JP2008259470A - 麺類、及び麺類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食味の優れた麺類を提供する。
【解決手段】本発明の麺類1は、原料粉体を含む麺生地からなる二層の麺線部2a,2bが積層されて構成された二層麺線部2と、二層麺線部2を構成する二層の麺線部2a,2bの間に配置された、食味付け用の食味付け粉体3とを備えた麺類1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、麺類、及び麺類の製造方法に関する。更に詳しくは、食味の優れた麺類、及びこのような麺類を簡便且つ低コストに製造することが可能な麺類の製造方法に関する。
従来、うどん、そば等の麺類は、原料粉体を混練して調製した生地(麺生地)を、複合機、圧延機等を用いて、整形、複合、圧延して麺帯を製造し、その麺帯を麺線に切り出すという機械的な製造方法が広く用いられている。
このような機械的な製造方法によって製造された麺類は、麺帯機や複合機に適した状態の麺生地を調製する必要があるため、例えば、そばの場合、そば粉の配合割合又は加水率の許容範囲が狭くなることがあり、結果として手打ちによって製造された麺類と比較して、食味が弱くなってしまう傾向にある。また、このような麺類は、製造後直ぐに食されることなく、ある程度の期間保存されることもあるため、経時的に食味が低下してしまうこともある。
このため、例えば、原料穀粉に水、塩等を加えて混煉した通常の麺生地と、通常の麺生地に異種物質を混入した混合麺生地とを製造するとともに、混合麺生地の周りを通常の麺生地で一体状に包覆して、一体状となった麺生地を、圧延工程、切断工程(切り出し工程)を経て麺線に仕上げる変り麺の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような変り麺は、異種物質の特別な風味を発揮させることができる。
また、上記したような機械的方法によって製造された麺類の食感を向上させるために、例えば、外層用麺帯と内層用麺帯を個別につくり、内層用麺帯を二枚の外層用麺帯で挟んで積層圧延(複合圧延)して三層麺帯をつくり、その三層麺帯を麺線に切り出して三層麺類を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような三層麺は、内層と外層とで異なる種類の麺生地を用いるものであり、具体的な例としては、かん粉又は食塩の含有率が内層と外層とで異なる三層麺等が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−65205号公報 特開平5−91845号公報 特開平8−9909号公報
上記したような従来の変り麺や三層麺は、異なる二種類以上の麺生地を製造して、その食感を改善させた麺類であるが、現在の消費者の食生活向上に伴ってより食味の優れた麺類の開発が望まれている。
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたものであって、食味の優れた麺類、及びこのような麺類を簡便且つ低コストに製造することが可能な麺類の製造方法を提供する。
本発明によれは、以下の麺類、及び麺類の製造方法が提供される。
[1] 原料粉体を含む麺生地からなる二つの麺線部が積層されて構成された二層麺線部と、前記二層麺線部を構成する二つの前記麺線部の間に配置された、食味付け用の食味付け粉体とを備えた麺類。
[2] 前記食味付け粉体が、石臼挽きそば粉、韃靼そば粉、抹茶、よもぎ粉、こんにゃく粉、粉わさび、海草粉末、及びカレー粉からなる群より選択される少なくとも一種の粉体を含むものである前記[1]に記載の麺類。
[3] 前記麺生地を構成する前記原料粉体が、そば粉と、前記そば粉以外の他の粉体とを含む混合粉体であり、前記食味付け粉体が、そば粉である前記[1]に記載の麺類。
[4] 前記麺生地を構成する前記原料粉体100質量部に対して、前記食味付け粉体が、二つの前記麺線部の間に0.5〜8質量部配置された前記[1]〜[3]のいずれかに記載の麺類。
[5] 原料粉体を混練して得られた麺生地を、ローラにより整形して二枚の麺帯を得る工程と、得られた二枚の前記麺帯の間に、食味付け用の食味付け粉体を挟み込んだ状態で積層して二層麺帯を得る工程と、得られた前記二層麺帯を麺線状に切り出す工程と、を備えた麺類の製造方法。
[6] 二枚の前記麺帯の少なくとも一方の前記麺帯の片面に、前記食味付け粉体を散布し、前記食味付け粉体が散布された面を覆うように、二枚の前記麺帯を積層して前記二層麺帯を得る前記[5]に記載の麺類の製造方法。
[7] 前記麺生地を、二対の前記ローラにより整形して二枚の前記麺帯を得る前記[5]又は[6]に記載の麺類の製造方法。
[8] 前記二層麺帯を、その厚さが1.0〜2.5mmとなるように圧延する工程を更に備えた前記[5]〜[7]のいずれかに記載の麺類の製造方法。
本発明の麺類は、二層麺線部を構成する二つの麺線部の間に、食味付け用の食味付け粉体が配設されているため、食した際に感じ得る味及び匂い等の食味に優れている。更に、上記したように、食味付け粉体は二つの麺線部の間に配設されており、外部に露出していないため、乾麺を製造する際の乾燥工程においては、直接的に乾燥のための気流に触れることがなく、また、茹で麺の茹で工程においては、食味付け粉体が茹で湯中に溶け出し難いことから、麺類の食味の低下が防止されている。また、本発明の麺類は、長期保存した場合であっても、経時的な食味の低下が有効に防止されている。
また、本発明の麺類の製造方法は、上記したような食味の優れた麺類を簡便且つ低コストに製造することができる。
以下、本発明の麺類、及び麺類の製造方法を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
[1]麺類:
まず、本発明の麺類の一の実施形態について説明する。図1は、本発明の麺類の一の実施形態を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1に示す麺類の分解斜視図である。本実施形態の麺類1は、原料粉体を含む麺生地からなる二つの麺線部2a,2bが積層されて構成された二層麺線部2と、二層麺線部2を構成する二つの麺線部2a,2bの間に配置された、食味付け用の食味付け粉体3とを備えた麺類1である。
このように本実施形態の麺類1は、食味付け粉体3が二つの麺線部2a,2bの間に配置されたものであるため、食味の優れたものである。即ち、本実施形態の麺類1は、例えば、麺線部2a,2b自体が、特別に優れた食味を有していなくとも、食味付け粉体3によって優れた食味を実現することができる。
更に、本実施形態の麺類1においては、上記した食味付け粉体3が外部に直に露出していないため、乾麺を製造する際の乾燥工程においては、直接的に乾燥のための気流に触れることがなく、また、茹で麺の茹で工程においては、食味付け粉体が茹で湯中に溶け出し難いことから、麺類の食味の低下が防止されている。また、長期保存した場合であっても、経時的な食味の低下が有効に防止されている。なお、本発明における「食味」とは、味及び匂い等の食した際に得られる感覚のことである。また、本実施形態の麺類1は、同一の麺生地を用いて製造された従来の麺類と比較して、食する前の麺類の香りについても優れている。
通常、二枚の麺帯を積層して、その麺帯を麺線状に切り出すことによって麺類を製造する場合には、例えば、整形用のローラ(整形ローラということがある)で帯状に整形された二枚の麺帯が強固に密着するように、それぞれの麺帯の表面には何も処理されることなく(即ち、圧延された麺生地のままの状態で)積層される。
本実施形態の麺類は、例えば、上記したような二枚の麺帯の間に食味付け用の食味付け粉体を散布して配置し、この二枚の麺帯を積層して、更に、積層した麺帯を麺線状に切り出すことによって製造することができる。
本実施形態の麺類は、例えば、そば、うどん、きしめん、ラーメン、焼きそば等の中華麺、冷麦、そうめん、パスタ等のいずれの麺類であってもよい。また、本実施形態の麺類は、麺生地を圧延したそのままの生の状態のもの(生麺)であってもよいし、また、一定の水分値となるまで乾燥させた状態のもの(乾麺)であってもよいし、生麺と乾麺との中間程度まで乾燥させた状態のもの(半生麺)であってもよい。更に、蒸し麺、茹で麺、冷凍麺等の状態のものであってもよい。
[1−1]麺線部:
本実施形態の麺類に用いられる麺線部は、原料粉体を混練して麺生地を得、得られた麺生地を麺線状に整形して得られたものである。本実施形態の麺類においては、この麺線部は、二つの麺線部が積層されて構成された二層麺線部であり、例えば、原料粉体を含む麺生地を整形ローラ等によって帯状に押出して二枚の麺帯を得、この二枚の麺帯を積層し、更に、その麺帯を何段階かに圧延し、麺線状に切り出すことによって得ることができる。
麺生地の原料となる原料粉体は、従来公知の麺類の原料として用いられる粉体、例えば、そば粉、小麦粉、米粉、澱粉、穀粉等を用いることができる。上記した澱粉としては、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、とうもろこし澱粉(モチ種を含む)等を挙げることができる。また、穀粉としては、上記したそば粉、小麦粉、及び米粉の他に、例えば、とうもろこし粉、大麦粉、大豆粉等を挙げることができる。また、上記そば粉には、韃靼そば粉等も含まれる。なお、原料粉体としては、上記の粉体の他、通常の麺類の製造において用いられる蛋白質、増粘多糖類、油脂、乳化剤等が適宜使用できることは勿論である。
麺線部を得るための麺生地は、上記した原料粉体に、水、塩等を加えて混練することによって調製することができる。また、例えば、本実施形態の麺類がラーメンである場合には、かん水を更に加えて混練することによって麺生地を調製することが好ましい。
麺生地の調製方法については特に制限はなく、従来公知の麺類の製造方法における麺生地の調製と同様の方法によって行うことができる。例えば、従来公知の麺生地の混練機等を用いて調製することが好ましい。
例えば、本実施形態の麺類がそばの場合には、原料粉体として、そば粉、又は、そば粉と小麦粉との混合粉体を用いることができ、この原料粉体に水や食塩水を加えて混練することによって麺生地を得ることができる。原料粉体の配合割合については、例えば、原料粉体100質量%とした場合、そば粉が30〜100質量%で、小麦粉が0〜70質量%であることが好ましい。
また、例えば、本実施形態の麺類がうどんの場合には、原料粉体として、小麦粉、又は小麦粉と澱粉等のその他の粉体との混合粉体を用いることができ、この原料粉体に水や食塩水を加えて混練することによって麺生地を得ることができる。原料粉体の配合割合については、例えば、原料粉体100質量%とした場合、小麦粉が90〜100質量%で、その他の粉体(例えば、澱粉)が0〜10質量%であることが好ましい。
また、このように調製された麺生地を用いて麺線部を形成する方法についても特に制限はなく、従来の麺類の製造方法において用いられる複合機や圧延機等を用いて整形することができる。なお、本実施形態の麺類は、二つの麺線部が積層されて構成された二層麺線部であるため、二対の整形ローラを有する複合機等にて二枚の麺帯を同時に整形し、得られた二枚の麺帯を積層し、更に、その麺帯を何段階かに圧延し、麺線状に切り出すことによって製造することが好ましい。
[1−2]食味付け粉体:
本実施形態の麺類に用いられる食味付け粉体は、麺類に食味付けを行うための粉体である。このような食味付け粉体としては、麺生地の原料となる原料粉体よりも食味の高い粉体を用いることが好ましい。例えば、食味付け粉体としては、石臼挽きそば粉、韃靼そば粉、抹茶、よもぎ粉、こんにゃく粉、粉わさび、海草粉末、カレー粉等の食味の高い粉体、又はこれらの粉体を含む混合粉体を用いることができる。なお、上記した粉体は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、本実施形態の麺類がそばの場合には、原料粉体として、そば粉と、そば粉以外の他の粉体(例えば、小麦粉等)とを含む混合粉体が用いられるため、麺帯(麺生地)自体のそばの食味が低下してしまうことがある。このため、食味付け粉体として、そば粉、又は、原料粉体よりもそば粉の配合割合が高い混合粉体を用いることにより、麺線部自体では十分なそばの食味を得られない場合であっても、食味付け粉体によって、より高いそばの食味を表現することができる。
また、例えば、麺帯を構成する原料のそば粉と比較して、より品質や等級(グレード)の高いそば粉を食味付け粉体として用い、このような食味付け粉体を二枚の麺帯の間に散布させることによって、その食味を向上させることができる。また、例えば、カレー粉を二枚の麺帯の間に散布させることによって、食味付け粉体であるカレーの食味を強調した麺類を製造することができる。
なお、この食味付け粉体の使用量については、使用する粉体の種類や、付与される食味の程度によっても異なるが、例えば、麺生地を構成する原料粉体100質量部に対して、食味付け粉体が、二つの麺線部の間に0.5〜8質量部配置されたものであることが好ましく、1〜6質量部配置されたものであることが更に好ましく、3〜4質量部配置されたものであることが特に好ましい。なお、使用する食味付け粉体の種類によっても異なるが、例えば、食味付け粉体の使用量が、0.5質量部未満であると、食味付け粉体の量が少なすぎて、十分な食味を得ることができないことがある。また、食味付け粉体の使用量が、8質量部を超えると、二つの麺線部が密着し難くなり、麺類が二つに裂け易くなることがある。更に、食味付け粉体の使用量が、8質量部を超えると、食味が強く出すぎてしまい、食味のバランスを崩すこともある。使用する食味付け粉体の食味の種類及び強さに応じて好ましい使用量の範囲を適宜決定することが好ましい。
なお、この食味付け粉体は、上記した麺生地からなる麺線部自体では得られない食味を与えるために、又は、麺線部自体では食味が低すぎる場合の補強用のために用いられるものである。このため、食味付け粉体は、原料粉体とは種類が異なる粉体であるか、原料粉体とは品質や等級が異なる粉体であるか、又は、原料粉体とはその配合割合が異なる粉体を用いることが好ましい。
また、本実施形態の麺類は、使用する食味付け粉体の種類を変えることにより、同一の麺生地を使用した場合であっても、得られる麺類の食味を異なるものとすることができる。このため、例えば、一つの製造ラインにおいて食味の異なる麺類を簡便に製造することができ、極めて経済的である。
また、本実施形態の麺類は、麺生地自体に強い食味を付けなくともよいため、麺生地を調製するための混練機等に食味付けをするための素材の匂いが付着することがない。例えば、麺生地自体に強い食味を付ける場合には、混練機等にその匂いが付着してしまい、別の食味の麺生地を調製する際に、以前に調製した麺生地の匂いが移ってしまうことがあるが、本実施形態の麺類を製造する場合には、麺生地の調製時に他の麺生地の匂いが移ってしまうことがない。
[2]麺類の製造方法:
次に、本発明の麺類の製造方法の一の実施形態について具体的に説明する。本実施形態の麺類の製造方法は、図3に示すように、原料粉体を混練して得られた麺生地を、整形ローラにより整形して二枚の麺帯5(5a,5b)を得る工程と、図4及び図5に示すように、得られた二枚の麺帯5a,5bの間に、食味付け用の食味付け粉体3を挟み込んだ状態で積層して二層麺帯6を得る工程と、図6に示すように、得られた二層麺帯6を麺線状に切り出す工程と、を備えた麺類の製造方法である。ここで、図3は、本実施形態の麺類の製造方法における二枚の麺帯を得る工程を説明するための斜視図であり、図4及び図5は、本実施形態の麺類の製造方法における二層麺帯を得る工程を説明するための斜視図であり、図6は、本実施形態の麺類の製造方法における二層麺帯を麺線状に切り出す工程を説明するための斜視図である。
このように構成することによって、図1に示すような、原料粉体を含む麺生地からなる二つの麺線部2a,2bが積層されて構成された二層麺線部2と、上記した二つの麺線部2a,2bの間に配置された食味付け粉体3と、を備えた麺類1を簡便且つ低コストに製造することができる。
このような本実施形態の麺類の製造方法は、図7及び図8に示すような麺類製造装置10を用いて、機械的方法によって実現することができる。図7に示す麺類製造装置10は、原料粉体と水等とを混練して麺生地4を調製する麺生地調製手段11と、麺生地を整形するための整形ローラ14及び二枚の麺帯を積層して複合する複合ローラ15を有する複合手段12と、複合して得られた二層麺帯6を所定の厚さとなるまで圧延するための圧延ローラ16を有する圧延手段13と、を備えたものである。なお、図8は、図7に示す麺類製造装置における複合手段の構成を拡大した説明図である。
ここで、図7及び図8に示すような麺類製造装置10を用いて、機械的方法によって麺類を製造する具体的な方法について説明する。
本実施形態の麺類の製造方法においては、まず、原料粉体に水、塩水等を加えて、麺生地調製手段11にて麺生地4を調製する。この麺生地調製手段11は、従来工程の混練機(ミキサー)を用いることができる。なお、使用する原料粉体の種類については、製造する麺類の種類に応じて適宜選択することができる。具体的な例としては、上記した本発明の麺類の実施形態で挙げた原料粉体を好適に用いることができる。また、麺生地を調製する際に用いられる水や塩等の量についても、製造する麺類の種類や使用する原料粉体の種類によって適宜選択することができる。また、これらの原料粉体に、必要に応じて乳化剤等の品質改良剤、動物性もしくは植物性蛋白質、野菜類、海草類等を更に加えてもよい。
このようにして麺生地4を調製した後、供給機(フィーダー)21によって所定量の麺生地4を複合手段12に導入する。この複合手段12に導入された麺生地4は、整形ローラ14によって麺帯5に整形(圧延)される。本実施形態の麺類の製造方法においては、図8に示すように、二対の整形ローラ14により麺生地4を整形して、同時に二枚の麺帯5を得ることが好ましい。
次に、得られた二枚の麺帯5の間に、食味付け用の食味付け粉体3を挟み込み、食味付け粉体3を挟み込んだ二枚の麺帯5を積層して、二枚の麺帯5の間に食味付け粉体3が配設された二層麺帯6を得る。積層後、複合ローラ15によって、二層麺帯6を構成する二枚の麺帯5を強固に密着(複合)させる。
図7及び図8に示す麺類製造装置10は、二対の整形ローラ14の後段に、二枚の麺帯5の少なくとも一方の麺帯5aの片面に、所定の量の食味付け粉体3を散布するための食味付け粉体散布部17を有している。この食味付け粉体散布部17は、連続的に整形される麺帯5aの表面に、一定量の食味付け粉体3を連続的に散布することができるように構成されている。なお、このような食味付け粉体散布部17を交換可能なものとすることにより、散布する食味付け粉体の種類を短時間で切り替えることが可能となり、小ロットの製品(麺類)の製造、及び製品の切換を効率的に行うことができる。
本実施形態の麺類の製造方法においては、上記した麺類製造装置を用いて食味付け粉体を散布するのではなく、例えば、二枚の麺帯を得た後に、一定量の食味付け粉体が通過可能な比較的に目の粗い袋(例えば、目の粗い木綿製の袋)等に食味付け粉体を入れ、この袋を麺帯の上で振ることによって、食味付け粉体を散布することもできる。
食味付け粉体の使用量(散布量)については、使用する食味付け粉体の種類や、付与される食味の程度によっても異なるが、麺生地を構成する原料粉体100質量部に対して、食味付け粉体の量が0.5〜8質量部となるように散布することが好ましく、1〜6質量部となるように散布することが更に好ましく、3〜4質量部となるように散布することが特に好ましい。なお、使用する食味付け粉体の種類によっても異なるが、例えば、食味付け粉体の使用量が、0.5質量部未満であると、食味付け粉体の量が少なすぎて、十分な食味を得られないことがある。また、食味付け粉体の使用量が、8質量部を超えると、得られる二つの麺線部が密着し難くなり、麺類が二つに裂け易くなることがある。更に、食味付け粉体の使用量が、8質量部を超えた場合には、食味が強く出すぎてしまい、食味のバランスを崩すこともある。使用する食味付け粉体の食味の種類及び強さに応じて好ましい使用量の範囲を適宜決定することが好ましい。なお、食味付け粉体を散布する場合には、麺帯の幅方向全体に均一な密度で散布することが好ましい。
次に、得られた二層麺帯6を、圧延手段13の圧延ローラ16にて所定の厚さ(即ち、最終製品である麺類の厚さ)となるように圧延する。通常、複合手段12における整形ローラ14にて整形された麺帯5は麺密度が低いため、このような圧延ローラ16にて更に圧延し、麺密度が高く、弾力性に優れた麺類を製造する。なお、図7に示す麺類製造装置10においては、4段の圧延ローラ16によって二層麺帯6を圧延しているが、例えば、1段の圧延ローラによって一回で二層麺帯を圧延してもよい。また、二層麺帯を複数段の圧延ローラによって段階的に圧延する場合には、圧延ローラの数は4段に限定されることはない。
また、本実施形態の麺類の製造方法においては、特に限定されることはないが、二層麺帯6を、その厚さが1.0〜2.5mmとなるように圧延することが好ましい。
具体的には、麺類としてそばを製造する場合には、例えば、整形ローラ14によって整形する一つの麺帯5の厚さを8.0〜10mmとし、この麺帯5を二層積層して結合させて、当初厚さが8.0〜10mmの二層麺帯6を得、得られた二層麺帯6の最終厚さが1.15〜1.7mmとなるように圧延することが好ましい。
また、麺帯としてうどん、冷麦、そうめん等の麺類を製造する場合には、整形ローラ14によって整形する一つの麺帯5の厚さを7.0〜10mmとし、この麺帯5を二層積層して結合させて、当初厚さが7.0〜10mmの二層麺帯6を得、得られた二層麺帯6の最終厚さが1.0〜2.5mmとなるように圧延することが好ましい。
次に、所定の厚さになるまで圧延した二層麺帯6を、切刃20にて麺線状に切り出して麺類1を得る。このように構成することによって、図1に示すような、原料粉体を含む麺生地からなる二つの麺線部2a,2bが積層されて構成された二層麺線部2と、二つの麺線部2a,2bの間に配置された食味付け粉体3とを備えた麺類1を製造することができる。
なお、このように麺線状に切り出した麺類1には、打ち粉散布手段18によって打ち粉19(手粉ともいう)を散布してもよい。この打ち粉19は、得られた麺類1の表面に散布することで、得られた麺類1同士が付着してしまうことを防止することができる。このような打ち粉19としては、従来公知の麺類に用いられる打ち粉、例えば、澱粉やそば粉等を好適に用いることができる。なお、打ち粉19は、切り出した麺類1をそのまま生の状態のもの(生麺)として用いる場合に主として用いられる。
本実施形態の麺類の製造方法においては、上記したように、二層麺帯6を切り出した生の状態のもの(生麺)を製造してもよいが、例えば、このような生麺を、一定の水分値となるまで乾燥させて、乾麺として麺類を製造してもよく、また、生麺と乾麺との中間程度まで乾燥させて、半生麺として麺類を製造してもよい。更に、生麺を一度蒸したり茹でたりして、蒸し麺や茹で麺として麺類を製造してもよいし、得られた麺類を冷凍して冷凍麺としてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
そば粉と小麦粉の割合が50:50となるように混合した原料粉体20kgを、25kg用混練機に投入して5分間混合した後、ボーメ度が5%の食塩水6.6kgを更に加えて混練して麺生地を調製した。得られた麺生地を、二対の整形ローラを用いて、厚さ8mm、幅215mmの二枚の麺帯を得た。なお、原料粉体に用いるそば粉としては、挽きぐるみを用いた。
このようにして得られた麺帯のうち、一方の麺帯の片面に、食味付け粉体としてそば粉を散布した。散布の方法としては、麺帯を水平に略一定の速度(本実施例においては、2.3〜2.4m/min)で移動させながら、その麺帯の表面に、麺帯を構成する原料粉体100質量部あたりの散布量が約3.5質量部となるように、上記食味付け粉体を均一に散布した。なお、食味付け粉体に用いるそば粉としては、二番粉を用いた。
次に、食味付け粉体(そば粉)を散布した麺帯の面を覆うように、二枚の麺帯を積層し、積層した麺帯の厚さが8mmとなるように複合ローラで圧延(複合)した。更に、圧延機を用いて、最終的な厚さが1.2mmとなるように、段階的に二層に積層した麺帯を圧延した後、切刃に通過させて、厚さ1.2mm、幅1.25mm、長さ320mmとなるように切り出して、生そば(実施例1)を製造した。
(実施例2)
実施例1に用いた麺生地よりも、原料粉体におけるそば粉の割合を増やして麺類を製造した。具体的には、そば粉(挽きぐるみ)と小麦粉の割合が70:30となるように混合した原料粉体20kgを、25kg用混練機に投入して5分間混合した後、ボーメ度が5%の食塩水6.6kgを更に加えて混練して麺生地を調製した。得られた麺生地を、二対の整形ローラを用いて、厚さ8mm、幅215mmの二枚の麺帯を得た。
このようにして得られた麺帯のうち、一方の麺帯の片面に、食味付け粉体としてそば粉を散布した。散布の方法としては、麺帯を水平に略一定の速度(本実施例においては、2.3〜2.4m/min)で移動させながら、その麺帯の表面に、麺帯を構成する原料粉体100質量部あたりの散布量が約3.5質量部となるように、上記食味付け粉体を均一に散布した。なお、食味付け粉体に用いるそば粉としては、実施例1と同様に二番粉を用いた。
次に、食味付け粉体(そば粉)を散布した麺帯の面を覆うように、二枚の麺帯を積層し、積層した麺帯の厚さが8mmとなるように複合ローラで圧延(複合)した。更に、圧延機を用いて、最終的な厚さが1.2mmとなるように、段階的に二層に積層した麺帯を圧延した後、切刃に通過させて、厚さ1.2mm、幅1.25mm、長さ320mmとなるように切り出して、生そば(実施例2)を製造した。
(実施例3)
実施例1に用いた麺生地よりも、原料粉体におけるそば粉の割合を減らして麺類を製造した。具体的には、そば粉(挽きぐるみ)と小麦粉の割合が30:70となるように混合した原料粉体20kgを、25kg用混練機に投入して5分間混合した後、ボーメ度が5%の食塩水6.6kgを更に加えて混練して麺生地を調製した。得られた麺生地を、二対の整形ローラを用いて、厚さ8mm、幅215mmの二枚の麺帯を得た。
このようにして得られた麺帯のうち、一方の麺帯の片面に、食味付け粉体としてそば粉を散布した。散布の方法としては、麺帯を水平に略一定の速度(本実施例においては、2.3〜2.4m/min)で移動させながら、その麺帯の表面に、麺帯を構成する原料粉体100質量部あたりの散布量が約3.5質量部となるように、上記食味付け粉体を均一に散布した。なお、食味付け粉体に用いるそば粉としては、実施例1と同様に二番粉を用いた。
次に、食味付け粉体(そば粉)を散布した麺帯の面を覆うように、二枚の麺帯を積層し、積層した麺帯の厚さが8mmとなるように複合ローラで圧延(複合)した。更に、圧延機を用いて、最終的な厚さが1.2mmとなるように、段階的に二層に積層した麺帯を圧延した後、切刃に通過させて、厚さ1.2mm、幅1.25mm、長さ320mmとなるように切り出して、生そば(実施例3)を製造した。
(比較例1)
実施例1に用いた麺生地と同様に構成された麺生地を、二対の整形ローラを用いて、それぞれの厚さ8mm、幅215mmの二枚の麺帯を得た。
次に、二枚の麺帯を積層し、積層した麺帯の厚さが8mmとなるように複合ローラで圧延(複合)した。更に、圧延機を用いて、最終的な厚さが1.2mmとなるように、段階的に積層した麺帯を圧延した後、切刃を通過させて、厚さ1.2mm、幅1.25mm、長さ320mmとなるように切り出して、生そば(比較例1)を製造した。
(比較例2)
比較例1に用いた麺生地よりも、原料粉体におけるそば粉の割合を減らして麺類を製造した以外は、比較例1と同様の方法によって、生そば(比較例2)を製造した。なお、原料粉体は、そば粉と小麦粉の割合が30:70となるように混合した。
このようにして得られた生そば(実施例1〜3、比較例1及び2)を、それぞれ3リットルの沸騰した湯に、100g入れて茹でた後、十分な量の冷水にて水洗いして冷却した。なお、実施例1及び比較例1の生そばは茹で時間を2分30秒とし、実施例2の生そばは茹で時間を2分とし、実施例3及び比較例2の生そばは茹で時間を3分とした。
このようにして得られた実施例1〜3、比較例1及び2の生そばについて食味及び風味についての評価を行った。風味の評価は、試食する前に、得られたそば(茹でた後に冷却したもの)の香りについて、比較例1のそばの香りを基準(5点)とし、この比較例1のそばの香りに対して、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。また、食味の評価は、それぞれのそばを試食し、食した際に感じる味及び匂いについて、比較例1のそばの味及び匂いを基準(5点)とし、この比較例1のそばの食味に対して、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2008259470
(考察1)
実施例1の麺類は、同様の麺生地を用いた比較例1の麺類と比較して、食味及び風味が優れているものであった。また、実施例3の麺類は、比較例1の麺類よりもそば粉の割合を少なくしたものであるが、比較例1に対して、食味及び風味ともに近いものであり、また、同様の麺生地を用いた比較例2の麺類よりは食味及び風味ともに優れているものであった。なお、実施例3の麺類は、麺生地の原料粉体におけるそば粉の割合を減らしているため、比較例1の麺類よりも低コストに製造することができた。このため、比較例1に比べて実施例3の食味及び風味が多少低いという結果となっているが、使用した原料粉体の配合割合から考慮した場合、十分に満足できる食味及び風味であった。
(実施例4)
実施例1にて得られた生そばと同様に構成された生そばを、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾燥そば(実施例4)を製造した。
(実施例5)
実施例2にて得られた生そばと同様に構成された生そばを、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾燥そば(実施例5)を製造した。
(実施例6)
実施例3にて得られた生そばと同様に構成された生そばを、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾燥そば(実施例6)を製造した。
(比較例3)
比較例1にて得られた生そばと同様に構成された生そばを、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾燥そば(比較例3)を製造した。
(比較例4)
比較例2にて得られた生そばと同様に構成された生そばを、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾燥そば(比較例4)を製造した。
このようにして得られた乾燥そば(実施例4〜6、比較例3及び4)を、それぞれ3リットルの沸騰した湯に、100g入れて茹でた後、十分な量の冷水にて水洗いして冷却した。なお、実施例4及び比較例3の乾燥そばは茹で時間を4分30秒とし、実施例5の乾燥そばは茹で時間を4分とし、実施例6及び比較例4の乾燥そばは茹で時間を5分とした。
このようにして得られた実施例4〜6、比較例3及び4の乾燥そばについて、食味及び風味についての評価を行った。風味の評価は、試食する前に、得られたそば(茹でた後に冷却したもの)の香りについて、比較例3のそばの香りを基準(5点)とし、この比較例3のそばの香りに対して、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。また、食味の評価は、それぞれのそばを試食し、食した際に感じる味及び匂いについて、比較例3のそばの味及び匂いを基準(5点)とし、この比較例3のそばの食味に対して、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2008259470
(考察2)
実施例4の麺類は、同様の麺生地を用いた比較例3の麺類と比較して、食味及び風味が優れているものであった。また、実施例6の麺類は、比較例3の麺類よりもそば粉の割合を少なくしたものであるが、比較例2の麺類と同等の食味及び風味を得ることができた。なお、実施例6の麺類は、麺生地の原料粉体におけるそば粉の割合を減らしているため、比較例3の麺類よりも低コストに製造することができた。
また、同一麺生地からなる生麺を比較した上記実施例1及び比較例1よりも、同一麺生地からなる乾麺を比較した実施例4及び比較例3の方が、風味及び食味の向上する程度が高いという結果が得られた。
同一麺生地からなる乾麺を比較した実施例4及び比較例3と、同様に同一麺生地からなる乾麺を比較した実施例6及び比較例4とでは、原料粉体におけるそば粉の配合割合が少ない実施例6及び比較例4の方が、風味及び食味の向上する程度が高いという結果が得られた。
なお、従来、そばを機械的製造方法によって製造する場合には、麺生地に含まれるそば粉の配合割合を高くするほど、歩留りが低下する傾向にある。このため、実施例6のそばのように、麺生地自体は、そば粉の配合割合を低くして、歩留りを向上させ、且つ、その分低くなりがちな風味及び食味については、麺生地の間に食味付け粉体を配置して、風味及び食味を向上させることが効果的である。特に、上記したように、原料粉体におけるそば粉の配合割合が少ない場合には、風味及び食味の向上する程度が高く、より大きな効果を期待することができる。
(実施例7)
原料粉体としての小麦粉20kgを、25kg用混練機に投入して5分間混合した後、ボーメ度が5%の食塩水6.6kgを更に加えて混練して麺生地(うどん生地)を調製した。得られた麺生地を、二対の整形ローラを用いて、厚さ8mm、幅215mmの二枚の麺帯を得た。
このようにして得られた麺帯のうち、一方の麺帯の片面に、食味付け粉体としてカレー粉を散布した。散布の方法としては、麺帯を水平に略一定の速度(本実施例においては、2.3〜2.4m/min)で移動させながら、その麺帯の表面に、麺帯を構成する原料粉体100質量部あたりの散布量が約1.5質量部となるように、上記食味付け粉体を均一に散布した。
次に、食味付け粉体(カレー粉)を散布した麺帯の面を覆うように、二枚の麺帯を積層し、積層した麺帯の厚さが8mmとなるように複合ローラで圧延(複合)した。更に、圧延機を用いて、最終的な厚さが1.2mmとなるように、段階的に二層に積層した麺帯を圧延した後、切刃に通過させて、厚さ1.2mm、幅1.25mm、長さ320mmとなるように切り出して、食味付け粉体としてカレー粉を用いたカレーの食味を有する生麺のうどん(実施例7)を製造した。
(比較例5)
原料粉体としての小麦粉100質量部に対して、2質量部のカレー粉を加えて、カレー粉を含んだ麺生地を実施例7と同様の方法で調製した。得られた麺生地を、二対の整形ローラを用いて、厚さ8mm、幅215mmの二枚の麺帯を得た。比較例5に用いたカレー粉は、実施例7において食味付け粉体として用いたカレー粉と同様のものである。
次に、二枚の麺帯を積層し、積層した麺帯の厚さが8mmとなるように複合ローラで圧延(複合)した。更に、圧延機を用いて、最終的な厚さが1.2mmとなるように、段階的に積層した麺帯を圧延した後、切刃を通過させて、厚さ1.2mm、幅1.25mm、長さ320mmとなるように切り出して、カレー粉を含んだ麺生地からなる生麺のうどん(比較例5)を製造した。
(比較例6)
カレー粉の量を1質量部とした以外は、比較例5と同様の方法によって、カレー粉を含んだ麺生地からなる生麺のうどん(比較例6)を製造した。
このようにして得られたうどん(実施例7、比較例5及び6)を、それぞれ3リットルの沸騰した湯に、100g入れて5分間茹でた。
このようにして得られた実施例7、比較例5及び6のカレーの食味を有するうどんについて、食味及び風味についての評価を行った。風味の評価は、試食する前に、得られたうどんの香りについて、比較例5のうどんにおけるカレーの香りを基準(5点)とし、この比較例5の香りに対して、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。また、食味の評価は、それぞれのうどんを試食し、食した際に感じる味及び匂いについて、比較例5のうどんの味及び匂いを基準(5点)とし、この比較例5のうどんの食味に対して、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2008259470
(実施例8)
実施例7にて得られたうどんと同様に構成されたうどん(生麺)を、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾麺のうどん(実施例8)を製造した。
(比較例7)
比較例5にて得られたうどんと同様に構成されたうどん(生麺)を、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾麺のうどん(比較例7)を製造した。
(比較例8)
比較例6にて得られたうどんと同様に構成されたうどん(生麺)を、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾麺のうどん(比較例8)を製造した。
このようにして得られた乾麺(実施例8、比較例7及び8)を、それぞれ3リットルの沸騰した湯に、100g入れて10分間茹でた。
このようにして得られた実施例8、比較例7及び8のカレーの食味を有するうどんについて、食味及び風味についての評価を行った。風味及び食味の評価は、比較例7のうどんを基準(5点)とし、実施例7と同様に、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2008259470
(実施例9)
食味付け粉体としてカレー粉を用いた以外は、実施例1と同様の方法によってカレーの食味を有する生麺のそば(実施例9)を製造した。なお、カレー粉の使用量は、麺帯を構成する原料粉体100質量部あたり約1.5質量部とした。
(比較例9及び10)
原料粉体にカレー粉を加えて麺生地を調製した以外は、比較例1と同様の方法によってカレーの食味を有する生麺のそば(比較例9及び10)を製造した。なお、比較例9及び10に用いたカレー粉は、実施例9において食味付け粉体として用いたカレー粉と同様のものである。
このようにして得られたそば(実施例9、比較例9及び10)を、それぞれ3リットルの沸騰した湯に、100g入れて茹でた。なお、実施例9及び比較例9のそばは茹で時間を2分30秒とし、比較例10のそばは茹で時間を3分とした。
このようにして得られた実施例9、比較例9及び10のカレーの食味を有するそばについて、食味及び風味についての評価を行った。風味及び食味の評価は、比較例9のそばを基準(5点)とし、実施例7と同様に、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2008259470
(実施例10)
実施例9にて得られたそばと同様に構成されたそば(生麺)を、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾麺のそば(実施例10)を製造した。
(比較例11及び12)
比較例9及び10にて得られたそばと同様に構成されたそば(生麺)を、その水分含有量が12.9質量%となるように乾燥させて、乾麺のそば(比較例11及び12)を製造した。
このようにして得られた乾麺(実施例10、比較例11及び12)を、それぞれ3リットルの沸騰した湯に、100g入れて茹でた。なお、実施例10及び比較例11のそばは茹で時間を4分30秒とし、比較例12のそばは茹で時間を5分とした。
このようにして得られた実施例10、比較例11及び12のカレーの食味を有するそばについて、食味及び風味についての評価を行った。風味及び食味の評価は、比較例11のそばを基準(5点)とし、実施例7と同様に、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 2008259470
(実施例11〜14)
食味付け粉体としてよもぎ粉を用いた以外は、実施例7〜10と同様の方法によってよもぎの食味を有する麺類(実施例11〜14)を製造した。
(比較例13〜20)
原料粉体によもぎ粉を加えて麺生地を調製した以外は、比較例5〜12と同様の方法によってよもぎの食味を有する麺類(比較例13〜20)を製造した。なお、比較例13〜20に用いたよもぎ粉は、実施例11〜14において食味付け粉体として用いたよもぎ粉と同様のものである。
このようにして得られた麺類(実施例11〜14、及び比較例13〜20)を、それぞれ3リットルの沸騰した湯に、100g入れて茹でた。原料粉体の配合割合及び各麺類の茹で時間を表7〜表10に示す。
このようにして得られたよもぎの食味を有する麺類について、食味及び風味についての評価を行った。風味及び食味の評価は、表7においては比較例13を基準(5点)とし、表8においては比較例15を基準(5点)とし、表9においては比較例17を基準(5点)とし、表10においては比較例19を基準(5点)とし、実施例7と同様に、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。評価結果を表7〜10に示す。
Figure 2008259470
Figure 2008259470
Figure 2008259470
Figure 2008259470
(実施例15〜18)
食味付け粉体として抹茶を用いた以外は、実施例7〜10と同様の方法によって抹茶の食味を有する麺類(実施例15〜18)を製造した。なお、食味付け粉体としての抹茶を散布する際には、麺帯を水平に略一定の速度(本実施例においては、2.3〜2.4m/min)で移動させながら、その麺帯の表面に、麺帯を構成する原料粉体100質量部あたりの散布量が約3質量部となるように、上記食味付け粉体を均一に散布した。
(比較例21〜28)
原料粉体に抹茶を加えて麺生地を調製した以外は、比較例5〜12と同様の方法によって抹茶の食味を有する麺類(比較例21〜28)を製造した。なお、比較例21〜28に用いた抹茶は、実施例15〜18において食味付け粉体として用いた抹茶と同様のものである。
このようにして得られた麺類(実施例15〜18、及び比較例21〜28)を、それぞれ3リットルの沸騰した湯に、100g入れて茹でた。原料粉体の配合割合及び各麺類の茹で時間を表11〜表14に示す。
このようにして得られた抹茶の食味を有する麺類について、食味及び風味についての評価を行った。風味及び食味の評価は、表11においては比較例21を基準(5点)とし、表12においては比較例23を基準(5点)とし、表13においては比較例25を基準(5点)とし、表14においては比較例27を基準(5点)とし、実施例7と同様に、優れている(10点)から劣っている(1点)の10段階で評価した。評価結果を表11〜14に示す。
Figure 2008259470
Figure 2008259470
Figure 2008259470
Figure 2008259470
(考察3)
実施例7〜18の麺類は、各基準となる麺類と比較して、同等又はそれ以上の食味及び風味を得ることができた。特に乾麺の場合には、食味及び風味の向上が顕著であった。
また、比較例の5〜28の麺類は、食味付けの粉体を混入した原料粉体を用いて麺生地を調製しているため、麺生地を調製する際に用いた混練機等に匂いが付着してしまい、異なる種類の麺類を製造する際に、以前に製造した麺類に付与した食味や風味が残留してしまうことがあった。このため、一台の装置を用いて異なる種類の麺類を製造する場合には、原料粉体に混合する食味付けの粉体(カレー粉等)を代えるたびに、装置に付着した匂いが無くなるまで洗浄する必要があった。一方、実施例7〜18の麺類は、うどん及びそばの麺生地自体は、共通のものを用いることができるため、使用する食味付け粉体の種類を代えるだけで、簡単に異なる種類の麺類を製造することができ、食味付け粉体を散布する手段を交換するのみで、食味や風味の残留を有効に防止することが可能である。
本発明の麺類は、そば、うどん、きしめん、ラーメン、焼きそば等の中華麺、冷麦、そうめん、パスタ等の麺類として用いることができる。また、本発明の麺類は、生麺、乾麺、半生麺、蒸し麺、茹で麺、冷凍麺等のいずれの状態の麺類としても用いることができる。
また、本発明の麺類の製造方法は、上記した本発明の麺類を簡便且つ低コストに製造する方法として利用することができる。
本発明の麺類の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 図1に示す麺類の分解斜視図である。 本発明の麺類の製造方法の一の実施形態における二枚の麺帯を得る工程を説明するための斜視図である。 本発明の麺類の製造方法の一の実施形態における二層麺帯を得る工程を説明するための斜視図である。 本発明の麺類の製造方法の一の実施形態における二層麺帯を得る工程を説明するための斜視図である。 本発明の麺類の製造方法の一の実施形態における二層麺帯を麺線状に切り出す工程を説明するための斜視図である。 本発明の麺類の製造方法の一の実施形態に用いられる麺類製造装置の構成を模式的に示す説明図である。 図7に示す麺類製造装置における複合手段の構成を拡大した説明図である。
符号の説明
1:麺類、2:二層麺線部、2a,2b:麺線部、3:食味付け粉体、4:麺生地、5,5a,5b:麺帯、6:二層麺帯、10:麺類製造装置、11:麺生地調製手段、12:複合手段、13:圧延手段、14:整形ローラ、15:複合ローラ、16:圧延ローラ、17:食味付け粉体散布部、18:打ち粉散布手段、19:打ち粉、20:切刃、21:供給機(フィーダー)。

Claims (8)

  1. 原料粉体を含む麺生地からなる二つの麺線部が積層されて構成された二層麺線部と、
    前記二層麺線部を構成する二つの前記麺線部の間に配置された、食味付け用の食味付け粉体とを備えた麺類。
  2. 前記食味付け粉体が、石臼挽きそば粉、韃靼そば粉、抹茶、よもぎ粉、こんにゃく粉、粉わさび、海草粉末、及びカレー粉からなる群より選択される少なくとも一種の粉体を含むものである請求項1に記載の麺類。
  3. 前記麺生地を構成する前記原料粉体が、そば粉と、前記そば粉以外の他の粉体とを含む混合粉体であり、前記食味付け粉体が、そば粉である請求項1に記載の麺類。
  4. 前記麺生地を構成する前記原料粉体100質量部に対して、前記食味付け粉体が、二つの前記麺線部の間に0.5〜8質量部配置された請求項1〜3のいずれか一項に記載の麺類。
  5. 原料粉体を混練して得られた麺生地を、ローラにより整形して二枚の麺帯を得る工程と、
    得られた二枚の前記麺帯の間に、食味付け用の食味付け粉体を挟み込んだ状態で積層して二層麺帯を得る工程と、
    得られた前記二層麺帯を麺線状に切り出す工程と、を備えた麺類の製造方法。
  6. 二枚の前記麺帯の少なくとも一方の前記麺帯の片面に、前記食味付け粉体を散布し、前記食味付け粉体が散布された面を覆うように、二枚の前記麺帯を積層して前記二層麺帯を得る請求項5に記載の麺類の製造方法。
  7. 前記麺生地を、二対の前記ローラにより整形して二枚の前記麺帯を得る請求項5及び6に記載の麺類の製造方法。
  8. 前記二層麺帯を、その厚さが1.0〜2.5mmとなるように圧延する工程を更に備えた請求項5〜7のいずれか一項に記載の麺類の製造方法。
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