JP6976883B2 - 異方導電性部材、異方導電性部材の製造方法、接合体および電子デバイス - Google Patents
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Description
異方導電性部材は、半導体素子等の電子部品と回路基板との間に挿入し、加圧するだけで電子部品と回路基板間の電気的接続が得られるため、半導体素子等の電子部品等の電気的接続部材、および機能検査を行う際の検査用コネクタ等として広く使用されている。
特に、半導体素子等の電子部品は、ダウンサイジング化が顕著である。従来のワイヤーボンディングのような配線基板を直接接続する方式、フリップチップボンディング、およびサーモコンプレッションボンディング等では、電子部品の電気的な接続の安定性を十分に保証することができないため、電子接続部材として異方導電性部材が注目されている。
非特許文献1には、陽極酸化アルミニウム(AAO)中にめっきで金属を充填し、さらに異種金属を積層させた上で、陽極酸化アルミニウム(AAO)を溶解除去し微細なロット状の金属粒子を獲得する方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1では、導電体の配置間隔をより狭くした場合、隣接した導電体同士が被覆層によって導通する可能性がある。このため、端子間がより狭い電子部品に対応できない可能性がある。
また、非特許文献1は、交流電解により金属を充填析出させており、長さの変動が回避できず、導電体の長さがばらつくことになる。このため、電子部品の電気的接続に用いるにあたって、外力により導電体が倒れた場合、隣接する導電体同士が接触して導通することがある。
先端部を構成する金属は、基部を構成する金属よりイオン化傾向が小さいことが好ましい。
各導電体は、絶縁性基材の表面および裏面から、それぞれ突出した突出部を有することが好ましい。
基部の円相当径と、先端部の円相当径とは同じであることが好ましい。
絶縁性基材は、金属の陽極酸化膜で構成されていることが好ましく、絶縁性基材は、アルミニウムの陽極酸化膜またはチタンの陽極酸化膜で構成されていることが望ましい。
第1導電体除去工程が、第1導電体を溶解する工程であり、絶縁性基材除去工程が、絶縁性基材を溶解する工程であることが好ましい。
第1導電体除去工程の終了から第2導電体積層工程の開始迄の間、絶縁性基材は液体に接触していることが好ましい。
面平滑化工程は、貫通孔に第1導電体が充填された絶縁性基材の両面を平滑化することが好ましい。
第2導電体を構成する金属は、第1導電体を構成する金属よりイオン化傾向が小さいことが好ましい。
絶縁性基材は、金属の陽極酸化膜で構成されていることが好ましく、絶縁性基材は、アルミニウムの陽極酸化膜またはチタンの陽極酸化膜で構成されていることが望ましい。
また、本発明の接合体を含む、電子デバイスを提供するものである。
また、本発明によれば、上述の異方導電性部材の製造方法を提供することができる。
さらには、本発明によれば、異方導電性部材を有する接合体および電子デバイスを提供することができる。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
また、具体的な数値で表された各種の値については、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
図1は本発明の実施形態の異方導電性部材の一例を示す模式的断面であり、図2は本発明の実施形態の異方導電性部材の一例を示す平面図であり、図3は本発明の実施形態の異方導電性部材を拡大して示す模式的断面図である。図2では樹脂層19の図示を省略している。
複数の導電体16は、それぞれ絶縁性基材12の厚み方向に貫通して設けられた柱状部材である。複数の導電体16は絶縁性基材12によって互いに電気的に絶縁された状態で存在する。
複数の導電体16は、それぞれ金属で構成されており導電性を有し、電気の導通路として機能し、電気信号を伝達するものである。後述の接合体および電子デバイスにおいても導電体16は導通路して機能する。
ここで、「互いに電気的に絶縁された状態」とは、絶縁性基材の内部に存在している各導電体16が絶縁性基材12の内部において互いに各導電体間の導通性が十分に低い状態であることを意味する。
異方導電性部材10は、絶縁性基材12の厚み方向Dtと直交する方向xには導電性が十分に低く、厚み方向Dtに導電性を有する。
図2に示すように、導電体16は、絶縁性基材12に対して、中心間距離pで配置されている。導電体16の中心間距離p、および密度等については後に詳細に説明する。
端面20dにだけ先端部21が設けられるとは、導電体16の突出部16b、16cのいずれも基部20の側面20cには層等が何もない状態であり、基部20の側面20cが先端部21により覆われることがない状態にあることである。
上述の導電体16の構成により、異方導電性部材10では、隣接する導電体16の配置間隔、すなわち、隣接する導電体16間の幅wを狭くしても、導電体16の一部が隣接する導電体16と接触することがなく、隣接する導電体16同士の導通を抑制、すなわち、隣接する導電体16同士のリークを抑制することができ、電気導通性への影響を抑制することができる。しかも、導電体16の配置間隔を狭くできる。
なお、基部20の円相当径Rと、先端部21の円相当径Rsとが同一であるとは、小さい方の円相当径を100とした場合、大きい方の円相当径が120以内にあることをいう。例えば、基部20の円相当径Rが100nmのとき、先端部21の円相当径Rsが120nm以下であれば同一であるという。先端部21の円相当径Rsが100nmのとき、基部20の円相当径Rが120nm以下であれば同一であるという。
図1では基部20は柱状であり、先端部21も柱状であるが、先端部21は柱状に限定されるものではなく、例えば、先端部21は半球状または錐状でもよい。
先端部21は、上述のように基部20と異なる組成を有する含金属部位であり、例えば、金属で構成されている。先端部21を構成する金属のことを第2金属という。先端部21が第2金属で構成されているとは、第2金属を95質量%以上含有していることをいう。なお、先端部21は、基部20と異なる組成を有する含金属部位であればよく、先端部21が金属で構成されることに限定されるものではない。例えば、ナノサイズの金属粒子を含む樹脂で構成してもよい。
例えば、基部20と先端部21とは組成が異なる金属で構成される。この場合、組成が異なる金属とは、2つの組成を比較した場合、単一金属の場合、構成元素の種類が異なることをいう。合金の場合、含有量が50質量%以上の主成分を比較した場合、主成分の元素の種類が異なることをいう。
基部20を構成する第1金属が溶解して、先端部21を構成する第2金属が溶解しないエッチング液、または基部20を構成する第1金属が溶解せずに、先端部21を構成する第2金属が溶解するエッチング液を用いて、基部20または先端部21を選択的に溶解して、基部20と先端部21とを分離する。
先端部21を構成する第2金属が基部20を構成する第1金属よりイオン化傾向が小さい場合、先端部21の酸化が抑制されて、基部20の酸化も抑制される。
一方、先端部21を構成する第2金属が基部20を構成する第1金属よりイオン化傾向が大きい場合、先端部21が優先的に酸化されて、基部20の酸化が抑制される。
上述の突出部16bの長さが同じ、すなわち、先端部が略同一平面上に位置するとは、全ての突出部16bの先端部21の先端の位置が±100nmの範囲内にあることをいう。すなわち、突出部16bの先端部21の先端の変動が±100nmの範囲内である。
また、上述の突出部16cの長さが同じ、すなわち、先端部が略同一平面上に位置するとは、全ての突出部16cの先端の高低差が±50nmの範囲内にあることをいう。すなわち、突出部16cの先端部21の先端の変動が±50nmの範囲内である。
また、図3に示すように、突出部16bの高さHとし、突出部16bの先端部21の高さをHsとし、突出部16bの円相当径をRとする。この場合、Hs<2Rであることが好ましい。Hs<2Rを満たせば、隣接する導電体16同士の電気的な導通、すなわち、リークが確実に抑制される。突出部16bの高さHは50nm以上であることが好ましい。
次に、異方導電性部材10の製造方法の第1の例について説明する。図4〜図8は本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第1の例を工程順に示す模式図である。
図4〜図8において、図1および図2に示す異方導電性部材10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
次に、図5に示すように、厚み方向Dtに延在する貫通孔14を複数有する絶縁性基材12の、貫通孔14に、金属で構成された第1導電体22を充填する。上述の貫通孔14に第1導電体22を充填する工程が第1導電体充填工程である。第1導電体22は、導電体16の貫通部16aと、突出部16b、16cの基部20とを構成するものである。第1導電体22により、導電体16の貫通部16aと突出部16b、16cの基部20とが一体に形成される。第1導電体22を構成する金属は、例えば、上述の第1金属である。
次に、貫通孔14に第1導電体22が充填された絶縁性基材12の少なくとも一方の面を平滑化する。例えば、絶縁性基材12の表面12aを平滑化する。上述の平滑化する工程が面平滑化工程である。面平滑化工程により、絶縁性基材12の表面12aに第1導電体22が露出される。
第1導電体除去工程は、例えば、第1導電体22を溶解する工程である。絶縁性基材12と第1導電体22は組成が異なり、例えば、エッチング液を選択することにより、絶縁性基材12が除去されず、第1導電体22だけを選択的に除去することができる。
第1導電体除去工程は、第1導電体22だけを選択的に除去することができれば、エッチング液等を用いた溶解に限定されるものではなく、例えば、ドライエッチング処理でもよい。
上述の第1導電体22の表面22aに、第1導電体22とは組成が異なる第2導電体23を積層する工程が第2導電体積層工程である。第2導電体積層工程により、貫通孔14内で、第1導電体22に連続して第2導電体23が積層される。この場合、貫通孔14が型として機能し、貫通孔14の内面が突出部16bの基部20の側面20c(図3参照)と先端部21との側面21c(図3参照)となる。このため、第1導電体22と第2導電体23とは円相当径が略同じになる。
なお、第1導電体22については、面平滑化工程があるため、貫通孔14から溢れてもよいが、第2導電体23と同様に貫通孔14から溢れてないことが好ましい。この場合、第2導電体23と同じく、第1導電体22の積層量は、例えば、めっき法を用いた場合には、めっき処理時間等のめっき処理条件により調整することができる。
上述の絶縁性基材12の平滑化した面側の一部を除去し、第1導電体22および第2導電体23を絶縁性基材12から突出させる工程が絶縁性基材除去工程である。
上述の絶縁性基材12の平滑化した面側の一部の除去は、例えば、絶縁性基材12を溶解する工程である。この場合、例えば、エッチング液を選択することにより、第1導電体22および第2導電体23がエッチングされず、絶縁性基材12を選択的にエッチングして絶縁性基材12を除去することができる。
このようにして、絶縁性基材12の表面12aから突出した突出部16bを有する異方導電性部材10を得ることができる。
なお、図8に示す状態に対して、例えば、導電体16の突出部16bを埋設する樹脂層19を形成してもよい。
なお、液体に接触する以外に、各工程間を減圧雰囲気にしたり、不活性ガス雰囲気にしたりして酸化を抑制するようにしてもよい。第1導電体22と第2導電体23とをいずれもめっき法により形成する場合、液体に接触させておく方が、製造ラインを簡素化できる。
なお、第1導電体22と第2導電体23とを一連の連続した工程ではない場合には、各工程間を上述のように減圧雰囲気、または不活性ガス雰囲気としてもよい。
次に、異方導電性部材10の製造方法の第2の例について説明する。図9〜図13は本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第2の例を工程順に示す模式図である。
図9〜図13において、図4〜図8に示す異方導電性部材の製造方法の第1の例と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
絶縁性基材12の表面12aに突出部16bを形成する工程は、上述の異方導電性部材の製造方法の第1の例と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
異方導電性部材10の製造方法の第2の例では、まず、絶縁性基材12の表面12aに突出部16bが形成されたものに対して、絶縁性基材12の表面12aに図9に示すように、導電体16の突出部16bを埋設する樹脂層19を形成する。次に、両面粘着剤24を樹脂層19に貼り付ける。そして、支持部材25を両面粘着剤24に貼り付ける。
次に、面平滑化工程を絶縁性基材12の裏面12bに対して実施し、絶縁性基材12の裏面12bに第1導電体22を露出させる。
両面粘着剤24は、樹脂層19と支持部材25とを接着することができれば、その構成は特に限定されるものではなく、例えば、日東電工株式会社製の両面タイプのリバアルファ(登録商標)を用いることができる。
次に、第2導電体積層工程を第1導電体22の表面22bに対して実施し、図11に示すように、第1導電体22の表面22bに第2導電体23を積層する。
第2導電体積層工程により、貫通孔14内で、第1導電体22に連続して第2導電体23を積層する。この場合も、貫通孔14が型として機能し、貫通孔14の内面が突出部16cの基部20の側面20c(図3参照)と先端部21との側面21c(図3参照)となる。このため、第1導電体22と第2導電体23とは円相当径が略同じになる。なお、上述のように第2導電体23は貫通孔14から溢れないように積層することが好ましい。
なお、第1導電体22が突出部16cの基部20となり、第2導電体23が突出部16cの先端部21となる。
この場合、絶縁性基材12の裏面12b側の樹脂層19に保護層29を設けてもよい。保護層29は、異方導電性部材10を絶縁性基材12の裏面12b側から保護するものである。
そして、絶縁性基材12の表面12a側の両面粘着剤24および支持部材25を除去する。これにより、図13に示す形態の異方導電性部材10を得ることができる。
図13に示す異方導電性部材10は、例えば、巻き芯にロール状に巻き取られた状態で保管することができる。異方導電性部材10の使用時に樹脂層19を剥離して使用することができる。
粘着層付きフィルムとして、例えば、ポリエチレン樹脂フィルム表面に粘着剤層が形成されているサニテクト(SUNYTECT)〔登録商標〕(株式会社サンエー化研製)、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム表面に粘着剤層が形成されているE−MASK〔登録商標〕(日東電工株式会社製)、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム表面に粘着剤層が形成されているマスタック〔登録商標〕(藤森工業株式会社製)等のシリーズ名で販売されている市販品を用いることができる。
また、粘着層付きフィルムを貼り付ける方法は特に限定されず、従来公知の表面保護テープ貼付装置およびラミネーターを用いて貼り付けることができる。
図14および図15は、本発明の実施形態の異方導電性部材の貫通孔の形成方法の一例の工程順に示す模式図であり、貫通孔14を有する絶縁性基材12の製造方法はこれに限定されるものではない。
まず、図14に示すように、絶縁性基材12(図1参照)となる基板26を用意する。
基板26は、最終的に得られる異方導電性部材10(図1参照)の絶縁性基材12の厚み、加工する装置等に応じて大きさおよび厚みが適宜決定されるものである。基板26は、矩形状または円盤状の板材でも、帯状の板材でもよい。
絶縁性基材12は、例えば、陽極酸化膜で構成されるものであり、この場合、基板26は陽極酸化可能な材料で構成される。陽極酸化膜は、例えば、金属を陽極酸化して形成される陽極酸化膜で構成される。陽極酸化膜となる金属は、例えば、アルミニウムまたはチタンである。
複数の貫通孔14を有する陽極酸化膜28には、上述のように貫通孔14の底部にバリア層27が存在するが、バリア層27を除去する。このバリア層27を除去する工程をバリア層除去工程という。
バリア層除去工程において、アルミニウムよりも水素過電圧の高い金属のイオンを含むアルカリ水溶液を用いることにより、陽極酸化膜28のバリア層27を除去すると同時に、貫通孔14の底部に金属(金属M)からなる金属層(図示せず)を形成する。これにより、貫通孔14の底の基板26は金属層(図示せず)で被覆される。
基板26を除去することにより、図4に示すように、貫通孔14が形成された絶縁性基材12を得ることができる。
以下、異方導電性部材10製造方法の各工程についてより具体的に説明する。
絶縁性基材12は、例えば、陽極酸化膜で構成される。絶縁性基材を形成するための陽極酸化膜を形成する陽極酸化処理は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、アルミニウム基板に陽極酸化処理を施して陽極酸化膜を形成する。
陽極酸化処理としては、マイクロポア配列の規則性を高くし、異方導電性部材の異方導電性を担保する観点から、自己規則化法または定電圧処理を用いることが好ましい。
ここで、陽極酸化処理の自己規則化法および定電圧処理については、特開2008−270158号公報の[0056]〜[0108]段落および[図3]に記載された各処理と同様の処理を施すことができる。
アルミニウム基板に対する陽極酸化処理における電解液の平均流速は、0.5〜20.0m/minであることが好ましく、1.0〜15.0m/minであることがより好ましく、2.0〜10.0m/minであることが更に好ましい。
また、電解液を上述の条件で流動させる方法は、特に限定されないが、例えば、スターラーのような一般的なかくはん装置を使用する方法が用いられる。特に、かくはん速度をデジタル表示でコントロールできるようなスターラーを用いると、平均流速が制御できるため好ましい。このようなかくはん装置としては、例えば、「マグネティックスターラーHS−50D(AS ONE製)」等が挙げられる。
陽極酸化処理に用いられる溶液としては、酸溶液であることが好ましく、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸、グリコール酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸等がより好ましく、中でも硫酸、リン酸、シュウ酸が特に好ましい。これらの酸は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
バリア層除去工程は、例えば、アルミニウムよりも水素過電圧の高い金属Mのイオンを含むアルカリ水溶液を用いて、陽極酸化膜のバリア層を除去する工程である。
上述のバリア層除去工程により、バリア層が除去され、かつ貫通孔の底部に、金属Mからなる金属層(図示せず)が形成されることになる。
ここで、水素過電圧(hydrogen overvoltage)とは、水素が発生するのに必要な電圧をいい、例えば、アルミニウム(Al)の水素過電圧は−1.66Vである(日本化学学会誌,1982、(8),p1305−1313)。なお、アルミニウムの水素過電圧よりも高い金属Mの例およびその水素過電圧の値を以下に示す。
<金属Mおよび水素(1N H2SO4)過電圧>
・白金(Pt):0.00V
・金(Au):0.02V
・銀(Ag):0.08V
・ニッケル(Ni):0.21V
・銅(Cu):0.23V
・錫(Sn):0.53V
・亜鉛(Zn):0.70V
具体的には、第1導電体22を構成する第1金属が銅(Cu)の場合、上述のバリア層除去工程で用いる金属Mとしては、例えば、Zn、Fe、Ni、Sn等が挙げられ、中でも、Zn、Niを用いることが好ましく、Znを用いるのがより好ましい。
また、第1導電体22を構成する第1金属がNiの場合、上述のバリア層除去工程で用いる金属Mとしては、例えば、Zn、Fe等が挙げられ、中でも、Znを用いることが好ましい。
化学エッチング処理によるバリア層の除去は、例えば、陽極酸化処理工程後の構造物をアルカリ水溶液に浸漬させ、貫通孔の内部にアルカリ水溶液を充填させた後に、陽極酸化膜の貫通孔の開口部側の表面にpH(水素イオン指数)緩衝液に接触させる方法等により、バリア層のみを選択的に溶解させることができる。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液等が好適に用いられる。
なお、pH緩衝液としては、上述のアルカリ水溶液に対応した緩衝液を適宜使用することができる。
バリア層除去工程は、上述以外に、陽極酸化膜のバリア層を除去し、貫通孔の底にアルミニウム基板の一部が露出する工程でもよい。
この場合、バリア層を除去する方法は特に限定されず、例えば、陽極酸化処理工程の陽極酸化処理における電位よりも低い電位でバリア層を電気化学的に溶解する方法(以下、「電解除去処理」ともいう。);エッチングによりバリア層を除去する方法(以下、「エッチング除去処理」ともいう。);これらを組み合わせた方法(特に、電解除去処理を施した後に、残存するバリア層をエッチング除去処理で除去する方法);等が挙げられる。
電解除去処理は、陽極酸化処理工程の陽極酸化処理における電位(電解電位)よりも低い電位で施す電解処理であれば特に限定されない。
電解除去処理は、例えば、陽極酸化処理工程の終了時に電解電位を降下させることにより、陽極酸化処理と連続して施すことができる。
特に、上述のように電解除去処理と陽極酸化処理とを連続して施す場合は、同様の電解液を用いて処理するのが好ましい。
電解除去処理における電解電位は、陽極酸化処理における電解電位よりも低い電位に、連続的または段階的(ステップ状)に降下させるのが好ましい。
ここで、電解電位を段階的に降下させる際の下げ幅(ステップ幅)は、バリア層の耐電圧の観点から、10V以下であることが好ましく、5V以下であることがより好ましく、2V以下であることが更に好ましい。
また、電解電位を連続的または段階的に降下させる際の電圧降下速度は、生産性等の観点から、いずれも1V/秒以下が好ましく、0.5V/秒以下がより好ましく、0.2V/秒以下が更に好ましい。
エッチング除去処理は特に限定されないが、酸水溶液またはアルカリ水溶液を用いて溶解する化学エッチング処理であってもよく、ドライエッチング処理であってもよい。
化学エッチング処理によるバリア層の除去は、例えば、陽極酸化処理工程後の構造物を酸水溶液またはアルカリ水溶液に浸漬させ、マイクロポアの内部に酸水溶液またはアルカリ水溶液を充填させた後に、陽極酸化膜のマイクロポアの開口部側の表面にpH(水素イオン指数)緩衝液に接触させる方法等であり、バリア層のみを選択的に溶解させることができる。
一方、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。また、アルカリ水溶液の濃度は0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、10℃〜60℃が好ましく、更に15℃〜45℃が好ましく、更に20℃〜35℃であることが好ましい。なお、アルカリ水溶液には、亜鉛および他の金属を含有していてもよい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液等が好適に用いられる。
なお、pH緩衝液としては、上述した酸水溶液またはアルカリ水溶液に対応した緩衝液を適宜使用することができる。
ドライエッチング処理は、例えば、Cl2/Ar混合ガス等のガス種を用いることが好ましい。
第1導電体充填工程は、上述のように厚み方向に延在する貫通孔を複数有する絶縁性基材の貫通孔に第1導電体を充填する工程である。
第1導電体充填工程は、例えば、上述のバリア層除去工程の後に、めっき法を用いて、陽極酸化膜の貫通孔の内部に第1導電体を充填する。第1導電体は導電体を構成するものである。
<第1導電体>
第1導電体は、例えば、第1金属で構成され、第1導電体として充填される金属は、電気抵抗率が103Ωcm以下の材料であることが好ましく、その具体例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)等が好適に例示される。
中でも、電気伝導性の観点から、Cu、Au、Al、Niが好ましく、Cu、Au、Niがより好ましく、Cuが更に好ましい。
貫通孔の内部に第1導電体を充填するめっき処理の方法としては、例えば、電解めっき法または無電解めっき法を用いることができる。
ここで、着色等に用いられる従来公知の電解めっき法では、選択的に孔中に金属を高アスペクトで析出(成長)させることは困難である。これは、析出金属が孔内で消費され一定時間以上電解を行なってもめっきが成長しないためと考えられる。
また、電解液のかくはんを促進するため、超音波を加えることも望ましい。
更に、電解電圧は、通常20V以下であって望ましくは10V以下であるが、使用する電解液における目的金属の析出電位を予め測定し、その電位+1V以内で定電位電解を行なうことが好ましい。なお、定電位電解を行なう際には、サイクリックボルタンメトリを併用できるものが望ましく、Solartron社、BAS社、北斗電工社、IVIUM社等のポテンショスタット装置を用いることができる。
具体的には、銅を析出させる場合には硫酸銅水溶液が一般的に用いられるが、硫酸銅の濃度は、1〜300g/Lであることが好ましく、100〜200g/Lであるのがより好ましい。また、電解液中に塩酸を添加すると析出を促進することができる。この場合、塩酸濃度は10〜20g/Lであることが好ましい。
また、金を析出させる場合、テトラクロロ金の硫酸溶液を用い、交流電解でめっきを行なうのが望ましい。
界面活性剤としては公知のものを使用することができる。従来メッキ液に添加する界面活性剤として知られているラウリル硫酸ナトリウムをそのまま使用することもできる。親水性部分がイオン性(カチオン性・アニオン性・双性)のもの、非イオン性(ノニオン性)のものいずれも利用可能であるが、メッキ対象物表面への気泡の発生等を回避する点でカチオン線活性剤が望ましい。めっき液組成における界面活性剤の濃度は1質量%以下であることが望ましい。
絶縁性基材の貫通孔に第1導電体を充填した後に、絶縁性基材の表面を研磨し、第1導電体を、絶縁性基材の表面に露出させる。この場合、例えば、第1導電体と、絶縁性基材とが同一面の状態になるまで平坦化する。平滑化には、例えば、化学的機械的研磨が用いられる。例えば、絶縁性基材の面と第1導電体の端面とが、表面粗さが20nm以下となる状態に研磨する。例えば、絶縁性基材の反射光の変化等の光学的な変化、または面平滑化処理に用いた研磨装置にかかる絶縁性基材間の摩擦力の変化を利用して、平滑化の終点を検出する。
第1導電体除去工程は、絶縁性基材の平滑化した面側にある第1導電体の一部を除去し、第1導電体の表面を平滑化した面より低くする工程である。
第1導電体除去工程では、上述の絶縁性基材、例えば、アルミニウム等の陽極酸化膜を溶解せずに、第1導電体だけを溶解するエッチング液を用いる。第1導電体除去工程では、硝酸溶液、またはアミノ酸を含むアルカリ水溶液をエッチング液として用いることができる。
第1導電体とは異なる組成の第2導電体を、第1導電体の表面に積層する。第2導電体の積層方法は、積層することができれば、特に限定されるものではなく、第1導電体の充填と同じ方法を用いることができる。第2導電体も第1導電体と同様に、例えば、めっき法により形成される。上述のように、第2導電体23は貫通孔14から溢れないように積層するために、第2導電体23の積層量は、例えば、めっき法を用いた場合には、めっき処理時間等のめっき処理条件により調整することができる。
第2導電体は、第1導電体と異なる金属であれば、特に限定されるものではなく、例えば、第1導電体で挙げられた金属を用いることができる。
絶縁性基材除去工程は、絶縁性基材の平滑化した面側の一部を除去し、第1導電体および第2導電体を絶縁性基材から突出させる工程である。絶縁性基材除去工程により、突出部が形成される。絶縁性基材除去工程では、配線基板等の被接着物との圧着性が良好となる理由から、突出部として、第1導電体および第2導電体を絶縁性基材の表面から10〜1000nm突出させることが好ましく、50〜500nm突出させることがより好ましい。
また、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1〜5質量%であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20〜35℃であることが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸漬時間は、8〜120分であることが好ましく、10〜90分であることがより好ましく、15〜60分であることが更に好ましい。ここで、浸漬時間は、短時間の浸漬処理を繰り返した場合には、各浸漬時間の合計をいう。なお、各浸漬処理の間には、洗浄処理を施してもよい。
基板除去工程は、絶縁性基材が、例えば、アルミニウム基板がある陽極酸化膜の場合、絶縁性基材除去工程の後に、アルミニウム基板を除去する工程である。アルミニウム基板を除去する方法は特に限定されず、例えば、溶解により除去する方法等が好適に挙げられる。
上述のアルミニウム基板の溶解は、陽極酸化膜を溶解しにくく、アルミニウムを溶解しやすい処理液を用いることが好ましい。
このような処理液は、アルミニウムに対する溶解速度が、1μm/分以上であることが好ましく、3μm/分以上であることがより好ましく、5μm/分以上であることが更に好ましい。同様に、陽極酸化膜に対する溶解速度が、0.1nm/分以下となることが好ましく、0.05nm/分以下となるのがより好ましく、0.01nm/分以下となるのが更に好ましい。
具体的には、アルミよりもイオン化傾向の低い金属化合物を少なくとも1種含み、かつ、pHが4以下または8以上となる処理液であることが好ましく、そのpHが3以下または9以上であることがより好ましく、2以下または10以上であることが更に好ましい。
中でも、酸水溶液ベースが好ましく、塩化物をブレンドすることが好ましい。
特に、塩酸水溶液に塩化水銀をブレンドした処理液(塩酸/塩化水銀)、塩酸水溶液に塩化銅をブレンドした処理液(塩酸/塩化銅)が、処理ラチチュードの観点から好ましい。
なお、アルミニウムを溶解する処理液の組成は、特に限定されるものではく、例えば、臭素/メタノール混合物、臭素/エタノール混合物、および王水等を用いることができる。
更に、アルミニウムを溶解する処理液を用いた処理温度は、−10℃〜80℃が好ましく、0℃〜60℃が好ましい。
なお、絶縁性基材が、例えば、チタン基板がある陽極酸化膜の場合、チタン基板を除去する工程である。
異方導電性部材の搬送性が向上する理由から、樹脂層形成工程を有してもよい。ここで、樹脂層形成工程とは、上述の絶縁性基材除去工程の後であって上述の基板除去工程の前に、突出部となる第1導電体および第2導電体が突出した側の絶縁性基材の面に、樹脂層を設ける工程である。
ここで、熱剥離型の樹脂層は、常温では粘着力があり、加熱するだけで容易に剥離可能なもので、主に発泡性のマイクロカプセル等を用いたものが多い。
また、粘着層を構成する粘着剤としては、具体的には、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤等が挙げられる。
UV硬化型の接着層としては、ベースポリマーに、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に導入したポリマー等が挙げられる。炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするもことが好ましい。
更に、アクリル系ポリマーは、架橋させるため、多官能性モノマー等も、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。
炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは単独で使用することができるが、UV硬化性のモノマーまたはオリゴマーを配合することもできる。
UV硬化型の接着層は、UV照射により硬化させるために光重合開始剤を併用することが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル系化合物;ケタール系化合物;芳香族スルホニルクロリド系化合物;光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナート等が挙げられる。
絶縁性基材は、無機材料からなり、従来公知の異方導電性フィルム等を構成する絶縁性基材と同程度の電気抵抗率(1014Ω・cm程度)を有するものであれば特に限定されない。
なお、「無機材料からなり」とは、後述する樹脂層を構成する高分子材料と区別するための規定であり、無機材料のみから構成された絶縁性基材に限定する規定ではなく、無機材料を主成分(50質量%以上)とする規定である。
絶縁性基材は、金属の陽極酸化膜で構成されていることが好ましく、バルブ金属の陽極酸化膜で構成されていることがより好ましい。
ここで、バルブ金属としては、具体的には、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、マグネシウム、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。
絶縁性基材は、上述のように、例えば、金属の陽極酸化膜で構成されるが、その中でもバルブ金属であるアルミニウムの陽極酸化膜、またはチタンの陽極酸化膜であることがより好ましい。
アルミニウムは、寸法安定性がよく、比較的安価であることから陽極酸化膜を構成するものとして好ましい。
また、チタンは、アルミニウムと同じくバルブ金属(弁金属)であり、かつ寸法安定性がよいため陽極酸化膜を構成するものとして好ましい。
絶縁性基材12の厚みhtは、絶縁性基材12を、厚み方向Dtに対して集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)で切削加工し、その断面を電解放出形走査型電子顕微鏡により20万倍の倍率で観察し、絶縁性基材12の輪郭形状を取得し、厚みhtに相当する領域について10点測定した平均値のことである。
なお、異方導電性部材10の厚みhは、特に限定されるものではなく、絶縁性基材12の厚みht、突出部16b、16cの高さH、樹脂層19の厚みにより、適宜決定されるものである。また、異方導電性部材10は、TTV(Total Thickness Variation)が10μm以下であることが好ましい。
ここで、異方導電性部材10の厚みhは、異方導電性部材10を、電解放出形走査型電子顕微鏡により20万倍の倍率で観察し、異方導電性部材10の輪郭形状を取得し、厚みhに相当する領域について10点測定した平均値のことである。
ここで、貫通孔の間隔、すなわち、導電体の間隔とは、隣接する導電体間の幅w(図1参照)をいい、異方導電性部材の断面を電界放出形走査型電子顕微鏡により20万倍の倍率で観察し、隣接する導電体間の幅を10点で測定した平均値をいう。
陽極酸化膜を形成するためのアルミニウム基板は、特に限定されず、その具体例としては、純アルミニウム板;アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板;低純度のアルミニウム(例えば、リサイクル材料)に高純度アルミニウムを蒸着させた基板;シリコンウエハ、石英、ガラス等の表面に蒸着、スパッタ等の方法により高純度アルミニウムを被覆させた基板;アルミニウムをラミネートした樹脂基板;等が挙げられる。
ここで、熱処理、脱脂処理および鏡面仕上げ処理については、特開2008−270158号公報の[0044]〜[0054]段落に記載された各処理と同様の処理を施すことができる。
陽極酸化処理の前の鏡面仕上げ処理は、例えば、電解研磨であり、電解研磨には、例えば、リン酸を含有する電解研磨液が用いられる。
陽極酸化膜を形成するためのチタン基板は、多孔質の陽極酸化膜を形成することができれば、特に限定されるものではなく、JIS(Japanese Industrial Standards) H4600:2012で規定されるチタンおよびチタン合金を用いることができるが、純チタンが好ましい。
複数の導電体は、絶縁性基材の厚み方向に貫通し、互いに電気的に絶縁された状態で設けられた柱状の部材である。導電体は、上述のように貫通部と基部と先端部とからなる。
導電体は、絶縁性基材の表面から突出した突出部を有しており、かつ先端部の高さは揃っている。なお、各導電体は上述のように樹脂層に埋設されていてもよい。
異方導電性部材と電極とを圧着等の手法により電気的接続、または物理的に接合する際に、突出部が潰れた場合の面方向の絶縁性を十分に確保できる理由から、導電体の突出部分のアスペクト比(突出部分の高さ/突出部分の直径)が0.5以上50未満であることが好ましく、0.8〜20であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。
さらには、半導体チップまたは半導体ウエハの接続対象と電気的接続する際に外力により導電体が倒れて隣接する導電体同士の接触を抑制する観点から、突出部の先端部の先端は高さが揃っていること、すなわち、突出部の先端部の先端が同一面上に位置することが好ましい。
導電体の突出部の高さは、異方導電性部材の断面を電解放出形走査型電子顕微鏡により2万倍の倍率で観察し、導電体の突出部の高さを10点で測定した平均値をいう。
基部は、絶縁性基材から突出した部分であり、側面に層等は設けられておらず、先端部の一部が基部の側面に配置されることもない。
先端部は、接続対象の半導体チップまたは半導体ウエハに接する側にあるものである。先端部は、基部の酸化を抑制、特に基部の端部の酸化を抑制するためのものであり、先端部により導電体の導電性を確保する。
導電体の基部の円相当径Rは、基部を円柱とみなし、導電体の突出部の断面を電解放出形走査型電子顕微鏡により観察し、導電体の突出部の基部の直径を10点で測定した平均値をいう。
導電体の先端部の円相当径Rsは、先端部を円柱とみなし、導電体の突出部の断面を電解放出形走査型電子顕微鏡により観察し、導電体の突出部の先端部の直径を10点で測定した平均値をいう。
上述のように先端部21を構成する第2金属と、基部20を構成する第1金属とはイオン化傾向が異なることが好ましい。この場合、具体的な金属の組合せとしては、先端部21を構成する第2金属が基部20を構成する第1金属よりイオン化傾向が小さい場合、例えば、第2金属がNiの場合、第1金属はAu、Cu、Snである。
先端部21を構成する第2金属が第1金属よりもイオン化傾向が大きい場合、例えば、第2金属がCuの場合、第1金属はSnである。
導電体は柱状であり、突出部16b、16cの円相当径Rは、5nm超10μm以下であることが好ましく、20nm〜1000nmであることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。また、先端部21の円相当径Rsは、隣接する導電体同士の導通を抑制する観点から、突出部16b、16cの円相当径Rと同じであることが好ましい。
さらに、隣接する各導電体の中心間距離p(図2参照)は、20nm〜500nmであることが好ましく、40nm〜200nmであることがより好ましく、50nm〜140nmであることがさらに好ましい。
上述のように、樹脂層は、絶縁性基材の表面と裏面に設けられ、上述のように導電体の突出部を埋設するものである。すなわち、樹脂層は絶縁性基材から突出した突出部を被覆し、突出部を保護する。
樹脂層は、上述の樹脂層形成工程により形成されるものである。樹脂層は、例えば、50℃〜200℃の温度範囲で流動性を示し、200℃以上で硬化するものであることが好ましい。
樹脂層は、上述の樹脂層形成工程により形成されるものであるが、以下に示す、樹脂剤の組成を用いることもできる。以下、樹脂層の組成について説明する。樹脂層は、高分子材料を含有するものである。樹脂層は酸化防止材料を含有してもよい。
樹脂層に含まれる高分子材料としては特に限定されないが、半導体チップまたは半導体ウエハと異方導電性部材との隙間を効率よく埋めることができ、半導体チップまたは半導体ウエハとの密着性がより高くなる理由から、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系樹脂等が挙げられる。
なかでも、絶縁信頼性がより向上し、耐薬品性に優れる理由から、ポリイミド樹脂および/またはエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
樹脂層に含まれる酸化防止材料としては、具体的には、例えば、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1H−テトラゾール−5−酢酸、1H−テトラゾール−5−コハク酸、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、4−カルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジカルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール−4−酢酸、4−カルボキシ−5−カルボキシメチル−1H−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−カルボキシ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジカルボキシ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−酢酸、1H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、ベンゾフロキサン、2,1,3−ベンゾチアゾール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、カテコール、o−アミノフェノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、メラミン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
これらのうち、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体が好ましい。
ベンゾトリアゾール誘導体としては、ベンゾトリアゾールのベンゼン環に、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アミノ基、ニトロ基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等を有する置換ベンゾトリアゾールが挙げられる。また、ナフタレントリアゾール、ナフタレンビストリアゾール、と同様に置換された置換ナフタレントリアゾール、置換ナフタレンビストリアゾール等も挙げることができる。
樹脂層は、樹脂層に含有し得る金属イオン、ハロゲンイオン、ならびに半導体チップおよび半導体ウエハに由来する金属イオンをトラップすることによって絶縁信頼性がより向上する理由から、マイグレーション防止材料を含有しているのが好ましい。
ここで、陽イオン交換体および陰イオン交換体は、それぞれ、例えば、後述する無機イオン交換体および有機イオン交換体の中から適宜選択することができる。
無機イオン交換体としては、例えば、含水酸化ジルコニウムに代表される金属の含水酸化物が挙げられる。
金属の種類としては、例えば、ジルコニウムのほか、鉄、アルミニウム、錫、チタン、アンチモン、マグネシウム、ベリリウム、インジウム、クロム、ビスマス等が知られている。
これらの中でジルコニウム系のものは、陽イオンのCu2+、Al3+について交換能を有している。また、鉄系のものについても、Ag+、Cu2+について交換能を有している。同様に、錫系、チタン系、アンチモン系のものは、陽イオン交換体である。
一方、ビスマス系のものは、陰イオンのCl-について交換能を有している。
また、ジルコニウム系のものは条件に製造条件によっては陰イオンの交換能を示す。アルミニウム系、錫系のものも同様である。
これら以外の無機イオン交換体としては、リン酸ジルコニウムに代表される多価金属の酸性塩、モリブドリン酸アンモニウムに代表されるヘテロポリ酸塩、不溶性フェロシアン化物等の合成物が知られている。
これらの無機イオン交換体の一部は既に市販されており、例えば、東亜合成株式会社の商品名イグゼ「IXE」における各種のグレードが知られている。
なお、合成品のほか、天然物のゼオライト、またはモンモリロン石のような無機イオン交換体の粉末も使用可能である。
有機イオン交換体には、陽イオン交換体としてスルホン酸基を有する架橋ポリスチレンが挙げられ、そのほかカルボン酸基、ホスホン酸基またはホスフィン酸基を有するものも挙げられる。
また、陰イオン交換体として四級アンモニウム基、四級ホスホニウム基または三級スルホニウム基を有する架橋ポリスチレンが挙げられる。
電子素子の製造工程では加熱するプロセスを含むため、無機イオン交換体が好ましい。
樹脂層は、無機充填剤を含有しているのが好ましい。
無機充填剤としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
無機充填剤の平均粒子径は、30nm〜10μmであることが好ましく、80nm〜1μmであることがより好ましい。
ここで、平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒子径測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3300)で測定される、一次粒子径を平均粒子径とする。
樹脂層は、硬化剤を含有していてもよい。
硬化剤を含有する場合、接続対象の半導体チップまたは半導体ウエハの表面形状との接合不良を抑制する観点から、常温で固体の硬化剤を用いず、常温で液体の硬化剤を含有しているのがより好ましい。
ここで、「常温で固体」とは、25℃で固体であることをいい、例えば、融点が25℃より高い温度である物質をいう。
導電体を保護する理由から、樹脂層の厚みは、導電体の突出部の高さより大きく、1μm〜5μmであることが好ましい。
以下、異方導電性部材10(図1等参照)を用いた電子デバイスについて説明する。
図16は本発明の実施形態の電子デバイスの第1の例を示す模式図である。図17は本発明の実施形態の電子デバイスの半導体素子の端子の構成の一例を示す模式的断面図である。図18は本発明の実施形態の電子デバイスの第2の例を示す模式図である。図19は本発明の実施形態の電子デバイスの第3の例を示す模式図である。図20は本発明の実施形態の電子デバイスの第4の例を示す模式図である。なお、接合体は、電子デバイスの一部を構成するものである。後述の半導体素子が、例えば、接合体の導電領域を有し異方導電性部材に接合した部材である。導電領域は半導体素子の導電を担う端子等に該当する。
端子50は、例えば、図17に示す構成である。図17に示すように半導体素子32、34は、半導体層52と、再配線層54と、パッシベーション層56とを有する。再配線層54とパッシベーション層56とは電気的に絶縁された絶縁層である。半導体層52の表面52aには、特定の機能を発揮する回路等が形成された素子領域(図示せず)が設けられている。素子領域については後に説明する。なお、半導体層52の表面52aが、半導体の端子50が設けられている面に相当する。
半導体層52の表面52a上に再配線層54が設けられている。再配線層54では、半導体層52の素子領域に電気的に接続される配線57が設けられている。配線57にパッド58が設けられており、配線57とパッド58は導通する。配線57とパッド58とにより、素子領域との信号の授受が可能となり、かつ素子領域への電圧等の供給ができる。
また、再配線層54には、配線57が設けられていないが、パッド58だけが設けられている。配線57に設けられていないパッド58に端子50bが設けられている。端子50bは半導体層52と電気的に接続されていない。
リセス量が200nm未満では、図17に示す突出していない構成と略同じであり、高い精度で研磨する必要がある。一方、リセス量が1μmを超えると、パッド電極を設ける一般的な構成と同じであり、半田ボール等を用いて接合する必要がある。
端子50aと端子50bがパッシベーション層56の表面56aに対して突出しているため、パッシベーション層56の表面56aに、端子50aと端子50bを保護するための樹脂層(図示せず)を設けてもよい。
端子50aの端面50cと端子50bの端面50cは、いずれもパッシベーション層56の表面56aから最も離れた位置にある面のことであり、一般的に上面と呼ばれる面のことである。
再配線層54は、電気的に絶縁性を有するもので構成され、例えば、ポリイミドで構成される。
また、パッシベーション層56も、電気的に絶縁性を有するもので構成され、例えば、窒化珪素(SiN)またはポリイミドで構成される。
配線57およびパッド58は、導電性を有するもので構成され、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金等で構成される。
なお、端子50aおよび端子50bは、導電性を有するものであればよく、金属または合金で構成されることに限定されるものではなく、半導体素子分野において端子、または電極パッドと呼ばれるものに用いられる材料を適宜利用可能である。
また、図19に示す電子デバイス30のように、インターポーザー37と異方導電性部材10を用いて、半導体素子32と半導体素子34と半導体素子36を積層方向Dsに積層して接合し、かつ電気的に接続した構成としてもよい。
半導体素子40は、ロジック回路が形成されたものであり、センサチップ42で得られる信号を処理することができれば、その構成は特に限定されるものではない。
センサチップ42は、光を検出する光センサーを有するものである。光センサーは、光を検出することができれば、特に限定されるものではなく、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーが用いられる。
なお、図20に示す電子デバイス30では、半導体素子40とセンサチップ42とを異方導電性部材10を介して接続したが、これに限定されるものではなく、半導体素子40とセンサチップ42とを直接接合する構成でもよい。
レンズ44は、センサチップ42に光を集光することができれば、その構成は特に限定されるものではなく、例えば、マイクロレンズと呼ばれるものが用いられる。
素子領域とは、電子素子として機能するための、コンデンサ、抵抗およびコイル等の各種の素子構成回路等が形成された領域である。素子領域には、例えば、フラッシュメモリ等のようなメモリ回路、マイクロプロセッサおよびFPGA(field-programmable gate array)等のような論理回路が形成された領域、無線タグ等の通信モジュールならびに配線が形成された領域がある。素子領域には、これ以外に、発信回路、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が形成されてもよい。MEMSとは、例えば、センサー、アクチュエーターおよびアンテナ等である。センサーには、例えば、加速度、音および光等の各種のセンサーが含まれる。
積層デバイスでは、例えば、論理回路を有する半導体素子と、メモリ回路を有する半導体素子の組合せとすることができる。また、半導体素子を全てメモリ回路を有するものとしてもよく、また、全て論理回路を有するものとしてもよい。また、電子デバイス30における半導体素子の組合せとしては、センサー、アクチュエーターおよびアンテナ等と、メモリ回路と論理回路との組み合わせでもよく、電子デバイス30の用途等に応じて適宜決定されるものである。
半導体素子としては、特に限定されず、上述のもの以外に、例えば、ロジックLSI(Large Scale Integration)(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASSP(Application Specific Standard Product)等)、マイクロプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等)、メモリ(例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、HMC(Hybrid Memory Cube)、MRAM(MagneticRAM:磁気メモリ)とPCM(Phase-Change Memory:相変化メモリ)、ReRAM(Resistive RAM:抵抗変化型メモリ)、FeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリ)、フラッシュ・メモリ(NAND(Not AND)フラッシュ)等)、LED(Light Emitting Diode)、(例えば、携帯端末のマイクロフラッシュ、車載用、プロジェクタ光源、LCDバックライト、一般照明等)、パワー・デバイス、アナログIC(Integrated Circuit)、(例えば、DC(Direct Current)−DC(Direct Current)コンバータ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、(例えば、加速度センサ、圧力センサ、振動子、ジャイロセンサ等)、ワイヤレス(例えば、GPS(Global Positioning System)、FM(Frequency Modulation)、NFC(Nearfieldcommunication)、RFEM(RF Expansion Module)、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)、WLAN(WirelessLocalAreaNetwork)等)、ディスクリート素子、BSI(Back Side Illumination)、CIS(Contact Image Sensor)、カメラモジュール、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、Passiveデバイス、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ、RF(Radio Frequency)フィルタ、RFIPD(Radio Frequency Integrated Passive Devices)、BB(Broadband)等が挙げられる。
半導体素子は、例えば、1つで完結したものであり、半導体素子単体で、回路またはセンサ等の特定の機能を発揮するものである。
図21は本発明の実施形態の電子デバイスの第5の例を示す模式図であり、図22は本発明の実施形態の電子デバイスの第6の例を示す模式図であり、図23は本発明の実施形態の電子デバイスの第7の例を示す模式図であり、図24は本発明の実施形態の電子デバイスの第8の例を示す模式図である。
また、例えば、インターポーザー機能を有するデバイス上に、論理回路を有する論理チップ、およびメモリーチップ等の複数のデバイスを積層することも可能である。また、この場合、それぞれのデバイスごとに電極サイズが異なっていても接合することができる。
図22に示す電子デバイス61では、電極68の大きさは同じではなく、大きさが異なるものが混在しているが、1つの半導体素子32に対して、異方導電性部材10を用いて半導体素子34と半導体素子36とが接合され、かつ電気的に接続されている。さらに半導体素子34に半導体素子66が異方導電性部材10を用いて接合され、かつ電気的に接続されている。半導体素子34と半導体素子36とに跨って半導体素子67が異方導電性部材10を用いて接合され、かつ電気的に接続されている。
例えば、図24に示す電子デバイス63のように、1つの半導体素子32に対して、異方導電性部材10を用いて半導体素子34と半導体素子36とが接合され、かつ電気的に接続されている。さらに半導体素子34に半導体素子66と半導体素子67とが異方導電性部材10を用いて接合され、半導体素子36に半導体素子71が異方導電性部材10を用いて接合され、かつ電気的に接続されている。半導体素子32には光導波路73が設けられている。半導体素子36には発光素子75が設けられ、半導体素子34には受光素子76が設けられている。半導体素子36の発光素子75から出力された光Loは、半導体素子32の光導波路73を通過し、半導体素子34の受光素子76に出射光Ldとして出射される。これにより、上述のシリコンフォトニクスに対応することができる。
なお、異方導電性部材10には、光Loおよび出射光Ldの光路に相当する箇所に穴72が形成されている。
本実施例では、下記表1および表2に示す実施例1〜11および比較例1〜3について接合性、隣接導通および導通抵抗を評価した。接合性、隣接導通および導通抵抗の評価結果を下記表3に示す。なお、下記表1において、M1は第1金属を示し、M2は第2金属を示す。また、下記表1および表2において「―」は該当するものがないことを示す。
次に、評価項目である接合性、隣接導通および導通抵抗について説明する。
接合性は、万能型ボンドテスターDage-4000(ノードソンアドバンストテクノロジー株式会社製)を用いてシェア強度を測定して評価した。
接合性は、以下に示すTEGチップ(Test Element Group chip)に異方導電性部材を接合した。この状態で、シェア強度を測定し、得られた破壊荷重から異方導電性部材の単位面積当たりの接合強度値を求めた。接合性は、接合強度値に基づき、以下に示す評価基準により評価した。
「A」:20MPa≦接合強度
「B」:10MPa≦接合強度<20MPa
「C」:接合強度<10MPa
Cuパッドを有するTEGチップ(Test Element Group chip)とインターポーザーを用意した。これらの内部には、導通抵抗を測定するデイジーチェインパターンと絶縁抵抗を測定する櫛歯パターンを含む。これらの、絶縁層はSiNである。TEGチップは、チップサイズが8mm四方であり、チップ面積に対する電極面積(銅ポスト)の比率が25%のチップを用意した。TEGチップが半導体チップに相当する。インターポーザーは周囲に取出し配線を含むためチップサイズは10mm四方のものを用意した。
次いで、TEGチップ、異方導電性部材およびインターポーザーをこの順で積層するように、チップボンダー(DB250、澁谷工業株式会社製)を用いて温度270℃、10分の条件で接合した。この際TEGチップとインターポーザーのCuパッドの位置がズレないよう予めチップの角に形成したアライメントマークにより位置を合わせて接合した。
インターポーザーの櫛歯パターン部分の引出し配線パッドに抵抗測定用の信号線を半田で接合し常温、大気中で導通評価を行った。
抵抗値の結果に基づき、以下に示す評価基準にて評価した。
「A」:抵抗値が設計抵抗の0.1倍以上
「B」:抵抗値が設計抵抗の0.01倍以上0.1倍未満
「C」:抵抗値が設計抵抗の0.001倍以上0.01倍未満
「D」:抵抗値が設計抵抗の0.001倍未満
インターポーザーのデイジーチェインパターン部分の引出し配線パッドに抵抗測定用の信号線を半田で接合し常温、大気中で導通評価を行った。
抵抗値の結果に基づき、以下に示す評価基準にて評価した。
「A」:抵抗値が設計抵抗の10倍未満
「B」:抵抗値が設計抵抗の10倍以上100倍未満
「C」:抵抗値が設計抵抗の100倍以上1000倍未満
「D」:抵抗値が設計抵抗の1000倍以上
(実施例1)
<アルミニウム基板の作製>
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.005質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC(Direct Chill)鋳造法で作製した。
次いで、表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。
さらに、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ1.0mmに仕上げ、JIS(Japanese Industrial Standards) 1050材のアルミニウム基板を得た。
アルミニウム基板を、直径200mm(8インチ)のウエハ状に形成した後、以下に示す各処理を施した。
上述のアルミニウム基板に対して、以下の組成の電解研磨液を用いて、電圧25V、液温度65℃、液流速3.0m/分の条件で電解研磨処理を施した。
陰極はカーボン電極とし、電源は、GP0110−30R(株式会社高砂製作所社製)を用いた。また、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(アズワン株式会社製)を用いて計測した。
(電解研磨液組成)
・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬) 660mL
・純水 160mL
・硫酸 150mL
・エチレングリコール 30mL
次いで、電解研磨処理後のアルミニウム基板に、特開2007−204802号公報に記載の手順にしたがって自己規則化法による陽極酸化処理を施し、絶縁性基材となる陽極酸化膜を得た。
電解研磨処理後のアルミニウム膜に、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度16℃、液流速3.0m/分の条件で、5時間のプレ陽極酸化処理を施した。
その後、プレ陽極酸化処理後のアルミニウム膜を、0.2mol/L無水クロム酸、0.6mol/Lリン酸の混合水溶液(液温:50℃)に12時間浸漬させる脱膜処理を施した。
その後、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度16℃、液流速3.0m/分の条件の条件で、3時間45分の再陽極酸化処理を施し、膜厚30μmの陽極酸化膜を得た。
なお、プレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理は、いずれも陰極はステンレス電極とし、電源はGP0110−30R(株式会社高砂製作所製)を用いた。また、冷却装置にはNeoCool BD36(ヤマト科学株式会社製)、かくはん加温装置にはペアスターラー PS−100(EYELA東京理化器械株式会社製)を用いた。さらに、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(アズワン株式会社製)を用いて計測した。
次いで、上述の陽極酸化処理と同様の処理液および処理条件で、電圧を40Vから0Vまで連続的に電圧降下速度0.2V/secで降下させながら電解処理(電解除去処理)を施した。
その後、5質量%リン酸に30℃、30分間浸漬させるエッチング処理(エッチング除去処理)を施し、陽極酸化膜のマイクロポアの底部にあるバリア層を除去し、貫通孔であるマイクロポアを介してアルミニウム基板を露出させた。
また、バリア層除去工程後の陽極酸化膜の平均厚みは18μmであった。なお、平均厚みは、陽極酸化膜を厚さ方向に対してFIB(Focused Ion Beam)で切削加工し、その断面をFE−SEMにより表面写真(倍率50000倍)を撮影し、10点測定した平均値として算出した。
また、陽極酸化膜に存在するマイクロポアの密度は、約1億個/mm2であった。なお、マイクロポアの密度は、特開2008−270158号公報の[0168]および[0169]段落に記載された方法で測定し、算出した。
また、陽極酸化膜に存在するマイクロポアの規則化度は、92%であった。なお、規則化度は、FE−SEMにより写真(倍率20000倍)を撮影し、特開2008−270158号公報の[0024]〜[0027]段落に記載された方法で測定し、算出した。
次いで、アルミニウム基板を陰極にし、白金を正極にして電解めっき処理を施し、第1導電体として銅を充填した。
具体的には、以下に示す組成の銅めっき液を使用し、定電流電解を施すことにより、陽極酸化膜のマイクロポアの内部に銅を充填した。
ここで、定電流電解は、株式会社山本鍍金試験器社製のめっき装置を用い、北斗電工株式会社製の電源(HZ−3000)を用い、めっき液中でサイクリックボルタンメトリを行って析出電位を確認した後に、以下に示す条件で処理を施した。
(銅めっき液組成および条件)
・硫酸銅 100g/L
・硫酸 50g/L
・塩酸 15g/L
・温度 25℃
・電流密度 10A/dm2
次いで、銅が充填された陽極酸化膜の表面にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を施して陽極酸化膜を5μm研磨した。これにより、陽極酸化膜の表面を平滑化し、充填した銅を露出させた。
CMPスラリーとしては、株式会社フジミインコーポレイテッド社製のPNANERLITE−7000を用いた。
また、銅を充填した後の陽極酸化膜を厚さ方向に対してFIBで切削加工し、その断面をFE−SEMにより表面写真(倍率50000倍)を撮影し、マイクロポアの内部を確認したところ、封孔されたマイクロポアにおいては、その内部が金属で完全に充填されていることが分かった。
マイクロポアに充填された銅の一部を、30%硝酸水溶液を用いて30秒間処理することで300nm分除去し、銅の表面を平滑化した面より低くした。
<第2導電体積層工程>
銅の表面に、第2導電体としてSn(スズ)を積層した。
具体的には、市販の無電解Sn(スズ)めっき液(サブスターSN−5:奥野製薬工業社製)を指定のとおり建浴した物を用い、液温を50℃とし10秒間処理した後、純水で洗浄した。このとき、マイクロポア中の第1導電体(銅)に積層された第2導電体(スズ)の高さは20nmであった。
構造体を、水酸化カリウム水溶液(濃度:0.1mol/L、液温度:20℃)に浸漬させ、導電体の突出部の高さが100nm(下記表1参照)になるように浸漬時間を調整してアルミニウムの陽極酸化膜の表面を選択的に溶解した。これにより、銅の基部と、Sn(スズ)の先端部の突出部を形成した。
<基板除去工程>
次いで、20質量%塩化水銀水溶液(昇汞)に20℃、3時間浸漬させることによりアルミニウム基板を溶解して除去し、陽極酸化膜の裏面を露出させた。
次いで、陽極酸化膜の裏面に、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を施し、陽極酸化膜を5μm分を研磨して、裏面を平滑化した。これにより、陽極酸化膜の裏面に銅を露出させた。
CMPスラリーとしては、株式会社フジミインコーポレイテッド社製のPNANERLITE−7000を用いた。
<裏面側第1導電体除去工程>
陽極酸化膜の裏面側について、陽極酸化膜の表面と同様の方法で、マイクロポアに充填された銅の一部を、過酸化水素10%とグリシン10%の混合溶液を用いて10分間処理することで300nm分除去し、銅の表面を平滑化した面より低くした。
<裏面側第2導電体積層工程>
陽極酸化膜の裏面側について、陽極酸化膜の表面と同様の方法で、銅の表面に、Sn(スズ)を20nm積層した。
<裏面側絶縁性基材除去工程>
陽極酸化膜の裏面側について、導電体の突出部の高さが100nm(下記表1参照)になるように陽極酸化膜の裏面を選択的に溶解した。これにより、絶縁性基材の厚みが8μmであり、かつ絶縁性基材の両面に突出部がある異方導電性部材を得た。
実施例1では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、乾燥工程を設け、第1導電体を除去した後に、銅の表面を乾燥させて、銅の表面にSn(スズ)を積層した。
実施例2は、絶縁性基材の片面にだけ突出部を設けた点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
実施例2では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態で銅の表面を乾燥させることなく、銅の表面にSn(スズ)を積層した。
実施例3は、絶縁性基材の厚みが15μmである点、充填した金属を銅からニッケル(Ni)に変更した点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
ニッケル充填方法は以下に示す組成のニッケルめっき液を使用し、定電流電解を施すことにより、マイクロポアの内部にニッケルを充填した。
<ニッケルめっき液組成>
・硫酸ニッケル 300g/L
・塩化ニッケル 60g/L
・ホウ酸 40g/L
・温度 50℃
・電流密度 5A/dm2
実施例3では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態でニッケルの表面を乾燥させることなく、ニッケルの表面にSn(スズ)を積層した。
実施例4は、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
実施例4では、実施例2と同様に第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態で銅の表面を乾燥させることなく、銅の表面にSn(スズ)を積層した。
実施例5は、絶縁性基材の厚みが13μmである点、充填した金属をCuからNiに変更した点、先端部を厚さ20nmのAu(金)とした点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
ニッケルの充填方法は、実施例3と同じとした。
ニッケルへのAu(金)の積層は、具体的には、市販の無電解Au(金)めっき液(フラッシュゴールドNC:奥野製薬工業社製)と亜硫酸金(I)ナトリウム溶液を指定のとおり建浴した物を用い、液温を70℃とし10秒間処理した後、純水で洗浄した。このとき、マイクロポア中の第1導電体(銅)に積層された第2導電体(Au)の高さは20nmであった。
実施例5では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態でニッケルの表面を乾燥させることなく、ニッケルの表面にAu(金)を積層した。
実施例6は、絶縁性基材の厚みが9μmである点、先端部をAu(金)とした点、銅の除去を溶解以外とした点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
実施例6では、Au(金)の先端部を実施例5と同じ方法で作製した。
実施例6では、平坦化処理後の表面に銅の無電解メッキ処理を施し、一様な膜を形成後その表面に接着テープを張り付けたのちテープを剥離することで貫通孔中の表面に近い部分の銅を剥離除去した。無電解銅めっきにはOPCカッパーAF(奥野製薬工業社製)を用いた。
実施例6では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態で銅の表面を乾燥させることなく、銅の表面にAu(金)を積層した。
実施例7は、絶縁性基材の厚みが9μmである点、および先端部をAu(金)とした点以外は、実施例1と同じとした。
実施例7では、Au(金)の先端部を実施例5と同じ方法で作製した。
実施例8は、絶縁性基材の厚みが9μmである点、および先端部をAu(金)とした点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
実施例8では、Au(金)の先端部を実施例5と同じ方法で作製した。
実施例8では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態で銅の表面を乾燥させることなく、銅の表面にAu(金)を積層した。
実施例9は、絶縁性基材の厚みが9μmである点、絶縁性基材の片面にだけ突出部を設けた点、先端部をAu(金)とした点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
実施例9では、Au(金)の先端部を実施例5と同じ方法で作製した。
実施例9では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態で銅の表面を乾燥させることなく、銅の表面にAu(金)を積層した。
実施例10は、絶縁性基材の厚みが17μmである点、絶縁性基材をチタンの陽極酸化膜とした点、先端部をAu(金)とした点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
実施例10では、Au(金)の先端部を実施例5と同じ方法で作製した。
実施例10では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態で銅の表面を乾燥させることなく、銅の表面にAu(金)を積層した。
チタンの陽極酸化膜は、濃度0.01Mの塩酸水溶液中で電圧20V、温度−2℃の状態を維持しながら陽極酸化を45分間実施して作製した。
実施例11は、絶縁性基材の厚みが14μmである点、基部がNi(ニッケル)である点、先端部がCu(銅)である点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は以外は、実施例1と同じとした。
ニッケルの充填方法は、実施例3と同じとした。銅の形成方法は、実施例1と同じとした。
実施例11では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態でニッケルの表面を乾燥させることなく、ニッケルの表面に銅を積層した。
比較例1は、絶縁性基材の厚みが10μmである点、および先端部をAu(金)とした点、平滑化工程を実施していない点、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は、実施例1と同じとした。
比較例1では、Au(金)の先端部を実施例5と同じ方法で作製した。
また、比較例1では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態で銅の表面を乾燥させることなく、銅の表面にAu(金)を積層した。
比較例2は、絶縁性基材の厚みが11μmである点、および先端部がない点以外は、実施例1と同じとした。また、比較例2では、第1導電体除去工程、および第2導電体積層工程を実施していない。このため、乾燥工程もない。
比較例3は、絶縁性基材の厚みが9μmである点、突出部がない点、先端部がAu(金)である点、および第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に乾燥工程がない点以外は以外は、実施例1と同じとした。
比較例3では、Au(金)の先端部を実施例5と同じ方法で作製した。
比較例3では、第1導電体除去工程と第2導電体積層工程との間に、第1導電体を除去した後、純水に浸漬した状態で銅の表面を乾燥させることなく、陽極酸化膜の面に露出した銅に金を積層した。
比較例1は、導通抵抗が悪かった。これは、比較例1では、面平滑化処理を実施していないため、導通路先端の高さにバラつきが生じ、電極に接触する導通路の数が減ったことによるためである。比較例2は先端部がない構成であり、導通抵抗が悪く、接合性も悪かった。
比較例3は、第1導電体が除去されておらず、先端部が接触する可能性が高く、隣接導通が悪かった。
12 絶縁性基材
12a 表面
12b 裏面
14 貫通孔
16 導電体
16b、16c 突出部
19 樹脂層
20 基部
20c、21c 側面
20d 端面
21 先端部
22 第1導電体
22a、22b 表面
23 第2導電体
24 両面粘着剤
25 支持部材
26 基板
26a 表面
27 バリア層
28 陽極酸化膜
29 保護層
30、60、61、62、63 電子デバイス
32,34,36 半導体素子
37 インターポーザー
40 半導体素子
42 センサチップ
44 レンズ
50、50a、50b 端子
50c 端面
52 半導体層
52a、54a、56a 表面
54 再配線層
56 パッシベーション層
57 配線
58 パッド
66、67、71 半導体素子
68 電極
72 穴
73 光導波路
75、76 発光素子
Ds 積層方向
Dt 厚み方向
H 高さ
h 異方導電性部材の厚み
Hs 高さ
ht 絶縁性基材の厚み
Ld 出射光
Lo 光
R、Rs 円相当径
p 中心間距離
x 方向
w 導電体間の幅
Claims (15)
- 絶縁性基材と、
前記絶縁性基材の厚み方向に貫通して設けられた、複数の導電体とを有し、
前記導電体は、前記絶縁性基材の少なくとも一方の面から突出した突出部を備え、
複数の前記導電体は、それぞれ前記突出部の長さが同じであり、
前記突出部は、前記絶縁性基材側の基部と、前記基部の前記絶縁性基材の反対側の端面にだけ設けられた先端部とを備えており、前記基部は、側面が露出し、
前記先端部は、前記基部と異なる組成を有する含金属部位であり、
前記基部の円相当径と、前記先端部の円相当径とは同じである、異方導電性部材。 - 前記先端部を構成する金属は、前記基部を構成する金属よりイオン化傾向が小さい、請求項1に記載の異方導電性部材。
- 前記先端部を構成する金属は、前記基部を構成する金属よりイオン化傾向が大きい、請求項1に記載の異方導電性部材。
- 前記各導電体は、前記絶縁性基材の表面および裏面から、それぞれ突出した前記突出部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方導電性部材。
- 前記絶縁性基材は、金属の陽極酸化膜で構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異方導電性部材。
- 前記絶縁性基材は、アルミニウムの陽極酸化膜またはチタンの陽極酸化膜で構成されている、請求項5に記載の異方導電性部材。
- 厚み方向に延在する貫通孔を複数有する絶縁性基材の、前記貫通孔に、金属で構成された第1導電体を充填する第1導電体充填工程と、
前記貫通孔に前記第1導電体が充填された前記絶縁性基材の少なくとも一方の面を平滑化する面平滑化工程と、
平滑化した面側にある前記第1導電体の一部を除去し、前記第1導電体の表面を前記平滑化した面より低くする第1導電体除去工程と、
前記第1導電体の前記表面に、前記第1導電体とは組成が異なる金属を含む第2導電体を積層する第2導電体積層工程と、
前記絶縁性基材の前記平滑化した面側の一部を除去し、前記第1導電体および前記第2導電体を前記絶縁性基材から突出させる絶縁性基材除去工程とをこの順に実施する、異方導電性部材の製造方法。 - 前記第1導電体除去工程が、前記第1導電体を溶解する工程であり、
前記絶縁性基材除去工程が、前記絶縁性基材を溶解する工程である、請求項7に記載の異方導電性部材の製造方法。 - 前記第1導電体除去工程の終了から前記第2導電体積層工程の開始迄の間、前記絶縁性基材は液体に接触している、請求項7または8に記載の異方導電性部材の製造方法。
- 前記面平滑化工程は、前記貫通孔に前記第1導電体が充填された前記絶縁性基材の両面を平滑化する7〜9のいずれか1項に記載の異方導電性部材の製造方法。
- 前記第2導電体を構成する金属は、前記第1導電体を構成する金属よりイオン化傾向が小さい、請求項7〜10のいずれか1項に記載の異方導電性部材の製造方法。
- 前記絶縁性基材は、金属の陽極酸化膜で構成されている、請求項7〜11のいずれか1項に記載の異方導電性部材の製造方法。
- 前記絶縁性基材は、アルミニウムの陽極酸化膜またはチタンの陽極酸化膜で構成されている、請求項12に記載の異方導電性部材の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性部材と、導電領域を有し、前記異方導電性部材と接合した部材とを有する、接合体。
- 請求項14に記載の接合体を含む、電子デバイス。
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