JP5181178B2 - 半導体単結晶製造装置における位置計測装置および位置計測方法 - Google Patents

半導体単結晶製造装置における位置計測装置および位置計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体単結晶製造装置における位置計測装置および位置計測方法に関し、特に熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測し、計測値が所望する値になるように制御しつつ半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測装置および位置計測方法に関する。
シリコン単結晶はCZ(チョクラルスキー法)によって引上げ成長されることによって製造される。
図1は、シリコン単結晶製造装置1の構成例を示す。
CZ炉2内には、多結晶シリコンの原料を溶融して融液5として収容する石英るつぼ3が設けられている。
石英るつぼ3内では、多結晶シリコン(Si)が加熱され溶融される。融液5の温度が安定化すると、引上げ機構4が動作し融液5からシリコン単結晶10が引き上げられる。
引上げの際、石英るつぼ3は回転軸15によって回転する。回転軸15は鉛直方向に駆動することができ、石英るつぼ3を上下動させ任意のるつぼ位置に移動させることができ、融液5の表面5a、つまり融液5の液面レベルHを調整することができるようになっている。
また、融液5の上方にあって、シリコン単結晶10の周囲には、熱遮蔽体8(熱輻射板、ガス整流筒)が設けられている。熱遮蔽体8の下端部にはリム8aが備えられている。
熱遮蔽体8は、CZ炉2内に上方より供給されるキャリアガスとしてのアルゴンガス7を、融液表面5aの中央に導き、さらに融液表面5aを通過させて融液表面5aの周縁部に導く。そして、アルゴンガス7は、融液5から蒸発したガスとともに、CZ炉2の下部に設けた排気口から排出される。このため液面上のガス流速を安定化することができ、融液5から蒸発する酸素を安定な状態に保つことができる。
また熱遮蔽体8は、種結晶14および種結晶14により成長されるシリコン単結晶10を、石英るつぼ3、融液5、ヒータ9などの高温部で発生する輻射熱から、断熱、遮蔽する。また熱遮蔽体8は、シリコン単結晶10に、炉内で発生した不純物(たとえばシリコン酸化物)等が付着して、単結晶育成を阻害することを防止する。
熱遮蔽体8の下端部のリム8aと融液表面5aとの距離L(以下、「熱遮蔽体・液面間距離」という)の大きさは、回転軸15を上昇下降させ、石英るつぼ3の上下方向位置を変化させることで調整することができる。また熱遮蔽体8を昇降装置により上下方向に移動させて距離Lを調整することもできる。
シリコン単結晶10の品質は、引き上げ中の融液液面レベルHあるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの大きさによって変動することが従来から知られている。すなわち、引き上げ中の融液液面レベルHあるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの大きさが変化すると、それによってシリコン単結晶10の軸方向の温度勾配等のパラメータが変動し、それによってシリコン単結晶10の欠陥領域の分布、酸素濃度分布等が変化し、結晶の品質が変化する。
よって、要求されるスペックの結晶品質を得るために、その要求スペックに従って引上げ条件、つまり各引上げ位置毎に融液液面レベルHの目標値あるいは各引上げ位置毎に熱遮蔽体・液面間距離Lの目標値が予め定められる。そして、引き上げ成長中は、逐次、融液液面レベルHの実際の値あるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値を検出し、これら検出値をフィードバックして、目標値と検出値との偏差が零になるように、回転軸15の上下方向位置を調整する等の制御が行なわれる。
したがって、要求スペックの結晶品質を安定して得るためには、制御の結果、融液液面レベルHあるいは熱遮蔽体・液面間距離Lが目標値に精度よく一致することが必要であり、そのためには、制御中に検出されるフィードバック量としての融液液面レベルHの実際の値あるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値が、常に精度よく計測されていることが前提となる。
図2は、引上げ位置毎に融液液面レベルHあるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値を計測する距離計測装置の構成例を示している。
図2の距離計測装置100は、レーザ光101を出射する光出射手段110と、光出射手段110から出射されたレーザ光101を、石英るつぼ3の径方向に沿って走査する光走査手段120と、光出射手段110から出射され、光走査手段120によって走査されたレーザ光101の反射光を受光する受光手段130と、引上げ時の固定走査位置と、光出射手段110のレーザ光出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、熱遮蔽体・液面間距離Lまたは/および融液液面レベルHを計測する引き上げ時距離計測手段141とを含んで構成されている。
光走査手段120は、光出射手段110から出射されたレーザ光101を反射するミラー121と、このミラー121の光反射面121aの姿勢角を変化させるステッピングモータ122とを含んで構成されている。
ここで、ステッッピングモータ122の回転軸122aの回転角度θと、レーザ光101のるつぼ3の径方向の走査位置は、1対1に対応している。よって、本明細書では、レーザ光101のるつぼ径方向の走査位置をθで表すものとする。
特許文献1には、下記のようにして、融液液面レベルHの実際の値あるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値を計測する方法が開示されている。
すなわち、まず、ステッピングモータ122を駆動して光走査位置θを引き上げ時の位置θ1に位置決めする。つぎに、光出射手段110からレーザ光101を出射して、融液液面5aに照射し、融液液面5aで反射したレーザ光を受光手段130で受光する。つぎに、この引上げ時の固定走査位置θ1と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から融液5の液面5aまでの距離LSを求め、融液液面レベルHを計測する。
つぎに、ステッピングモータ122を駆動して光走査位置θを引き上げ時の位置θ2に位置決めする。つぎに、光出射手段110からレーザ光101を出射して、熱遮蔽体8のリム8aの上面8bに照射し、このリム上面8bで反射したレーザ光を受光手段130で受光する。つぎに、この引上げ時の固定走査位置θ2と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sを計測する。こうして求められた融液5の液面5aまでの距離LSと熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sと熱遮蔽体8のリム8aの厚さtから、熱遮蔽体・液面間距離Lを算出する。
また、特許文献2には、下記のようにして、融液液面レベルHの実際の値あるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値を計測する方法が開示されている。
すなわち、図3に示すように、まず、ステッピングモータ122を駆動して光走査位置θを引き上げ時の位置θ3に位置決めする。つぎに、光出射手段110からレーザ光101を出射して、融液液面5aに照射し、融液液面5aで反射したレーザ光を熱遮蔽体8のリム8aの下面8cに照射し、このリム下面8cで反射したレーザ光を再度融液液面5aに照射し、融液液面5aで反射したレーザ光を受光手段130で受光する。つぎに、この引上げ時の固定走査位置θ3と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から融液5の液面5aまでの距離LSを求め、融液液面レベルHを計測する。
つぎに、ステッピングモータ122を駆動して光走査位置θを引き上げ時の位置θ4に位置決めする。つぎに、光出射手段110からレーザ光101を出射して、熱遮蔽体8のリム8aの上面8bに照射し、このリム上面8bで反射したレーザ光を受光手段130で受光する。つぎに、引上げ時の固定走査位置θ4と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sを計測する。こうして求められた融液5の液面5aまでの距離LSと熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sと熱遮蔽体8のリム8aの厚さtから、熱遮蔽体・液面間距離Lを算出する。
上記引上げ時の光走査位置θ1、θ2、θ3、θ4は、基準となる光走査位置θcから定められる。基準となる光走査位置θcは、熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eである。
熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eの光走査位置θcを計測する位置計測アルゴリズムは、特許文献2に開示されている。その位置計測原理を図4を用いて説明する。この位置計測アルゴリズムは、たとえば各バッチの間、CZ炉2の分解、清掃時、引き上げプロセスの途中などで行われる。
すなわち、まず、光走査手段120によってレーザ光101をるつぼ3の径方向に走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離を、所定の間隔Δθ1毎に、逐次計測する。
つぎに、計測された距離が、基準点と融液5との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体8のリム8aとの距離に該当する大きさへ変化したことを判断する。
この結果、計測距離の変化が判断された場合に、その変化が判断された時点の光走査位置θcでレーザ光101が熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eで反射されたと判定する。
このようにして、レーザ光101が熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eで反射されたと判定されたときの光走査位置θcを基準にして、引き上げ時におけるレーザ光101が走査する方向の位置θ1、θ2、θ3、θ4が定められる。
特開2000−264779号公報 WO01/083859
しかし、上述した従来の位置計測アルゴリズムによっては、熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eの位置θcを正確に求めることができず、計測位置がばらつくという問題がある。この点を図5(a)、(b)を用いて説明する。
本発明者による検討の結果、熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eの位置θcを正確に求めることができず、計測位置がばらつく原因は、つぎの2つであると推測される。
すなわち、1つの原因は、レーザ光101をるつぼ径方向に走査するとき、レーザ光の照射点が融液表面5aから熱遮蔽体8に移り変わるときに、受光手段130の検出出力にノイズが発生して、移り変わりの判別、つまりレーザ光101の照射点がエッジ8eに到来したことの判別が困難であるということである。ノイズとは、メルト正反射光以外の散乱光によるゴースト(迷光)のことである。
もう一つの原因は、位置計測アルゴリズムは、位置計測作業を高効率で行うために、ステッピングモータ122を高速で駆動させて光走査を高速で行うとともに、距離計測を比較的長い周期Δθ1の間隔で行うようにしていることにある(図5(a))。このため、エッジ位置であると判断された時点で、既にレーザ光101の照射点は、エッジ8eから外れてリム8aの上面8bの奥に移動していることが多い。このためエッジ位置をリム8aの上面8bの位置θbと誤って計測してしまうことが多い。このためエッジ位置は、図5(b)に示すように、エッジ8eから行き過ぎた範囲Δθでばらつくことになる。
このようにして計測されたエッジ位置θcがΔθの範囲でばらつくと、エッジ位置θcを基準として定められる計測時の固定走査位置θ1、θ2、θ3、θ4もばらつくことになる。
ここで、熱遮蔽体8のリム8aの上面8bは決して平坦ではなく、場所毎に凹凸が異なり高さが異なる。
このためバッチ毎に、エッジ計測位置がばらつくと、基準点から熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sがばらつくことになる。
図6(a)は、バッチ毎に計測値Sがばらつくことを示す実験データである。実験では、バッチ毎に、エッジ位置を計測し、バッチ毎に、エッジ位置を基準とする光走査位置θ2、θ4を書き換えて、この書き換えられた光走査位置θ2、θ4に固定してレーザ光101を出射して、バッチ毎にS値を計測した。ヒストグラムの横軸は、S計測値の平均値からの偏差であり、平均値を0としている。縦軸は、頻度である。同図6(a)に示すように、従来にあっては、平均値の±3mmの範囲で距離S値がばらついていることがある。
このようにS計測値がばらつくと、それに伴い熱遮蔽体・液面間距離Lの計測値がばらつき、それに伴い熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の位置をフィードバックして行われるシリコン単結晶引き上げ成長時の制御を安定して行なうことが難しくなり、引き上げ成長されるシリコン単結晶10の品質がばらつき、安定したスペックの製品を提供できなくおそれがある。
また、エッジ位置θcが正確に求められないと、このエッジ位置θcを基準にしてレーザ光101の照射方向を定めて正確に熱遮蔽体8のリム8aの上面8bの狙いとする位置にレーザ光101を当てることが難しくなるし、レーザ光101を融液表面5aの狙いとする位置に当てることが難しくなる。これにより上記図2に示す距離計測そのものを行うことが困難となったり、図3に示す距離計測そのものを行うことが困難となったりする。特に、熱遮蔽体8とシリコン単結晶10との距離Dが狭い場合あるいは熱遮蔽体8のリム8aの上面8bのるつぼ径方向の長さが短い場合には、なおさら困難となる。
このように熱遮蔽体8のエッジ位置θcを精度よくばらつきなく計測することが要請されている。しかも、位置計測を行っている間は制御を行なうことができないことから作業効率を高めるためにも、位置計測処理を短時間で済ませることが要求される。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、熱遮蔽体8のエッジ位置θcの位置計測処理を短時間で高作業効率にて行いつつも、エッジ位置θcを精度よくばらつきなく計測できるようにすることを解決課題とするものである。
第1発明は、
炉内のるつぼに収容された融液から半導体単結晶を引上げ成長させて半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測装置であって、
融液の上方にあって、半導体単結晶の周囲に設けられ、下端部にリムが備えられた熱遮蔽体と、
光を出射する光出射手段と、
光出射手段から出射された光を、るつぼの径方向に沿って走査する光走査手段と、
光出射手段から出射され、光走査手段によって走査された光の反射光を受光する受光手段と、
光を走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離を、所定の第1の走査間隔毎に、逐次計測する第1の距離計測手段と、
第1の距離計測手段によって計測された距離が、基準点と融液との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさへ変化したこと、あるいは、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさから、基準点と融液との距離に該当する大きさへ変化したことを判断する第1の判断手段と、
第1の判断手段によって計測距離の変化が判断された場合に、光走査位置を走査方向とは逆方向に所定量戻し、戻された光走査位置から光を再度走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離を、前記第1の走査間隔よりも短い第2の走査間隔毎に、逐次計測する第2の距離計測手段と、
第2の距離計測手段によって計測された距離が、基準点と融液との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさへ変化したこと、あるいは、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさから、基準点と融液との距離に該当する大きさへ変化したことを判断する第2の判断手段と、
第2の判断手段によって計測距離の変化が判断された場合に、その変化が判断された時点の光走査位置で光が熱遮蔽体のリムのエッジで反射されたと判定するエッジ位置判定手段と
が備えられていること
を特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
半導体単結晶引上げ時に、熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測し、計測値が所望する値になるように制御しつつ半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測装置であって、
半導体単結晶引上げ時に、光が走査する方向の位置を引き上げ時の位置に固定して、この引き上げ時の固定走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測する引上げ時距離計測手段、
が備えられ、
引上げ時の固定走査位置は、エッジ位置判定手段で、光が熱遮蔽体のリムのエッジで反射されたと判定されたときの光走査位置を基準にして定められること
を特徴とする。
第3発明は、第2発明において、
光が融液の液面、熱遮蔽体のリムの側面それぞれで反射する経路を辿るように引上げ時の固定走査位置が定められること
を特徴とする。
第4発明は、第1発明において、
光走査手段は、光出射手段から出射された光を反射するミラーと、当該ミラーの光反射面の姿勢角を変化させるアクチュエータとを含んで構成され、
アクチュエータを駆動させてミラーの光反射面の姿勢角を変化させることにより光を走査するものであること
を特徴とする。
第5発明は、第1発明または第4発明において、
光走査手段は、ステッピングモータをアクチュエータとして光を走査するものであって、
第2の距離計測手段は、ステッピングモータが1ステップ回動される毎に、基準点と反射点との距離を計測すること
を特徴とする。
第6発明は、
炉内のるつぼに収容された融液から半導体単結晶を引上げ成長させて半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測方法であって、
光をるつぼの径方向に沿って走査しながら、逐次の光走査位置と、光の出射位置と、光の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と光の反射点との距離を、所定の第1の走査間隔毎に、逐次計測する第1の距離計測ステップと、
第1の距離計測工程において計測された距離が、基準点と融液との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさへ変化したこと、あるいは、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさから、基準点と融液との距離に該当する大きさへ変化したことを判断する第1の判断ステップと、
第1の判断ステップにおいて計測距離の変化が判断された場合に、光走査位置を走査方向とは逆方向に所定量戻し、戻された光走査位置から光を再度走査しながら、逐次の光走査位置と、光の出射位置と、光の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離を、前記第1の走査間隔よりも短い第2の走査間隔毎に、逐次計測する第2の距離計測ステップと、
第2の距離計測手ステップにおいて計測された距離が、基準点と融液との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさへ変化したこと、あるいは、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさから、基準点と融液との距離に該当する大きさへ変化したことを判断する第2の判断ステップと、
第2の判断ステップにおいて計測距離の変化が判断された場合に、その変化が判断された時点の光走査位置で光が熱遮蔽体のリムのエッジで反射されたと判定するエッジ位置判定ステップと
を含んで位置計測処理が行われること
を特徴とする。
第7発明は、第6発明において、
半導体単結晶引上げ時に、熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測し、計測値が所望する値になるように制御しつつ半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測方法であって、
エッジ位置判定ステップにおいて光が熱遮蔽体のリムのエッジで反射されたと判定されたときの光走査位置を基準にして、引き上げ時における光が走査する方向の位置を定めるステップと、
半導体単結晶引上げ時に、光が走査する方向の位置を、この定められた位置に固定して、この引上げ時の固定走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測する引上げ時距離計測ステップと
を更に含むこと
を特徴とする。
第8発明は、第7発明において、
光が融液の液面、熱遮蔽体のリムの側面それぞれで反射する経路を辿るように引上げ時の固定走査位置が定められること
を特徴とする。
第1発明を図2の構成図、図7、図8に示す位置計測アルゴリズム、図9(a)、(b)、(c)を併せ参照して説明する。
すなわち、まず、第1の距離計測手段142では、光走査手段120によってレーザ光101をるつぼ3の径方向に走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離dが、所定の第1の走査間隔Δθ1毎に、逐次計測される(図9(a);ステップ204)。
つぎに、第1の判断手段143では、第1の距離計測手段142で計測された距離dが、基準点と融液5との距離daに該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体8のリム8aとの距離dbに該当する大きさへ変化したことが判断される(ステップ205)。
つぎに、第1の判断手段143によって計測距離の変化が判断された場合に(ステップ205の判断YES)、光走査位置θが走査方向Aとは逆方向Bに所定量φだけ戻される(図9(a);ステップ210)。そして、第2の距離計測手段144では、戻された光走査位置θrsからレーザ光101を再度走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離dが、第1の走査間隔Δθ1よりも短い第2の走査間隔Δθ2毎に、逐次計測される(図9(b);ステップ211)。
つぎに、第2の判断手段145では、第2の距離計測手段144によって計測された距離dが、基準点と融液5との距離daに該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体8のリム8aとの距離dbに該当する大きさへ変化したことが判断される(ステップ212)。
この結果、計測距離の変化が判断された場合に(ステップ212の判断YES)、その変化が判断された時点の光走査位置θcでレーザ光101が熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eで反射されたと判定する(ステップ217)。
第1発明によれば、最初の第1の判断手段で、エッジ位置であると判断された時点で、たとえ既にレーザ光101の照射点が、エッジ8eから外れてリム8aの上面8bの奥に移動していた場合であっても、光走査位置が所定量戻されるため、再度、エッジ位置の手前から距離計測を再開することができる。再度の距離計測は、最初の距離計測時よりも比較的短い周期Δθ2の間隔で行われる(図9(a))。このため、再度エッジ位置であると判断された時点で、レーザ光101の照射点は、エッジ8eから外れてリム8aの上面8bの奥に移動することなく、エッジ8eの位置を誤差なく計測することができる。
しかも、短い間隔Δθ2毎に距離計測を行う区間は、光走査位置を所定量戻した位置θrsから再度エッジ位置を検出するまでの僅かな区間(図9(b);限度値(40パルス))であって、それ以外は、長い間隔Δθ1毎に距離計測が行われ処理が高速で行われる。このため位置計測処理を短時間で済ませ作業を高効率で行うことができる。
このように本第1発明によれば、熱遮蔽体8のエッジ位置θcの位置計測処理を短時間で高作業効率にて行いつつも、エッジ位置θcを精度よくばらつきなく計測できるようになる。
第2発明では、レーザ光101が熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eで反射されたと判定されたときの光走査位置θcを基準にして、引き上げ時におけるレーザ光101が走査する方向の位置θ1、θ2、θ3、θ4が定められる(ステップ221)。
そして、シリコン単結晶引上げ時には、レーザ光101が走査する方向の位置を引上げ時の位置θ1、θ2、θ3、θ4に固定して、この引上げ時の固定走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、熱遮蔽体と融液との距離Lまたは/および融液の液面レベルHが計測される。そして、計測値L、Hが所望する値になるように制御しつつシリコン単結晶10が製造される。
第2発明によれば、バッチ毎に、エッジ位置θcをばらつきなく正確に計測することができるため、基準点から熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sをばらつきなく正確に計測できるようになる。
よって、S計測値に基づき熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の位置を正確に計測できるようになり、熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の位置をフィードバックして行われるシリコン単結晶引き上げ成長時の制御を安定して行なえるようになり、引き上げ成長されるシリコン単結晶10の品質が安定し、安定したスペックの製品を提供できるようになる。
また、エッジ位置θcが正確に求められるため、このエッジ位置θcを基準にしてレーザ光101の照射方向を正確に定めて正確に熱遮蔽体8のリム8aの上面8bの狙いとする位置にレーザ光101を正確に当てることができるようになるとともに、レーザ光101を融液表面5aの狙いとする位置に正確に当てることができるようになる。これにより熱遮蔽体8とシリコン単結晶10との距離Dが狭い場合あるいは熱遮蔽体8のリム8aの上面8bのるつぼ径方向の長さが短い場合であったとしても、レーザ光101を正確に狙いとする位置に照射して上記図2に示す距離計測を容易に行うことができる。同様に図3に示す距離計測を容易に行うことができる。
第3発明では、図10に示すように、レーザ光101が融液5の液面5a、熱遮蔽体8のリム8aの側面8dそれぞれで反射する経路を辿るように引上げ時の固定走査位置θ5、θ6が定められる。
すなわち、図10に示すように、まず、ステッピングモータ122を駆動して光走査位置θを引上げ時の位置θ5に位置決めする。つぎに、光出射手段110からレーザ光101を出射して、熱遮蔽体8のリム8aの側面8dに照射し、このリム側面8dで反射したレーザ光を融液液面5aに照射し、融液液面5aで反射したレーザ光を受光手段130で受光する。つぎに、この引上げ時の固定走査位置θ5と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から融液5の液面5aまでの距離LSを求め、融液液面レベルHを計測する。
つぎに、ステッピングモータ122を駆動して光走査位置θを引上げ時の位置θ6に位置決めする。つぎに、光出射手段110からレーザ光101を出射して、熱遮蔽体8のリム8aの上面8bに照射し、このリム上面8bで反射したレーザ光を受光手段130で受光する。つぎに、引上げ時の固定走査位置θ6と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sを計測する。こうして求められた融液5の液面5aまでの距離LSと熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sと熱遮蔽体8のリム8aの厚さtから、熱遮蔽体・液面間距離Lを算出する。
図10に示す距離計測方法は、非常に狭い熱遮蔽体8のリム8aの側面8dにレーザ光101を照射しなければならないため、引上げ時の固定走査位置θ5を正確に定めてレーザ光10の照射の精度を高める必要がある。
本発明によれば、エッジ位置θcが正確に求められるため、このエッジ位置θcを基準にして引上げ時の固定走査位置θ5を正確に定めて、それによりレーザ光101の照射方向を正確に定めて熱遮蔽体8のリム8aの上面8bの狙いとする位置にレーザ光101を正確に当てることができるようになる。これにより非常に狭い熱遮蔽体8のリム8aの側面8dにレーザ光101を照射しなければならない図10に示す距離計測方法であったとしてもレーザ光101を正確に狙いとする位置に照射できるようになり、上記図10に示す距離計測を容易に行うことができる。
第4発明では、図4に示すように、光走査手段120は、光出射手段110から出射されたレーザ光101を反射するミラー121と、このミラー121の光反射面121aの姿勢角を変化させるアクチュエータ122とを含んで構成されており、アクチュエータ122を駆動させてミラー121の光反射面121の姿勢角を変化させることによりレーザ光101が走査される。
第5発明では、図4に示すように、光走査手段120は、ステッピングモータ122をアクチュエータとしてレーザ光101を走査する。第2の距離計測手段144では、ステッピングモータ122が1ステップ回動される毎に、光走査位置が微小間隔Δθ2だけ移動して、基準点と反射点との距離が計測される。
第6発明、第7発明、第8発明はそれぞれ、第1発明、第2発明、第3発明の装置の発明に対応する方法の発明である。
以下、図面を参照して本発明に係る半導体単結晶製造装置における位置計測装置および位置計測方法の実施の形態について説明する。
図1は、実施形態に用いられるシリコン単結晶製造装置の構成の一例を側面からみた図である。
同図1に示すように、実施形態のシリコン単結晶製造装置1は、単結晶引上げ用容器としてのCZ炉(チャンバ)2を備えている。
CZ炉2内には、多結晶シリコンの原料を溶融して融液5として収容する石英るつぼ3が設けられている。石英るつぼ3は、その外側が黒鉛るつぼ11によって覆われている。石英るつぼ3の周囲には、石英るつぼ3内の多結晶シリコン原料を加熱して溶融するヒータ9が設けられている。ヒータ9は円筒状に形成されている。ヒータ9は、その出力(パワー;kW)が制御されて、融液5に対する加熱量が調整される。たとえば、融液5の温度が検出され、検出温度をフィードバック量とし融液5の温度が目標温度になるように、ヒータ9の出力が制御される。
石英るつぼ3の上方には引上げ機構4が設けられている。引上げ機構4は、引上げ軸4aと引上げ軸4aの先端のシードチャック4cを含む。シードチャック4cによって種結晶14が把持される。
石英るつぼ3内で多結晶シリコン(Si)が加熱され溶融される。融液5の温度が安定化すると、引上げ機構4が動作し融液5からシリコン単結晶10(シリコン単結晶)が引き上げられる。すなわち引上げ軸4aが降下され引上げ軸4aの先端のシードチャック4cに把持された種結晶14が融液5に着液される。種結晶14を融液5になじませた後引上げ軸4aが上昇する。シードチャック4cに把持された種結晶14が上昇するに応じてシリコン単結晶10が成長する。
引上げの際、石英るつぼ3は回転軸15によって回転する。また引上げ機構4の引上げ軸4aは回転軸15と逆方向にあるいは同方向に回転する。
回転軸15は鉛直方向に駆動することができ、石英るつぼ3を上下動させ任意のるつぼ位置に移動させることができ、融液5の表面5a、つまり融液5の液面レベルHを調整することができるようになっている。
CZ炉2内と外気を遮断することで炉2内は真空(たとえば数十Torr程度)に維持される。すなわちCZ炉2には不活性ガスとしてのアルゴンガス7が供給され、CZ炉2の排気口からポンプによって排気される。これにより炉2内は所定の圧力に減圧される。
単結晶引上げのプロセス(1バッチ)の間で、CZ炉2内には種々の蒸発物が発生する。そこでCZ炉2にアルゴンガス7を供給してCZ炉2外に蒸発物とともに排気してCZ炉2内から蒸発物を除去しクリーンにしている。アルゴンガス7の供給流量は1バッチ中の工程ごとに設定する。
シリコン単結晶10の引上げに伴い融液5が減少する。融液5の減少に伴い融液5と石英るつぼ3との接触面積が変化し石英るつぼ3からの酸素溶解量が変化する。この変化が、引き上げられるシリコン単結晶10中の酸素濃度分布に影響を与える。
また、融液5の上方にあって、シリコン単結晶10の周囲には、熱遮蔽体8(熱輻射板、ガス整流筒)が設けられている。熱遮蔽体8は、中心に開口8Aを備えた円錐状に形成されている。熱遮蔽体8の下端部にはリム8aが備えられている。リム8aは、上面8b、下面8c、側面8dを有している。ここで、リム8aの上面8bと側面8dとの境界をエッジ8eと定義する。
熱遮蔽体8の中心の開口8Aには、シリコン単結晶10が収容される。熱遮蔽体8のリム8aの側面8dとシリコン単結晶10の側面との距離(以下、熱遮蔽体・結晶間距離という)をDとする。
熱遮蔽体8は、CZ炉2内に上方より供給されるキャリアガスとしてのアルゴンガス7を、融液表面5aの中央に導き、さらに融液表面5aを通過させて融液表面5aの周縁部に導く。そして、アルゴンガス7は、融液5から蒸発したガスとともに、CZ炉2の下部に設けた排気口から排出される。このため液面上のガス流速を安定化することができ、融液5から蒸発する酸素を安定な状態に保つことができる。
また熱遮蔽体8は、種結晶14および種結晶14により成長されるシリコン単結晶10を、石英るつぼ3、融液5、ヒータ9などの高温部で発生する輻射熱から、断熱、遮蔽する。また熱遮蔽体8は、シリコン単結晶10に、炉内で発生した不純物(たとえばシリコン酸化物)等が付着して、単結晶育成を阻害することを防止する。
熱遮蔽体8の下端部のリム8aと融液表面5aとの距離L(熱遮蔽体・液面間距離L)の大きさは、回転軸15を上昇下降させ、石英るつぼ3の上下方向位置を変化させることで調整することができる。また熱遮蔽体8を昇降装置により上下方向に移動させて距離Lを調整することもできる。
シリコン単結晶10の品質は、引き上げ中の融液液面レベルHあるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの大きさによって変動することが従来より知られている。すなわち、引き上げ中の融液液面レベルHあるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの大きさが変化すると、それによってシリコン単結晶10の軸方向の温度勾配等のパラメータが変動し、それによってシリコン単結晶10の欠陥領域の分布、酸素濃度分布等が変化し、結晶の品質が変化する。
よって、要求されるスペックの結晶品質を得るために、その要求スペックに従って引上げ条件、つまり各引上げ位置毎に融液液面レベルHの目標値あるいは各引上げ位置毎に熱遮蔽体・液面間距離Lの目標値が予め定められる。そして、引き上げ成長中は、逐次、融液液面レベルHの実際の値あるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値を検出し、これら検出値をフィードバックして、目標値と検出値との偏差が零になるように、回転軸15の上下方向位置を調整する等の制御が行なわれる。
本実施例では、磁場印加引上げ法(MCZ法)によってシリコン単結晶10が引き上げられる場合を想定する。なお、MCZ法は、CZ法の一形態である。
すなわち、MCZ法では、たとえばCZ炉2の周囲に、磁石30が配置される。本実施例では、磁石30は、シリコン単結晶10と融液5との固液界面の形状を上に凸の形状にするために設けられている。
磁石30がCZ炉2の周囲に配置されることにより石英るつぼ3内の融液5に対して、水平磁場(横磁場)が印加される。融液5に水平磁場が印加されると、石英るつぼ3内での融液5の対流が抑制され、シリコン単結晶10と融液5との間の固液界面の形状が所望する凸形に安定化されて、冷却速度CRを安定して高めることができ、成長速度Vを高めることができる。なお、水平磁場の代わりにカスプ磁場を印加してもよい。
要求スペックの結晶品質を安定して得るためには、制御の結果、融液液面レベルHあるいは熱遮蔽体・液面間距離Lが目標値に精度よく一致することが必要であり、そのためには、制御中に検出されるフィードバック量としての融液液面レベルHの実際の値あるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値が、常に精度よく計測されていることが前提となる。
図2は、引上げ位置毎に融液液面レベルHあるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値を計測する距離計測装置の構成例を示している。
図2の距離計測装置100は、レーザ光101を出射する光出射手段110と、光出射手段110から出射されたレーザ光101を、石英るつぼ3の径方向に沿って走査する光走査手段120と、光出射手段110から出射され、光走査手段120によって走査されたレーザ光101の反射光を受光する受光手段130と、コントローラ140とから構成されている。
光走査手段120は、光出射手段110から出射されたレーザ光101が照射されてレーザ光がCZ炉2外からCZ炉2の窓2wを介してCZ炉2内に向うように反射させるミラー121と、このミラー121の光反射面121aの姿勢角を変化させるステッピングモータ122と、ミラー121の光反射面121aで反射されたレーザ光が照射されてCZ炉2の下方に向けて向うように反射させるプリズム123を含んで構成されている。
ここで、ステッッピングモータ122の回転軸122aの回転角度θと、レーザ光101のるつぼ3の径方向の走査位置は、1対1に対応している。よって、本明細書では、レーザ光101のるつぼ径方向の走査位置をθで表すものとする。
受光手段130は、CCDセンサを含んで構成されている。
コントローラ140は、引上げ時距離計測手段141を含んで構成されている。
引上げ時距離計測手段141では、引上げ時の固定走査位置と、光出射手段110のレーザ光出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、熱遮蔽体・液面間距離Lまたは/および融液液面レベルHが計測される。引上げ時距離計測手段141は、CCDセンサ131から出力される検出信号等に基づいて熱遮蔽体・液面間距離Lまたは/および融液液面レベルHを演算する処理を行う。
つぎに、融液液面レベルHの実際の値あるいは熱遮蔽体・液面間距離Lの実際の値を計測する各種距離計測方法について説明する。
(第1の距離計測方法)
すなわち、まず、図2に示すように、ステッピングモータ122が駆動され光走査位置θが引き上げ時の位置θ1に位置決めされる。つぎに、光出射手段110からレーザ光101が出射される。光走査手段120によってレーザ光101は、融液液面5aに向けて照射される。融液液面5aで反射したレーザ光は、受光手段130で受光される。つぎに、引上げ時距離計測手段141では、この引上げ時の固定走査位置θ1と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から融液5の液面5aまでの距離LSが求められ、融液液面レベルHが計測される。
つぎに、ステッピングモータ122が駆動され光走査位置θが引き上げ時の位置θ2に位置決めされる。つぎに、光出射手段110からレーザ光101を出射する。光走査手段120によってレーザ光101は、熱遮蔽体8のリム8aの上面8bに向けて照射される。このリム上面8bで反射したレーザ光は、受光手段130で受光される。つぎに、引上げ時距離計測手段141では、この引上げ時の固定走査位置θ2と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sが計測される。こうして求められた融液の液面5aまでの距離LSと熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sと熱遮蔽体8のリム8aの厚さtから、熱遮蔽体・液面間距離Lが算出される。
(第2の距離計測方法)
すなわち、図3に示すように、まず、ステッピングモータ122が駆動され光走査位置θが引き上げ時の位置θ3に位置決めされる。つぎに、光出射手段110からレーザ光101が出射される。光走査手段120によってレーザ光101は、融液液面5aに向けて照射される。融液液面5aで反射したレーザ光は、熱遮蔽体8のリム8aの下面8cに照射され、このリム下面8cで反射したレーザ光は再度融液液面5aに照射され、融液液面5aで反射したレーザ光が受光手段130で受光される。つぎに、引上げ時距離計測手段141では、この引上げ時の固定走査位置θ3と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から融液5の液面5aまでの距離LSが求められ、融液液面レベルHが計測される。
つぎに、ステッピングモータ122が駆動され光走査位置θが引き上げ時の位置θ4に位置決めされる。つぎに、光出射手段110からレーザ光101が出射される。光走査手段120によってレーザ光101は、熱遮蔽体8のリム8aの上面8bに照射される。このリム上面8bで反射したレーザ光は受光手段130で受光される。つぎに、引上げ時距離計測手段141では、引上げ時の固定走査位置θ4と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sが計測される。こうして求められた融液5の液面5aまでの距離LSと熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sと熱遮蔽体8のリム8aの厚さtから、熱遮蔽体・液面間距離Lが算出される。
(第3の距離計測方法)
第3の距離計測方法では、図10に示すように、レーザ光101が融液5の液面5a、熱遮蔽体8のリム8aの側面8dそれぞれで反射する経路を辿るように引上げ時の固定走査位置θ5、θ6が定められる。
すなわち、図10に示すように、まず、ステッピングモータ122が駆動され光走査位置θが引上げ時の位置θ5に位置決めされる。つぎに、光出射手段110からレーザ光101が出射される。光走査手段120によってレーザ光101は、熱遮蔽体8のリム8aの側面8dに照射される。このリム側面8dで反射したレーザ光は融液液面5aに照射され、融液液面5aで反射したレーザ光が受光手段130で受光される。つぎに、引上げ時距離計測手段141では、この引上げ時の固定走査位置θ5と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から融液5の液面5aまでの距離LSが求められ、融液液面レベルHが計測される。
つぎに、ステッピングモータ122が駆動され光走査位置θが引上げ時の位置θ6に位置決めされる。つぎに、光出射手段110からレーザ光101が出射される。光走査手段120によってレーザ光101は、熱遮蔽体8のリム8aの上面8bに照射される。このリム上面8bで反射したレーザ光は受光手段130で受光される。つぎに、引上げ時距離計測手段141では、引上げ時の固定走査位置θ6と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点から熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sが計測される。こうして求められた融液5の液面5aまでの距離LSと熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sと熱遮蔽体8のリム8aの厚さtから、熱遮蔽体・液面間距離Lが算出される。
図10では、レーザ光101が熱遮蔽体8のリム8aの側面8d、融液5の液面5aの順序で反射する経路を辿るようにしているが、第3の距離計測方法の別の方法として、レーザ光101が融液5の液面5a、熱遮蔽体8のリム8aの側面8dの順序で反射する経路を辿るようにしてもよい。
上記引上げ時の光走査位置θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6は、基準となる光走査位置θcから定められる。基準となる光走査位置θcは、熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eである。
エッジ位置θの位置計測は、図2(図3、図10)に示す距離計測装置100のコントローラ140で行われる。
この位置計測処理は、たとえば各バッチの間、CZ炉2の分解、清掃時、引き上げプロセスの途中などで行われる。
以下、引上げ時距離計測装置100で行われるエッジ位置θcの位置計測処理について、図7、図8に示す位置計測アルゴリズム、図9(a)、(b)、(c)を併せ参照して説明する。
すなわち、まず、第1の距離計測手段142では、光走査手段120によってレーザ光101をるつぼ3の径方向に走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段110の出射位置と、受光手段130の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離dが、所定の第1の走査間隔Δθ1毎に、逐次計測される(図9(a);ステップ204)。
つぎに、第1の判断手段143では、第1の距離計測手段142で計測された距離dが、基準点と融液5との距離daに該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体8のリム8aとの距離dbに該当する大きさへ変化したことが判断される(ステップ205)。
つぎに、第1の判断手段143によって計測距離の変化が判断された場合に(ステップ205の判断YES)、光走査位置θが走査方向Aとは逆方向Bに所定量φだけ戻される(図9(a);ステップ210)。そして、第2の距離計測手段144では、戻された光走査位置θrsからレーザ光101を再度走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離dが、第1の走査間隔Δθ1よりも短い第2の走査間隔Δθ2毎に、逐次計測される(図9(b);ステップ211)。
つぎに、第2の判断手段145では、第2の距離計測手段144によって計測された距離dが、基準点と融液5との距離daに該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体8のリム8aとの距離dbに該当する大きさへ変化したことが判断される(ステップ212)。
この結果、計測距離の変化が判断された場合に(ステップ212の判断YES)、その変化が判断された時点の光走査位置θcでレーザ光101が熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eで反射されたと判定する(図9(c);ステップ217)。
以下、更に詳細に説明する。
まず、レーザ光101の走査位置θを走査開始位置θsに移動させ、位置決めする(図9(c);ステップ201)。
つぎに、ステッピングモータ122が駆動され、熱遮蔽体8側方向Aへのレーザ光101の走査が開始される(ステップ202)。
レーザ光101の逐次の走査位置θが検出され、逐次の走査位置θが走査開始位置θsに最大走査幅Wを加えた最終走査位置θeまでの範囲内であるか否かが判断される(図9(c);ステップ203)。
つぎに、基準点と反射点との距離dが、所定の第1の走査間隔Δθ1毎に、逐次計測される(図9(a);ステップ204)。
つぎに、計測距離dが予め設定された距離db−Δdからdb+Δdまでの範囲内であるか否かを判断することによって、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達したか否かが判断される。距離db−Δd〜db+Δdは、基準点から熱遮蔽体8のリム8aまでの距離に相当する大きさに定められる(図9(c);ステップ205)。
ステップ203の判断がYESであってステップ205の判断がNOである限り、つまりレーザ光走査位置θが最終走査位置θeに達しておらず熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達していないと判断されている限りは、距離計測(ステップ204)が繰り返される。距離計測の間隔Δθ1は、ステップ203〜ステップ204〜ステップ205の処理のサイクルタイムとステッピングモータ122の回転速度で定まる。レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達するまでの走査区間では、ステッピングモータ122が高速で回転されレーザ光101の走査が高速で行われながら長い走査間隔Δθ1で距離計測が行われる。このため、処理が高速で行われることになる。
ただし、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達しないと判断されたまま最終走査位置θeに達すると(ステップ203の判断NO)、エラーメッセージが表示されるなど異常の表示がなされ、オペレータに異常が知らしめられ(ステップ227)、全処理が終了する。
これに対して、レーザ光走査位置θが最終走査位置θeに達しないで熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達したと判断されると(ステップ205の判断YES)、ステッピングモータ122の駆動が一旦停止され(ステップ206)、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したことを確認するステージ(ステップ207、208、209、225、226)に入る。
すなわち、距離dの計測がn回(たとえば20回)繰り返し行なわれる(ステップ207)。
つぎに、以下の条件が満たされたか否かが判断される。
1) n回計測された各距離dのうちm回(たとえば20回)以上の計測距離dが予め設定された距離db−Δdからdb+Δdまでの範囲内にあること。
2) n回の各計測距離dのうち最大値と最小値との差εが許容計測誤差Δε以下であること(ステップ208)。
この結果、上記1)、2)の条件が満たされた場合には(ステップ208の判断YES)、そのときのレーザ光走査位置θを、「仮のエッジ位置」と判断する(ステップ209)。
しかし、上記1)、2)の条件が満たされなかった場合には(ステップ208の判断NO)、ステッピングモータ122を最小ステップ、つまり1ステップ移動させて、距離計測(ステップ207)、判断処理(ステップ208)を繰り返し行なわせる。
ステッピングモータ122を最小ステップ(1ステップ)移動させる毎に、カウント値iが+1インクリメントされる(ステップ225)。カウント値iが限度値imaxを超えない限りは(ステップ226の判断YES)、n回の距離計測(ステップ207)、判断処理(ステップ208)が繰り返し行なわれる。しかし、カウント値iが限度値imaxを超えると(ステップ226の判断NO)、レーザ光101は未だ融液表面5aあるいは熱遮蔽板8のリム8aの側面8dを照射している段階であって、レーザ光走査位置θがエッジ8aに達したことを確認する段階にはないとみなし、ステップ203に戻り、長い走査間隔Δθ1での距離計測(ステップ204)を再度行わせる。
さて、上記ステップ209で、レーザ光走査位置θが「仮のエッジ位置」と判断された時点では、レーザ光走査位置θがエッジ8eの実際の位置を行き過ぎ、リム8aの上面8bの奥まで達していることがある(図9(a)参照)。これは、上述したごとく、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達するまでの走査区間では、ステッピングモータ122が高速で回転されレーザ光101の走査が高速で行われながら長い走査間隔Δθ1で距離計測(ステップ204)が行われたためである。このため「エッジ位置」と判断される距離計測が行われた時点では、既にレーザ光走査位置θが実際のエッジ位置を行き過ぎているおそれがある。
そこで、かかるレーザ光走査位置θの「行き過ぎ」を考慮して、上記ステップ209で、レーザ光走査位置θが「仮のエッジ位置」と判断された時点で、光走査位置θが走査方向Aとは逆方向Bに所定量φだけ戻した上で(図9(a);ステップ210)、上記走査間隔Δθ1よりも短い周期Δθ2でレーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したか否かを詳細に探索するステージ(ステップ211ないし214)に入る。
すなわち、レーザ光走査位置θが「仮のエッジ位置」であると判断されると(ステップ209の判断YES)、ステッピングモータ122が所定のパルス数(たとえば20パルス)だけ逆方向に回転駆動され、光走査位置θが現在の走査位置から走査方向Aとは逆方向B、つまり熱遮蔽体8から遠ざかる側の方向Bへ所定量φだけ戻される(図9(a);ステップ210)。
つぎに距離dの計測が行なわれる(ステップ211)。
つぎに、計測距離dが予め設定された距離db−Δdからdb+Δdまでの範囲内であるか否かを判断することによって、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達したか否かが判断される。距離db−Δd〜db+Δdは、基準点から熱遮蔽体8のリム8aまでの距離に相当する大きさに定められる(ステップ212)。
上記ステップ212の判断がNOであった場合には、戻された走査開始位置θrsから熱遮蔽体8側方向Aへのレーザ光101を最小ステップずつ、つまりステッピングモータ122を1ステップずつ移動させて、1ステップずつ、間隔Δθ2毎の距離計測(図9(b);ステップ211)、判断処理(ステップ212)を繰り返し行なわせる。
ステッピングモータ122を最小ステップ(1ステップ)移動させる毎に、カウント値jが+1インクリメントされる(ステップ213)。カウント値jの限度値jmaxは、戻された走査開始位置θrsから所定のパルス数(たとえば40パルス)に設定されている(図9(b))。よってカウント値jが限度値jmax(40パルス)を超えない限りは(ステップ214の判断YES)、1ステップずつ、間隔Δθ2毎の距離計測(ステップ211)、判断処理(ステップ212)が繰り返し行なわれる。しかし、カウント値jが限度値jmax(40パルス)を超えると(ステップ214の判断NO)、レーザ光101は未だ融液表面5aあるいは熱遮蔽板8のリム8aの側面8dを照射している段階であって、レーザ光走査位置θがエッジ8aに達したことを確認する段階にはないとみなし、ステップ203に戻り、長い走査間隔Δθ1での距離計測(ステップ204)を再度行わせる。
これに対して、レーザ光走査位置θが、戻された操作開始位置θreに上記所定パルス数(40パルス)に相当する固定値を加えた走査位置に達しないまま(ステップ214の判断YES)、熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達したと判断されると(ステップ212の判断YES)、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したことを確認するステージ(ステップ215、216、217、218、219、220)に入る。
すなわち、距離dの計測がp回(たとえば20回)繰り返し行なわれる(ステップ215)。
つぎに、以下の条件が満たされたか否かが判断される。
3) p回計測された各距離dのうちq回(たとえば20回)以上の計測距離dが予め設定された距離db−Δdからdb+Δdまでの範囲内にあること。
4) p回の各計測距離dのうち最大値と最小値との差εが許容計測誤差Δε以下であること(ステップ216)。
この結果、上記3)、4)の条件が満たされた場合には(ステップ216の判断YES)、そのときのレーザ光走査位置θを、最終的にエッジ位置と判断する(ステップ217)。
しかし、上記3)、4)の条件が満たされなかった場合には(ステップ216の判断NO)、ステッピングモータ122を最小ステップ、つまり1ステップ移動されて、p回の距離計測(ステップ215)、判断処理(ステップ216)が1ステップずつ間隔Δθ2毎に行われる。
すなわち、ステッピングモータ122を最小ステップ(1ステップ)移動させる毎に、カウント値jが+1インクリメントされるとともに、カウント値kが+1インクリメントされる(ステップ218)。カウント値jが所定パルス数(40パルス)を超えず(ステップ219の判断YES)、かつカウント値kが限度値kmaxを超えない限りは(ステップ220の判断YES)、p回の距離計測(ステップ215)、判断処理(ステップ216)が間隔Δθ2毎に繰り返し行なわれる。しかし、カウント値jが限度値jmax(40パルス)を超えると(ステップ219の判断NO)、レーザ光101は未だ融液表面5aあるいは熱遮蔽板8のリム8aの側面8dを照射している段階であって、レーザ光走査位置θがエッジ8aに達したことを確認する段階にはないとみなし、ステップ203に戻り、長い走査間隔Δθ1での距離計測(ステップ204)を再度行わせる。また、カウント値jが限度値jmax(40パルス)を超えない場合(ステップ219の判断YES)であっても、カウント値kが限度値kmaxを超えると(ステップ220の判断NO)、未だレーザ光走査位置θがエッジ8a近傍に達していないとみなして、ステップ211に戻り、1回の距離計測(ステップ211)を間隔Δθ2毎に行わせる。
上記ステップ217で、レーザ光走査位置θが最終的にエッジ位置と判断されると、つぎに、上記引上げ時の光走査位置θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6を書き換える処理が行われる。
すなわち上記ステップ217で、最終的にエッジ位置と判断された光走査位置θcからB方向、つまり熱遮蔽体8から遠ざかる結晶10の方向Bに、予め設定された走査量だけ移動させ、光走査位置θ1、θ3、θ5に位置決めする(ステップ221)。
つぎに、光出射手段110からレーザ光101が出射されて、基準点から反射点までの距離が計測され、融液5の液面5aまでの距離LSが求められる。求められた距離LSは画面に表示される(ステップ222)。
つぎに、光走査位置θ1、θ3、θ5を書き換えるか否かが判断される(ステップ223)。
光走査位置θ1、θ3、θ5を書き換えると判断された場合には、光走査位置θ1、θ3、θ5が前回の値から更新されて書き換えられる(ステップ224)。
同様に、上記ステップ217で、レーザ光走査位置θが最終的にエッジ位置と判断されると、最終的にエッジ位置と判断された光走査位置θcからA方向、つまり結晶10から熱遮蔽体8に向う方向Aに、予め設定された走査量だけ移動させ、光走査位置θ2、θ4、θ6に位置決めする(ステップ221)。
つぎに、光出射手段110からレーザ光101が出射されて、基準点から反射点までの距離が計測され、熱遮蔽体8のリム8aの上面8bまでの距離Sが求められる。求められた距離Sは画面に表示される(ステップ222)。
つぎに、光走査位置θ2、θ4、θ6を書き換えるか否かが判断される(ステップ223)。
光走査位置θ2、θ4、θ6を書き換えると判断された場合には、光走査位置θ2、θ4、θ6が前回の値から更新されて書き換えられる(ステップ224)。
このようにして書き換えられた光走査位置θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6は、次回の距離計測、つまり上記第1の距離計測方法、第2の距離計測方法、第3の距離計測方法による距離計測に用いられる。すなわち、光走査位置θは、書き換えられた光走査位置θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6に固定された上で、上記第1の距離計測方法、第2の距離計測方法、第3の距離計測方法による距離計測が行われる。
つぎに本実施例の効果について説明する。
本実施例によれば、最初の判断で、エッジ位置であると判断された時点で、たとえ既にレーザ光101の照射点が、エッジ8eから外れてリム8aの上面8bの奥に移動していた場合であっても、光走査位置θが所定量φだけ戻されるため、再度、エッジ位置の手前から距離計測を再開することができる。再度の距離計測は、最初の距離計測時よりも比較的短い周期Δθ2の間隔で行われる(図9(a))。このため、再度エッジ位置であると判断された時点で、レーザ光101の照射点は、エッジ8eから外れてリム8aの上面8bの奥に移動することなく、エッジ8eの位置を誤差なく計測することができる。
図6(b)は、実施例の実験データである。
図6(b)は、図6(a)の従来の実験データに対応する図であり、バッチ毎の計測値Sのばらつきを示す実験データである。実験では、バッチ毎に、エッジ位置を計測し、バッチ毎に、エッジ位置を基準とする光走査位置θ2、θ4を書き換えて、この書き換えられた光走査位置θ2、θ4に固定してレーザ光101を出射して、バッチ毎にS値を計測した。ヒストグラムの横軸は、S計測値の平均値からの偏差であり、平均値を0としている。縦軸は、頻度である。同図6(b)と図6(a)を対比してわかるように、従来にあっては、S計測値は、平均値の±3mmの範囲でS値がばらついていたが、本実施例によると、S計測値のばらつきは平均値の±1.5mmの範囲に収まり、S値のばらつきが極めて良好に抑制されていることがわかる。
S計測値について述べたが、同様にして、エッジ位置を基準にして行われる他の距離計測の値、つまり、熱遮蔽体・融液間距離L、融液液面レベルHについても、同様にばらつきが少なく極めて高精度のものとなる。
よって、熱遮蔽体・液面間距離Lあるいは融液液面レベルHの実際の位置をフィードバックして行われるシリコン単結晶引き上げ成長時の制御を安定して行なえるようになり、引き上げ成長されるシリコン単結晶10の品質が安定し、安定したスペックの製品を提供できるようになる。
また、エッジ位置θcが正確に求められるため、このエッジ位置θcを基準にしてレーザ光101の照射方向を正確に定めて正確に熱遮蔽体8のリム8aの上面8bの狙いとする位置にレーザ光101を正確に当てることができるようになるとともに、レーザ光101を融液表面5aの狙いとする位置に正確に当てることができるようになる。これにより熱遮蔽体8とシリコン単結晶10との距離Dが狭い場合あるいは熱遮蔽体8のリム8aの上面8bのるつぼ径方向の長さが短い場合であったとしても、レーザ光101を正確に狙いとする位置に照射して上記図2に示す第1の距離計測方法による計測を容易に行うことができる。同様に図3に示す第2の距離計測方法による計測を容易に行うことができる。
とりわけ図10に示す第3の距離計測方法は、レーザ光101を融液5の液面5a、熱遮蔽体8のリム8aの側面8dそれぞれで反射する経路を辿るように引上げ時の固定走査位置θ5、θ6を定めるものであり、非常に狭い熱遮蔽体8のリム8aの側面8dにレーザ光101を照射しなければならないため、引上げ時の固定走査位置θ5を正確に定めてレーザ光10の照射の精度を高める必要がある。この点、本実施例によれば、エッジ位置θcが正確に求められるため、このエッジ位置θcを基準にして引上げ時の固定走査位置θ5を正確に定めて、それによりレーザ光101の照射方向を正確に定めて熱遮蔽体8のリム8aの上面8bの狙いとする位置にレーザ光101を正確に当てることができるようになる。これにより非常に狭い熱遮蔽体8のリム8aの側面8dにレーザ光101を照射しなければならない図10に示す第3の距離計測方法であったとしてもレーザ光101を正確に狙いとする位置に照射できるようになり、上記図10に示す第3の距離計測方法による計測を容易に行うことができる。
しかも、本実施例によれば、短い間隔Δθ2毎に距離計測を行う区間は、所定量φ(20パルス)戻された走査開始位置θrsから所定量(40パルス)に達するまでの僅かな区間であって、それ以外では原則として長い間隔Δθ1毎に距離計測が行われ処理が高速で行われる。このため位置計測処理は全体として高速で行われ短時間で済ますことができ位置計測作業を高効率で行うことができる。
上述した実施例に対しては本発明の趣旨を変更しない範囲で各処理を変更、削除等した実施が可能である。
まず、上述した実施例では、レーザ光101を、シリコン単結晶10側から熱遮蔽体8に向う方向Aに走査させて、計測距離dが、基準点と融液5との距離daに該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体8のリム8aとの距離dbに該当する大きさへ変化したか否かを判断するようにしている(ステップ205、ステップ208、ステップ212、ステップ216の各判断処理)が、レーザ光101を、熱遮蔽体8側からシリコン単結晶10に向う方向Bに走査させて、同様の判断を行うようにしてもよい。
すなわち、レーザ光101を、熱遮蔽体8側からシリコン単結晶10に向う方向Bに走査させて、ステップ205、ステップ208、ステップ212、ステップ216の各判断処理において、計測距離dが、基準点と熱遮蔽体8のリム8aとの距離dbに該当する大きさから、基準点と融液5との距離daに該当する大きさへ変化したことを判断する実施も可能である。この場合、ステップ210では、光走査位置θが走査方向Bとは逆方向Aに所定量φだけ戻される処理が行われ、走査間隔Δθ1よりも短い周期Δθ2でレーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したか否かを詳細に探索するステージ(ステップ211ないし214)に入ることになる。
また、上述した実施例では、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したか否かを詳細に探索するステージ(ステップ211ないし214)では、ステッピングモータ122を最小ステップ(1ステップ)移動させる毎に、距離dの計測を行わせ走査間隔Δθ1よりも短い周期Δθ2でレーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したか否かを判断するようにしている。しかし、ステッピングモータ122を最小ステップ(1ステップ)移動させる毎に距離計測、判断処理を行うというのはあくまでも一例であり、Δθ1よりも短い間隔で距離計測、判断処理を行うことができるのであれば、ステッピングモータ122を2ステップ以上の間隔ごとに距離計測、判断処理を行わせる実施も可能である。
また、上述した実施例では、熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達したか否かの判断処理(ステップ205)を経て、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したことを確認するステージ(ステップ207、208、209、225、226)に入り、その結果、 レーザ光走査位置θが「仮のエッジ位置」になったと判断された(ステップ209の判断YES)ならば、走査方向Aとは逆方向Bに所定量φだけ走査位置θを戻すようにしている(ステップ210)。しかし、この場合、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したことを確認するステージ(ステップ207、208、209、225、226)の処理を省略し、熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達したか否かの判断処理(ステップ205)の結果、熱遮蔽体8のエッジ8e近傍に達したと判断されたならば(ステップ205の判断YES)、その時点でこれを「仮のエッジ位置」とし、走査方向Aとは逆方向Bに所定量φだけ戻す処理(ステップ210)に移行させる実施も可能である。
また、上述した実施例では、光走査位置θが走査方向Aとは逆方向Bに所定量φだけ戻される処理(ステップ210)を経て、走査間隔Δθ1よりも短い周期Δθ2でレーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したか否かを詳細に探索するステージ(ステップ211ないし214)に入り、その結果、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したと判断された(ステップ212の判断YES)ならば、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したことを確認するステージ(ステップ215、216、217、218、219、220)に入り、最終的なエッジ位置の判定(ステップ217)を行うようにしている。しかし、この場合、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したことを確認するステージ(ステップ215、216、217、218、219、220)の処理を省略し、光走査位置θが走査方向Aとは逆方向Bに所定量φだけ戻される処理(ステップ210)を経て、走査間隔Δθ1よりも短い周期Δθ2でレーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したか否かを詳細に探索するステージ(ステップ211ないし214)に入り、その結果、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したと判断された(ステップ212の判断YES)ならば、その時点の走査位置θを最終的なエッジ位置と判定する(ステップ217)実施も可能である。
また、ステップ211ないし214の処理を省略し、光走査位置θが走査方向Aとは逆方向Bに所定量φだけ戻される処理(ステップ210)を経て、レーザ光走査位置θが熱遮蔽体8のエッジ8eに達したことを確認するステージ(ステップ215〜)に入り、最終的なエッジ位置を判定する(ステップ217)実施も可能である。この場合、ステップ219の処理は省略されることになる。
要するに、本発明としては、第1の走査間隔Δθ1で距離計測を行いながら、第1の判断処理を行って、その結果、エッジ位置と判断できる計測距離dの変化が判断された場合に、今度は光走査位置θを走査方向Aとは逆方向B(あるいは走査方向Bとは逆方向A)に所定量φ戻し、戻された光走査位置θrsからレーザ光101を再度走査しながら、第1の走査間隔Δθ1よりも短い第2の走査間隔Δθ2で距離計測を行いながら、第2の判断処理を行って、その結果、エッジ位置と判断できる計測距離dの変化が判断できた場合に、その変化が判断された時点の光走査位置θcでレーザ光101が熱遮蔽体8のリム8aのエッジ8eで反射されたと最終的に判定できるのあれば、その発明の範囲内でいかなる態様のアルゴリムであっても適用することができる。
また、実施例では、エッジ位置θcを計測し、エッジ位置θcを基準として距離計測を行うための走査位置θ1〜θ6を定める場合を想定した。しかし、これは一例であり、エッジθcを基準として他の計測を行ってもよい。たとえば、エッジ位置θcからシリコン単結晶10側の方向Bにレーザ光101を走査して、レーザ光101の受光出力が変化した時点でシリコン単結晶10に到達したと判断して、エッジ8eからシリコン単結晶10までの距離、つまり熱遮蔽体・シリコン単結晶間距離Dを計測する実施も可能である。本実施例によれば、エッジ位置θcが極めて精度よく計測できるため、エッジ位置θcを基準として計測される遮蔽体・シリコン単結晶間距離Dを極めて正確に求めることができる。
なお、実施例では、半導体単結晶としてシリコン単結晶を製造する場合を想定して説明したが、本発明は、ガリウム砒素などの化合物半導体を製造する場合にも同様にして適用することができる。また、実施例では、磁場印加引上げ法(MCZ法)によってシリコン単結晶10が引き上げられる場合を想定して説明したが、磁場印加することなくシリコン単結晶10を引き上げる場合にも当然本発明を適用することができる。
図1は、シリコン単結晶製造装置の構成例を示した図である。 図2は、第1の距離計測方法による距離計測装置の構成例を示した図である。 図3は、第2の距離計測方法による距離計測装置の構成例を示した図である。 図4は、従来の位置計測原理を説明する図である。 図5(a)、(b)は、従来の位置計測アルゴリズムを説明する図である。 図6(a)、(b)はそれぞれ、従来技術、本実施例の距離計測値のヒストグラムを示した図である。 図7は、実施例の位置計測アルゴリズムである。 図8は、実施例の位置計測アルゴリズムである。 図9(a)、(b)、(c)は、図7、図8の処理内容を説明する図である。 図10は、第3の距離計測方法による距離計測装置の構成例を示した図である。
符号の説明
1 シリコン単結晶製造装置、 2 CZ炉、5 融液、5 融液表面、8 熱遮蔽体、8a リム、8b 上面、8c 下面、8d 側面、8e エッジ、10 シリコン単結晶

Claims (8)

  1. 炉内のるつぼに収容された融液から半導体単結晶を引上げ成長させて半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測装置であって、
    融液の上方にあって、半導体単結晶の周囲に設けられ、下端部にリムが備えられた熱遮蔽体と、
    光を出射する光出射手段と、
    光出射手段から出射された光を、るつぼの径方向に沿って走査する光走査手段と、
    光出射手段から出射され、光走査手段によって走査された光の反射光を受光する受光手段と、
    光を走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離を、所定の第1の走査間隔毎に、逐次計測する第1の距離計測手段と、
    第1の距離計測手段によって計測された距離が、基準点と融液との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさへ変化したこと、あるいは、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさから、基準点と融液との距離に該当する大きさへ変化したことを判断する第1の判断手段と、
    第1の判断手段によって計測距離の変化が判断された場合に、光走査位置を走査方向とは逆方向に所定量戻し、戻された光走査位置から光を再度走査しながら、逐次の光走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離を、前記第1の走査間隔よりも短い第2の走査間隔毎に、逐次計測する第2の距離計測手段と、
    第2の距離計測手段によって計測された距離が、基準点と融液との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさへ変化したこと、あるいは、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさから、基準点と融液との距離に該当する大きさへ変化したことを判断する第2の判断手段と、
    第2の判断手段によって計測距離の変化が判断された場合に、その変化が判断された時点の光走査位置で光が熱遮蔽体のリムのエッジで反射されたと判定するエッジ位置判定手段と
    が備えられていること
    を特徴とする半導体単結晶製造装置における位置計測装置。
  2. 半導体単結晶引上げ時に熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測し、計測値が所望する値になるように制御しつつ半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測装置であって、
    半導体単結晶引上げ時に光が走査する方向の位置を引き上げ時の位置に固定して、この引き上げ時の固定走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測する引上げ時距離計測手段、
    が備えられ、
    引上げ時の固定走査位置は、エッジ位置判定手段で、光が熱遮蔽体のリムのエッジで反射されたと判定されたときの光走査位置を基準にして定められること
    を特徴とする請求項1記載の半導体単結晶製造装置における位置計測装置。
  3. 光が融液の液面、熱遮蔽体のリムの側面それぞれで反射する経路を辿るように引上げ時の固定走査位置が定められること
    を特徴とする請求項2記載の半導体単結晶製造装置における位置計測装置。
  4. 光走査手段は、光出射手段から出射された光を反射するミラーと、当該ミラーの光反射面の姿勢角を変化させるアクチュエータとを含んで構成され、
    アクチュエータを駆動させてミラーの光反射面の姿勢角を変化させることにより光を走査するものであること
    を特徴とする請求項1記載の半導体単結晶製造装置における位置計測装置。
  5. 光走査手段は、ステッピングモータをアクチュエータとして光を走査するものであって、
    第2の距離計測手段は、ステッピングモータが1ステップ回動される毎に、基準点と反射点との距離を計測すること
    を特徴とする請求項1または4記載の半導体単結晶製造装置における位置計測装置。
  6. 炉内のるつぼに収容された融液から半導体単結晶を引上げ成長させて半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測方法であって、
    光をるつぼの径方向に沿って走査しながら、逐次の光走査位置と、光の出射位置と、光の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と光の反射点との距離を、所定の第1の走査間隔毎に、逐次計測する第1の距離計測ステップと、
    第1の距離計測工程において計測された距離が、基準点と融液との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさへ変化したこと、あるいは、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさから、基準点と融液との距離に該当する大きさへ変化したことを判断する第1の判断ステップと、
    第1の判断ステップにおいて計測距離の変化が判断された場合に、光走査位置を走査方向とは逆方向に所定量戻し、戻された光走査位置から光を再度走査しながら、逐次の光走査位置と、光の出射位置と、光の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、基準点と反射点との距離を、前記第1の走査間隔よりも短い第2の走査間隔毎に、逐次計測する第2の距離計測ステップと、
    第2の距離計測手ステップにおいて計測された距離が、基準点と融液との距離に該当する大きさから、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさへ変化したこと、あるいは、基準点と熱遮蔽体のリムとの距離に該当する大きさから、基準点と融液との距離に該当する大きさへ変化したことを判断する第2の判断ステップと、
    第2の判断ステップにおいて計測距離の変化が判断された場合に、その変化が判断された時点の光走査位置で光が熱遮蔽体のリムのエッジで反射されたと判定するエッジ位置判定ステップと
    を含んで位置計測処理が行われること
    を特徴とする半導体単結晶製造装置における位置計測方法。
  7. 半導体単結晶引上げ時に、熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測し、計測値が所望する値になるように制御しつつ半導体単結晶を製造する半導体単結晶製造装置に適用される位置計測方法であって、
    エッジ位置判定ステップにおいて光が熱遮蔽体のリムのエッジで反射されたと判定されたときの光走査位置を基準にして、引き上げ時における光が走査する方向の位置を定めるステップと、
    半導体単結晶引上げ時に、光が走査する方向の位置を、この定められた位置に固定して、この引き上げ時の固定走査位置と、光出射手段の出射位置と、受光手段の受光位置とに基づいて、三角測量の原理により、熱遮蔽体と融液との距離または/および融液の液面レベルを計測する引上げ時距離計測ステップと
    を更に含むこと
    を特徴とする請求項6記載の半導体単結晶製造装置における位置計測方法。
  8. 光が融液の液面、熱遮蔽体のリムの側面それぞれで反射する経路を辿るように引上げ時の固定走査位置が定められること
    を特徴とする請求項7記載の半導体単結晶製造装置における位置計測方法。
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