JP2014065927A - 高圧水電解装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体高分子電解質膜の使用量を可及的に削減することができ、簡単且つ経済的に構成することを可能にする。
【解決手段】高圧水電解装置10は、平膜部材40と、前記平膜部材40を挟持するアノード給電体42及びカソード給電体44と、アノード側セパレータ34と、カソード側セパレータ36と、前記カソード給電体44を囲繞して配置されるシール部材66とを備える。平膜部材40は、アノード給電体42及びカソード給電体44の電解領域を覆い且つ外周縁部にシール部材66が接触する固体高分子電解質膜46と、前記シール部材66との接触部よりも外周側に配置される弾性部材48とを有する。
【選択図】図3
【解決手段】高圧水電解装置10は、平膜部材40と、前記平膜部材40を挟持するアノード給電体42及びカソード給電体44と、アノード側セパレータ34と、カソード側セパレータ36と、前記カソード給電体44を囲繞して配置されるシール部材66とを備える。平膜部材40は、アノード給電体42及びカソード給電体44の電解領域を覆い且つ外周縁部にシール部材66が接触する固体高分子電解質膜46と、前記シール部材66との接触部よりも外周側に配置される弾性部材48とを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、水を電気分解し、酸素と前記酸素よりも高圧な水素とを発生させる高圧水電解装置に関する。
例えば、燃料電池を発電させるための燃料ガスとして、水素ガスが使用されている。一般的に、水素ガスを製造する際に、水電解装置が採用されている。この水電解装置は、水を電気分解して水素(及び酸素)を発生させるため、固体高分子電解質膜を用いている。固体高分子電解質膜の両面には、電極触媒層が設けられて電解質膜・電極構造体が構成されるとともに、前記電解質膜・電極構造体の両側には、それぞれ給電体を配設してユニットが構成されている。
そこで、複数のユニットが積層された状態で、積層方向両端に電圧が付与されるとともに、アノード給電体に水が供給される。このため、電解質膜・電極構造体のアノード側では、水が分解されて水素イオン(プロトン)が生成され、この水素イオンが固体高分子電解質膜を透過してカソード側に移動し、電子と結合して水素が製造される。一方、アノード側では、水素と共に生成された酸素が、余剰の水を伴ってユニットから排出される。
例えば、特許文献1に開示されている水素・酸素発生装置では、固体電解質膜と、多孔質給電体と、複極式の電極板とから構成される固体電解質膜ユニットを積層した構造を採用している。各固体電解質膜ユニットには、長手方向に貫通するマニホールド式の純水供給経路、水素ガス取出し経路、酸素ガス取出し経路及び水抜き用ドレン経路が形成されている。
そして、各電極板の陽極面側には、純水供給経路から陽極室に至る溝形状の純水供給凹部を凹設するとともに、酸素ガス取出し経路に至る溝形状の酸素ガス捕集凹部を凹設し、各電極板の陰極面側に、水素ガス取出し経路に至る溝形状の水素ガス捕集凹部を凹設するとともに、水抜き用ドレン経路に至る水抜き捕集凹部を凹設している。
ところで、上記の固体電解質膜ユニットでは、固体高分子電解質膜が多孔質給電体よりも大きな外形寸法を有しており、前記固体高分子電解質膜には、純水供給経路、水素ガス取出し経路、酸素ガス取出し経路及び水抜き用ドレン経路が形成されている。
このため、固体高分子電解質膜は、電解に関与しない部分を多く含んでいる。従って、固体高分子電解質膜は、実際の電解に必要な部分以上に大きな寸法に設定されており、経済的ではないという問題がある。しかも、電極板では、固体高分子電解質膜に接している面積が多くなり、例えば、耐酸性加工が必要になる部分が増大して経済的ではないという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、固体高分子電解質膜の使用量を可及的に削減することができ、簡単且つ経済的に構成することが可能な高圧水電解装置を提供することを目的とする。
本発明は、水を電気分解し、酸素と前記酸素よりも高圧な水素とを発生させる高圧水電解装置に関するものである。この高圧水電解装置は、平膜部材と、前記平膜部材を挟持するアノード給電体及びカソード給電体と、前記アノード給電体に対向して配置され、水が供給されるとともに、前記水を電気分解して酸素が発生されるアノード側セパレータと、前記カソード給電体に対向して配置され、前記水を電気分解して前記酸素よりも高圧な水素が発生されるカソード側セパレータと、前記カソード給電体を囲繞して配置されるシール部材と、を備えている。
そして、平膜部材は、アノード給電体及びカソード給電体の電解領域を覆い且つ外周縁部にシール部材が接触する固体高分子電解質膜と、前記シール部材との接触部よりも外周側に配置され、シール機能を有する弾性部材と、を有している。
また、この高圧水電解装置では、平膜部材は、固体高分子電解質膜の厚さが、弾性部材の厚さよりも大きくなるように設定されることが好ましい。高圧水電解装置の電解運転時には、生成した高圧ガスの押圧によって、固体高分子電解質膜の厚さが律速となった上で、均等化され、平滑面となるからである。
さらに、この高圧水電解装置では、アノード側セパレータ及びカソード側セパレータは、固体高分子電解質膜に接触する部分にのみ耐酸性層が形成されることが好ましい。
さらにまた、この高圧水電解装置では、アノード側セパレータ、平膜部材及びカソード側セパレータの積層方向に貫通して、水を供給する水供給連通孔、電解後の前記水を排出する水排出連通孔及び高圧な水素を排出する水素排出連通孔を設け、前記水供給連通孔及び前記水排出連通孔は、弾性部材を貫通する一方、前記水素排出連通孔は、アノード給電体、固体高分子電解質膜及びカソード給電体を貫通することが好ましい。
また、この高圧水電解装置では、アノード側セパレータ、平膜部材及びカソード側セパレータの積層方向に貫通して、水を供給する水供給連通孔、電解後の前記水を排出する水排出連通孔及び高圧な水素を排出する水素排出連通孔を設け、前記水供給連通孔及び前記水排出連通孔は、弾性部材を貫通する一方、前記水素排出連通孔は、アノード給電体及びカソード給電体の外方で固体高分子電解質膜を貫通するとともに、前記固体高分子電解質膜と前記弾性部材とは、一体に接合されることが好ましい。
本発明によれば、平膜部材は、電解領域を覆う固体高分子電解質膜と、シール機能を有する弾性部材とを有している。このため、固体高分子電解質膜は、電解に必要な部分にのみ設けることが可能になる。従って、固体高分子電解質膜の使用量を可及的に削減することができ、高圧水電解装置は、簡単且つ経済的に構成することが可能になる。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る高圧水電解装置(差圧式水電解装置)10は、複数の単位セル12が鉛直方向(矢印A方向)又は水平方向(矢印B方向)に積層された積層体14を備える。
積層体14の積層方向一端(上端)には、ターミナルプレート16a、絶縁プレート18a及びエンドプレート20aが上方に向かって、順次、配設される。積層体14の積層方向他端(下端)には、同様にターミナルプレート16b、絶縁プレート18b及びエンドプレート20bが下方に向かって、順次、配設される。
高圧水電解装置10は、例えば、矢印A方向に延在する4本のタイロッド22を介して円盤形状のエンドプレート20a、20b間を一体的に締め付け保持する。なお、高圧水電解装置10は、エンドプレート20a、20bを端板として含む箱状ケーシング(図示せず)により一体的に保持される構成を採用してもよい。また、高圧水電解装置10は、全体として略円柱体形状を有しているが、立方体形状等の種々の形状に設定可能である。
ターミナルプレート16a、16bの側部には、端子部24a、24bが外方に突出して設けられる。端子部24a、24bは、配線26a、26bを介して電解電源28に電気的に接続される。
図2及び図3に示すように、単位セル12は、略円盤状の電解質膜・電極構造体32と、前記電解質膜・電極構造体32を挟持するアノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36とを備える。
図2に示すように、単位セル12の外周縁部には、セパレータ面方向外方に向かって互いに反対方向に突出する第1突出部37a及び第2突出部37bが形成される。第1突出部37aには、積層方向(矢印A方向)に互いに連通して、水(純水)を供給するための水供給連通孔38aが設けられる。第2突出部37bには、積層方向に互いに連通して、反応により生成された酸素及び未反応の水(混合流体)を排出するための水排出連通孔38bが設けられる。
単位セル12の中央部には、電解領域の略中央を貫通して積層方向に互いに連通して、反応により生成された高圧な水素を排出するための水素排出連通孔38cが設けられる(図2及び図3参照)。
アノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36は、略円盤状を有するとともに、例えば、カーボン部材等で構成され、又は、鋼板、ステンレス鋼板、チタン板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板をプレス成形して、あるいは切削加工した後に防食用の表面処理を施して構成される。
電解質膜・電極構造体32は、平膜部材40と、前記平膜部材40を挟持するリング形状を有する電解用のアノード給電体42及びカソード給電体44とを備える。
平膜部材40は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜46と、前記固体高分子電解質膜46の外周に一体に接着され又は個別に配置されるシール機能を有する、例えば、ゴムシールからなる弾性部材48とを有する。
固体高分子電解質膜46は、略中央部に水素排出連通孔38cが形成されるとともに、前記固体高分子電解質膜46の両面には、リング形状を有するアノード電極触媒層47及びカソード電極触媒層49が形成される。アノード電極触媒層47は、例えば、Ru(ルテニウム)系触媒を使用する一方、カソード電極触媒層49は、例えば、白金触媒を使用する。
アノード給電体42及びカソード給電体44は、例えば、球状アトマイズチタン粉末の焼結体(多孔質導電体)により構成される。アノード給電体42及びカソード給電体44は、研削加工後にエッチング処理される平滑表面部を設けるとともに、空隙率が10%〜50%、より好ましくは、20%〜40%の範囲内に設定される。
図2及び図3に示すように、アノード側セパレータ34には、水供給連通孔38aに連通する供給通路50aと、水排出連通孔38bに連通する排出通路50bとが設けられる。アノード側セパレータ34の電解質膜・電極構造体32に向かう面34aには、供給通路50a及び排出通路50bに連通する水流路52と、アノード給電体42が配置されるとともに、前記水流路52に連通するリング状凹部54が設けられる。この水流路52は、アノード給電体42の接触面積範囲に対応する範囲内に設けられる。
アノード側セパレータ34の面34aには、リング状凹部54の中央側に位置してシール溝部56が設けられる。シール溝部56には、シール部材55が収容される。アノード側セパレータ34の外周縁部には、水供給連通孔38aを周回する凹部58と、水排出連通孔38bを周回する凹部60とが形成される。
カソード側セパレータ36の電解質膜・電極構造体32に向かう面36aには、カソード給電体44が配置されるリング状凹部62が形成される。リング状凹部62に配置されたカソード給電体44は、水素排出通路50cを介して水素排出連通孔38cに連通する。カソード側セパレータ36の面36aには、リング状凹部62を囲繞してシール溝部64が形成される。このシール溝部64には、シール部材66が配設される。
シール部材55、66には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
平膜部材40では、固体高分子電解質膜46が、アノード給電体42及びカソード給電体44の電解領域を覆い且つ外周縁部にシール部材66が接触する寸法及び形状を有する。弾性部材48は、シール部材66との接触部よりも外周側に配置され、アノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36の外形寸法と同等の外形寸法を有する。
平膜部材40は、固体高分子電解質膜46の厚さが、弾性部材48の厚さよりも大きくなるように設定される。より詳細には、高圧水電解装置10の電解運転時には、生成した高圧ガスの押圧によって、固体高分子電解質膜46の厚さが律速となった上で、均等化され、平滑面となるように、前記固体高分子電解質膜46の厚さは、弾性部材48の厚さよりも大きく設定される。アノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36は、固体高分子電解質膜46に接触する部分にのみ耐酸化性層を形成する。耐酸化性層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が設けられる。
図1に示すように、エンドプレート20aには、水供給連通孔38a、水排出連通孔38b及び水素排出連通孔38cに連通する配管68a、68b及び68cが接続される。配管68cには、図示しないが、背圧弁(又は電磁弁)が設けられており、水素排出連通孔38cに生成される水素の圧力を高圧に維持することができる。
このように構成される高圧水電解装置10の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、配管68aから高圧水電解装置10の水供給連通孔38aに水が供給されるとともに、ターミナルプレート16a、16bの端子部24a、24bに電気的に接続されている電解電源28を介して電圧が付与される。このため、図2及び図3に示すように、各単位セル12では、水供給連通孔38aからアノード側セパレータ34の水流路52に水が供給され、この水がアノード給電体42内に沿って移動する。
従って、水は、アノード電極触媒層47で電気により分解され、水素イオン、電子及び酸素が生成される。この陽極反応により生成された水素イオンは、固体高分子電解質膜46を透過してカソード電極触媒層49側に移動し、電子と結合して水素が得られる。
このため、カソード給電体44の内部の水素流路に沿って水素が流動し、前記水素は、水供給連通孔38aよりも高圧に維持された状態で、水素排出連通孔38cを流れて高圧水電解装置10の外部に取り出し可能となる。一方、反応により生成した酸素と未反応の水とは、水排出連通孔38bに沿って高圧水電解装置10の外部に排出される。
この場合、第1の実施形態では、図3に示すように、平膜部材40は、アノード給電体42及びカソード給電体44の電解領域を覆い且つ外周縁部にシール部材66が接触する固体高分子電解質膜46と、前記シール部材66との接触部よりも外周側に配置され、シール機能を有する弾性部材48とを有している。
このため、固体高分子電解質膜46は、電解に必要な部分にのみ設けることが可能になる。従って、固体高分子電解質膜46の使用量を可及的に削減することができ、高圧水電解装置10は、簡単且つ経済的に構成することが可能になるという効果が得られる。
さらに、平膜部材40は、固体高分子電解質膜46の厚さが、弾性部材48の厚さよりも大きく設定され、高圧水電解装置10の電解運転時には、生成した高圧ガスの押圧によって、前記固体高分子電解質膜46の厚さが律速となった上で、均等化され、平滑面となっている。これにより、固体高分子電解質膜46とアノード給電体42及びカソード給電体44とは、確実に接触することができ、接触抵抗が増大することを良好に抑制することが可能になる。
さらにまた、アノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36は、固体高分子電解質膜46に接触する部分にのみ耐酸化性層を形成している。このため、耐酸化性層を設ける領域が有効に削減され、経済的であるという利点がある。
また、固体高分子電解質膜46よりも硬度の低い弾性部材48が用いられるとともに、前記弾性部材48には、水供給連通孔38a及び水排出連通孔38bが設けられている。従って、各単位セル12を比較的低荷重で押圧すればよく、押圧手段であるタイロッド22により荷重を低減させることができる。これにより、タイロッド22の耐久性が有効に向上する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る高圧水電解装置80の斜視説明図である。なお、第1の実施形態に係る高圧水電解装置10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
高圧水電解装置80は、複数の単位セル82が積層された積層体14を備える。図5及び図6に示すように、単位セル82は、略円盤状の電解質膜・電極構造体84と、前記電解質膜・電極構造体84を挟持するアノード側セパレータ86及びカソード側セパレータ88とを備える。
図5に示すように、単位セル82の外周縁部には、セパレータ面方向外方に突出する第1突出部37a、第2突出部37b及び第3突出部37cが形成される。第1突出部37aには、水供給連通孔38aが設けられ、第2突出部37bには、水排出連通孔38bが設けられ、第3突出部37cには、水素排出連通孔38cが設けられる。
アノード側セパレータ86及びカソード側セパレータ88は、略円盤状を有するとともに、例えば、カーボン部材等で構成され、又は、鋼板、ステンレス鋼板、チタン板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板をプレス成形して、あるいは切削加工した後に防食用の表面処理を施して構成される。
電解質膜・電極構造体84は、平膜部材40aと、前記平膜部材40aを挟持する円板形状を有する電解用のアノード給電体42a及びカソード給電体44aとを備える。
図5及び図6に示すように、平膜部材40aは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜46aと、前記固体高分子電解質膜46aの外周に一体に接着され又は個別に配置されるシール機能を有する、例えば、ゴムシートからなる弾性部材48aとを有する。
固体高分子電解質膜46aは、外周部に水素排出連通孔38cが形成される第3突出部37cを有するとともに、前記固体高分子電解質膜46aの両面には、円板形状を有するアノード電極触媒層47a及びカソード電極触媒層49aが形成される。
アノード側セパレータ86には、水供給連通孔38aに連通する供給通路50aと、水排出連通孔38bに連通する排出通路50bとが設けられる。アノード側セパレータ86の電解質膜・電極構造体32に向かう面86aには、供給通路50a及び排出通路50bに連通する水流路52aと、アノード給電体42aが配置されるとともに、前記水流路52aに連通する円板状凹部54aが設けられる。この水流路52aは、アノード給電体42aの接触面積範囲に対応する範囲内に設けられる。
アノード側セパレータ86の面86aには、水素排出連通孔38cを周回してシール溝部56aが設けられる。シール溝部56aには、シール部材55aが収容される。アノード側セパレータ86の面86aには、水供給連通孔38aを周回する凹部58と、水排出連通孔38bを周回する凹部60とが形成される。
カソード側セパレータ88の電解質膜・電極構造体84に向かう面88aには、カソード給電体44aが配置される円板状凹部62aが形成される。円板状凹部62aには、水素排出通路50cの一端が連通するとともに、前記水素排出通路50cの他端が水素排出連通孔38cに連通する。
カソード側セパレータ88の面88aには、円板状凹部62aを囲繞してシール溝部64が形成される。このシール溝部64には、シール部材66が配設される。面88aには、水素排出連通孔38cを周回してシール溝部90が設けられる。シール溝部90には、シール部材92が収容されるとともに、前記シール部材92は、シール部材55aに対して積層方向にオフセットする。
平膜部材40aでは、固体高分子電解質膜46aが、アノード給電体42a及びカソード給電体44aの電解領域を覆い且つ外周縁部にシール部材66が接触する寸法及び形状を有する。固体高分子電解質膜46aは、円板形状の一部に外方に突出する第3突出部37cを有する。
弾性部材48aは、シール部材66との接触部よりも外周側に配置され、アノード側セパレータ86及びカソード側セパレータ88の外形寸法と同等の外形寸法を有する。固体高分子電解質膜46aと弾性部材48aとは、溶着や接着等により一体に接合される。
このように構成される第2の実施形態では、平膜部材40aは、アノード給電体42a及びカソード給電体44aの電解領域を覆い且つ外周縁部にシール部材66が接触する固体高分子電解質膜46aと、前記シール部材66との接触部よりも外周側に配置され、シール機能を有する弾性部材48aとを有している。
このため、固体高分子電解質膜46aの使用量が有用に削減され、高圧水電解装置80を簡単且つ経済的に構成することができる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る高圧水電解装置100を構成する単位セル102の分解斜視説明図である。なお、第2の実施形態に係る高圧水電解装置80と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図7及び図8に示すように、高圧水電解装置100を構成する単位セル102は、略円盤状の電解質膜・電極構造体104と、前記電解質膜・電極構造体104を挟持するアノード側セパレータ86及びカソード側セパレータ88とを備える。
電解質膜・電極構造体104は、平膜部材40bと、前記平膜部材40bを挟持する円板形状を有する電解用のアノード給電体42a及びカソード給電体44aとを備える。平膜部材40bは、固体高分子電解質膜46bと、前記固体高分子電解質膜46bの外周に一体に接着され又は個別に配置されるシール機能を有する、例えば、ゴムシールからなる弾性部材48bとを有する。
固体高分子電解質膜46bは、円板形状を有する一方、弾性部材48bは、円板形状を有し且つ外周部には、第1突出部37a、第2突出部37b及び第3突出部37cが形成される。水供給連通孔38a、水排出連通孔38b及び水素排出連通孔38cは、弾性部材48bにのみ設けられており、固体高分子電解質膜46bには設けられていない。
このように構成される第3の実施形態では、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
10、80、100…高圧水電解装置 12、82、102…単位セル
14…積層体 16a、16b…ターミナルプレート
18a、18a…絶縁プレート 20a、20b…エンドプレート
24a、24b…端子部 28…電解電源
32、84、104…電解質膜・電極構造体
34、86…アノード側セパレータ 36、88…カソード側セパレータ
37a〜37c…突出部 38a…水供給連通孔
38b…水排出連通孔 38c…水素排出連通孔
40、40a、40b…平膜部材 42、42a…アノード給電体
44、44a…カソード給電体
46、46a、46b…固体高分子電解質膜
48、48a、48b…弾性部材 52、52a…水流路
54、62…リング状凹部 54a、62a…円板状凹部
55、55a、66、92…シール部材
14…積層体 16a、16b…ターミナルプレート
18a、18a…絶縁プレート 20a、20b…エンドプレート
24a、24b…端子部 28…電解電源
32、84、104…電解質膜・電極構造体
34、86…アノード側セパレータ 36、88…カソード側セパレータ
37a〜37c…突出部 38a…水供給連通孔
38b…水排出連通孔 38c…水素排出連通孔
40、40a、40b…平膜部材 42、42a…アノード給電体
44、44a…カソード給電体
46、46a、46b…固体高分子電解質膜
48、48a、48b…弾性部材 52、52a…水流路
54、62…リング状凹部 54a、62a…円板状凹部
55、55a、66、92…シール部材
Claims (5)
- 水を電気分解し、酸素と前記酸素よりも高圧な水素とを発生させる高圧水電解装置であって、
平膜部材と、
前記平膜部材を挟持するアノード給電体及びカソード給電体と、
前記アノード給電体に対向して配置され、水が供給されるとともに、前記水を電気分解して酸素が発生されるアノード側セパレータと、
前記カソード給電体に対向して配置され、前記水を電気分解して前記酸素よりも高圧な水素が発生されるカソード側セパレータと、
前記カソード給電体を囲繞して配置されるシール部材と、
を備え、
前記平膜部材は、前記アノード給電体及び前記カソード給電体の電解領域を覆い且つ外周縁部に前記シール部材が接触する固体高分子電解質膜と、
前記シール部材との接触部よりも外周側に配置され、シール機能を有する弾性部材と、
を有することを特徴とする高圧水電解装置。 - 請求項1記載の高圧水電解装置において、前記平膜部材は、前記固体高分子電解質膜の厚さが、前記弾性部材の厚さよりも大きくなるように設定されることを特徴とする高圧水電解装置。
- 請求項1又は2記載の高圧水電解装置において、前記アノード側セパレータ及び前記カソード側セパレータは、前記固体高分子電解質膜に接触する部分にのみ耐酸性層が形成されることを特徴とする高圧水電解装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高圧水電解装置において、前記アノード側セパレータ、前記平膜部材及び前記カソード側セパレータの積層方向に貫通して、前記水を供給する水供給連通孔、電解後の前記水を排出する水排出連通孔及び高圧な前記水素を排出する水素排出連通孔を設け、
前記水供給連通孔及び前記水排出連通孔は、前記弾性部材を貫通する一方、
前記水素排出連通孔は、前記アノード給電体、前記固体高分子電解質膜及び前記カソード給電体を貫通することを特徴とする高圧水電解装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高圧水電解装置において、前記アノード側セパレータ、前記平膜部材及び前記カソード側セパレータの積層方向に貫通して、前記水を供給する水供給連通孔、電解後の前記水を排出する水排出連通孔及び高圧な前記水素を排出する水素排出連通孔を設け、
前記水供給連通孔及び前記水排出連通孔は、前記弾性部材を貫通する一方、
前記水素排出連通孔は、前記アノード給電体及び前記カソード給電体の外方で前記固体高分子電解質膜を貫通するとともに、
前記固体高分子電解質膜と前記弾性部材とは、一体に接合されることを特徴とする高圧水電解装置。
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-
2012
- 2012-09-24 JP JP2012209835A patent/JP2014065927A/ja active Pending
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