JPWO2016059788A1 - SiC単結晶の製造方法及びSiC単結晶の製造装置 - Google Patents

SiC単結晶の製造方法及びSiC単結晶の製造装置 Download PDF

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Abstract

結晶成長を長時間行う場合であっても、Si−C溶液の温度のばらつきを低減できる、SiC単結晶の製造方法を提供する。本実施形態によるSiC単結晶の製造方法は、Si−C溶液の原料が収納された坩堝(7)と、種結晶(9)が下端に取付けられたシードシャフト(41)と、シードシャフト(41)を通す貫通孔(60A)を中央に有し、坩堝(7)内に配置可能な中蓋(60)とを備える製造装置(100)を準備する準備工程と、坩堝(7)内の原料を加熱して、Si−C溶液(8)を生成する生成工程と、Si−C溶液(8)に種結晶(9)を接触させて、種結晶(9)上にSiC単結晶を製造する成長工程と、成長工程中において、中蓋(60)及び坩堝(7)のいずれか一方を他方に対して高さ方向に相対移動して、中蓋(60)とSi−C溶液(8)との間の高さ方向距離の変動幅を第1基準範囲内に調整する中蓋調整工程とを備える。

Description

本発明は、単結晶の製造方法及び製造装置に関し、さらに詳しくは、SiC単結晶の製造方法及びSiC単結晶の製造装置に関する。
炭化珪素(SiC)の単結晶の製造方法の一つに、溶液成長法がある。溶液成長法は、坩堝に収納されたSi−C溶液に、シードシャフトの下端に取付けられた種結晶を接触させ、種結晶上にSiC単結晶を成長させる。Si−C溶液とは、Si又はSi合金の融液にカーボン(C)が溶解した溶液をいう。
溶液成長法では、Si−C溶液のうち、接触させた種結晶の真下近傍領域(以下、単に近傍領域という)の温度を、シードシャフトによる抜熱等により、他の領域の温度よりも低くする。この場合、近傍領域のSiCが過飽和状態となり、SiC単結晶の成長が促される。このように、結晶成長時、近傍領域は過冷却状態になる。
しかしながら、Si−C溶液の近傍領域以外の領域(以下、周辺領域という)の温度がばらつくと、周辺領域において、自然核生成により、SiC多結晶が生成されやすくなる。生成されたSiC多結晶は、Si−C溶液の流動により、種結晶まで移動する。種結晶上に成長したSiC単結晶に、SiC多結晶が多数付着すれば、SiC単結晶の成長が阻害される。
周辺領域の温度のばらつきを抑制する技術が、特開2004−323247号公報(特許文献1)、特開2006−131433号公報(特許文献2)、及び、特開2013−1619号公報(特許文献3)に開示されている。
特許文献1に開示された製造方法では、黒鉛カバー又はグラファイトカバーからなる断熱性部材を溶液面の上方に配置し、Si−C溶液の液面からの放熱を抑制する。特許文献2に開示された製造方法でも、坩堝の上方の自由空間に断熱性部材を配置する。
特許文献3に開示された製造方法では、坩堝が中蓋を備える。中蓋は、坩堝内であって、Si−C溶液の液面の上方に配置され、坩堝の内面に固定される。中蓋は、シードシャフトを通す第1貫通孔を有する。特許文献3では、中蓋が、中蓋とSi−C溶液の液面との間の空間を保温する。そのため、周辺領域の温度にばらつきが生じるのを抑制できる、と記載されている。
特開2004−323247号公報 特開2006−131433号公報 特開2013−1619号公報
ところで、最近では、溶液成長法による長尺のSiC単結晶バルクの製造が試みられている。長尺のSiC単結晶バルクを製造する場合、結晶成長時間が長くなる。結晶成長時間が長ければ、SiC単結晶の成長とともに、Si−C溶液の液面が低下する。この場合、特許文献1〜3に記載されているような断熱性部材又は中蓋と、Si−C溶液の液面との間の距離が広がり、保温効果が低減する。そのため、結晶成長時間が長くなれば、周辺領域の温度のばらつきが発生しやすく、SiC多結晶が発生しやすい。さらに、近傍領域の温度も設定温度よりも低くなる場合がある。
本発明の目的は、結晶成長を長時間行う場合であっても、Si−C溶液の温度のばらつきを低減できる、SiC単結晶の製造方法及び製造装置を提供することである。
本実施形態によるSiC単結晶の製造方法は、Si−C溶液の原料が収納された坩堝と、種結晶が下端に取付けられたシードシャフトと、シードシャフトを通す貫通孔を中央に有し、坩堝内に配置可能な中蓋とを備える製造装置を準備する準備工程と、坩堝内の原料を加熱して、Si−C溶液を生成する生成工程と、Si−C溶液に種結晶を接触させて、種結晶上にSiC単結晶を製造する成長工程と、成長工程中において、中蓋及び坩堝のいずれか一方を他方に対して高さ方向に相対移動して、中蓋とSi−C溶液との間の高さ方向距離の変動幅を第1基準範囲内に調整する中蓋調整工程とを備える。
本実施形態によるSiC単結晶の製造方法では、結晶成長を長時間行う場合であっても、Si−C溶液の温度のばらつきを低減できる。
図1は、第1の実施の形態によるSiC単結晶の製造装置の全体構成図である。 図2は、SiC単結晶の成長工程中のSi−C溶液の液面低下を説明するための模式図である。 図3は、図2に続く工程を説明するための模式図である。 図4は、図3と異なる、図2に続く工程を説明するための模式図である。 図5は、第2の実施の形態によるSiC単結晶の製造装置の全体構成図である。 図6は、図5の製造装置を用いたSiC単結晶の製造工程を説明するための模式図である。 図7は、実施例中の比較例で用いた製造装置の全体構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本実施形態によるSiC単結晶の製造方法は、Si−C溶液の原料が収納された坩堝と、種結晶が下端に取付けられたシードシャフトと、シードシャフトを通す貫通孔を中央に有し、坩堝内に配置可能な中蓋とを備える製造装置を準備する準備工程と、坩堝内の原料を加熱して、Si−C溶液を生成する生成工程と、Si−C溶液に種結晶を接触させて、種結晶上にSiC単結晶を製造する成長工程と、成長工程中において、中蓋及び坩堝のいずれか一方を他方に対して高さ方向に相対移動して、中蓋とSi−C溶液との間の高さ方向距離の変動幅を第1基準範囲内に調整する中蓋調整工程とを備える。
本実施形態によるSiC単結晶の製造方法では、成長工程中に、中蓋及び坩堝のいずれか一方を他方に対して昇降して、中蓋とSi−C溶液との間隔を維持する。そのため、中蓋による保温効果が維持され、近傍領域及び周辺領域での温度ばらつきが低減される。その結果、SiC単結晶が成長しやすい。
中蓋調整工程ではたとえば、成長工程中のSi−C溶液の単位時間当たりの液面高さの変動量に基づいて、中蓋とSi−C溶液との間の高さ方向距離の変動幅を調整する。
この場合、中蓋とSi−C溶液との間の高さ方向距離の変動幅を調整しやすい。
好ましくは、製造装置はさらに、坩堝の周りに配置される高周波加熱コイルを備え、製造方法はさらに、成長工程中において、高周波加熱コイル及び坩堝のいずれか一方を他方に対して高さ方向に相対移動して、高周波加熱コイルとSi−C溶液との間の高さ方向の相対位置の変動幅を第2基準範囲内に調整するコイル調整工程を備える。
この場合、成長工程中において、コイルによるSi−C溶液への加熱能力のばらつきを抑制できる。そのため、Si−C溶液の温度をさらに均一に保持しやすい。
コイル調整工程ではたとえば、成長工程中のSi−C溶液の単位時間当たりの液面高さの変動量に基づいて、高周波加熱コイルとSi−C溶液との高さ方向の相対位置の変動幅を調整する。
この場合、高周波加熱コイルとSi−C溶液との高さ方向の相対位置の変動幅を調整しやすい。
本実施形態による製造装置は、溶液成長法によりSiC単結晶を製造する。製造装置は、チャンバと、基台と、シードシャフトと、中蓋とを備える。チャンバは、Si−C溶液を収容可能な坩堝を収納可能である。基台は、坩堝を配置可能である。シードシャフトは、種結晶を取付け可能な下端面を有する。中蓋は、中央にシードシャフトを通す貫通孔を有し、坩堝内であってSi−C溶液の液面の上方に配置可能である。基台及び中蓋のうちのいずれか一方は、他方に対して相対的に高さ方向に移動可能である。
本実施形態による製造装置では、中蓋及び基台のいずれか一方を他方に対して相対的に昇降できる。そのため、中蓋と、基台上に配置される坩堝内のSi−C溶液との間の高さ方向距離の変動幅を調整できる。
好ましくは、上述の製造装置はさらに、高周波加熱コイルを備える。坩堝は、高周波加熱コイル内に配置可能である。基台及び高周波加熱コイルのいずれか一方は、他方に対して相対的に高さ方向に移動可能である。
この場合、高周波加熱コイルと、基台上に配置された坩堝内のSi−C溶液との高さ方向の相対位置の変動幅を調整できる。
好ましくは、上述の製造装置は、中蓋昇降機構を備える。中蓋昇降機構は、シードシャフト及び坩堝と別個独立して中蓋を昇降する。
好ましくは、上述の製造装置は、坩堝昇降機構を備える。坩堝昇降機構は、坩堝が配置される基台を、中蓋と別個独立して昇降する。
好ましくは、製造装置は、高周波加熱コイルを昇降するコイル昇降機構を備える。
以下、本実施形態のSiC単結晶の製造方法及びそれに用いられる製造装置について詳述する。
[第1の実施の形態]
[SiC単結晶の製造装置100の全体構成]
図1は、第1の実施の形態のSiC単結晶の製造装置100の全体構成図である。図1に示すとおり、製造装置100は、チャンバ1と、断熱部材2と、高周波加熱コイル3と、シードシャフト駆動機構4と、坩堝駆動機構5と、中蓋駆動機構6とを備える。
チャンバ1は筐体であり、断熱部材2と、高周波加熱コイル3と、シードシャフト駆動機構4内のシードシャフト41とを収納する。チャンバ1はさらに、坩堝7を収納可能である。SiC単結晶が製造されるとき、チャンバ1は水冷される。
坩堝7は、筐体状の断熱部材2内に収納される。坩堝7は、上端が開口した筐体である。坩堝7は、Si−C溶液8を収納する。Si−C溶液8は、Si−C溶液の原料を加熱により溶融して生成される。原料は、Siのみであってもよいし、Siと他の金属元素とを含有してもよい。Si−C溶液の原料に含有される金属元素はたとえば、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、バナジウム(V)、鉄(Fe)等である。
坩堝7の素材はたとえば、黒鉛である。坩堝7の素材が黒鉛であれば、坩堝7自体がSi−C溶液8の炭素供給源となる。坩堝7の素材は、黒鉛以外であってもよい。たとえば、坩堝7は、セラミックスや高融点の金属で構成されてもよい。坩堝7が炭素供給源として利用できない場合、Si−C溶液8の原料は、Cを含有する。また、坩堝7が黒鉛以外の素材で構成される場合、坩堝7の内表面に黒鉛からなる被膜が形成されていてもよい。
高周波加熱コイル3は、坩堝7の周りに配置される。つまり、坩堝7は、高周波加熱コイル3内に配置される。高周波加熱コイル3は、シードシャフト41及びシャフト51と同軸に配置される。高周波加熱コイル3は、坩堝7を誘導加熱し、坩堝7に収納された原料を溶融してSi−C溶液8を生成する。高周波加熱コイル3はさらに、Si−C溶液8を結晶成長温度に維持する。
断熱部材2は、筐体状であり、側壁と、上蓋と、下蓋とを有する。断熱部材2の側壁は、高周波加熱コイル3と坩堝7との間に配置される。断熱部材2の側壁は、坩堝7の周りに配置される。断熱部材2の上蓋は、坩堝7よりも上方に配置される。上蓋は、シードシャフト41を通すための貫通孔21を有する。断熱部材2の下蓋は、坩堝7の下方に配置される。下蓋は、シャフト51を通すための貫通孔22を有する。断熱部材2は、坩堝7全体を覆う。断熱部材2は、周知の断熱材を備える。断熱材は、繊維系又は非繊維系の成形断熱材である。
[シードシャフト駆動機構4]
シードシャフト駆動機構4は、シードシャフト41と、駆動装置42とを備える。シードシャフト41は、坩堝駆動機構5内のシャフト51と同軸に配置される。シードシャフト41の下端は、チャンバ1内に配置され、シードシャフト41の上端は、チャンバ1の上方に配置される。つまり、シードシャフト41は、チャンバ1を貫通する。
シードシャフト41は、その中心軸周りに回転可能であり、さらに、昇降可能である。駆動装置42は、昇降装置42Aと、回転装置42Bと、架台42Cとを備える。架台42Cは、チャンバ1の上方に配置される。架台42Cは、シードシャフト41が通る孔を有する。架台42Cは、シードシャフト41と、回転装置42Bとを支持する。
回転装置42Bは、シードシャフト41を、その中心軸線周りに回転させる。これにより、シードシャフト41の下端面に取付けられる種結晶9が回転する。
昇降装置42Aは、シードシャフト41を昇降する。具体的には、昇降装置42Aは、架台42Cと連結されており、架台42Cを昇降する。これにより、昇降装置42Aは、架台42Cを介してシードシャフト41Aを昇降する。
シードシャフト41の下端面には、種結晶9が取り付け可能である。種結晶9は板状である。種結晶は、SiC単結晶からなることが好ましい。溶液成長法による製造時、種結晶9の表面(結晶成長面)にSiC単結晶が生成され、成長する。4H多形の結晶構造を有するSiC単結晶を製造する場合、好ましくは、種結晶9は4H多形の結晶構造のSiC単結晶である。さらに好ましくは、SiC単結晶からなる種結晶9の表面(結晶成長面)は、(0001)面又は(0001)面から8°以下の角度で傾斜した面である。この場合、SiC単結晶が安定して成長しやすい。
SiC単結晶を製造するとき、シードシャフト41を下降し、図1に示すとおり、種結晶9をSi−C溶液8に接触(浸漬)させる。このとき、Si−C溶液8は結晶成長温度に保たれる。結晶成長温度とは、SiC単結晶を成長させるときの温度であって、Si−C溶液の組成に依存する。一般的な結晶成長温度は1600〜2000℃である。
[坩堝駆動機構5]
坩堝駆動機構5は、基台50と、シャフト51と、駆動装置52とを備える。基台50は、筐体状の断熱部材2内に配置される。基台50上には坩堝7が配置される。
シャフト51は、基台50の下端に取り付けられ、シードシャフト41と同軸に配置される。シャフト51は、断熱部材2の下部及びチャンバ1の底部を通り、その下端はチャンバ1の下方に配置される。
駆動装置52は、昇降装置52Aと、回転装置52Bと、架台52Cとを備える。架台52Cは、チャンバ1の下方に配置される。架台52Cは、シャフト51が通る孔を有する。架台52Cは、シャフト51と、回転装置52Bとを支持する。回転装置52Cは、シャフト51を、その中心軸線周りに回転させる。昇降装置52Aは、架台52Cと連結されており、架台42Cを昇降する。これにより、昇降装置52Aは、架台52Cを介して基台50を昇降する。
[中蓋駆動機構6]
中蓋駆動機構6は、中蓋60と、支持機構61と、昇降装置62とを備える。中蓋60は円板状であり、中央にシードシャフト41を通す貫通孔60Aを有する。図1に示すとおり、中蓋60は、Si−C溶液8の液面上方に配置され、中蓋60とSi−C溶液8の液面80との間の空間を保温する。これにより、Si−C溶液8のうち、種結晶直下の近傍領域の温度が均一に維持されやすく、近傍領域以外の他の領域である周辺領域の温度が均一に維持されやすい。この効果を得るためには、中蓋60の下端面は平坦であるのが好ましい。この場合、中蓋60の下端面と液面80との間の高さ方向の距離H1は、場所によらず略一定になるため、近傍領域及び周辺領域の温度がより均一に維持されやすい。中蓋60の側面と坩堝7の内周面との間には、干渉を避けるため隙間が設けられる。この隙間は、小さい方が好ましい。隙間が小さければ、中蓋60と対向する近傍領域及び周辺領域の面積が大きい。そのため、近傍領域及び周辺領域の温度がより均一に維持されやすい。具体的には、隙間は5mm以下であるのが好ましい。より好ましくは、隙間は2mm以下であるのが好ましい。
支持機構61は、円筒又は棒状の連結部材61Aと、連結部材61Aの上端に固定される軸部材61Bと、架台61Cとを備える。連結部材61Aは、製造装置100の高さ方向に延びる。連結部材61Aの下端は中蓋60の上端に固定される。軸部材61Bは円筒状であり、内部にシードシャフト41を通す。軸部材61Bは、チャンバ1の上面を貫通し、その上端部はチャンバ1の上方に配置される。軸部材61Bの下端は、連結部材61Aの上端に固定される。架台61Cは、軸部材61B及び連結部材61Aを介して中蓋60を支持する。架台61Cは、軸部材61Bを通す貫通孔を有する。昇降装置62は、架台61Cとともに、中蓋60を昇降する。
[SiC単結晶の製造方法]
製造装置100は、中蓋60を、シードシャフト41及び坩堝7と別個独立して昇降できる。製造装置100はさらに、坩堝7が配置された基台50を、中蓋7と別個独立して昇降できる。したがって、中蓋60及び基台50に配置された坩堝7のいずれか一方を、他方に対して高さ方向に相対移動できる。そのため、結晶成長に伴ってSi−C溶液8の液面80が低下した場合であっても、中蓋60と液面80との高さ方向の距離H1(つまり、中蓋60と液面80との高さ方向の相対位置)の変動幅ΔH1を、基準値Ref1の範囲内に調整することができる。以下、SiC単結晶の製造方法について説明する。
SiC単結晶の製造方法は、準備工程と、生成工程と、成長工程と、中蓋調整工程とを備える。
[準備工程]
準備工程では、上述の製造装置100を準備する。そして、シードシャフト41の下端面に種結晶9を取付ける。さらに、Si−C溶液8の原料が収容された坩堝7を、チャンバ1内に収納し、基台50上に配置する。この時点では、中蓋60は、坩堝7内に配置されていてもよいし、坩堝7の上方に配置されていてもよい。
[生成工程]
次に、Si−C溶液8を生成する。初めに、チャンバ1内に不活性ガスを充填する。そして、高周波加熱コイル3により、坩堝7内のSi−C溶液8の原料を融点以上に加熱する。坩堝7が黒鉛からなる場合、坩堝7を加熱すると、坩堝7から炭素が融液に溶け込み、Si−C溶液8が生成される。坩堝7の炭素がSi−C溶液8に溶け込むと、Si−C溶液8内の炭素濃度は飽和濃度に近づく。
[成長工程]
次に、駆動装置42により、シードシャフト41を降下して、種結晶9をSi−C溶液8に接触させる。種結晶9をSi−C溶液8に接触させた後、シードシャフト41を若干上昇させ、種結晶9と液面80との間でメニスカスを形成する。
メニスカスが形成された後、高周波加熱コイル3により、Si−C溶液8を結晶成長温度に保持する。さらに、Si−C溶液8における種結晶9の近傍領域を過冷却して、近傍領域のSiCを過飽和状態にする。
種結晶9の近傍領域を過冷却する方法は、特に限定されない。例えば、高周波加熱コイル3を制御して、種結晶9の近傍領域の温度を他の領域の温度よりも低くする。また、近傍領域を冷媒により冷却してもよい。具体的には、シードシャフト41の内部に冷媒を循環させる。冷媒は、例えば、ヘリウム(He)やアルゴン(Ar)等の不活性ガスである。シードシャフト41内に冷媒を循環させれば、種結晶9が冷却される。種結晶9が冷却されれば、近傍領域も冷却される。
近傍領域のSiCを過飽和状態にしたまま、種結晶9とSi−C溶液8(坩堝7)とを回転する。回転装置42Bによりシードシャフト41を回転することにより、種結晶9が回転する。回転装置52Bにより、坩堝7が回転する。種結晶9の回転方向は、坩堝7の回転方向と逆方向でも良いし、同じ方向でも良い。また、種結晶9及び坩堝7の回転速度は一定であっても良いし、変動しても良い。このとき、Si−C溶液8に接触された種結晶9の下面(結晶成長面)にSiC単結晶が生成し、成長する。なお、シードシャフト41は、回転しなくても良い。
SiC単結晶の結晶成長を開始するまでに、昇降装置62により、中蓋60を降下する。そして、中蓋60と液面80との高さ方向距離をH1に設定する。中蓋60を所定位置に配置した後、結晶成長を開始する。
結晶成長の時間を長くすれば、種結晶9上に形成されるSiC単結晶の厚みを厚くすることができる。しかしながら、SiC単結晶の成長に伴い、Si−C溶液8の液面80は低下する。具体的には、結晶成長開始時における種結晶9と液面80との間の高さ方向距離をH1に設定した場合、図2に示すとおり、SiC単結晶90の成長に伴い、液面80が低下し、距離H1が距離H1+ΔH1に広がる。
変動幅ΔH1が基準値Ref1を超えて大きくなれば、種結晶9と溶液80の間の距離が過剰に大きくなる。この場合、中蓋60による保温効果が低減する。そのため、Si−C溶液8の周辺領域の温度が不均一になる。さらに、Si−C溶液8の近傍領域の温度も不均一になり、SiCの過飽和度が過剰に大きくなり、インクルージョンが形成され易くなる。その結果、SiC単結晶の質が低下する。そこで、第1の実施の形態では、成長工程中において、次に説明する中蓋調整工程を実施して、中蓋60による保温効果を高める。
[中蓋調整工程]
中蓋調整工程では、中蓋60及び坩堝7のいずれか一方を他方に対して高さ方向に相対移動して、変動幅ΔH1を基準値Ref1の範囲内に調整する。
具体的には、図3に示すとおり、坩堝7(基台50)の高さ位置は固定したまま、中蓋60を降下して、変動幅ΔH1を基準値Ref1の範囲内に調整する。上述のとおり、製造装置100は、中蓋駆動機構6により、中蓋60を坩堝7と別個独立して昇降できる。そのため、坩堝7の高さ位置を固定したまま、中蓋60を降下できる。
図3では、坩堝7の高さ位置を固定したまま、中蓋60を降下して変動幅ΔH1を調整する。しかしながら、中蓋60の高さ位置を固定したまま、坩堝7(基台50)を上昇して、変動幅ΔH1を基準値Ref1の範囲内に調整してもよい。
具体的には、図1及び図4に示すとおり、中蓋60の高さ位置は固定したまま、昇降装置52Aを駆動してシャフト51及び基台50を上昇する。これにより、坩堝7が上昇し、変動幅ΔH1を基準値Ref1の範囲内に調整できる。
以上のとおり、第1の実施の形態によるSiC単結晶の製造方法では、成長工程中において、中蓋60及び坩堝7のいずれか一方を他方に対して高さ方向に相対移動し、変動幅ΔH1を基準値Ref1内にする。これにより、結晶成長時間が、例えば、30時間以上、40時間以上、50時間以上といった長時間になっても、中蓋60の保温効果を維持できる。そのため、Si−C溶液8の近傍領域及び周辺領域の温度のばらつきを抑制でき、SiC多結晶及びインクルージョンの発生を抑制できる。その結果、質の高いSiC単結晶を製造できる。
成長工程におけるSi−C溶液8の液面80の変動量は、種々の方法で特定することができる。たとえば、成長工程において、結晶成長開始時からの経過時間に応じた液面80の高さ位置を成長工程前に予め求める(サンプル工程)。
具体的には、上述のSiC単結晶90と同じ原料を坩堝7に収納し、生成工程でサンプルSi−C溶液8を生成する。その後、坩堝7をそのまま冷却する。冷却後、坩堝7をチャンバ1から取り出し、坩堝7におけるサンプルSi−C溶液8の液面80(常温のため凝固)の高さを測定する。さらに、上記同じ原料を収納した別の坩堝7を準備し、上述のSiC単結晶90の成長条件(結晶成長速度及び結晶成長時間等)でサンプルSiC単結晶を成長させる。成長終了後、冷却された坩堝7内の液面80の高さを求める。結晶成長時間、成長工程開始時の液面80及び成長工程完了時の液面80の高さに基づいて、結晶成長中の単位時間あたりの液面80の変動量を求める。
サンプルSiC単結晶の成長開始時の液面80の位置を求める方法は、上記方法に限定されない。例えば、次のような方法がある。先ず、上述のサンプルSiC単結晶を成長させる。続いて、サンプルSi−C溶液8を凝固させる。そして、坩堝7の内周面に現れるサンプルSi−C溶液8の痕跡を参照して、成長開始時の液面80の位置を特定する。
このようにして求められた、単位時間当たりの液面80の変動量に基づいて、中蓋60及び坩堝7のいずれか一方の他方に対する相対移動量を決定する。決定された相対移動量に基づいて、成長工程中における液面80と中蓋60との間の距離の変動幅ΔH1を基準値Ref1の範囲内に調整する。
液面80の位置を求める方法は、上述の方法に限定されない。例えば、液面80の位置をシミュレーションにより求めてもよい。
経過時間に応じた液面80の高さ位置を求めるために、単位時間当たりのサンプルSi−C溶液の液面80の高さ位置の変動量を求めなくてもよい。たとえば、サンプルSiC単結晶の成長開始時及びある経過時間におけるサンプルSi−C溶液8の液面80の位置を測定し、その結果に基づいて、経過時間に応じた液面80の高さを決定してもよい。
実際のSiC単結晶90の成長工程において、液面80の位置を測定してもよい。液面80の位置を測定する方法として、たとえば、非接触で光学的に検出する方法や、液面80に図示しない治具を接触させて、電気的に検出する方法等がある。非接触で光学的に検出する方法は、例えば、三角測量の原理に基づく。液面80を直接の反射体とし、液面80の位置を求める。電気的に検出する方法は、例えば、チャンバ1とは電気的に絶縁された導電性材料からなる治具(例えば、黒鉛製の棒)を降下して、液面80に接触させる。このとき、治具に電圧を印加しておけば、治具が液面80と接触したときに通電する。たとえば、治具が一対ある場合には、一対の治具の間で通電する。又は、一つの治具とシードシャフト41との間で通電させてもよい。通電が発生したときの治具の位置に基づいて、液面80の位置を検出する。液面80の位置を検出したら、治具を上昇させて、液面80から離す。所定時間経過したら、治具を再び降下させて、液面80の位置を検出する。このときに用いる治具は、先の検出に用いた治具とは異なる治具であることが好ましい。先の検出に用いた治具では、治具に凝固したSi−C溶液8が付着している可能性があるためである。
上述のようにして、成長工程中の液面80の位置を特定することができる。そのため、特定された液面80の位置に基づいて、中蓋60及び坩堝7のいずれか一方を他方に対して相対移動して、変動幅ΔH1を基準値Ref1内に調整できる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、Si−C溶液8の近傍領域及び周辺領域の温度ばらつきを抑制するため、中蓋60及び液面80の間の距離の変動幅ΔH1を基準値Ref1内に調整する。
ところで、液面80が低下すれば、液面80と高周波コイル3との位置関係(高さ方向の相対位置関係)がずれる。この場合、高周波コイル3によるSi−C溶液8の加熱条件が変化しやすい。そのため、液面80と高周波コイル3との位置関係は、結晶成長開始時の位置関係を維持できる方が好ましい。
図5は、第2の実施の形態によるSiC単結晶の製造装置200の全体構成図である。図5を参照して、製造装置200は、製造装置100と比較して、高周波加熱コイル3の昇降機構30を備える。製造装置200のその他の構成は、製造装置100と同じである。昇降機構30は、高周波加熱コイル3を昇降する。昇降機構30は、支持部材31と、昇降装置32とを備える。支持部材31は、連結部材31Aと、架台31Bとを備える。本例では、連結部材31Aは一対の棒であり、その上端が高周波加熱コイル3の下端に固定される。連結部材31Aの下端は、架台31Bに固定される。架台31Bは、チャンバ1の下方に配置され、昇降装置32と連結される。昇降装置32は、支持部材31を介して、高周波加熱コイル3を昇降する。
高周波加熱コイル3は、高さ方向で加熱能力が異なる場合がある。一般的に、高周波加熱コイル3の高さ方向の中央HMで最も加熱能力が高い。したがって、成長工程中において、高周波加熱コイル3と液面80との高さ方向の相対位置関係は、なるべく維持できる方が好ましい。
図5に示すとおり、成長工程開始時において、液面80の高さが高周波加熱コイル3の高さ中央HMと一致すると仮定する。この場合、中央HMと液面80との高さ方向の距離H2は0である。
第2の実施の形態では、成長工程において、高周波加熱コイル3を昇降することにより、中央HMと液面80との高さ方向の距離H2の変動幅ΔH2を、基準値Ref2以内に調整する(コイル調整工程)。変動幅ΔH2は、高周波加熱コイル3とSi−C溶液8との高さ方向の相対位置の変動幅に相当する。この場合、高周波加熱コイル3と液面80との相対位置の変動幅を基準値Ref2の範囲内に納めることができる。そのため、結晶成長時間が経過しても、高周波加熱コイル3によるSi−C溶液8への加熱能力が変動しにくく、Si−C溶液8の温度の変動を抑制しやすい。
具体的には、図6に示すとおり、結晶成長時間の経過とともに、液面80が図中の破線位置から実線位置に低下すると仮定する。この場合、昇降装置32により、高周波加熱コイル3を、結晶成長時間の経過とともに下降して、変動幅ΔH2が基準値Ref2内に収まるように調整する。
なお、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、成長工程中において、中蓋60及び坩堝7のいずれか一方を他方に対して相対的に移動して、変動幅ΔH1が基準値Ref1内に収まるように調整する。
上述の実施の形態において、基準値Ref1及びRef2は、過去のSiC単結晶の製造実績等に基づいて適宜設定される。
上述の実施の形態において、中蓋昇降機構6は、上述の構成に限定されない。中蓋昇降機構6は、中蓋60を昇降できれば、その構成は特に限定されない。同様に、坩堝昇降機構6は、坩堝7を昇降できれば、その構成は特に限定されない。同様に、高周波加熱コイル昇降機構30は、高周波加熱コイル30を昇降できれば、その構成は特に限定されない。
上述の実施の形態では、SiC単結晶の製造装置は、中蓋を昇降でき、かつ、坩堝(基台)も昇降できる。しかしながら、製造装置は、中蓋及び坩堝(基台)の一方のみを昇降できてもよい。たとえば、製造装置が、中蓋を昇降でき、坩堝は昇降できなくてもよい。この場合、坩堝の高さ位置は固定されるので、中蓋を昇降することにより、変動幅ΔH1を調整する。一方、製造装置が、坩堝を昇降でき、中蓋を昇降できなくてもよい。この場合、中蓋の高さ位置は固定されるため、坩堝を昇降することにより、変動幅ΔH1を調整する。
表1に示す本発明例1〜3、比較例1及び2の製造条件で、SiC単結晶を製造し、製造されたSiC単結晶の質を評価した。
Figure 2016059788
[本発明例1]
Si−C溶液の原料の組成は、原子比で、Si:Cr=0.6:0.4であった。Si−C溶液における種結晶近傍の温度(結晶成長温度)は、1900℃であった。種結晶近傍領域の温度勾配は、15℃/cmであった。使用した種結晶は、4H多形のSiC単結晶であり、下面(結晶成長面)は、(000−1)面であった。結晶成長開始時のメニスカス高さは0.5mmであった。
製造装置は、図1と同じ構成の製造装置100を使用した。本発明例1では、成長工程中の中蓋60の高さ位置を固定し、液面80の低下に応じて坩堝7を上昇することにより、変動幅ΔH1を基準値Ref1=0.5mm以下に抑えるように調整した。
具体的には、結晶成長を開始してから5時間経過した後、シードシャフト41を上昇した。成長工程中におけるシードシャフト41の上昇速度は、0.158mm/hrであった。坩堝7の上昇速度は、0.133mm/hrであった。結晶成長時間は60時間であった。
結晶成長開始から終了までの液面低下量は6.9mmであり、坩堝の上昇量は7.3mmであった。シードシャフト41の上昇量は8.7mmであった。その結果、変動幅ΔH1は0.4mmであった。なお、製造されたSiC単結晶の厚みは8.8mmであった。
[本発明例2]
本発明例2では、本発明例1と同じ製造装置及び種結晶を用い、本発明例1と同じ結晶成長温度、温度勾配で結晶成長を行った。Si−C溶液の原料の組成は、原子比で、Si:Ti=0.77:0.23であった。さらに、成長工程中の中蓋60の高さ位置を固定し、液面80の低下に応じて坩堝7を上昇して、変動幅ΔH1を基準値Ref1=0.5mm以下に抑えるように調整した。
具体的には、結晶成長を開始してから5時間経過した後、シードシャフト41を上昇した。成長工程中におけるシードシャフトの上昇速度は、0.115mm/hrであった。坩堝の上昇速度は、0.09mm/hrであった。結晶成長時間は60時間であった。
結晶成長開始から終了までの液面低下量は4.9mmであり、坩堝7の上昇量は5.0mmであった。シードシャフト41の上昇量は6.3mmであった。その結果、変動幅ΔH1は0.1mmであった。なお、製造されたSiC単結晶の厚みは6.5mmであった。
[本発明例3]
本発明例3では、本発明例1と同じ製造装置、種結晶、及びSi−C溶液の原料を用い、本発明例1と同じ結晶成長温度、温度勾配で結晶成長を行った。本発明例1及び2と異なり、成長工程中の坩堝7の高さ位置を固定して、液面80の低下に応じて中蓋60を下降して、変動幅ΔH1を基準値Ref1=0.5mm以下に抑えるように調整した。
具体的には、結晶成長を開始してから5時間経過した後、シードシャフト41を上昇した。成長工程中におけるシードシャフト41の上昇速度は、0.007mm/hrであった。中蓋60の下降速度は、0.127mm/hrであった。結晶成長時間は60時間であった。
結晶成長開始から終了までの液面低下量は6.9mmであり、シードシャフト41の上昇量は0.4mmであった。中蓋60の下降量は7.0mmであった。その結果、変動幅ΔH1は0.1mmであった。なお、製造されたSiC単結晶の厚みは7.3mmであった。
[比較例1]
比較例1では、図7に示す製造装置300を使用した。製造装置300は、製造装置100と比較して、中蓋駆動機構6を備えなかった。さらに、坩堝7に変えて、坩堝70を使用した。坩堝70は、坩堝7と比較して、内周面に固定された中蓋71を備えた。坩堝70のその他の構成は、坩堝7と同じとした。比較例1では、種結晶、Si−C溶液の原料、結晶成長温度、及び温度勾配は、本発明例1と同じであった。
坩堝及びシードシャフトを上昇しながら、SiC単結晶を製造した。結晶成長開始時のメニスカスは0.5mmであった。結晶成長時間は60時間であった。
結晶成長を開始してから5時間経過した後、シードシャフト41を上昇した。成長工程中におけるシードシャフト41の上昇速度は、0.11mm/hrであった。坩堝70の上昇速度は、0.136mm/hrであった。結晶成長時間は60時間であった。
結晶成長開始から終了までの液面低下量は7.5mmであり、坩堝7の上昇量も7.5mmであった。シードシャフト41の上昇量は6.0mmであった。なお、中蓋71は坩堝70とともに上昇するため、上昇量は7.5mmであった。
[比較例2]
比較例2では、比較例1と同様に、図7に示す製造装置300を使用した。比較例1と同様に、坩堝及びシードシャフトを上昇しながら、SiC単結晶を製造した。比較例2では、種結晶、Si−C溶液の原料、及び温度勾配は、本発明例1と同じであった。結晶成長温度は1950℃であった。結晶成長開始時のメニスカスは0.5mmであった。結晶成長時間は65時間であった。
結晶成長を開始してから5時間経過した後、シードシャフト41を上昇した。成長工程中におけるシードシャフト41の上昇速度は、0.152mm/hrであった。坩堝の上昇速度は、0.149mm/hrであった。結晶成長時間は65時間であった。
結晶成長開始から終了までの液面低下量は9.9mmであり、坩堝の上昇量も9.9mmであった。シードシャフト41の上昇量は9.7mmであった。なお、中蓋71は坩堝70とともに上昇するため、上昇量は9.7mmであった。
[評価方法]
上述の製造方法により製造された本発明例1〜3及び比較例1及び2において、上述の結晶成長時間が終了した後、シードシャフト41を上昇して、成長したSiC単結晶をSi−C溶液から切り離した。その後、チャンバ内を室温まで徐冷した。
徐冷後、SiC単結晶の下面(結晶成長面)を光学顕微鏡で観察した。結晶成長面が平坦である場合、成長工程中のSi−C溶液の近傍領域及び周辺領域の温度のばらつきが小さいことを示す。この場合、単結晶が成長しやすいため、良好と判断した。結晶成長面の縁が中央部よりもせり上がっている場合(つまり、結晶成長面の端部が優先的に成長している場合)、成長工程中のSi−C溶液の近傍領域及び周辺領域の温度のばらつきが大きいことを示す。この場合、単結晶が成長しにくいため、不良と判断した。
表1に結果を示す。表1中の評価欄のうち、「G(Good)」は、結晶成長面が平坦であったことを示す。「NA(Not Acceptable)」は、結晶成長面の端部が中央部よりもせり上がっていることを示す。
表1を参照して、本発明例1〜3では、結晶成長面が平坦であり、良好であった。中蓋と液面との間の距離の変動が基準値Ref1以内であったためと考えられる。一方、比較例1及び2では、結晶成長面の端部が中央部よりもせり上がっていた。結晶成長時間に伴って、中蓋と液面との間の距離が広がりすぎ、Si−C溶液8に温度ばらつきが生じたためと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (9)

  1. 溶液成長法によりSiC単結晶を製造する製造方法であって、
    Si−C溶液の原料が収納された坩堝と、種結晶が下端に取付けられたシードシャフトと、前記シードシャフトを通す貫通孔を中央に有し、前記坩堝内に配置可能な中蓋とを備える製造装置を準備する準備工程と、
    前記坩堝内の前記原料を加熱して、前記Si−C溶液を生成する生成工程と、
    前記Si−C溶液に前記種結晶を接触させて、前記種結晶上に前記SiC単結晶を製造する成長工程と、
    前記成長工程中において、前記中蓋及び前記坩堝のいずれか一方を他方に対して高さ方向に相対移動して、前記中蓋と前記Si−C溶液との間の高さ方向距離の変動幅を第1基準範囲内に調整する中蓋調整工程とを備える、SiC単結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法であって、
    前記中蓋調整工程では、前記成長工程中の前記Si−C溶液の単位時間当たりの液面高さの変動量に基づいて、前記中蓋と前記Si−C溶液との間の高さ方向距離の前記変動幅を調整する、製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の製造方法であって、
    前記製造装置はさらに、前記坩堝の周りに配置される高周波加熱コイルを備え、
    前記製造方法はさらに、
    前記成長工程中において、前記高周波加熱コイル及び前記坩堝のいずれか一方を他方に対して高さ方向に相対移動して、前記高周波加熱コイルと前記Si−C溶液との高さ方向の相対位置の変動幅を第2基準範囲内に調整するコイル調整工程を備える、製造方法。
  4. 請求項3に記載の製造方法であって、
    前記コイル調整工程では、前記成長工程中の前記Si−C溶液の単位時間当たりの液面高さの変動量に基づいて、前記高周波加熱コイルと前記Si−C溶液との高さ方向の相対位置の変動幅を調整する、製造方法。
  5. 溶液成長法によりSiC単結晶を製造する製造装置であって、
    Si−C溶液を収容可能な坩堝を収納可能なチャンバと、
    前記坩堝を配置可能な基台と、
    種結晶を取付け可能な下端面を有するシードシャフトと、
    中央に前記シードシャフトを通す貫通孔を有し、前記坩堝内であって前記Si−C溶液の液面の上方に配置可能な中蓋とを備え、
    前記基台及び前記中蓋のうちのいずれか一方は、他方に対して相対的に高さ方向に移動可能である、SiC単結晶の製造装置。
  6. 請求項5に記載の製造装置であってさらに、
    筒状の高周波加熱コイルを備え、
    前記坩堝は、高周波加熱コイル内に配置可能であり、
    前記基台及び前記高周波加熱コイルのいずれか一方は、他方に対して相対的に高さ方向に移動可能である、製造装置。
  7. 請求項5又は6に記載の製造装置であって、
    前記シードシャフト及び前記基台と別個独立して前記中蓋を昇降する中蓋昇降機構を備える、製造装置。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の製造装置であって、
    上端に前記坩堝を配置可能であり、前記中蓋と別個独立して前記基台を昇降する坩堝昇降機構を備える、製造装置。
  9. 請求項6に記載の製造装置であって、
    前記高周波加熱コイルを昇降するコイル昇降機構を備える、製造装置。
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