JP6136375B2 - 水性インク画像形成用前処理液及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂微粒子を含む樹脂液とインク組成物とを付着させて印字を行う記録方法が、特許文献2には、有機酸アンモニウム塩と水溶性カチオンポリマーを含む反応液と、着色剤と樹脂エマルジョンとを含むインク組成物とを付着させて印字を行うインクジェット記録方法が開示されている。
また、特許文献3には、インク成分の凝集促進剤としてエピハロヒドリンとアミンのコポリマーを含む処理液を用いることが記載されている。
これらの問題に対する対策として、前処理液を付与した後、乾燥工程を設けているが、搬送部材に対する前処理液の転写などの問題は解決できるものの、前処理液の凝集機能が変化してしまうなどの新たな問題が生じる。更に、本発明者らの検討により、前処理後の印刷画像の光沢度が低下することが判明した。
そこで、本発明は、塗工層を有する記録媒体に対し、水性インク画像形成用前処理液(以下、前処理液ということもある)を付与し乾燥させた後、水性インクを用いて画像を形成する際に、粒状度低下及び画像光沢度低下を抑制することが可能な水性インク画像形成用前処理液の提供を目的とする。
1) 少なくとも、アミンとエピハロヒドリンを含むモノマーを共重合させて得られる水溶性カチオンポリマーからなる凝集剤、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物、界面活性剤、水溶性有機溶剤、及び水を含有し、前記凝集剤の含有量が40〜60質量%であることを特徴とする水性インク画像形成用前処理液。
2) 前記化合物の前処理液中の含有量が0.01〜0.50質量%であることを特徴とする1)に記載の水性インク画像形成用前処理液。
3) 前記界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする1)又は2)に記載の水性インク画像形成用前処理液。
4) 前記界面活性剤の前処理液中の含有量が0.10〜0.50質量%であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の水性インク画像形成用前処理液。
5) 支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する記録媒体の塗工層上に、1)〜4)のいずれかに記載の前処理液を付着させる前処理液付着工程、付着させた前処理液を乾燥させる乾燥工程、及び乾燥させた記録媒体に水性インクをインクジェット記録方法により吐出して画像を形成する画像形成工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
6) 前記前処理液の塗布量が0.1〜20.0g/m2であることを特徴とする5)に記載の画像形成方法。
7) 前記水性インクが顔料を色材とするものであることを特徴とする5)又は6)に記載の画像形成方法。
しかし、前処理液中のこれらの材料の総量は約40〜80質量%とする。総量が少ないと、乾燥工程後の凝集能低下の抑制効果が小さくなる可能性がある。また、総量が多すぎると、記録媒体に塗布する時に必要な浸透性、濡れ性の機能を付与する材料の添加が困難になる可能性がある。
本発明の前処理液は、前処理液付与後の乾燥工程の加熱プロセスに伴う凝集能低下の影響が少ない水溶性カチオンポリマー、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物及び界面活性剤を適切に組み合わせることにより、乾燥工程に伴う凝集能低下と画像光沢度低下を抑制するものである。
また、本発明の前処理液を用いると、前処理した後、水性インクで画像形成する際に、前処理液中に含まれるポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物がインクに作用し、記録媒体へのインクの浸透過程において、記録媒体面上の顔料凝集部分のレベリング性が向上し、結果的に画像部の平滑性が保持され、画像光沢低下が抑制されるのではないかと推察される。
凝集剤は、前処理液に、インク中の顔料を凝集させる機能を付与するために添加する。凝集剤としては、アミンとエピハロヒドリンを含むモノマーを共重合させて得られる水溶性カチオンポリマーを用いる。
この水溶性カチオンポリマーは、主鎖に水酸基とアンモニウムカチオンを含み、また、水溶液中でハロゲンアニオンを遊離するので、水性インクと接触した際に緩衝作用や顔料を凝集させる作用を高める働きをすると考えられる。
この水溶性カチオンポリマーの例としては、ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体、ポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、アミン−エピハロヒドリン共重合体が挙げられる。
上記アミンモノマーとしては、(3)式で示されるジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、イミノビスプロピルアミン等が挙げられるが、工業的に製造されており容易に入手できる点でジエチレントリアミンが好ましい。
なお、これらの化合物以外の第4級アンモニウム塩型カチオンポリマーを水溶性カチオンポリマーとして用いても良い。
前記水溶性カチオンポリマーの含有量は、前処理液全体の40〜60質量%とする。含有量が少ないと、乾燥工程後の凝集能低下の抑制効果が小さくなる可能性がある。また、含有量が多いと、効果が変わらなくなる上に他の材料の添加が困難になる可能性がある。後述する実施例に示すように、前記範囲であれば、良好な粒状度や光沢度が得られる。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物は、前処理液とインク中の顔料が凝集する際、画像の表面を平滑化する目的で添加する。これにより、前処理液がインクと接触し、顔料が凝集した場合にも、凝集性能を落とすことなく、その凝集した画像面を平滑に維持できる。
前記化合物としては不揮発分が95質量%以上のものが好ましい。その含有量は前処理液全体の0.01〜0.50質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.3質量%である。0.01質量%未満では、画像光沢低下に対して効果が無く、0.50質量%より多いと、前処理液中での前記化合物の分離を生じたり、前処理液の保存信頼性を損ねることがある。
界面活性剤は、記録媒体の濡れ性を改質し、記録物の画像の濃度、彩度及び白ポチ(記録物の画像部に空白が残ることをいう)を改良するために添加する。
界面活性剤の含有量は、前処理液全体の0.10〜0.50質量%が好ましい。含有量が0.10質量%未満では、添加効果が小さくなることがあり、0.50質量%より多いと、含有量を増やしても効果に違いが見られず、しかも、前処理液の保存信頼性を損ねることがある。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及びベタイン系界面活性剤が好ましく、特に粒状性の向上、光沢度低下抑制の点からノニオン系界面活性剤が好ましい。中でも好ましいのはアセチレングリコール系界面活性剤である。
水溶性有機溶剤は主に湿潤剤として添加する。その例としては、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。特に、吐出や塗布安定性維持の点からは、温度23℃、湿度80%環境中の平衡水分量が30質量%以上(更には40質量%以上)の水溶性有機溶剤が好ましい。
上記の中でも、多価アルコール類が好適であり、その具体例としては、1,2,3−ブタントリオール〔bp(沸点)175℃/bp測定時の気圧(1気圧でない場合のみ記載)33hPa、平衡水分量38質量%〕、1,2,4−ブタントリオール(bp:190−191℃/24hPa、41質量%)、グリセリン(bp:290℃、49質量%)、ジグリセリン(bp:270℃/20hPa、38質量%)、トリエチレングリコール(bp:285℃、39質量%)、テトラエチレングリコール(bp:324−330℃、37質量%)、ジエチレングリコール(bp:245℃、43質量%)、1,3−ブタンジオール(bp:203−204℃、35質量%)等が挙げられる。
上記多価アルコールアリールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp:237℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
上記アミド類の具体例としては、ホルムアミド(bp:210℃)、N−メチルホルムアミド(bp:199−201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp:153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp:176−177℃)等が挙げられる。
上記アミン類の具体例としては、モノエタノールアミン(bp:170℃)、ジエタノールアミン(bp:268℃)、トリエタノールアミン(bp:360℃)、N,N−ジメチルモノエタノールアミン(bp:139℃)、N−メチルジエタノールアミン(bp:243℃)、N−メチルエタノールアミン(bp:159℃)、N−フェニルエタノールアミン(bp:282−287℃)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp:169℃)等が挙げられる。
上記含硫黄化合物類の具体例としては、ジメチルスルホキシド(bp:139℃)、スルホラン(bp:285℃)、チオジグリコール(bp:282℃)等が挙げられる。
上記糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類等が挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロース等の自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、上記糖類の還元糖(例えば、糖アルコール〔一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH(ただし、nは0以上の整数を示す)で表わされる。〕、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ酸等が挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されないが、前処理液全体の5〜20質量%程度が好ましい。
前処理液には上記各成分の他に、浸透剤、抑泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を添加しても良い。
(浸透剤)
浸透剤としては、炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物が挙げられる。中でも25℃の水中での溶解度が0.2〜5質量%のものが好ましい。特に、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が好ましい。
その他の非湿潤剤性ポリオール化合物としては、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2,−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
浸透剤の含有量は、前処理液全体の0.1〜5.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満では前処理液を浸透させる効果が現れないことがあり、5.0質量%を超えると、浸透剤の溶媒への溶解性が低いために溶媒から分離してしまい、浸透性を向上させる効果が飽和してしまうことがある。
前処理液には、発泡(液体が薄い膜になって空気を包むこと)を抑えるために抑泡剤を添加しても良い。
一般に、水のように表面張力が高い液体は、液体の表面積をできるだけ小さくしようとする力が働くために発泡し難いが、表面張力が低く粘度が高い液体は発泡し易く、発生した泡が維持されて消泡し難い。
本発明の前処理液は、凝集剤、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物、水溶性有機溶剤、界面活性剤等を含有するため、表面張力が低下し粘度が上昇する。その結果、発泡し易くなるため抑泡剤を用いることが好ましい。
抑泡剤の含有量は、前処理液全体の0.01〜10質量%が好ましく、0.02〜5質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%未満では、泡を抑える効果が十分に得られない場合がある。また、10質量%を超えると、含有量を増やしても泡を抑える効果が変わらなくなったり、抑泡剤が前処理液に溶解しなくなったりする場合がある。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに前処理液のpHを4〜8に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。pHが8を超えると、凝集効果が大きく低下する可能性がある。またpHが4未満では、前処理液と接触する搬送部材のローラー等が腐食し、搬送機能に障害が発生する可能性がある。
pH調整剤の例としては、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
上記アルコールアミン類としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。上記アルカリ金属元素の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。上記アンモニウムの水酸化物としては、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物等が挙げられる。上記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。上記アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンナトリウム化合物等が挙げられる。
(防錆剤)
防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、1,2,3−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
以下、本発明の前処理液と組み合わせる水性インクについて説明するが、これに限定されるものではない。
本発明の画像形成方法に用いられる水性インクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水を含有し、必要に応じてその他の添加剤を含有する。
(水分散性着色剤)
水分散性着色剤としては、耐候性の面から主として顔料が用いられるが、色調調整のため、耐候性を劣化させない範囲内で染料を含有しても構わない。
顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用又はカラー用の無機顔料や有機顔料などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらの中でも水と親和性の良いものが好ましい。
より好ましい顔料の具体例としては、黒色用としてファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類、酸化チタン等の金属化合物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
(1)第1形態:ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の顔料を含有させたポリマーエマルジョン(顔料を含有させたポリマー微粒子の水分散物)
(2)第2形態:表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下、「自己分散性顔料」と称することもある)
また、この第2形態の自己分散性顔料を含有するインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドノズル付近のインク水分が蒸発した場合でも目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行なえる。
前記自己分散性顔料の体積平均粒径(D50)は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
前記アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、−SO2NH2、−SO2NHCOR(ただし、Mは、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす)等が挙げられる。これらの中でも、カラー顔料表面に、−COOM、−SO3Mが結合されたものが好ましい。また、前記「M」のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
前記着色剤のインク中の含有量は、2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。含有量が2質量%未満では、インクの発色性及び画像濃度が低くなってしまうことがあり、15質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがあるため好ましくない。
水溶性有機溶剤としては、前記前処理液に用いられる水溶性有機溶剤が好適に用いられる。水性インクにおける前記水分散性着色剤と水溶性有機溶剤との質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に影響を与える。例えば、水分散性着色剤の含有量が多いのに水溶性有機溶剤の配合量が少ないと、ノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。
水溶性有機溶剤のインク中の含有量は、20〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。含有量が20質量%未満では、吐出安定性が低下したりインクジェット記録装置の維持装置で廃インクが固着したりする可能性がある。また、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り、更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
界面活性剤としては、着色剤の種類や水溶性有機溶剤の組み合わせによって分散安定性が損なわれず、表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が特に好ましい。これら界面活性剤は、1種を単独で用いても、又は2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤のインク中の含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%未満では、界面活性剤の添加効果が無いことがあり、3.0質量%を超えると、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、普通紙においては特に、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
浸透剤としては、前処理液に用いられる浸透剤が好適に用いられる。
浸透剤のインク中の含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満では速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなったりして、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
前記pH調整剤としては、調合される水性インクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記pHが7未満及び11を超えると、インクジェットヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
pH調整剤の具体例としては、前処理液用として挙げたものと同じものが挙げられる。
また、前記防腐防黴剤及び防錆剤の具体例も、前処理液用として挙げたものと同じものが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
例えば、水性インクの25℃での粘度は5〜20mPa・sが好ましい。インクの粘度を5mPa・s以上とすることにより、印字濃度や文字品位を向上させることができる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることにより、吐出性を確保することができる。前記粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して25℃で測定することができる。
水性インクの静的表面張力は、25℃での静的表面張力が20〜35mN/mが好ましく、30mN/m以下がより好ましい。静的表面張力が20〜35mN/mであれば、浸透性が高くなるのでブリーディングの低減効果が高く、普通紙印字での乾燥性が良好となる。また前処理層に濡れ易いので発色性が良く白ポチも改良される。しかし、静的表面張力が35mN/mを超えると、記録媒体上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
水性インクの色には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行なうと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行なうと、フルカラー画像を形成することができる。
また、上記水性インクは、例えば、印字時又は印字前後に記録媒体及びインクを50〜200℃で加熱して印字定着を促進する機能を有するプリンタ等にも使用できる。
本発明の前処理液は、オフセット印刷用紙などの支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する記録媒体に画像を形成する際に有効に使用される。しかし、塗工層を持たない普通紙、一般的にコピー用紙として用いているサイズ度10s以上、透気度5〜50sの普通紙を用いても良い。
オフセット印刷用紙とは、アート紙(A0、A1)、A2コート紙、A3コート紙、B2コート紙、軽量コート紙、微塗工紙といった商業印刷に用いられている塗工紙のことであり、オフセット印刷やグラビア印刷に使用する紙(記録媒体)を指す。
市販のアート紙としては、OK金藤N、OK金藤−R40N、SA金藤N、サテン金藤N、サテン金藤−R40N、ウルトラサテン金藤N、ウルトラOK金藤N、金藤片面(王子製紙社製)、NPi特アート、NPiスーパーアート、NPiスーパーダル、NPiダルアート(日本製紙社製)、ユトリロスーパーアート、ユトリロスーパーダル、ユトリロプレミアム(大王製紙社製)、高級アートA、特菱アート、スーパーマットアートA、高級ダルアートA(三菱製紙社製)、雷鳥スーパーアートN、雷鳥スーパーアートMN、雷鳥特アート、雷鳥ダルアートN(中越パルプ社製)等が挙げられる。
市販のB2コート(中質コート)紙としては、OK中質コート、(F)MCOP、OKアストログロス、OKアストロダル、OKアストロマット(王子製紙社製)、キングO(日本製紙社製)等が挙げられる。
本発明の画像形成方法は、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する記録媒体の塗工層上に、前処理液を付着させる前処理液付着工程、付着させた前処理液を乾燥させる乾燥工程、及び乾燥させた記録媒体に水性インクをインクジェット法により吐出して画像を形成する画像形成工程を含む。
前処理液付着工程は、記録媒体の表面に前処理液を均一に付着させることができればよく、特に方法に制限はない。例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法等が挙げられる。
前処理液の塗布量(記録媒体を乾燥させる前の付着量)は、0.1〜20.0g/m2が好ましく、0.5〜10.0g/m2がより好ましい塗布量が0.1g/m2未満では、記録物の画像品質(濃度、彩度、カラーブリード、フェザリング)が向上しない場合があり、20.0g/m2を超えると、乾燥効率が低下して乾燥が不十分となり、印字後の搬送性や画像乾燥性、定着性などが低下したり、記録物の風合いが損なわれたり、また、コストの面で問題が生じたりする可能性がある。
記録媒体に付着した前処理液を乾燥させる工程としては、記録媒体に付着した前処理液が、前処理液付着工程からインクの吐出による画像形成までの間に接触する搬送部材に転写して、搬送部材の障害の発生や汚れの蓄積による画像品質の低下が生じない程度に、人工的に乾燥させる方法を用いればよい。乾燥温度は40℃〜130℃が好ましく、80℃〜100℃がより好ましい。乾燥温度が40℃未満では乾燥時間がかかりすぎ、130℃を超えると、記録媒体に皺などの品質異常が生じる可能性がある。
乾燥方法としては、ヒートドラム方式、オーブン方式、温風吹き付け方式、プレヒータ方式、加熱ローラー方式等が挙げられる。また、これらの方式を組み合わせても良い。
画像形成工程は、乾燥工程を経た記録媒体に、インクジェット記録方法でインクを吐出して画像を形成する工程である。インクジェット記録方法としては、公知の方法の中から適宜選択すればよく、例えば、ライン化されたヘッドを用いる方式や、ヘッドを走査する方式が挙げられる。また、インクを吐出させる手段である記録ヘッドの駆動方式にも特に限定はない。例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いる方式、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録する方式等が挙げられる。熱エネルギーを作用させる方式では、液滴の噴射を自在に制御することが難かしいとされており、記録媒体種等により記録される画像の品質のばらつきが大きくなりがちであるが、前処理液を記録媒体に付与することによりこの問題は解消され、記録媒体種によらず安定した高い品質の記録物を得ることができる。
本発明の画像形成方法に用いる記録装置の一例について、図1により説明する。図1はライン化されたヘッドを用いて連帳の記録媒体に画像を記録する装置である。
図1では、記録媒体101を搬送経路107により搬送する。次いで前処理液付着装置102により、記録媒体101の塗工層面側に前処理液を付与した後(前処理液付着工程)、ローラー103等を経て、乾燥装置104で前処理液を乾燥する(乾燥工程)。次いで、印字装置105により、記録媒体101の乾燥面に、インクジェット記録法で水性インクを吐出させて画像を形成し(画像形成工程)、印字された記録媒体106を得る。
〔作製例1〕
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を付けた1000mLのグラス製オートクレーブに、50%ジメチルアミンを200.0g(2.218モル)、30%トリメチルアミンを291.0g(1.477モル)仕込み、窒素置換した後、40℃に冷却しながらエピクロロヒドリン274.0g(2.961モル)を2時間かけて導入し、同温度で1時間保持し、更に80℃に昇温して3時間熟成させた。冷却後、35%塩酸77.0g、及び75%リン酸0.82g(対固形分730ppm)によりpHを5.0に調整し、固形分濃度58%、4級化率91%のカチオン性ポリマーからなる凝集剤を840.0g得た。収率は99.7%であった。このカチオン性ポリマーの粘度は、21mPa・sであり、1,3−ジクロロ−2−プロパノール(DCH)の含有量は100ppm以下であった。
なお、ジメチルアミン及びトリメチルアミンは水溶液の形態で仕込んだ。上記の仕込み質量は、各アミンの正味換算値を示すものである。また、pH調整する前の反応物のpHは12であった。
作製例1と同じオートクレーブに、50%ジメチルアミンを200.0g(2.218モル)、30%トリメチルアミンを218.5g(1.109モル)仕込み、窒素置換した後、40℃に冷却しながらエピクロロヒドリン257.0g(2.777モル)を2時間かけて導入し、同温度で1時間保持し、更に80℃まで昇温して3時間熟成させた。
冷却後、35%塩酸54.5g及び75%リン酸0.92gによりpHを5.0に調整し、更に固形分濃度が60%になるように純水で希釈して、カチオン性ポリマーからなる凝集剤を得た。このカチオン性ポリマーの粘度は、36mPa・sであった。
作製例1と同じオートクレーブに、50%ジメチルアミンを200.0g(2.218モル)、30%トリメチルアミンを174.8g(0.887モル)仕込み、窒素置換した後、40℃に冷却しながらエピクロロヒドリン246.0g(2.659モル)を2時間かけて導入し、同温度で1時間保持し、更に80℃まで昇温させ3時間熟成させた。
冷却後、35%塩酸46.2g及び75%リン酸0.87gによりpHを5.0に調整し、更に固形分濃度が60%になるように純水で希釈して、カチオン性ポリマーからなる凝集剤を得た。このカチオン性ポリマーの粘度は、40mPa・sであった。なお、pH調整する前の反応物のpHは10.5であった。
作製例1と同じオートクレーブに、50%ジメチルアミンを200.0g(2.218モル)、30%トリメチルアミンを145.7g(0.739モル)仕込み、窒素置換した後、40℃に冷却しながらエピクロロヒドリン239.0g(2.583モル)を2時間かけて導入し、同温度で1時間保持し、更に80℃まで昇温させ3時間熟成させた。
冷却後、35%塩酸38.5g及び75%リン酸0.82gによりpHを5.0に調整し、更に固形分濃度が60%になるように純水で希釈して、カチオン性ポリマーからなる凝集剤を得た。このカチオン性ポリマーの粘度は、48mPa・sであった。
作製例1と同じオートクレーブに、50%ジメチルアミンを200.0g(2.218モル)、30%トリメチルアミンを145.7g(0.739モル)仕込み、窒素置換した後、40℃に冷却しながらエピクロロヒドリン239.0g(2.583モル)を2時間かけて導入し、同温度で1時間保持し、更に80℃まで昇温させ3時間熟成させた。
冷却後、35%塩酸38.5g及び75%リン酸1.6gによりpHを4.0に調整し、更に、固形分濃度が60%になるように純水で希釈して、カチオン性ポリマーからなる凝集剤を得た。このカチオン性ポリマーの粘度は、48mPa・sであった。
作製例1と同じオートクレーブに、50%ジメチルアミンを200.0g(2.218モル)、30%トリメチルアミンを291.0g(1.477モル)仕込み、窒素置換した後、40℃に冷却しながらエピクロロヒドリン274.0g(2.961モル)を2時間かけて導入し、同温度で1時間保持し、更に80℃まで昇温させ3時間熟成させた。
冷却後、35%塩酸77.0gでpHを5.0に調整し、更に固形分濃度が60%になるように純水で希釈して、カチオン性ポリマーからなる凝集剤を得た。このカチオン性ポリマーの粘度は、20mPa・sであった。
作製例1との対比から、75%リン酸0.82gを使用しなくても35%塩酸77.0gのみによりpH5.0の調整が可能であることが分かる。
作製例1で得たのと同じ、固形分濃度58%、4級化率91%のカチオン性ポリマーの水溶液に、4級化剤として3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド6.4g(0.022モル)及びグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド4.7g(0.022モル)を加え、60℃で2時間撹拌処理を行い、作製例7の凝集剤を得た。このカチオン性ポリマー水溶液のpHは4.8になり、4級化率は99%に達した。また、溶液粘度は23mPa・sに上昇した。
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を付けた500mLの四つ口フラスコに、水95.1g、58%トリメチルアミン塩酸塩水溶液131.8g(0.8モル)を仕込み、窒素ガス導入下で40℃を越えないように冷却しながら、エピクロロヒドリン74.0g(0.8モル)を3時間かけて滴下した。滴下終了後80℃まで昇温し、1時間かけて反応させた。その後、30℃に冷却し、50%ジメチルアミン水溶液36.1g(0.4モル)と水酸化カルシウム14.8g(0.2モル)とを加え、80℃まで昇温し1時間かけて反応させた。次いで反応液を、塩酸及び水によりpH4.0、固形分濃度50%となるように調整し、作製例8の凝集剤を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を付けた500mLの四つ口フラスコに、水36.8g、30%トリメチルアミン水溶液157.6g(0.8モル)、50%ジメチルアミン水溶液36.1g(0.4モル)、ジエチルアミン7.3g(0.1モル)を仕込み、窒素ガス導入下で40℃を越えないように冷却しながらエピクロロヒドリン92.5g(1.0モル)を4時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃まで昇温し、その温度で2時間かけて反応させた。その後、反応液を30℃に冷却し、硫酸及び水によりpH3.9、固形分濃度50%となるように調整し、作製例9の凝集剤を得た。
共重合体温度計、冷却器、撹拌機、窒素導入管を備えた3Lの四つ口丸底フラスコに、ジエチレントリアミン495g(4.8モル)を仕込み、攪拌しながらアジピン酸877g(6.0モル)を加え、生成する水を系外に除去しながら昇温し、150℃で5時間反応させた後、水1000gを徐々に加えてポリアミドポリアミン含有液を得た。このポリアミドポリアミン含有液は固形分が52.1%で、固形分が50%のときの25℃における粘度は380mPa・sであった。
続いて、前記ポリアミドポリアミン含有液100g(アミノ基として0.214モル)、酢酸3.8g(30当量%)及び30%水酸化ナトリウム水溶液4.3g(15当量%)を仕込み、水6.7gを加えて固形分を50%とした。次いで、30℃でエピクロロヒドリン19.8g(100当量%)を1時間かけて滴下した後、同温度で1時間保持し、メタ重亜硫酸ナトリウム0.8g(2当量%)を添加し、エピクロロヒドリン滴下開始から5時間同温度で保持した。次いで、98%硫酸1.1g(10当量%)及び水127.0gを加えて固形分を30%とした後、75℃まで加熱した。次いで、反応液の25℃における粘度が300mPa・sに達するまでこの温度で保持した後、水40.5gを添加して固形分を26%とし、25℃以下に冷却した後、30%硫酸でpH3.5に調整し、更に88%ギ酸でpH3.0に調整し、固形分濃度25.0%、15%時の粘度51.6mPa・sの作製例10の凝集剤を得た。
ポリアミン−エピクロロヒドリン共重合体撹拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を付した1Lの四つ口フラスコに、水443.85部、ジエチレントリアミン41.27部を仕込み、窒素ガス導入下でエピクロロヒドリン111.04部を、40℃を越えないように1.5時間かけて滴下した。次いで、オクタハイドロ−4,7−メタノインデン−1(2),5(6)−ジメタンアミン19.4部を加え、30分撹拌した後、エピクロロヒドリン18.51部を40℃を越えないように0.5時間かけて滴下し、70℃に昇温し、1.5時間保温した。次いで、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7.5に調整し、引続き1.5時間保温した。更に30%硫酸水溶液でpHを3.5に調整し冷却して反応を完結させた。得られた作製例11の凝集剤は、固形分30.2%、粘度7.6cps(固形分濃度10%)、pH3.9であった。
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を付けた1Lの四つ口フラスコに、水657.2部、トリエチレンテトラミン58.4部、50%ジメチルアミン108部を仕込み、窒素ガス導入下でエピクロロヒドリン192.4部を40℃を越えないよう1.5時間かけて滴下した後、70℃に昇温し、1.5時間保温した。次いで、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整し、更に70℃で1.5時間保温し、30%硫酸水溶液でpHを3.5に調整し、冷却して反応を完結させた。得られた作製例12の凝集剤は固形分濃度29.9%、粘度20cps(固形分濃度10%)、pH3.5であった。
<前処理液の作製>
上記作製例1〜12の凝集剤と、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物、界面活性剤、水溶性有機溶剤を、表1の実施例及び比較例の各欄に示すように組み合わせて使用し、以下の手順で実施例及び比較例の各前処理液を作製した。
まず、水溶性有機溶剤、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物、界面活性剤及びイオン交換水を1時間攪拌して均一に混合し、次いで、凝集剤を加えて1時間攪拌して均一に混合した。得られた混合物を、平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して、各前処理液を得た。
なお、水溶性有機溶剤の含有量は20%とし、イオン交換水は前処理液全体で100%になるように調整した。
また、表1中の各欄の符号*1〜*8の意味は以下のとおりである。
*1:前処理液中の凝集剤の含有量が40%である。
*2:前処理液中の凝集剤の含有量が50%である。
*3:前処理液中の凝集剤の含有量が60%である。
*4:前処理液中の凝集剤の含有量が10%である。
*5:化合物BYK331、BYK333は、ビッグケミー・ジャパン社製のポリエー
テル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物である。
*6:サーフィノール104SはAir Products and Chemica
ls.Inc.社製である。
*7:アセチノールE100は川研ファインケミカル社製である。
*8:PD−001は日信化学工業社製である。
(分散液調製例1:マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液)
―ポリマー溶液Aの調製―
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し65℃に昇温した。次いで、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を、2.5時間かけてフラスコ内に滴下し、続いて、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を、0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し濃度が50%のポリマー溶液Aを800g得た。
ポリマー溶液Aを28g、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くため、平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、顔料15%、固形分20%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。この分散液中のポリマー微粒子の平均粒子径(D50)は82.7nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定には、粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
C.I.ピグメントレッド122を、フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)に変えた点以外は、調製例1と同様にしてシアン顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。この分散液中のポリマー微粒子の平均粒子径(D50)は110.6nmであった。測定装置は調製例1と同じである。
C.I.ピグメントレッド122を、モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)に変えた点以外は、調製例1と同様にしてイエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。この分散液中のポリマー微粒子の平均粒子径(D50)は105.4nmであった。測定装置は調製例1と同じである。
表2のインク調製例1〜3の各欄に示す材料を用い、以下の手順でインク調製例1〜3のインクを作製した。インク調製例1はマゼンタインク、インク調製例2はシアンインク、インク調製例3はイエローインクである。各材料の含有量は表2に示すとおりである。また、ゾニールFS−300はデュポン社製のフッ素系界面活性剤である。
まず、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、界面活性剤及び水を混合し、1時間攪拌して均一に混合した。次いで、調製例1〜3の各顔料分散液とpH調整剤を添加し1時間攪拌した。得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、インク調製例1〜3の各インクを作製した。
<評価1:前処理液付与後の記録媒体に対し、乾燥工程後の粒状度評価>
塗工層を有する記録媒体(王子製紙社製:OKトップコート+)に対し、塗工層面に各前処理液をローラー塗布法で1.20±0.20g/m2付与した後、図1に示すインクジェット記録装置により、単色シアン及び2次色グリーンのインクを1パスで吐出して1200dpiのベタ画像(3cm×3cm)を形成した。次いで、オーブン方式により90℃で30秒間乾燥させた後、ベタ画像部の粒状度(濃度ムラ)を評価した。
評価はランク見本を作製し、目視官能評価により下記の基準で行った。結果を表3に示す。なお、2次色グリーンは、シアンインクとイエローインクを用いて形成した。
〔評価基準〕
1:激しくムラ有り、ベタ部の白ポチ部(インクが殆ど印字されていない部分)も
目立つ
2:かなりムラ有り
3:わずかに濃度ムラ有り
4:全くなし
単色シアンインクと単色マゼンタインクを用いた点以外は、評価1と同様にして形成し乾燥させたベタ画像部の光沢度を評価した。インク付着量は約100%(0.7μl/cm2)とし、光沢度計(BYK Gardener社製:4501)を使用して、ベタ画像部の60度光沢度を測定した。結果を表4に示す。
これに対し、比較例では、粒状度が悪く、光沢度も低下した。
102 前処理液付着装置
103 ローラー
104 乾燥装置
105 印字装置
106 印字された、塗工層を有する記録媒体
107 記録媒体の搬送経路
Claims (7)
- 少なくとも、アミンとエピハロヒドリンを含むモノマーを共重合させて得られる水溶性カチオンポリマーからなる凝集剤、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物、界面活性剤、水溶性有機溶剤、及び水を含有し、前記凝集剤の含有量が40〜60質量%であることを特徴とする水性インク画像形成用前処理液。
- 前記化合物の前処理液中の含有量が0.01〜0.50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性インク画像形成用前処理液。
- 前記界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性インク画像形成用前処理液。
- 前記界面活性剤の前処理液中の含有量が0.10〜0.50質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水性インク画像形成用前処理液。
- 支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する記録媒体の塗工層上に、請求項1〜4のいずれかに記載の前処理液を付着させる前処理液付着工程、付着させた前処理液を乾燥させる乾燥工程、及び乾燥させた記録媒体に水性インクをインクジェット記録方法により吐出して画像を形成する画像形成工程を含むことを特徴とする画像形成方法。
- 前記前処理液の塗布量が0.1〜20.0g/m2であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
- 前記水性インクが顔料を色材とするものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成方法。
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