JP2005170773A - 融液面初期位置調整装置及び融液面初期位置調整方法並びに単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】CZ法による単結晶製造において、単結晶育成前に原料融液面の上下方向の初期位置を調整する装置であって、少なくとも、光源と、前記光源によって形成される種結晶の画像を取り込む光学式カメラと、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出する画像処理手段と、前記位置を検出した種結晶の先端を前記原料融液上方に設けられた基準位置で停止させる停止手段と、前記基準位置から前記原料融液面までの距離を検出する検出手段と、前記検出された距離に応じて、前記原料融液が収容されたルツボを上下に移動させる移動手段を有することを特徴とする融液面初期位置調整装置。
【選択図】なし
Description
このように、前記光源及び光学式カメラが、前記基準位置の高さに水平方向に対向して配設されたものであり、且つ前記光学式カメラが、前記種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込むものであれば、基準位置に下降または上昇してきた種結晶が光学式カメラの視野に入った時に、種結晶の部分は光が遮られていることによって暗い画像となり、その他の部分は明るい画像となる。従って、種結晶の形状がより正確に画像として取り込まれるので、基準位置近傍での種結晶の位置をより精度高く検出することができるものとなる。
このように、前記画像処理手段が、光学式カメラが取り込んだ画像の明暗を、一定のしきい値を決めて2つのレベルに量子化する2値化処理をするものであれば、光学式カメラの視野に入った種結晶の位置をより正確に検出することができるものとなる。
このように、前記停止手段が、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、それが前記画像の上端から前記基準位置までの距離H0とが等しくなったときに、前記種結晶の上昇または下降を停止させるものであれば、種結晶の先端の位置と基準位置との比較により、種結晶の形状にかかわらず、種結晶の先端を極めて正確に基準位置に調整することができるものとなるので、原料融液表面の初期位置をより高精度に調整することができるものとなる。そして、原料融液面の初期位置が高精度に調整されれば、その後に所定の直径および品質を有する単結晶を非常に安定して製造することができる。
このように、前記光源及び光学式カメラを、前記基準位置の高さに水平方向に対向して配設し、且つ前記光学式カメラにより、前記種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込めば、基準位置に下降または上昇してきた種結晶が光学式カメラの視野に入った時に、種結晶の部分は光が遮られていることによって暗い画像となり、その他の部分は明るい画像となる。従って、基準位置近傍での種結晶の形状がより正確に画像として取り込まれるので、種結晶の位置をより精度高く検出することができる。
このように、前記画像処理の際に、光学式カメラが取り込んだ画像の明暗を2値化処理することによって前記種結晶の位置を検出すれば、光学式カメラの視野に入った種結晶の位置をより正確に検出することができる。
このように、前記種結晶を停止させる際に、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、これと前記画像の上端から前記基準位置までの距離H0とが等しくなったときに、前記種結晶の上昇または下降を停止させれば、種結晶の先端の位置と基準位置との比較により、種結晶の形状にかかわらず、種結晶の先端を極めて正確に基準位置に調整することができるので、原料融液表面の初期位置をより高精度に調整することができる。そして、原料融液面の初期位置が高精度に調整されれば、その後に所定の直径および品質を有する単結晶を非常に安定して製造することができる。
このように、前記種結晶として、円錐状または角錐状の形状を有するものであっても、従来必要だった種結晶交換作業をせずに、原料融液面の初期位置を高精度に調整できる。また、これらの形状の種結晶を用いてネッキングを行なわずに無転位種付け法により無転位の単結晶を引上げることができるので、大口径、高重量の単結晶でも安定して育成することができる。
このように、本発明によれば、種結晶の形状にかかわらず、原料融液面の初期位置を高精度に調整できるので、例えば円錐状または角錐状等の形状の種結晶を用いる無転位種付け法等により直径を200mm以上のような大口径、高重量の単結晶を製造する場合に特に有益である。
このように、本発明は、シリコン単結晶を製造する場合に、特に好適に用いることができ、それにより、所定の直径を有する高品質のシリコン単結晶を効率的に高い生産性で製造することができ、製造コストの低減を図ることができる。
そして、種結晶の先端位置の検出方法が、光源により形成される種結晶の画像を光学式カメラにより取り込み、それを処理する方法であれば、種結晶の形状そのものを画像処理するので、円柱状や角柱状ではない種結晶であっても、種結晶の先端を高精度に検出でき、種結晶の先端が基準位置に到達したとき、種結晶の上昇または下降を停止させることにより、種結晶の先端を基準位置に極めて正確に調節することができることを見出した。
図1は、本発明に係る融液面初期位置調整装置の一例を示す構成概略図である。
この融液面初期位置調整装置は、石英ルツボ14と、ワイヤ32と、シードチャック24と、種結晶26と、光源54と、光学式カメラ30と、画像処理装置56と、前記位置を検出した種結晶26の先端を原料融液16の上方に設けられた基準位置で停止させる停止手段と、前記基準位置から原料融液面16Aまでの距離を検出する検出手段と、前記検出された距離に応じて、原料融液16が収容されたルツボ14を上下に移動させる移動手段とを有する。以下、この装置と、これを用いた融液面初期位置調整方法について詳述する。
ここで用いられる光源54についてはランプやレーザー光源等特に制限はないが、形成する種結晶の画像の明るさ(明暗の違い)が一定となるものが好ましい。光学式カメラは例えばCCDカメラ等が用いられる。また、光源54と光学式カメラ30の配設については特に制限はないが、原料融液面16Aから基準位置の高さに水平方向に対向して配設されれば、種結晶の部分は光が遮られ暗い画像となり、その他は明るい画像となるので、基準位置近傍での種結晶26の位置をより精度高く検出することができるので好ましい。ここで基準位置とは、そこから種結晶26を下降させて原料融液面16Aまでの距離を検出するための基準とされる位置のことであり、原料融液16上方の任意の位置に設けることができる。そして、光源54により形成される種結晶26の画像、好ましくは種結晶26が光源54からの光を遮ってできる画像を光学式カメラ30により取り込み、画像処理装置56で例えば2値化処理等の画像処理をすることによって種結晶26の位置を正確に検出し、これをカウンタ41に出力することにより、種結晶26の先端が所定の高さ(基準位置)にあることをカウンタ41で検出することができる。
尚、原料融液面16A上のLの位置には、単結晶の直径を制御するための工業用テレビカメラ28が配置されており、これにより測定した見かけ上の直径値から実際に育成する単結晶の直径値が求められる。
まず、移動距離検出手段について説明する。ドラム34の回転軸にはパルスジェネレータ40が取り付けられ、ドラム34の回転量に比例した数のパルス及び回転の正回転・逆回転を示す信号がカウンタ41に出力される。したがって、カウンタ41では、パルスジェネレータ40により出力されたパルス及び正回転・逆回転を示す信号から、ドラム34の回転量を検出することができ、それにより、ドラム34から巻出されたワイヤ32の長さ、または巻取られたワイヤ32の長さを算出して種結晶26の上下方向の移動距離を正確に検出することができる。このように検出された移動距離の値はコントローラ52に送られる。
(実施例1)
図1に示す融液面初期位置調整装置において、ランプ光源と光学式カメラを基準位置に対向して固定し、シードチャックに角錐状の種結晶を取り付け、基準位置上方の所定の高さから5mm/minの速度で種結晶を降下させ、種結晶の先端が基準位置に到達したと検出したときに、種結晶の降下を停止させた。このとき、垂直方向のカメラの視野を50mmとした。そして、実際には原料融液面の位置となる位置に、予め黒鉛板を仮想原料融液表面として設けておいて、基準位置から種結晶を降下させ、仮想原料融液表面に種結晶の先端が接触するまでの距離を測定し、その距離が基準値となるように仮想原料融液表面の位置を調整した。これを1回測定毎に種結晶を取り替えて20回繰り返して行なった。その結果、調整した仮想原料融液表面の高さの最大と最小の差は0.5mmとなった。
融液面初期位置調整装置において、レーザー光源とレーザーセンサーを基準位置に対向して固定し、シードチャックに角柱状の種結晶を取り付け、基準位置上方の所定の高さから5mm/minの速度で種結晶を降下させ、種結晶の先端が基準位置に到達したと検出したときに、種結晶の降下を停止させた。そして、基準位置から種結晶を降下させ、実施例1と同様に設けた仮想原料融液表面に種結晶の先端が接触するまでの距離を測定し、その距離が基準値となるように仮想原料融液表面の位置を調整した。これを1回測定毎に種結晶を取り替えて20回繰り返して行なった。その結果、調整した仮想原料融液表面の高さの最大と最小の差は0.5mmとなった。
上記比較例1と同じ装置において、シードチャックに角錐状の種結晶を取り付ける以外は比較例1と同一の条件で仮想原料融液表面の位置を調整した。その結果、調整した仮想原料融液表面の高さの最大と最小の差は1.2mmとなった。
以上の結果から、レーザーセンサーを用いた装置では、角錐状の種結晶を使用して原料融液面初期位置調整をすると、角柱状の種結晶を使用した場合に比べて、種結晶の先端を正確に検出することができなかったため、調整した融液面の位置に大きなばらつきが生じることが判った。
一方、本発明のように光学式カメラを用いた装置では、角錐状の種結晶を使用して原料融液面初期位置調整をしても、レーザーセンサーを用いた装置で角柱状の種結晶を使用した場合と同程度の測定精度で、種結晶の先端を正確に検出することができたため、調整した融液面の位置も同程度の精度で調整できた。
例えば、上記では、主にシリコン単結晶を製造する場合を例に挙げて説明を行なったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば化合物半導体等をCZ法により結晶製造する場合の何れにも同様に適用することができる。
また、種結晶の形状も、円錐状や角錐状に限らず、円柱状や角柱状でももちろんよいし、その他複雑な形状のものでもよい。
16…原料融液、 16A…原料融液面、 18…ルツボ移動用モータ、
22…パルスジェネレータ、 24…シードチャック、 26…種結晶、
28…工業用テレビカメラ、 30…光学式カメラ、 32…ワイヤ、
34…ドラム、 36…ドラム回転用モータ、 40…パルスジェネレータ、
41…カウンタ、42…ベース、 44…軸受、 46…直流電源、 48…抵抗器、
50…比較器、 52…コントローラ、 54…光源、 56…画像処理装置。
Claims (12)
- チョクラルスキー法による単結晶製造において、単結晶育成前に原料融液面の上下方向の初期位置を調整する装置であって、少なくとも、光源と、前記光源によって形成される種結晶の画像を取り込む光学式カメラと、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出する画像処理手段と、前記位置を検出した種結晶の先端を前記原料融液上方に設けられた基準位置で停止させる停止手段と、前記基準位置から前記原料融液面までの距離を検出する検出手段と、前記検出された距離に応じて、前記原料融液が収容されたルツボを上下に移動させる移動手段を有することを特徴とする融液面初期位置調整装置。
- 前記光源及び光学式カメラは、前記基準位置の高さに水平方向に対向して配設されたものであり、且つ前記光学式カメラは、前記種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込むものであることを特徴とする請求項1に記載の融液面初期位置調整装置。
- 前記画像処理手段は、2値化処理によって前記種結晶の位置を検出するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の融液面初期位置調整装置。
- 前記停止手段は、前記種結晶を上昇または下降させて、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、前記画像の上端から前記基準位置までの距離H0と比較して、H=H0となったとき、前記種結晶の上昇または下降を停止させるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の融液面初期位置調整装置。
- チョクラルスキー法による単結晶製造において、単結晶育成前に原料融液面の上下方向の初期位置を調整する方法であって、少なくとも、光源により形成される種結晶の画像を光学式カメラにより取り込み、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出し、前記位置を検出した種結晶の先端を前記原料融液上方に設けられた基準位置で停止させ、前記基準位置から前記原料融液面までの距離を検出し、前記検出した距離に応じて、前記原料融液が収容されたルツボを上下に移動させることを特徴とする融液面初期位置調整方法。
- 前記光源及び光学式カメラを、前記基準位置の高さに水平方向に対向して配設し、且つ前記光学式カメラにより、前記種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込むことを特徴とする請求項5に記載の融液面初期位置調整方法。
- 前記画像処理の際に、2値化処理によって前記種結晶の位置を検出することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の融液面初期位置調整方法。
- 前記種結晶を停止させる際に、前記種結晶を上昇または下降させて、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、前記画像の上端から前記基準位置までの距離H0と比較して、H=H0となったとき、前記種結晶の上昇または下降を停止させることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の融液面初期位置調整方法。
- 前記種結晶として、円錐状または角錐状の形状を有するものを用いることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の融液面初期位置調整方法。
- 請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の方法により前記融液面の初期位置を調整した後、前記種結晶を用いて単結晶を育成することを特徴とする単結晶の製造方法。
- 前記製造する単結晶の直径を200mm以上とすることを特徴とする請求項10に記載の単結晶の製造方法。
- 前記製造する単結晶をシリコン単結晶とすることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の単結晶の製造方法。
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