JP2008179302A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホイールベースの変動を低減して、走行安定性の向上を図る。
【解決手段】自動二輪車は、車体フレーム10に支持されるピボット軸109と、前記ピボット軸109を支点として後車輪3とともに上下に揺動可能なエンジンユニット20と備える。クランク軸34は、エンジンユニット20の前部に配置される。エンジンユニット20は、クランク軸34より前方にピボット軸109に取り付けられる被支持部22を有し、エンジンユニット20の後部は後車輪3の車軸4を支持する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ユニットスイング式の鞍乗型車両において、エンジンユニットを車体フレームによって支持する技術に関する。
ユニットスイング式の鞍乗型車両(例えば、スクータ)では、変速機及びエンジンを含むエンジンユニットが、その後端部において後車輪の車軸を支持するとともに、車体フレームに懸架されるピボット軸を支点として後車輪とともに揺動可能となっている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示の鞍乗型車両においては、エンジンユニットの前後方向中間部近傍がピボット軸に取り付けられ、エンジンユニットは、その中間部近傍において車体フレームによって支持されている。これによって、エンジンユニットの重心に近い部分が車体フレームに支持されることとなり、エンジンユニットは安定的に支持される。
特開2003−312578号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の鞍乗型車両では、エンジンユニットが揺動する時の支点となるピボット軸はエンジンユニットの中間部に取り付けられており、揺動時の支点から後車輪の車軸までの距離が小さい。そのため、支点周りのエンジンユニットの回転角が大きくなり、ホイールベース(前車輪の車軸と後車輪の車軸間の距離)が変動し易い。その結果、例えば、搭乗者の体重や路面の状態によってホイールベースが変動し、良好な走行安定性が得られない場合が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、ホイールベースの変動を低減して、良好な走行安定性を得ることのできる鞍乗型車両を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る鞍乗型車両は、車体フレームと、前記車体フレームに支持されるピボット軸と、車体の後部に配置される後車輪と、クランク軸を含むエンジンと前記クランク軸の回転力を前記後車輪に伝達する伝達機構とを含み、前記ピボット軸を支点として前記後車輪とともに上下に揺動可能なエンジンユニットとを備える。前記クランク軸は、前記エンジンユニットの前部に配置され、前記エンジンユニットは、前記クランク軸より前方に前記ピボット軸に取り付けられる被支持部を有するとともに、当該被支持部から車体の後方に延び、その後部において前記後車輪の車軸を支持する。
本発明によれば、ピボット軸に取り付けられる被支持部がクランク軸より前にあるので、エンジンユニットの中央部近傍がピボット軸に取り付けられる場合に比べて、ピボット軸から車軸までの距離を長くすることができる。その結果、ホイールベースの変動を低減し、走行安定性の向上を図ることができるようになる。なお、ここで鞍乗型車両は、例えば自動二輪車(スクータを含む)、四輪バギー、スノーモービル等である。
本発明の一態様では、前記被支持部は、前記エンジンユニットの最前部に位置する。この態様によれば、さらにホイールベースの変動を低減し、走行安定性の向上を図ることができるようになる。
また、本発明の他の態様では、前記ピボット軸に取り付けられる前記被支持部は、車両の走行時に前記車軸を含む水平面を跨いで上下に揺動する高さに設けられる。この態様によれば、後車輪の車軸から上下方向に大きく離れて被支持部が設けられる場合に比べて、後車輪の回転によって発生する推進力が被支持部からピボット軸を介して車体フレームに伝達され易くなる。
また、本発明の他の態様では、前記鞍乗型車両は、前記エンジンユニットの揺動を緩和する緩衝器をさらに備え、前記緩衝器は、前記ピボット軸を中心とする円の周方向に伸縮するよう配置される。この態様によれば、緩衝器の伸縮方向以外の力が当該緩衝器に加わりにくくなる。その結果、緩衝器の耐久性の向上を図ることができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態の例であるユニットスイング式の自動二輪車(スクータ)1の側面図である。図2は自動二輪車1が備える車体フレーム10の側面図であり、図3は車体フレーム10の平面図であり、図4はエンジンユニット20の側面図である。なお、図2においては、車体フレーム10とともに、エンジンユニット20と緩衝器50とが示されている。また、図3においては、エンジンユニット20が二点鎖線で示されている。
図1に示すように、自動二輪車1は、車体フレーム10、エンジンユニット20の他に、前車輪2と、後車輪3と、ピボット軸109と、緩衝器50とを備えている。前車輪2は、自動二輪車1の前部に配置され、その車軸2aは斜め上下方向に延伸するフロントフォーク7の下端部によって支持されている。フロントフォーク7の上部は、車体フレーム10が備えるヘッドパイプ101によって回転可能に支持されている。フロントフォーク7の上端部にはハンドル8が接続されている。後車輪3は、自動二輪車1の後部に配置されている。後車輪3の車軸4は、エンジンユニット20の後部によって回転可能に支持されている。後車輪3は、エンジンユニット20とともに車体フレーム10に対して上下に揺動可能となっている。
図2又は図3に示すように、車体フレーム10は、ヘッドパイプ101の他に、左右一対の右フレーム10Rと左フレーム10Lとを含んでいる。右フレーム10Rと左フレーム10Lは、それぞれ上側フレーム部102と、下側フレーム部103と、後側フレーム部104と、シートステー105と、ピボット支持部108と、支持板部118とを含んでいる。また、車体フレーム10は、右フレーム10Rと左フレーム10Lとに掛け渡される前クロス部111と、緩衝器支持部112と、後側クロス部113とを含んでいる。
図2に示すように、下側フレーム部103の前端部(上端部)103aは、ヘッドパイプ101の下部に接合している。左右の下側フレーム部103,103は、それぞれ前端部103aから側方に広がるとともに(図3参照)、下方に延伸し、屈曲部103bにおいて後方に屈曲している。下側フレーム部103の後端部103cは、上方に向けて屈曲し、後側フレーム部104に連なっている。図3に示すように、左右の下側フレーム部103の後端部103cには、緩衝器支持部112が掛け渡されている。緩衝器支持部112は車幅方向に延伸し、その中央部に緩衝器取付部119が接合している。この例では、緩衝器支持部112は、横断面が略C字状となる部材である。また、緩衝器取付部119は、一対の板状の部材であり、斜め下方に突出するように緩衝器支持部112の内側の面に接合されている(図4参照)。
図2に示すように、後側フレーム部104は、縦フレーム部104aと、傾斜フレーム部104bと、後方延伸部104cとを含んでいる。縦フレーム部104aは、下側フレーム部103の後端部103cから上方に向けて延伸し、その上端部104dは、斜め後方に向けて屈曲している。傾斜フレーム部104bは上端部104dに連なり、車体の後部に向けて斜め後方に延伸している。傾斜フレーム部104bの上端部104eは、後方に向けて屈曲し、当該上端部104eに後方延伸部104cが連なっている。左右の後方延伸部104c,104cには、後側クロス部113が掛け渡されている(図3参照)。
上側フレーム部102の前端部(上端部)102aは、ヘッドパイプ101の上部に接合している。上側フレーム部102は、下側フレーム部103の上方において、前端部102aから側方に広がるとともに(図3参照)、下方に延伸し、屈曲部102bにおいて後方に屈曲している。上側フレーム部102は、屈曲部102bから後方に延伸し、その後端部102cは、縦フレーム部104aの上端部104dに垂直に接合している。左右の上側フレーム部102の前部には、前側クロス部111が掛け渡されている(図3参照)。
シートステー105は、車体の前後方向に延伸し、その後端部105aは、傾斜フレーム部104bの中途部に接合している。図1に示すように、シートステー105の上方にはシート9が配置され、シートステー105は当該シート9を支持している。シート9の下方には、収納ケース11が配置されている。収納ケース11は、左右のシートステー105及び上側フレーム部102の間に位置している。図2に示すように、シートステー105の前部と、上側フレーム部102との間には、斜め上下方向に延伸する支柱部107が掛け渡されている。
図2に示すように、縦フレーム部104aと傾斜フレーム部104bには、傾斜フレーム部104bの中途部から縦フレーム部104aの下端部まで延伸する支持板部118が接合している。支持板部118は、縦フレーム部104aと傾斜フレーム部104bから車体の後方に張り出すように設けられている。支持板部118の下部は、ピボット支持部108を支持している。この例では、ピボット支持部108は円筒状の部材であり、その外周面に支持板部118の下部が接合している。左右のピボット支持部108,108は、車幅方向に延伸するピボット軸109を支持している。
なお、上側フレーム部102の前端部102aと、下側フレーム部103の前端部103aとには、補強板115が接合している。また、下側フレーム部103の屈曲部103bと上側フレーム部102の屈曲部102bとには、2本の支柱部116a,116bが掛け渡されている。
図3又は図4に示すように、エンジンユニット20は、エンジン30と、エンジン30が出力する動力を後車輪3に伝達する伝達機構40と、リアアーム21とを備えている。また、エンジンユニット20は、ピボット軸109に取り付けられる左右一対の被支持部22,22と、緩衝器50が取り付けられる緩衝器取付部23とを備えている。上述したように自動二輪車1はユニットスイング式の車両であり、エンジンユニット20は、その後部において後車輪3の車軸4を支持し、後車輪3とともにピボット軸109を支点として上下に揺動可能となっている。
図4に示すように、エンジン30は、内部にシリンダ31が形成されたシリンダブロック30aと、シリンダブロック30aの上部を覆うシリンダヘッド30bと、クランク機構32と、バランサ機構36と、クランクケース30cと、を備えている。クランク機構32は、ピストン33と、クランク軸34と、クランク軸34とピストン33とを連結するコンロッド35と、を備えている。
シリンダブロック30a及びシリンダヘッド30bは、シリンダ31の軸線方向(図4においてCが示す方向)が車体の上下方向に向く姿勢で配置されている。図1に示すように、シリンダブロック30a及びシリンダヘッド30bの前方に、収納ケース11が配置されている。なお、図4に示す例では、シリンダ31は、車体の後方に向けて僅かに傾斜している。クランクケース30cは、エンジンユニット20の前部に設けられ、車幅方向に延伸するクランク軸34を収容している(図3参照)。ピストン33は、インジェクタ(不図示)から供給された燃料が燃焼することによって、シリンダ31内を往復運動する。クランク機構32は、ピストン33の往復運動をクランク軸34の回転運動に変換する。
伝達機構40は、クランク軸34の回転を減速して後車輪3の車軸4に伝達する。この例では、伝達機構40は、無段変速機構41と、被駆動軸45、中間軸46と、を備え、これらは後車輪3の左側に配置される伝動ケース47に収容されている。伝動ケース47の前部47aはクランクケース30cの側部に取り付けられ(図3参照)、伝動ケース47は当該前部47aから車体の後方に延びている。
無段変速機構41は、駆動プーリ42と、被駆動プーリ43と、駆動プーリ42と被駆動プーリ43とに巻かれるVベルト44とを備えている。駆動プーリ42は、伝動ケース47の前部47aに収容されている。駆動プーリ42は、クランク軸34の端部に取り付けられており、当該クランク軸34とともに回転する。被駆動軸45は、伝動ケース47の後部において、後車輪3の車軸4から離れて配置されている。被駆動プーリ43は、被駆動軸45に対して空転するように当該被駆動軸45に嵌められている。クランク軸34の回転力は、駆動プーリ42と、Vベルト44とを介して、被駆動プーリ43に伝達される。Vベルト44の駆動プーリ42と被駆動プーリ43とに巻かれた部分の半径は、クランク軸34の回転数に応じて変化し、これによって減速比が無段階で変化する。
伝達機構40は、被駆動軸45と同軸上に遠心クラッチ(不図示)を備えている。被駆動プーリ43に伝達された回転力は、接続状態にある遠心クラッチを介して、被駆動軸45に伝達される。被駆動軸45には、当該被駆動軸45と連動するギア45aが嵌められている。被駆動軸45に伝達された回転力は、ギア45aと、当該ギア45aと噛み合うとともに中間軸46とともに連動するよう設けられた大径ギア46aを介して、中間軸46に伝達される。中間軸46には、大径ギア46aとともに、当該大径ギア46aより径の小さい小径ギア46bが嵌められている。中間軸46に伝達された回転力は、小径ギア46bと、当該小径ギア46bと噛み合うとともに車軸4と連動するギア4aを介して、車軸4に伝達される。
図2に示すように、リアアーム21は、後車輪3の右側に配置される概略三角形状の部材であり、その前部がクランクケース30cに取り付けられている。リアアーム21は、クランクケース30cへの取付位置から後方に延伸し、その後端部において車軸4を支持している。
被支持部22,22は、図3又は図4に示すように、クランク軸34の前方に設けられ、エンジンユニット20の最前部に位置している。この例では、被支持部22,22は、クランクケース30cの前側の壁部30dから前方に突出するように形成されている(図4参照)。エンジンユニット20は被支持部22,22から後方に延びるように設けられ、伝動ケース47の後部及びリアアーム21の後端部が後車輪3の車軸4を回転可能に支持している。図5は、車体フレーム10のピボット支持部108,108及び支持板部118を後方から臨む様子を示す図である。被支持部22には、車幅方向に延伸する挿通孔22aが設けられており、当該挿通孔22aにピボット軸109が挿通されている。これによって、被支持部22は路面の凹凸に応じてピボット軸109に対して回転し、ピボット軸109を支点とするエンジンユニット20の揺動が可能となっている。
また、図1に示すように、被支持部22が取り付けられるピボット軸109と車軸4とが含まれる仮想平面Pは路面に対して略平行となっている。被支持部22は、車両の走行時に車軸4を含む水平面(路面と平行な面)を跨いで上下に揺動する高さに設けられている。
なお、図5に示すように、ピボット支持部108には、ピボット軸109を挿通するための車幅方向に延伸する挿通孔が形成されている。この挿通孔の内側には、ピボット軸109の外径に相応した内径を有する円筒状のブッシュ108aが配置されている。ピボット軸109は、このブッシュ108aの内側に挿通されており、ピボット支持部108は、ブッシュ108aを介してピボット軸109を支持している。
緩衝器取付部23は、図4に示すように、車体フレーム10の緩衝器取付部119の後方に設けられ、クランクケース30cの下側の壁部30eから下方に突出するように形成されている。この緩衝器取付部23には、緩衝器50の後端部が取り付けられている。
上述したように、エンジン30は、バランサ機構36を備えている。バランサ機構36は、ピストン33の往復運動によるエンジンユニット20の振動を抑制する機構である。図4に示すように、バランサ機構36は、バランサ軸37と、バランサ軸37とともに回転するギア37cと、同じく、バランサ軸37とともに回転するバランサウェイト37wとを備えている。ギア37cは、クランク軸34とともに回転するギア(不図示)に噛み合っており、バランサ軸37はクランク軸34とは反対向きに等速度で回転する。本実施の形態では、バランサ軸37の位置と、バランサ軸37の周方向におけるバランサウェイト37wの位置は、被支持部22の振動を抑制し、エンジンユニット20の振動が被支持部22からピボット軸109に伝達されないように設定されている。バランサ機構36については、後において詳細に説明する。
緩衝器50は、路面の凹凸に応じて伸縮することでエンジンユニット20及び後車輪3の急激な揺動を緩和するものであり、図4に示すように、車体フレーム10の緩衝器取付部119と、クランクケース30cに形成された緩衝器取付部23とに掛け渡されている。緩衝器50は、ダンパ52と、エンジン側取付部55と、フレーム側取付部56とを備え、ダンパ52は、ケース53と、ロッド54とを備えている。
ケース53の内部にはシリンダ53aが設けられ、当該シリンダ53aにはオイルやガスが封入されている。ロッド54の前端部には、ピストン53bが取り付けられている。ピストン53bはシリンダ53aに収容されている。ロッド54は、エンジンユニット20の揺動に応じて、ピストン53bを牽引又は押圧する。この例では、シリンダ53a内にコイルスプリング51が配置されている。コイルスプリング51は、ダンパ52が収縮するように(短くなるように)、ピストン53bを押圧している。
エンジン側取付部55は、ダンパ52から後方に延伸している。エンジン側取付部55の後端部は、ボルト27によってエンジンユニット20の緩衝器取付部23に取り付けられ、緩衝器取付部23に対して回転可能となっている。
フレーム側取付部56は、ダンパ52から前方に延伸し、その前端部は、ボルト28によって車体フレーム10の緩衝器取付部119に取り付けられている。
緩衝器50は、ピボット軸109の下方において、路面と略平行に設けられている。また、フレーム側取付部56はピボット軸109より前方に位置し、エンジン側取付部55はピボット軸109より後方に位置している。これによって、緩衝器50の伸縮方向(図4においてSに示す方向)がピボット軸109を中心とする円の周方向を向いている。すなわち、図4においては、ピボット軸109の中心を通り径方向に延伸する直線Tに対して方向Sが略垂直となっている。
ここで、エンジン30内に配置されるクランク機構32と、バランサ機構36とについて説明する。図6及び図7は、クランク機構32とバランサ機構36との位置関係を説明するための図である。上述したように、バランサ機構36は、バランサ軸37と、バランサウェイト37wとを備えている。また、クランク機構32は、ピストン33と、クランク軸34と、コンロッド35とを含んでいる。クランク軸34には、当該クランク軸34を挟んでクランクピン34pの反対側に設けられクランク軸34とともに回転するカウンタウェイト34w1が設けられている。また、クランク軸34の周方向においてカウンタウェイト34w1とは異なる位置に、クランク軸34とともに回転するウェイト34w2が設けられている。なお、図6及び図7において、カウンタウェイト34w1と、ウェイト34w2は、簡略化のため黒丸として表されている。また、図7において、バランサウェイト37wは、黒丸として表されている。また、ここでは、簡略化のため、カウンタウェイト34w1とウェイト34w2とクランクピン34pは、クランク軸34の軸中心Coからの距離が等しい位置(図6において距離rとなる位置)に設けられているものとして説明する。
本実施の形態において、バランサ軸37の位置と、バランサ軸37の周方向におけるバランサウェイト37wの位置と、クランク軸34の位置と、クランク軸34の周方向におけるウェイト34w2の位置は、被支持部22を介してピボット軸109に伝達される振動が低減されるように設定されている。
まず、クランク軸34の周方向におけるウェイト34w2の位置について説明する。クランク機構32には、カウンタウェイト34w1と、ウェイト34w2と、クランクピン34pと、コンロッド35の大端部側(クランク軸34側)が、クランク軸34の軸中心Coの回りを回転することによって、遠心力が生じる。これらの部材の遠心力を合わせた遠心力は、図6においてf1として示されている。この遠心力f1の方向は、クランク軸34の位相に応じて回転する。図6においては、遠心力f1のベクトルの軌跡は円S1として表されている。また、ピストン33とコンロッド35の小端部側(ピストン33側)とが、シリンダ31内を往復運動することによって、クランク機構32には、シリンダ31の軸線方向Yの慣性力が生じる。この慣性力のうち一次慣性力f2は、クランク軸34の位相に応じて変動する。そのため、クランク機構32には一次慣性力f2と遠心力f1との合力(以下、慣性力F1とする)が働く。そして、この慣性力F1の方向はクランク軸34の回転とともに回転する。図6においては、慣性力F1のベクトルの軌跡は楕円S2として表されている。
ここで説明する例では、カウンタウェイト34w1の質量は、クランクピン34pとコンロッド35の大端部側など回転運動する部分の質量と等しくなっている。この場合、楕円S2の長軸の方向(図6においてXの示す方向)は、ピストン33やコンロッド35の小端部など往復運動する部分の質量Mpとウェイト34w2の質量Mcとの比k(以下、質量比率とする(k=Mc/Mp))と、クランク軸34の周方向におけるウェイト34w2の位置に応じて定まる。すなわち、シリンダ31の軸線方向Yと、方向Xの示す方向とがなす角度をχとし、ウェイト34w2の位置とクランクピン34pの位置とがなす角をφとすると、例えば、日刊工業新聞社発行の「機械設計」第8巻第9号第43−44頁に記載されるように、角度χは、次の式で表される。
χ={tan−1(2k×sinφ)/(1+2k×cosφ)}/2・・・式(1)
そして、本実施の形態では、楕円S2の長軸の方向Xが、エンジンユニット20の重心Gとピボット軸109の軸中心Poとを結ぶ直線L1と平行になるように、ウェイト34w2の質量Mc及び位置(図6においては角度φ)が設定されている。なお、この例では、楕円S2の方向を調整するウェイト34w2と、カウンタウェイト34w1とが別のものであるとして説明したが、これらは一体成形されてもよい。
次に、バランサ機構36について説明する。バランサ軸37は、図7に示すように、当該バランサ軸37の軸中心Boとクランク軸34の軸中心Coとを結ぶ直線L2が、上述した直線L1と平行になる位置に配置されている。上述したように、バランサ軸37には、当該バランサ軸37とともに回転するバランサウェイト37wが設けられている。そのため、バランサ機構36では、バランサ軸37とバランサウェイト37wの回転による遠心力F2が生じる。図7において、遠心力F2のベクトルの軌跡は、円S3として表されている。バランサウェイト37wは、バランサ軸37の軸中心Boの周りを慣性力F1と同じ方向に回転するよう設けられている。また、バランサ軸37の周方向におけるバランサウェイト37wの位置は、遠心力F2の方向が上述した楕円S2の長軸及び短軸の方向に向いている慣性力F1に対して反対方向になるように設定されている。
次に、クランク軸34とバランサ軸37との位置関係と、バランサウェイト37wの質量とについて説明する。
図7に示すように、バランサ軸37は、クランク軸34から離間して配置されている。そのため、エンジンユニット20には、遠心力F2と慣性力F1のモーメントが生じる。エンジンユニット20は、このモーメントによって振動し、ピボット軸109には加速度が生じる。また、ピボット軸109には、遠心力F2と慣性力F1との合力による加速度も生じる。
ここで説明する例では、この合力によって生じる加速度を、遠心力F2と慣性力F1のモーメントによって生じる加速度が低減するように、バランサウェイト37wの質量と、バランサ軸37とクランク軸34との位置関係とが設定されている。具体的には、バランサウェイト37wの質量は、バランサ機構36の遠心力F2がクランク機構32の慣性力F1の最大値と等しくなるように設定されている。そのため、図7においては、円S3の半径と楕円S2の長軸の半径は等しくなっている。
また、クランク軸34とバランサ軸37の位置関係は、具体的には、次のように設定されている。図7に示すように、エンジンユニット20の重心Gとピボット軸109の軸中心Poとを結ぶ直線L1から、クランク軸34の軸中心Coとバランサ軸37の軸中心Boとを結ぶ直線L2までの距離をLとする。また、エンジンユニット20の重心Gからピボット軸109の軸中心Poまでの距離をLpとする。また、重心Gを通りVD方向(直線L1及び直線L2に垂直な方向)に平行な直線L3からバランサ軸34の軸中心Boまでの距離をLbとする。さらに、直線L3からクランク軸34の軸中心Coまでの距離をLcとする。このとき、各距離が次の式(2)を満たすように、クランク軸34とバランサ軸37の位置が設定されている。
A×{M×Lp(Lb+Lc)+2I}=M×Lp×Lc+I ・・・・(2)
なお、式(2)において、Mはエンジンユニット20の質量であり、Iは、重心Gを通り車幅方向と平行な直線に関するエンジンユニット20の慣性モーメントである。また、値Aは、クランク機構32の慣性力F1のベクトルによって描かれる楕円S2の長軸と短軸との比率(長軸:短軸=A:(1−A))である。この値Aは、例えば、日刊工業新聞社発行の「機械設計」第8巻第9号第43−44頁に記載されるように、上述した楕円S2の長軸の方向Xとシリンダ31の軸線方向Sがなす角度χと、ウェイト34w2とクランクピン34pとがなす角φと、質量比率kとによって、次の式(3)によって表される。
A=k×sin(φ−χ)/sinχ ・・・(3)
以下、式(2)について詳細に説明する。
まず、バランサ機構36の遠心力F2のVD方向の成分F2v及びPD方向(直線L2と平行な方向)の成分F2pと、クランク機構32の慣性力F1のVD方向の成分F1v及びPD方向の成分F1pと、を算出する。
ピストン33など、クランク機構32において往復運動する部分(質量m)に生じる一次慣性力の最大値をF(F=mrω2、r=クランク軸34の軸中心Coからクランクピン34pまでの距離、ω=クランク軸34の角速度)とすると、例えば、日刊工業新聞社発行の「機械設計」第8巻第9号第43−44頁に記載されるように、楕円S2の長軸の半径(クランク機構32における慣性力F1の最大値)はA×Fとなる。また、短軸の半径(慣性力F1の最小値)は(1−A)×Fとなる。図7に示すように、直線L2に対するクランク機構32の慣性力F1の角度をθとすると、バランサ機構36の遠心力F2の角度は、π+θとなる。従って、クランク軸34の慣性力F1のVD方向の成分F1vは、(1−A)×Fsinθとなる。また、クランク軸34の慣性力F1のPD方向の成分F1pは、A×Fcosθとなる。また、バランサ機構36の遠心力F2がクランク機構32の慣性力F1の最大値と等しくなるようにバランサウェイト37wの質量が設定されているため、バランサ機構36の遠心力F2のVD方向の成分F2vは、A×Fsin(π+θ)となり、PD方向の成分F2pは、A×Fcos(π+θ)となる。
次に、遠心力F2と慣性力F1のモーメントによって生じるピボット軸109の加速度のVD方向の成分(図7にいおいてa1)を算出する。慣性力F1と遠心力F2の、重心GまわりのモーメントNは、次の式(4)のように表わされる。
N=F1p×L+F2p×L+F1v×Lc+F2v×Lb
=A×Fcosθ×L+ A×Fcos(π+θ)×L+(1−A)×Fsinθ×Lc+A×Fsin(π+θ)×Lb ・・・・(4)
ここで、cos(π+θ)=−cosθ、sin(π+θ)=−sinθであるから、式(4)は、次の式(5)のように表わされる。
N=(1−A)×Fsinθ×Lc−A×Fsinθ×Lb ・・・・(5)
また、モーメントNによる重心Gまわりの角加速度をβとし、モーメントNによって生じる軸中心PoのVD方向の加速度をa1とすると、VD方向の加速度a1および角加速度βは、それぞれ、次の式(6)および式(7)のように表わされる。
a1=Lp×β ・・・・(6)
β=N/I ・・・・(7)
ここで、Iは、上述したように、重心Gを通り車幅方向に平行な直線に関するエンジンユニット20の慣性モーメントである。
前記式(5)より、前記式(7)は、次の式(8)のように表わされる。
β={(1−A)×Fsinθ×Lc−A×Fsinθ×Lb}/I・・(8)
前記式(6)および式(8)より、加速度a1は、次の式(9)のように表わされる。
a1=Lp×{(1−A)×Fsinθ×Lc−A×Fsinθ×Lb}/I・・・(9)
また、慣性力F1と遠心力F2との合力によって生じる軸中心PoのVD方向の加速度a2は、次の式(10)のように表わされる。
a2=(F1v+F2v)/M
={(1−A)×Fsinθ+A×Fsin(π+θ)}/M
={(1−A)×Fsinθ−A×Fsinθ}/M
=(1−2A)×Fsinθ/M ・・・・(10)
ここで、Mは、上述したように、エンジンユニット20の質量である。
ここで、モーメントNによって生じる軸中心PoのVD方向の加速度a1と、慣性力F1と遠心力F2との合力によって生じる軸中心PoのVD方向の加速度a2とが相殺する場合には、すなわち、a1+a2=0となる場合には、ピボット軸109の軸中心Poがエンジンユニット20の瞬間回転中心となり、ピボット軸109のVD方向の振動が抑制される。そして、加速度a1と加速度a2の合計は、前記式(9)および(10)より次の式によって表される。
a1+a2=Lp×{(1−A)×Fsinθ×Lc−A×Fsinθ×Lb}/I+(1−2A)×Fsinθ/M=0
これを整理すると次の式のようになる。
Fsinθ[Lp×{(1−A)×Lc−A×Lb}/I+(1−2A)/M]=0
このとき、F≠0であるから、
sinθ[Lp×{(1−A)×Lc−A×Lb}/I+(1−2A)/M]=0
となる。ここで、sinθ≠0(θ≠0、πの場合)のときは、次の式(11)を満たす。
Lp×{(1−A)×Lc−A×Lb}/I+(1−2A)/M=0 ・・(11)
前記式(11)を整理することによって、クランク機構32に生じる慣性力F1のベクトルによって描かれる楕円S2の長軸と短軸の比率Aと、距離Lp、Lc、Lbの関係は、上述した式(2)と等しい次の式によって表される。
A×{M×Lp(Lb+Lc)+2I}=M×Lp×Lc+I
また、sinθ=0(θ=0、πの場合)のときは、加速度a1および加速度a2は、前記式(9)および(10)より、それぞれ、a1=0およびa2=0となるのでa1+a2=0を満たす。以上が、クランク軸34とバランサ軸37と重心Gとの位置関係を定める式(2)の説明である。
なお、PD方向に生じる軸中心Poの加速度は0となっている。すなわち、直線L1と直線L2とは平行であるので、上述したモーメントNによってPD方向に生じる軸中心Poの加速度a3は0となる。
また、慣性力F1と遠心力F2の合力によってPD方向に生じる軸中心Poの加速度a4は、次の式(13)のように表わされる。
a4=(F1p+F2p)/M
={A×Fcosθ+A×Fcos(π+θ)}/M
={A×Fcosθ−A×Fcosθ}/M
=0 ・・・・(13)
これにより、a3+a4=0となり、PD方向に生じる軸中心Poの加速度も0となっているので、ピボット軸109の軸中心PoのPD方向の振動が抑制される。
以上説明した自動二輪車1によれば、ピボット軸109に支持される被支持部22が、クランクケース30cの前側の壁部30dから前方に突出し、エンジンユニット20の最前部に設けられている。そのため、ピボット軸109から後車輪3の車軸4までの距離が大きくなり、ホイールベースの変動が抑制され、自動二輪車の走行安定性を向上させることができる。
また、ユニットスイング式の自動二輪車では、一般的に、エンジンユニットは、その振動が車体フレームに伝達されるのを防止する防振用の懸架部材を介して車体フレームに支持される。この場合、車体フレーム等の寸法を変えることなく、エンジンユニットを車体フレームに対してより後方に配置し、ホイールベースを大きくしようとする場合には、懸架部材を後方に延伸させる必要が生じ、その構造が複雑になる。しかしながら、以上説明した自動二輪車1では、エンジンユニット20の被支持部22は、そのような懸架部材を介することなく、ピボット軸109に取り付けられている。そのため、例えば、被支持部22の前方への突出量を増やすことで、容易に車体フレーム10に対するエンジンユニット20の位置を調整し、適切なホイールベースを設定することができる。また、エンジンユニットが、防振用の懸架部材を介して車体フレームに支持される場合には、エンジンユニットが必ずしも車体フレームと一体的に動くものでないため、例えば加速時には搭乗者は後車輪の回転速度の上昇から遅れて車両が加速し始めたと感じ、良好な操作感が得られない場合がある。しかしながら、自動二輪車1では、エンジンユニット20は、そのような懸架部材を介することなく、ピボット軸109に取り付けられている。これによって、搭乗者は、後車輪3の回転速度の上昇から遅滞することなく、車両が加速し始めたと感じることができ、操作感の向上を図ることができる。
また、シリンダ31の軸線方向が上下方向に向くように、シリンダブロック30a及びシリンダヘッド30bが配置され、緩衝器50はエンジンユニット20の下方に配置されている。これによって、シート9の下方のスペースを有効に利用できるようになる。例えば、上述したように収納ケース11をシート9の下方に設けることができる。また、エンジン30はバランサ機構36を備えている。そのため、シリンダ31内をピストン33が上下方向に往復することによって生じる振動が被支持部22及びピボット軸109を介して車体フレーム10に伝達されることが防止される。
なお、本発明は、以上説明した自動二輪車1に限られず、種々の変形が可能である。例えば、自動二輪車1は、車両の動力源として、燃料を燃焼させて駆動するエンジン30を備えていた。しかしながら、動力源はこのようなエンジンに限られず、電力の供給を受けて駆動する電気モータとエンジンとを組み合わせたハイブリッド・エンジンでもよい。
また、以上説明した自動二輪車1では、シリンダ31の軸線方向が上下方向に向くように、シリンダブロック30a及びシリンダヘッド30bが配置されていた。しかしながら、シリンダの軸線方向が車体の前後方向に向くように、シリンダブロック及びシリンダヘッドが配置されてもよい。図8は、この形態に係る自動二輪車1Aが備える車体フレーム10A及びエンジンユニット20Aの側面図である。同図において、自動二輪車1と同一箇所には同一符号を付し、その説明を省略する。
同図に示すように、自動二輪車1Aは、エンジンユニット20Aの他に、緩衝器50Aとを備えている。エンジンユニット20Aは、エンジン30Aと、伝達機構40Aと、リアアーム21Aとを備えている。エンジン30Aは、シリンダブロック300aと、シリンダヘッド300bと、クランクケース300cとを含んでいる。シリンダブロック300aの内部には、シリンダ31が形成されている。シリンダブロック300aは、シリンダ31の軸線方向が概ね車両の前後方向を向くように、前方に傾斜している。シリンダ31の内部にはピストン33が配置されている。
クランクケース300cは、シリンダブロック300aの後部に配置されている。クランクケース300cには、当該クランクケース300cの下側の壁部から前方に突出する被支持部22Aが形成されている。被支持部22Aの端部は、シリンダブロック300aの下方に位置し、車体フレーム10のピボット支持部108によって支持されたピボット軸109に取り付けられている。
クランクケース300cの内部には、車幅方向に延伸するクランクシャフト34が配置されている。自動二輪車1Aにおいても、被支持部22Aはクランクシャフト34より前方に位置している。
リアアーム21Aの前側の上端部には、緩衝器取付部23Aが形成されている。この緩衝器取付部23Aには、緩衝器50Aに設けられたエンジン側取付部55Aが緩衝器取付部23Aに対して回転可能となるように取り付けられている。緩衝器50Aは、シリンダブロック300a及びクランクケース300cの上方に配置されている。また、緩衝器50Aは、その伸縮方向(同図においてSに示す方向)が概ね車体の前後方向であって、ピボット軸109の周方向に向くように配置されている。すなわち、緩衝器50Aの伸縮方向Sと、ピボット軸109の軸心を通り径方向に延伸する直線Tとが略垂直となっている。
自動二輪車1Aでは、左右の傾斜フレーム部104bに緩衝器支持部112Aが掛け渡されており、当該緩衝器支持部112Aに一対の板状の部材からなる緩衝器取付部119Aが接合されている。この緩衝器取付部119Aに緩衝器50Aのフレーム側取付部56Aが取り付けられている。フレーム側取付部56Aは、ピボット軸109より車体の前方に位置し、エンジン側取付部55Aは、ピボット軸109より車体の後方に位置している。なお、緩衝器50Aは、フレーム側取付部56Aとエンジン側取付部55Aとの間隔を押し広げる方向に力を働かせるコイルスプリング51Aを有している。
自動二輪車1Aにおいても、被支持部22Aはクランクシャフト34より前方に位置している。これによって、例えば、エンジンユニット20Aの重心に近い中央部近傍が車体フレーム10によって懸架される場合に比べて、ピボット軸109と後車輪3の車軸4との距離を大きくできている。また、シリンダ31の軸線方向が車体の前後方向に向くように、シリンダブロック300a及びシリンダヘッド300cが配置されているので、エンジンユニット20Aの上方のスペースが有効に利用できるようになる。
本発明の一実施形態の例である自動二輪車の側面図である。 上記自動二輪車が備える車体フレームの側面図である。 上記車体フレームの平面図である。 上記自動二輪車のエンジンユニットの側面図である。 上記車体フレームのピボット支持部、及び支持板部を後方から臨む様子を示す図である。 上記エンジンユニット内に配置されるクランク機構を説明するための図である。 上記クランク機構とバランサ機構との位置関係を説明するための図である。 本発明の他の実施の形態に係る自動二輪車が備える車体フレーム及びエンジンユニットの側面図である。
符号の説明
1,1A 自動二輪車、2 前車輪、3 後車輪、4 車軸、7 フロントフォーク、8 ハンドル、9 シート、10 車体フレーム、11 収納ケース、20,20A エンジンユニット、22,22A 被支持部、23,23A 緩衝器取付部、30,30A エンジン、31 シリンダ、32 クランク機構、33 ピストン、34 クランク軸、35 コンロッド、36 バランサ機構、37 バランサ軸、40 伝達機構、41 無段変速機、42 駆動プーリ、43 被駆動プーリ、44 Vベルト、45 被駆動軸、46 中間軸、47 伝動ケース、50,50A 緩衝器、51,51A コイルスプリング、52 ダンパ、53 ケース、54 ロッド、55,55A エンジン側取付部、56,56A フレーム側取付部、101 ヘッドパイプ、102 上側フレーム部、103 下側フレーム部、104 後側フレーム部、105 シートステー、107 支柱部、108 ピボット支持部、109 ピボット軸、111 前側クロス部、112,112A 緩衝器支持部、113 後側クロス部、115 補強板、116a,116b 支柱部、119,119A 緩衝器取付部。

Claims (4)

  1. 車体フレームと、
    前記車体フレームに支持されるピボット軸と、
    車体の後部に配置される後車輪と、
    クランク軸を含むエンジンと前記クランク軸の回転力を前記後車輪に伝達する伝達機構とを含み、前記ピボット軸を支点として前記後車輪とともに上下に揺動可能なエンジンユニットと、を備え、
    前記クランク軸は、前記エンジンユニットの前部に配置され、
    前記エンジンユニットは、前記クランク軸より前方に前記ピボット軸に取り付けられる被支持部を有するとともに、当該被支持部から車体の後方に延び、その後部において前記後車輪の車軸を支持する、
    ことを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 請求項1に記載の鞍乗型車両において、
    前記被支持部は、前記エンジンユニットの最前部に位置する、
    ことを特徴とする鞍乗型車両。
  3. 請求項1に記載の鞍乗型車両において、
    前記ピボット軸に取り付けられる前記被支持部は、車両の走行時に前記車軸を含む水平面を跨いで上下に揺動する高さに設けられる、
    ことを特徴とする鞍乗型車両。
  4. 請求項1に記載の鞍乗型車両において、
    前記エンジンユニットの揺動を緩和する緩衝器をさらに備え、
    前記緩衝器は、前記ピボット軸を中心とする円の周方向に伸縮するよう配置される、
    ことを特徴とする鞍乗型車両。
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