JP4325389B2 - 融液面初期位置調整装置及び融液面初期位置調整方法並びに単結晶の製造方法 - Google Patents

融液面初期位置調整装置及び融液面初期位置調整方法並びに単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(Czochralski Method、以下CZ法という)による単結晶製造において、単結晶の育成前に原料融液面の上下方向の初期位置を調整する装置及び方法並びに単結晶製造方法に関するものである。
半導体デバイスの基板として用いられる単結晶には、例えばシリコン単結晶等があり、主にCZ法により製造されている。このCZ法は、高純度の多結晶材料をルツボ等に入れて一旦溶融し、通常円柱状または角柱状の種結晶を材料の融液(原料融液)に接触させてから引き上げることにより単結晶を製造する方法である。
従来、CZ法によるシリコン単結晶の製造においては、原料融液面の上方に設置した工業用テレビカメラなどを用いてシリコン単結晶と原料融液との界面における単結晶の見かけ上の直径値dを測定し、この見かけ上の直径値dに基づき単結晶の実際の直径値Dが所定の値となるように引上げ速度の制御や融液温度の調整等を行なって、略円柱形状のシリコン単結晶を得ていた。
この場合、工業用テレビカメラと融液面との距離をLとし、Lの基準値をLとしたとき、実際に育成する単結晶の直径値Dは、例えば式D=(α+βX+γX)×dで近似される。上式において、α,β,γは所定の定数であり、X=L−Lである。また、X/Lは非常に微小な数である。単結晶成長に伴い融液面が下がるので、Lは変化して大きくなるが、基準値Lが変化してしまうと、工業用テレビカメラにより測定した見かけ上の直径値dと実際の直径値Dとの関係がズレてしまい、単結晶の直径を所定の値に維持することができなくなるという問題が生じる。
一般的に、上記の基準値Lは、単結晶引上げの開始時に種結晶を原料融液面に接触させたときの工業用テレビカメラと融液面との距離の値が用いられるので、上記問題を抑えるため、この引き上げ開始時の融液面の初期位置を正確に検出し、所定の位置に高精度に調整することが非常に重要とされていた。
そこで、特許文献1では、単結晶育成前の融液面上下方向位置を調整する融液面初期位置調整装置を開示している。この特許文献1によれば、シリコン融液の上方に配設された基準位置検出器で種結晶の下端を検出して基準位置とし、そこから種結晶を降下させていき種結晶がシリコン融液面に接触した際の電気的導通を検出することによりルツボ内の原料融液面の位置を正確に測定できるので、結晶育成前にルツボを上下に移動させて原料融液面と工業用テレビカメラとの間の距離が所定値となるよう調整することができる。それにより、単結晶を製造する際に、結晶径を所定の値に高精度に制御できるとともに結晶品質も所望のものとして、単結晶の引上げを行うことが可能となる。
ところで、従来のCZ法による単結晶の製造では、単結晶を高温の原料融液に接触させた後に、熱衝撃により種結晶に高密度で発生するスリップ転位から伝播する転位を消滅させるために、引上げる単結晶の直径を一旦細くして絞り部を形成する種絞り(ネッキング)を行って無転位のシリコン単結晶を引上げている。
しかしながら、近年のシリコン単結晶の大口径化に伴い、上記のようなネッキングを行う単結晶の製造では、絞り部で単結晶の直径が細くなるために高重量化した単結晶を支持するには強度が不充分となる恐れがあり、無転位の単結晶を安定して製造することが困難となってきた。そのため、大口径で高重量の単結晶を安定して支持するために、例えば特許文献2等に開示されているように、種結晶として先端の尖った円錐状又は角錐状の形状を有するものを用いてネッキングを行わずに単結晶を引上げる無転位種付け法が採用されるようになってきた。
このような無転位種付け法を用いれば、単結晶の引上げ開始時に種結晶の先端をシリコン融液に接触させても、接触面積が小さく、先端テーパ部の熱容量が小さいため、単結晶に熱衝撃や急激な温度勾配が生じないので、スリップ転位の導入を防止することができる。そして、種結晶をシリコン融液に接触させた後、低速度で下降させて種結晶の先端テーパ部が所望の太さまで溶融すれば、種結晶に急激な温度勾配は生じないので溶融時にもスリップ転位が種結晶内に導入されない。さらにその後、種結晶をゆっくりと引上げれば、種結晶は所望の太さで無転位であるから、従来のようにネッキングを行う必要はなく、そのまま所望の直径まで拡径することにより、大口径で無転位の単結晶を安定して育成させることができる。
しかしながら、前述のようにして引上げ開始時の原料融液面の初期位置を測定する際に、従来のレーザーセンサー等の基準位置検出器では、光源からある程度幅を持ったレーザー光が出力されそれがセンサーで受光されている状態で、上昇または下降してきた種結晶がセンサーで受光されるレーザー光を遮った量が所定のしきい値を越えた時に、種結晶の先端を検出するので、上記のような先端の尖った円錐状又は角錐状の形状を有する種結晶を用いて単結晶を製造する場合、従来のような円柱状または角柱状の種結晶に比較して、検出が困難で基準位置の測定誤差が大きくなるという問題が生じた。
そのため、種結晶として円錐状又は角錐状等のものを用いる場合には、単結晶の直径を所定の値に高精度に制御するために、単結晶の引上げを始める前に、先ず円柱状又は角柱状の種結晶を用いてルツボ内の原料融液面の上下方向の位置を正確に測定してから原料融液面が所望の位置となるようにルツボを上下に移動させて調整し、その後、種結晶を単結晶引上げ用の種結晶である円錐状又は角錐状等の種結晶に交換して単結晶の引上げを開始していた。
したがって、円錐状又は角錐状の種結晶を用いる無転位種付け法では、単結晶の引上げを行う前に必ず種結晶を交換するための長時間の作業が必要となるので、大幅な時間ロスが生じて生産性の低下を招くという問題があった。また、このような種結晶の交換作業は、作業者への負担を増加させるため、作業の簡略化が望まれていた。
特開昭64−24089号公報 特開平11−199389号公報
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、例えば円錐状又は角錐状等の形状を有する種結晶を用いて、ネッキングを行わない無転位種付け法等により単結晶の引上げを行う場合であっても、原料融液表面の初期位置を高精度に検出して調整できるとともに、原料融液表面の位置を調整した後に種結晶の交換作業等の無駄な時間および作業の負荷をなくして効率的に単結晶の引上げを開始することによって、単結晶を高い生産性で製造することのできる融液面初期位置調整装置及び融液面初期位置調整方法並びに単結晶製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、チョクラルスキー法による単結晶製造において、単結晶育成前に原料融液面の上下方向の初期位置を調整する装置であって、少なくとも、光源と、前記光源によって形成される種結晶の画像を取り込む光学式カメラと、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出する画像処理手段と、前記位置を検出した種結晶の先端を前記原料融液上方に設けられた基準位置で停止させる停止手段と、前記基準位置から前記原料融液面までの距離を検出する検出手段と、前記検出された距離に応じて、前記原料融液が収容されたルツボを上下に移動させる移動手段を有することを特徴とする融液面初期位置調整装置を提供する。
このように、光源と、前記光源によって形成される種結晶の画像を取り込む光学式カメラと、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出する画像処理手段と、前記位置を検出した種結晶の先端を前記原料融液上方に設けられた基準位置で停止させる停止手段と、前記基準位置から前記原料融液面までの距離を検出する検出手段と、前記検出された距離に応じて、前記原料融液が収容されたルツボを上下に移動させる移動手段を有する融液面初期位置調整装置であれば、種結晶の形状にかかわらず、種結晶の先端を正確に検出し、それを基準位置に調整できるものなので、例えばネッキングを行なわない無転位種付け法で先端形状が円錐状や角錐状等の種結晶を用いる場合であっても、正確に基準位置に調整された種結晶からの原料融液面の距離を正確に検出することができ、これに応じてルツボを上下に移動させることにより原料融液面の初期位置を高精度に調整できるものとなる。また、このように種結晶の形状にかかわらず原料融液面の初期位置を高精度に調整できるものなので、従来の種結晶交換作業を省略することができるものとなる。
この場合、前記光源及び光学式カメラは、前記基準位置の高さに水平方向に対向して配設されたものであり、且つ前記光学式カメラは、前記種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込むものであることが好ましい。
このように、前記光源及び光学式カメラが、前記基準位置の高さに水平方向に対向して配設されたものであり、且つ前記光学式カメラが、前記種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込むものであれば、基準位置に下降または上昇してきた種結晶が光学式カメラの視野に入った時に、種結晶の部分は光が遮られていることによって暗い画像となり、その他の部分は明るい画像となる。従って、種結晶の形状がより正確に画像として取り込まれるので、基準位置近傍での種結晶の位置をより精度高く検出することができるものとなる。
また、前記画像処理手段は、2値化処理によって前記種結晶の位置を検出するものであることが好ましい。
このように、前記画像処理手段が、光学式カメラが取り込んだ画像の明暗を、一定のしきい値を決めて2つのレベルに量子化する2値化処理をするものであれば、光学式カメラの視野に入った種結晶の位置をより正確に検出することができるものとなる。
また、前記停止手段は、前記種結晶を上昇または下降させて、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、前記画像の上端から前記基準位置までの距離Hと比較して、H=Hとなったとき、前記種結晶の上昇または下降を停止させるものであることが好ましい。
このように、前記停止手段が、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、それが前記画像の上端から前記基準位置までの距離Hとが等しくなったときに、前記種結晶の上昇または下降を停止させるものであれば、種結晶の先端の位置と基準位置との比較により、種結晶の形状にかかわらず、種結晶の先端を極めて正確に基準位置に調整することができるものとなるので、原料融液表面の初期位置をより高精度に調整することができるものとなる。そして、原料融液面の初期位置が高精度に調整されれば、その後に所定の直径および品質を有する単結晶を非常に安定して製造することができる。
また、本発明は、チョクラルスキー法による単結晶製造において、単結晶育成前に原料融液面の上下方向の初期位置を調整する方法であって、少なくとも、光源により形成される種結晶の画像を光学式カメラにより取り込み、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出し、前記位置を検出した種結晶の先端を前記原料融液上方に設けられた基準位置で停止させ、前記基準位置から前記原料融液面までの距離を検出し、前記検出した距離に応じて、前記原料融液が収容されたルツボを上下に移動させることを特徴とする融液面初期位置調整方法を提供する。
このように、光源により形成される種結晶の画像を光学式カメラにより取り込み、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出し、前記位置を検出した種結晶の先端を前記原料融液上方に設けられた基準位置で停止させれば、種結晶の形状にかかわらず、種結晶の先端を正確に検出し、それを基準位置に調整できるので、例えばネッキングを行なわない無転位種付け法で円錐状や角錐状等の種結晶を用いる場合であっても、正確に基準位置に調整された種結晶からの原料融液面の距離を正確に検出し、これに応じてルツボを上下に移動させることにより原料融液面の初期位置を高精度に調整できる。また、このように種結晶の形状にかかわらず原料融液面の初期位置を高精度に調整できるので、従来の種結晶交換作業を省略することができる。
この場合、前記光源及び光学式カメラを、前記基準位置の高さに水平方向に対向して配設し、且つ前記光学式カメラにより、前記種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込むことが好ましい。
このように、前記光源及び光学式カメラを、前記基準位置の高さに水平方向に対向して配設し、且つ前記光学式カメラにより、前記種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込めば、基準位置に下降または上昇してきた種結晶が光学式カメラの視野に入った時に、種結晶の部分は光が遮られていることによって暗い画像となり、その他の部分は明るい画像となる。従って、基準位置近傍での種結晶の形状がより正確に画像として取り込まれるので、種結晶の位置をより精度高く検出することができる。
また、前記画像処理の際に、2値化処理によって前記種結晶の位置を検出することが好ましい。
このように、前記画像処理の際に、光学式カメラが取り込んだ画像の明暗を2値化処理することによって前記種結晶の位置を検出すれば、光学式カメラの視野に入った種結晶の位置をより正確に検出することができる。
また、前記種結晶を停止させる際に、前記種結晶を上昇または下降させて、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、前記画像の上端から前記基準位置までの距離Hと比較して、H=Hとなったとき、前記種結晶の上昇または下降を停止させることが好ましい。
このように、前記種結晶を停止させる際に、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、これと前記画像の上端から前記基準位置までの距離Hとが等しくなったときに、前記種結晶の上昇または下降を停止させれば、種結晶の先端の位置と基準位置との比較により、種結晶の形状にかかわらず、種結晶の先端を極めて正確に基準位置に調整することができるので、原料融液表面の初期位置をより高精度に調整することができる。そして、原料融液面の初期位置が高精度に調整されれば、その後に所定の直径および品質を有する単結晶を非常に安定して製造することができる。
この場合、前記種結晶として、円錐状または角錐状の形状を有するものを用いることが好ましい。
このように、前記種結晶として、円錐状または角錐状の形状を有するものであっても、従来必要だった種結晶交換作業をせずに、原料融液面の初期位置を高精度に調整できる。また、これらの形状の種結晶を用いてネッキングを行なわずに無転位種付け法により無転位の単結晶を引上げることができるので、大口径、高重量の単結晶でも安定して育成することができる。
また、本発明は、上記に記載の方法により前記融液面の初期位置を調整した後、前記種結晶を用いて単結晶を育成することを特徴とする単結晶の製造方法を提供する。
このように、上記の方法で融液面の初期位置を調整した後、その前記種結晶を用いて単結晶を育成すれば、所定の直径で安定した単結晶が製造できるし、種結晶を交換する必要もないので、作業時間を大幅に短縮し、生産性高く単結晶を製造できる。
この場合、前記製造する単結晶の直径を200mm以上とすることが好ましい。
このように、本発明によれば、種結晶の形状にかかわらず、原料融液面の初期位置を高精度に調整できるので、例えば円錐状または角錐状等の形状の種結晶を用いる無転位種付け法等により直径を200mm以上のような大口径、高重量の単結晶を製造する場合に特に有益である。
また、前記製造する単結晶をシリコン単結晶とすることが好ましい。
このように、本発明は、シリコン単結晶を製造する場合に、特に好適に用いることができ、それにより、所定の直径を有する高品質のシリコン単結晶を効率的に高い生産性で製造することができ、製造コストの低減を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、例えば円錐状または角錐状の種結晶を用いたネッキングを行わない無転位種付け法等により大口径、高重量の単結晶の引上げを行う場合でも、種結晶の形状にかかわらずその先端を正確に基準位置に調整できるので、原料融液表面の位置を正確に検出して原料融液表面の初期位置を高精度に調節できるとともに、原料融液表面の位置を検出した後に種結晶の交換作業を行わずに単結晶の引上げを効率的に開始でき、所定の直径を有する高品質の単結晶を高い生産性で安定して製造することができる。また、このようにして単結晶の製造を行うことにより、種結晶を付け替える作業を省略できるので、作業者への負担も大幅に低減することができる。また、連続して単結晶を引上げる場合においても、引上げ毎に融液面位置調整を容易且つ正確にできるので、結晶の品質安定性が向上する。
以下では、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来、例えば円錐状または角錐状の種結晶を用いた無転位種付け法等によって大口径で高重量の単結晶を製造する場合、正確な融液面位置調整のために、前述のように種結晶の交換作業が必要となるため、生産性の低下や作業者への負担の増大といった問題を引き起こしていた。
そこで、本発明者等は、このような問題を解消するために鋭意研究及び検討を重ねた。その結果、従来のレーザーセンサー等を用いた基準位置検出器のように、種結晶がレーザー光を遮った量が所定のしきい値を超えた時に種結晶の先端が基準位置に到達したことを検出するという方法は、種結晶が円柱状や角柱状のもののように長さ方向で幅が一定の場合は、先端の位置を精度良く検出できるが、種結晶の先端が円錐状や角錐状等のもののように長さ方向で幅が変化する場合は、その形状に従って先端の位置の検出に誤差が生じ、検出精度が悪化することを見出した。
そして、種結晶の先端位置の検出方法が、光源により形成される種結晶の画像を光学式カメラにより取り込み、それを処理する方法であれば、種結晶の形状そのものを画像処理するので、円柱状や角柱状ではない種結晶であっても、種結晶の先端を高精度に検出でき、種結晶の先端が基準位置に到達したとき、種結晶の上昇または下降を停止させることにより、種結晶の先端を基準位置に極めて正確に調節することができることを見出した。
そして、このようにして円錐状や角錐状等の種結晶の先端を基準位置に正確に調整した後、基準位置から原料融液面までの距離を検出することで原料融液面の位置を検出し、その距離または位置の検出結果に基づいて、原料融液が収容されたルツボを上下動させて原料融液面の位置を調節すれば、原料融液面の位置を極めて正確に調節することができることを見出した。さらにその後、この円錐状や角錐状等の種結晶を用いてそのまま単結晶の引き上げを行なえるので、従来必要とされていた種結晶の交換作業を省略することが可能となるため、単結晶の製造を効率的に行なうことができ、また作業者への負担も大幅に軽減できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施形態について、シリコン単結晶を引上げる場合に関して図面を参照しながらさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
図1は、本発明に係る融液面初期位置調整装置の一例を示す構成概略図である。
この融液面初期位置調整装置は、石英ルツボ14と、ワイヤ32と、シードチャック24と、種結晶26と、光源54と、光学式カメラ30と、画像処理装置56と、前記位置を検出した種結晶26の先端を原料融液16の上方に設けられた基準位置で停止させる停止手段と、前記基準位置から原料融液面16Aまでの距離を検出する検出手段と、前記検出された距離に応じて、原料融液16が収容されたルツボ14を上下に移動させる移動手段とを有する。以下、この装置と、これを用いた融液面初期位置調整方法について詳述する。
前記石英ルツボ14は黒鉛ルツボ12内に収容されている。石英ルツボ14と黒鉛ルツボ12は加熱容器に相当している。石英ルツボ14内には高純度の多結晶シリコン原料が収容され、このシリコン原料は黒鉛ルツボ12の周囲に配置されたヒータ2によりシリコンの融点(約1420℃)以上に加熱溶融され、原料融液面16Aを有する原料融液16となっている。
次に、ルツボ移動手段について説明する。黒鉛ルツボ12の底部には、ルツボ移動軸10が取り付けられ、ルツボ移動軸10は軸受44により上下移動可能に支持されている。また、ルツボ回転軸10には、上下方向への駆動を行なうルツボ移動用モータ18が取り付けられている。ルツボ移動用モータ18の始動、回転速度、停止等はコントローラ52により制御される。ルツボ移動軸10にはパルスジェネレータ22が取り付けられ、その上下移動速度に比例した数のパルスをコントローラ52に出力する。これにより、コントローラ52はルツボ移動軸10及びルツボ12、14の上下方向の移動を検出することができる。そして、これらから構成されるルツボ移動手段により、後述する検出手段により検出された距離に応じて、原料融液16が収容された石英ルツボ14を上下に移動させ、原料融液面16Aの位置を正確に調整することができる。
次に、ワイヤ32、シードチャック24、種結晶26、及び種結晶の停止手段について述べる。シリコンの融液面16A上には、例えば円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26が導電性のシードチャック24で保持されており、このシードチャック24の上端はワイヤ32に固着されている。ワイヤ32は鋼撚り線等の導電性の撚り線ワイヤであり、ドラム34に巻回されている。ドラム34は、鋼等の導電体により形成された円筒体の表面に螺旋溝等が形成されたものであり、この螺旋溝内にワイヤ32が収容されるように構成されている。ドラム34の回転軸は、例えば鋼等の導電体で形成され、この回転軸には回転駆動を行なうドラム回転用モータ36が取り付けられている。このような構成により、ドラム回転用モータ36の回転方向に応じてドラム34が回転しワイヤ32が巻取り、または巻出しされるようになっており、種結晶26を上下方向に移動及び停止することができる。ドラム回転用モータ36の始動、回転速度、回転方向、停止等はコントローラ52により制御されている。そして、これらから構成される種結晶停止手段により、種結晶26の先端を後述する基準位置に停止させることができる。なお、このとき、種結晶を上昇または下降させる速度を5mm/min以下と低速にすることにより、種結晶の先端をより正確に基準位置で停止させることができる。
なお、ドラム回転用モータ36には、図示しないネジ棒が取り付けられており、ドラム回転用モータ36の回転によりネジ棒(図示せず)がドラム34の軸方向(図1における水平方向)に移動するようになっている。このような構成により、ドラム回転用モータ36を回転駆動させてドラム34を所定方向へ回転させると、ワイヤ32が巻出されるが、この際、ネジ棒(図示せず)の移動によりワイヤ32は水平方向に曲げられることなく垂直に下降するようになっている。
次に、光源54、光学式カメラ30及び画像処理装置56について説明する。
ここで用いられる光源54についてはランプやレーザー光源等特に制限はないが、形成する種結晶の画像の明るさ(明暗の違い)が一定となるものが好ましい。光学式カメラは例えばCCDカメラ等が用いられる。また、光源54と光学式カメラ30の配設については特に制限はないが、原料融液面16Aから基準位置の高さに水平方向に対向して配設されれば、種結晶の部分は光が遮られ暗い画像となり、その他は明るい画像となるので、基準位置近傍での種結晶26の位置をより精度高く検出することができるので好ましい。ここで基準位置とは、そこから種結晶26を下降させて原料融液面16Aまでの距離を検出するための基準とされる位置のことであり、原料融液16上方の任意の位置に設けることができる。そして、光源54により形成される種結晶26の画像、好ましくは種結晶26が光源54からの光を遮ってできる画像を光学式カメラ30により取り込み、画像処理装置56で例えば2値化処理等の画像処理をすることによって種結晶26の位置を正確に検出し、これをカウンタ41に出力することにより、種結晶26の先端が所定の高さ(基準位置)にあることをカウンタ41で検出することができる。
このとき、画像処理装置56の画像の垂直方向での分解能は種結晶位置の計測精度を決定するので、必要に応じて適宜選択することができるが、例えば1/512の分解能で計測するものとできる。すなわち、例えば光学式カメラ30の垂直方向の視野が50mmであれば、このときの垂直方向の分解能、すなわち検出精度は約0.1mmとなり、極めて正確に種結晶の位置を計測、検出するものとできる。さらに光学式カメラ30のレンズを拡大レンズに交換して垂直方向の視野を例えば25mmにすれば、垂直方向の検出精度は約0.05mmとなり、種結晶位置の計測精度をさらに向上させたものとできる。従って、光学式カメラ30は、用途に合わせてレンズ交換できるものが好ましい。
種結晶26の停止は、例えば次のように行われる。図2(a)は、シードチャック24に保持された種結晶26を下降させて、光学式カメラ30が設置された基準位置に近づけたときの様子を示す概略図である。このとき、画像処理装置56の2値化処理した画像は例えば図2(b)のように検出される。例えば種結晶26を降下させて光学式カメラ30の視野に入ると画像上端から種結晶が現れ、画像上端から種結晶先端までの距離Hが測定される。そして、基準位置の画像上端からの距離Hとの比較を行い、H=Hになったとき、種結晶26の先端が基準位置に到達したことをカウンタ41が検知し、種結晶停止手段のコントローラ52によりドラム回転用モータ36を停止させて種結晶の下降を停止させることができる。
尚、原料融液面16A上のLの位置には、単結晶の直径を制御するための工業用テレビカメラ28が配置されており、これにより測定した見かけ上の直径値から実際に育成する単結晶の直径値が求められる。
次に、基準位置から原料融液面までの距離を検出する検出手段について説明する。この検出手段は、種結晶26の上下方向の移動距離を検出する手段と、種結晶26を降下させたときに、種結晶26と原料融液16が接触したことを検出する手段とからなる。
まず、移動距離検出手段について説明する。ドラム34の回転軸にはパルスジェネレータ40が取り付けられ、ドラム34の回転量に比例した数のパルス及び回転の正回転・逆回転を示す信号がカウンタ41に出力される。したがって、カウンタ41では、パルスジェネレータ40により出力されたパルス及び正回転・逆回転を示す信号から、ドラム34の回転量を検出することができ、それにより、ドラム34から巻出されたワイヤ32の長さ、または巻取られたワイヤ32の長さを算出して種結晶26の上下方向の移動距離を正確に検出することができる。このように検出された移動距離の値はコントローラ52に送られる。
次に接触検出手段について述べる。前述のルツボ移動軸を支持する軸受44は、抵抗48を介して直流電源46の一つの出力端子に電気的に接続されている。この直流電源46の他の出力端子には、ドラム34の回転軸を支持するベース42が電気的に接続されている。また、抵抗器48と直流電流46には比較器50が電気的に接続され、その出力はコントローラ52に出力されるように構成されている。
このように構成されているため、例えば円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26が原料融液に接触していない場合は、抵抗器48の端子間に生じる電圧Vと直流電流46から供給される基準電圧Vとの関係が比較器50においてV>Vとなっているため、比較器50の出力電圧はローレベルとなる。一方、種結晶26を下降させて、その先端が原料融液16に接触すると、直流電流46からベース42、ドラム34、ワイヤ32、シードチャック24、種結晶26、原料融液16、石英ルツボ14、黒鉛ルツボ12、ルツボ移動軸10、軸受44、抵抗器48からなる回路が構成されて電流が導通するため、抵抗器48に生じる電圧Vと基準電圧Vとの関係がV<Vとなり、比較器50の出力電圧はハイレベルとなる。そして、このような電圧Vと基準電圧Vとの関係に基づく比較器50からの出力信号がコントローラ52に送られることによって、コントローラ52で円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26と原料融液16との接触を正確に検知することができる。
このとき、直流電流46から供給される基準電圧Vは、様々な条件の下で円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26が原料融液16に接触したときの抵抗率48に生じる電圧Vを多数回実測しておき、そのデータに基づいて、円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26が原料融液16に接触した際に常にV<Vの関係が成立するように設定されることにより、一層正確に円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26と原料融液16との接触を検知することができる。
なお、種結晶26と原料融液16との接触検知手段として、上記のような電流の導通を検出する手段の他に、光学式カメラを用いることもできる。例えば、前述の工業用テレビカメラ28を接触検知手段として利用することができ、この工業用テレビカメラ28で原料融液面16Aを観察することにより、円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26の先端と原料融液16との接触を正確に検知することができる。
以上のような手段により円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26と原料融液16との接触がコントローラ52で検知された場合、ドラム回転用モータ36を逆回転させてワイヤ32を少し巻上げて種結晶26を原料融液16から離間させる。そして、接触の検知と接触を検知した時点での種結晶26の移動距離の検出値に基づき、カウンタ41で種結晶26の基準位置から原料融液面16Aまでの降下距離hを測定することによって、原料融液面16Aの正確な位置を容易に検出することができる。
上記のようにして原料融液面16Aの位置を検出した後、得られた融液面位置の検出結果を、コントローラ52に記憶されている融液面位置の設定値と比較する。そして、基準位置と原料融液面16Aとの間の距離hが所定の大きさ(基準値h)となるように、コントローラ52でルツボ移動用モータ18を回転させてルツボ移動軸10を上下動させて石英ルツボ14を移動させることにより、原料融液面16Aの初期位置を調整する。
このようにして原料融液面16Aの初期位置を調整した後、円錐状または角錐状の形状を有する種結晶26を降下させて原料融液16に浸漬し、回転させながら静かに引上げるCZ法により、略円柱形状のシリコン単結晶を育成することができる。このようにして、円錐状または角錐状等の形状を有する種結晶を用いたネッキングを行なわない無転位種付け法であっても、従来のような種結晶の交換作業をおこなわずに、無転位のシリコン単結晶を育成することができる。
そして、単結晶の育成中は、ルツボ移動用モータ18でルツボ12、14を結晶成長による融液面低下分だけ上昇させて原料融液面16Aを一定の高さの位置に維持しているので、工業用テレビカメラ28からの出力信号を処理することにより、育成するシリコン単結晶と原料融液16との界面における見かけ上の結晶直径dを測定し、このdの値に基づいて実際の結晶直径Dを正確に求めることができる。従って、工業用テレビカメラ28からの出力信号に基づいて、結晶直径Dが所定値となるように単結晶の引上げ速度の制御や融液温度の調整等を行なうことによって、所定の直径を有する単結晶、例えば直径が200mm以上となる大口径のシリコン単結晶を非常に安定して製造することができる。また、原料融液面の位置を正確に所望設定値とすることができるので、酸素濃度等の結晶品質も所望のものを得ることができる。また、連続して単結晶を引上げる場合は、引上げ毎に融液面位置調整を容易且つ正確にできるので、結晶の品質安定性が向上する。
以上のように、本発明の融液面初期位置調整装置によれば、円錐状または角錐状等の種結晶を用いたネッキングを行なわない無転位種付け法等により、200mm以上の大口径の単結晶を製造する場合でも、円錐状または角錐状等の種結晶の先端の位置を正確に検出することができるので、原料融液面の初期位置を高精度に調節することができるとともに、原料融液面の位置を検出した後に種結晶の交換作業を行なわずに単結晶の引上げを速やかに開始でき、所定の直径を有する高品質の単結晶を高い生産性で安定して連続して製造することができる。また、このようにして単結晶の製造を行なうことにより、種結晶を交換する作業を省略できるので、作業者の負担も大幅に低減することができる。
以下に本発明の実施例及び比較例をあげてさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので、限定的に解釈されるべきでないことは言うまでもない。
(実施例1)
図1に示す融液面初期位置調整装置において、ランプ光源と光学式カメラを基準位置に対向して固定し、シードチャックに角錐状の種結晶を取り付け、基準位置上方の所定の高さから5mm/minの速度で種結晶を降下させ、種結晶の先端が基準位置に到達したと検出したときに、種結晶の降下を停止させた。このとき、垂直方向のカメラの視野を50mmとした。そして、実際には原料融液面の位置となる位置に、予め黒鉛板を仮想原料融液表面として設けておいて、基準位置から種結晶を降下させ、仮想原料融液表面に種結晶の先端が接触するまでの距離を測定し、その距離が基準値となるように仮想原料融液表面の位置を調整した。これを1回測定毎に種結晶を取り替えて20回繰り返して行なった。その結果、調整した仮想原料融液表面の高さの最大と最小の差は0.5mmとなった。
(比較例1)
融液面初期位置調整装置において、レーザー光源とレーザーセンサーを基準位置に対向して固定し、シードチャックに角柱状の種結晶を取り付け、基準位置上方の所定の高さから5mm/minの速度で種結晶を降下させ、種結晶の先端が基準位置に到達したと検出したときに、種結晶の降下を停止させた。そして、基準位置から種結晶を降下させ、実施例1と同様に設けた仮想原料融液表面に種結晶の先端が接触するまでの距離を測定し、その距離が基準値となるように仮想原料融液表面の位置を調整した。これを1回測定毎に種結晶を取り替えて20回繰り返して行なった。その結果、調整した仮想原料融液表面の高さの最大と最小の差は0.5mmとなった。
(比較例2)
上記比較例1と同じ装置において、シードチャックに角錐状の種結晶を取り付ける以外は比較例1と同一の条件で仮想原料融液表面の位置を調整した。その結果、調整した仮想原料融液表面の高さの最大と最小の差は1.2mmとなった。
以上の結果から、レーザーセンサーを用いた装置では、角錐状の種結晶を使用して原料融液面初期位置調整をすると、角柱状の種結晶を使用した場合に比べて、種結晶の先端を正確に検出することができなかったため、調整した融液面の位置に大きなばらつきが生じることが判った。
一方、本発明のように光学式カメラを用いた装置では、角錐状の種結晶を使用して原料融液面初期位置調整をしても、レーザーセンサーを用いた装置で角柱状の種結晶を使用した場合と同程度の測定精度で、種結晶の先端を正確に検出することができたため、調整した融液面の位置も同程度の精度で調整できた。
なお、光学式カメラのレンズを拡大レンズに交換して、垂直方向のカメラの視野を25mmに狭めることにより、画像処理の分解能が向上し、種結晶の先端をさらに高精度に基準位置に調整することができ、これにより融液面初期位置の調整精度も向上させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記では、主にシリコン単結晶を製造する場合を例に挙げて説明を行なったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば化合物半導体等をCZ法により結晶製造する場合の何れにも同様に適用することができる。
また、種結晶の形状も、円錐状や角錐状に限らず、円柱状や角柱状でももちろんよいし、その他複雑な形状のものでもよい。
本発明に係る融液面初期位置調整装置の一例を示す構成概略図である。 (a)は、種結晶を下降させて基準位置に近づけたときの様子を示す概略図であり、(b)は、種結晶を下降させて基準位置に近づけたときの画像処理後における種結晶の先端の画像の一例である。
符号の説明
2…ヒータ、 10…ルツボ移動軸、 12…黒鉛ルツボ、 14…石英ルツボ、
16…原料融液、 16A…原料融液面、 18…ルツボ移動用モータ、
22…パルスジェネレータ、 24…シードチャック、 26…種結晶、
28…工業用テレビカメラ、 30…光学式カメラ、 32…ワイヤ、
34…ドラム、 36…ドラム回転用モータ、 40…パルスジェネレータ、
41…カウンタ、42…ベース、 44…軸受、 46…直流電源、 48…抵抗器、
50…比較器、 52…コントローラ、 54…光源、 56…画像処理装置。

Claims (10)

  1. チョクラルスキー法による単結晶製造において、単結晶育成前に原料融液面の上下方向の初期位置を調整する装置であって、少なくとも、原料融液上方に設けられた基準位置の高さに配設された光源と、種結晶が下降又は上昇して前記光源を遮ることにより形成される画像を取り込む、前記基準位置の高さに前記光源の水平方向に対向して配設された光学式カメラと、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出する画像処理手段と、前記位置を検出した種結晶の先端を前記基準位置で停止させる停止手段と、前記基準位置から前記原料融液面までの距離を検出する検出手段と、前記検出された距離に応じて、前記原料融液が収容されたルツボを上下に移動させる移動手段を有することを特徴とする融液面初期位置調整装置。
  2. 前記画像処理手段は、2値化処理によって前記種結晶の位置を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の融液面初期位置調整装置。
  3. 前記停止手段は、前記種結晶を上昇または下降させて、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、前記画像の上端から前記基準位置までの距離Hと比較して、H=Hとなったとき、前記種結晶の上昇または下降を停止させるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の融液面初期位置調整装置。
  4. チョクラルスキー法による単結晶製造において、単結晶育成前に原料融液面の上下方向の初期位置を調整する方法であって、少なくとも、種結晶が下降又は上昇して原料融液上方に設けられた基準位置の高さに配設された光源を遮ることにより形成される画像を、前記基準位置の高さに前記光源の水平方向に対向して配設された光学式カメラにより取り込み、前記光学式カメラが取り込んだ画像を処理して前記種結晶の位置を検出し、前記位置を検出した種結晶の先端を前記基準位置で停止させ、前記基準位置から前記原料融液面までの距離を検出し、前記検出した距離に応じて、前記原料融液が収容されたルツボを上下に移動させることを特徴とする融液面初期位置調整方法。
  5. 前記画像処理の際に、2値化処理によって前記種結晶の位置を検出することを特徴とする請求項4に記載の融液面初期位置調整方法。
  6. 前記種結晶を停止させる際に、前記種結晶を上昇または下降させて、前記種結晶が前記光学式カメラの視野に入ったとき、前記処理した画像の上端から前記種結晶の先端までの距離Hを測定し、前記画像の上端から前記基準位置までの距離Hと比較して、H=Hとなったとき、前記種結晶の上昇または下降を停止させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の融液面初期位置調整方法。
  7. 前記種結晶として、円錐状または角錐状の形状を有するものを用いることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の融液面初期位置調整方法。
  8. 請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の方法により前記融液面の初期位置を調整した後、前記種結晶を用いて単結晶を育成することを特徴とする単結晶の製造方法。
  9. 前記製造する単結晶の直径を200mm以上とすることを特徴とする請求項8に記載の単結晶の製造方法。
  10. 前記製造する単結晶をシリコン単結晶とすることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の単結晶の製造方法。
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