JP5577873B2 - 遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法、シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法、シリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液からシリコン単結晶を引き上げる際に、原料融液面上方に配置した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法、及びその距離の制御方法に関する。
半導体素子の製造に用いられるシリコン単結晶の製造方法として、石英ルツボ内の原料融液からシリコン単結晶を成長させつつ引き上げるチョクラルスキー法(CZ法)が広く実施されている。CZ法では、不活性ガス雰囲気下で石英ルツボ内の原料融液(シリコン融液)に種結晶を浸し、該石英ルツボ及び種結晶を回転させながら引き上げることにより所望直径のシリコン単結晶を育成する。
近年、半導体素子の高集積化とそれに伴う微細化の進展によりシリコンウェーハ内の成長欠陥(grown−in欠陥)が問題となっている。成長欠陥は、半導体素子の特性を劣化させる要因となるものであり、素子の微細化の進展にともない、その影響が一層大きくなっている。そのような成長欠陥としてはCZ法によるシリコン単結晶中に空孔の凝集体である八面体のボイド状欠陥(非特許文献1)や格子間シリコンの凝集体として形成される転位クラスター(非特許文献2)などが知られている。
これらの成長欠陥は成長界面における結晶の温度勾配とシリコン単結晶の成長速度によりその導入量(非特許文献3)が決まることが示されている。このことを利用した低欠陥シリコン単結晶の製造方法について、例えば特許文献1ではシリコン単結晶の成長速度を遅くすることが開示されており、特許文献2ではシリコン単結晶の固相/液相における境界領域の温度勾配にほぼ比例する最大引き上げ速度を超えない速度でシリコン単結晶を引き上げることが開示されている。さらに結晶成長中の温度勾配(G)と成長速度(V)に着目した改善CZ法(非特許文献4)などが報告されており、結晶温度勾配を高精度に制御することが必要である。
これらの方法では、結晶温度勾配の制御のために、融液面上方に育成するシリコン単結晶の周囲に円筒、もしくは逆円錐型の輻射熱を遮断する構造体(遮熱部材)を設けることが行われている。これにより、結晶の高温時の結晶温度勾配を高めることができるので、無欠陥結晶を高速で得られる利点がある。しかしながら、結晶温度勾配を正確に制御するためには、原料融液面と原料融液面上方に位置する遮熱部材下端面との間の距離(以下、DPMと呼ぶこともある)を極めて精度よく所定の距離になるように制御する必要がある。
しかしながら、従来までの方法では、DPMを精度よく所定の距離になるように制御することは困難であった。
また、結晶直径の大型化に伴い、融液面位置は、石英ルツボの重量(肉厚のバラツキ)、操業中の変形、膨張等により大きく変化し、融液面位置が結晶成長バッチ毎に変化してしまうという問題が生じている。このため、融液面と遮熱部材との間隔を精度よく所定の間隔になるように制御することが益々困難となっている。
これらの改善のために、例えば特許文献3では、CZ炉内に基準反射体を配置し、該基準反射体の実像と融液面に反射した基準反射体の鏡像の相対距離を測定することにより、基準反射体と融液面の距離を測定することが提案されている。これは、この測定結果に基づき、融液面と遮熱部材との間隔を精度良く所定の間隔になるように制御するというものである。
さらに、特許文献4には、基準反射体の鏡像の安定性を得るためにルツボ回転による原料融液の湾曲を考慮する方法が示されている。
また、特許文献5では、磁場を印加することで反射像が明瞭に写るようにして位置誤検知を改善する方法が示されている。
これらの方法では、基準反射体の実像と基準反射体の鏡像の画像を光学式カメラなどの検出手段で捉え、該捉えた基準反射体の実像と鏡像の明暗を、一定の閾値(2値化レベルの閾値)を決めて2つのレベルに量子化(2値化処理)する。すなわち、2値化レベルの閾値より明るい所、暗い所で区別する。そして、そのエッジの位置が何処にあるのかを計測し、その計測値を換算することで実像あるいは鏡像の距離を測定している。
ところが、結晶成長工程の時間経過に伴い、融液面に反射した基準反射体の鏡像の明るさが変化し、2値化処理する前の光学式カメラの検出値が変動したり、あるいは、CZ炉内の構造部品に付着した湯飛び等の基準反射体の鏡像とは異なるノイズを検出したりするなど、基準反射体と融液面との距離を安定して正確に測定できないという問題があった。
一方、例えば、口径800mm以上の石英ルツボに原料融液を収容し、直径300mm以上のシリコン単結晶を磁場を印加しないで製造する場合に、融液面が振動し、正確な融液面の位置を安定して検出することができないという問題もあった。この場合も、基準反射体と融液面との相対距離を安定して正確に測定することができない。
そして、基準反射体と融液面との相対距離の測定結果が不正確であると、融液面と遮熱部材との間隔を精度よく所定の間隔になるように制御することができない。その結果、所望品質のシリコン単結晶を生産性良く製造できなくなる。
特開平6−56588号公報 特開平7−257991号公報 特開平6−116083号公報 特開2001−342095号公報 特開2008−195545号公報 Analysis of side−wall structure of grown−in twin−type octahedraldefects in Czochralski silicon, Jpn. J.Appl. Phys. Vol.37(1998)p−p.1667−1670 Evaluation of microdefects in as−grown silicon crystals, Mat. Res. Soc. Symp. Proc. Vol.262(1992) p−p51−56 The mechanism of swirl defects formation in silicon, Journal of Crystal growth,1982,p−p625−643 日本結晶成長学会 vol.25 No.5,1998
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を安定してより正確に測定することのできる遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を提供し、さらにこの測定方法を用いて遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を制御し、シリコン単結晶製造に応用することで、精度良く無欠陥領域の高品質なシリコン単結晶を生産性良く製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液に磁場を印加しながらシリコン単結晶を引き上げる際に、原料融液面上方に位置する遮熱部材に基準反射体を備え、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を測定する方法であって、前記基準反射体を、前記遮熱部材下端面に設けられた凹部の内側に備え、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測し、前記基準反射体の前記原料融液面に反射した鏡像の位置を定点観測機で観測した後、前記シリコン単結晶引き上げ中に、前記鏡像の移動距離を前記定点観測機で測定し、前記実測値と前記鏡像の移動距離から遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出することを特徴とする遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を提供する。
このように、本発明は、まず機械的な方法等を用いて遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測した後、基準反射体の原料融液面に反射した鏡像の位置を定点観測機で観測し、その後シリコン単結晶引き上げ中に、鏡像の移動距離を定点観測機で測定し、実測値と鏡像の移動距離から引き上げ中の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出することにより、画像観測による測定範囲がより限定されるため、観測による誤差が小さくなり、シリコン単結晶引き上げ中に、精度良く正確に遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を測定することができる。さらに、シリコン単結晶の引き上げを、磁場を印加しながら行うことにより、原料融液の対流が抑制され、原料融液表面の波立ちが抑えられるため、シリコン単結晶引き上げ中でも融液面が鏡面状態となり、基準反射体の鏡像を観測し易くなる。さらに、基準反射体を、遮熱部材下端面に設けられた凹部の内側に備えることで、遮熱部材下端面に設けられた凹部が誤検出抑制機構として働き、基準反射体の鏡像の陰影を明瞭にし、2値化による定点観測機での検出において誤検出を抑制し、定点観測機による検出精度を向上することができる。
尚、ここで、本発明における「基準反射体」とは、原料融液面に鏡像を反射させるものであり、この鏡像を観測することで、遮熱部材下端面と原料融液面との距離を算出し、原料融液面の位置を制御できる。
またこのとき、前記基準反射体として、高純度の白色石英、又は、高純度透明石英を白色化したものを使用することが好ましい。
このように、遮熱部材下端面に取り付けた基準反射体として、高純度の石英からなるものを使用すれば、基準反射体が、育成するシリコン単結晶を不純物で汚染するという恐れも少なくできる。このため、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。また、基準反射体が白色であるので、原料融液面において鏡像の視認性が高くなり、鏡像観測がより正確となり、高純度で、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。
またこのとき、前記基準反射体下端部を、前記遮熱部材下端面よりも高い位置に配置することが好ましい。
このような配置は、上記のように、基準反射体が遮熱部材下端面に設けられた凹部の内側に備えられた構造となって初めて可能であり、このように、基準反射体下端部を遮熱部材下端面よりも高い位置に配置することで、基準反射体の外部への突出部分をなくし、遮熱部材の取り付け・取り外しなどのハンドリング時に基準反射体と外部が接触することを防ぐことができるため、基準反射体の破損防止効果が得られる。同様に、石英製の筒状管を用いて原料を追加する際の原料衝突による破損も抑制する事ができる。さらに、ルツボを上昇させるなどの操作中に、誤って基準反射体に原料融液が付着する恐れが少ない。
またこのとき、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測する際、前記原料融液の上方に配置されてある基準位置検出器で、前記シリコン単結晶を成長させるための種結晶の下端を検出して基準位置とし、その後、前記種結晶の下端を、前記基準反射体下端と前記原料融液面との間に下降させ、前記ルツボを上昇させて前記種結晶下端と前記原料融液面を接触させて、該接触位置から前記基準位置の距離と前記遮熱部材下端面から前記基準位置の距離によって前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測することが好ましい。
このように、原料融液の上方に配置されてある基準位置検出器で、シリコン単結晶を成長させるための種結晶の下端を検出して基準位置とし、その後、種結晶の下端を、基準反射体下端と原料融液面との間に下降させ、ルツボを上昇させて種結晶下端と原料融液面を接触させ、接触位置から基準位置の距離と遮熱部材下端面から基準位置の距離によって遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測することにより、簡単な作業で遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測できる。また、種結晶により遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測するので、原料融液が不純物によって汚染される恐れが少なく、高品質のシリコン単結晶を育成することができる。さらに、種結晶の下端を基準反射体下端と原料融液面との間に下降させることで、ルツボを上昇させて原料融液面に種結晶が接触する際、基準反射体に原料融液が付着する恐れが少ない。
またこのとき、前記印加する磁場の中心磁場強度を、300G〜7000Gの水平磁場とすることが好ましい。
このように、測定中に印加する磁場の中心磁場強度を300G〜7000Gの水平磁場とすることにより、原料融液面がほとんど振動しないため、原料融液面に反射した鏡像のゆらぎを抑えることができ、原料融液面の位置がより一層安定して、より正確に鏡像の移動距離を測定することができる。
また本発明では、前記測定方法により測定した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を、前記シリコン単結晶の引き上げ中にフィードバックし、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離が設定値となるように前記ルツボ又は前記遮熱部材を移動させることを特徴とする遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法を提供する。
このように、上記のような遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法により測定した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を、シリコン単結晶の引き上げ中にフィードバックし、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が設定値となるようにルツボ又は遮熱部材を移動させる。即ち、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離がより安定してより正確に測定できるため、この測定結果に基づいて遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を制御すれば、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御することが可能である。
また本発明では、前記遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法により、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との距離を制御し、シリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
このように、上記制御方法を利用してシリコン単結晶を製造すれば、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御できるので、結晶成長軸方向の結晶軸温度勾配を極めて精密に制御でき、高品質のシリコン単結晶を効率的に高い生産性で製造することができる。
以上説明したように、本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法によれば、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離をより安定してより正確に測定することができる。そして、この測定結果に基づいて、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を制御することで、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御することが可能である。このため、結晶成長軸方向の結晶軸温度勾配を極めて精密に制御することが可能となり、高品質のシリコン単結晶を効率的に高い生産性で製造することができる。また、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が下限値以下とならないように制御することで、遮熱部材下端面と原料融液面の接触を防ぎ、安全にシリコン単結晶を成長させることができる。
本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を説明する図である。 本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法で、シリコン単結晶を引き上げる際に用いる単結晶製造装置の概略図である。 遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測する方法を説明する図である。 (a)比較例1のDPM測定方法で用いた遮熱部材及び基準反射体の概略図と、(b)実施例1のDPM測定方法で用いた誤検出抑制機構を備えた遮熱部材及び基準反射体の概略図である。 比較例1と実施例1のDPM測定値を示す図である。 比較例2と実施例2で製造されたシリコン単結晶の品質ロスの程度を示す図である。 比較例3と実施例3のDPM測定値を示す図である。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
前述のように、従来、CZ炉内に基準反射体を配置し、該基準反射体の実像と融液面に反射した基準反射体の鏡像の相対距離を測定することにより、基準反射体と融液面の距離を測定することが行われている。この測定は、基準反射体の実像と基準反射体の鏡像の画像を光学式カメラなどの検出手段で捉え、該捉えた基準反射体の実像と鏡像の明暗を、一定の閾値(2値化レベルの閾値)を決めて2つの出力値に量子化(2値化処理)することにより行われている。
ところが、結晶成長工程中に時間経過に伴い、融液面に反射した基準反射体の鏡像の明るさが変化し、2値化処理する前の光学式カメラの検出値が変動したり、あるいは、CZ炉内の構造部品に付着した湯飛び等の基準反射体の鏡像とは異なるノイズを検出したりするなど、基準反射体と融液面との距離を安定して正確に測定できないという問題があった。
また、例えば、直径300mm以上のシリコン単結晶を製造する場合に、原料融液面が振動し、正確な融液面の位置を安定して検出することができないという問題もあった。このように、基準反射体と融液面との相対距離の測定結果が不正確であると、融液面と遮熱部材との間隔を精度よく所定の間隔になるように制御することができない。その結果、所望品質のシリコン単結晶を生産性良く製造できなくなる。
そこで、本発明者らは、このような問題を解決するために鋭意研究及び検討を重ねた。
その結果、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離をより安定してより正確に測定するためには、シリコン単結晶の引き上げを、磁場を印加しながら行い、かつ、湯飛び等の外乱による2値化処理による検出値の変動を抑制するために、基準反射体の周囲に凹部を設け、基準反射体とその背景部の陰影を明瞭化すれば良いことに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法を説明する図であり、図1(a)は原料融液面の移動と各部材の位置関係を示す図、図1(b)は定点観測機で得られる画像の概略図である。また、図2は、本発明の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法で、シリコン単結晶を引き上げる際に用いる単結晶製造装置の概略図である。
図2のように、チョクラルスキー法によりルツボ1内の原料融液2に磁場を印加しながらシリコン単結晶3を引き上げる前に、図1(a)のように、誤検出抑制機構として原料融液2の上方に位置する遮熱部材4の下端面4aに設けられた凹部4bの内側に、基準反射体5を備える。次に、遮熱部材4の下端面と原料融液2の表面との間の距離Aを実測し、基準反射体5の原料融液面に反射した鏡像R1の位置を定点観測機6で観測する。そして、シリコン単結晶3の引き上げ中に、鏡像の移動距離Bを定点観測機6で測定(R2の位置を測定)し、実測値Aと鏡像の移動距離Bから遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出する。
このように、遮熱部材4の下端と原料融液2の表面との間の距離Aを実測し、基準反射体5の原料融液2の表面に反射した鏡像の位置を定点観測機6で観測した後、シリコン単結晶引き上げ中に、鏡像の移動距離を定点観測機6で測定し、実測値Aと鏡像の移動距離Bから遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出することにより、画像観測による測定範囲が鏡像部分に限定されるため、定点観測機6による観測誤差が小さくなり、シリコン単結晶引き上げ中に、精度良く正確に遮熱部材4の下端面と原料融液2の表面との間の距離を測定することができる。
さらに、シリコン単結晶3の引き上げを、磁場を印加しながら行うことにより、原料融液2の対流が抑制され、原料融液2の表面の波立ちが抑えられるため、シリコン単結晶引き上げ中でも融液面が鏡面状となり、基準反射体5の鏡像を観測し易くなる。さらに、凹状の遮熱部材下端面として、その内側に基板反射体を配置することで、反射体とそうでない位置の明暗が従来に比べて明確になり、さながら誤検出抑制機構のごとく働き、基準反射体5とその背景部の陰影が明瞭となり、2値化処理による検出値の変動が抑制されるため、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離をより安定して正確に測定することができる。
図1(a)のように原料融液2の上方に位置する遮熱部材4の下端面4aに設けられた凹部の内側に基準反射体5を備える際、基準反射体5は、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを使用することが好ましい。このような材質のものを使用すれば、基準反射体5が、育成するシリコン単結晶3を不純物で汚染するという恐れも少なく、高品質のシリコン単結晶3を育成することができる。
また、基準反射体5の下端部を、遮熱部材4の下端面よりも高い位置に配置することが好ましい。
このように、基準反射体5の下端部を、遮熱部材4の下端面よりも高い位置に配置することにより、外部への基準反射体5の突出部分をなくし、遮熱部材4の取り付け・取り外しなどのハンドリング時に基準反射体と外部が接触することを防ぐことができるため、基準反射体5の破損防止効果が得られる。
同様に、石英製の筒状管を用いて原料を追加する際の原料衝突による破損も抑制する事ができる。さらに、ルツボ1を上昇させるなどの操作中に、誤って基準反射体5に原料融液2が付着する恐れがない。なお、このような配置は凹状の誤検出抑制機構があって初めて可能であり、凹状の誤検出抑制機構がない場合には、基準反射体先端が遮熱部材下端面の影にかかってしまい、2値化により反射体先端を定点観測することができない。
そして、原料融液2の上方に配置されている遮熱部材4等は黒鉛材を使用することが多く、遮熱部材4が新品あるいは使用時間が短い場合は湯飛びも少なく、鏡像の移動を定点観測機6により観測する際、シリコン融液2の表面には黒鉛材が反射することが多い。このような場合には、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを基準反射体5として使用することで、基準反射体5の色が白色であるので、原料融液2の表面において定点観測機6による鏡像の視認性が高くなり、鏡像の観測がより正確となるため、距離測定がより正確になり、より高純度で、高品質のシリコン単結晶3を育成することができる。
しかし、遮熱部材4の使用時間が長い場合は、鏡像の移動を定点観測機6により観測する際、シリコン融液2の表面に黒鉛材とともに遮熱部材下端面の湯飛びが反射しているため、従来の構造では、高純度の白色石英又は、高純度透明石英の表面を白色化したものを基準反射体5として使用しても、基準反射体5と湯飛びの色が双方白色であるので、原料融液2の表面において定点観測機6による鏡像の視認性が低くなってしまう。
これに対し、凹状の誤検出抑制機構部は、凹部4bに湯飛びを生じても重力により凹部4bから下方に湯飛びが垂れて除去されるため、遮熱部材4の使用時間が長い場合においても凹部4bに湯飛びは残らず、常に鏡像の視認性を高く保つことができ、鏡像の観測がより安定かつ正確となるため、高純度で、高品質のシリコン単結晶3を安定して育成することができる。
ここで、遮熱部材4の下端面と原料融液2の表面との間の距離Aを実測する例としては、図3のような実施形態が挙げられる。図3は、遮熱部材4の下端面と原料融液2の表面との間の距離を実測する方法を説明する図である。
図3のように種結晶7を使用して、遮熱部材4の下端面と原料融液2の表面との間の距離Aを実測する場合について説明する。原料融液2の上方に配置されてある基準位置検出器8で、シリコン単結晶3を成長させるための種結晶7の下端を検出し、その位置を基準位置とし、その後、種結晶7の下端の高さ位置を、基準反射体5の下端と原料融液2の表面との間の高さ位置まで下降させる。このとき、種結晶7の下端は、後にルツボ1を上昇させ原料融液2と接触させた時に原料融液面の位置が所望のDPMとなる位置で停止させる。そして、ルツボ1を上昇させて種結晶7の下端と原料融液2を接触させる。この接触位置から基準位置の距離と、予め距離のわかっている遮熱部材下端面から基準位置の距離によって遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離Aを実測することができる。
このように、種結晶7を使用して、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離Aを実測することにより、簡単な作業で遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測できる。また、種結晶7により遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測するので、原料融液2が不純物によって汚染される恐れが少なく、高品質のシリコン単結晶3を育成することができる。さらに、種結晶7の下端を基準反射体下端と原料融液面との間に下降させることで、ルツボ1を上昇させて原料融液面に種結晶7が接触した際、基準反射体5に原料融液2が付着する恐れが少ない。そのため、原料融液中に基準反射体の構成材料が混入することを防止でき、また、基準反射体の下端面が異物で汚れることもなく、その機能の低下が避けられる。
種結晶7と原料融液2との接触を感知するには、図3のように、種結晶7を吊るしているワイヤ9と原料融液2が充填されているルツボ1を支えているルツボ軸10とを実測機11により電気的に接続しておく。そして、ルツボ1を上昇させて原料融液2が種結晶7に接触した際に、実測機11が電気的にこれを感知する。そのときのルツボ位置を記録し、このルツボ位置、つまり、原料融液面の位置での、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を実測することができる。
そして、上記のような方法で、遮熱部材4の下端面と原料融液2の表面との間の距離Aを実測すると同時に、基準反射体5の原料融液面に反射した鏡像R1の位置を定点観測機6で観測する。
つぎに、シリコン単結晶3を図2のような装置を使用して引き上げる。このシリコン単結晶製造装置20は、例えば、石英ルツボ1a等の部材を収容するメインチャンバー12と、メインチャンバー12の上に連設された引き上げチャンバー13と、結晶温度勾配の制御のための遮熱部材4と、多結晶シリコン原料を加熱、溶融するためのヒーター14と、石英ルツボ1aを支持する黒鉛ルツボ1bと、ヒーター14からの熱がメインチャンバー12に直接輻射されるのを防止するための断熱材15と、シリコン単結晶を引き上げるためのワイヤ9と、ルツボ1を支持するルツボ軸10と、ルツボ位置の制御装置16とを具備する。
このような製造装置20により、シリコン単結晶3を次のようにして引き上げることができる。遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の実測前に、予め、石英ルツボ1a内に高純度の多結晶シリコン原料を収容し、黒鉛ルツボ1bの周囲に配置されたヒーター14によりシリコンの融点(約1420℃)以上に加熱溶融し、原料融液2を用意しておく。そして、上記説明のように遮熱部材4の下端面と原料融液2の表面との間の距離を実測し、基準反射体5の原料融液面に反射した鏡像R1の位置を定点観測機6で観測する。
そして、原料融液2に種結晶7を接融させた後、ワイヤ9を巻取り機構(不図示)によって静かに巻取り、絞り部を形成した後に、結晶径を拡大して一定の直径を持つ定径部を育成させる。
このとき、シリコン単結晶3の引き上げは、磁石19により、原料融液2に磁場を印加しながら行う。特に、印加する磁場の中心磁場強度(コイル中心を結ぶ線の中心の磁場強度)は、300G〜7000Gの水平磁場とすることが好ましい。このような磁場強度とすることで、原料融液面がほとんど振動しないため、原料融液面に反射した鏡像のゆらぎを抑えることができ、原料融液面の位置をより一層安定してより正確に鏡像の移動距離を測定することができる。
つぎに、シリコン単結晶3を引き上げ中の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法について説明する。シリコン単結晶引き上げ前に、定点観測機6により、原料融液面に反射した基準反射体5の鏡像R1の画像を捉えておいた位置から、シリコン単結晶を引き上げ中に、図1(a)に示すように、原料融液面が下がり、基準反射体5の鏡像の位置がR2へ移動する。
このとき、図1(b)に示すような鏡像の位置R1からR2への移動距離Bを定点観測機6に接続されている測定演算装置17により、原料融液面の移動距離Cに変換する。この変換は、定点観測機6等の位置、角度から幾何学的に以下のように算出することができる。原料融液2の移動距離をC、鏡像の移動距離をBとし、鏡像の反射角をθとおくと、
B=2Csinθ
となり、定点観測機6によって得られた鏡像の移動距離Bから原料融液の移動距離Cを求めることができ、鏡像がR2の位置にあるときのDPMは、実測値Aに原料融液の移動距離Cを加えて求めることができる。
このとき、θ≧30°であれば、C≦Bとなるので、原料融液の微妙な移動を鏡像の移動により大きく拡大して測定することができる。
しかし、より正確にDPMを算出するには、シリコン単結晶引き上げ前に、たとえばルツボ位置すなわち原料融液面を20mm下げたときに観測される鏡像の移動距離Bから、変換係数を求めておいてもよい。尚、定点観測機6は、特に限定されないが、例えば通常用いられる光学式カメラ(CCDカメラ等)が挙げられる。
このようにしておくことで、シリコン単結晶引き上げ中に、定点観測機6により鏡像の移動距離Bを捉えるだけで、シリコン単結晶引き上げ前のDPM実測値Aと、鏡像の移動距離Bから算出された原料融液面の移動距離Cにより、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を精度よく算出することができる。シリコン単結晶引き上げ前のDPM実測値Aの算出は、ルツボ位置の制御装置16により算出できるようにする。
次に、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を制御するには、シリコン単結晶3の引き上げ中に常に鏡像の移動距離を観測し、上記のような遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法により測定した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を随時フィードバックする。そして、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が設定値となるようにルツボ1又は遮熱部材4を移動させることが好ましい。ルツボ1を移動させるには、ルツボ軸10を上下動すればよいし、遮熱部材4を移動させるには、整流筒移動機構18により整流筒を上下動すればよい。
このように、シリコン単結晶3の引き上げ中にDPM測定値をフィードバックし、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が設定値となるようにルツボ1又は遮熱部材4を移動させることにより、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離が正確に測定されているため、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御することができる。
無欠陥結晶などシリコン単結晶を高品質に育成する際には、原料融液とその上部に配置される遮熱部材との距離(DPM)が非常に重要である。なぜなら、無欠陥結晶の製造マージンは非常に狭く、これを結晶面内方向全てで達成させる必要がある。結晶周辺での温度勾配は、DPMを変えることで大きく変化するので、中心部と周辺部の温度勾配を等しくするのにDPMを制御因子として使うことができるからである。更に結晶長さ方向で面内の温度勾配が変化していくため、結晶長さ方向全てで無欠陥結晶を造るためには、DPMを結晶長さに合わせて変化させる必要がある。
そこで、上記の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法により、遮熱部材下端面と原料融液面との距離を制御し、シリコン単結晶を製造すれば、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を高精度に制御できるので、結晶成長軸方向の結晶軸温度勾配を極めて精密に制御でき、高品質のシリコン単結晶を効率的に高い生産性で製造できる。
さらに、上記シリコン単結晶の製造方法により製造されるシリコン単結晶が、径方向において全面無欠陥のもとすることで、シリコン単結晶の無欠陥領域を広げられるため、シリコン単結晶製造における歩留がさらに向上する。
以下に本発明の実施例、比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
シリコン単結晶の製造装置として、図2のシリコン単結晶の製造装置20を用いた。まず、遮熱部材4は使用時間が長い湯飛びが付着したものを使用し、遮熱部材下端面4aに凹部4bを設け、その内側に基準反射体5を配置した。基準反射体5は、硬い透明石英棒の先端に白色の石英を貼り付けたものを使用した。そして、先ず、口径800mmの石英ルツボ1a(直径300mmのシリコン単結晶引き上げ用)にシリコン多結晶原料を340kg充填した。そして、シリコン多結晶原料をヒーター14で溶解後、磁石19により、中心磁場強度が4000Gの水平磁場を印加した。
その後、種結晶7を使用してDPMを実測した。実測の方法は、図3のように基準位置検出器8で、種結晶7の下端を検出してその位置を基準位置とし、その後、ルツボ1を上昇させて原料融液2と接触させた時に原料融液面の位置が所望のDPMとなる位置で種結晶7の下端を停止させ、次にルツボ1を上昇させて種結晶7の下端と原料融液2を接触させた。そして、この接触位置から基準位置の距離と、予め距離のわかっている遮熱部材下端面から基準位置の距離によって遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離Aを実測した。原料融液2と種結晶7の接触は、ワイヤ9からルツボ軸10に電気が流れたことを実測機11により感知した。感知した瞬間のDPMをDPM設定値とし、その際、原料融液面に反射している基準反射体5の鏡像の位置R1を定点観測機(カメラ)6で検出した。この時、同時に、変換係数の決定もおこなった。すなわち、ルツボ1を20mm動かした(原料融液面の移動距離Cの)時、鏡像の移動距離Bを測定し、シリコン単結晶引き上げ中の鏡像の移動距離Bから原料融液面の移動距離Cを算出できるようにした。
上記のような設定が済んだ状態でシリコン単結晶3の引き上げを行い、DPMを測定した。また、このときDPMの制御は行わなかった。
(比較例1)
実施例1で使用した遮熱部材4に設けた凹状の誤検出抑制機構部4bをなくし、長時間使用した以外は実施例1と同じ条件で、シリコン単結晶の引き上げを行い、DPMを測定した。
尚、比較例1のDPM測定方法で用いた遮熱部材及び基準反射体の概略図を図4(a)に、実施例1のDPM測定方法で用いた誤検出抑制機構を備えた遮熱部材及び基準反射体の概略図を図4(b)に示す。
比較例1と実施例1のDPM測定を実施した際の誤検出頻度レベルを算出した。ここで、誤検出頻度の定義として、1min当たりの平均検出値が1min前の平均検出値に対して0.2%以上変位した場合を誤検出とし、実施例1の誤検出頻度を1とした際の相対値を誤検出頻度レベル(シリコン単結晶1本当たり誤検出となる発生頻度比較)とした。比較例1では湯飛びの影響で誤検出を生じているが、実施例1では誤検出が1/100以下と誤検出を抑制できており(比較例1:実施例1=106:1)、正確にDPMを測定できていることがわかった。
尚、比較例1と実施例1のDPM測定値を図5に示す。図5に示されるように、比較例1ではDPMが非常に暴れたのに対し、実施例1では安定していた。
(実施例2)
DPMの制御をすること以外は実施例1と同じ条件で、シリコン単結晶3の引き上げを行った。先に述べたように、引き上げたシリコン単結晶に無欠陥結晶領域が多くできるようにするためには、結晶製造中に随時DPMを変化させることが好ましい。そこで、実施例1と同条件で、最も好ましいと思われるパターンにDPMがなるようにルツボ位置制御装置16によりルツボ位置を制御してシリコン単結晶3を引き上げた。
(比較例2)
DPMの制御をすること以外は比較例1と同じ条件で、シリコン単結晶3の引き上げを行った。先に述べたように、引き上げたシリコン単結晶に無欠陥結晶領域が多くできるようにするためには、結晶製造中に随時DPMを変化させることが好ましい。そこで、比較例1と同条件で、最も好ましいと思われるパターンにDPMがなるようにルツボ位置制御装置16によりルツボ位置を制御してシリコン単結晶3を引き上げた。
比較例2と実施例2で製造されたシリコン単結晶の品質ロスの程度を図6に示す。比較例2では誤検出されたDPMを元に制御されているため品質ロスを生じているが、実施例2では誤検出なく正確にDPMを制御できているため品質ロスを生じていないことがわかる。
(実施例3)
新品の遮熱部材を使用する以外は実施例1と同じ条件で、シリコン単結晶3の引き上げを行い、DPMを測定した。
(比較例3)
新品の遮熱部材を使用する以外は比較例1と同じ条件で、シリコン単結晶3の引き上げを行い、DPMを測定した。
比較例3と実施例3のDPM測定を実施した際の誤検出頻度レベルを算出した。比較例3では遮熱体が新品の場合でも、2値化誤差の影響で誤検出があるが、実施例3では2値化誤差の影響による誤検出が1/100以下に抑制されており(比較例3:実施例3=108:1)、より正確にDPMを測定できることがわかった。尚、比較例3と実施例3のDPM測定値を図7に示す。図7に示されるように、実施例3ではDPM測定は安定したが、比較例3では安定しなかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ルツボ、 1a…石英ルツボ、 1b…黒鉛ルツボ、 2…原料融液、 3…シリコン単結晶、 4…遮熱部材、 4a…遮熱部材下端面、 4b…凹部、 5…基準反射体、 6…定点観測機、 7…種結晶、 8…基準位置検出器、 9…ワイヤ、 10…ルツボ軸、 11…実測機、 12…メインチャンバー、 13…引き上げチャンバー、 14…ヒータ−、 15…断熱材、 16…制御装置、 17…測定演算装置、 18…整流筒移動機構、 19…磁石、 20…シリコン単結晶の製造装置。

Claims (5)

  1. チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液に磁場を印加しながらシリコン単結晶を引き上げる際に、原料融液面上方に位置する遮熱部材に基準反射体を備え、遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を測定する方法であって、
    前記基準反射体を、前記遮熱部材下端面に設けられた凹部の内側に備え、
    前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測し、前記基準反射体の前記原料融液面に反射した鏡像の位置を定点観測機で観測した後、
    前記シリコン単結晶引き上げ中に、前記鏡像の移動距離を前記定点観測機で測定し、前記実測値と前記鏡像の移動距離から遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を算出する熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法であり、
    前記基準反射体下端部を、前記遮熱部材下端面よりも高い位置に配置し、
    前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測する際、前記原料融液の上方に配置されてある基準位置検出器で、前記シリコン単結晶を成長させるための種結晶の下端を検出して基準位置とし、その後、前記種結晶の下端を、前記基準反射体下端と前記原料融液面との間に下降させ、前記ルツボを上昇させて前記種結晶下端と前記原料融液面を接触させて、該接触位置から前記基準位置の距離と前記遮熱部材下端面から前記基準位置の距離によって前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離を実測することを特徴とする遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  2. 前記基準反射体として、高純度の白色石英、又は、高純度透明石英を白色化したものを使用することを特徴とする請求項1に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  3. 前記印加する磁場の中心磁場強度を、300G〜7000Gの水平磁場とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の測定方法により測定した遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離を、前記シリコン単結晶の引き上げ中にフィードバックし、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との間の距離が設定値となるように前記ルツボ又は前記遮熱部材を移動させることを特徴とする遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法。
  5. 請求項4に記載の遮熱部材下端面と原料融液面との間の距離の制御方法により、前記遮熱部材下端面と前記原料融液面との距離を制御し、シリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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