JP5740996B2 - エンジンの振動抑制機構 - Google Patents

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本発明は、ピストンの往復運動やクランク軸の回転運動により生ずるエンジンの1次振動を抑制するエンジンの振動抑制機構に関する。
例えば自動二輪車には、後輪のトラクションを得るために、直列4気筒エンジンにおける気筒間の爆発タイミングの間隔を等間隔ではなく、不等間隔にした不等間隔爆発エンジンを採用する場合がある。
このような不等間隔爆発エンジンで気筒間の爆発タイミングを自由に設定した場合には、クランク軸のクランクウェイトによってクランク軸回転時のアンバランスが大きくなり、直列4気筒エンジンであってもエンジンの1次振動が増大してしまう。そこで、この1次振動を抑制するために、このエンジンに、クランク軸と同一回転速度で反対方向に回転するバランサを配置する必要がある。
この場合、バランサのバランサ軸を軸支する軸受に作用する負荷(軸受荷重)が過大になることを防ぐために、バランサは複数設置される構造が望ましい。エンジンにバランサを複数配置した例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に記載のエンジンでは、2つのバランサのそれぞれのバランサ軸がクランク軸に対向して配置され、クランク軸に設けられたプライマリドライブギアが、両バランサ軸にそれぞれ設けられたバランサドリブンギアに噛み合って、2つのバランサがクランク軸と同一回転速度で反対方向に回転するよう構成されている。これら2つのバランサによって、エンジンの1次振動が抑制される。
特開2003−336791号公報
上述の特許文献1に記載のエンジンでは、シリンダアッセンブリがクランクケースに対して略水平方向に配置され、クランク軸に対しシリンダアッセンブリと反対位置に、クランク軸の回転力を駆動力として伝達するためのギアが配置されているので、2つのバランサのレイアウトに余裕がある。このため、これらの両バランサをクランク軸に対向させ、且つシリンダアッセンブリに対して略直角な方向に配置させることができる。
ところが、クランク軸とカウンタ軸とドライブ軸とが隣接して三角形に配置され、更に、カウンタ軸がエンジンの上方に配置されると共に、シリンダアッセンブリがクランクケースに対して略45°に前傾して配置されたエンジンでは、2つのバランサをエンジン内部にコンパクトに配置することが非常に困難である。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、エンジンの1次振動を抑制するためのバランサをエンジン内にコンパクトに配置できるエンジンの振動抑制機構を提供することにある。
本発明は、エンジンの1次振動抑制用の第1バランサを有し、この第1バランサがバランサ軸にバランサウェイトを備えて構成され、前記バランサ軸が、クランク軸と同一の回転速度で反対方向に回転駆動されるエンジンの振動抑制機構であって、前記バランサ軸は、エンジン側面視で、前記クランク軸の後方に配置されたカウンタ軸と前記クランク軸との間の上方に配置され、前記カウンタ軸の、エンジン側面視における斜め前上方であって前記バランサ軸の上方にアイドル軸が配置され、前記クランク軸の回転力が、このクランク軸に設けられたプライマリドライブギア、カウンタ軸に設けられたプライマリドリブンギア、アイドル軸に設けられたアイドルドリブンギアへと順次伝達されるように前記クランク軸、前記カウンタ軸及び前記アイドル軸が配置され、前記バランサ軸に設けられたバランサドリブンギアが、前記アイドル軸に設けられたバランサドライブギアに噛み合うよう構成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、バランサ軸をクランク軸に接近して配置できるので、エンジンの1次振動を抑制するためのバランサをエンジン内にコンパクトに配置できると共に、第1バランサのバランサウェイトとクランク軸に設けられたクランクウェイトとの間に生ずる偶力を低減できる。
本発明に係るエンジンの振動抑制機構における一実施形態が適用されたエンジンを搭載する自動二輪車を示す左側面図。 図1のエンジンを示す右側面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 本発明に係るエンジンの振動抑制機構における他の実施形態が適用されたエンジンを示すよう右側面図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係るエンジンの振動抑制機構の一実施形態が適用されたエンジンを搭載する自動二輪車を示す左側面図である。尚、本実施形態において、前後、上下、左右の表現は、自動二輪車に乗車した乗員を基準にしたものである。
この図1に示すように、自動二輪車1は車体フレーム2を有し、その前方にヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には、図示しないサスペンション機構を内装し前輪4を回動自在に支持する左右一対のフロントフォーク5やハンドルバー6等から構成されるステアリング機構7が設けられ、ハンドルバー6により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
一方、車体フレーム2は、例えばツインチューブ型のもので、ヘッドパイプ3の直後で左右方向に拡開された後、互いに平行に後斜下方に延びる左右一対のタンクレールを兼ねたメインフレーム8と、これらのメインフレーム8の後端部に接続され、略上下方へ向かって延びる左右一対のセンタフレーム9と、これらのセンタフレーム9の後上端から後方に延びる左右一対のシートレール10とを有して構成される。
メインフレーム8の上方には燃料タンク11が配置され、シートレール10の上方にはライダシート12A、ピリオンシート12Bが車両の前後にそれぞれ配置される。また、センタフレーム9の略中央下部にはピボット軸13が架設され、このピボット軸13にスイングアーム14がピボット軸13廻りにスイング自在に枢着されると共に、このスイングアーム14の後端に後輪15が回動自在に軸支される。そして、前輪4と後輪15間の車体中央下部で燃料タンク11下方に、内燃機関としてのエンジン16がメインフレーム8等に懸架されて搭載される。
更に、この自動二輪車1は車体の前部が流線形のカウリング17で覆われており、走行中の空気抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護が図られている。尚、図1中の符号18Aは、エンジン16からの排気ガスを排出するエキゾーストパイプであり、このエキゾーストパイプ18Aの後端に排気マフラ18Bが接続されている。
図2に示すように、エンジン16は4サイクル多気筒エンジン、例えば4サイクル直列4気筒エンジンであり、主にヘッドカバー19、シリンダヘッド20、シリンダブロック21及びクランクケース22から外形が構成される。このクランクケース22は分割式であり、例えば図2における上下方向に2分割され、アッパクランクケース22Aとロアクランクケース22Bとから構成される。アッパクランクケース22Aの上部にシリンダブロック21が設置され、ロアクランクケース22Bの下部にオイルパン24が設置されている。
シリンダブロック21は直立よりやや前傾して配置され、また、アッパクランクケース22Aとロアクランクケース22Bとの合せ面23の内側に軸受部(不図示)がそれぞれ上下に分割して形成される。これらの軸受部に、エンジン16の幅方向に延びるクランク軸25が回転自在に支持される。
クランク軸25には、コンロッドを介してピストン(共に図示せず)が連結される。そして、シリンダブロック21内にはピストンが、図における略上下方向に摺動自在に収納される。また、シリンダヘッド20とピストンとの間の空間には燃焼室(不図示)が形成される。この燃焼室内での混合気の燃焼によってピストンが往復運動し、このピストンの往復運動がクランク軸25により回転運動に変換される。
クランクケース22は、エンジン16の側面視で、クランク軸25の後方にカウンタ軸26、ドライブ軸27、アイドル軸としてのジェネレータ軸28、及び第1バランサ31の第1バランサ軸31Aが配置され、クランク軸25の前方に第2バランサ32の第2バランサ軸32Aが配置されている。このうち、クランク軸25、カウンタ軸26及び第2バランサ軸32Aは、アッパクランクケース22Aとロアクランクケース22Bとの合せ面23に軸支される。換言すれば、クランク軸25、カウンタ軸26及び第2バランサ軸32Aを結ぶ直線上に、クランクケース22の合せ面23が設けられる。
更に、ジェネレータ軸28は、カウンタ軸26の斜め前上方に配置される。また、第1バランサ軸31Aは、クランク軸25とカウンタ軸26との間に配置されると共に、カウンタ軸26とジェネレータ軸28との間に配置される。従って、この第1バランサ軸31Aは、クランク軸25とカウンタ軸26とジェネレータ軸28からなる三角形の領域内で、ピストンジェットオイル通路33近傍に配置される。また、上述のクランク軸25、カウンタ軸26、ドライブ軸27、ジェネレータ軸28、第1バランサ軸31A及び第2バランサ軸32Aは、エンジン16の幅方向(つまり、自動二輪車1の車幅方向)に延在してクランクケース22内に収容されている。
クランク軸25には、図2及び図3に示すように、プライマリドライブギア29が回転一体に設けられ、このプライマリドライブギア29が、カウンタ軸26に回転自在に軸支されたプライマリドリブンギア30に噛み合う。カウンタ軸26には、プライマリドリブンギア30に連結されたクラッチ機構34が軸端に設けられると共に、複数段のミッションドライブギア35が軸装される。これらのミッションドライブギア35は、ドライブ軸27に軸装された図示しない複数段のミッションドリブンギアに噛み合う。これらのミッションドライブギア35及びミッションドリブンギアは、シフト機構36と共に変速ミッション機構37を構成する。
ドライブ軸27の軸端はクランクケース22の外部に突出し、このドライブ軸27の軸端にドライブスプロケット(不図示)が固定される。また、後輪15には、図1に示すようにドリブンスプロケット38が固定され、これらのドライブスプロケットとドリブンスプロケット38との間にドライブチェーン39が巻き掛けられる。
従って、図1乃至図3に示すエンジン16のクランク軸25の回転力(つまりエンジン16の駆動力)は、プライマリドライブギア29、プライマリドリブンギア30及びクラッチ機構34を経てカウンタ軸26に伝達され、このカウンタ軸26から変速ミッション機構37を経てドライブ軸27へ伝達される。そして、このドライブ軸27に伝達されたクランク軸25の回転力は、ドライブスプロケット、ドライブチェーン39及びドリブンスプロケット38を経て後輪15に伝達される。
更に、図2及び図3に示すように、ジェネレータ軸28には、アイドルドリブンギアとしてのジェネレータドリブンギア40と、バランサドライブギア41とが回転一体に設けられている。ジェネレータドリブンギア40がプライマリドリブンギア30に噛み合うと共に、バランサドライブギア41が、第1バランサ軸31Aに回転一体に設けられた第1バランサドリブンギア43に噛み合う。
従って、クランク軸25の回転力は、プライマリドライブギア29、プライマリドリブンギア30、ジェネレータドリブンギア40を順次経た後、バランサドライブギア41及び第1バランサドリブンギア43を経て第1バランサ軸31Aに伝達される。
ここで、ジェネレータ軸28に設けられたジェネレータドリブンギア40は、クランク軸25に設けられたプライマリドライブギア29と同一諸元(同一の直径及び歯数)に構成されている。従って、ジェネレータ軸28とカウンタ軸26間の距離が、クランク軸25とカウンタ軸26間の距離に等しくなると共に、プライマリドリブンギア30の歯数に拘らず、ジェネレータ軸28を、クランク軸25と同一の回転速度で同一の方向に回転させることが可能になる。
また、第1バランサ軸31Aに設けられた第1バランサドリブンギア43は、ジェネレータ軸28に設けられたバランサドライブギア41と同一諸元(同一の直径及び歯数)に構成されている。このため、第1バランサ軸31Aとジェネレータ軸28との間で増減速がなされず、第1バランサ軸31Aは、クランク軸25と同一回転速度で、このクランク軸25と反対方向に回転駆動される。
また、第2バランサ軸32Aには、第2バランサドリブンギア44が回転一体に設けられる。この第2バランサドリブンギア44は、クランク軸25に設けられたプライマリドライブギア29と同一諸元(同一の直径及び歯数)に設定されると共に、このプライマリドライブギア29に噛み合う。従って、第2バランサ軸32Aとクランク軸25との間で増減速がなされず、第2バランサ軸32Aは、クランク軸25と同一回転速度で、このクランク軸25と反対方向に回転駆動される。
ところで、エンジン16は、複数(本実施形態では4つ)の気筒間における爆発タイミングの間隔が異なる不等間隔爆発エンジンである。このエンジン16では、各気筒間の爆発タイミングが不等間隔になることでクランク軸25に回転変動が生じ、この結果、後輪15が回転変動に伴う不等ピッチのリズムで路面をグリップすることでトラクションを得ることができる。但し、この不等間隔爆発の直列4気筒エンジンでは、ピストンの往復運動に伴う慣性力のほかに、クランク軸25のクランクウェイト(不図示)の回転に伴い生ずる慣性力が大きくなり、エンジン16の1次振動が増大してしまう。
前述の第1バランサ31及び第2バランサ32は、上述の慣性力を打ち消してエンジン16の1次振動を抑制するために配置されたものである。このため、第1バランサ31は、第1バランサ軸31Aに第1バランサウェイト31B(図3)を備え、第2バランサ32は、第2バランサ軸32Aに第2バランサウェイト32Bを備える。従って、これらの第1バランサ31及び第2バランサ32がエンジン16の振動抑制機構45を構成する。これらの第1バランサウェイト31B及び第2バランサウェイト32Bが、クランク軸25と同一の回転速度で反対方向に回転するときに生ずる慣性力によって、前述のピストン及びクランクウェイトにより生じた慣性力が相殺され、エンジン16の1次振動が抑制される。
ジェネレータ軸28は、このジェネレータ軸28に回転一体に取り付けられたジェネレータ46(図3)を回転駆動して発電させるものであるが、このジェネレータ軸28にジェネレータドリブンギア40及びバランサドライブギア41を設けると共に、遠心式ブリーザ兼負圧ポンプ駆動用ギアを駆動するためのギアを取り付けてもよい。また、第2バランサ軸32Aに、オイルポンプを駆動するギアを取り付けてもよい。更に、第1バランサ軸31A、第2バランサ軸32A及びジェネレータ軸28にフライホイールを装着してもよい。
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果(1)〜(10)を奏する。
(1)第1バランサ31の第1バランサ軸31Aが、エンジン16の側面視で、カウンタ軸26とクランク軸25との間に配置されたので、第1バランサ軸31Aをクランク軸25に接近して配置できる。このため、第2バランサ32と共に、第1バランサ31をエンジン16内にコンパクトに配置でき、この結果、自動二輪車1の運動性能を向上させることができる。
(2)第1バランサ31の第1バランサ軸31Aが、エンジン16の側面視で、クランク軸25とカウンタ軸26との間に配置されて、クランク軸25に接近して配置されたので、第1バランサ軸31Aとクランク軸25との軸間距離を短縮できる。この結果、クランク軸25のクランクウェイトと第1バランサ31の第1バランサウェイト31Bとの間に生ずる偶力を低減できる。
(3)第1バランサ31の第1バランサ軸31Aが、エンジン16の側面視で、クランク軸25とカウンタ軸26との間に配置されたので、クランク軸25の略上方に設置されたシリンダアッセンブリ(ヘッドカバー19、シリンダヘッド20及びシリンダブロック21)の側面とカウンタ軸26とでV字状に形成された空間47に、大径のジェネレータドリブンギア40等を備えたジェネレータ軸28を配置できる。このため、この空間47を有効に利用できる。
(4)エンジン16の側面視で、カウンタ軸26とジェネレータ軸28との間に第1バランサ31の第1バランサ軸31Aが配置されたので、この第1バランサ軸31Aを省スペースでレイアウトでき、エンジン16をコンパクト化できる。
また、図3に示すように、クランク軸25のプライマリドライブギア29と、第1バランサ軸31Aに設けられた第1バランサドリブンギア43との間に、カウンタ軸26のプライマリドリブンギア30、ジェネレータ軸28のジェネレータドリブンギア40を介在することで、第1バランサ軸31Aをクランク軸25に対し反対方向に回転駆動させることができる。
(5)クランク軸25に設けられたプライマリドライブギア29と、ジェネレータ軸28に設けられたジェネレータドリブンギア40とが同一諸元に構成されたので、これらのプライマリドライブギア29及びジェネレータドリブンギア40に噛み合うプライマリドリブンギア30の諸元に拘らず、ジェネレータドリブンギア40をプライマリドライブギア29と同一回転速度で回転させることができる。このため、プライマリドリブンギア30の歯数を独立して変更することができる。
(6)ジェネレータ軸28に設けられたバランサドライブギア41と、第1バランサ軸31Aに設けられた第1バランサドリブンギア43とが同一諸元に構成されたので、これらのバランサドライブギア41及び第1バランサドリブンギア43が1対1の回転比で回転し、増減速しない。しかも、上記(5)で述べたように、ジェネレータ軸28に設けられたジェネレータドリブンギア40が、クランク軸25に設けられたプライマリドライブギア29と同一回転速度で回転する。これらのことから、第1バランサ軸31A(つまり第1バランサ31)をクランク軸25と同一回転速度で回転駆動させることができる。
(7)第1バランサ31と第2バランサ32とをクランク軸25の後方と前方にそれぞれ配置することで、これらの第1バランサ31の第1バランサウェイト31Bと第2バランサ32の第2バランサウェイト32Bとにより、エンジン16の1次振動を良好に抑制できる。
また、バランサを複数(つまり第1バランサ31及び第2バランサ32)設けることで、各バランサのバランサ軸(つまり第1バランサ軸31A及び第2バランサ軸32A)を支持する軸受の負荷(軸受荷重)を低減できる。
(8)クランクケース22の合せ面23に第2バランサ軸32Aが、クランク軸25及びカウンタ軸26と共に設けられたので、これらの軸(第2バランサ軸32A、クランク軸25及びカウンタ軸26)の組付性を向上できると共に、これらの軸を支持する軸受のメンテナンス性も向上させることができる。
また、第2バランサ32の第2バランサウェイト32B及び第2バランサドリブンギア44がエンジンオイルの油面よりも高い位置に位置づけられので、エンジンオイルの撹拌などが防止されて、メカニカルロスを低減できる。
(9)エンジン16が直列4気筒の不等間隔爆発エンジンであっても、第1バランサ31及び第2バランサ32の回転時における第1バランサウェイト31B及び第2バランサウェイト32Bによる慣性力によって、ピストンの往復運動における慣性力と、クランク軸25の回転時におけるクランクウェイトによる慣性力とを打ち消して、エンジン16の1次振動を抑制できる。このため、この直列4気筒エンジンの爆発タイミングを任意に設定できるので、クランク軸25(従って後輪15)の回転変動を良好に実現でき、後輪15によるトラクションを好適に得ることができる。
(10)ジェネレータ軸28、第1バランサ軸31A及び第2バランサ軸32Aにフライホイールが装着された場合には、クランク軸25を変更することなくエンジン16のイナーシャ(慣性重量)を効果的に変更でき、エンジン16のコントロール性、応答性を調整できる。特に、クランク軸29に対して共に反対方向に回転する第1バランサ軸31A及び第2バランサ軸32Aにフライホイールを装着することで、ジャイロモーメントを変更して車両の操縦性を調整できる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することができる。
例えば、図4に示すように、第2バランサ32の第2バランサ軸32Aを、クランクケース22の合せ面23(つまりクランク軸25とカウンタ軸26とを結ぶ直線)上ではなく、この合せ面23よりも下方で、且つクランク軸25に対し第1バランサ軸31Aと点対称な位置に配置してもよい。第2バランサ軸32Aがクランク軸25に対し第1バランサ軸31Aと点対称な位置に配置されたので、第2バランサ32の第2バランサウェイト32Bの回転によって、クランク軸25と第1バランサ31間に生ずる偶力を打ち消すことができる。更に、第2バランサ軸32Aがクランクケース22の合せ面23よりも下方に配置されたので、エンジン16の低重心化に寄与できる。
また、本実施形態では、エンジン16が直列4気筒の不等間隔爆発エンジンの場合を述べたが、直列2気筒、3気筒、6気筒などの直列多気筒エンジン、または単気筒エンジンにも本発明を適用できる。
1 自動二輪車
16 エンジン
22 クランクケース
22A アッパクランクケース
22B ロアクランクケース
23 合せ面
25 クランク軸
26 カウンタ軸
27 ドライブ軸
28 ジェネレータ軸(アイドル軸)
29 プライマリドライブギア
30 プライマリドリブンギア
31 第1バランサ
31A 第1バランサ軸
31B 第1バランサウェイト
32 第2バランサ
32A 第2バランサ軸
32B 第2バランサウェイト
40 ジェネレータドリブンギア(アイドルドリブンギア)
41 バランサドライブギア
43 第1バランサドリブンギア
44 第2バランサドリブンギア
45 振動抑制機構

Claims (11)

  1. エンジンの1次振動抑制用の第1バランサを有し、この第1バランサがバランサ軸にバランサウェイトを備えて構成され、
    前記バランサ軸が、クランク軸と同一の回転速度で反対方向に回転駆動されるエンジンの振動抑制機構であって、
    前記バランサ軸は、エンジン側面視で、前記クランク軸の後方に配置されたカウンタ軸と前記クランク軸との間の上方に配置され、
    前記カウンタ軸の、エンジン側面視における斜め前上方であって前記バランサ軸の上方にアイドル軸が配置され、
    前記クランク軸の回転力が、このクランク軸に設けられたプライマリドライブギア、カウンタ軸に設けられたプライマリドリブンギア、アイドル軸に設けられたアイドルドリブンギアへと順次伝達されるように前記クランク軸、前記カウンタ軸及び前記アイドル軸が配置され、
    前記バランサ軸に設けられたバランサドリブンギアが、前記アイドル軸に設けられたバランサドライブギアに噛み合うよう構成されたことを特徴とするエンジンの振動抑制機構。
  2. 第1バランサのバランサ軸が、エンジン側面視で、前記アイドル軸の後方であって前記カウンタ軸と前記アイドル軸との間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの振動抑制機構。
  3. 第1バランサのバランサ軸が、エンジン側面視で、前記クランク軸と前記カウンタ軸と前記アイドル軸とからなる三角形の領域内に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの振動抑制機構。
  4. 前記バランサドライブギアと、前記バランサドリブンギアとが同一諸元に構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジンの振動抑制機構。
  5. 前記プライマリドライブギアと前記アイドルドリブンギアとが同一諸元に構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエンジンの振動抑制機構。
  6. 前記バランサドライブギアは、前記アイドルドリブンギアに対して小径に構成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエンジンの振動抑制機構。
  7. 前記アイドル軸は、アイドルドリブンギアとしてのジェネレータドリブンギアを備えると共に、ジェネレータを回転駆動するジェネレータ軸であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエンジンの振動抑制機構。
  8. 前記クランク軸よりも前方に、バランサ軸にバランサウェイトを備えて構成された第2バランサが配置され、
    この第2バランサの前記バランサ軸に設けられたバランサドリブンギアが、前記クランク軸に設けられたプライマリドライブギアに噛み合うよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの振動抑制機構。
  9. 前記エンジンにおけるクランクケースの合せ面がクランク軸とカウンタ軸を結ぶ直線上に設けられると共に、この直線上に、第2バランサのバランサ軸が配置されたことを特徴とする請求項8に記載のエンジンの振動抑制機構。
  10. 前記クランク軸とカウンタ軸を結ぶ直線よりも下方で、且つ前記クランク軸に対し第1バランサのバランサ軸と点対称な位置に、第2バランサのバランサ軸が配置されたことを特徴とする請求項8に記載のエンジンの振動抑制機構。
  11. 前記エンジンは、複数の気筒間における爆発タイミングの間隔が異なる、直列多気筒の不等間隔爆発エンジンであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のエンジンの振動抑制機構。
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