JP2009224396A - 薄膜トランジスタ基板、およびその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲート絶縁耐圧特性に優れ、高性能化、及び高信頼性化を実現する薄膜トランジスタ基板を提供すること。
【解決手段】本発明に係る薄膜トランジスタ基板は、チャネル領域よりもソース領域側にある半導体層表面外周の内側に形成されたソース側凹部と、チャネル領域よりもドレイン領域側にある半導体層表面外周の内側に形成されたドレイン側凹部とを備える。そして、半導体層表面に段差構造が形成されないように、ソース側凹部、及びドレイン側凹部に導電薄膜が埋設されている。導電薄膜は、少なくともコンタクトホールの開口領域に配設されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、薄膜トランジスタ基板、及び薄膜トランジスタ基板の製造方法に関する。さらに、この薄膜トランジスタ基板が搭載された液晶表示装置、EL表示装置等の表示装置に関する。
液晶表示装置は、薄型パネルの一つであり低消費電力や小型軽量といったメリットを活かして、パーソナルコンピュータや携帯情報端末機器のモニタ等において広く用いられている。また、TV用途としても広く用いられ、従来のブラウン管に取って代わろうとしている。
近年の液晶表示装置の主流は、複数の信号線と複数の走査線が格子状に配置され、信号線と走査線とで囲まれた画素領域内にスイッチング素子として薄膜トランジスタ(以下、「TFT」(Thin Film Transistor)とも云う)が形成されたアクティブマトリクス型のものである。アクティブマトリクス型は、一般にパッシブマトリクス型より画質が優れており、液晶表示装置の他、有機EL表示装置等の表示装置においても主流となっている。
表示装置の用途や要求性能に応じて、TFTの構造や材料が適宜選択されている。TFTの構造としては、ボトムゲート型(逆スタガ型)やトップゲート型(スタガ型)等のMOS(Metal Oxide Semiconductor)構造が多く採用されている。TFTを構成する半導体膜としては、非晶質シリコン薄膜や多結晶シリコン(ポリシリコン)薄膜等がある。
チャネル活性層として多結晶シリコン薄膜を用いたTFTは、電子移動度が高い。多結晶シリコン薄膜を活用することにより、アクティブマトリクス型の表示装置の飛躍的な高性能化が進んでいる。多結晶シリコン薄膜を用いたTFTを表示装置周辺の回路形成に使用することにより、IC及びIC装着基板の使用を削減することができる。これにより、表示装置の構成を簡略化して小型化を実現し、かつ信頼性を高めることが可能となる。
液晶表示装置において、画素ごとのスイッチング素子として多結晶シリコン薄膜を用いた場合には、その容量を小さくすることができるだけでなく、ドレイン側に接続されるストレージキャパシタの面積も縮小することができる。このため、高解像度で高開口率の液晶表示装置を実現することができる。
有機EL表示装置は、EL層を挟持する一対の電極間に電流を流すことによってEL層を発光させる、いわゆる自発光型の表示装置である。このため、有機EL表示装置は、液晶表示装置に比してコントラストや視野角依存性、応答速度等の点において優れており、高性能表示装置として適用が拡大されている。
アクティブ型有機EL表示装置の画素内に配設された画素処理信号回路には、非晶質シリコン薄膜や多結晶シリコン薄膜を用いた半導体膜が適用される。多結晶シリコン薄膜を用いたTFTは、電子移動度が高く、長時間電流を流した際に発生するトランジスタの閾電圧シフトの発生も小さいので、広く適用されている。また、多結晶シリコン薄膜を用いたTFTは、画素信号処理回路を制御する周辺回路部にも適用することができる。
図10は、特許文献1に記載のLTPS(Low Temperature Poly Silicon)−TFTの切断部断面図であり、ソース領域及びドレイン領域が形成されているチャネル長方向に沿って切断した断面構造を示している。図10に示すTFTは、ガラス等の透明な絶縁基板からなる基板101上に、下地膜102が形成されている。下地膜102の上には、ポリシリコンから成る多結晶半導体層(以下、「半導体層」とも云う)110が島状に形成されている。この半導体層110は、ソース領域111及びドレイン領域113、及びこれらの領域間に配置されたチャネル領域112によって構成される。
ソース領域111及びドレイン領域113の上層には、金属導電層120が形成されている。そして、この金属導電層120を覆うようにゲート絶縁膜104が形成され、ゲート絶縁膜104を介してチャネル領域112の対面にゲート電極131が形成されている。
ゲート電極131上には、このゲート電極131及びゲート絶縁膜104を覆うように、層間絶縁膜105が形成されている。そして、層間絶縁膜105及びゲート絶縁膜104を貫通して半導体層110のソース領域111の直上に設けられた金属導電層120、及びドレイン領域113の直上に設けられた金属導電層120表面が露出するコンタクトホール156が設けられている。そして、層間絶縁膜105の上層に信号配線(電極層)140が形成され、この信号配線140は、半導体層110のソース領域111及びドレイン領域113の直上層に形成された金属導電層120とコンタクトホール153を介して電気的に接続されている。
特開2007−173652号公報 第1図、第5−6頁
特許文献1によれば、信号配線140がコンタクトホール153を介して金属導電層120と接続されているため、多結晶半導体層のソース、ドレイン領域との間で良好なコンタクト抵抗を得ることができる。その結果、表示特性を向上させることができる。しかしながら、近時においては、表示装置の周辺回路部にデータ処理回路やタイミングコントローラ、CPUを盛り込むなどの高集積化に対する要望が益々高まっている。このため、極めて高い回路密度が必要となってきている。そして、このような要求を満足させるためには、薄膜トランジスタのさらなる高性能化、及び高信頼性化が必要となってきている。そのため、ゲート絶縁耐圧を向上させることが望まれている。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲート絶縁耐圧特性に優れ、高性能化、及び高信頼性化を実現する薄膜トランジスタ基板、及びこの薄膜トランジスタ基板を搭載した表示装置を提供することである。
本発明に係る薄膜トランジスタ基板は、チャネル領域、前記チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域を備える半導体層と、前記チャネル領域よりも前記ソース領域側にある表面外周の内側に形成されたソース側凹部と、前記チャネル領域よりもドレイン領域側にある表面外周の内側に形成されたドレイン側凹部と、前記半導体層表面に段差構造が形成されないように、前記ソース側凹部、及び前記ドレイン側凹部に埋設された導電薄膜と、前記半導体層の上層に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上であって、前記チャネル領域と対向配置されるゲート電極と、前記ゲート電極より上層に、絶縁層を介して配設された電極層と、前記電極層と前記導電薄膜とが電気的に接続されるように配設されたコンタクトホールと、を備えるものである。そして、前記導電薄膜は、少なくとも前記コンタクトホールの開口領域に配設されているものである。
本発明に係る薄膜トランジスタ基板の製造方法は、基板上に半導体層を形成し、前記半導体層表面のチャネル領域を除く領域であって、前記半導体層表面の外周の内側に相当する領域に凹部を形成し、前記半導体層表面に段差構造が形成されないように、前記凹部に導電薄膜を埋設し、前記半導体層、及び前記導電薄膜上にゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、前記ゲート電極より上層に絶縁層を形成し、前記絶縁層から、前記導電薄膜が露出するようにコンタクトホールを形成し、前記絶縁層の上層に、前記コンタクトホールを介して前記導電薄膜と電気的に接続される電極層を形成するものである。
本発明によれば、ゲート絶縁耐圧特性に優れ、高性能化、及び高信頼性化を実現する薄膜トランジスタ基板、及びこの薄膜トランジスタ基板を搭載した表示装置を提供することができるという優れた効果を有する。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは異なる。
[実施形態1]
本実施形態1に係る表示装置は、スイッチング素子としてトップゲート型のMOS構造の薄膜トランジスタ(TFT)を有するアクティブマトリクス型の表示装置である。ここでは、表示装置の一例として透過型の液晶表示装置について説明する。図1は、本実施形態1に係る液晶表示装置60の構成を示す断面図であり、図2は、TFT基板の構成を示す平面図である。なお、説明の便宜上、図2においては対向基板等の図示を省略している。
液晶表示装置60は、図1に示すように、液晶表示パネル61とバックライト62を備えている。液晶表示パネル61は、入力される表示信号に基づいて画像表示を行うように構成されている。バックライト62は、液晶表示パネル61の反視認側に配置されており、液晶表示パネル61を介して視認側へ光を照射するように構成されている。バックライト62は、光源、導光板、反射シート、拡散シート、プリズムシート、反射偏光シートなどを備えた一般的な構成のものを用いることができる。
液晶表示パネル61は、図1及び図2に示すように、薄膜トランジスタ基板(以下、「TFT基板」という)63、対向基板64、シール材65、液晶66、スペーサ67、ゲート配線(走査線)33、ソース配線(信号線)43、対向電極68、配向膜69、偏光板70、ゲートドライバIC71、ソースドライバIC72等を備えている。
TFT基板63には、図2に示すように、矩形状に形成された表示領域80と、この外側に枠状に形成された額縁領域81を有する。表示領域80には、複数のゲート配線33と複数のソース配線43が形成されている。ゲート配線33は、図2中の横方向に延在し、縦方向に複数並設されている。ソース配線43は、ゲート配線33と絶縁層(不図示)を介して交差するように、図2中の縦方向に延在し、横方向に複数並設されている。
ゲート配線33とソース配線43の交差点付近には、マトリクス状に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)91が設けられている。そして、隣接するゲート配線33とソース配線43とで囲まれた領域に、画素電極(不図示)が形成され、この領域が画素90として機能する。TFT91を構成するゲート、ソース、及びドレインは、それぞれゲート配線33、ソース配線43及び画素電極に接続されている。画素電極は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電性薄膜から形成されている。この複数の画素90が形成されている領域が、表示領域80である。
液晶表示パネル61は、図1に示すように、互いに対向配置されるTFT基板63及び対向基板64と、両基板を接着するシール材65とで囲まれる空間に、液晶66が封入されている。両基板の間は、スペーサ67によって、所定の間隔となるように維持されている。TFT基板63及び対向基板64としては、例えば、光透過性のあるガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの絶縁基板が用いられる。
TFT基板63において、上述した各電極及び配線等の上には配向膜69が形成されている。一方、対向基板64のTFT基板63に対向する面には、カラーフィルタ(不図示)、BM(Black Matrix)(不図示)、対向電極68、配向膜69等が形成されている。また、TFT基板63及び対向基板64の外側の面にはそれぞれ、偏光板70が貼着されている。
TFT基板63の額縁領域81には、図2に示すように、ゲートドライバIC71及びソースドライバIC72が設けられている。ゲート配線33は、表示領域80から額縁領域81まで延設されている。そして、ゲート配線33は、TFT基板63の端部で、ゲートドライバIC71に接続される。ソース配線43も同様に表示領域80から額縁領域81まで延設されている。そして、ソース配線43は、TFT基板63の端部で、ソースドライバIC72と接続される。ゲートドライバIC71の近傍には、第1の外部配線73が配設されている。また、ソースドライバIC72の近傍には、第2の外部配線74が配設されている。第1の外部配線73、第2の外部配線74は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)などの配線基板である。
外部からの各種信号は、第1の外部配線73を介してゲートドライバIC71に、第2の外部配線74を介してソースドライバIC72に供給される。ゲートドライバIC71は、外部からの制御信号に基づいてゲート信号(走査信号)をゲート配線33に供給する。このゲート信号によって、ゲート配線33が順次選択されることになる。ソースドライバIC72は、外部からの制御信号や表示データに基づいて、表示信号をソース配線43に供給する。これにより、表示データに応じた表示電圧を各画素電極に供給することができる。
なお、ここでは、ゲートドライバIC71とソースドライバIC72は、COG(Chip On Glass)技術を用いて、TFT基板63上に直接実装したが、この構成に限られるものではない。例えば、TCP(Tape Carrier Package)によりドライバICをTFT基板63に接続してもよい。
上記構成の液晶表示装置60は、例えば以下のように駆動する。走査信号が、ゲートドライバIC71から各ゲート配線33に供給される。各走査信号によって、1つのゲート配線33に接続されているすべてのTFT91が同時にオンとなる。一方、表示信号は、ソースドライバIC72から各ソース配線43に供給され、画素電極に表示信号に応じた電荷が蓄積される。表示信号が書き込まれた画素電極と対向電極68との電位差に応じて、画素電極と対向電極68間の液晶の配列が変化する。これにより、液晶表示パネル61を透過する光の透過量が変化する。このように、画素90毎に表示電圧を変えることによって、所望の画像を表示することができる。
次に、TFT基板63の詳細な構成について詳細に説明する。図3は、TFT基板63に形成されたTFT91近傍の構成を示す上面図である。また、図4は、図3のIV−IV切断部断面図であり、ソース領域及びドレイン領域が形成されているチャネル長方向(図3中のX方向)に沿って切断した断面構造を示している。TFT91のチャネル活性層としては、結晶性シリコンである低温ポリシリコンを用いている。
TFT基板63は、図3及び図4に示すように、絶縁性基板1、第1下地膜2、第2下地膜3、能動素子として機能する半導体層たる多結晶半導体層10、導電薄膜20、ゲート絶縁膜4、ゲート電極31、絶縁層として機能する層間絶縁膜5、及び電極層として機能する第1電極層40、ソース電極41、ドレイン電極42、接続電極44、第1コンタクトホール56、第2コンタクトホール57、第3コンタクトホール58等を有している。なお、説明の便宜上、図3においては、多結晶半導体層10の形状を容易に観察することができるようにゲート絶縁膜4、層間絶縁膜5、ソース電極41、ドレイン電極42、接続電極44等の図示を省略し、コンタクトホールの形成位置のみを示した。
絶縁性基板1は、ガラス基板や石英基板などの透過性を有する基板により構成することができる。絶縁性基板1上には、第1下地膜2、第2下地膜3がこの順に形成されている。これらの下地膜としては、例えば、透過性絶縁膜であるシリコン窒化膜(SiN膜)やシリコン酸化膜(SiO膜)を用いることができる。下地膜は2層構造に限られず、単層構造又は3層以上の多層構造であってもよい。
多結晶半導体層10は、下地膜2の上層に島状に形成されている(図4参照)。多結晶半導体層10は、端部がテーパ形状となっている。このため、多結晶半導体層10上に成膜されたゲート絶縁膜4が良好に被覆されている。従って、絶縁破壊等の不良を十分抑制することができ、TFT91の信頼性の向上に寄与している。
本実施形態1においては、多結晶半導体層10として非晶質シリコン(a−Si)膜にレーザー光を照射することにより形成されたポリシリコン(p−Si)膜を用いる。多結晶半導体層10には、ソース領域11、チャネル領域12、ドレイン領域13、ドレイン延在領域14がある。ソース領域11及びドレイン領域13は、チャネル領域12を挟むように対向配置されている。ソース領域11の上層には、第1コンタクトホール56が形成され、ドレイン領域13の上層には、第2コンタクトホール57が形成されている。ドレイン延在領域14の上層には、第3コンタクトホール57が形成されている。
多結晶半導体層10の表面には、図4に示すように、チャネル領域よりもソース領域側にある半導体層表面外周の内側、及びチャネル領域よりもドレイン領域側にある半導体層表面外周の内側に、それぞれ凹部が形成されている。ここで、ソース領域11に形成されている凹部をソース側凹部51とし、ドレイン領域13からドレイン延在領域14に亘って形成されている凹部をドレイン側凹部52とする。凹部は、導電薄膜20を埋設させるために形成されている。
ソース側凹部51及びドレイン側凹部52には、半導体層表面に段差構造が形成されないように導電薄膜20が埋設されている。すなわち、多結晶半導体層10の表面と、導電薄膜20の表面とが略同一平面となるように、導電薄膜20が埋設されている。ここで、ソース側凹部51に埋設されている導電薄膜20をソース側−導電薄膜21、ドレイン側凹部52に埋設されている導電薄膜20をドレイン側−導電薄膜22とする。
ソース側凹部51は、凹部の側壁部がソース領域11の端部より内側となるように設ける。すなわち、図3に示すように、平面視上、ソース領域11の内側にソース側−導電薄膜21が埋設されるようにする。これにより、多結晶半導体層10の外周側面部のテーパ形状を良好に保持することができる。
ここで、チャネル領域12と、ソース側凹部51に埋設されるソース側−導電薄膜21との離間距離をL1、チャネル領域12の反対側にあるソース領域11上面の端辺と、ソース側−導電薄膜21との離間距離をL2とする。同様に、チャネル幅方向(図3中のY方向)のソース領域11上面の端辺と、ソース側−導電薄膜21との離間距離を、図3に示すようにL3,L4とする。
ソース側−導電薄膜21とチャネル領域12との離間距離L1は、0.5μm以上とすることが好ましい。ゲート電極31の端部との位置を0.5μm以上とすることにより、リーク電流の発生を阻止して、TFT特性が低下することを防止することができる。離間距離L1は、1μm以上とすることがより好ましい。
ソース領域11上面の端辺と、ソース側−導電薄膜21との離間距離L2、L3,及びL4は、特にその下限は限定されないが、ゲート絶縁耐圧をより効果的に向上させるために、多結晶半導体層10の端部側壁がテーパ形状を良好に形成可能な範囲とすることが好ましい。なお、L2、L3及びL4を0とした場合、すなわち、導電薄膜20が多結晶半導体層10の側壁に露出する構造とした場合には、導電薄膜20の側壁は絶縁性基板1に対して略直角なストレート形状となる。このため、ゲート絶縁膜4の被覆性が低下する恐れがある。
同様にして、ドレイン側凹部52は、凹部の側壁部がドレイン領域13の端部より内側になるように設ける。すなわち、図3に示すように、平面視上、ドレイン領域13及びドレイン延在領域14の内側にドレイン側−導電薄膜21が埋設されるようにする。これにより、多結晶半導体層の側面部のテーパ形状を良好に保持することができる。ドレイン側−導電薄膜22についても、ソース−導電薄膜21にて説明した離間距離L1−L4を適用することが好ましい。なお、ドレイン側−導電薄膜22とソース−導電薄膜21とにおいて、離間距離L1−L4は、必ずしも同一に設定する必要はなく、独立に設定することができる。
ソース側−導電薄膜21、ドレイン側−導電薄膜22は、少なくともコンタクトホールの開口部から露出する位置に配設する。換言すると、少なくともコンタクトホールの開口領域から露出する領域には、ソース側凹部51、ドレイン側凹部52を設ける。ソース電極41、ドレイン電極42、及び接続電極44とのコンタクトを、導電薄膜20を介して行うことにより、コンタクト抵抗を良好に保つことができる。
ゲート絶縁膜4は、多結晶半導体層10、導電薄膜20、及び下地膜2を被覆するように形成されている。ゲート絶縁膜4は、単層構造としてもよいし、複数層からなる積層構造としてもよい。
ゲート電極31は、ゲート絶縁膜4の上層であって、多結晶半導体層10のうちのチャネル領域12と対向配置する領域に形成される。ゲート電極31と同一のレイヤに前述したゲート配線33が形成されている。ゲート電極31は、ゲート配線33から多結晶半導体層10の上部まで延設された領域であり、ゲート配線33(図2、図3参照)を介して、ゲート電極31にゲート信号が入力されるように構成されている。
層間絶縁膜5は、ゲート電極31、及びゲート絶縁膜4を覆うように形成されている。層間絶縁膜5の表面からは、ソース側−導電薄膜21表面まで貫通する第1コンタクトホール56が形成されている。同様に、第2コンタクトホール57、第3コンタクトホール58が、層間絶縁膜5の表面から、ドレイン側−導電薄膜22表面まで形成されている。
第1電極層40は、層間絶縁膜5上に形成されている。ソース電極41、ドレイン電極42、接続電極44は、この第1電極層40により構成されている。また、ソース配線43は、この第1電極層40により構成されている。ソース配線43から延在され、第1コンタクトホール56を介してソース領域11(ソース側−導電薄膜21)と接続される第1電極層40がソース電極41として機能する。また、第2コンタクトホール57を介してドレイン領域13(ドレイン側−導電薄膜22)と接続される第1電極層40がドレイン電極42として機能する。さらに、第3コンタクトホール58を介して、ドレイン延在領域14(ドレイン側−導電薄膜22)と接続される第1電極層40が、接続電極44として機能する。以上の構成により、TFT91が構成されている。
ソース領域11、ドレイン領域12に一様に電圧を印加する観点からは、ソース側−導電薄膜21及びドレイン側−導電薄膜21は、チャネル幅方向(図3中のY方向)のエッジ近傍領域を除いた領域に亘って形成することが好ましい。また、ソース側−導電薄膜21とドレイン側−導電薄膜22との対向距離を略一定に保つことがより好ましい。これにより、チャネル幅方向に亘って均一な電圧をより効果的に印加することができる。
上記特許文献1に記載のTFTにおいては、図10に示すように、多結晶半導体層110に上記ドレイン延在領域14が設けられていない。そして、導電薄膜120は、多結晶半導体層110のドレイン領域113の上層から、多結晶半導体層110の側壁部、さらには下地膜102の上層に亘る領域に被覆されている。すなわち、導電薄膜120は、段差構造を有している。また、第3コンタクトホール158の下層には、導電薄膜120が形成され、その下層には多結晶半導体層110が形成されていない。
一方、本実施形態1に係るTFTにおいては、第3コンタクトホール58の下層まで多結晶半導体層10を延在させ、かつ、導電薄膜20を多結晶半導体層10に設けた凹部に埋設するように形成している。さらに、導電薄膜20と多結晶半導体層との表面が略同一となるようにしている。これにより、多結晶半導体層10と導電薄膜20との段差構造をなくすことができる。このため、これらの上層に形成するゲート絶縁膜の被覆性を高めることができる。その結果、ゲート絶縁耐圧特性に優れ、高性能化及び高信頼性化を実現する薄膜トランジスタ基板を提供することができる。また、導電薄膜20自体の段差構造もないので、導電薄膜20の成膜をより信頼性高く行うことができる。
次に、上記のように構成された薄膜トランジスタの製造方法について説明する。図5及び図6は、TFT91の製造方法を説明するための製造工程図である。はじめに、図6(a)に示すように、絶縁性基板1上に第1下地膜2、第2下地膜3を形成する。本実施形態1においては、絶縁性基板1上にCVD(CVD:Chemical Vapor Deposition)法により、第1下地膜2としてSiN膜を成膜し、その上に第2下地膜3としてSiO膜を成膜する。SiN膜の膜厚は、例えば、40〜60nm、SiO膜の膜厚は例えば、180〜220nmとすることができる。なお、これらの下地膜は、主にガラス基板からのNaなどの可動イオンが半導体層へ拡散することを防止する目的で設けたものであるので、上記膜構成、膜厚に限定されるものではない。また、下地膜を設けなくてもよい。
次に、第2下地膜3の上層に非晶質半導体層9をプラズマCVD法により形成する。本実施形態1においては、非晶質半導体としてアモルファスシリコン(Si)膜を用いた。アモルファスシリコン膜は、好ましくは30〜100nm、より好ましくは60〜80nmの膜厚に成膜する(図5(a)参照)。これら下地膜及び非晶質半導体層9は、同一装置あるいは同一チャンバ内にて連続的に成膜することが好ましい。これにより、大気雰囲気中に存在するボロン(B)などの汚染物質が各膜の界面に取り込まれることを防止することができる。
なお、非晶質半導体層9の成膜後に、高温中でアニールを行うことが好ましい。これは、CVD法によって成膜した非晶質半導体層9の膜中に、多量に含有された水素を低減するためである。本実施形態1では、窒素雰囲気の低真空状態で保持したチャンバ内を480℃程度に加熱し、非晶質半導体層9を成膜した基板を45分間保持した。このような処理により、非晶質半導体層9を結晶化する際に、温度が上昇しても水素の急激な脱離が起こらない。そして、非晶質半導体層9表面の荒れを抑制することが可能となる。以上の工程により、図5(a)に示す構成となる。
続いて、非晶質半導体層9表面に形成された自然酸化膜をフッ酸などでエッチング除去する。その後、非晶質半導体層9に対して窒素などのガスを吹き付けながら、非晶質半導体層9の上からレーザー光を照射する。レーザー光は、所定の光学系を通して線状のビーム形状に変換された後、非晶質半導体層9に照射される。本実施形態1では、レーザー光としてYAGレーザーの第2高調波(発振波長:532nm)を用いた。YAGレーザーの第2高調波の代わりに、エキシマレーザーを用いることもできる。非晶質半導体層9に窒素を吹き付けながらレーザー光照射を行うことにより、結晶粒界部分に発生する隆起高さを抑制することができる。本実施形態1においては、結晶表面の平均粗さRaを3nm以下にまで小さくしている。非晶質半導体層9にレーザー光を照射することにより、アモルファスシリコン膜を溶融、冷却、固化し、多結晶半導体層10が形成される。
次に、多結晶半導体層10の表面であって、かつ、ソース領域11となる領域の前述した所定の位置にソース側凹部51を形成する。同様にして、多結晶半導体層10の表面であって、かつ、ドレイン領域13及びドレイン延在領域14の前述した所定の位置にドレイン側凹部52を形成する。具体的には、スピンコートによって感光性樹脂であるレジストの塗膜を形成し、公知の写真製版工程により凹部を形成したい位置以外の領域がレジストで被覆されるようにパターン形成を行う(不図示)。
その後、レジストパターンで被覆されていない領域の多結晶半導体層10を、CFとOを混合したガスを用いたドライエッチング法により、多結晶半導体層10を20nm削ることにより凹部を形成する。次いで、レジストパターンを除去することにより、図5(b)に示すような凹部構造を有する多結晶半導体層10を得る。多結晶半導体層10の削り量(凹部深さ)は、30nm以下とすることが好ましい。より好ましくは、25nm以下である。その理由は、後述する。
次いで、導電薄膜20をスパッタリング法等により成膜する。多結晶半導体層10の削り量(凹部深さ)と、導電薄膜の膜厚は、図5(c)に示すように、略同一とする必要がある。導電薄膜としては、Cr、Mo,W,Taあるいはこれらを主成分とする合金膜等を好適に用いることができる。本実施形態1では、Mo膜をおよそ20nmの膜厚とし、DCマグネトロンを用いたスパッタリング法により形成した。導電薄膜20の膜厚は、上記凹部深さと同様に30nm以下とすることが好ましい。より好ましくは25nm以下である。導電薄膜20の膜厚が30nmを超えると、後述する不純物イオンドーピングの際に、導電薄膜20がマスクとして機能してしまう恐れがある。すなわち、導電薄膜の下層に位置する多結晶半導体層10に不純物イオンが十分に到達できず、導電薄膜20と多結晶半導体層10とのオーミック性コンタクトが得られなくなってしまう恐れがある。
導電薄膜20の膜厚の下限は、特に限定されない。導電薄膜20のシート抵抗は、多結晶半導体層10のシート抵抗(数kΩ/□)よりも二桁程度小さいので、導電薄膜20が僅かにでも成膜されていればソース領域及びドレイン領域に所望の電圧を確実に印加することができる。但し、導電薄膜20としてMo、若しくはW等を用いた場合、コンタクトホール形成時に用いられるドライエッチングのガス(例えば、CF/OやCHF/O/Arガス)により導電薄膜が少なからずエッチングされてしまう。コンタクトホール底部の導電薄膜20が除去されてしまうと、ソース領域及びドレイン領域に所望の電圧を確実に印加することができなくなってしまう。このため、導電薄膜20の膜厚は、上記オーバーエッチングによる削れ量を見越した膜厚とする必要がある。かかる観点からエッチング選択性を考慮して、導電薄膜20の膜厚を10nm以上とすることが好ましい。すなわち、多結晶半導体層10の削り量(凹部深さ)を10nm以上とすることが好ましい。
続いて、導電薄膜20上に感光性樹脂であるレジストをスピンコート等により塗布し、塗布したレジストを露光・現像等の一連の写真製版法により所望の形状にパターニングする(不図示)。ここでは、多結晶半導体層の凹部領域のみにレジストパターンが被覆するようにパターニングを行う。続いて、導電薄膜20をエッチングし、フォトレジストパターンを除去する。一連の工程により、導電薄膜20がソース側凹部51、ドレイン側凹部52に埋設し、かつ、導電薄膜20の表面と多結晶半導体層10の表面が略一致するようにすることができる。本実施形態1においては、燐酸及び硝酸を混合した薬液を用いてウエットエッチング法により、不用部の導電薄膜20を除去する。次いで、レジストパターンを除去する。これにより、多結晶半導体層10表面と、導電薄膜20の表面とが略同一平面にある図5(d)に示すような構造が得られる。
次に、CFとOを混合したガスを用いたドライエッチング法により、多結晶半導体層10を島状に形成する。エッチングに用いられるガスにOが混合されているため、写真製版法によって形成したレジストを後退させながらエッチングすることが可能となる。従って、多結晶半導体層10は、端部にテーパ形状を有する構造とすることができる。以上の工程により、図6(a)に示す構成となる。
次に、洗浄処理を行い、多結晶半導体層10及び導電薄膜20の上の基板表面全体を覆うようにゲート絶縁膜4を成膜する。本実施形態1においては、バッファードフッ酸(BHF)を用いて洗浄処理を行った。ゲート絶縁膜4としては、SiN膜、SiO膜等を用いることができる。本実施形態1では、ゲート絶縁膜4として、SiO膜を用い、CVD法によって70〜100nmの膜厚に成膜した。本実施形態1によれば、多結晶半導体層10の端部をテーパ形状としているので、ゲート絶縁膜4の被覆性が高く、初期故障を大幅に低減することが可能となる。以上の工程により、図6(b)に示す構成となる。
次に、ゲート電極31、ゲート配線(不図示)を形成するための導電膜を成膜する。この導電膜は、Mo、Cr、W、Taやこれらを主成分とする合金膜を好適に用いることができる。本実施形態1では、Moを膜厚200〜400nmとして、DCマグネトロンを用いたスパッタリング法により形成した。そして、公知の写真製版法を用いて、所望の形状にパターニングし、ゲート電極31、ゲート配線等を形成する。本実施形態1では、ゲート電極31等のエッチングは、燐酸と硝酸を混合した薬液を用いたウェットエッチング法により行った。以上の工程により、図6(c)に示す構成となる。
次に、形成したゲート電極31をマスクとして、多結晶半導体層10のソース領域11、ドレイン領域13、ドレイン延在領域14に不純物元素を導入する。ここで導入する不純物元素としてP、Bを用いることができる。Pを導入すればn型のTFTを得ることができ、Bを導入すればp型のTFTを得ることができる。また、ゲート電極31の加工をn型TFT用ゲート電極とp型TFT用ゲート電極の2回に分けて行えば、n型とp型のTFTを同一基板上に作り分けることができる。PやBの不純物元素の導入は、イオンドーピング法を用いて行った。以上の工程により、ソース領域11、ドレイン領域13が形成され、図6(d)に示す構成となる。なお、トランジスタの信頼性向上のために、LDD(Lightly Doped Drain)構造としてもよい。また、イオンドーピング法に代えて、イオン注入法を用いてもよい。
次に、ゲート電極31上に、基板表面全体を覆うように、層間絶縁膜5を成膜する。本実施形態1では、シリコン酸化(SiO)膜を膜厚500〜1000nmとして、CVD法により層間絶縁膜5を成膜した。シリコン酸化膜に代えてシリコン窒化膜を用いてもよい。そして、窒素雰囲気中で450℃に加熱したアニール炉に1時間程度保持した。これにより、多結晶半導体層10のソース・ドレイン領域に導入した不純物元素がさらに活性化する。
次に、形成したゲート絶縁膜4及び層間絶縁膜5を公知の写真製版法を用いて所望の形状にパターニングする。ここでは、多結晶半導体層10のソース領域11及びドレイン領域13の上層に埋設した導電薄膜20に到達するコンタクトホールをそれぞれ形成する。本実施形態1では、コンタクトホールのエッチングは、CHF、OとArの混合ガスを用いたドライエッチング法により行った。
次に、ソース電極41、ドレイン電極42及びソース配線(不図示)等を形成するための第1電極層を成膜する。第1電極層としては、Mo、Cr、W、Al、Taやこれらを主成分とする合金膜を好適に用いることができる。また、これらを積層させた多層構造としてもよい。本実施形態では、Al(下層)/Mo(上層)の2層構造とした。Al膜の膜厚は、200〜400nm、Mo膜の膜厚は、100〜200nmとし、DCマグネトロンを用いたスパッタリング法により形成した。
次いで、第1電極層を公知の写真製版法を用いて所望の形状にパターニングして、ソース電極41、ドレイン電極42及び配線(不図示)を形成する。本実施形態1では、これらを形成する手段として、SFとOの混合ガス及びClとArの混合ガスを用いたドライエッチング法を用いた。以上の工程により、ソース領域11上では、導電薄膜20に接続されるソース電極41が、ドレイン領域13上では、導電薄膜20に接続されるドレイン電極42が形成される。これにより、図4に示す構造となる。
これらの一連の工程を経ることで、TFT91を製造することができる。続いて、ソース電極41及びドレイン電極42を覆うように、保護膜、画素電極等を公知の方法により形成することにより、TFT基板63を得ることができる。
本実施形態1によれば、TFTの多結晶半導体層10のソース領域11にソース側凹部51を設け、当該凹部に導電薄膜20を埋設している。同様に、ドレイン領域13及びドレイン延在領域14に、ドレイン側凹部52を設け、当該凹部に導電薄膜20を埋設している。低抵抗な導電薄膜20をソース領域11、ドレイン領域13、及びドレイン延在領域14となる多結晶半導体層10に埋設する構造とし、かつ導電薄膜20と多結晶半導体層10の表面が略同一面内になるようにすることにより、ゲート絶縁膜の被覆性を高めることができるド。これにより、ゲート絶縁耐圧特性を向上させ、高信頼性化、及び高性能化を実現するTFT基板を提供することができる。
また、本実施形態1によれば、多結晶半導体層の端部をテーパ形状としているので、多結晶半導体層上に成膜するゲート絶縁膜が良好に被覆され、絶縁破壊などの不良を十分に抑制することができる。また、本実施形態1に係る非晶質半導体層9は、前述したように30〜100nmの膜厚に成膜している。このため、多結晶半導体層10の膜厚は、非常に薄くてゲート絶縁膜/多結晶半導体層の選択比が小さいため、ゲート絶縁膜を除去する際に多結晶半導体層を安定的に残すことが難しかった。本実施形態1によれば、導電薄膜20を積層しているので、この問題を改善することができる。
さらに、本実施形態1によれば、ソース領域11及びドレイン領域13のチャネル幅方向のエッジ部を除く領域に5〜50Ω/□程度の低抵抗な導電薄膜20を積層しているので、ソース領域11及びドレイン領域13に供給される電圧をチャネル幅方向に対してほぼ一様にすることが可能となる。従って、チャネル幅の広いTFTにおいても、第1コンタクトホールをチャネル幅方向に均等に配置せずにTFTの性能を維持しつつ、第1コンタクトホールの個数を低減することが可能となる。
なお、本実施形態1においては、ソース側−導電薄膜21及びドレイン側−導電薄膜22が、ソース領域11、及びドレイン領域13においてそれぞれ1つ形成されている例について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、チャネル幅方向に複数のブロックに分割されたソース側−導電薄膜21若しくはドレイン側−導電薄膜22を配設してもよい。若しくは、ドレイン領域13とドレイン延在領域14とで異なるドレイン側凹部を形成し、ドレイン領域13とドレイン延在領域14とで導電薄膜20が分断されるように構成することも可能である。また、ソース側−導電薄膜21とドレイン側−導電薄膜22との対向する辺の形状は略直線形状に限定されるものではない。さらに、ソース側−導電薄膜21とドレイン側−導電薄膜22との対向する辺の距離が略一定である例について述べたが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態1においては、多結晶半導体層10における導電薄膜20の形成領域が、ソース領域11、ドレイン領域13、及びドレイン延在領域14から構成されている例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ソース領域、ドレイン領域のみに導電薄膜20を形成する態様であってもよい。また、ソース領域、ソース延在領域、及びドレイン領域に導電薄膜20を形成する態様であってもよい。さらに、ソース領域、ソース延在領域、ドレイン領域、ドレイン延在領域に導電薄膜20を形成する態様であってもよい。また、上記実施形態1においては、液晶表示装置を例にとり説明したが、有機EL表示装置等をはじめとする各種表示装置に本件発明を適用することができる。
[実施形態2]
次に、上記実施形態とは異なる構造のTFTの一例について説明する。なお、以降の説明において、上記実施形態と同一の要素部材は同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
本実施形態2に係るTFTは、以下の点を除く基本的な構成、及び動作は、上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1においては、接続電極44が、多結晶半導体層10のドレイン延在領域14に埋設されたドレイン側−導電薄膜22と第3コンタクトホール58を介して接続されていたのに対し、本実施形態2においては、多結晶半導体層10のドレイン延在領域14に埋設されたドレイン側−導電薄膜22を、保持容量の下部容量電極として用いている点において相違している。すなわち、保持容量の一部に、導電薄膜20の一部領域を用いている点において相違する。
図7に、本実施形態2に係るTFT基板63aの模式的な切断部断面図を示す。同図に示すように、TFT基板63aにおいては、多結晶半導体層10に埋設されたドレイン側−導電薄膜22の一部を、保持容量55の下部容量電極25として用いている。より具体的には、ゲート電極31と同一のレイヤに形成された上部容量電極35とゲート絶縁膜4を介して対向配置されるドレイン側−導電薄膜22が下部容量電極25として機能する。すなわち、挟持されたゲート絶縁膜4が誘電体絶縁膜として機能し、下部容量電極25と上部容量電極35とが蓄積容量コンデンサを形成する。これにより、画素電極(不図示)に印加される電圧を一定時間保持することができる。
なお、ゲート配線33と上部容量電極35とは並行して設けられ、隣接するゲート配線33間に上部容量電極35が配置される(図2参照)。そして、上部容量電極35は、隣接画素の上部容量電極35と接続され、共通電位が与えられている。
本実施形態2によれば、ゲート絶縁耐圧特性に優れ、高性能化及び高信頼性化を実現する、上記実施形態1と同様の効果が得られる薄膜トランジスタ基板を提供することができる。
[実施形態3]
本実施形態3に係るTFTは、以下の点を除く基本的な構成は、上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1においては、多結晶半導体層10のドレイン延在領域14に埋設されたドレイン側−導電薄膜22と第3コンタクトホール58を介して接続される電極が、ソース配線43と同一のレイヤに形成された接続電極44であったのに対し、本実施形態3においては、多結晶半導体層10のドレイン延在領域14に埋設されたドレイン側−導電薄膜22と第3コンタクトホール58bを介して接続される電極が、画素電極46である点において相違する。
図8に、本実施形態3に係るTFT基板63bの模式的な切断部断面図を示す。保護膜6は、絶縁層により構成され、ソース電極41、ドレイン電極42を覆うように形成されている。そして、図8に示すように、保護膜6の表面から、ドレイン側凹部52に埋設されたドレイン側−導電薄膜22まで貫通する第3コンタクトホール58bが形成されている。
画素電極46は、保護膜6上に形成されている。液晶表示装置の場合、1画素単位に画素電極46が形成される。画素電極46は、隣接するゲート配線33と隣接するソース配線43とで囲まれた領域の略全体に形成される。画素電極46としては、ITO、IZO等の透明導電膜を用いることができる。
画素電極46は、多結晶半導体層10のドレイン延在領域14に埋設されたドレイン側−導電薄膜22と、第3コンタクトホール58bを介して接続されている。TFT91がONのとき、ソース配線43に供給された表示信号が、多結晶半導体層10のソース領域11に出力される。そして、ドレイン領域13、ドレイン延在領域14の多結晶半導体層10及びドレイン側−導電薄膜22を介して画素電極46に表示信号が供給される。
次に、本実施形態3に係るTFT基板63bの製造方法について説明する。上記実施形態1と同様の方法により、ソース電極41、ドレイン電極42、ソース配線43等を形成した後、これらを被覆するように、保護膜6を成膜する。そして、一連の写真製版工程によりパターニングした後、エッチング処理を行う。本実施形態3においては、SiN膜をCVD法により、膜厚が200〜300nmとなるように成膜した。また、保護膜6の表面からは、ドレイン側−導電薄膜22に到達する第3コンタクトホール58bを形成する。第3コンタクトホール58bのエッチングは、CFとOの混合ガスを用いたドライエッチング法により行った。
次いで、画素電極等を形成するために、電極層として機能する第2電極層45を成膜する。第2電極層45としては、ITOやIZOなどの透明性を有する導電性の薄膜を用いる。本実施形態3においては、ITOを、DCマグネトロンを用いたスパッタリング法により、膜厚が80〜120nmとなるように形成した。スパッタリングには、Arガス、Oガス、HOガスを混合したものを用いた。これにより、加工性が容易である非晶質性の透明性導電薄膜を得る。
その後、形成した第2電極層45を公知の写真製版法を用いて、所望の形状にパターニングし画素電極46を形成した。エッチング工程は、シュウ酸を主成分とする薬液を用いたウエットエッチング法により行った。そして、非晶質性透明導電薄膜を結晶化するためのアニールを実施することにより、図8に示すようなTFT基板63bを得る。
本実施形態3によれば、ゲート絶縁耐圧特性に優れ、高性能化及び高信頼性化を実現する、上記実施形態1と同様の効果が得られる薄膜トランジスタ基板を提供することができる。
[実施形態4]
本実施形態4に係るTFTは、以下の点を除く基本的な構成は、上記実施形態2と同様である。また、製造方法は、上記実施形態1及び3に準ずる方法により製造することができる。すなわち、上記実施形態2においては、ソース領域11及び当該領域に埋設されたソース側−導電薄膜21は、第1コンタクトホール56を介してソース電極41と接続されていたのに対し、本実施形態4においては、ソース領域11及び当該領域に埋設されたソース側−導電薄膜21は、画素電極46と同一レイヤに配設されたコンタクト電極47と接続されている点において相違する。同様に、ドレイン領域13及び当該領域に埋設されたドレイン側−導電薄膜22は、第2コンタクトホール57を介してドレイン電極42と接続されていたのに対し、本実施形態4においては、ドレイン領域13及び当該領域に埋設されたドレイン側−導電薄膜22は、第2コンタクトホール57cを介して画素電極46と接続されている点において相違する。また、本実施形態4においては、コンタクト電極47及び第3コンタクトホール58cを介して、ソース配線43とソース領域11が接続されている点において相違する。
図9に、本実施形態4に係るTFT基板63cの模式的な切断部断面図を示す。同図に示すように、保護膜6の表面から、ソース側凹部51に埋設されたソース側−導電薄膜21まで貫通する第1コンタクトホール56cが形成されている。同様にして、保護膜6の表面から、ドレイン側−導電薄膜22まで貫通する第2コンタクトホール57cが形成されている。また、保護膜6の表面から、ソース配線43まで貫通する第3コンタクトホール58cが形成されている。
画素電極46の同一レイヤには、画素電極46と離間した位置にコンタクト電極47が形成されている。コンタクト電極47は、第1コンタクトホール56c、第3コンタクトホール58cをつなぐように形成されている。これにより、ソース配線43と、多結晶半導体層10のソース領域11に埋設されたソース側−導電薄膜21とがコンタクト電極47を介して電気的に接続される。画素電極46、コンタクト電極47には、ITO、IZO等の透明導電膜を用いることができる。
画素電極46は、第2コンタクトホール57cによって多結晶半導体層10のドレイン領域13に埋設されたドレイン側−導電薄膜22と電気的に接続される。これにより、TFT91がONのとき、ソース配線43に供給された表示信号が、コンタクト電極47を介して多結晶半導体層10のソース領域11に出力される。そして、ドレイン領域13及び当該領域に形成されたドレイン側−導電薄膜22を介して画素電極46に表示信号が供給される。また、多結晶半導体層10及びドレイン側−導電薄膜22には、下部容量電極25が形成されるので、下部容量電極25と、ドレイン側−導電薄膜22に接続された画素電極46とは同電位となる。本実施形態1に係るTFT基板63cは、以上のように構成される。
本実施形態4によれば、ゲート絶縁耐圧特性に優れ、高性能化及び高信頼性化を実現する、上記実施形態1と同様の効果が得られる薄膜トランジスタ基板を提供することができる。
実施形態1に係る液晶表示装置の模式的な切断部断面図。 実施形態1に係るTFT基板の模式的な平面図。 実施形態1に係るTFT基板のTFT近傍の模式的平面図。 図3のIV−IV切断部断面図。 (a)〜(d)は、実施形態1に係るTFT基板の製造工程断面図。 (a)〜(d)は、実施形態1に係るTFT基板の製造工程断面図。 実施形態2に係るTFT基板の模式的な切断部断面図。 実施形態3に係るTFT基板の模式的な切断部断面図。 実施形態4に係るTFT基板の模式的な切断部断面図。 特許文献1に記載のTFT基板の模式的な切断部断面図。
符号の説明
1 絶縁性基板
2 第1下地膜
3 第2下地膜
4 ゲート絶縁膜
5 層間絶縁膜
6 保護膜
9 非晶質半導体層
10 多結晶半導体層(ポリシリコン)
11 ソース領域
12 チャネル領域
13 ドレイン領域
14 ドレイン延在領域
20 導電薄膜
21 ソース側−導電薄膜
22 ドレイン側−導電薄膜
25 下部容量電極
31 ゲート電極
33 ゲート配線
35 上部容量電極
40 第1電極層
41 ソース電極
42 ドレイン電極
43 ソース配線
44 接続電極
45 第2電極層
46 画素電極
47 コンタクト電極
51 ソース側凹部
52 ドレイン側凹部
55 保持容量
56 第1コンタクトホール
57 第2コンタクトホール
58 第3コンタクトホール
60 液晶表示装置
61 液晶表示パネル
62 バックライト
63 TFT基板
64 対向基板
90 画素
91 TFT

Claims (8)

  1. チャネル領域、前記チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域を備える半導体層と、
    前記チャネル領域よりも前記ソース領域側にある表面外周の内側に形成されたソース側凹部と、
    前記チャネル領域よりも前記ドレイン領域側にある表面外周の内側に形成されたドレイン側凹部と、
    前記半導体層表面に段差構造が形成されないように、前記ソース側凹部、及び前記ドレイン側凹部に埋設された導電薄膜と、
    前記半導体層の上層に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上であって、前記チャネル領域と対向配置されるゲート電極と、
    前記ゲート電極より上層に、絶縁層を介して配設された電極層と、
    前記電極層と前記導電薄膜とが電気的に接続されるように配設されたコンタクトホールと、を備え、
    前記導電薄膜は、少なくとも前記コンタクトホールの開口領域に配設されている薄膜トランジスタ基板。
  2. 前記半導体層の側壁は、テーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
  3. 前記導電薄膜は、チャネル領域との離間距離が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ基板。
  4. 前記半導体層は、前記ドレイン領域から延在されたドレイン延在領域を備え、
    前記ドレイン側凹部は、前記ドレイン領域から前記ドレイン延在領域に亘って形成されていることを特徴とする請求項1,2、又は3に記載の薄膜トランジスタ基板。
  5. 前記ドレイン延在領域に形成された前記ドレイン側凹部に埋設された前記導電薄膜は、前記ゲート電極より上層に形成された前記電極層と、コンタクトホールを介して接続されていることを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタ基板。
  6. 前記ドレイン延在領域に形成された前記ドレイン側凹部に埋設された導電薄膜の少なくとも一部を保持容量の下部容量電極とすることを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタアレイ基板。
  7. 基板上に半導体層を形成し、
    前記半導体層表面のチャネル領域を除く領域であって、前記半導体層表面の外周の内側に相当する領域に凹部を形成し、
    前記半導体層表面に段差構造が形成されないように、前記凹部に導電薄膜を埋設し、
    前記半導体層、及び前記導電薄膜上にゲート絶縁膜を形成し、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
    前記ゲート電極より上層に絶縁層を形成し、
    前記絶縁層から、前記導電薄膜が露出するようにコンタクトホールを形成し、
    前記絶縁層の上層に、前記コンタクトホールを介して前記導電薄膜と電気的に接続される電極層を形成する薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板が搭載された表示装置。
JP2008064601A 2008-03-13 2008-03-13 薄膜トランジスタ基板、およびその製造方法、並びに表示装置 Pending JP2009224396A (ja)

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KR20130030214A (ko) * 2011-09-16 2013-03-26 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치
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