JP2008218626A - Tftアレイ基板及びその製造方法 - Google Patents

Tftアレイ基板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008218626A
JP2008218626A JP2007052537A JP2007052537A JP2008218626A JP 2008218626 A JP2008218626 A JP 2008218626A JP 2007052537 A JP2007052537 A JP 2007052537A JP 2007052537 A JP2007052537 A JP 2007052537A JP 2008218626 A JP2008218626 A JP 2008218626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
gate insulating
insulating film
electrode
tft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007052537A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Irizumi
智之 入住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2007052537A priority Critical patent/JP2008218626A/ja
Publication of JP2008218626A publication Critical patent/JP2008218626A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】TFT特性の良好なTFTアレイ基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかるTFTアレイ基板の製造方法では、多結晶半導体膜5を形成し、次に多結晶半導体膜5上に金属性導電膜6を形成する。そして、金属性導電膜6及び多結晶半導体膜5をパターニングした後、金属性導電膜6上に第1のゲート絶縁膜7を形成し、第1のゲート絶縁膜7上に第1のゲート絶縁膜7に比べて成長速度が速い第2のゲート絶縁膜8を形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、TFTアレイ基板及びその製造方法に関する。
アクティブマトリクス型表示装置には、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のスイッチング素子がアレイ状に設けられ、各表示画素の電極に独立した表示信号を印加するTFTアレイ基板が広く用いられるようになっている。このようなTFTアレイ基板の製造方法は、例えば特許文献1に開示されている。近年、このTFT用の半導体薄膜に低温ポリシリコンを用いた低温ポリシリコンTFT構造の表示装置が注目されている。このような低温ポリシリコンTFTを液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置に用いることにより、高精細、高移動度、高信頼性が得られる。
以下に低温ポリシリコンTFTを用いたTFTアレイ基板の製造方法について述べる。まず、ガラス基板上にプラズマCVD法により下地窒化膜、下地酸化膜、非晶質半導体膜を順次形成する。ここでは、非晶質半導体膜としてアモルファスシリコン膜を用いる。次に、アニール処理を行い、アモルファスシリコン膜中の水素濃度を低下させる。そして、レーザアニール法により、アモルファスシリコン膜を結晶化させ、多結晶半導体膜であるポリシリコン膜にする。次に、スパッタ法により多結晶半導体膜上に金属性導電膜を成膜する。その後、写真製版法により金属性導電膜上にレジストパターンを形成する。そして、金属性導電膜をエッチングし、レジストパターンを除去する。これにより、金属性導電膜が所望の形状にパターニングされる。ここでは、金属性導電膜を島状に形成する。次に、多結晶半導体膜を写真製版法及びエッチングにより所望の形状にパターニングする。ここでは、金属性導電膜と同様、多結晶半導体膜を島状に形成する。多結晶半導体膜には、後の工程でソース領域、ドレイン領域、チャネル領域、及び下部容量電極が形成される。ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域はTFTを構成し、下部容量電極は保持容量を構成する。次に、多結晶半導体膜のチャネル領域上の金属性導電膜をエッチングして除去する。これにより、金属性導電膜は、ソース・ドレイン領域、及び保持容量を構成する下部容量電極上のみに形成される。
次に、CVD法により、ガラス基板上にゲート絶縁膜を形成する。そして、スパッタ法により、ゲート絶縁膜上にゲート信号線等を形成する導電膜を成膜する。導電膜としては、Al、Cr、Mo、Ti、W等の金属材料または合金材料を用いることができる。この成膜された導電膜を写真製版法及びエッチングにより、所望の形状にパターニングして、ゲート信号線及びゲート電極を形成する。ゲート電極は、ゲート絶縁膜を介して、多結晶半導体膜のチャネル領域と対向配置される。このゲート電極をマスクとして、多結晶半導体膜のソース・ドレイン領域に不純物を導入する。つまり、ソース・ドレイン領域とは、不純物を含む導電性領域であり、チャネル領域を挟むように対向配置される。ここで、導入する不純物元素としてリン(P)、ボロン(B)を用いることができる。Pを導入すればn型のTFTを形成することができ、Bを導入すればp型のTFTを形成することができる。片チャネルの低温ポリシリコンTFTは、これを用いた表示デバイスの仕様によりn型かp型か造り分けることができる。さらに、CMOS構造のようにn型、p型の両チャネルの低温ポリシリコンTFTを用いたTFTアレイ基板を形成することもできる。
次に、プラズマCVD法によりガラス基板上に層間絶縁膜を形成する。層間絶縁膜としては、SiHとNO、又はTEOS(TetraEthOxySilane, Si(OC)とOを反応させたシリコン酸化膜やSiHとNHを反応させたシリコン窒化膜やSiHとNOとNHを反応させた酸シリコン窒化膜の単層膜や積層膜を用いることができる。次に、イオンドーピング法によりドーピングされたPやBを拡散させるため、熱処理を行う。次に、スパッタ法によりソース信号線等になる導電膜を成膜する。導電膜としては、Cr、Mo、W、Ta、Alやこれらを主成分とする合金膜である。次に、導電膜を写真製版法及びエッチングにより所望のパターンにパターニングする。これにより、ソース信号線等が形成される。
次に、プラズマCVD法によりガラス基板上に保護膜を成膜する。そして、ゲート絶縁膜、層間絶縁膜、及び保護膜を写真製版法及びエッチングにより、所望の形状にパターニングして、コンタクトホールを形成する。これにより、多結晶半導体膜のソース・ドレイン領域上の金属性導電膜、及びソース信号線が露出する。次に、スパッタ法により、画素電極になる導電膜を成膜する。この導電膜としては、ITOやIZOなどの透明性を有する導電膜であればよい。そして、写真製版及びエッチングにより所望の形状にパターニングして画素電極を形成する。以上の工程により、低温ポリシリコンTFTを用いたTFTアレイ基板が完成する。
特開平11−163368号公報
上記の製造方法では、多結晶半導体膜上に金属性導電膜を形成し、さらに多結晶半導体膜のチャネル領域上の金属性導電膜をエッチングして除去する。このため、多結晶半導体膜のチャネル領域は、金属性導電膜の形成と除去プロセスによりダメージを受けてしまう。従って、多結晶半導体膜のチャネル領域は欠陥密度が増加し、この状態で低温ポリシリコンTFTを作成してもTFT特性が低下するという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解消するためになされたものであり、TFT特性の良好なTFTアレイ基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかるTFTアレイ基板の製造方法は、半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜上に金属性導電膜を形成する工程と、前記金属性導電膜上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第1のゲート絶縁膜上に前記第1のゲート絶縁膜に比べて成長速度が速い第2のゲート絶縁膜を形成する工程とを有する方法である。
本発明にかかるTFTアレイ基板は、半導体膜と、前記半導体膜上に金属性導電膜を形成する工程と、前記金属性導電膜上に形成され、シリコン窒化膜からなる第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成され、シリコン酸化膜からなる第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成され、シリコン窒化膜からなる第3のゲート絶縁膜とを有するものである。
本発明によれば、TFT特性の良好なTFTアレイ基板及びその製造方法を得ることができる。
まず、表示装置について図1を用いて説明する。表示装置には、後述するTFTアレイ基板100が用いられる。表示装置とは、例えば液晶表示装置やEL表示装置等の平面型表示装置(フラットパネルディスプレイ)である。また、EL表示装置には、有機EL表示装置、無機EL表示装置がある。ここでは、一例として、透過型の液晶表示装置について説明する。図1は、液晶表示装置128の構成を示す断面模式図である。
液晶表示装置128は、液晶表示パネル120、バックライトユニット121、駆動回路(不図示)等を備えるものである。液晶表示パネル120は、TFTアレイ基板100と、TFTアレイ基板100に対向して配置される対向基板122とを外周縁にて、シール剤123を用いて貼り合わせ、その間に液晶層124を形成して封止したものである。TFTアレイ基板100は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)108を有する。そして、シール剤123で囲まれる領域にて、1画素ごとに画素電極17が配置される。バックライトユニット121は、液晶表示パネル120の反視認側に配置され、液晶表示パネル120の背面側から光を照射する。そして、TFTアレイ基板100の端部には、駆動回路(不図示)が設けられる。これにより、外部からの各種信号が供給される。それらの信号に応じて、TFT108のON、OFFが制御され、TFT108がON状態のとき、画素電極17に表示電圧が印加される。
対向基板122は、カラーフィルタ層125及び対向電極126を有している。カラーフィルタ層125は、例えばブラックマトリクス(BM)層と、赤(R)緑(G)青(B)の着色層とを有している。対向電極126は、対向基板122の液晶層124側に配置され、液晶層124に信号電位を供給するための共通電位を与える。なお、例えばIPS方式の液晶表示装置に用いられる場合、対向電極126はTFTアレイ基板100側に配置される。そして、対向基板122と対向電極126との間にて、画素電極17及びTFT108に対向する領域に、カラーフィルタ層125が形成され、このカラーフィルタ層125を用いてカラー表示が行われる。
また、TFTアレイ基板100および対向基板122の液晶層124側の表面には、液晶を配向させるための液晶配向膜(不図示)が形成されている。そして、TFTアレイ基板100と対向基板122の外側に、それぞれ偏光板127等が貼付され、液晶表示パネル120が形成される。液晶表示装置128は、以上のように構成されている。また、上記の構成は、一例であり、これ以外の構成でもよい。
画素電極17と対向電極126との間の電界によって、液晶が駆動される。すなわち、基板間の液晶の配向方向が変化する。これにより、液晶層124を通過する光の偏光状態が変化する。すなわち、偏光板127を通過して直線偏光となった光は液晶層124によって、偏光状態が変化する。具体的には、バックライトユニット121からの光及び外部から入射した外光は、偏光板127によって直線偏光になる。そして、この直線偏光が液晶層124を通過することによって、偏光状態が変化する。
従って、偏光状態によって、対向基板122側の偏光板127を通過する光量が変化する。すなわち、バックライトユニット121から液晶表示パネル120を透過する透過光のうち、視認側の偏光板127を通過する光の光量が変化する。液晶の配向方向は、印加される表示電圧によって変化する。従って、表示電圧を制御することによって、視認側の偏光板127を通過する光量を変化させることができる。すなわち、画素毎に表示電圧を変えることによって、所望の画像を表示することができる。
次に、上記の液晶表示装置128に用いられるTFTアレイ基板100について図2を用いて説明する。図2は、TFTアレイ基板100の構成を示す平面模式図である。TFTアレイ基板100には、上記のようにスイッチング素子としてTFT108が用いられる。
TFTアレイ基板100には、表示領域101と表示領域101を囲むように設けられた額縁領域102とが設けられている。この表示領域101には、複数のゲート信号線(走査信号配線)109、複数のソース信号線(表示信号配線)110、及び複数の共通配線が形成されている。複数のゲート信号線109と共通配線は平行に設けられている。同様に、複数のソース信号線110は平行に設けられている。なお、共通配線は、隣接するゲート信号線109間にそれぞれ設けられている。すなわち、ゲート信号線109と共通配線とは、交互に配置されている。そして、ゲート信号線109及び共通配線と、ソース信号線110とは、互いに交差するように形成されている。ゲート信号線109及び共通配線と、ソース信号線110とは直交している。そして、隣接するゲート信号線109とソース信号線110とで囲まれた領域が画素105となる。従って、TFTアレイ基板100では、画素105がマトリクス状に配列される。
さらに、TFTアレイ基板100の額縁領域102には、走査信号駆動回路103と表示信号駆動回路104とが設けられている。ゲート信号線109は、表示領域101から額縁領域102まで延設されている。そして、ゲート信号線109は、TFTアレイ基板100の端部で、走査信号駆動回路103に接続される。ソース信号線110も同様に表示領域101から額縁領域102まで延設されている。そして、ソース信号線110は、TFTアレイ基板100の端部で、表示信号駆動回路104と接続される。走査信号駆動回路103の近傍には、外部配線106が接続されている。また、表示信号駆動回路104の近傍には、外部配線107が接続されている。外部配線106、107は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)などの配線基板である。
外部配線106、107を介して走査信号駆動回路103、及び表示信号駆動回路104に外部からの各種信号が供給される。走査信号駆動回路103は外部からの制御信号に基づいて、ゲート信号(走査信号)をゲート信号線109に供給する。このゲート信号によって、ゲート信号線109が順次選択されていく。表示信号駆動回路104は外部からの制御信号や、表示データに基づいて表示信号(表示電圧)をソース信号線110に供給する。これにより、表示データに応じた表示電圧を各画素105に供給することができる。なお、走査信号駆動回路103と表示信号駆動回路104は、TFTアレイ基板100上に配置される構成に限られるものではない。例えば、TCP(Tape Carrier Package)により駆動回路を接続してもよい。
画素内には、少なくとも1つのTFT108と保持容量111とが形成されている。そして、画素105内において、TFT108と保持容量111は直列に接続されている。TFT108はソース信号線110とゲート信号線109の交差点近傍に配置される。保持容量111は、対向配置される電極間に誘電体絶縁膜を形成して構成される。ここでは、共通配線である上部容量電極と、画素電極17と同電位である下部容量電極との間にゲート絶縁膜を形成している。そして、保持容量111によって画素電極17に印加される電圧を一定時間保持することができる。例えば、このTFT108が画素電極17に表示電圧を供給する。スイッチング素子であるTFT108のゲート電極はゲート信号線109に接続され、ゲート端子から入力される信号によってTFT108のONとOFFを制御している。TFT108のソース電極はソース信号線110に接続されている。ゲート電極に電圧を印加するとソース信号線110から電流が流れるようになる。これにより、ソース信号線110から、TFT108のドレイン電極に接続された画素電極17に表示電圧が印加される。そして、画素電極17と、対向電極126との間に、表示電圧に応じた電界が生じる。なお、以下に示す実施の形態においては、ソース信号線110として配線電極12、ソース電極として接続電極17aを用いている。また、ドレイン電極は、画素電極17と一体となって形成されている。
実施の形態1.
まず、TFTアレイ基板100の構成について図3及び図4を用いて説明する。図3は、TFTアレイ基板100の画素の構成を示す平面模式図である。つまり、図2における1画素105を拡大した平面模式図である。図4は図3のA−A断面を示す断面模式図である。ここでは、トップゲート型のTFTアレイ基板100について説明する。
絶縁性基板1上に、透過性の無機絶縁膜であるシリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)等の下地膜が形成される。絶縁性基板1としては、ガラスや石英基板等の透明絶縁性基板を用いることができる。ここでは、絶縁性基板1としてガラス基板を用いる。下地膜は、第1下地膜2、第2下地膜3が順次積層された2層構造とする。もちろん、下地膜は2層構造に限られず、単層構造又は3層以上の多層構造であってもよい。そして、第2下地膜3の上層には、島状の多結晶半導体膜5が形成される。ここでは、多結晶半導体膜5として、非晶質シリコン(a−Si)膜にレーザー光を照射することにより形成されたポリシリコン(p−Si)膜を用いる。また、多結晶半導体膜5には、不純物を含む導電性領域があり、これがソース領域5b、ドレイン領域5cである。チャネル領域5dは、ソース領域5bとドレイン領域5cとの間に配置されている。すなわち、ソース領域5b及びドレイン領域5cは、チャネル領域5dを挟むように対向配置されている。多結晶半導体膜5はさらに下部容量電極5aを有する。
また、図3に示されるように、多結晶半導体膜5は略コの字型に形成され、ソース領域5b、ドレイン領域5c、及びチャネル領域5dと、下部容量電極5aとは、平行に配置されている。チャネル領域5dを除く多結晶半導体膜5上には、金属性導電膜6が形成される。すなわち、ソース領域5b、ドレイン領域5c、及び下部容量電極5a上に金属性導電膜6が形成される。そして、多結晶半導体膜5及び金属性導電膜6を覆うように、第1のゲート絶縁膜7が形成される。つまり、多結晶半導体膜5及び金属性導電膜6と、第1のゲート絶縁膜7とは接している。また、上記のようにチャネル領域5d上には金属性導電膜6が形成されていないため、チャネル領域5d上は、第1のゲート絶縁膜7と接している。さらに、第1のゲート絶縁膜7を覆うように第2のゲート絶縁膜8が形成されている。つまり、第1のゲート絶縁膜7と第2のゲート絶縁膜8とは接している。本実施の形態では、ゲート絶縁膜を上記のように第1のゲート絶縁膜7、第2のゲート絶縁膜8が順次積層された2層構造としている。そして、第1のゲート絶縁膜7は第2のゲート絶縁膜8より成長速度が遅くなるような成膜条件で成膜される。これにより、ゲート絶縁膜の被覆性が向上する。
そして、チャネル領域5dと対向して、第2のゲート絶縁膜8上にゲート電極10が形成される。すなわち、チャネル領域5dとゲート電極10とは、第1のゲート絶縁膜7及び第2のゲート絶縁膜8を介して対向配置される。ゲート電極10は、ゲート信号線109から多結晶半導体膜5の上部まで延設されている。そして、ゲート信号線109を介して、ゲート電極10にゲート信号が入力され、TFT108のONとOFFとを制御している。なお、ゲート電極10は、後述するコンタクトホール14及びコンタクトホール15の間に形成されている。また、ゲート電極10と同一レイヤーで上部容量電極10aが形成されている。ゲート信号線109と上部容量電極10aとは平行して設けられ、隣接するゲート信号線109間に上部容量電極10aが配置される。そして、上部容量電極10aは、隣接画素の上部容量電極10aと接続され、共通電位が与えられている。また、上部容量電極10aは、第1のゲート絶縁膜7及び第2のゲート絶縁膜8を介して、下部容量電極5a上に形成されている。すなわち、下部容量電極5aと上部容量電極10aとは、第1のゲート絶縁膜7及び第2のゲート絶縁膜8を介して、重なっている。そして、第1のゲート絶縁膜7及び第2のゲート絶縁膜8を誘電体絶縁膜として、下部容量電極5aと上部容量電極10aとが蓄積容量コンデンサを形成する。このように、第1のゲート絶縁膜7、第2のゲート絶縁膜8、下部容量電極5a、及び上部容量電極10aは、保持容量111となる。これにより、後述する画素電極17に印加される電圧を一定時間保持することができる。ゲート電極10及び上部容量電極10aを覆うように、層間絶縁膜11が形成される。層間絶縁膜11上には、配線電極12が形成される。配線電極12は、平行して複数設けられている。また、配線電極12は、ゲート信号線109及び上部容量電極10aと交差して配置される。そして、隣接するゲート信号線109と隣接する配線電極12とで囲まれた領域が画素となる。
さらに、配線電極12を覆うように保護膜13が形成される。また、ソース領域5b及びドレイン領域5cに対応する保護膜13、層間絶縁膜11、第2のゲート絶縁膜8、及び第1のゲート絶縁膜7には、コンタクトホール14、15がそれぞれ設けられている。さらに、配線電極12上の保護膜13にコンタクトホール16が形成されている。そして、保護膜13上には、画素電極17及び接続電極17aが同一レイヤーで形成されている。画素電極17及び接続電極17aとして、ITO、IZO等の透明導電膜を用いることができる。液晶表示装置に用いられる場合、1画素単位に画素電極17が形成される。画素電極17は、隣接するゲート信号線109と隣接する配線電極12とで囲まれた領域の略全体(TFT108を除く)に形成される。具体的には、画素電極17は、下部容量電極5a及びドレイン領域5c上に形成され、ソース領域5b及びチャネル領域5d上には形成されない。なお、画素電極17は、コンタクトホール14、16上にも形成されない。接続電極17aは、コンタクトホール14とコンタクトホール16とをつなぐように形成されている。すなわち、画素電極17と接続電極17aとは離間して配置される。
接続電極17aは、コンタクトホール16によって配線電極12に接続される。さらに、接続電極17aは、コンタクトホール14を介して、多結晶半導体膜5のソース領域5bに電気的に接続される。また、画素電極17は、コンタクトホール15によって多結晶半導体膜5のドレイン領域5cに電気的に接続される。これにより、TFT108がONのとき、配線電極12に供給された表示信号が、接続電極17aを介して多結晶半導体膜5のソース領域5bに出力される。そして、多結晶半導体膜5を介して画素電極17に表示信号が供給される。また、多結晶半導体膜5には、下部容量電極5aが形成されるので、下部容量電極5aと、多結晶半導体膜5に接続された画素電極17とは同電位となる。TFTアレイ基板100は、上記のように構成される。このように、ゲート絶縁膜を成長速度の遅い第1のゲート絶縁膜7と、第1のゲート絶縁膜7より成長速度の速い第2のゲート絶縁膜8との2層構造とすることにより、ゲート絶縁膜の被覆性が向上する。そして、チャネル領域5dの欠陥密度を低減することができ、TFT特性が良好となる。
次に、上記のTFTアレイ基板100の製造方法について図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、TFTアレイ基板100の製造方法を示す断面模式図である。
まず、ガラス基板や石英基板などの透過性を有する絶縁性基板1上に、CVD法を用いて、第1下地膜2及び第2下地膜3を形成する。下地膜としては、例えば透過性の無機絶縁膜であるシリコン酸化膜(SiO膜)やシリコン窒化膜(SiN膜)、もしくはSiO膜とSiN膜との積層構造を用いることができる。これを、後に成膜される半導体膜の下地として成膜する。本実施の形態では、ガラス基板上に、第1下地膜2であるSiN膜を40〜60nmの膜厚に成膜する。そして、SiN膜上に第2下地膜3であるSiO膜を180〜220nmの膜厚に成膜する。このように、下地膜をSiN膜、SiO膜の2層構造とする。このような下地膜は、ガラス基板からのNaなどの可動イオンが半導体膜へ拡散することを防止する目的で設けたものであり、上記膜構成、膜厚に限るものではない。
次に、第2下地膜3上に非晶質半導体膜4をCVD法により成膜する。本実施の形態では、非晶質半導体膜4としてアモルファスシリコン(a−Si)膜を用い、30〜100nm、好ましくは60〜80nmの膜厚に成膜する。これら下地膜2、3及び非晶質半導体膜4は、同一装置あるいは同一チャンバ内にて連続的に成膜することが好ましい。これにより、大気雰囲気中に存在するボロンなどの汚染物質が各膜の界面に取り込まれることを抑制することができる。なお、非晶質半導体膜4の成膜後に、高温中でアニールを行うことが好ましい。これは、CVD法によって成膜された非晶質半導体膜4の膜中に、多量に含有された水素を低減するために行う。本実施の形態では、窒素雰囲気の低真空状態で保持したチャンバ内を480℃程度に加熱し、非晶質半導体膜4を成膜した基板を45分間保持する。このような処理を行っておくことにより、非晶質半導体膜4を結晶化する際に、温度が上昇しても水素の急激な脱離が起こらない。そして、非晶質半導体膜4表面の荒れを抑制することが可能となる。以上の工程により、図5(a)に示す構成となる。
そして、非晶質半導体膜4表面に形成された自然酸化膜をフッ酸などでエッチング除去する。次に、非晶質半導体膜4に対して窒素などのガスを吹きつけながら、非晶質半導体膜4上からレーザー光を照射する。レーザー光は、所定の光学系を通して線状のビーム形状に変換された後、非晶質半導体膜4に照射される。これにより、非晶質半導体膜4が多結晶半導体膜5に変換される。本実施の形態では、非晶質半導体膜4としてアモルファスシリコン膜を用いているので、多結晶半導体膜5としてポリシリコン(p−Si)膜に変換される。本実施の形態では、レーザー光としてYAGレーザーの第2高調波(発振波長:532nm)を用いたが、YAGレーザーの第2高調波の代わりにエキシマレーザーを用いることもできる。ここで、窒素を吹きつけながら非晶質半導体膜4にレーザー光を照射することにより、結晶粒界部分に発生する隆起高さを抑制することができる。本実施の形態では、多結晶半導体膜5の結晶表面の平均粗さを3nm以下まで小さくしている。このように、多結晶半導体膜5の表面粗さが十分に小さいため、多結晶化後の表面凹凸が低減する。形成された多結晶半導体膜5は、後の工程で下部容量電極5a、ソース領域5b、ドレイン領域5c、及びチャネル領域5dとなる。以上の工程により、図5(b)に示す構成となる。
次に、多結晶半導体膜5上に金属性導電膜6をスパッタ法により成膜する。金属性導電膜6は、Cr、Mo、W、Taやこれらを主成分とする合金膜であればよい。本実施の形態では、Mo膜をおよそ20nmの膜厚でDCマグネトロンを用いたスパッタリング法により成膜する。ここで、金属性導電膜6の膜厚を20nmとしたが、25nm以下であればよい。金属性導電膜6の膜厚が25nmを超える膜厚の場合には、金属性導電膜6がこの後に行う不純物イオンドーピングのマスクとなってしまう。このため、金属性導電膜6下層の多結晶半導体膜5に不純物イオンが十分に到達できず、金属性導電膜6と多結晶半導体膜5とのオーミック性コンタクトが得られなくなる。以上の工程により、図5(c)に示す構成となる。
そして、成膜された金属性導電膜6上に感光性樹脂であるフォトレジストをスピンコートによって塗布し、塗布したフォトレジストを多階調マスク上から露光・感光し、現像する写真製版法を行う。これにより、所望の形状にフォトレジストがパターニングされる。多階調マスクには、グレイトーンマスクとハーフトーンマスクがある。このような多階調マスク上からフォトレジストを露光することにより、露光領域、中間露光領域、未露光領域の3段階の露光レベルを実現でき、膜厚差を有するフォトレジストが形成できる。そして、所望の金属性導電膜6部分のフォトレジスト膜厚を薄く形成し、所望の金属性導電膜6部分のフォトレジスト膜厚を厚く形成する。ここでは、フォトレジストを島状に形成し、後の工程でチャネル領域5dとなる部分のフォトレジストの膜厚を薄くする。このレジストパターン上から金属性導電膜6及び多結晶半導体膜5をエッチングして、金属性導電膜6及び多結晶半導体膜5を島状にパターニングする。以上の工程により、図5(d)に示す構成となる。
次に、アッシング処理によって、フォトレジスト膜厚を予め薄く形成した部分、つまりチャネル領域5d上のフォトレジストを除去し、厚く形成した部分のフォトレジストパターンのみを残存させる。そして、残したフォトレジストパターン上から再度金属性導電膜6をエッチングし、フォトレジストパターンを除去する。これにより、チャネル領域5d上の金属性導電膜6が除去され、多結晶半導体膜5が所望の形状にパターニングされる。具体的には、金属性導電膜6は、下部容量電極5a、ソース領域5b、及びドレイン領域5c上に形成される。低抵抗な金属性導電膜6を保持容量111の下部容量電極5a上に積層することにより、下部容量電極5aには所望の電圧を確実に印加することが可能となり、安定した容量を形成することができる。さらに、多結晶半導体膜5の保持容量111となる下部容量電極5a上に金属性導電膜6を形成しているために、多結晶半導体膜5を低抵抗化するためのドーピング工程を削減することができる。このため、写真製版工程を削減することが可能となり、生産性が向上するという効果を奏する。以上の工程により、図5(e)に示す構成となる。
このように、多結晶半導体膜5とその上に接して形成された金属性導電膜6とは、上記のように公知の多階調マスクを用いることにより、1回の写真製版工程で形成することが可能である。もちろん、多階調マスクではなく通常のマスクを用いて、複数の写真製版工程により、多結晶半導体膜5及び金属性導電膜6を形成してもよい。この場合、まず金属性導電膜6を写真製版法、エッチングによって、所望の形状にパターニングする。また、金属性導電膜6のエッチングには、燐酸及び硝酸を混合した薬液を用いたウェットエッチング法を用いることができる。そして、金属性導電膜6下層の多結晶半導体膜5を上記の写真製版法及びエッチングによって島状にパターニングする。多結晶半導体膜5のエッチングには、CFとOを混合したガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。また、エッチングガスにOを混合しているため、写真製版法により形成したフォトレジストを後退させながらエッチングすることが可能となる。従って、多結晶半導体膜5は端部にテーパー形状を有する構造とすることができる。すなわち、金属性導電膜6より多結晶半導体膜5のほうが大きく形成される。
次に、上記の構成が形成された基板に対して表面処理を行い、金属性導電膜6及び多結晶半導体膜5を覆うように、第1のゲート絶縁膜7を成膜する。これにより、図5(e)に示されるように露出したチャネル領域5dが第1のゲート絶縁膜7によって被覆される。次に、第1のゲート絶縁膜7上に第2のゲート絶縁膜8を成膜する。ここで、第1のゲート絶縁膜7の成長速度は、第2のゲート絶縁膜8の成長速度より遅くなるようにする。表1に第1のゲート絶縁膜7と第2のゲート絶縁膜8の成膜条件と成長速度を示す。
Figure 2008218626
第1のゲート絶縁膜7を成膜温度350℃、圧力200Pa、RFパワー0.9W/cm、TEOS流量8.45×10−2Pa・m/s(=50sccm)、O流量8.45Pa・m/s(=5.0slm)とすると、成長速度が60nm/minとなる。このように成膜される第1のゲート絶縁膜7を第1のゲート絶縁膜Aとする。また、第1のゲート絶縁膜7を成膜温度350℃、圧力100Pa、RFパワー0.9W/cm、TEOS流量1.69×10−1Pa・m/s(=100sccm)、O流量8.45Pa・m/s(=5.0slm)とすると、成長速度が85nm/minとなる。このように成膜される第1のゲート絶縁膜7を第1のゲート絶縁膜Bとする。そして、第2のゲート絶縁膜8を成膜温度350℃、圧力200Pa、RFパワー0.9W/cm、TEOS流量1.69×10−1Pa・m/s(=100sccm)、O流量8.45Pa・m/s(=5.0slm)とすると、成長速度が120nm/minとなる。本実施の形態では、ゲート絶縁膜7、8としてTEOS材料によるSiO膜を用い、プラズマCVD法にて成膜する。第1のゲート絶縁膜7は、第1のゲート絶縁膜Aもしくは第1のゲート絶縁膜Bを20nmから30nmの膜厚に成膜する。そして、第1のゲート絶縁膜7上に第2のゲート絶縁膜8を60nmから90nmの膜厚に成膜する。このように、成長速度の遅い第1のゲート絶縁膜7を形成し、次に第1のゲート絶縁膜7より成長速度の速い第2のゲート絶縁膜8を形成する。これにより、ゲート絶縁膜の被覆性が高くなり、ゲート耐圧が向上して初期故障を大幅に低減することが可能となる。従来構造の絶縁耐性は、6MV/cmであったが、本実施の形態では絶縁耐性は、7MV/cmと向上した。
絶縁耐性を図7を用いて説明する。図7は、CV特性を示すグラフである。(a)は、従来構造のTFTのCV特性である。(b)は、本実施の形態のTFTのCV特性である。なお、図7においては、縦軸が2層構造のゲート絶縁膜の容量C/Cox、横軸が電圧(V)を示す。(a)に比べて(b)は、容量の増加が急峻であり、容量の増加の立ち上がりが0Vに近い。このことから、第1のゲート絶縁膜7と多結晶半導体膜5のチャネル領域5dの界面の欠陥密度が低減されたことが示され、TFT特性を向上させることが可能となる。以上の工程により、図6(f)に示す構成となる。
次に、第2のゲート絶縁膜8上にゲート電極10、上部容量電極10a、及びゲート信号線109を形成するための導電膜を成膜する。導電膜としては、Cr、Mo、W、Taやこれらを主成分とする合金膜を用いることができる。本実施の形態では、DCマグネトロンを用いたスパッタリング法により、Moを200nm〜400nmの膜厚に成膜する。次に、成膜した導電膜を公知の写真製版法及びエッチングによって、所望の形状にパターニングし、ゲート電極10、上部容量電極10a、及びゲート信号線109を形成する。ゲート電極10はTFT108を構成し、上部容量電極10aは保持容量111を構成する。なお、上部容量電極10aは、第1のゲート絶縁膜7及び第2のゲート絶縁膜8を介して、下部容量電極5aと対向配置される。本実施の形態では、導電膜のエッチングは、燐酸と硝酸を混合した薬液を用いたウェットエッチング法により行う。
そして、形成されたゲート電極10をマスクとして、多結晶半導体膜5のソース・ドレイン領域に不純物元素を導入する。ここで導入する不純物元素としてリン(P)、ボロン(B)を用いることができる。Pを導入すればn型のTFT108を形成することができ、Bを導入すればp型のTFT108を形成することができる。また、ゲート電極10の加工をn型TFT用ゲート電極とp型TFT用ゲート電極の2回に分けて行えば、n型とp型のTFTを同一基板上に作り分けることができる。ここで、PやBの不純物の導入にはイオンドーピング法を用いて行う。このように、不純物が導入された多結晶半導体膜5の領域がソース領域5b又はドレイン領域5cとなり、ソース領域5b及びドレイン領域5cに挟まれる領域がチャネル領域5dとなる。TFT108は、ゲート電極10、多結晶半導体膜5のソース領域5b、ドレイン領域5c、チャネル領域5d等によって構成される。保持容量111は、上部容量電極10a、第1のゲート絶縁膜7、第2のゲート絶縁膜8、下部容量電極5a等によって構成される。以上の工程により、図6(g)に示す構成となる。
次に、層間絶縁膜11を基板表面全体を覆うように成膜する。すなわち、ゲート電極10及び上部容量電極10a上に層間絶縁膜11を成膜する。本実施の形態では、層間絶縁膜11としてSiO膜をCVD法により500〜1000nmの膜厚に成膜する。そして、窒素雰囲気中で450℃に加熱したアニール炉に1時間程度保持する。これは、多結晶半導体膜5のソース・ドレイン領域に導入した不純物元素を活性化させるために行う。そして、層間絶縁膜11上に、配線電極12となる導電膜を成膜する。導電膜としては、Cr、Mo、W、Ta、Alやこれらを主成分とする合金膜を用いることができる。本実施の形態では、導電膜として、Mo(上層)/Al(下層)の積層とし、DCマグネトロンを用いたスパッタリング法により、Moを100〜200nm、Alを200〜400nmの膜厚に成膜する。この積層膜を公知の写真製版法、エッチングによって、所望の形状にパターニングして、配線電極12を形成する。本実施の形態では、配線電極12を形成するためのエッチングは、SFとOの混合ガス及びClとArの混合ガスを用いたドライエッチング法により行う。次に、保護膜13を基板表面全体を覆うように成膜する。すなわち、保護膜13を配線電極12上に成膜する。本実施の形態では、保護膜13として、SiN膜を用い、CVD法により膜厚200〜300nmに成膜する。以上の工程により、図6(h)に示す構成となる。
そして、成膜した第1のゲート絶縁膜7、第2のゲート絶縁膜8、層間絶縁膜11、及び保護膜13を写真製版法、エッチングによって所望の形状にパターニングする。ここでは、多結晶半導体膜5のソース領域5b、ドレイン領域5c上の金属性導電膜6に到達するコンタクトホール14、15の形成と、配線電極12に到達するコンタクトホール16の形成を行う。つまり、コンタクトホール14、15では、第1のゲート絶縁膜7、第2のゲート絶縁膜8、層間絶縁膜11、及び保護膜13が除去され、多結晶半導体膜5のソース・ドレイン領域上の金属性導電膜6が露出する。また、コンタクトホール16では、保護膜13が除去され、配線電極12が露出する。本実施の形態では、コンタクトホール14、15、16のエッチングは、CHF、OとArの混合したガスを用いたドライエッチング法により行う。
最後に、保護膜13上に画素電極17及び接続電極17aを形成するための導電膜を成膜する。これにより、コンタクトホール14、15、16では、導電膜が埋設され、金属性導電膜6又は配線電極12に接する。導電膜は、ITOやIZOなどの透明性を有する導電膜であればよい。本実施の形態では、画素電極17及び接続電極17aとしてITO膜を用い、DCマグネトロンを用いたスパッタリング法により80〜120nmの膜厚に成膜する。また、スパッタリングにはArガス、OガスとHOガスを混合したガスを用いて行う。これにより、加工性が容易である非晶質性の透明性導電膜が形成される。次に、成膜した導電膜を公知の写真製版法、エッチングによって、所望の形状にパターニングし、画素電極17及び接続電極17aを形成する。本実施の形態では、透明性導電膜のエッチングはシュウ酸を主成分とする薬液を用いたウェットエッチング法により行う。そして、非晶質性の透明導電膜を結晶化するためのアニールを実施する。また、透過型液晶表示装置に用いられる場合、ITOのような透明導電膜を用いる必要があるが、反射型液晶表示装置や半透過型液晶表示装置に用いられる場合は、光反射性を有する金属膜を用いることができる。
接続電極17aは、コンタクトホール14によってソース領域5b上の金属性導電膜6に接続され、コンタクトホール16によって配線電極12に接続される。画素電極17は、コンタクトホール15によってドレイン領域5c上の金属性導電膜6に接続される。つまり、コンタクトホール14、16は、接続電極17aと、金属性導電膜6及び配線電極12とを物理的・電気的に接続している。また、コンタクトホール15は、画素電極17と金属性導電膜6とを物理的・電気的に接続している。そして、コンタクトホール14、15のように、ソース・ドレイン領域とITO等の透明導電性酸化膜がコンタクトする部分には金属性導電膜6が形成されている。このため、透明導電性酸化膜をコンタクトホール14、15を介して接続した場合でも、多結晶半導体膜5が酸化されることはない。これにより、良好なコンタクト抵抗を得ることができるという効果を奏する。以上の工程により、図6(i)に示す構成となる。このようにして、TFTアレイ基板100が製造される。
そして、図1に示されるように、上記のTFTアレイ基板100と対向基板122とを対向配置させてシール剤123を用いて貼り合わせ、両基板間に液晶を注入する。そして、TFTアレイ基板100と対向基板122との外側に偏光板127を貼付してバックライトユニット121等を配置することにより、液晶表示装置128が製造される。もちろん、液晶表示装置128以外の表示装置に上記のTFTアレイ基板100を用いてもよい。このようにして、低温ポリシリコンTFT構造の表示デバイスが完成する。
本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100及びその製造方法によれば、低温ポリシリコンTFTを用いた表示デバイスにおいて、ゲート絶縁膜と多結晶半導体膜のチャネル領域との界面の欠陥密度を低減させることができる。さらに、ゲート絶縁膜の耐圧を向上させて、高性能なTFT特性をもつ表示デバイスを得ることができる。
なお、本実施の形態では、半導体膜にp−Siを用いた低温p−SiTFTについて説明したが、これに限られない。例えば、a−SiTFT、マイクロクリスタルシリコンTFT、及びこれらを併用したTFT(a−Siとマイクロクリスタルシリコン併用TFT等)でもよい。
実施の形態2.
本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100の構成を図8に示す。図8に示されるように、本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100は、ゲート絶縁膜として第1のゲート絶縁膜7、第2のゲート絶縁膜8、第3のゲート絶縁膜9が順次積層される3層構造とする。なお、ゲート絶縁膜の構成及び製造方法以外は、実施の形態1と同様なので説明を省略する。
図9及び図10を用いて本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100の製造方法について説明する。図9及び図10は、本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100の製造方法を示す断面模式図である。
絶縁性基板1上に実施の形態1と同様、絶縁性基板1上に第1下地膜2、第2下地膜3、多結晶半導体膜5、金属性導電膜6を順次形成する。これにより、図9(e)に示される構成となる。次に、上記の構成が形成された基板に対して表面処理を行い、金属性導電膜6及び多結晶半導体膜5を覆うように、第1のゲート絶縁膜7を成膜する。これにより、図9(e)に示されるように露出したチャネル領域5dが第1のゲート絶縁膜7によって被覆される。次に、第1のゲート絶縁膜7上に第2のゲート絶縁膜8、第3のゲート絶縁膜8を順次成膜する。このように、本実施の形態のゲート絶縁膜は、第1のゲート絶縁膜7、第2のゲート絶縁膜8、第3のゲート絶縁膜9が順次積層される3層構造とする。ここでは、第1のゲート絶縁膜7及び第3のゲート絶縁膜9としてSiN膜を用い、20〜30nmの膜厚に成膜する。そして、第2のゲート絶縁膜8としてSiO膜を用い、40〜70nmの膜厚に成膜する。また、第2のゲート絶縁膜8は、実施の形態1と同様の条件により成膜する。具体的には、表1に示された条件、つまり成膜温度350℃、圧力200Pa、RFパワー0.9W/cm、TEOS流量1.69×10−1Pa・m/s(=100sccm)、O流量8.45Pa・m/s(=5.0slm)で成膜する。すなわち、第2のゲート絶縁膜8の成長速度は120nm/minとなる。以上の工程により、図9(f)に示される構成となる。
次に、第3のゲート絶縁膜9上に、実施の形態1と同様、ゲート電極10、上部容量電極10aを形成する。これにより、図10(g)に示される構成となる。そして、基板上に層間絶縁膜11、配線電極12、及び保護膜13を形成する。これにより、図10(h)に示される構成となる。そして、写真製版法、エッチングによってコンタクトホール14、15、16を形成する。ここでは、多結晶半導体膜5のソース領域5b、ドレイン領域5c上の金属性導電膜6に到達するコンタクトホール14、15の形成と、配線電極12に到達するコンタクトホール16の形成を行う。つまり、コンタクトホール14、15では、第1のゲート絶縁膜7、第2のゲート絶縁膜8、第3のゲート絶縁膜9、層間絶縁膜11、及び保護膜13が除去され、多結晶半導体膜5のソース・ドレイン領域上の金属性導電膜6が露出する。また、コンタクトホール16では、保護膜13が除去され、配線電極12が露出する。そして、画素電極17及び接続電極17aを形成する。以上の工程により、図10(i)に示される構成となる。このようにして、本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100が製造される。そして、実施の形態1と同様、上記のTFTアレイ基板100を用いて液晶表示装置等を製造することができる。
本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100は、第1のゲート絶縁膜7及び第3のゲート絶縁膜9にSiN膜、第2のゲート絶縁膜8にSiO膜を用い、ゲート絶縁膜を3層構造にしたことにより、ゲート絶縁膜の被覆性が向上する。そして、初期故障を大幅に低減することができる。従来の構造では、絶縁耐性が6MV/cmであったが、本実施の形態では絶縁耐性が8MV/cmと向上した。ここで、図7を用いて本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100のCV特性を説明する。図7は、CV特性を示すグラフである。(a)は、従来構造のTFTのCV特性である。(c)は、本実施の形態のTFTのCV特性である。なお、図7においては、縦軸が3層構造のゲート絶縁膜の容量C/Cox、横軸が電圧(V)を示す。(a)に比べて(c)は、容量の増加が急峻であり、容量の増加の立ち上がりが0Vに近い。このことから、第1のゲート絶縁膜7と多結晶半導体膜5のチャネル領域5dの界面の欠陥密度が低減されたことが示され、TFT特性を向上させることが可能となる。すなわち、本実施の形態にかかるTFTアレイ基板100及びその製造方法でも実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、半導体膜にp−Siを用いた低温p−SiTFTについて説明したが、これに限られない。例えば、a−SiTFT、マイクロクリスタルシリコンTFT、及びこれらを併用したTFT(a−Siとマイクロクリスタルシリコン併用TFT等)でもよい。
実施の形態にかかる液晶表示装置の構成を示す断面模式図である。 実施の形態にかかるTFTアレイ基板の構成を示す平面模式図である。 実施の形態1にかかるTFTアレイ基板の画素の構成を示す平面模式図である。 図3のA−Aの断面を示す断面模式図である。 実施の形態1にかかるTFTアレイ基板の製造方法を示す断面模式図である。 実施の形態1にかかるTFTアレイ基板の製造方法を示す断面模式図である。 実施の形態にかかるCV特性を示すグラフである。 実施の形態2にかかるTFTアレイ基板の構成を示す断面模式図である。 実施の形態2にかかるTFTアレイ基板の製造方法を示す断面模式図である。 実施の形態2にかかるTFTアレイ基板の製造方法を示す断面模式図である。
符号の説明
1 絶縁性基板、2 第1下地膜、3 第2下地膜、4 非晶質半導体膜、
5 多結晶半導体膜、5a 下部容量電極、5b ソース領域、5c ドレイン領域、
5d チャネル領域、6 金属性導電膜、7 第1のゲート絶縁膜、
8 第2のゲート絶縁膜、9 第3のゲート絶縁膜、10 ゲート電極、
10a 上部容量電極、11 層間絶縁膜、12 配線電極、13 保護膜、
14 コンタクトホール、15 コンタクトホール、16 コンタクトホール、
17 画素電極、17a 接続電極、
100 TFTアレイ基板、101 表示領域、102 額縁領域、
103 走査信号駆動回路、104 表示信号駆動回路、105 画素、
106 外部配線、107 外部配線、108 TFT、109 ゲート信号線、
110 ソース信号線、111 保持容量、
120 液晶表示パネル、121 バックライトユニット、122 対向基板、
123 シール剤、124 液晶層、125 カラーフィルタ層、126 対向電極、
127 偏光板、128 液晶表示装置

Claims (4)

  1. 半導体膜を形成する工程と、
    前記半導体膜上に金属性導電膜を形成する工程と、
    前記金属性導電膜上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1のゲート絶縁膜上に前記第1のゲート絶縁膜に比べて成長速度が速い第2のゲート絶縁膜を形成する工程とを有するTFTアレイ基板の製造方法。
  2. 前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜がシリコン酸化膜から形成される請求項1に記載のTFTアレイ基板の製造方法。
  3. 半導体膜を形成する工程と、
    前記半導体膜上に金属性導電膜を形成する工程と、
    前記金属性導電膜上に第1のゲート絶縁膜としてシリコン窒化膜を形成する工程と、
    前記第1のゲート絶縁膜上に第2のゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記第2のゲート絶縁膜上に第3のゲート絶縁膜としてシリコン窒化膜を形成する工程とを有するTFTアレイ基板の製造方法。
  4. 半導体膜と、
    前記半導体膜上に形成された金属性導電膜と、
    前記金属性導電膜上に形成され、シリコン窒化膜からなる第1のゲート絶縁膜と、
    前記第1のゲート絶縁膜上に形成され、シリコン酸化膜からなる第2のゲート絶縁膜と、
    前記第2のゲート絶縁膜上に形成され、シリコン窒化膜からなる第3のゲート絶縁膜とを有するTFTアレイ基板。
JP2007052537A 2007-03-02 2007-03-02 Tftアレイ基板及びその製造方法 Pending JP2008218626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007052537A JP2008218626A (ja) 2007-03-02 2007-03-02 Tftアレイ基板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007052537A JP2008218626A (ja) 2007-03-02 2007-03-02 Tftアレイ基板及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008218626A true JP2008218626A (ja) 2008-09-18

Family

ID=39838328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007052537A Pending JP2008218626A (ja) 2007-03-02 2007-03-02 Tftアレイ基板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008218626A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011077294A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 半導体装置の製造方法
JP2018117157A (ja) * 2011-10-13 2018-07-26 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
JP2020167362A (ja) * 2018-08-03 2020-10-08 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0319340A (ja) * 1989-06-16 1991-01-28 Seiko Epson Corp 半導体装置の製造方法
JPH0548107A (ja) * 1991-08-16 1993-02-26 Fuji Xerox Co Ltd 薄膜電界効果トランジスタ及びその製造方法並びに高耐圧薄膜電界効果トランジスタ
JP2002261285A (ja) * 2001-02-27 2002-09-13 Toshiba Corp 薄膜トランジスタの製造方法
JP2005165309A (ja) * 2003-11-14 2005-06-23 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 液晶表示装置およびその作製方法
JP2005191461A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 電界効果型トランジスタ及びその製造方法
JP2006156972A (ja) * 2004-10-28 2006-06-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置及びその作製方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0319340A (ja) * 1989-06-16 1991-01-28 Seiko Epson Corp 半導体装置の製造方法
JPH0548107A (ja) * 1991-08-16 1993-02-26 Fuji Xerox Co Ltd 薄膜電界効果トランジスタ及びその製造方法並びに高耐圧薄膜電界効果トランジスタ
JP2002261285A (ja) * 2001-02-27 2002-09-13 Toshiba Corp 薄膜トランジスタの製造方法
JP2005165309A (ja) * 2003-11-14 2005-06-23 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 液晶表示装置およびその作製方法
JP2005191461A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 電界効果型トランジスタ及びその製造方法
JP2006156972A (ja) * 2004-10-28 2006-06-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置及びその作製方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011077294A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 半導体装置の製造方法
JP2018117157A (ja) * 2011-10-13 2018-07-26 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
JP2020167362A (ja) * 2018-08-03 2020-10-08 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
JP7462391B2 (ja) 2018-08-03 2024-04-05 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI418038B (zh) 顯示裝置
US8957418B2 (en) Semiconductor device and display apparatus
JP4967631B2 (ja) 表示装置
JP5172178B2 (ja) 薄膜トランジスタ、それを用いた表示装置、及びそれらの製造方法
JP2018170324A (ja) 表示装置
JP5214858B2 (ja) Tftアレイ基板及びその製造方法
JP5384088B2 (ja) 表示装置
JP2009020199A (ja) 表示パネル及びその製造方法
JP5615605B2 (ja) Ffsモード液晶装置
US20080283841A1 (en) Tft substrate and manufacturing method, and display device with the same
WO2012117695A1 (ja) 半導体装置及びその製造方法並びに表示装置
JP2017201665A (ja) 表示装置
KR20090039623A (ko) 박막 트랜지스터 장치 및 그 제조방법과, 표시장치
JP2005049877A (ja) 薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法
JP5324758B2 (ja) 薄膜トランジスタ、表示装置、およびその製造方法
JP5475250B2 (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体装置
JP5032077B2 (ja) 表示装置及びその製造方法
JP5221082B2 (ja) Tft基板
JP2008218626A (ja) Tftアレイ基板及びその製造方法
JP2008139656A (ja) 表示装置及びその製造方法
US10804406B2 (en) Thin-film transistor substrate, liquid crystal display device including the same, and method for producing thin-film transistor substrate
JP2009277733A (ja) 薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法
JP2009210681A (ja) 表示装置及びその製造方法
JP2009147232A (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体製造装置
JP2009224396A (ja) 薄膜トランジスタ基板、およびその製造方法、並びに表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120927

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130219