1筐体側の面に、ダイヤモンドが成膜されていることを特徴とするオゾン水生成装置。
  2. 前記陽極の外周に、当該外周を囲むようにパッキン材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオゾン水生成装置。
  3. 前記パッキン材の厚さは、前記陽極の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項2に記載のオゾン水生成装置。
  4. 前記陽極の前記第1筐体側の面にクッション材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン水生成装置。
  5. 前記パッキン材の硬度は、前記クッション材の硬度よりも高いことを特徴とする請求項4に記載のオゾン水生成装置。
  6. 前記陽極を構成する基板がシリコンウェハであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のオゾン水生成装置。
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