JP2008260758A - アルコール類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的温和な条件下、合成の容易な触媒を用い、エステル又はラクトンからアルコール類を高収率かつ高触媒効率で製造する方法を提供する。
【解決手段】ルテニウム(Ru)化合物及びビスホスフィン、ジアミンからなる下記一般式(1)(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を示し、P⌒Pはビスホスフィン配位子を表し、N⌒Nはジアミン配位子を表す。)で表されるルテニウム錯体を触媒としてエステル又はラクトンを水素還元する。
一般式(1):
Figure 2008260758

【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール類の製造方法、より詳細には、エステル又はラクトンを水素還元してアルコール類を製造する方法に関する。
アルコール類は種々の医薬、農薬あるいは汎用化学品の合成中間体等として従来広く用いられており、該アルコール類の製造法として、エステル又はラクトンを水素化してアルコール類を得る方法はこれまで有用な方法として知られ、この水素化反応に関し種々の触媒、反応形態の提案がなされている。エステル又はラクトンを水素化してアルコール類を得る方法としては、例えば、銅、銅−クロム、ロジウム−錫、ゲルマニウム、鉛系触媒などの触媒を用い、固定床あるいは液相懸濁系でのエステル及びラクトンの水素化反応によるアルコール類の製造方法(例えば、特許文献1、2及び非特許文献1参照)、ルテニウム化合物及び有機ホスフィン化合物からなるルテニウム錯体を使用しての液相でのエステル類の水素化反応によるアルコール類の製造方法(例えば、特許文献3〜5及び非特許文献2、3参照)、ルテニウム化合物及び二座又は四座のアミノホスフィンを配位子とするルテニウム錯体を用いた水素化反応によるアルコール類の製造方法(例えば、特許文献6、7参照)など多数の方法が提案されている。
特開昭51−8203号公報 特開昭58−216131号公報 特開2001−247499号公報 特開2004−300131号公報 特表2005−524704号公報 WO2006/106483 WO2006/106484 Org.React.,1954,8,1 J.Chem.Soc.Chem.Commun.,1980,783 Angew.Chem.Int.Ed.,2006,45,1113
しかし、上記特許文献1、2及び非特許文献1に記載の方法は、何れも高温あるいは高圧という過酷な反応条件を必要とし、操作性、製造装置等に大きな制限を有する。特許文献3から5及び非特許文献2、3に記載の水素化反応はいずれも、収率及び触媒効率をともに満たすものではなく、経済的に有利な方法と言いがたい。また特許文献4及び非特許文献2に記載のエステルの水素化反応では、含フッ素アルコールが溶媒として使用され、経済性、環境負荷の観点において課題を有する。さらに非特許文献3に記載の方法は、反応溶媒として、経済的に不利で、かつ人体への影響が懸念される、1,4−ジオキサンが採用されている。特許文献6及び7に記載の方法は、同一分子内にリン原子と窒素原子を有する非対称型の配位子を有するルテニウム錯体を用いているため、配位子の合成が煩雑な場合があること、また、水素化する際に多量の塩基が必要なため、後処理が煩雑になるおそれがある。
従って、本発明の目的は、製造の容易な触媒を用い、比較的温和な条件下で、簡便にエステル又はラクトンからアルコール類を高収率かつ高触媒効率で製造することができる、エステル又はラクトンからのアルコール類の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の事情に鑑み、鋭意検討を行った結果、ビスホスフィン化合物及びジアミン化合物を配位子とするルテニウム錯体を触媒として用いることにより、エステル又はラクトンからアルコール類を高収率かつ高触媒効率で製造することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[3]に関するものである。
[1]下記一般式(1)で表されるルテニウム(Ru)錯体を触媒としてエステル又はラクトンを水素還元することを特徴とするアルコール類の製造方法。
一般式(1):
Figure 2008260758
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を示し、P⌒Pはビスホスフィン配位子を表し、N⌒Nはジアミン配位子を表す。)
[2]塩基存在下、下記一般式(1)で表されるルテニウム(Ru)錯体を触媒としてエステル又はラクトンを水素還元することを特徴とするアルコール類の製造方法。
一般式(1):
Figure 2008260758
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を示し、P⌒Pはビスホスフィン配位子を表し、N⌒Nはジアミン配位子を表す。)
[3]ルテニウム錯体と塩基とを予め混合撹拌した混合物を触媒として用いる[2]に記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、工業的に有利な低い水素圧及び反応温度で、エステル及びラクトンからアルコール類を高収率、高触媒効率で製造することが可能である。また圧力及び温度を抑えることで芳香環の還元等の副反応を抑制することができる。さらに溶剤を用いる場合にも、環境面・健康面において問題のある溶剤を必要とせず、また使用する配位子は比較的安価かつ入手容易な試薬を用いていることから、経済的にも有用な製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、原料の水素化基質としてエステル又はラクトンが用いられる。水素化基質として用いられるエステルとしては、脂肪族カルボン酸エステル又は芳香族カルボン酸エステル等が挙げられる。該エステルはモノカルボン酸由来でもポリカルボン酸由来でもよい。
本発明において水素化基質として用いられるエステル類としては、例えば、下記の脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル等のアルキルエステル;フェニルエステル、ビフェニルエステル、ナフチルエステル等のアリールエステル;ベンジルエステル、1−フェネチルエステル等のアラルキルエステル等が挙げられる。
〔脂肪族カルボン酸〕
水素化基質のエステルを構成する脂肪族カルボン酸としては、置換基を有していてもよい炭素数2〜30のモノ−又はポリカルボン酸が挙げられる。炭素数2〜30のモノ−又はポリカルボン酸としては、具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、シュウ酸、プロパンジカルボン酸、ブタンジカルボン酸、ヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、アクリル酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸等が挙げられる。
また、これら脂肪族カルボン酸は置換基で置換されていてもよく、該置換基として、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、水酸基等が挙げられる。
上記脂肪族カルボン酸の置換基としてのアルキル基は、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であってよく、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、脂肪族カルボン酸の置換基としてのアルコキシ基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
さらに、脂肪族カルボン酸の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、アミノ基としては、アミノ基;N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基;N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、N−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノ又はジアリールアミノ基;N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ基等が挙げられる。
また、脂肪族カルボン酸の置換基としてのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられ、これらアリール基は、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基等で置換されていてもよい。
さらに、脂肪族カルボン酸の置換基としてのヘテロアリール基としては、例えば炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の異種原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式ヘテロアリール基、多環式又は縮合環式のヘテロアリール基が挙げられる。具体的には、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
また、脂肪族カルボン酸の置換基としてのアラルキル基としては、ベンジル基、1−フェネチル基等が挙げられる。
〔芳香族カルボン酸〕
水素化基質のエステルを構成する芳香族カルボン酸としては、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、ピリジンカルボン酸、キノリンカルボン酸、フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸等が挙げられる。
また、これら芳香族カルボン酸は、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、水酸基等で置換されていてもよい。
一方、本発明において用いられるラクトン類としては、β−ラクトン、γ−ラクトン、δ−ラクトン等が挙げられ、これらのラクトン類は前記したようなアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、水酸基等で置換されていてもよい。また、ビシクロ環構造や芳香族環と縮合環構造を有していてもよい。
続いて、本発明に用いられる下記一般式(1)で表されるルテニウム錯体について説明する。
一般式(1):
Figure 2008260758
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を示し、P⌒Pはビスホスフィン配位子を表し、N⌒Nはジアミン配位子を表す。)
まず、一般式(1)のビスホスフィン配位子について説明する。
一般式(1)におけるP⌒Pで表されるビスホスフィン配位子としては、例えば下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
一般式(2):
Figure 2008260758
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基及び置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表し、R1とR2とで及び/又はR3とR4とで環を形成してもよい。Q1は、置換基を有していてもよいメチレン鎖、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基、置換基を有していてもよい二価のアリーレン基、又は置換基を有していてもよいフェロセンジイル基を表す。)
上記式中、R1、R2、R3及びR4で表されるアルキル基としては、直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
上記式中、R1、R2、R3及びR4で表される置換基を有していてもよいアリール基におけるアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。これらアリール基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基等が挙げられる。
該アリール基の置換基としてのアルキル基としては、直鎖状又は分岐状の、例えば炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
また、アリール基の置換基としてのアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状の、例えば炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基及びt−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アリール基の置換基としてのアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
アリール基の置換基としての複素環基としては、脂肪族複素環基及び芳香族複素環基が挙げられ、脂肪族複素環基としては、例えば炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、2−オキソピロリジル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。一方、芳香族複素環基としては、例えば炭素数2〜15で、ヘテロ原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、5〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式の芳香族複素環(ヘテロアリール)基が挙げられ、具体的にはフリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
また、R1、R2、R3及びR4で表される、置換基を有していてもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、5員環又は6員環のシクロアルキル基が挙げられ、好ましいシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらシクロアルキル基は、前記アリール基の置換基として挙げたようなアルキル基又はアルコキシ基等の置換基で、1乃至2以上置換されていてもよい。
また、R1とR2及び/又はR3とR4とで形成してもよい環としては、R1、R2、R3及びR4が結合しているリン原子を含めた環として、四員環、五員環又は六員環の環が挙げられる。具体的な環としては、ホスフェタン環、ホスホラン環、ホスファン環、2,4−ジメチルホスフェタン環、2,4−ジエチルホスフェタン環、2,5−ジメチルホスホラン環、2,5−ジエチルホスホラン環、2,6−ジメチルホスファン環、2,6−ジエチルホスファン環等が挙げられる。
また、Q1で表される、置換基を有していてもよいメチレン鎖のメチレン鎖としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられ、これらメチレン鎖に置換する置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、置換アリール基などが挙げられる。置換アリール基の置換基としては、アリール基の置換基としてあげられたようなアルキル基、アリール基、アルコキシ基などが挙げられる。また、メチレン鎖の2個の置換基は結合して脂肪族環あるいは芳香族環を形成してもよいし、メチレン鎖の置換基とR1、R2、R3又はR4のいずれかとが結合してメチル基などの置換基を有していてもよいリン原子を含む5ないし6員の脂肪族環又は芳香族環を形成してもよい。
1で表される、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基としては、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。これらシクロアルキレン基の置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる。
1で表される、置換基を有していてもよい二価のアリーレン基の二価のアリーレン基としては、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ビナフタレンジイル基等が挙げられる。フェニレン基としては、o又はm−フェニレン基が挙げられ、該フェニレン基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基及びt−ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基及びt−ブトキシ基等のアルコキシ基;水酸基、アミノ基又は置換アミノ基等で置換されていてもよい。ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基としては、1,1’−ビアリール−2,2’−ジイル型の構造を有するものが好ましく、該ビフェニルジイル基及びビナフタレンジイル基は、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基等のアルキレンジオキシ基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基等で置換されていてもよい。
また、Q1で表される、置換基を有していてもよいフェロセンジイル基の該置換基としては、前記したようなアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基等が挙げられる。
一般式(2)で表されるビスホスフィン化合物の具体例としては、例えば、ビスジフェニルホスフィノメタン、1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン、1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパン、1,4−ビスジフェニルホスフィノブタン、1,5−ビスジフェニルホスフィノペンタン、1,2−ビスジフェニルホスフィノベンゼン、1,2−ビス(アニシルフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(アルキルメチルホスフィノ)エタン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5−ノルボルネン、2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1−シクロヘキシル−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1−置換−3,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,2−ビス(置換ホスホラノ)ベンゼン、1,2−ビス(置換ホスホラノ)エタン、1−((置換ホスホラノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、1−(ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ)−2−(置換ホスホラノ)ベンゼン、1−((置換ホスホラノ)−2−(ビス(3,5−ジ(t−ブチル)−4−メトキシフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1−((置換ホスホラノ)−2−(ジ−ナフタレン−1−イル−ホスフィノ)ベンゼン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビシクロペンタン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−(5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロビナフチル)、2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、(4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5,5’−ジイルビス(ジフェニルホスフィン)、(4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5,5’−ジイルビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン]、[(4S)−[4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール]−5,5’−ジイル]ビス[ビス[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メトキシフェニル]ホスフィン]、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゾフェノン、2,2’−ビス(ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。またこの他にも、下記式で示されるビスホスフィン化合物も挙げられる。
Figure 2008260758
もちろん、本発明に用いることのできるビスホスフィン配位子はこれらに限定されるものではない。
続いて、本発明に用いられるジアミン配位子について説明する。
一般式(1)におけるN⌒Nで表されるジアミン配位子としては、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
一般式(3):
Figure 2008260758
(式中、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルカンスルホニル基又はアレーンスルホニル基を表し、Q2は置換基を有してもよいメチレン鎖、置換基を有してもよいシクロアルキレン基又は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。ただし、R5、R6、R7及びR8のうち、少なくとも一つは水素原子である。)
一般式(3)の置換基を有していてもよいアルキル基のアルキル基としては、R1、R2、R3及びR4におけるアルキル基と同様なものが挙げられ、また置換基としてはアリール基等が挙げられる。
また、一般式(3)の置換基を有していてもよいアルカンスルホニル基又はアレーンスルホニル基としては、メチルスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等が挙げられる。
一般式(3)のQ2の置換基を有してもよいメチレン鎖としては、Q1における置換基を有してもよいメチレン鎖と同様なものが挙げられる。また、Qの置換基を有してもよいシクロアルキレン基又は置換基を有してもよいアリーレン基としては、Q1と同様のものが挙げられる。
一般式(3)で示されるN⌒Nで表されるジアミン配位子としては、具体的には、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、2−メチル−1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、1,2−シクロペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、2,3−ジメチル−2,3−ジアミノブタン、o−フェニレンジアミン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−ジメチルアミノ−1−フェニルエチルアミン、2−ジエチルアミノ−1−フェニルエチルアミン、2−ジイソプロピルアミノ−1−フェニルエチルアミン、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、1,2−ビス(4−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジ(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジ(4−N,N−ジプロピルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−p−トルエンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−メタンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−トリフルオロメタンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)エチレンジアミン、(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジプロピルアミノフェニル)エチレンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、1−メチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、N,N’−ビス(フェニルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン、N,N’−ビス(メシチルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン、N,N’−ビス(ナフチルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン等のジアミン類が挙げられる。またこの他にも、下記式で示されるジアミン化合物も挙げられる。
Figure 2008260758
もちろん、本発明に用いることのできるジアミン配位子はこれらに限定されるものではない。
また、一般式(1)においてX1、X2で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられ、アルコキシ基としては、直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基等が挙げられる。
一般式(1)においてX1、X2で表されるアシルオキシ基としては(RaCO2)で表されるものが挙げられる。アシルオキシ基RaCO2におけるRaとしては、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又はナフチル基が挙げられ、置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基の置換基としては炭素数1〜4のアルキル基及びハロゲン原子が挙げられる。置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。また、置換基を有してもよいフェニル基あるいはナフチル基において、その置換基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基等のアルキル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、例えば塩素、臭素等のハロゲン原子などが挙げられる。
本発明で用いられるルテニウム錯体合成のための出発原料であるルテニウム化合物としては、ルテニウムハロゲン化物、例えば、RuCl3水和物、RuBr3水和物、RuI3水和物等の無機ルテニウム化合物、RuCl2(DMSO)4、[Ru(cod)Cl2]n、[Ru(nbd)Cl2]n、[Ru(ベンゼン)Cl22、[Ru(ベンゼン)Br22、[Ru(ベンゼン)I22、[Ru(p−シメン)Cl22、[Ru(p−シメン)Br22、[Ru(p−シメン)I22、[Ru(メシチレン)Cl22、[Ru(メシチレン)Br22、[Ru(メシチレン)I22、[Ru(ヘキサメチルベンゼン)Cl22、[Ru(ヘキサメチルベンゼン)Br22、[Ru(ヘキサメチルベンゼン)I22、RuH2(PPh34、RuCl2(PPh33、RuBr2(PPh33、RuI2(PPh33、RuH4(PPh33、RuH2(N2)(PPh3)3、RuClH(PPh33等が挙げられる。例示中、DMSOはジメチルスルホキシド、codは1,5−シクロオクタジエン、nbdはノルボルナジエン、Phはフェニルをそれぞれ表す。
一般式(1)で表される錯体は例えば特開平11−189600号公報に記載の方法などにより得ることができる。例えば、先ずルテニウム化合物を溶媒中でホスフィン配位子と反応させ、次いで得られた化合物をアミン配位子と反応させる方法による。より具体的には、例えばルテニウム化合物としてハロゲン化ルテニウムを用いる場合、ハロゲン化ルテニウムとホスフィン配位子との反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で行われ、ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。次いで、得られたホスフィン−ルテニウムハライド錯体とアミン配位子との反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−100℃から200℃の間で行われアミン−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。しかし、本発明の一般式(1)で表されるルテニウム錯体の製法が、上記のものに限られるものではない。
なお、一般式(1)で表される錯体は一つのジアステレオマーに限るものではなく、cis体、trans体、又はcis体とtrans体の混合物のいずれであってもよい。
本発明のアルコール類の製造方法は、無溶媒又は溶媒中で好適に実施することができるが、溶媒を使用することが好ましい。用いられる溶媒としては、水素化基質及び触媒であるRu錯体を溶解できるものが好ましく、単一溶媒あるいは混合溶媒が用いられる。具体的にはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール及びグリセリン等の多価アルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、ピリジン、トリエチルアミン等のアミン類等が挙げられる。この中でもエーテル類が好ましい。特に好ましいのは、テトラヒドロフランである。溶媒の使用量は、反応条件等により適宜選択することができるが、原料に対して0.5mol/L〜8.0mol/L、好ましくは0.8mol/L〜2.0mol/Lである。反応は必要に応じ攪拌下に行われる。
本発明の製造方法の好適な実施の一態様において、反応系に更に塩基を加え、反応を塩基の存在下に行うことができ、これにより水素還元が円滑に進行する。反応系に加えるために用いられる塩基としては、有機塩基化合物及び無機塩基化合物が挙げられる。
本発明において用いられる上記有機塩基化合物の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ−n−ブチルアミン及びN−メチルモルホリン等のアミン類が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等である。
又、有機塩基化合物の他の例としては、次に示すホスファゼン化合物等が挙げられる。
Figure 2008260758
本発明において用いられる無機塩基化合物としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウムメトキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等のアルカリ土類金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムメトキシドである。
本発明において用いられる塩基化合物の使用量は、使用するルテニウム錯体、反応条件等により適宜選択することができるが、ルテニウム錯体に対して通常2当量〜100,000当量、好ましくは5当量〜10,000当量である。なお、塩基化合物はそのまま反応系に加えることもできるし、反応溶媒等に溶解させた溶液としても反応系に加えることもできる。
塩基は、上記したように、ルテニウム錯体、水素化基質及び必要により用いられる溶剤との混合物からなる反応系に直接あるいは溶解溶液として加えられてもよいが、ルテニウム錯体と塩基とを予め混合し、この混合物を触媒として用いることが好ましい。具体的には、ルテニウム錯体と塩基とを予め溶媒中で混合撹拌し、その後溶媒を留去した残渣を触媒として反応系に加えるか、この残渣を溶剤に溶解し、得られた溶液を反応系に触媒として添加する。これにより、水素化基質のアルコールへの転化率、目的とするアルコールへの転化率である選択率の改善が見られる。
本発明において、水素還元を行う際の反応温度は、10℃〜150℃が好ましく、より好ましくは60℃〜120℃である。反応温度が低すぎると未反応の原料が多く残存する場合があり、また高すぎると、原料、触媒等の分解が起こる場合があり、いずれも好ましいものとはいえない。
本発明において、水素還元を行う際の水素の圧力は、好ましくは0.5MPa〜10MPa、より好ましくは3MPa〜6MPaである。
本発明において、触媒の使用量は、原料である水素化基質や反応条件、触媒の種類等、さらには経済性によって異なるが、通常、水素化基質に対するルテニウム金属としてのモル比で0.001モル%〜10モル%、好ましくは0.01モル%〜2モル%の範囲である。
また反応時間は5時間〜16時間程度で十分に高い原料転化率を得ることができる。反応終了後は、抽出、濾過、結晶化、蒸留、各種クロマトグラフィー等、通常用いられる精製法を単独又は適宜組み合わせることにより目的のアルコール類を得ることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、転化率、選択率の測定はガスクロマトグラフィー(GC)で行った。用いた装置、測定条件は次のとおりである。
GC:GC353B(GLサイエンス社製)
カラム:TC−WAX 0.25mm(I.D.)×30m(length),0.250μm(thickness)〔GLサイエンス社製〕
条件:injection 250℃, detector 250℃
80℃(1min.)−10℃/min.−250℃(12min.)
以下の実施例1〜13で用いた水素化基質は下記基質A〜Hで示されるエステル又はラクトンであり、また触媒は下記触媒1〜15で示されるルテニウム錯体である。
Figure 2008260758
触媒:
1.RuCl2(dppb)(en)
2.RuCl2(dppp)(en)
3.RuCl2(dppp)(1,3−ジアミノプロパン)
4.RuCl2(dppben)(en)
5.RuCl2(dppp)(dpen)
6.RuCl2(dppp)(dach)
7.RuCl2(dppp)(daipen)
8.RuCl2(dppp)(2−アミノメチルピリジン)
9.RuCl2(dppp)(1,3−ペンタンジアミン)
10.RuCl2((S)−dm−binap)(dpen)
11.RuCl2(dxpp)(dpen)
12.RuCl2((R,R)−dmdppb)(dpen)
13.RuCl2(dpe)(dpen)
14.RuCl2(dppf)(dpen)
15.RuCl2((S,S)−SKEWPHOS)(dpen)
なお、上記式中の「dppb」、「en」、「dppp」、「dppben」、「dpen」、「dach」、「daipen」、「dm−binap」、「dxpp」、「dmdppb」、「dpe」、「dppf」、「SKEWPHOS」は、各々以下に示す配位子を表す。
dppb:1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン
en:1,2−エチレンジアミン
dppp:1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン
dppben:1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン
dpen:(1R,2R)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン
dach:trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン
daipen:1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン
dm−binap:2,2’−ビス(ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
dxpp:1,3−ビス(ジ(3,5−キシリル)ホスフィノ)プロパン
dmdppb:2,3−ジメチル−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン
dpe:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル
dppf:1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
SKEWPHOS:2,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン
なお実施例中、選択率とは、基質以外のGCピークの総割合において、基質がAの場合はベンジルアルコールのGC area%、基質がBの場合は1−オクタノールのGC area%、基質がCの場合は1,2−ベンゼンジメタノールのGC area%、基質がDの場合は3−シクロヘキセン−1−メタノールのGC area%、基質がEの場合は2−メチル−3−フェニル−1−プロパノールのGC area%、基質がFの場合は2−フェニル−1−エタノールのGC area%、基質がGの場合は(S)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−プロパノールのGC area%、基質がHの場合はベンジルアルコールのGC area%の割合をそれぞれ表す。
また、実施例で用いた触媒1〜15の各ルテニウム錯体は、特開平11−189600号公報の実施例2に記載の方法に準じて合成した。すなわち、Org.Synth.,71,1(1993)に記載の方法に従い、[RuCl2(P⌒P)](dmf)n(dmfは、ジメチルホルムアミドの略である。)を合成し、次いで、ジアミン化合物(N⌒N)を反応させることにより[RuCl2(P⌒P)(N⌒N)]の錯体を得る方法によった。合成例1として触媒1のルテニウム錯体の製造例を示すが、触媒2〜15のルテニウム錯体も、触媒1のルテニウム錯体と同様の方法で製造することができる。
〔合成例1〕
(触媒1のルテニウム錯体の合成)
20mLのシュレンク型反応管に1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(141mg,0.33mmol)と[Ru(ベンゼン)Cl22(81.7mg,0.16mmol)を量り取り、容器内を減圧にして空気を除いた後に、窒素を導入した。DMF(ジメチルホルムアミド)(8mL)を注射器で加えた後、窒素雰囲気下、120℃のオイルバス中で1.5時間加熱した後、オイルバスを60℃まで冷却して、減圧下(1mmHg)でDMFを留去した。ジクロロメタン(5mL)とエチレンジアミン(22μL,0.33mmol)を注射器で加えた後、40℃のオイルバス中で1.5時間加熱した。減圧下(1mmHg)でジクロロメタンを留去し、得られた粉体を減圧下(1mmHg)で乾燥して216mgの目的物を得た。(収率99%)
〔実施例1〜4〕
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、水素化基質A又はC(4.0mmol)、触媒1、2又は4(0.008mmol)、ナトリウムメトキシド(0.4mmol)、テトラヒドロフラン(3mL)を加え、水素圧5MPa、100℃で、下記表1の時間水素化を行った。水素化の結果を下記表1に示す。
Figure 2008260758
〔実施例5〜13〕
20mlのシュレンク管に、触媒2、3、5、6又は7(0.008mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.16mmol)、イソプロパノール(1ml)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、水素化基質A、B又はD(4.0mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、100℃で水素化を行った。水素化の結果を以下の表2に示す。
Figure 2008260758
実施例14(安息香酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、触媒(8)(0.008mmol)とナトリウムメトキシド(0.4mmol)を量り取り、テトラヒドロフラン(3mL)と安息香酸メチル(基質A)(4.0mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で16時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は43.3%であり、ベンジルアルコールへの選択率87.1%であった。
実施例15(2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(5)(0.014mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.28mmol)、イソプロパノール(2mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチル(基質E)(2.8mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、100℃で16時間撹拌を行った。その結果、2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチルの転化率は99.8%であり、2−メチル−3−フェニル−1−プロパノールへの選択率91.3%であった。
実施例16(フェニル酢酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(5)(0.017mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.33mmol)、イソプロパノール(2mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、フェニル酢酸メチル(基質F)(3.3mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、フェニル酢酸メチルの転化率は100%であり、2−フェニル−1−エタノールへの選択率98.7%であった。
実施例17(2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(9)(0.014mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.28mmol)、イソプロパノール(2mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチル(基質E)(2.8mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチルの転化率は90.1%であり、2−メチル−3−フェニル−1−プロパノールへの選択率76.3%であった。
実施例18(安息香酸メチルの還元)
撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、触媒(10)(0.02mmol)とカリウムt−ブトキシド(0.4mmol)を量り取り、テトラヒドロフラン(3mL)と安息香酸メチル(基質A)(4.0mmol)を注射器で加えた後、水素圧5MPa、100℃で15時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は99.3%であり、ベンジルアルコールへの選択率95.8%であった。
実施例19(2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(11)(0.014mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.28mmol)、イソプロパノール(2mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチル(基質E)(2.8mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、100℃で15.5時間撹拌を行った。その結果、2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチルの転化率は100%であり、2−メチル−3−フェニル−1−プロパノールへの選択率98.6%であった。
実施例20(2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(12)(0.035mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.28mmol)、イソプロパノール(2mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチル(基質E)(2.8mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、100℃で14時間撹拌を行った。その結果、2−メチル−3−フェニルプロピオン酸メチルの転化率は97.6%であり、2−メチル−3−フェニル−1−プロパノールへの選択率95.8%であった。
実施例21(2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)プロピオン酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(5)(0.014mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.21mmol)、イソプロパノール(2mL)を加え、室温で30分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)プロピオン酸メチル(基質G)(2.1mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、100℃で16.5時間撹拌を行った。その結果、2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)プロピオン酸メチルの転化率は99.9%であり、選択率29.2%で(S)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−プロパノール、選択率69.6%で(S)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−プロパノールが得られた。
実施例22(安息香酸メチルの還元)
80mlのシュレンク管に、触媒(5)(0.02mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.4mmol)、イソプロパノール(3mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、200mlの強制攪拌型オートクレーブに、安息香酸メチル(基質A)(0.04mol)、テトラヒドロフラン(15mL)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、70℃で21時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は91.5%であり、ベンジルアルコールへの選択率97.2%であった。
実施例23(安息香酸イソプロピルの還元)
80mlのシュレンク管に、触媒(5)(0.016mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.31mmol)、イソプロパノール(3mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、200mlの強制攪拌型オートクレーブに、安息香酸イソプロピル(基質H)(0.031mol)、テトラヒドロフラン(15mL)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、70℃で22時間撹拌を行った。その結果、安息香酸イソプロピルの転化率は74.8%であり、ベンジルアルコールへの選択率73.4%であった。
実施例24(安息香酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(13)(0.004mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.08mmol)、イソプロパノール(2mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、安息香酸メチル(基質A)(4.0mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、80℃で16時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は24.4%であり、ベンジルアルコールへの選択率34.6%であった。
実施例25(安息香酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(14)(0.004mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.08mmol)、イソプロパノール(2mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、安息香酸メチル(基質A)(4.0mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、80℃で15時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は71.5%であり、ベンジルアルコールへの選択率74.6%であった。
実施例26(安息香酸メチルの還元)
20mlのシュレンク管に、触媒(15)(0.008mmol)、カリウムt−ブトキシド(0.16mmol)、イソプロパノール(1mL)を加え、室温で20分間撹拌した。撹拌後イソプロパノールを留去して、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化の触媒溶液とした。
続いて、撹拌子を入れた100mlのオートクレーブに、安息香酸メチル(基質A)(4.0mmol)及び上記で調製された触媒溶液を加え、水素圧5MPa、100℃で5時間撹拌を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は92.7%であり、ベンジルアルコールへの選択率96.7%であった。
本発明の製造法で製造されたアルコール類は、医薬、農薬、汎用化学品の合成中間体等として有用である。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるルテニウム(Ru)錯体を触媒としてエステル又はラクトンを水素還元することを特徴とするアルコール類の製造方法。
    一般式(1):
    Figure 2008260758
    (式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を示し、P⌒Pはビスホスフィン配位子を表し、N⌒Nはジアミン配位子を表す。)
  2. 塩基存在下、下記一般式(1)で表されるルテニウム(Ru)錯体を触媒としてエステル又はラクトンを水素還元することを特徴とするアルコール類の製造方法。
    一般式(1):
    Figure 2008260758
    (式中、X1及びX2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はアシルオキシ基を示し、P⌒Pはビスホスフィン配位子を表し、N⌒Nはジアミン配位子を表す。)
  3. ルテニウム錯体と塩基とを予め混合撹拌した混合物を触媒として用いる請求項2に記載の製造方法。
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