JP2008260279A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】用紙対応力が広く、特に商業印刷用紙に対してフルカラー印字が可能で、安価で、印字品位が良好であって、商業印刷物に近い質感の印字物が簡便に高速に印字でき、印刷物の耐擦性にも優れる、理想的なインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも一層の顔料を含有する塗工層を塗布してなるメディアにインクを飛翔させて、該メディアに印字するインクジェット記録方法であって、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアの前記塗工層を有する面への転移量が30ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアの前記塗工層を有する面への転移量が35ml/m以下であって、塗工層を有する紙面pHが8以上であるメディアに対し、粒子状の色材とエマルジョン樹脂および界面活性剤を少なくとも含有するpH8以上のインクを用いてインク付着量15g/m以下で印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット方式によりオフセット印刷等の商業用印刷に近い高画質画像を記録することができる記録用メディア、インクメディアセット及びこれを用いたインクジェット記録方法、並びに、インク記録物に関する。
インクジェット記録は、被記録材(メディア)を比較的選ばない優れた記録方法として知られており、記録装置、記録方法、記録材料などについて研究開発が盛んに行われている。特にメディアの進化は目覚しいものがあり、インクの吸収速度・吸収量を上げつつ光沢を発現できるよう開発された現在のメディアは、光沢感や品位感において従来の商業印刷を凌ぐレベルにある。これらインクジェット用メディアは、大きく膨潤型と空隙型に分類できるが、最近はインクの乾燥速度に優れる空隙型が主流である。
この空隙型メディアは、特許文献1(特開2005−212327号公報)や特許文献2(特開平11−078225号公報)に開示されるように、シリカやアルミナ水和物を用いて基体上にインクを取り込むための空隙を有するインク吸収層を設け、さらに必要に応じてコロイダルシリカなどを用いて多孔質の光沢層を設けたものが主流である。この特徴的な構成によりインクの吸収性に大変優れ、高精細な出力が得られるため、コンシューマ向けの写真出力用途等に好んで用いられている。
反面このタイプのメディアは原材料が非常に高価でかつ製造工程も複雑であることから、一般の商業・出版印刷向けのコート紙と比較すると非常に高価である。ゆえに画像が高品質であるにも関わらず、チラシ、カタログ、パンフレット等、安価で大量な出力が要求される商業印刷分野ではあまり使用されていない。これまでに用紙コストを低減するための様々な努力がされているが、インクジェットメディアのインク吸収層(受容層)を構成するフィラーは、通常、層の透明性を高く保つことが可能で吸油量(比表面積)の大きい材料を使用する必要があるため、シリカやアルミナ水和物、コロイダルシリカ等の特定の高価なフィラーを多量に使用せざるを得ず、低価格化は非常に難しい状況にある。
またこれらのIJ用紙だけでなく、IJ適性を付与したメディアは全般的に、色材染料の定着性を上げるため、カチオン系の添加剤やサイズ剤を使用し、かつ紙面のpHを酸性寄りにすることが行われる。特許文献3のように添加剤を用いるものや、特許文献4のようにカチオン系微粒子を用いるもの、特許文献5に見られるようにフィラーの表面をカチオン樹脂で処理する等も行われている。一般的に、染料系インクジェットインクにはアニオン性の性質を示す酸性染料が用いられる場合が多い。酸性染料の持つスルホン基などが紙中のカチオン物質と結合することにより染料の定着性を上げることができるためで、この技術は現在広範に使用されている。顔料系インクジェットインクの着色顔料もアニオン性である場合が多く、同様のメカニズムで定着性を上げることができる。これらの理由からインクジェット用紙の場合はインクジェット画像の保存性を優先し、紙面pHを下げる(酸性側)処理が積極的に行われ、インクジェット向けと銘打たれたメディアは殆んど全て紙面pHが7以下となっている。
ところで、オフセット印刷に代表わされる商業印刷用インキは、溶剤として沸点の非常に高い油を使用している場合が多く、インクジェットインクと異なり、印刷後の画像定着は溶剤が酸化重合することで実現されている。
定着に関しても再生紙やコピー用紙等、インク吸収の比較的早いものが対象である。また、インクジェット印字物の乾燥補助手段として加熱ローラを用いることも知られているが、染料系の油性インクを中心に提案されたものであり、水系顔料インクと商業印刷用紙については意図されていない。例えば、インクジェット印字し終わったメディアを裏面から加熱し、乾燥を促進することで定着性を上げる提案(図2〜5参照)がされている。これによると、裏面から加熱することで、乾燥定着が可能であるとされているが、しかしこの方法は画像を直接加熱できないため熱効率が非常に劣る場合が多く、印字後メディア全体に含まれた大量の水分を乾燥させる場合は効果があるが、画像中の湿潤剤(高沸点溶剤)に対しては殆んど効果がない場合が多い。高沸点溶剤を乾燥させようとすると、溶剤にもよるが、一般に百数十度といった高温で加熱しなくてはならず、紙の黄変や変形、最悪の場合発火など、用紙へのダメージが無視できず、全く現実的でない。
オフセット印刷においても作業性の面から乾燥定着(酸化重合反応)が早いことが望まれる為、一般にインキ中にドライヤーと呼ばれる乾燥(重合)促進剤を添加する場合が多い。このドライヤーは酸性雰囲気では金属イオン成分の析出等が発生して効果がなくなってしまうため、インクジェットメディアのような紙面pHが低い紙では乾燥性が大きく低下することが知られている。その他にも、オフセット印刷の際に使用される湿し水(H液)はインクジェットメディアのカチオン物質と反応する場合があり、版の疎水・親水のバランスが崩れ、画像汚れ等の印刷不良が発生しやすいことが知られている。コスト要因だけでなくこのような技術的な理由からも、インクジェットメディアにオフセット印刷をかけることは非常に難しいとされている。
このような中、インクジェットインクを使用し、オフセット印刷に代表わされる商業印刷用のコート紙に印字する試みも一部でされている(特許文献6の特開平06−320755号公報)。しかし、これらの紙には染料を定着させるカチオン物質が少ないか、又は、ない場合が殆んどで、例え印字したとしても耐水性などの画像保存性が非常に劣り、全く実用的でない。
これは、一般に商業印刷用コート紙のコート層には生産性やコストの面からSBRラテックスが多用されていることに起因する。このSBRラテックスはアニオン性の乳化剤を使用しているため、インクジェットメディアに使用されているカチオン定着剤のようなカチオン系の物質と非常に相性が悪い。印刷用コート紙にカチオン性インクジェットインク定着剤を十分含有させようとしても、塗工液がゲル化したり、SBRエマルジョンが沈澱してしまったりして、所望のものが得られないのが実情である。
近年では、インクの色材(以下「着色剤」とも云うこともある)に、染料に比べて耐水性や耐光性に優れた顔料を用いたインクジェットインクもみられる。これらのインクに用いられている色材顔料は商業印刷用インキと同一のものである場合も多いが、これらのインクを用いてもインクの吸収性を考慮していない商業印刷用コート紙に印字を行なうことは難しい。とりわけ高速で印字しようとすると画像の滲みやビーディングが発生してしまい、満足な画像が得られない。また理由は定かではないが、得られた画像の耐擦性が劣り、特にシアン色材として広く用いられているフタロシアニンブルーを用いた顔料インクなどは色材の定着が劣ることが知られている。
以上の理由からカタログやチラシに用いられるような光沢を持つ商業印刷用のメディアにおいて従来のオフセット印刷適性とインクジェット印字適性の両立を行なうことは非常に難しく、コート紙にオフセット印刷後、インクジェット印字を行なったり、その逆にインクジェット印刷後にオフセット印刷を行なったり、オフセット印刷とインクジェット印刷の両方の機能を有するバリアブルプリンターの実現は非常に難しいとされてきた。
特許文献7の特開2005−163017号公報には、水分散型高分子化合物を吸着しておりゲル濾過クロマトグラフィーを透過しない自己分散型カーボンブラックと、水とを含み、該水分散型高分子化合物はカーボンブラックから遊離した状態でゲル濾過クロマトグラフィー透過率が20%以下のものであるインクジェット記録インクが記載され、また、紙記録メディアは「普通紙」と「光沢あるコート紙」に分類され、後者の「光沢あるコート紙」は「半光沢紙」及び「光沢紙」に分類されるが、このインクは、特に前記「光沢あるコート紙」以外の媒体としての「普通紙」に対し、光沢ある記録画像を形成できる旨開示されている。しかしながら、この特許文献7記載のインクは、「半光沢紙」に特に適したものではなく、該特許文献7記載の技術は、そのための印字法にも留意するところがない。
特開2005−212327号公報 特開平11−078225号公報 特許第3349803号公報 特開2003−80837号公報 特開2006−321978号公報 特開平06−320755号公報 特開2005−163017号公報
本発明は上記実績に鑑みて下記の課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明で示されたインクジェット記録方法により、用紙対応力が広く、特に商業印刷用紙に対してフルカラー印字が可能で、安価で、印字品位が良好であって、商業印刷物に近い質感の印字物が簡便に高速に印字でき、印刷物の耐擦性にも優れる、理想的なインクジェット記録方法を提供することである。
即ち、上記課題は本件発明の下記(1)〜(20)によって解決される。
(1)「セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも一層の顔料を含有する塗工層を塗布してなるメディアにインクを飛翔させて、該メディアに印字するインクジェット記録方法であって、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアの前記塗工層を有する面への転移量が30ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアの前記塗工層を有する面への転移量が35ml/m以下であって、塗工層を有する紙面pHが8以上であるメディアに対し、粒子状の色材とエマルジョン樹脂および界面活性剤を少なくとも含有するpH8以上のインクを用いてインク付着量15g/m以下で印字することを特徴とするインクジェット記録方法」、
(2)「シアンインク色材として少なくともフタロシアニンブルーを使用することを特徴とする前記第(1)項にインクジェット記録方法」、
(3)「接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項にインクジェット記録方法」、
(4)「前記記録メディアのコート層が少なくともSBRエマルジョンを含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(5)「前記インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記記録メディアに画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法」、
(6)「前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記第(5)項に記載のインクジェット記録方法」、
(7)「前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載されるインクジェット記録方法に用いられるインクであり、該インクが、さらに少なくとも水、及び湿潤剤を含有することを特徴とするインク」、
(8)「前記インクが、25℃における表面張力が15〜40mN/mであることを特徴とする前記第(7)項に記載のインク」、
(9)「前記インクが、界面活性剤を含有し、該界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする前記第(7)項又は第(8)項に記載のインク」、
(10)「前記インクの25℃における粘度が、1〜30cpsであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(9)項のいずれかに記載のインク」、
(11)「前記インクが、着色剤として分散性色材を含有し、該分散性色材の平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする前記第(7)項乃至第(10)項のいずれかに記載のインク」、
(12)「前記第(7)項乃至第(11)項のいずれかに記載されるインクを充填したことを特徴とするインクカートリッジ」、
(13)「インクジェットヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されている記録装置を用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれに記載の記録方法」、
(14)「前記撥インク層が、フッ素系材料、あるいは、シリコーン系材料で構成されることを特徴とする前記第(13)項に記載の記録方法」、
(15)「前記撥インク層の表面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする前記第(13)項に記載の記録方法」、
(16)「前記撥インク層の開口部近傍における当該開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、該基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくように形成されたことを特徴とする前記第(13)項に記載の記録方法」、
(17)「前記撥インク層の膜厚が1A以上であることを特徴とする前記第(13)項に記載の記録方法」、
(18)「前記撥インク層の臨界表面張力γcが5〜40mN/mであることを特徴とする前記第(13)項に記載の記録方法」、
(19)「前記第(13)項乃至第(18)項のいずれかに記載される記録方法を用いることを特徴とする記録装置」、
(20)「前記第(1)項乃至第(18)項のいずれかに記載される記録方法により記録された記録物」。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、インクジェット記録を行なう場合に、印字品位が良好であってかつ高速で低コスト、高信頼な記録方法を提供することが可能となったという極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明のインクジェット記録方法について詳細に説明する。
我々はより低コストで高速かつ画像信頼性の高いインクジェット記録方法について鋭意研究を進めたところ、紙面pHが一定の範囲にありインクジェットインクの浸透性が劣るメディアに対し、浸透性が高く特定の樹脂を含む顔料インクを用いることにより、新たな設計思想に基づく低コストでオンデマンド性の優れた画像形成方法を発明するに至った。
本発明のインクは、インク吸収の少ないメディアへの適性を鑑みて発明されたものであり、通常のインクジェットインクに比べて表面張力が小さいために濡れ性に優れ、ポアの少ないメディアに対してもキャリアの浸透性が強く、かつ微量のキャリアが浸透しただけでインク粘度が大きく上昇する特性を示す。このため従来は隣接ドットが簡単に融合してしまうような浸透性が大きく劣るメディアに対しても着弾後隣接ドットと融合し難く、安定的にドット形成が可能である。さらに、色材(着色剤)はメディア内部にほとんど浸透せずに表面に残るため、同じアドレスに重ねて滴を置く必要が少なく、トータルで非常に少量のインクでも十分な発色、画像濃度が得られる。
こうして、従来よりもインク総量を非常に抑えた形で描画を行なうことにより、メディア内部に浸透させるべきキャリアの量が少なくてすみ、カールやコックリングばかりでなく、印字後の紙の剛度も印字前とほとんど変わらないため、商業印刷用紙のようなインク吸収を考慮していないメディアでも基体にダメージを与えずに印字が可能である。
インク滴をメディア表面に置いた後、キャリアの吸収が完了すると、微量な湿潤剤が含まれた状態で色材がセットされる。ちょうど大豆油を使用したインキを使ってオフセット印刷した直後の状態のようになる。このとき、表面に残った色材と結着材成分が均一に混ざっていること、かつ十分にレベリングが起き、表面が平滑になること、そしてなにより必要なことは、メディア最表面に存在するメディアを構成する樹脂や白色顔料と、インク中の固形分である色材顔料や結着剤が強固に結着する必要がある。
本発明では、紙面pHが高いほどこの結着力が増すことが明らかとなった。そのメカニズムは明確ではないが、紙面が酸性(カチオン過多)であると、紙面の構成材料とインク中のpH調整剤のようなアルカリ成分と優先的にかつ急速に結合が起こってしまい、いわゆる接着理論で議論されるインク中の色材やインク中の樹脂の紙面に対するアンカー効果(ファスナー効果)が不十分となるからと思われる。また紙中のカチオン物質の影響で急速にインクの凝集が発生し、充分なレべリングができない為と思われる。インクを充分に吸収可能なインクジェットメディアの場合では、色材自体もメディア中に取り込まれてしまうため、メディアと色材間にアンカー効果は特に必要としないが、本発明の画像形成方では、メディア表面における樹脂や顔料のアンカー効果は色材の定着性に多大な影響を与えるため、非常に重要である。
本発明では、インク成分のレべリングやアンカー効果の観点から、従来のインクジェットメディアの常識とは反対にインク吸収が遅いほうが定着に有利に働き、シアンの定着強度を上げることが可能となる。
<メディアの条件>
本発明のメディアとして適切であるかどうかの指標としては、まず第一に、動的走査吸液計の純水による転移量により判断することができる。即ち、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の記録用メディアへの転移量が30ml/m以下であり、且つ接触時間400msにおける純水の記録用メディアへの転移量が35ml/m以下である。また望ましくは接触時間100msにおける純水の記録用メディアへの転移量が1ml/m以下であることが望ましい。この条件を満たしたメディアのコート層は本発明のコート層の機能を有しているとみなせ、本発明のインクと組み合わせることで、いわゆる「切れ」の良い、文字、画像の周辺部分にボケ、フェザリング、ブリードのない、光学的濃度(OD)の高い記録画像を得ることができる。これよりも吸水量が多いと、色材の層中への染み込みや、基体への染み込みが発生し、コート層顔料に色材が隠蔽され、高濃度な画像が得られない。
このような本発明の記録メディアのコート層は顔料を含有し、一般的には他に樹脂バインダーをも含み、これらを主成分とする構成であるが、樹脂配合量をリッチにすることで転移量は減少する方向に、顔料配合量をリッチにする方向で転移量が増える方向に調整可能である。また、コート層を構成する顔料粒子の比表面積を大きくすること、例えば粒径を小さくしたり、比表面積の大きな種類の顔料を使用することでも、転移量を大きくすることが可能である。
また第2に、表面pHの値を測定し、pHの値が8以上である必要がある。表面pHの測定方法としては、J.TAPPI No.49-2や試験紙を使用した測定方法が知られているが、接触電極式のpHメーターを使用した方法が簡便で良い。測定対象のメディア表面に水滴を0.1ml滴下し、電極を押しあて、30秒後に数値が安定したところを紙面pHとする。この方法に用いることのできるpHメーターとしてはハンナインスツルメンツ製スキンチェック等がある。
本発明の画像処理方法と本発明におけるコート層に必要な機能は、まず第一にインク中の顔料と溶剤を分離し、溶剤のみを基体に浸透させることであり、そのためにはコート層がポアを持つような、微細構造を取ることが望ましい。コート層に微細構造が全く存在しないとインク中の溶剤成分の浸透が遅くなるため、インクが乾かない現象が生じやすくなる。但し微細構造が多すぎると、インク中の色材顔料を分離する機能が低下し、画像濃度低下が発生したり、印字後にメディア表面に存在する色材顔料が経時でメディア内部にマイグレートし、色の変化を引き起こしてしまう。そして第2には、インク成分中のうち表面に残った色材と樹脂結着材とが均一で平滑な表面を形成するため、pHが高い値を示すことが必要である。これらの条件を満たせば、いかなる商業印刷用紙や出版印刷用紙をも使用することが可能である。
前記記録用メディアにおいては、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける本発明の前記インクの前記記録用メディアへの転移量は、2〜40ml/mであり3〜30ml/mが好ましい。また、純水の前記記録用メディアへの転移量は、1〜30ml/mが好ましく、1〜10ml/mがより好ましい。
前記接触時間100msでの前記インク及び純水の転移量が少なすぎると、ビーディングが発生しやすくなることがあり、多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりすぎることがある。
動的走査吸液計で測定した接触時間400msにおける本発明の前記インクの前記記録用メディアへの転移量は、3〜50ml/mであり、4〜40ml/mが好ましい。
また、純水の前記記録用メディアへの転移量は、2〜35ml/mが好ましく、2〜11ml/mがより好ましい。
前記接触時間400msでの転移量が少なすぎると、乾燥性が不十分であるため、拍車痕が発生しやすくなることがあり、多すぎると、ブリードが発生しやすく、乾燥後の画像部の光沢が低くなりやすくなることがある。
ここで、前記動的走査吸収液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。前記動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行なう、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水又はインクの転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。測定は23℃50%RHで行なった。
<インク付着量>
本発明では、インク中の色材の染み込みを防ぎ、効率的にメディア表面近傍に偏在させると同時に、インクの乾燥性を確保するために、インク総量が厳しく制限される必要がある。インク総量とは、画像を形成する際の重要なパラメーターであり、最高濃度のベタ画像を形成する際の単位面積当たりのインク量の事を指す。本発明では、このインク総量を規定することで、インク吸収の悪いメディアに対しても、ビーディングやブリードの少ない均一な画像を形成することが可能となる。逆にこの上限を超えて、従来のインクジェット記録のように多量のインクを使用すると、コート層の色材分離能力が追いつかず、インク溶媒と一緒にインクの色材顔料が浸透してしまったり、インクの溶媒成分の浸透が間に合わず、作像に大きく支障をきたすため、品質の良い画像が得られない。
具体的には、本発明のインクを用いる場合、画像作成時の最大インク付着量(インク総量規制値)は15g/mで良く、それ以下のインク付着量で作像を行なうことで、ビーディングやブリードの無い、非常に高画質な画像を得ることができる。また望ましくは12g/m以下であることも判明した。
これは、従来の染料インクとインクジェット専用メディアの組み合わせと異なり、本発明の顔料インクとメディアの場合、色材はメディア表面に堆積した形で存在しており、メディアの表面を覆うのに必要な量の色材があれば、それ以上の色材は無駄となるばかりか、本発明の高浸透インクを用いてさえも、余ったインク溶剤が隣接ドットと干渉し、ビーディングやブリードを発生させてしまうためである。
特に本発明のインクを使用しても、従来のインクジェット記録のようにインクの総量規制値を高く設定してしまうと、ベタ部やシャドー部で多くのインク量が使用され、メディアの色材分離能を超え、画像が滲んだり、乾燥性が大きく低下したりする。
本発明の画像形成に使用するインク総量は、画像濃度が必要な場合でも従来のインクジェット記録方法に比べ極端に少なくて済むことに併せ、従来のインクジェットメディアと違ってメディアのインク吸収能自体は低い方が、色材がメディア表面で均等に広がりやすい。言い換えればメディア表面でインクが薄く広がるが故にインク吸収能力が低くても、乾燥可能であり、かつブリードやビーディングが発生し難いのである。
また、キャリアの浸透量は、浸透剤(EHD)の量並びに、フッ素系界面活性剤のFS300の添加量で、容易に調整することができる。さらに印字に必要なインク総量を少なくすることで、従来のインクジェットプリンタに比べインクカートリッジの容量を小さくすることができ、装置のコンパクト化も可能となった。また従来と同様のカートリッジサイズであるならば、インクカートリッジの交換頻度を減らすことができ、より低コストな印字が可能となる。
基本的にこのインク総量は少なければ少ないほどコート層の顔料分離能力が発揮されるが、あまりに少なくすると印字後の画像ドット径が小さくなりすぎてしまうという副作用もあるため、目的とする画像に応じてこの範囲内でインク総量を設定(規制)するのが望ましい。
<総量規制>
次に「総量規制」処理について説明する。
図1に示される処理の具体例(アルゴリズム)を図16に示す。本具体例は、本発明の理解を助けるためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
総量規制処理は図1のような処理となる。ここで示す総量規制値とはインクが過多に付着することにより発生する現象、例えばインク溢れ(ビーディング)や耐コックリング性低下により発生するコスレや転写、用紙詰まりが発生しないよう評価した結果から求まるインク滴量のことである。図1に示される処理の具体例については、後ほど詳述するが、但し、該具体例は、本発明の理解を助けるためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
総量規制値の規定の仕方としては、例えば600×600dpi 100×100のマスクサイズにおける滴量(単位はpl)で表わすことができる。
本発明にて実施される、前記記録メディア上に印写を行なう場合の総量規制値としては、発明者が実験を行なったところ普通紙の総量規制値と同程度、絹目光沢紙における総量規制値の約55%の滴量が妥当である。また、実際に総量規制処理が掛かる事象としては入力値から得られた滴量が総量規制値よりも多い場合であり、その場合、Bkインクの滴量は保存し、CMY各色のインク滴量を減らすことによって、総量規制値以下の滴量に抑える処理を行なう。総量規制処理部とγテーブルは順序を逆にすることもできる。
なお本発明においては、インク総量は、重量法を用いて測定した。具体的にはインクジェット専用紙であるスーパーファイン専用紙(エプソン社製)に5cm×20cmの矩形ベタ画像を最高濃度で印字し、印字直後に重量を測定し、印字前の重量を差し引き、その値を100倍してインク総量とした。
〈インク定着剤〉
また、さらに本発明の顔料インクの条件としては、インク中に色材顔料の定着を促進する樹脂成分を含むことが望ましい。定着を促進する樹脂成分とは、色材顔料とメディア表面、もしくは色材顔料間の接着力を一定以上に保つものであり、この樹脂成分が無いと印字した後に色材顔料が剥がれてしまう。定着成分は単独でインクに含まれていても、色材粒子の表面に吸着・化学結合されていても良い。この定着剤としては低分子や水溶性樹脂でも良いが、樹脂エマルジョンであることが望ましい。
〈インク表面張力〉
また、本発明に必須の顔料インクの条件としては、非常に浸透性が高いものであることが好ましく、その条件とは表面張力が40mN/m以下が好ましいことが判明した。表面張力が40mN/mより大きいとインクの浸透が遅く画像が滲んでしまう現象が発生するため、高品位な画像が得られない。表面張力は低ければ低いほど顔料と溶剤の分離能が向上するため、より低いほうが望ましい。インクの表面張力は、浸透剤(EHD)の量並びに、フッ素系界面活性剤のFS300の添加量により、調整することができる。
本発明の超高浸透インクは、従来の空隙型インクジェット専用メディアにも印字可能である。但し、本発明の記録メディアに印字した場合と比べてインク吸収速度が速すぎるため、インク滴がメディア表面に着弾した後ドットが濡れ広がる前に溶媒が浸透してしまい、ドット径が小さくなってしまう。その結果濃度の低下や粒状感の増大等が発生し易くなる。そのため高品位な画像を作成するためには本発明の記録メディアよりも解像度を上げて印字する必要が生じてしまうため、印字速度の低下やインク消費量の増大を招く。したがって本発明の記録メディアを使用するほうが望ましい。
前記インクは、25℃における表面張力が、30mN/m以下であることが好ましく、15〜40mN/mであることがより好ましい。前記表面張力15/m未満であると、本発明のノズルプレートに濡れすぎてインク滴の形成(粒子化)がうまくできなかったり、本発明の記録用メディア上での滲みが顕著となり、安定したインクの吐出が得られないことがあり、40mN/mを超えると、記録用メディアへのインク浸透が十分に起こらず、ビーディングの発生や乾燥時間の長時間化を招くことがある。
ここで、前記表面張力は、例えば、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用い、白金プレートを使用して25℃で測定することができる。
〈インクの固形分〉
本発明のインクの固形分は、3wt%以上であることが望ましい。この濃度より低いと、乾燥時の粘度上昇が緩やかで、画像が滲みやすい傾向がある。高ければ高いほど良いが、あまりに高いとノズル詰まりが激しくなり、画像に抜け等が生じやすくなる、従って5〜15wt%であることが望ましい。
[メディアコート層]
−塗工層−
前記塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
前記顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。
前記無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クローライトなどが挙げられる。これらの中でも、カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができる点から特に好ましい。
前記カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80質量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50質量%以上を占めていることが好ましい。
前記カオリンの添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し50質量部以上が好ましい。前記添加量が50質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。前記添加量の上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90質量部以下がより好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されてもよい。
前記有機顔料の添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し2〜20質量部が好ましい。前記有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高く、高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができる。前記添加量が2質量部未満であると、前記効果がなく、20質量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。
前記有機顔料には、その形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径は0.2〜3.0μmが好ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
本発明で使用されるメディアのコート層の無機顔料は、炭酸マグネシウム、タルク、カオリン、イライト、クレー、炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、等を挙げることができる。これらの顔料の中でも、屈折率がなるべく高いものを使用することにより、コート層の厚みを薄くすることができる。但しコストの点からは炭酸カルシウムやカオリンを使用することが好ましい。これらの顔料は、本発明の効果を損なわない限り併用することができ、また、列挙しなかった他の顔料と併用することもできる。
カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷の風合いとすることができるので好ましい。カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80重量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50重量%以上を占めていることが望ましい。カオリンの配合量は、50重量部以上が好ましい。50重量部未満であると、光沢度において十分な効果が期待しにくい。
上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90重量部未満がより好適である。
またこれら高屈折率の顔料と、低屈折率のシリカや有機顔料を併用しても良い。有機顔料は例えば、スチレン・アクリル共重合体粒子、スチレン・ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されても良い。有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高・高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができるが、2重量部未満では、前記効果がなく、5重量部を超えると、裏抜けが発生しやすくなり、コスト面からも経済的ではない。有機顔料にはその形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性および塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径が0.2〜3.0μmの範囲にあることが望ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
<コート層構成材料 バインダー>
本発明で使用される色材顔料コート層のバインダーは、コート層を構成する顔料及び基紙との接着力が強いと共に、ブロッキングを起こさない水性樹脂、エマルジョン等であれば特に限定されるものではない。
このような水性結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコールや酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプン、カチオン化デンプンなどのデンプン類、カゼイン、大豆タンパク質類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体、スチレン−アクリル樹脂、イソブチレンー無水マレイン酸樹脂、アクリルエマルジョン、酢ビエマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、スチレンーブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックス等を挙げることができる。これらの中でも、コストの観点からデンプンやスチレン−ブタジエンラテックスを使用することが好ましい。スチレン・ブタジエンラテックスは、モノマーとしてスチレンとブタジエンを含み、必要に応じ他のモノマーを共重合させたり、化学反応により共重合体を変性した、紙塗工用に一般的に使用される共重合体ラテックスで良い。他のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル、マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルなどのビニル系モノマーが良く使用されるものである。また、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート等の架橋剤を含有してよいし、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体で自己架橋性を持つものを用いてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用されるコート層における前記水性結着剤の添加量(バインダー)の使用比率は、全被覆層固形分の50〜70重量%が好ましく、より好ましくは55〜60重量%である。少ないと接着力が不十分となり、インク受容層の強度の低下、内部結合強度の低下粉落ちの発生が懸念される。
本発明のコート層には本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。該その他の成分としては分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤のほか、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、カチオン性有機化合物等の添加剤を使用しても良い。
コート層に使用される界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができるが、これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。前記界面活性剤を添加することにより、画像の耐水性が向上するとともに、画像濃度が高くなり、ブリーディングが改善される。
前記非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。またエチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。前記非イオン活性剤のHLB(親水性新油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
前記界面活性剤の添加量は、前記カチオン性有機化合物100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。
前記塗工層には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、さらにその他の成分を添加することができる。該その他の成分としては、アルミナ粉末、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。
また、本発明の場合、カチオン性有機化合物は必ずしも配合する必要はなく、逆に添加しすぎると紙面pHを下げてしまう場合が多いが、目的に応じて必要最低限度、選択使用することができる。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合
物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクローライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクローライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクローライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<支持体 紙質>
本発明で使用される支持体としては、化学パルプ、機械パルプ及び古紙回収パルプ等を任意の比率で混合して用いられ、必要に応じて内添サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を添加した原料を長網フォーマやギャップタイプのツインワイヤーフォーマ、長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハイブリッドフォーマ等で抄紙されたものが使用される。
本発明の支持体に使用するパルプは、バージンのケミカルパルプ(CP)、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプなどの木材及びその他の繊維原料を化学的に処理して作成されたバージンのケミカルパルプ、及び、バージンの機械パルプ(MP)、例えば、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、ケミメカニカルパルプ、セミケミカルパルプなどの木材及びその他の繊維原料を主に機械的に処理して作成されたバージンの機械パルプを含有させてもよい。
また古紙パルプを用いてもよく、古紙パルプの原料としては、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組み合わせから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
本発明の支持体に用いることができる填料としては、炭酸カルシウムが有効であるが、カオリン、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類等の無機填料や、サチンホワイト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫化亜鉛、プラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機顔料も併用することができる。
本発明における支持体に使用する内添サイズ剤は、特に限定されるものではなくインクジェット記録用紙や商業印刷用紙に使用される公知の内添サイズ剤の中から適宜選択して使用することができる。例えば、ロジンエマルジョン系サイズ剤等を挙げることができるが、紙面pHを高くするために、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが望ましい。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。
内添サイズ剤の使用量は、絶乾パルプ100重量部に対して、好ましくは0.1〜0.7重量部であるが、これに限定されるものではない。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。該白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−塗工層の製法−
本発明の支持体にコート層を塗布により付与する方法としては特に規定しないが、直接塗布する方法、他の基材上に一度塗布したものを原紙に転写する方法、スプレー等によって噴霧する方法等が利用できる。直接塗布する方法としては、例えば、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法、シムサイザー法、ロッドメタリングサイズプレスコータ等フィルムトランスファー方式あるいはファウンテンあるいはロールアプリケーション等によるブレードコーター方式等を挙げることができる。
これらの中でも、コストの点から、抄紙機に設置されているコンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレスなどで含浸又は付着させ、オンマシンで仕上げる方法が好ましい。
前記塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分で、0.5〜20g/mが好ましい。0.5g/m未満であるとインク色材成分を十分分離することができないため色材が紙中に浸透し濃度低下や文字滲みが生じてしまう。 前記含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、この場合の乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃程度が好ましい。
コート層の乾燥処理は、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等を用いて行なうことができる。更に、表面を平滑化するために、あるいは表面の強度を上げるためにカレンダー装置(スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等)で表面仕上げを施しても良い。
本発明の記録用メディアの坪量は、50〜250g/mであることが好ましい。50g/m未満であるとコシがないために搬送経路の途中で記録用メディアが詰まってしまうなどの搬送不良が生じやすい。250g/mを超えるとコシが大きくなりすぎるため搬送経路の途中にある曲線部で記録用メディアが曲がりきれず、やはり記録用メディアが詰まってしまうなどの搬送不良が生じやすい。
−インク−
<インク>
本発明に必須な顔料インクは、少なくとも水、粒子状の色材、色剤の定着剤、及び水溶性有機溶剤を含有してなり、湿潤剤、界面活性剤、更に必要に応じて、等のその他の成分を含有してなる。
−着色剤(色材)−
本発明に用いられるシアン色材としては、フタロシアニン構造をもつ色材(着色剤)である必要があり、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、15:34、16、17:1、22、56、60、63、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられる。特にフタロシアニンブルー15:3がコストや安全性当の点からも望ましい。
その他のカラー用の色材としては、粒子状の色材であれば特に限定されない。
前記着色剤としては、顔料、染料、及び着色微粒子の少なくともいずれかを用いることが好ましい。
前記着色微粒子としては、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
ここで、前記「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態及びポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。この場合、本発明のインクに配合される色材はすべてポリマー微粒子に封入又は吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。前記色材としては、水不溶性又は水難溶性であって、前記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記「水不溶性又は水難溶性」とは、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部色材以上溶解しないことを意味する。また、「溶解する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色材の分離や沈降が認められないことを意味する。
前記色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。0.01μm未満であると微粒子が流動しやすいための文字滲みが大きくなったり、耐光性が劣ってしまう。逆に、0.16μmを超えると、ノズルが目詰まりやすくなったり、発色性が悪くなってしまう。
前記着色剤としては、例えば、水溶性染料、油溶性染料、分散染料等の染料、顔料等が挙げられる。良好な吸着性及び封入性の観点からは油溶性染料及び分散染料が好ましいが、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。
なお、前記各染料は、ポリマー微粒子に効率的に含浸される観点から、有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜600g/リットル溶解することがより好ましい。
前記水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料であり、好ましくは耐水性、及び耐光性に優れたものが用いられる。
前記顔料としては、少なくとも1種の親水性基が顔料の表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型顔料が好適に用いられる。その結果、従来のインクのように、顔料を分散させるための分散剤が不要となる。前記自己分散型顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、特にアニオン性に帯電したものが好適である。
前記自己分散型顔料の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
前記アニオン性親水性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
また、前記親水性基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
本発明においては、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
前記顔料分散剤としては、前記親水性高分子化合物として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。
半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。
純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量は3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましく、7,000〜15,000が更に好ましい。前記顔料と前記分散剤との混合質量比としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:3の範囲がより好ましい。
前記着色剤の前記インクにおける添加量は、2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。前記添加量が2質量%未満であると、着色力の低下により、画像濃度が低くなったり、粘度の低下によりフェザリングや滲みが悪化することがあり、15質量%を超えると、インクジェット記録装置を放置しておいた場合等に、ノズルが乾燥し易くなり、不吐出現象が発生したり、粘度が高くなりすぎることにより浸透性が低下したり、ドットが広がらないために画像濃度が低下したり、ぼそついた画像になることがある。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、有機溶剤のうち、機能的にインクの紙への浸透を促進する効果が高いものを意味(一方、湿潤剤は、有機溶剤のうち、ヘッドの乾燥を防ぐ湿潤効果が認められるもの意味する)し、具体的には炭素数8以上のポリオール化合物やグリコールエーテル化合物が該当する。すなわち、本発明における浸透剤としては、ポリオール化合物やグリコールエーテル化合物等の水溶性有機溶剤が用いられ、特に、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物の少なくともいずれかが好適に用いられる。
前記ポリオール化合物の炭素数が8未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録用メディアを汚したり、記録用メディア上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがある。
前記炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(溶解度:4.2%(25℃))、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(溶解度:2.0%(25℃))、などが好適である。
前記グリコールエーテル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記浸透剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
前記水溶性有機溶剤の添加量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
−湿潤剤−
前記湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種が好適である。湿潤剤の添加量は5〜40質量%が望ましく、更に望ましくは10〜30質量%である。
前記ポリオール化合物としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プルパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5ペンタンジオール、1、6ヘキサンジオール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタムなどが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好適である。
前記ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプローラクタムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
前記尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種が挙げられる。前記尿素類の前記インクへの添加量は、一般的に0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
前記糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースが好適であり、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースが特に好ましい。
前記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることができる。
前記糖類の誘導体としては、前記糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(ただし、一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表わす)で表わされる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましい。該当アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビット、などが挙げられる。
前記湿潤剤の前記インク中における含有量は、10〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、又はフッ素系界面活性剤などが挙げられ、前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。該アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TGなどが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン、などが挙げられる。
これら界面活性剤の中でも特に、下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)から選択される界面活性剤が好適である。
Figure 2008260279
ただし、前記一般式(I)中、Rは、アルキル基を表わす。hは、3〜12の整数を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。
Figure 2008260279
ただし、前記一般式(II)中、Rは、アルキル基を表わす。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表わす。
Figure 2008260279
ただし、前記一般式(III)中、Rは、炭化水素基を表わす。kは5〜20の整数を表わす。
Figure 2008260279
ただし、前記一般式(IV)中、Rは、炭化水素基を表わす。jは、5〜20の整数を表わす。
Figure 2008260279
ただし、前記一般式(V)中、Rは、炭化水素基を表わす。L及びpは、1〜20の整数を表わす。
Figure 2008260279
ただし、前記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表わす。
以下、前記構造式(I)、及び(II)の界面活性剤を具体的に遊離酸型で示す。
Figure 2008260279
Figure 2008260279
Figure 2008260279
Figure 2008260279
Figure 2008260279
Figure 2008260279
Figure 2008260279
Figure 2008260279
Figure 2008260279
Figure 2008260279
前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(II−5)で表わされるものが好適である。
Figure 2008260279
ただし、前記一般式(II−5)中、mは0〜10の整数を表わす。nは1〜40の整数を表わす。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、近年問題視されているフッ素化合物の生体蓄積性についても低く安全性の高いものであり、特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)
などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業社製)、ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもデュポン社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス社製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色向上に関して良好な点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)が特に好ましい。
前記表面張力としては、25℃で、30mN/m以下であることが好ましく、さらに望ましくは25mN/m以下であることが望ましい。
顔料定着剤としては、任意の樹脂エマルジョンが使用できる。
−樹脂エマルジョン−
前記樹脂エマルジョンは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わない。
前記分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70質量%が好ましい。また、前記樹脂微粒子の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径10〜1000nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。
前記分散相の樹脂微粒子成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられ、これらの中でも、アクリルシリコーン系樹脂が特に好ましい。
前記樹脂エマルジョンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販の樹脂エマルジョンとしては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン、御国色素社製)などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒子成分の前記インクにおける添加量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、耐目詰まり性及び吐出安定性の向上効果が十分でないことがあり、50質量%を超えると、インクの保存安定性を低下させてしまうことがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。
該pH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
本発明のインクは、少なくとも水、着色剤、及び水溶性有機溶剤、湿潤剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、さらに必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行なうことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。
前記インクの物性としては、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクの粘度は、25℃で、1cps以上30cps以下が好ましく、2〜20cpsがより好ましい。前記粘度が20cpsを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記pHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
前記インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行なうと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行なうと、フルカラー画像を形成することができる。
本発明によれば、既存の印刷用塗工紙であっても、前記条件を満たすものであれば、良好な画像を形成することができる。
既存の印刷用塗工紙とは、経済産業省や日本製紙連合会の品種分類により塗工量で慣用的に分類される、いわゆるアート紙(A0,A1)、コート紙(A2,B2)、軽量コート紙(A3,B3)、微塗工紙といった商業印刷・出版印刷に用いられている塗工紙のことであり、オフセット印刷、グラビア印刷等に用いられるものである。ここで、アート紙とは塗工量が固形量で片面20g/m以上のものであり、コート紙とは塗工量が固形量で片面10g/m〜20g/mであり、軽量コート紙とは、塗工量が固形量で片面6g/m〜10g/m程度であり、微塗工紙とは、塗工量が固形量で片面6g/m以下のものである。
また、本発明においては、インク吸収が少なく、インクの成分が紙に浸透しにくいことから、キャストコート紙が好適に用いられる。キャストコート紙とは、上記の塗工量による分類とは異なり製法により分類されるもので、一般に塗工液が生乾きの状態で、加熱した鏡面のロール(キャストドラム)に巻きつけ、その面を転写することで紙表面に鏡面のような平滑性を付与したものである。キャストコート紙の塗工量は通常固形量で20〜30g/m程度である。キャストコート紙の具体的な商品としては、ミラーコートプラチナ(王子製紙)、エスプリコートC(日本製紙)、等が挙げられる。
具体的な商品としては、キャストコート紙として、ミラーコートプラチナ(王子製紙)、エスプリコートC(日本製紙)、等が挙げられる。
アート紙としては、OK金藤N、OK金藤−R40N、SA金藤N、サテン金藤N、サテン金藤−R40N、ウルトラサテン金藤N、ウルトラOK金藤N、金藤片面(王子製紙)、NPi特アート、NPiスーパーアート、NPiスーパーダル、NPiダルアート(日本製紙)、ユトリロスーパーアート、ユトリロスーパーダル、ユトリロプレミアム(大王製紙)、高級アートA、特菱アート、スーパーマットアートA、高級ダルアートA(三菱製紙)、雷鳥スーパーアートN、雷鳥スーパーアートMN、雷鳥特アート、雷鳥ダルアートN(中越パルプ)等が挙げられる。
A2コート紙としては、OKトップコート+(プラス)、OKトップコートS、OKカサブランカ、OKカサブランカV、OKトリニティ、OKトリニティNaVi、ニューエイジ、ニューエイジW、OKトップコートマットN、OKロイヤルコート、OKトップコートダル、Zコート、OK嵩姫、OK嵩王、OK嵩王サテン、OKトップコート+、OKノンリンクル、OKコートV、OKコートNグリーン100、OKマットコートグリーン100、ニューエイジグリーン100、Zコートグリーン100(王子製紙)、オーローラコート、しらおいマット、インペリアルマット、シルバーダイヤ、リサイクルコート100、サイクルマット100(日本製紙)、ミューコート、ミューホワイト、ミューマット、ホワイトミューマット(北越製紙)、雷鳥コートN、レジーナ雷鳥コート100、雷鳥マットコートN、レジーナ雷鳥マット100(中越パルプ工業)、パールコート、ホワイトパールコートN、ニューVマット、ホワイトニューVマット、パールコートREW、ホワイトパールコートNREW、ニューVマットREW、ホワイトニューVマットREW(三菱製紙)、等が挙げられる。
A3コート(軽量コート)紙としては、OKコートL、ロイヤルコートL、OKコートLR、OKホワイトL、OKロイヤルコートLR、OKコートLグリーン100、OKマットコートLグリーン100(王子製紙)、イースターDX、リサイクルコートL100、オーローラL、リサイクルマットL100、<SSS>エナジーホワイト(日本製紙)、ユトリロコートL、マチスコート(大王製紙)、ハイ・アルファ、アルファマット、(N)キンマリL、キンマリHiL(北越製紙)、NパールコートL、NパールコートLREW、スイングマットREW(三菱製紙)、スーパーエミネ、エミネ、シャトン(中越パルプ工業)等が挙げられる。
B2コート(中質コート)紙としてはOK中質コート、(F)MCOP、OKアストログロス、OKアストロダル、OKアストロマット(王子製紙)、キングO(日本製紙)等が挙げられる。
微塗工紙としてはOKロイヤルライトSグリーン100、OKエバーライトコート、OKエバーライトR、OKエバーグリーン、クリーンヒットMG、OK微塗工スーパーエコG、エコグリーンダル、OK微塗工マットエコG100、OKスターライトコート、OKソフトロイヤル、OKブライト、クリーンヒットG、やまゆりブライト、やまゆりブライトG、OKアクアライトコート、OKロイヤルライトSグリーン100、OKブライト(ラフ・ツヤ)、スノーマット、スノーマットDX、OK嵩姫、OK嵩ゆり(王子製紙)、ピレーヌDX、ペガサスハイパー8、オーローラS、アンデスDX、スーパーアンデスDX、スペースDX、セーヌDX、特グラビアDX、ペガサス、シルバーペガサス、ペガサスハーモニー、グリーンランドDX100、スーパーグリーンランドDX100、<SSS>エナジーソフト、<SSS>エナジーライト、EEヘンリー(日本製紙)、カントエクセル、エクセルスーパーB、エクセルスーパーC、カントエクセルバル、ユトリロエクセル、ハイネエクセル、ダンテエクセル(大王製紙)、コスモエース(大昭和板紙)、セミ上L、ハイ・ベータ、ハイ・ガンマ、シロマリL、ハミング、ホワイトハミング、セミ上HiL、シロマリHiL(北越製紙)、ルビーライトHREW、パールソフト、ルビーライトH(三菱製紙)、シャトン、ありそ、スマッシュ(中越パルプ工業)、スターチェリー、チェリースーパー(丸住製紙)等が挙げられる。
また特殊なコート紙として、既に本特許の条件を満たしているものならば本特許のメディアとして代用することができる。例えば一部の電子写真向けコート紙や、グラビア印刷用コート紙が挙げられる。具体的にはPODグロスコート(王子製紙)やスペースDX(日本製紙)、エース(日本製紙)等が挙げられる。これらはコート層の細孔容積が適切であり、本特許のメディアとして使用可能である。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図6及び図7を参照して説明する。ここで、図6は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図7は図6のインクカートリッジのケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ(200)は、図6に示すように、インク注入口(242)からインク袋(241)内に充填され、排気した後、該インク注入口(242)は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口(243)に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋(241)は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋(241)は、図7に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース(244)内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行なうことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行なうことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する工程である。
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インクメディアセットにおけるインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記インクメディアセットにおける記録用メディアに画像を記録する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
本発明においては、該インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmが好ましい。
また、インクジェットヘッド上にインクを供給するためのサブタンクを有し、該サブタンクにインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充されるように構成することが好ましい。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
前記インクメディアセットにおけるインクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、1〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上が好ましく、その解像度としては300dpi以上が好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一態様について、図面を参照しながら説明する。図8に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。
インクカートリッジ装填部(104)の上面には、操作キーや表示器などの操作部(105)が配置されている。インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(200)の脱着を行なうための開閉可能な前カバー(115)を有している。
本発明で用いる定着ユニットは、図11のようにプリンタに設けても良く、定着装置として個別に設けられていてもも良い。
以下、本発明を適用したインクジェットヘッドについて示す。
図9は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの要素拡大図、図10は、同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、インク供給口(不図示)と共通液室(1b)となる彫り込みを形成したフレーム(10)と、流体抵抗部(2a)、加圧液室(2b)となる彫り込みとノズル(3a)に連通する連通口(2c)を形成した流路板(20)と、ノズル(3a)を形成するノズル板と、凸部(6a)、ダイヤフラム部(6b)及びインク流入口(6c)を有する振動板(60)と、該振動板(60)に接着層(70)を介して接合された積層圧電素子(50)と、該積層圧電素子(50)を固定しているベース(40)を備えている。
ベース(40)はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子(50)を2列配置して接合している。
<ノズルプレート、インク、メディアの関係説明>
本発明の画像形成方法に用いられるインクのように、比較的低い表面張力を有するインクを用いる場合、ノズルプレートは撥水性、撥インク性に優れていることが望ましい。これは、撥水性、撥インク性に優れるノズルプレートを用いることで、低い表面張力のインクでもインクのメニスカスが正常に形成でき、その結果、インク滴の形成(粒子化)が良好にできるためである。メニスカスが正常に形成されると、インクが噴射する際に一方方向にインクが引っ張られることがなくなり、その結果、インクの噴射曲がりが少なく、ドット位置精度が高い画像を得ることができる。
また、本発明のインクメディアセットに用いられるメディア(用紙)のように、吸収性が低いメディアに印刷する際にはドット位置精度の善し悪しが画像品質に顕著に現れる。つまり、吸収性が低いメディアの上ではインクが広がりづらいため、ドット位置精度が少しでも低くなるとメディアをインクが埋めきらない箇所、つまり、白抜け部が生じてしまう。この埋めきれない箇所は画像濃度ムラ、画像濃度低下につながり、画像品質の低下に現れる。
ところが、本発明で用いるインクジェットヘッドは低表面張力のインクを用いてもドット位置精度が高いため、吸収性が低いメディアを用いてもインクがメディアを埋めることができるため、画像濃度ムラや画像濃度低下にならず、高い画像品質の印刷物を得ることができる。
<撥インク層>
(表面粗さ)
本発明で用いられる撥インク層の表面粗さRaは、0.2μm以下にすることが好ましい。表面粗さRaを0.2μm以下にすることで、ワイピング時の拭き残しを低減することができる。
図12、図13は、本発明で用いるインクジェットヘッドノズル板の断面図である。
本実施形態では、インクジェットヘッドの基材であるノズル板(2)がNiの電鋳により作製され、その表面に膜厚0.1μm以上のシリコーン樹脂皮膜である撥インク膜(1)が形成されており、その表面粗さはRa=0.2以下にすることが好ましい。また、撥インク膜(1)の膜厚は0.5μm以上であることがより好ましい。
インク(3)の充填時には、図13(c)に示すように、シリコーン樹脂皮膜による撥インク膜(1)とノズル板(2)の境界部分にメニスカス(液面)Pが形成される。
<撥インク層材料>
撥インク層の材料はインクをはじく材料であればいずれも用いることができるが、具体的には、フッ素系撥水材料、シリコーン系撥水材料を挙げることができる。
フッ素系撥水材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業製、商品名:オプツールDSX)を1A〜30Aの厚さに蒸着することで必要な撥水性を得ている。実験結果では、オプツールDSXの厚さは、10Aでも20A,30Aでも撥水性,ワイピング耐久性能に差は見られなかった。よって、コストなどを考慮するとより好適には、1A〜20Aが良い。また、フッ素系撥水層(123)の表面には樹脂製のフィルムに粘着材を塗布した粘着テープ(124)が貼り付けられていて、エキシマレーザ加工時の補助機能をはたしている。
また、シリコーン系撥水材料を用いることもできる。
シリコーン系撥水材料としては、室温硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーがあり、基材表面に塗布され、室温で大気中に放置することにより重合硬化して撥インク性の皮膜が形成されることが好ましい。
上記したシリコーン系撥水材料は加熱硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、加熱処理することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
シリコーン系撥水材料は紫外線硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、紫外線を照射することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
シリコーン系撥水材料の粘度が1000cp(センチポイズ)以下であることが好ましい。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に前記インクメディアセットにおけるインクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
(臨界表面張力)
撥インク層の臨界表面張力は5〜40mN/mであることが好ましい。さらに、5〜30mN/mであることがより好ましい。30mN/mを超えると、長期の使用においてインクがノズルプレートに対して濡れすぎる現象が生じるため、繰り返し印刷をしているとインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまう。また、40mN/mを超えると、初期からノズルプレートに対して濡れすぎる現象が生じるため、初期からインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまう。
表2に記載する撥インク材料をアルミニウム基盤上に塗布し、加熱乾燥することで撥インク層つきノズルプレートを作成した。撥インク層の臨界表面張力を測定したところ表1のようになった。
臨界表面張力はZisman法で求めることができる。つまり、表面張力が既知の液体を撥インク層の上にたらし、接触角θを測定し、液体の表面張力をx軸にCOSθをy軸にプロットすると右肩下がりの直線が得られる。(Zisman Plot)この直線がY=1(θ=0)となるときの表面張力を臨界表面張力γcとして算出することができる。その他の方法として、Fowkes法、Owens and Wendt法、Van Oss法を用いて臨界表面張力を求めることもできる。
前述のヘッド作成方法と同様に撥インク層つきノズルプレートを用いてインクジェットヘッドを作製した。これに後述する製造例1のシアンインクを用いてインクを噴射させた。インクの飛翔課程をビデオ撮影して観察したところ、いずれのノズルプレートを用いた場合にも正常に粒子化していることを確認し、吐出安定性が良好であることを確認した。
製造例1のシアンインクは、
Figure 2008260279
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に前記インクメディアセットにおけるインクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
前述のヘッド作成方法と同様に撥インク層つきノズルプレートを用いてインクジェットヘッドを作製した。これに製造例1のシアンインクを用いてインクを噴射させた。インクの飛翔課程をビデオ撮影して観察したところ、いずれのノズルプレートを用いた場合にも正常に粒子化していることを確認し、吐出安定性が良好であることを確認した。
−顔料インクの調整−
(製造例1 シアン)
−銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃にて1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次に、ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は15000であった。
次に、得られたポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1mol/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に攪拌した。その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0質量%の青色のポリマー微粒子分散体160gを得た。得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
(製造例2 マゼンタ)
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントレッド122に変更した以外は、製造例1と同様にして、赤紫色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
(製造例3 イエロー)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントイエロー74に変更した以外は、製造例1と同様にして、黄色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
(製造例4)
−カーボンブラックのポリマー微粒子分散体の調製−
製造例1において、銅フタロシアニン顔料をカーボンブラック(デグサ社製、FW100)に変更した以外は、製造例1と同様にして、黒色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は104nmであった。
次に、上記製造例1〜4で得たポリマー微粒子分散体及びカーボンブラック分散液を用いてインク組成物を製造した。
(製造例5)
−シアンインク組成物1の調製−
製造例1の銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール23.0質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。粘度の測定は、粘度測定装置(東機産業社製、R500回転粘度計)を用いて、25℃で行なった。
(製造例6)
−マゼンタインク組成物1の調製−
製造例2のジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン9.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
(製造例7)
−イエローインク組成物1の調製−
製造例3のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール24.5質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
(製造例8)
−ブラックインク組成物1の調製−
製造例4のカーボンブラック分散液20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール22.5質量%、グリセリン7.5質量%、2−ピロリドン2.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、R−(OCHCHOH(ただし、式中、Rは炭素数12のアルキル基、n=9)2.0質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、及び2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。
−染料インクの調製−
(製造例9)
下記に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)を用いて加圧濾過し染料インクセットを調整した。
染料インク組成:
染料種
イエロー C.I.ダイレクトイエロー86
シアン C.I.ダイレクトブルー199
マゼンタC.I. Acid Red 285
ブラック C.I.ダイレクトブラック154
処方
染料 4質量部
グリセリン 7質量部
チオジグリコール 7質量部
尿素 7質量部
アセチレングリコール 1.5部
水 73.5部
得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は4mPa・s、表面張力は約35dyne/cmであった。
−原紙製造−
(製造例10)
−支持体1の作製−
・LBKP 80質量部
・NBKP 20質量部
・軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業株式会社製)10質量部
・硫酸アルミニウム 1.0質量部
・両性澱粉(商品名:Cato3210、日本NSC株式会社製) 1.0質量部
・中性ロジンサイズ剤 0.3質量部
(商品名:NeuSize M−10、ハリマ化成株式会社製)
・歩留まり向上剤(商品名:NR−11LS、ハイモ社製) 0.02質量部
上記配合の0.3質量%スラリーを長網抄紙機で抄造し、マシンカレンダー仕上げをして坪量79g/mの支持体1を作製した。なお、抄紙工程のサイズプレス工程で、酸化澱粉水溶液を固形分付着量が片面当り、1.0g/mになるように塗布した。
(製造例11)
製造例5の処方からFS300を除いた以外は製造例5と同様にしてシアンインクを調合した。このときのインクの表面張力は42mN/mであった。
(製造例12)
製造例5の処方を40℃8時間加熱し、固形分を33wt%としたインクを作成した。このときの粘度は32mN/sであった。
(製造例13)
シアン顔料としてC.I.ピグメントシアン15:3を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入した顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを、限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度20%のシアン顔料分散液とした。
−シアンインク組成物2の調製−
このシアン顔料分散液20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール23.0質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、FS−300(DuPont社製)2.5質量%、プロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行なった。その後イオン交換水を使用し固形分を、12wt%に調整した。以上によりインク組成物を調製した。得られたインク組成物の25℃に於ける粘度は9mPa・s、表面張力は25mN/mであった。粘度の測定は、粘度測定装置(東機産業社製、R500回転粘度計)を用いて、25℃で行なった。
実施例1
作製した支持体1に、顔料として粒子径2μm以下の割合が97重量%のカオリン70部、平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム30部、接着剤として、ガラス転移温度(Tg)が−5℃のスチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン8部、リン酸エステル化澱粉1部、助剤としてステアリン酸カルシウム0.5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗工液を調整した。
この塗工液を上記の原紙に片面当り塗工層厚みが5μmになるように、ブレードコーターを用いて両面塗工し、熱風乾燥後、スーパーカレンダー処理を行い、本発明の記録用紙1を得た。
製造例1〜8にて製造したインク組成物からなる黒、イエロー、マゼンタ、シアン、インクセット1を調製し、得られたインクセット1と、記録用紙1とを用いて、300dpi、ノズル解像度384ノズルを有するドロップオンデマンドプリンタ試作機を使用し、画像解像度600dpiにて印字を行なった。大滴サイズは20plとし、中滴サイズは10pl,小滴サイズは2plとした。二次色の総量規制を140%にして付着量規制を実施しした。印字の際は300dot四方のインク総量が12g/mにてベタ画像、及び文字を印写した。得られた画像について、画像信頼性を評価した。結果は表2−1、表2−2に示した。
評価結果に×が示してあるものは、メディアとして不適切である。
実施例2
メディアにPODグロスコート(王子製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例3
メディアにUPM Digifinesee Gloss(UPM社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例4
メディアにColor Copy Gloss(インターナショナルペーパー社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例5
メディアにAvery Laser Glossy(Avery社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印
字を行なった。
実施例6
メディアにColor Copy coated glossy(Mondi社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例7
メディアにExact Gloss(Wausau Paper社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例8
メディアにSA金藤+(王子製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例9
メディアにOKトップコート+(王子製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例10
メディアにユーライト(日本製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例11
メディアにネプチューン(日本製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例12
メディアにオーロラコート(日本製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例13
メディアにαマット(北越製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例14
メディアにミラーコートプラチナ(王子製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例15
メディアにエスプリロータス(日本製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例16
メディアにエスプリC(日本製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例17
メディアにNew マリエスト(北越製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例18
メディアにピカソC(五条製紙社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例19
メディアにLaser High Gloss(SMART Papers社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例20
メディアにPODグロスコート(王子製紙社製)を使用し、インク総量を14g/mに設定した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例21
作製した支持体1に、顔料として粒子径2μm以下の割合が97重量%のカオリン50部、平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム30部、平均粒径2.0μmのシリカを20部、接着剤として、ガラス転移温度(Tg)が−5℃のスチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン8部、リン酸エステル化澱粉1部、助剤としてステアリン酸カルシウム0.5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗工液を調整した。
この塗工液を上記の原紙に片面当り塗工層厚みが5μmになるように、ワイヤーバーを用いて両面塗工し、熱風乾燥後、スーパーカレンダー処理を行ない、本発明の記録用紙2を得た。この記録用紙2を用いた以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
実施例22
製造例11のシアンインクを用いた以外は実施例1と同様にして印字を行った。なお、このときのインクの表面張力は42mN/mであった。
実施例23
製造例12のシアンインクを用いた以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
比較例1
メディアに写真用紙エントリー(エプソン社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
比較例2
メディアにクリスピア(エプソン社製)を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
比較例3
記録用紙1に、10%酢酸水溶液を塗布し、紙面pHを7に調整した記録用紙3を得た。この用紙を使用した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
比較例4
作製した支持体1に、顔料として粒子径2μm以下の割合が97重量%のカオリン30部、平均粒子径1.1μmの重質炭酸カルシウム30部、平均粒径2.0μmのシリカを40部、接着剤として、ガラス転移温度(Tg)が−5℃のスチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン8部、リン酸エステル化澱粉1部、助剤としてステアリン酸カルシウム0.5部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗工液を調整した。
この塗工液を上記の原紙に片面当り塗工層厚みが5μmになるように、ワイヤーバーを用いて両面塗工し、熱風乾燥後、スーパーカレンダー処理を行ない、本発明の記録用紙4を得た。この記録用紙4を用いた以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
比較例5
シアンインクに製造例13のシアンインクを用いた以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
比較例6
メディアにPODグロスコート(王子製紙社製)を使用し、インク総量を15.5g/mに設定した以外は実施例1と同様にして印字を行なった。
これら実施例1〜23、及び比較例1〜6で用いた各メディアはつぎのようなものである。
PODグロスコート:
セルロースパルプを主成分として支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。付着量 固形分として片面10g/m
UPM Digifinesee Gloss:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
Color Copy Gloss:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
Avery Laser Glossy:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
Color Copy coated glossy:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
Exact Gloss:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
SA金藤+:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。付着量 固形分として片面20g/m
OKトップコート+:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。付着量 固形分として片面10g/m
ユーライト:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。付着量 固形分として片面10g/m
ネプチューン:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
オーロラコート:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。付着量 固形分として片面10g/m
αマット:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
ミラーコートプラチナ:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
エスプリロータス:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
エスプリC:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
New マリエスト:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
ピカソC:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
Laser High Gloss:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
写真用紙エントリー:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
クリスピア:
セルロースパルプを主成分とした支持体上に顔料を含有する塗工層を有する塗工紙。
(評価項目とその測定方法)
<動的走査吸液計による純水転移量の測定>
各記録用メディアについて、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、25℃50%RHにて、純水の転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めた。
図14は実施例に示したメディアのうち、接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/mを超えるものについて、横軸に紙面pH、縦軸にスミア濃度をプロットしたものである。
図15は、実施例に示したメディアのうち、接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以下のものについて、同様に横軸に紙面pH、縦軸にスミア濃度をプロットしたものである。
いずれの場合も紙面pHが高くなるにつれ、スミア濃度を低く改善できるを示している。さらに、転移量が1ml/m以下のものの方がスミア濃度の改善効果が高いことがわかる。
<紙面pH測定>
実施例及び比較例のメディア表面に純水を0.1ml滴下し、紙面pHをフラットセンサー付きpH計 SKINCHECK( HANNA instruments社製)にて測定した。測定値は純水滴下後30秒の値とした。
<Cインク定着性>
各画像プリントのシアンべた画像部について、印刷24h後、クロックメータ(CM−1型)を使用し、摩擦子に白綿布(JISL 0803 綿3号)を両面粘着フォームテープ(3M社製 #4016 t=1.6)で貼り付け、5往復摩擦し、綿布に付着した色材の濃度を分光測色濃度計(エックスライト社製Model-938)を使用して測定した。
〔評価基準〕
○:濃度が0.05以下であり、実用上問題無いレベルにある
△:濃度が0.07以下0.05以上であり、なんとか使えるレベルにある。
×:濃度が0.07以上であり、実用上問題がある。
<オフセットインキセット時間>
RI印刷適性試験機(石川島播磨重工業社製)を使用して、塗工紙にシアンインク(東洋インキ社製:ハイユニティネオSOY)0.8ccをベタ刷りする。これを23℃、相対湿度65%の雰囲気下に8時間放置した後、印刷部分の5cm×5cmの範囲について指触で判定する。インク転写が無いか少ない時は○、多いときは△、極めて多い時は×とする。
<画像均一性>
シアンインクベタ画像部において、均一性が良好なものを◎又は○、一部にムラが認められるものを△、全面にムラが認められるものを×として目視評価した。
<総合判定の方法>
インク定着性判定と、オフセットインキセット時間判定のどちらも○のものを総合判定で◎又は○とした。二者の一方が○であり他方が△のものは、△判定とした。二者のいずれか或いは両方が×のものは、×判定とした。
Figure 2008260279
Figure 2008260279
本発明の記録方法は、一般の商業用印刷用の用紙に近い風合いの記録用メディア、もしくは一般の商業・出版用紙のうち、条件を満たすものを用いて、いわゆる「切れ」の良い、文字、画像の周辺部分にボケ、フェザリング、ブリードの生じない印字品位の優れた光沢感のある記録画像を高速に提供することができ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に好適に用いることができる。また得られた印字物は画像の耐擦性に優れ、印字後すぐのハンドリングにも支障がない。
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、印刷機などに特に好適に適用することができる。
本発明における総量規制処理の流れを示すフローチャートである。 従来における加熱定着方式の定着装置を示した図である。 従来における熱ローラ定着装置のヒータを示した図である。 熱ローラ定着装置の2本ヒータ方式のヒータを示した図である。 2本ヒータ方式のヒータと通紙幅との関係を示す図である。 本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図6のインクカートリッジのケース(外装)も含めた概略図である。 インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要素拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要部拡大断面図である。 インクジェット記録装置と定着装置の全体構成を説明する概略構成図である。 本発明により作成したインクジェットヘッドノズル板の断面図である。 本発明で用い得るインクジェットヘッドノズル板の別の断面図である。 実施例のメディアのうち、接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/mを超えるものについて、横軸に紙面pH、縦軸にスミア濃度をプロットしたものである。 実施例のメディアのうち、接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以下のものについて、同様に横軸に紙面pH、縦軸にスミア濃度をプロットしたものである。 図1に示される総量規制処理の具体例(アルゴリズム)を示す図である。
符号の説明
(図2〜図5)
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 発熱フィラメント
4 ヒータ
5 紙
6 温度検知手段
7 用紙
8 用紙
9 用紙
10 発熱フィラメント
11 ヒータ
12 発熱フィラメント
13 ヒータ
14 発熱フィラメント
15 デュアルフィラメントヒータ

(図6、図7)
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装

(図8、図11)
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
202 定着装置
203 指触乾燥装置

(図9、図10)
1b 共通液室
2a 液体抵抗部
2b 加圧液室
2c 連通口
2d 隔壁
3a ノズル
5f 駆動部
5g 支持部
6a 凸部
6b ダイヤフラム
6c インク流入口
10 フレーム
20 流路板
30 ノズルプレート
40 ベース
50 積層圧電素子
60 振動板
70 接着層

(図12、13)
1 撥インク膜
1' 撥インク膜
1a 撥インク膜
2 ノズル板
3 インク
4 ディスペンサ
5 ニードル
6 気体
d 開口部分近傍以外における厚み
r 曲率半径
θ ノズル板平面からの角度
P メニスカス
Q メニスカス

Claims (20)

  1. セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、少なくとも一層の顔料を含有する塗工層を塗布してなるメディアにインクを飛翔させて、該メディアに印字するインクジェット記録方法であって、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水のメディアの前記塗工層を有する面への転移量が30ml/m以下であり、かつ接触時間400msにおける純水のメディアの前記塗工層を有する面への転移量が35ml/m以下であって、塗工層を有する紙面pHが8以上であるメディアに対し、粒子状の色材とエマルジョン樹脂および界面活性剤を少なくとも含有するpH8以上のインクを用いてインク付着量15g/m以下で印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. シアンインク色材として少なくともフタロシアニンブルーを使用することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 接触時間100msにおける純水のメディアへの転移量が1ml/m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記記録メディアのコート層が少なくともSBRエマルジョンを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インクに刺激を印加し、該インクを飛翔させて前記記録メディアに画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載されるインクジェット記録方法に用いられるインクであり、該インクが、少なくともさらに、水、及び湿潤剤を含有することを特徴とするインク。
  8. 前記インクが、25℃における表面張力が15〜40mN/mであることを特徴とする請求項7に記載のインク。
  9. 前記インクが、界面活性剤を含有し、該界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項7又は8に記載のインク。
  10. 前記インクの25℃における粘度が、1〜30cpsであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のインク。
  11. 前記インクが、着色剤として分散性色材を含有し、該分散性色材の平均粒径が0.01〜0.16μmであることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載のインク。
  12. 請求項7乃至11のいずれかに記載されるインクを充填したことを特徴とするインクカートリッジ。
  13. インクジェットヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されている記録装置を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれに記載の記録方法。
  14. 前記撥インク層が、フッ素系材料、あるいは、シリコーン系材料で構成されることを特徴とする請求項13に記載の記録方法。
  15. 前記撥インク層の表面粗さRaが0.2μm以下であることを特徴とする請求項13に記載の記録方法。
  16. 前記撥インク層の開口部近傍における当該開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、該基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくように形成されたことを特徴とする請求項13に記載の記録方法。
  17. 前記撥インク層の膜厚が1A以上であることを特徴とする請求項13に記載の記録方法。
  18. 前記撥インク層の臨界表面張力γcが5〜40mN/mであることを特徴とする請求項13に記載の記録方法。
  19. 請求項13乃至18のいずれかに記載される記録方法を用いることを特徴とする記録装置。
  20. 請求項1乃至18のいずれかに記載される記録方法により記録された記録物。
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