JPH07118187A - 有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エステルの水素化方法 - Google Patents

有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エステルの水素化方法

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JPH07118187A
JPH07118187A JP5266381A JP26638193A JPH07118187A JP H07118187 A JPH07118187 A JP H07118187A JP 5266381 A JP5266381 A JP 5266381A JP 26638193 A JP26638193 A JP 26638193A JP H07118187 A JPH07118187 A JP H07118187A
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catalyst
carboxylic acid
acid
reaction
metal component
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JP5266381A
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Yoshinori Hara
善則 原
Hiroyoshi Endou
浩悦 遠藤
Hiroko Inagaki
裕子 稲垣
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Mitsubishi Chemical Corp
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  • Furan Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温和な条件で効率よく水素化反応を進行させ
ることができる触媒を用いて、有機カルボン酸及び/又
はカルボン酸エステルの水素化を行う方法を提供する。 【構成】 有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エステ
ルを、触媒の存在下、水素と接触させて水素化するに際
し、Ru、Rh、Pd、Pt及びReよりなる群から選
ばれた貴金属成分、又は貴金属成分と第2金属成分をそ
れぞれコバルトに担持してなる触媒を用いることを特徴
とする有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エステルの
水素化方法。 【効果】 本発明の触媒を用いることにより、有機カル
ボン酸及び/又はカルボン酸エステルから、接触的水素
化反応により、高収率かつ高選択的にて水素化生成物を
有利に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機カルボン酸及び/又
はカルボン酸エステルの水素化方法に係り、特にRu、
Rh、Pd、Pt及びReよりなる群から選ばれた貴金
属成分をコバルトに担持してなる触媒の存在下、有機カ
ルボン酸及び/又はカルボン酸エステルの水素化反応
を、温和な条件で効率良く進行させることができる有機
カルボン酸及び/又はカルボン酸エステルの水素化方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機カルボン酸及び/又はカルボ
ン酸エステルを水素化して対応するアルコール類を製造
する方法は数多く知られている。例えば、有機カルボン
酸からアルコールを得る方法としては、カルボン酸を予
め低級アルコールでエステル化した後、Adkins触
媒(銅クロマイト系触媒)で接触還元する方法が良く知
られている。しかし、この接触還元は、一般に200気
圧以上の水素圧下で行なわれるので、エネルギー的にも
設備的にも、不経済な方法である。また、このような銅
系の触媒を使う限り、有機カルボン酸を直接還元するこ
とができず、カルボン酸を一旦カルボン酸エステルに転
換して還元しなければならないという問題もある。
【0003】一方、有機カルボン酸を直接接触還元でき
る触媒も知られており、周期表第VIII族の貴金属とレニ
ウム、錫又はゲルマニウムを組み合わせた触媒が提案さ
れている。例えば、米国特許4,104,478号明細
書にはルテニウム担持活性炭触媒に酸化レニウムを添加
することにより、アルコールの選択性が向上することが
記載されている。また、米国特許4,659,686号
明細書には、活性炭に担持したパラジウム−レニウム触
媒を用いて、マレイン酸水溶液からテトラヒドロフラン
又はγ−ブチロラクトンを製造する方法が記載されてい
る。更に、欧州特許282,409号明細書には、多孔
質担体にルテニウム−錫を担持した触媒を用いる高級脂
肪酸エステルの水素化反応が記載されている。
【0004】これらの方法は、生成するアルコール類又
はエーテル類の選択性が比較的高いものの反応活性的に
十分満足しうる結果が得られていなかったし、反応性を
高めるために極めて高い水素圧の条件下で反応を行う必
要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決し、温和な条件で効率良く水素化反応を進行
させることができる触媒を用いて、有機カルボン酸及び
/又はカルボン酸エステルの水素化を行う方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エステ
ルを、触媒の存在下、水素と接触させて水素化するに際
し、Ru、Rh、Pd、Pt及びReよりなる群から選
ばれた貴金属成分をコバルトに担持してなる触媒を用い
ることを特徴とし、また、本発明の請求項2に記載の発
明は、有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エステル
を、触媒の存在下、水素と接触させて水素化するに際
し、Ru、Rh、Pd、Pt及びReよりなる群から選
ばれた貴金属成分と、錫及びゲルマニウムから選ばれた
金属成分とをコバルトに担持してなる触媒を用いること
を特徴とする。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明に係
る水素化方法が適用される原料物質は、有機カルボン酸
及び/又はカルボン酸エステルである。本発明において
有機カルボン酸とは、その酸無水物をも包含する広義の
有機カルボン酸を意味する。これら有機カルボン酸及び
カルボン酸エステルとしては、特に制限はなく、具体的
には、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、ウンデセン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、シュウ酸、マレイ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、安息香酸、フタル酸、これらのエステル、無水フ
タル酸、無水マレイン酸などが挙げられる。カルボン酸
エステルを構成するところのアルコール部は特に限定さ
れるものではないが、メタノール、エタノール等の低級
アルコールよりなるものが好ましい。
【0008】本発明では、原料物質として、炭素数1〜
15の脂肪族モノカルボン酸及びそのエステル、あるい
は、炭素数4〜6のジカルボン酸及びそのエステル、又
はその酸無水物が好適に用いられる。なお、炭素数4の
ジカルボン酸類を本発明方法による水素化反応に供する
と、相当するジオールの他に、ラクトン又は環状エーテ
ル等が水素化生成物として得られる。
【0009】本発明方法に従い上記原料物質を水素化す
る際には、コバルト担持貴金属触媒を使用する。触媒を
構成する活性成分は、Ru、Rh、Pd、Pt及びRe
よりなる群の貴金属成分から選ばれる。これら貴金属成
分の中では、Ru、Pd及びReが好適である。また、
本発明では、この貴金属成分の他に、更に、錫及びゲル
マニウムの少なくとも1種(以下、「第2金属成分」と
いう。)を触媒中に共存させるのが、生成物の選択性向
上の面で好ましい。
【0010】これらの貴金属成分及び第2金属成分の原
料化合物としては、硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸塩が一般
的に使用されるが、酢酸等の有機酸塩、水酸化物、酸化
物又は錯塩などを使用することもできる。上記の貴金属
成分及び第2金属成分は、担体に担持させて使用する。
本発明では、担体としてコバルトを使用する。コバルト
は通常、硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸塩、酢酸塩、水酸化
物、酸化物等の化合物形態で触媒調製に用いる。なかで
も塩基性炭酸コバルト又は水酸化コバルトを触媒調製に
用いるのが好適である。
【0011】触媒の調整法は、一般に知られている共沈
法、エバポレーションやスプレー噴霧による強制担持
法、含浸法等が採用される。好適には、水酸化コバル
ト、炭酸コバルト、酸化コバルトなどの溶媒に不溶なコ
バルト化合物の懸濁液に、溶媒に溶解させた貴金属成分
及び第2金属成分を添加した後、溶媒を留去する方法が
採用される。この際の溶媒としては、水が好適である。
溶媒留去の後、更に数倍当量のアルカリ金属、アルカリ
土類金属、アンモニア等の水酸化物または炭酸塩等のア
ルカリで処理して貴金属成分及び第2金属成分の担持を
強化することもできる。
【0012】触媒成分をコバルト化合物に担持させた後
は、水洗し、20〜250℃の温度で充分乾燥させる。
担持触媒を水素化反応に使用する際には、使用直前に還
元処理を施して活性化するのが好ましい。還元処理を行
う場合には、公知の液相還元処理、気相還元処理が挙げ
られ、中でも水素気流下で加熱する気相還元処理が好適
である。この場合の温度範囲は、通常、100〜500
℃、好ましくは150〜400℃で選ばれる。
【0013】こうして得られた触媒の構造に関しては、
現在のところ解明されていないが、上記の還元処理を行
うことにより、貴金属成分、第2金属成分及びコバルト
は、その一部又は全部が金属にまで還元されるものと推
定される。なお、このようにして得られた触媒は、アル
ミナゾル、シリカゲル、グラファイト又はタルク等のバ
インダーを混合して成形した後、反応に使用することも
可能である。これらのバインダーは、触媒全重量に対し
て、通常、0.1〜40重量%の範囲で使用される。好
ましくは0.5〜30重量%、特に0.5〜10重量%
使用するのがよい。
【0014】貴金属成分のコバルトに対する担持量は特
に制限はないが、貴金属のコストを考えると0.1〜2
0重量%の範囲になるように調整することが好ましい。
また、第2金属成分の担持量も特に制限はないが、貴金
属成分に対して、通常、0〜20重量倍量、好ましくは
0.5〜10重量倍量共存させるのが、生成物の選択性
向上の観点から好ましい。
【0015】本発明方法に従い有機カルボン酸及び/又
はカルボン酸エステルの水素化反応を遂行する場合に
は、前記触媒を用い、通常、温度130〜350℃、好
ましくは180〜300℃、水素圧10〜300kg/
cm2、好ましくは50〜200kg/cm2の条件下で
行なわれる。この場合、反応方式は液相懸濁反応又は固
定床反応のいずれであってもよい。また、水素化反応
は、無溶媒で行なっても良いし、必要に応じて、反応に
悪影響を与えない種類の溶媒を使用してもよい。溶媒と
しては特に制限されないが、水;メタノール、エタノー
ル、オクタノール、ドデカノール等のアルコール類;テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、テトラエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類;その他、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、デカリン等の炭化水素類が挙げら
れる。
【0016】回分反応の場合には、使用される触媒の量
は、原料物質である有機カルボン酸及び/又はカルボン
酸エステル100重量部に対し、0.1〜100重量部
であることが望ましいが、反応温度又は反応圧力等の諸
条件に応じ、実用的な反応速度が得られる範囲内におい
て任意に選択できる。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、
以下の実施例1〜6及び比較例1、2の無水マレイン酸
の水素化では反応機構及び反応生成物の分析結果等から
みて、(無水)マレイン酸が水素化し、(無水)コハク
酸となり、次いでγーブチロラクトンとなり、更に1,
4ーブタンジオール又はテトラヒドロフランを生成する
ものと推定される。
【0018】また、以下において「%」は担体をベース
に貴金属成分及び第2金属成分の金属量の「重量%」を
示す。 実施例1 攪拌翼を装備した容量1リットルの三ツ口フラスコに、
室温で、水300mlと塩基性炭酸コバルト(和光純薬工
業(株)製)34.5gとを仕込み、攪拌下懸濁させ、
この懸濁液にRuCl3・3H204.5gの水溶液50
mlを30分を要して滴下し、滴下終了後更に3時間攪拌
を続けた。これに水酸化ナトリウム10gの水溶液20
mlを添加してさらに1時間攪拌した。得られた暗色の沈
澱を濾別し、400mlの水で5回洗浄した後、70℃、
数mmHgの条件下で乾燥した。茶黒色を呈する粉末状のル
テニウム担持触媒31.9gを、水素雰囲気下、200
℃で2時間還元処理して、5%Ru/Coの触媒を調製
した。
【0019】容量200mlのオートクレーブに、室温
で、無水マレイン酸7.5gを水17.5gに溶解した
溶液と、上記方法で調製した触媒2gとを仕込み、攪拌
しつつ、20Kg/cm2の水素を圧入し、内温を240℃
まで昇温した。次に、内温を240℃に維持しつつ、水
素を圧入して水素圧を100Kg/cm2まで高め、この圧
力下で2時間反応を行った。反応終了後、生成物につい
てガスクロマトグラフ法によって分析し、その結果を表
1に示した。
【0020】比較例1 容量30mlのサンプル瓶に、RuCl3・3H201.8
1gを5N−HCl水溶液とエタノールの混合液(1:
1容積比)10mlに溶解したものを入れ、これに担体と
してSiO2(富士デヴィソン社製、比表面積609m2
/g、細孔容量0.37ml/g)を9.30g加え、よ
く振とうした。その後、内容物を容量100mlのナス型
フラスコに移し、回転減圧乾燥機で60℃、25mmHgの
条件下で、溶媒の水を除去した。次いで窒素雰囲気下、
150℃の温度で2時間焼成処理し、さらに水素雰囲気
下、300℃の温度で2時間還元処理して、7%Ru/
SiO2の触媒を調製した。
【0021】この触媒を用い、実施例1に記載の例にお
けると同様の手順で無水マレイン酸の水素添加反応を行
った。反応生成物についての分析結果を、表1に示し
た。
【0022】実施例2 RuCl3・3H20に代えてRhCl3・3H2Oを4.
5g用い、水素雰囲気下、300℃で2時間還元処理し
たほかは、実施例1におけると同様の手順で触媒調製を
行い、5.1%Rh/Coの触媒を調製した。この触媒
を用い、実施例1に記載の例におけると同様の手順で無
水マレイン酸の水素添加反応を行った。反応生成物につ
いての分析結果を、表1に示した。
【0023】実施例3 RuCl3・3H20に代えてPdCl2を3.1g用
い、水素雰囲気下、300℃で2時間還元処理したほか
は、実施例1におけると同様の手順で触媒調製を行い、
5.2%Pd/Coの触媒を調製した。この触媒を用
い、実施例1に記載の例におけると同様の手順で無水マ
レイン酸の水素添加反応を行った。反応生成物について
の分析結果を、表1に示した。
【0024】実施例4 RuCl3・3H20に代えてH2PtCl6・6H2Oを
4.5g用い、エバポレーションによる強制担持を行
い、水素雰囲気下、300℃で2時間還元処理したほか
は、実施例1におけると同様の手順で触媒調製を行い、
9.6%Pt/Coの触媒を調製した。この触媒を用
い、実施例1に記載の例におけると同様の手順で無水マ
レイン酸の水素添加反応を行った。反応生成物について
の分析結果を、表1に示した。
【0025】実施例5 RuCl3・3H20に代えてRe27を4.2g用い、
エバポレーションによる強制担持を行い、水素雰囲気
下、350℃で2時間還元処理したほかは、実施例1に
おけると同様の手順で触媒調製を行い、9.2%Re/
Coの触媒を調製した。この触媒を用い、実施例1に記
載の例におけると同様の手順で無水マレイン酸の水素添
加反応を行った。反応生成物についての分析結果を、表
1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例6 攪拌翼を装備した容量500mlの三ツ口フラスコに、室
温で、水150mlと塩基性炭酸コバルト(和光純薬工業
(株)製)17.3gとを仕込み、攪拌下懸濁させ、こ
の懸濁液にRuCl3・3H202.3gとSnCl2
2H2O2.0gの水溶液25mlを30分を要して滴下
し、滴下後更に1時間攪拌を続けた。これに水酸化ナト
リウム5gの水溶液10mlを添加して、さらに1時間攪
拌した。得られた暗色の沈澱を濾別し、200mlの水で
5回洗浄した後、70℃、数mmHgの条件下で乾燥した。
茶黒色を呈する粉末状のルテニウム担持触媒33.74
gを得た。水素雰囲気下、200℃で2時間還元処理し
て5.0%Ru−5.9%Sn/Coの触媒を調製し
た。
【0028】この触媒を用い、実施例1に記載の例にお
けると同様の手順で無水マレイン酸の水素添加反応を行
った。反応生成物についての分析結果を、表2に示し
た。 比較例2 容量30mlのサンプル瓶に、RuCl3・3H20を2.
71gとSnCl2・2H2Oを1.43gとを5N−H
Cl水溶液とエタノールの混合液(1:1容積比)4.
9mlに溶解したものを入れ、これに担体としてSiO2
(富士デヴィソン社製、比表面積609m2/g、細孔
容量0.37ml/g)を13.2g加え、よく振とうし
た。その後、内容物を容量100mlのナス型フラスコに
移し、回転減圧乾燥機で60℃、25mmHgの条件下で、
溶媒の水を除去した。次いで窒素雰囲気下、150℃の
温度で2時間焼成処理し、さらに水素雰囲気下、300
℃の温度で2時間還元処理して、7%Ru/SiO2
触媒を調製した。
【0029】容量200mlのオートクレーブに、室温
で、無水マレイン酸15gを水35gに溶解した溶液
と、上記方法で調製した触媒4gとを仕込み、攪拌しつ
つ、20Kg/cm2の水素を圧入し、内温を240℃まで
昇温した。次に、内温を240℃に維持しつつ、水素を
圧入して水素圧を100Kg/cm2まで高め、この圧力下
で2時間反応を行った。反応終了後、生成物についてガ
スクロマトグラフ法によって分析し、その結果を表2に
示した。
【0030】
【表2】
【0031】実施例7 容量200mlの誘導攪拌式オートクレーブに、室温で、
ラウリン酸メチル20g(94mmol)と実施例6で
調製した5.0%Ru−5.9%Sn/Co触媒2gと
を仕込み、10Kg/cm2の水素雰囲気下、内温を230
℃まで昇温した。内温が230℃に達した時点で水素を
圧入して、水素圧を100Kg/cm2に高め、この圧力で
4時間反応を行った。
【0032】反応生成物を分析した結果、未反応のラウ
リン酸メチルが23.2mmol、ラウリルアルコール
が43.7mmol及びラウリン酸ラウリレートが8.
4mmol、それぞれ生成していた。
【0033】実施例8 SnCl2・2H2Oを4.0g用い、実施例6における
と同様な手順で触媒調製を行い、5.0%Ru−11.
8%Sn/Coの触媒を調製した。この触媒を用い、実
施例7に記載の例におけると同様の手順でラウリル酸メ
チルの水素添加反応を行った。反応生成物を分析した結
果、未反応のラウリン酸メチルが18.1mmol、ラ
ウリルアルコールが50.8mmol及びラウリン酸ラ
ウリレートが11.3mmol、それぞれ生成してい
た。
【0034】実施例9 SnCl2・2H2Oを19.4g用い、水素気流下、3
00℃で、2時間還元処理したほかは実施例6と同様な
手順で触媒調製を行い、5.0%Ru−57%Sn/C
oの触媒を調製した。この触媒を2.7g用い、実施例
7に記載の例におけると同様の手順でラウリル酸メチル
の水素添加反応を行った。反応生成物を分析した結果、
未反応のラウリン酸メチルが6.1mmol、ラウリル
アルコールが65.7mmol及びラウリン酸ラウリレ
ートが11.3mmol、それぞれ生成していた。
【0035】比較例3 容量70mlのミクロオートクレーブに、室温で、ラウリ
ン酸メチル5.0g(23mmol)と比較例2で調製
した8.0%Ru−5.7%Sn/SiO2触媒0.5
gとを仕込み、100Kg/cm2の水素を圧入し、内温を
230℃に昇温し、この温度で2時間反応を行った。得
られた反応生成物を分析した結果、未反応のラウリン酸
メチルが15.5mmol、ラウリルアルコールが4.
6mmolラウリン酸ラウリレートが1.0mmol、
それぞれ生成していた。
【0036】表1及び表2中、略号は以下の意味であ
る。 CML:無水マレイン酸 THF:テトラヒドロフラン GBL:γ−ブチロラクトン BOD:1,4−ブタンジオール 表1、表2、実施例7〜実施例9及び比較例3より、次
のことが分かる。 (1)本発明の請求項1の方法によるときは、SiO2
を担体とした触媒に比べて、マレイン酸の水素化生成物
の収率が高い(実施例1〜実施例5、比較例1参照)。 (2)本発明の請求項2の方法によるときは、SiO2
を担体とした触媒に比べて、最終水素化生成物である
1,4−ブタンジオールの選択率が高い(実施例6及び
比較例2参照)。 (3)本発明方法によるときは、SiO2を担体とした
触媒に比べて、ラウリル酸メチルの水素化生成物である
ラウリルアルコールの選択率が高い(実施例7〜実施例
9及び比較例3)。
【0037】
【発明の効果】本発明の有機カルボン酸及び/又はカル
ボン酸エステルの水素化方法によれば、有機カルボン酸
及び/又はカルボン酸エステルから、接触的水素化反応
により、高収率かつ高選択的にて水素化生成物を有利に
得ることができ、その工業的利用価値は極めて大であ
る。また、請求項2による方法では、水素化生成物の選
択性がより向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 29/145 9159−4H C07D 307/08 307/33 // C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エ
    ステルを、触媒の存在下、水素と接触させて水素化する
    に際し、Ru、Rh、Pd、Pt及びReよりなる群か
    ら選ばれた貴金属成分をコバルトに担持してなる触媒を
    用いることを特徴とする有機カルボン酸及び/又はカル
    ボン酸エステルの水素化方法。
  2. 【請求項2】 有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エ
    ステルを、触媒の存在下、水素と接触させて水素化する
    に際し、Ru、Rh、Pd、Pt及びReよりなる群か
    ら選ばれた貴金属成分と、錫及びゲルマニウムから選ば
    れた金属成分とをコバルトに担持してなる触媒を用いる
    ことを特徴とする有機カルボン酸及び/又はカルボン酸
    エステルの水素化方法。
JP5266381A 1993-10-25 1993-10-25 有機カルボン酸及び/又はカルボン酸エステルの水素化方法 Pending JPH07118187A (ja)

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