JP2008195545A - 遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法、及びその距離の制御方法 - Google Patents

遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法、及びその距離の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を安定してより正確に測定することのできる遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液4に磁場を印加しながらシリコン単結晶を引上げる際に、原料融液面上方に位置する遮熱部材14の下端に基準反射体18を設け、遮熱部材14の下端面と原料融液面との間の距離を測定する方法であって、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離Aを実測し、基準反射体18の原料融液面に反射した鏡像の位置R1を定点観測機19で観測した後、シリコン単結晶引上げ中に、鏡像の移動距離Bを定点観測機19で測定し、実測値Aと鏡像の移動距離Bから遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液からシリコン単結晶を引上げる際に、原料融液面上方に配置した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法、及びその距離の制御方法に関する。
半導体素子の製造に用いられるシリコン単結晶の製造方法として、石英ルツボ内の原料融液からシリコン単結晶を成長させつつ引上げるチョクラルスキー法(CZ法)が広く実施されている。CZ法では、不活性ガス雰囲気下で石英ルツボ内の原料融液(シリコン融液)に種結晶を浸し、該石英ルツボ及び種結晶を回転させながら引上げることにより所望直径のシリコン単結晶を育成する。
近年、半導体素子の高集積化とそれに伴う微細化の進展によりシリコンウェーハ内の成長欠陥(grown−in欠陥)が問題となっている。結晶欠陥は、半導体素子の特性を劣化させる要因となるものであり、素子の微細化の進展にともない、その影響が一層大きくなっている。そのような成長欠陥としてはCZ法によるシリコン単結晶中に空孔の凝集体である八面体のボイド状欠陥(非特許文献1)や格子間シリコンの凝集体として形成される転位クラスター(非特許文献2)などが知られている。
これらの成長欠陥は成長界面における結晶の温度勾配とシリコン単結晶の成長速度によりその導入量(非特許文献3)が決まることが示されている。このことを利用した低欠陥シリコン単結晶の製造方法について、例えば特許文献1ではシリコン単結晶の成長速度を遅くすることが開示されており、特許文献2ではシリコン単結晶の固相/液相における境界領域の温度勾配にほぼ比例する最大引上げ速度を超えない速度でシリコン単結晶を引上げることが開示されている。さらに結晶成長中の温度勾配(G)と成長速度(V)に着目した改善CZ法(非特許文献4)などが報告されており、結晶温度勾配を高精度に制御することが必要である。
これらの方法では、結晶温度勾配の制御のために、融液面上方に育成するシリコン単結晶の周囲に円筒、もしくは逆円錐型の輻射熱を遮断する構造(遮熱部材)を設けることが行われている。これにより、結晶の高温時の結晶温度勾配を高めることができるので、無欠陥結晶を高速で得られる利点がある。しかしながら、結晶温度勾配を正確に制御するためには、原料融液面と原料融液面上方に位置する遮熱部材下端面との間の距離(以下、DPMと呼ぶこともある)を極めて精度よく所定の距離になるように制御する必要がある。しかしながら、従来までの方法では、DPMを精度よく所定の距離になるように制御することは困難であった。
また、結晶直径の大型化に伴い、融液面位置は、石英ルツボの重量(肉厚のバラツキ)、操業中の変形、膨張等により大きく変化し、融液面位置が結晶成長バッチ毎に変化してしまうという問題が生じている。このため、融液面と遮熱部材との間隔を精度よく所定の間隔になるように制御することが益々困難となっている。
これらの改善のために、例えば特許文献3では、CZ炉内に基準反射体を配置し、該基準反射体の実像と融液面に反射した基準反射体の鏡像の相対距離を測定することにより、基準反射体と融液面の距離を測定することが提案されている。これは、この測定結果に基づき、融液面と遮熱部材との間隔を精度良く所定の間隔になるように制御するというものである。
さらに、特許文献4には、基準反射体の鏡像の安定性を得るためにルツボ回転による原料融液の湾曲を考慮する方法が示されている。
これらの方法では、基準反射体の実像と基準反射体の鏡像の画像を光学式カメラなどの検出手段で捉え、該捉えた基準反射体の実像と鏡像の明暗を、一定の閾値(2値化レベルの閾値)を決めて2つのレベルに量子化(2値化処理)する。すなわち、2値化レベルの閾値より明るい所、暗い所で区別する。そして、そのエッジの位置が何処にあるのかを計測し、その計測値を換算することで実像と鏡像の距離を測定している。
ところが、結晶成長工程の時間経過に伴い、融液面に反射した基準反射体の鏡像の明るさが変化し、2値化処理する前の光学式カメラの検出値が変動したり、あるいは、CZ炉内の構造部品に付着した湯飛び等の基準反射体の鏡像とは異なるノイズを検出したりするなど、基準反射体と融液面との距離を安定して正確に測定できないという問題があった。
一方、例えば、口径800mm以上の石英ルツボに原料融液を収容し、直径300mm以上のシリコン単結晶を磁場を印加しないで製造する場合に、融液面が振動し、正確な融液面の位置を安定して検出することができないという問題もあった。この場合も、基準反射体と融液面との相対距離を安定して正確に測定することができない。
そして、基準反射体と融液面との相対距離の測定結果が不正確であると、融液面と遮熱部材との間隔を精度よく所定の間隔になるように制御することができない。その結果、所望品質のシリコン単結晶を生産性良く製造できなくなる。
特開平6−56588号公報 特開平7−257991号公報 特開平6−116083号公報 特開2001−342095号公報 Analysis of side-wall structure of grown-in twin-type octahedral defects in Czochralski silicon, Jpn. J.Appl. Phys. Vol.37(1998)p-p.1667-1670 Evaluation of microdefects in as-grown silicon crystals, Mat. Res. Soc. Symp. Proc. Vol.262(1992) p-p51-56 The mechanism of swirl defects formation in silicon, Journal of Crystal growth,1982,p-p625-643 日本結晶成長学会 vol.25 No.5,1998
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を安定してより正確に測定することのできる遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を提供し、さらにこの測定方法をシリコン単結晶製造に用いることで、精度良く無欠陥領域の高品質なシリコン単結晶を製造することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液に磁場を印加しながらシリコン単結晶を引上げる際に、原料融液面上方に位置する遮熱部材下端に基準反射体を設け、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を測定する方法であって、少なくとも、
前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測し、前記基準反射体の原料融液面に反射した鏡像の位置を定点観測機で観測した後、
前記シリコン単結晶引上げ中に、前記鏡像の移動距離を前記定点観測機で測定し、前記実測値と前記鏡像の移動距離から前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を算出することを特徴とする遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を提供する(請求項1)。
このように本発明では、シリコン単結晶の引上げを、磁場を印加しながら行う。これにより、原料融液の対流が抑制され、原料融液表面の波立ちが抑えられるため、シリコン単結晶引き上げ中でも融液面が鏡面状となり、基準反射体の鏡像を観測し易く、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を安定して正確に測定することができる。
また本発明は、まず機械的な方法等を用いて遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測した後、基準反射体の原料融液面に反射した鏡像の位置を定点観測機で観測し、その後シリコン単結晶引上げ中に、鏡像の移動距離を定点観測機で測定し、実測値と鏡像の移動距離から引上げ中の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出することにより、画像観測による測定範囲がより限定されるため、観測による誤差が小さくなり、シリコン単結晶引上げ中に、精度良く正確に遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を測定することができる。
尚、ここで、本発明における「基準反射体」とは、遮熱部材の下端にあって原料融液面に鏡像を反射させ、この鏡像を観測することで、遮熱部材下端面と原料融液面との距離を算出し、原料融液面の位置を制御できるものである。
このとき、前記基準反射体として、高純度の石英、シリコン、及び炭素のいずれかからなるものを使用することが好ましい(請求項2)。
このように、遮熱部材下端に取り付けた基準反射体として、高純度の石英、シリコン、及び炭素のいずれかからなるものを使用すれば、基準反射体が、育成するシリコン単結晶を不純物で汚染するという恐れも少ない。このため、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。
さらに、前記基準反射体として、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを使用することが好ましい(請求項3)。
このように、遮熱部材下端に取り付けた基準反射体として、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを使用することにより、シリコン単結晶引上げ中に、基準反射体の劣化によるパーティクルでシリコン単結晶を汚染する恐れがない。また、基準反射体が白色であるので、原料融液面において鏡像の視認性が高くなり、鏡像観測がより正確となり、高純度で、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。
また、本発明において、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測する際、前記基準反射体より長く、長さがわかっている突起物を前記遮熱部材下端に設け、前記ルツボを上昇させて前記突起物を前記原料融液面に接触させて、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測することができる(請求項4)。
このように、基準反射体より長く、長さがわかっている突起物を遮熱部材下端に設け、ルツボを上昇させて突起物を原料融液面に接触させて、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測することにより、突起物の長さがわかっているため、簡単な作業で遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測できる。また、突起物が基準反射体よりも長いので、ルツボを上昇させて突起物を原料融液面に接触させた際、基準反射体に原料融液が付着する恐れがない。
このとき、前記突起物として、石英、シリコン、及び炭素のいずれかからなるものを使用することが好ましい(請求項5)。
このように、遮熱部材下端に設ける突起物として、石英、シリコン、及び炭素のいずれかからなるものを使用することにより、突起物は原料融液と接触させるので、例え突起物が原料融液によって溶かされても、原料融液が不純物によって汚染される恐れが少なく、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。
さらに本発明において、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測する際、前記原料融液の上方に配置されてある基準位置検出器で、前記シリコン単結晶を成長させるための種結晶の下端を検出して基準位置とし、その後、前記種結晶の下端を、前記基準反射体下端と前記原料融液面との間に下降させ、前記ルツボを上昇させて前記種結晶下端と前記原料融液面を接触させて、該接触位置から前記基準位置の距離と前記遮熱部材下端面から前記基準位置の距離によって前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測することができる(請求項6)。
このように、原料融液の上方に配置されてある基準位置検出器で、シリコン単結晶を成長させるための種結晶の下端を検出して基準位置とし、その後、種結晶の下端を、基準反射体下端と原料融液面との間に下降させ、ルツボを上昇させて種結晶下端と原料融液面を接触させ、接触位置から基準位置の距離と遮熱部材下端面から基準位置の距離によって遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測することにより、簡単な作業で遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測できる。また、種結晶により遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測するので、原料融液が不純物によって汚染される恐れが少なく、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。さらに、種結晶の下端を基準反射体下端と原料融液面との間に下降させることで、ルツボを上昇させて原料融液面に種結晶が接触した際、基準反射体に原料融液が付着する恐れがなくなる。
そして本発明は、前記印加する磁場の中心磁場強度を300G〜7000Gの水平磁場とすることが好ましい(請求項7)。
このように、測定中に印加する磁場の中心磁場強度を300G〜7000Gの水平磁場とすることにより、原料融液面がほとんど振動しないため、原料融液面に反射した鏡像のゆらぎを抑えることができ、原料融液面の位置をより一層安定してより正確に鏡像の移動距離を測定することができる。
また、本発明は、上記のような遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法により測定した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を、前記シリコン単結晶の引き上げ中にフィードバックし、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離が設定値となるように前記ルツボ又は前記遮熱部材を移動させることを特徴とする遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法を提供する(請求項8)。
このように、上記のような遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法により測定した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を、シリコン単結晶の引き上げ中にフィードバックし、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が設定値となるようにルツボ又は遮熱部材を移動させる。これにより、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離がより安定してより正確に測定できるため、この測定結果に基づいて遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を制御すれば、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御することが可能である。
そして本発明は、上記の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法により、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との距離を制御し、シリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する(請求項9)。
このように、上記制御方法によってシリコン単結晶を製造すれば、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御できるので、結晶成長軸方向の結晶軸温度勾配を極めて精密に制御でき、高品質のシリコン単結晶を効率的に高い生産性で製造できる。
さらに、上記に記載のシリコン単結晶の製造方法であって、前記製造されるシリコン単結晶は、径方向において全面無欠陥のものとすることができる(請求項10)。
このように、上記遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法をシリコン単結晶製造方法において用いることで、径方向において全面無欠陥のシリコン単結晶を引き上げることができる。
以上説明したように、本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法によれば、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離をより安定してより正確に測定することができる。そして、この測定結果に基づいて、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を制御することで、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御することが可能である。このため、結晶成長軸方向の結晶軸温度勾配を極めて精密に制御することが可能となり、高品質のシリコン単結晶を効率的に高い生産性で製造することができる。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
前述のように、従来、CZ炉内に基準反射体を配置し、該基準反射体の実像と融液面に反射した基準反射体の鏡像の相対距離を測定することにより、基準反射体と融液面の距離を測定することが行われている。この測定は、基準反射体の実像と基準反射体の鏡像の画像を光学式カメラなどの検出手段で捉え、該捉えた基準反射体の実像と鏡像の明暗を、一定の閾値(2値化レベルの閾値)を決めて2つの出力値に量子化(2値化処理)することにより行われている。
ところが、結晶成長工程中に時間経過に伴い、融液面に反射した基準反射体の鏡像の明るさが変化し、2値化処理する前の光学式カメラの検出値が変動したり、あるいは、CZ炉内の構造部品に付着した湯飛び等の基準反射体の鏡像とは異なるノイズを検出したりするなど、基準反射体と融液面との距離を安定して正確に測定できないという問題があった。
また、例えば、直径300mm以上のシリコン単結晶を製造する場合に、原料融液面が振動し、正確な融液面の位置を安定して検出することができないという問題もあった。
このように、基準反射体と融液面との相対距離の測定結果が不正確であると、融液面と遮熱部材との間隔を精度よく所定の間隔になるように制御することができない。その結果、所望品質のシリコン単結晶を生産性良く製造できなくなる。
そこで、本発明者らは、このような問題を解決するために鋭意研究及び検討を重ねた。その結果、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離をより安定してより正確に測定するためには、シリコン単結晶の引上げを、磁場を印加しながら行い、まず遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実際に測定し、その後シリコン単結晶引上げ中に、鏡像の移動距離を定点観測機で測定し、実測値と鏡像の移動距離から遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出することで遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を測定すれば良いことに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を説明する図であり、図1(a)は原料融液面の移動と各部材の位置関係を示す図、図1(b)は定点観測機で得られる画像の概略図である。また、図2は、本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法で、シリコン単結晶を引上げる際の概略図である。
図2のように、チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液4に磁場を印加しながらシリコン単結晶3を引上げる前に、図1(a)のように原料融液4の上方に位置する遮熱部材14の下端に基準反射体18を設ける。次に、遮熱部材14の下端と原料融液4の表面との間の距離Aを実測し、基準反射体18の原料融液面に反射した鏡像R1の位置を定点観測機19で観測する。そして、シリコン単結晶3の引上げ中に、鏡像の移動距離Bを定点観測機19で測定し、実測値Aと鏡像の移動距離Bから遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出する。
このように、遮熱部材14の下端と原料融液4の表面との間の距離を実測することで、基準反射体の原料融液面に反射した鏡像の位置を定点観測機で観測した後、シリコン単結晶引上げ中に、鏡像の移動距離を定点観測機で測定し、実測値と鏡像の移動距離から遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出することにより、画像観測による測定範囲がより限定されるため、定点観測機による観測誤差が小さくなり、シリコン単結晶引上げ中に、精度良く正確に遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を測定することができる。
さらに、シリコン単結晶の引上げを、磁場を印加しながら行うことにより、原料融液の対流が抑制され、原料融液表面の波立ちが抑えられるため、シリコン単結晶引き上げ中でも融液面が鏡面状となり、基準反射体の鏡像を観測し易く、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を安定して正確に測定することができる。
図1(a)のように原料融液4の上方に位置する遮熱部材14の下端に基準反射体18を設ける際、基準反射体18は、高純度の石英、シリコン、及び炭素のいずれかからなるものを使用することが好ましい。
このような材質のものを使用すれば、基準反射体18が、育成するシリコン単結晶3を不純物で汚染するという恐れも少なく、高品質のシリコン単結晶3を育成することができる。
また、特には、基準反射体18として、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを使用することが好ましい。
このように、遮熱部材14の下端に取り付けた基準反射体18として、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを使用することにより、シリコン単結晶3の引上げ中に、基準反射体18の劣化によるパーティクルでシリコン単結晶3を汚染する恐れがない。
そして、原料融液4の上方に配置されている遮熱部材14等は黒鉛材を使用することが多く、鏡像の移動を定点観測機19により観測する際、シリコン融液4の表面には黒鉛材が反射しているため、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを基準反射体18として使用すれば、基準反射体18の色が白色であるので、原料融液4の表面において定点観測機19による鏡像の視認性が高くなり、鏡像の観測がより正確となるため、高純度で、高品質のシリコン単結晶3を育成することができる。
ここで、遮熱部材14の下端と原料融液4の表面との間の距離Aを実測する例としては、図3(a)、図3(b)のような2通りの実施形態が挙げられる。
図3は、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測する方法を説明する図である。図3(a)は突起物を使用した場合であり、図3(b)は、種結晶を使用した場合である。
図3(a)のように、突起物を使用して、遮熱部材14の下端と原料融液4の表面との間の距離Aを実測する場合は、基準反射体18より長く、長さがわかっている突起物17を遮熱部材14の下端に設ける。そして、ルツボを上昇させ、突起物17に原料融液4を接触させる。
このように、遮熱部材14の下端と原料融液4の表面との間の距離Aを実測すれば、突起物17の長さがわかっているため、簡単な作業で遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測できる。また、突起物が基準反射体よりも長いので、ルツボを上昇させて突起物を原料融液面に接触させた際、基準反射体に原料融液が付着する恐れがない。
突起物17と原料融液4との接触を感知するには、図3(a)のように、遮熱部材14が取り付けられているガス整流筒13と、遮熱部材14、及び突起物17を電気的に接続しておき、つぎに、原料融液4が充填されているルツボを支えているルツボ軸15とガス整流筒13を実測機20により電気的に接続しておく。
そして、ルツボを上昇させて原料融液4が突起物17に接触した際に、実測機20が電気的にこれを感知する。そのときのルツボ位置を記録し、このルツボ位置、つまり、原料融液面の位置で、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が突起物の長さと一致し、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離Aを実測することができる。
このとき、突起物17としては、石英、シリコン、及び炭素のいずれかからなるものを使用することが好ましい。特に、電気抵抗や不純物汚染の観点からシリコンがより好ましい。
このような材質の突起物17を使用することにより、突起物17が原料融液4と接触した際、突起物17が原料融液4によって溶かされても、原料融液4が不純物によって汚染される恐れが少なく、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。
特に、原料融液がシリコンである場合は、突起物17は、同じ材質であるシリコンを使用することが好ましい。
つぎに図3(b)のように種結晶を使用して、遮熱部材14の下端と原料融液4の表面との間の距離Aを実測する場合について説明する。原料融液4の上方に配置されてある基準位置検出器24で、シリコン単結晶3を成長させるための種結晶12の下端を検出し、その位置を基準位置とし、その後、種結晶12の下端を、基準反射体18の下端と原料融液4の表面との間に下降させる。このとき、種結晶12の下端は、後にルツボを上昇させ原料融液4と接触させた時に原料融液面の位置が所望のDPMとなる位置で停止させる。そして、ルツボを上昇させて種結晶12の下端と原料融液4を接触させる。
この接触位置から基準位置の距離と、予め距離のわかっている遮熱部材下端面から基準位置の距離によって遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離Aを実測することができる。
このように、種結晶を使用して、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離Aを実測することにより、簡単な作業で遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測できる。また、種結晶により遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測するので、原料融液が不純物によって汚染される恐れが少なく、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。さらに、種結晶の下端を基準反射体下端と原料融液面との間に下降させることで、ルツボを上昇させて原料融液面に種結晶が接触した際、基準反射体に原料融液が付着する恐れがなくなる。
種結晶12と原料融液4との接触を感知するには、図3(b)のように、種結晶12を吊るしているワイヤ23と原料融液4が充填されているルツボを支えているルツボ軸15とを実測機20により電気的に接続しておく。
そして、ルツボを上昇させて原料融液4が種結晶12に接触した際に、実測機20が電気的にこれを感知する。そのときのルツボ位置を記録し、このルツボ位置、つまり、原料融液面の位置での、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測することができる。
そして、上記のような方法で、遮熱部材14の下端と原料融液4の表面との間の距離Aを実測すると同時に、基準反射体の原料融液面に反射した鏡像R1の位置を定点観測機19で観測する。
つぎに、シリコン単結晶3を図2のような装置を使用して引上げる。このシリコン単結晶製造装置40は、石英ルツボ5等の部材を収容するメインチャンバー1と、メインチャンバー1の上に連設された引上げチャンバー2と、結晶温度勾配の制御のための遮熱部材14と、多結晶シリコン原料を加熱、溶融するためのヒーター7と、石英ルツボ5を支持する黒鉛ルツボ6と、ヒーター7からの熱がメインチャンバー1に直接輻射されるのを防止するための断熱材8と、シリコン単結晶を引上げるためのワイヤ23と、ルツボ5、6を支持するルツボ軸15と、ルツボ位置の制御装置22とを具備する。
このような製造装置40により、シリコン単結晶3を次のようにして引上げることができる。遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測前に予め、石英ルツボ5内に高純度の多結晶シリコン原料を収容し、黒鉛ルツボ6の周囲に配置されたヒーター7によりシリコンの融点(約1420℃)以上に加熱溶融し、原料融液4を用意しておく。
そして、上記説明のように遮熱部材14の下端面と原料融液4の表面との間の距離を実測し、基準反射体の原料融液面に反射した鏡像R1の位置を定点観測機19で観測する。
図3(a)のように突起物を使用して遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測した場合は、所望のDPMとなるまで、ルツボ位置を降下させる。そして、この原料融液4に種結晶12を接融した後、引上げワイヤ23を巻取り機構(不図示)によって静かに巻取り、絞り部を形成した後に、結晶径を拡大して一定の直径を持つ定径部を育成させる。
このとき、シリコン単結晶3の引上げは、磁石16により、原料融液に磁場を印加しながら行う。特に、印加する磁場の中心磁場強度(コイル中心を結ぶ線の中心の磁場強度)は、300G〜7000Gの水平磁場とすることが好ましい。このような磁場強度とすることで、原料融液面がほとんど振動しないため、原料融液面に反射した鏡像のゆらぎを抑えることができ、原料融液面の位置をより一層安定してより正確に鏡像の移動距離を測定することができる。
つぎに、シリコン単結晶3を引き上げ中の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法について説明する。シリコン単結晶引上げ前に、定点観測機19により、原料融液面に反射した基準反射体18の鏡像R1の画像を捉えておいた位置から、シリコン単結晶を引上げ中に、原料融液面が下がり、基準反射体18の鏡像の位置がR2へ移動する。
このとき、鏡像の位置R1からR2への移動距離Bを定点観測機19に接続されている測定演算装置21により、原料融液面の移動距離Cに変換する。この変換は、定点観測機19等の位置、角度から幾何学的に以下のように算出することができる。
原料融液の移動距離をC、鏡像の移動距離をBとし、鏡像の反射角をθとおくと、
B=2Csinθ
となり、定点観測機19によって得られた鏡像の移動距離Bから原料融液の移動距離Cを求めることができ、鏡像がR2の位置にあるときのDPMは、実測値Aに原料融液の移動距離Cを加えて求めることができる。
このとき、θ≧30°であれば、C<Bとなるので、原料融液の微妙な移動を鏡像の移動により大きく拡大して測定することができる。
しかし、より正確にDPMを算出するには、シリコン単結晶引上げ前に、たとえばルツボ位置すなわち原料融液面を20mm下げたときに観測される鏡像の移動距離Bから、変換係数を求めておいてもよい。
尚、定点観測機19は、特に限定されないが、例えば通常用いられる光学式カメラ(CCDカメラ等)が挙げられる。
このようにしておくことで、シリコン単結晶引き上げ中に、定点観測機19により鏡像の移動距離Bを捉えるだけで、シリコン単結晶引上げ前のDPM実測値Aと、鏡像の移動距離Bから算出された原料融液面の移動距離Cにより、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を精度よく算出することができる。
シリコン単結晶引上げ前のDPM実測値Aの算出は、ルツボ位置の制御装置22により算出できるようにする。
次に、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を制御するには、シリコン単結晶の引き上げ中に常に鏡像の移動距離を観測し、上記のような遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法により測定した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を随時フィードバックする。そして、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が設定値となるようにルツボ5、6又は遮熱部材14を移動させることが好ましい。ルツボを移動させるには、ルツボ軸15を上下動すればよいし、遮熱部材を移動させるには、整流筒移動機構25により整流筒を上下動すればよい。
このように、シリコン単結晶の引き上げ中にDPM測定値をフィードバックし、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が設定値となるようにルツボ又は遮熱部材を移動させることにより、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が正確に測定されているため、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御することができる。
無欠陥結晶などシリコン単結晶を高品質に育成する際には、原料融液とその上部に配置される遮熱部材との距離(DPM)が非常に重要である。なぜなら、無欠陥結晶の製造マージンは非常に狭く、これを結晶面内方向全てで達成させる必要がある。結晶周辺での温度勾配は、DPMを変えることで大きく変化するので、中心部と周辺部の温度勾配を等しくするのにDPMを制御因子として使うことができるからである。更に結晶長さ方向で面内の温度勾配が変化していくため、結晶長さ方向全てで無欠陥結晶を造るためには、DPMを結晶長さに合わせて変化させる必要がある。
そこで、上記の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法により、遮熱部材下端面と原料融液面との距離を制御し、シリコン単結晶を製造すれば、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御できるので、結晶成長軸方向の結晶軸温度勾配を極めて精密に制御でき、高品質のシリコン単結晶を効率的に高い生産性で製造できる。
さらに、上記シリコン単結晶の製造方法により製造されるシリコン単結晶が、径方向において全面無欠陥のもとすることで、シリコン単結晶の無欠陥領域を広げられるため、シリコン単結晶製造における歩留がさらに向上する。
以下に本発明の実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
シリコン単結晶の製造装置として、図2のシリコン単結晶の製造装置40を用いた。
まず、遮熱部材14の下端に、突起物17と基準反射体18を取り付けた。
基準反射体18は、硬い透明石英棒の先端に白色の石英を貼り付けたものを使用した。
突起物17の長さは、シリコン単結晶3引上げ中のDPM設定値より短く、基準反射体18より長いもので、その材質及び形状は、シリコン単結晶を円錐状に切り出し、表面を鏡面状にエッチング・洗浄処理したものを用いた。そして突起物17の装着後に、遮熱部材下部に突き出した部分の長さを測定した結果、シリコン単結晶引上げ初期の設定DPMより20mm短いことを確認した。
そして、先ず、口径800mmの石英ルツボ5(直径300mmのシリコン単結晶引上げ用)にシリコン多結晶原料を340kg充填した。そして、シリコン多結晶原料をヒーター7で溶解後、磁石16により、中心磁場強度が4000Gの水平磁場を印加した。
その後、ゆっくりとルツボを上昇させ、遮熱部材14の下端に取り付けた突起物17が原料融液4と接触するまで移動させた。原料融液4と突起物17の接触は、遮熱部材14からルツボ軸15に電気が流れたことを実測機20により感知した。
感知した瞬間のDPMをDPM設定値−20mmとし、その際、原料融液面に反射している基準反射体18の鏡像の位置R1を定点観測機(カメラ)19で検出した。
次にルツボを20mm下降させ、シリコン単結晶引上げ初期の原料融液面位置に合わせた。この時、同時に、変換係数の決定もおこなった。すなわち、ルツボを20mm動かした(原料融液面の移動距離Cの)時、鏡像の移動距離Bを測定し、シリコン単結晶引上げ中の鏡像の移動距離Bから原料融液面の移動距離Cを算出できるようにした。
上記のような設定が済んだ状態で、シリコン単結晶の引上げを行った。先に述べたように、引上げたシリコン単結晶に無欠陥結晶領域が多くできるようにするためには、結晶製造中に随時DPMを変化させることが好ましい。そこで最も好ましいと思われるパターンにDPMがなるようにルツボ位置制御装置22により制御してシリコン単結晶3を引上げた。
実施例1のDPMの設定値と測定値を図4に、そして図4のように制御されたDPMによって得られたシリコン単結晶の概略図を図5に示す。図4は、本発明のDPM測定方法により測定されたDPMの測定値と設定値を表す図である。なお、微妙なDPMの変化が図4のグラフで読み取れるように、測定したDPMの値から、シリコン単結晶引上げ初期のDPMの値を引いた値を縦軸としており、引上げるシリコン単結晶の成長軸方向の長さの割合を横軸としている。
図4をみれば、DPMの設定値通りにDPMが制御できているのがわかる。これによって引上げられた結晶の品質は、図5に示す通りで、ほぼ全領域に渡って無欠陥のシリコン単結晶が製造できたことがわかる。
(実施例2)
種結晶を使用して、遮熱部材の下端と原料融液の表面との間の距離を実測する事以外は、実施例1と同様の方法で、シリコン単結晶3を引上げを行った。
尚、種結晶を使用してDPMを実測する方法は、以下のようにして行った。まず、図3(b)のように基準位置検出器24で、種結晶12の下端を検出し、その位置を基準位置とした。その後、ルツボを上昇させて原料融液4と接触させた時に原料融液面の位置が所望のDPMとなる位置で種結晶12の下端を停止させ、次にルツボを上昇させて種結晶12の下端と原料融液4を接触させた。そして、この接触位置から基準位置の距離と、予め距離のわかっている遮熱部材下端面から基準位置の距離によって遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離Aを実測した。
このような実施例2によってDPMを制御した結果、実施例1と同様の結果を得ることができた。すなわち、DPMの測定値は図4のように設定値にほぼ一致するようにDPMを制御することができ、この方法によって得られたシリコン単結晶も実施例1と同様に図5のようなほぼ全領域に渡って無欠陥のシリコン単結晶が製造できた。
(比較例)
DPMの制御をすること以外は実施例と同じ条件で、シリコン単結晶の引上げを行った。この時ルツボの上下移動は、石英ルツボ5の内径から容積を計算し、引上げたシリコン単結晶の重量分の原料融液が降下することを利用し、それを補正できる分、ルツボを上昇させ且つ長さ方向でDPMを所望の位置になるように計算して動かしていった。
比較例のDPMの設定値と測定値を図6に、そして図6のように制御されたDPMによって得られたシリコン単結晶の概略図を図7に示す。図6は、従来のDPM測定方法により測定されたDPMの測定値と設定値を表す図である。
その結果、図6に示す通り、シリコン単結晶の長さが20%になったあたりから、DPMが設定値からずれていってしまったことがわかる。この時の結晶の品質は、図7に示す通り、前半部では無欠陥結晶となったが、後半部では無欠陥結晶とならなかった。
DPMが計算値通りにならなかった理由としては、黒鉛ルツボ6の劣化にあると考えられた。黒鉛ルツボ6は時間が経つにつれ肉厚が減っていってしまう。このため高温でやわらかい石英ルツボ5は、黒鉛ルツボ6に張り付くように変形し、結果的に内径が大きくなったと考えられる。そのため計算した値より原料融液面の降下が少なく、DPMが設定値より狭くなったと考えられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を説明する図であり、(a)は原料融液面の移動と各部材の位置関係を示す図、(b)は定点観測機で得られる画像の概略図である。 本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法で、シリコン単結晶を引上げる際の概略図である。 遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測する方法を説明する図であり、(a)は突起物を使用した場合、(b)は種結晶を使用した場合である。 本発明のDPM測定方法により測定されたDPMの測定値と設定値を表す図である(実施例1,2)。 図4のように制御されたDPMによって得られたシリコン単結晶の概略図である。 従来のDPM測定方法により測定されたDPMの測定値と設定値を表す図である(比較例)。 図6のように制御されたDPMによって得られたシリコン単結晶の概略図である。
符号の説明
1…メインチャンバー、 2…引上げチャンバー、 3…シリコン単結晶、
4…原料融液、 5…石英ルツボ、 6…黒鉛ルツボ、 7…ヒーター、
8…断熱材、 12…種結晶、 13…ガス整流筒、 14…遮熱部材、
15…ルツボ軸、 16…磁石、 17…突起物、 18…基準反射体、
19…定点観測機、 20…実測機、 21…測定演算装置、
22…ルツボ位置の制御装置、 23…引上げワイヤ、 24…基準位置検出器、
25…整流筒移動機構、 40…シリコン単結晶製造装置、 A…実測距離(値)、
B…鏡像の移動距離、 C…原料融液面の移動距離、 R1、R2…鏡像。

Claims (10)

  1. チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液に磁場を印加しながらシリコン単結晶を引上げる際に、原料融液面上方に位置する遮熱部材下端に基準反射体を設け、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を測定する方法であって、少なくとも、
    前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測し、前記基準反射体の原料融液面に反射した鏡像の位置を定点観測機で観測した後、
    前記シリコン単結晶引上げ中に、前記鏡像の移動距離を前記定点観測機で測定し、前記実測値と前記鏡像の移動距離から前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を算出することを特徴とする遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  2. 前記基準反射体として、高純度の石英、シリコン、及び炭素のいずれかからなるものを使用することを特徴とする請求項1に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  3. 前記基準反射体として、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを使用することを特徴とする請求項1に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  4. 前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測する際、前記基準反射体より長く、長さがわかっている突起物を前記遮熱部材下端に設け、前記ルツボを上昇させて前記突起物を前記原料融液面に接触させて、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  5. 前記突起物として、石英、シリコン、及び炭素のいずれかからなるものを使用することを特徴とする請求項4に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  6. 前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測する際、前記原料融液の上方に配置されてある基準位置検出器で、前記シリコン単結晶を成長させるための種結晶の下端を検出して基準位置とし、その後、前記種結晶の下端を、前記基準反射体下端と前記原料融液面との間に下降させ、前記ルツボを上昇させて前記種結晶下端と前記原料融液面を接触させて、該接触位置から前記基準位置の距離と前記遮熱部材下端面から前記基準位置の距離によって前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  7. 前記印加する磁場の中心磁場強度を300G〜7000Gの水平磁場とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法により測定した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を、前記シリコン単結晶の引き上げ中にフィードバックし、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離が設定値となるように前記ルツボ又は前記遮熱部材を移動させることを特徴とする遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法。
  9. 請求項8に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法により、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との距離を制御し、シリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  10. 請求項9に記載のシリコン単結晶の製造方法であって、前記製造されるシリコン単結晶は、径方向において全面無欠陥のものとすることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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