JPH07227541A - 新規なルテニウム/スズ含有固体触媒およびそれを用いるアリールアルキルアルコールの製造方法 - Google Patents

新規なルテニウム/スズ含有固体触媒およびそれを用いるアリールアルキルアルコールの製造方法

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JPH07227541A
JPH07227541A JP19672094A JP19672094A JPH07227541A JP H07227541 A JPH07227541 A JP H07227541A JP 19672094 A JP19672094 A JP 19672094A JP 19672094 A JP19672094 A JP 19672094A JP H07227541 A JPH07227541 A JP H07227541A
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JP19672094A
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Kazuaki Ishii
和明 石井
Takami Sato
孝美 佐藤
Fujio Mizukami
富士夫 水上
Shuichi Niwa
修一 丹羽
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Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 すぐれた水素化活性を有するRu−Sn含有
固体触媒、およびそれを用いてアリールアルキルアルコ
ールを高転化率・高選択率で製造する方法の提供。 【構成】 式(I)のアリールアルキルカルボン酸又は
そのエステル: 【化1】 〔R,R′=H又はアルキル基〕を、担体に担持されて
いる非塩化ルテニウム化合物および非塩化スズ化合物と
を含む固体触媒の存在下に、水素化して、アリールアル
キルアルコールを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ルテニウム/スズ
含有固体触媒および、この触媒を用いるアリールアルキ
ルアルコールの製造方法に関するものである。アリール
アルキルアルコール、例えばフェネチルアルコールなど
は、医薬品原料、および農薬原料として有用なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、カルボン酸またはカルボン酸エ
ステルから、それに対応するアルコールを製造する方法
としては、銅−クロム酸化物系触媒の存在下、250〜
300℃,200〜300kg/cm2 の高温、高圧の条件
下にカルボン酸またはそのエステルを水素化する方法
(H.Adkins, J.Am.Chem.Soc., 53, 1095 (1931)) などが
知られている。また、有機溶媒中で、水素化ホウ素ナト
リウムを用いてカルボン酸またはそのエステルを還元す
る試薬還元方法などが知られている。
【0003】しかし、これらの方法では、前者において
は過酷な反応条件に加え、芳香環の水素化を併発するた
め選択率が低いという欠点があり、後者においては再使
用できない高価な試薬を大量に用いなければならないと
いう欠点がある。
【0004】最近、いわゆるゾル−ゲル法で得られるア
ルミナゲル等に、ルテニウムおよびスズ等の化合物を分
散させた触媒が、カルボン酸またはカルボン酸エステル
の選択的水素化に優れた性能を有しているという報告が
なされている。しかし、この方法は、そのアルミナゲル
の原料に高価な金属アルコキシドを用いているため、工
業的には有利な方法とはいえない。また、この方法で使
用される触媒の金属化合物成分としてルテニウムおよび
スズの塩化物等が用いられる場合があるが、フェニル酢
酸エチルの水素化においては、塩化物原料を金属原料に
用いて調製した触媒は水素化活性が低いという欠点があ
る。したがって、塩化物の代わりに、ルテニウム化合物
およびスズ化合物としてアセチルアセトナートルテニウ
ム等のルテニウム化合物、およびテトラブトキシスズ等
のスズアルコキシドなどを用いる例が知られているが、
これらはアルミナ原料と同様に非常に高価で工業的には
不利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価で触媒
活性の高い新規なルテニウム/スズ含有固体触媒、およ
び、それを用いて簡易な操作によりアリールアルキルカ
ルボン酸またはそのエステルを選択的に水素化し、高効
率でアリールアルキルアルコールを製造する方法を提供
しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、水素化触媒に着目して鋭意検討を重ねた
結果、安価な非塩化ルテニウム化合物および非塩化スズ
化合物を担体に担持してなる触媒を用いることにより、
アリールアルキルカルボン酸またはそのエステルからア
リールアルキルアルコールが直接に、しかも高収率で得
られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明の固体触媒は、非塩化ルテ
ニウム化合物および非塩化スズ化合物と、それらを担持
している担体を含むことを特徴とするものである。
【0008】本発明のアリールアルキルアルコールの製
造方法は、下記一般式(I):
【化2】 〔但し、式(I)中RおよびR′は、それぞれ互に他か
ら独立に水素原子又はアルキル基を示す〕で表されるア
リールアルキルカルボン酸およびそのエステルから選ば
れた少なくとも1種を、前記固体触媒の存在下に水素化
することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明のアリールアルキルアルコールの製法に
原料として用いられる式(I)のアリールアルキルカル
ボン酸またはそのエステルとしては、フェニル酢酸エチ
ル、パラターシャリーブチルフェニル酢酸エチルなどが
あげられ、それらは溶媒を用いること無しにそのまま反
応に供することができる。
【0010】式(I)において、R、又はR′により表
されるアルキル基は1〜12個の炭素原子を有するもの
であることが好ましく、これらは直鎖状、分岐鎖のいづ
れであってもよい。
【0011】本発明の固体触媒は、非塩化ルテニウム化
合物および非塩化スズ化合物を担体に担持してなる触媒
であり、ルテニウムおよびスズを含むことを必須とする
ものである。前記触媒における非塩化ルテニウム化合物
の担持量は金属換算で通常0.01〜20%程度(重量
%、以下同様)であることが好ましく、さらには0.1
〜10%であることがより好ましい。また、ルテニウム
とスズの割合は金属原子比で1:0.1〜1:20であ
ることが好ましく、より好ましくは1:1〜1:10で
ある。
【0012】また本発明に用いられる触媒担体の種類に
は特に制限はなく、各種公知のもの、たとえばアルミ
ナ、シリカ、チタニア、ジルコニアなどを用いることが
できる。これらのうちでも特にアルミナまたはアルミナ
ゾルを用いることが好ましい。
【0013】ルテニウム化合物およびスズ化合物の担体
への担持方法には特に制限はなく、たとえば共沈法、混
練法、含浸法、ゾル−ゲル法等の各種公知の方法により
担持させることができるが、本発明のアリールアルキル
アルコールの製法に用いる固体触媒においては上記担持
方法のなかでも含浸法による担持方法を用いることが好
ましい。
【0014】本発明に用いられる非塩化ルテニウム化合
物としては、アセチルアセトナートルテニウムや、ルテ
ニウム原子がエチレンジアミン、フェナンスロリン、ビ
ピリジンなどのキレート化剤と結合しているルテニウム
キレート錯体、ルテニウムカルボニル錯体、ルテニウム
アルコキシド等があげられるが、本発明のアリールアル
キルアルコール製法に用いる固体触媒には、硝酸根また
は亜硝酸根を有する可溶性非塩化ルテニウム化合物を用
いることが好ましい。
【0015】本発明に用いられる前記非塩化スズ化合物
としては、酸化スズ、並びにスズアルコキシドやアセチ
ルアセトナートスズ等のスズキレート錯体等があげられ
るが、本発明のアリールアルキルアルコール製法に用い
られる固体触媒には、安価な酸化スズを用いることが好
ましい。スズキレート錯体を用いる場合、スズのキレー
ト化剤がβ−ジケトン、特にアセチルアセトンであるこ
とが好ましい。
【0016】本発明の固体触媒は、通常の水素ガス流通
還元法で還元処理を行なわれたものであることが好まし
い。この場合の処理温度は通常50〜900℃程度、好
ましくは200〜800℃であり、処理時間は通常1〜
10時間、好ましくは3〜5時間である。
【0017】また本発明の固体触媒は、前記還元処理
後、酸素の存在下で処理されたもの、例えば空気酸化処
理を施されたものであることが好ましい。この場合の酸
化処理温度は通常5〜400℃程度、好ましくは10〜
200℃であり、処理時間は通常10分〜48時間、好
ましくは20分〜5時間である。このようにして、水素
ガス還元処理および酸化処理された本発明の固体触媒
は、反応器に充填され、所望の接触反応に供される。
【0018】本発明の固体触媒の使用量は、たとえば回
分式による場合、アリールアルキルカルボン酸またはそ
のエステル1部(重量部、以下同様)に対して、通常
0.1〜50部程度、好ましくは1〜20部であること
が好ましい。
【0019】本発明方法における水素化反応は、通常1
50〜400℃程度、好ましくは200〜300℃の範
囲の温度、および通常10〜300kg/cm2 、好ましく
は30〜150kg/cm2 の範囲の圧力下において行なわ
れることが好ましい。
【0020】また、本発明方法による水素化反応におい
て、溶媒の存在は必ずしも必要としないが、エタノー
ル、ジオキサン、ジグライムなどの溶媒を使用してもよ
い。また、反応形式も流通式、回分式のいずれの方法も
採用できる。
【0021】本発明方法による水素化反応の反応時間
は、原料の種類、ルテニウムおよびスズの担持量、触媒
の調製条件、触媒の使用量、溶媒の種類、反応温度、水
素圧によって異なるが、通常1〜100時間、好ましく
は1〜50時間である。
【0022】本発明を下記実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0023】
【実施例】実施例1 (1)固体触媒の調製(混練法) 300ミリリットルのナス型フラスコに、ルテニウム−
トリスアセチルアセトナト3.98gおよび濃硝酸80
gを加えて80℃で14時間攪拌した。次にこの反応混
合物から過剰の濃硝酸をエバポレーターで留去した後、
得られたルテニウム化合物を20ミリリットルのエタノ
ールに溶解した。別に、γ−アルミナ14.3gと酸化
スズ5.97gに少量の水を加えて混練した。これを乾
燥し、これに前記のルテニウム−エタノール溶液を加
え、1晩含浸させた。この混合物からエバポレーターで
溶媒を留去した後、残留物に、水素気流中、400℃で
4時間還元処理を施し、次に空気酸化して触媒を調製し
た。
【0024】(2)水素化反応 内容積200ミリリットルの電磁攪拌式オートクレーブ
中に、フェニル酢酸エチル80gを仕込み、前記工程
(1)により調製した触媒4gを加え、水素圧80kg/
cm2 、温度240℃の反応条件で15時間反応させた。
【0025】反応生成物はガスクロマトグラフィーを用
いて分析した。また、転化率は原料のフェニル酢酸エチ
ルの転化率であり、選択率は反応した原料のフェニル酢
酸エチルに対するフェネチルアルコールの割合である。 転化率89.0%、選択率93.7%
【0026】実施例2 (1)固体触媒の調製(混練法) 実施例1の工程(1)において、γ−アルミナの量を1
6.02gに、また酸化スズの量を2.98gに変えた
ほかは実施例1と同様にして触媒を調製した。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒を、本実施
例2の上記工程(1)で調製した触媒にかえたほかは実
施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を行なっ
た。その結果は下記の通りであった。 転化率93.2%、選択率81.9%
【0027】実施例3 (1)固体触媒の調製(混練法) 実施例1の工程(1)において、γ−アルミナの量を7
gに、また酸化スズの量を11.93gに変えたほかは
実施例1と同様にして触媒を調製した。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒を、本実施
例3の上記工程(1)で調製した触媒にかえたほかは実
施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を行なっ
た。その結果は下記の通りであった。 転化率58.0%、選択率95.0%
【0028】実施例4 (1)固体触媒の調製(含浸法) γ−アルミナ12.5gに、硝酸ルテニウムニトロシル
溶液(Ru:5%)15gを加え、1晩含浸させた。エ
バポレーターで溶媒を留去した後、スズ−ビスアセチル
アセトナト50wt%エタノール溶液9.7gを加え、1
晩含浸させた。エバポレーターで溶媒を留去した後、水
素気流中、400℃で4時間還元処理し、その後空気酸
化をして触媒を調製した。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本実施例4の上記工程(1)で調製した触媒を用いたほ
かは実施例1の工程(2)と同様に水素化反応を行なっ
た。その結果は下記の通りであった。 転化率95.1%、選択率94.4%
【0029】実施例5 (1)固体触媒の調製(含浸法) 300ミリリットルのナス型フラスコにルテニウム−ト
リスアセチルアセトナト2.96gおよび濃硝酸60g
を加えて80℃で14時間攪拌した。ついで過剰の濃硝
酸をエバポレーターで留去した後、得られたルテニウム
化合物を20ミリリットルのエタノールに溶解した。γ
−アルミナ12.5gに、前記のルテニウム−エタノー
ル溶液を加え、1晩含浸させた。エバポレーターで溶媒
を留去した後、スズ−ビスアセチルアセトナト50wt%
エタノール溶液9.7gを加え、1晩含浸させた。エバ
ポレーターで溶媒を留去した後、水素気流中、400℃
で4時間還元処理し、その後空気酸化をして触媒を調製
した。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに本
実施例5の上記工程(1)で調製した触媒を用いたこと
を除き、実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応
を行なった。その結果は下記の通りであった。 転化率97.4%、選択率95.4%
【0030】実施例6 (1)固体触媒の調製(含浸法) 実施例5の工程(1)と同様の触媒調製操作を行った。
但し、スズ−ビスアセチルアセトナト50wt%エタノー
ル溶液9.7gの代りに、スズ−テトラブトキシド6.
1gをエタノール20ミリリットルに溶解した溶液を用
いた。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本実施例6の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果は下記の通りであった。 転化率91.9%、選択率94.9%
【0031】実施例7 (1)固体触媒の調製(含浸法) 実施例6の工程(1)と同様の触媒調製操作を行った。
但し、スズ溶液の含浸の後にルテニウム溶液含浸を行っ
た。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本実施例7の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果は下記の通りであった。 転化率91.1%、選択率96.6%
【0032】実施例8 (1)固体触媒の調製(含浸法) 実施例4の工程(1)と同様の触媒調製操作を行った。
但し、スズ−ビスアセチルアセトナト50wt%エタノー
ル溶液9.7gの代りに、スズ−テトラブトキシド6.
1gをエタノール20ミリリットルに溶解した溶液を用
いた。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本実施例8の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果は下記の通りであった。 転化率93.7%、選択率93.8%
【0033】実施例9 (1)触媒の調製(ゾル・ゲル法) 300ミリリットルのナス型フラスコに、ルテニウム−
トリスアセチルアセトナト2.96g、および濃硝酸6
0gを加えて80℃で14時間攪拌した。次に過剰の濃
硝酸をエバポレーターで留去した後、得られたルテニウ
ム化合物を20ミリリットルのエタノールに溶解した。
別に、500ミリリットルの4口フラスコに、アルミニ
ウム−トリスイソプロポキシド50g、およびヘキシレ
ングリコール140gを加えて110℃で攪拌して溶液
とした。これを80℃まで放冷した後、100mmHgの減
圧下1時間攪拌した。次にこれに前記のルテニウム−エ
タノール溶液およびスズ−ビスアセチルアセトナト50
wt%エタノール溶液9.7gを加え2時間攪拌した後、
100mmHgの減圧下1時間攪拌した。この溶液を水90
g、ヘキシレングリコール60gの混合溶液中に加え
て、1晩攪拌してゲル状物質を得た。このゲル状物質を
150℃の油浴中で、エバポレーターで減圧しながら加
熱乾燥して、内部にルテニウム化合物およびスズ化合物
が均一に分散したアルミナゲル21.6gを得た。これ
を水素気流中、400℃で4時間還元処理し、その後空
気酸化をして触媒を調製した。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本実施例9の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果は下記の通りであった。 転化率94.8%、選択率94.1%
【0034】実施例10 (1)固体触媒の調製(ゾル・ゲル法) 実施例9の工程(1)と同様にして触媒調製を行った。
但し、スズ−ビスアセチルアセトナト50wt%エタノー
ル溶液9.7gの代りに、スズ−テトラブトキシド6.
1gをエタノール20ミリリットルに溶解した溶液を用
いた。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本実施例10の上記工程(1)で調製した触媒を用い、
その他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応
を行なった。その結果は下記の通りであった。 転化率88.4%、選択率93.2%
【0035】比較例1 (1)固体触媒の調製(混練法) γ−アルミナ14.3gと酸化スズ5.97gと酸化ル
テニウム1.923g(Ru含量52%)に少量の水を
加えて混練した。これを乾燥させた後、水素気流中、4
00℃で4時間還元処理して触媒を調製した。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本比較例1の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果は下記の通りであった。 転化率14.9%、選択率92.1%
【0036】比較例2 (1)固体触媒の調製(ゾル・ゲル法) 実施例9の工程(1)と同様の触媒調製を行った。但
し、アルミナゲルを水素気流中、400℃で4時間還元
処理し、その後空気酸化させずに触媒を調製した。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本比較例2の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果を下記に示す。 転化率58.1%、選択率98.0%
【0037】比較例3 (1)固体触媒の調製(含浸法) 実施例4の工程(1)と同様にして触媒調製を行った。
但し、金属原料として三塩化ルテニウム水和物1.94
gおよび二塩化スズ水和物3.35gを用い、それぞれ
を20ミリリットルのエタノールに溶解して溶液とし
た。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本比較例3の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果を下記に示す。 転化率41.4%、選択率97.7%
【0038】比較例4 (1)固体触媒の調製(ゾル・ゲル法) 実施例9の工程(1)と同様の触媒調製を行った。但
し、金属原料として三塩化ルテニウム水和物1.94g
および二塩化スズ水和物3.35gを用い、それぞれを
20ミリリットルのエタノールに溶解して溶液とした。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本比較例4の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果を下記に示す。 転化率37.8%、選択率98.5%
【0039】比較例5 (1)固体触媒の調製(含浸法) 実施例6の工程(1)と同様の触媒調製を行った。但
し、触媒の担体としてシリカ(Davisson社製)12.5
gを用いた。 (2)水素化反応 実施例1の工程(2)において使用した触媒の代りに、
本比較例5の上記工程(1)で調製した触媒を用い、そ
の他は実施例1の工程(2)と同様にして水素化反応を
行なった。その結果を下記に示す。 転化率55.9%、選択率98.3%
【0040】
【発明の効果】本発明の固体触媒は、触媒活性成分とし
て非塩化ルテニウム化合物および非塩化スズ化合物を含
むため、すぐれた水素化活性を示し、本発明方法におい
ては、この固体触媒を用いているため、アリールアルキ
ルカルボン酸およびそのエステルを、高転化率および高
選択率をもって水素化してアリールアルキルアルコール
を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 孝美 埼玉県川越市今福2835 川研ファインケミ カル株式会社埼玉事業所内 (72)発明者 水上 富士夫 茨城県つくば市東1丁目1番 物質工学工 業技術研究所内 (72)発明者 丹羽 修一 茨城県つくば市東1丁目1番 物質工学工 業技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非塩化ルテニウム化合物および非塩化ス
    ズ化合物と、それらを担持している担体とを含むことを
    特徴とする固体触媒。
  2. 【請求項2】 前記担体がアルミナである、請求項1記
    載の固体触媒。
  3. 【請求項3】 前記ルテニウム化合物が、硝酸または亜
    硝酸根を有する可溶性非塩化ルテニウム化合物である、
    請求項1記載の固体触媒。
  4. 【請求項4】 前記スズ化合物が酸化スズである、請求
    項1に記載の固体触媒。
  5. 【請求項5】 前記スズ化合物が、キレート化剤と結合
    している可溶性非塩化スズ化合物である、請求項1記載
    の固体触媒。
  6. 【請求項6】 前記キレート化剤がβ−ジケトンであ
    る、請求項5記載の固体触媒。
  7. 【請求項7】 前記β−ジケトンがアセチルアセトンで
    ある、請求項6記載の固体触媒。
  8. 【請求項8】 前記固体触媒が水素雰囲気下で還元活性
    化されたものである、請求項1〜7項のいづれか1項に
    記載の固体触媒。
  9. 【請求項9】 前記固体触媒が、前記水素還元活性化
    後、酸素存在下で処理されたものである、請求項8に記
    載の固体触媒。
  10. 【請求項10】 下記一般式: 【化1】 (但し、RおよびR′は、それぞれ互に他から独立に水
    素原子またはアルキル基を示す)で表されるアリールア
    ルキルカルボン酸およびそのエステル類から選ばれた少
    なくとも1種を、請求項1〜9項のいづれか1項に記載
    の固体触媒の存在下に水素化することを特徴とするアリ
    ールアルキルアルコールの製造方法。
JP19672094A 1993-12-21 1994-08-22 新規なルテニウム/スズ含有固体触媒およびそれを用いるアリールアルキルアルコールの製造方法 Pending JPH07227541A (ja)

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JP2008260758A (ja) * 2007-03-16 2008-10-30 Takasago Internatl Corp アルコール類の製造方法

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