JP2009092182A - エンジンおよび鞍乗型車両 - Google Patents

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和明 浜田
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Abstract

【課題】低回転速度域では1次振動を顕在化し、高回転速度域では1次振動を低減することが可能なエンジンを提供する。
【解決手段】エンジン10に設けられたバランサ60Aは、周方向に移動可能な可動ウェイト62Aによって、バランサ軸48Rの回転速度ωと、バランサ60Aの重心Gの回転速度との間に差を生じさせる。そして、バランサ軸48Rの回転速度ωが高まるのに伴い、この差が減少していくので、エンジン10の1次振動を抑制する程度を徐々に高めることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、バランサを備えるエンジンおよび鞍乗型車両に関する。
自動二輪車などに適用されるエンジンは、ピストンの往復によって生じる振動を低減するためのバランサが設けられることがある。バランサは、クランク軸と連動して回転するバランサ軸に設けられ、ピストンの往復により生じる慣性力と反対方向の慣性力を生じることで、エンジンの振動を低減する。
特開2005−172215号公報
ところで、近年、アメリカンタイプ(クルーザタイプ)の自動二輪車などでは、アイドリング時や車両加速時における鼓動感やパルス感といった感覚が、ユーザから求められる。このような感覚は、エンジンの低回転速度域での振動から得ることができる。
しかしながら、従来のバランサをエンジンに設けた場合、全ての回転速度域に亘って振動が低減されることから、低回転速度域での振動も低減されてしまい、ユーザは鼓動感やパルス感といった感覚を得ることができない。
他方、低回転速度域での振動を残すために、ピストンの慣性力とバランサの慣性力の均衡を意図的に崩す場合もあるが、この場合、高回転速度域での振動も残ってしまい、高速走行時においてユーザに不快感を与えてしまう虞がある。
なお、特許文献1には、エンジンの2次偶力振動を低減するためにバランサに改良を加えた技術が開示されているが、低回転速度域での振動を顕在化させる技術について触れた文献はない。
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであり、低回転速度域では振動を顕在化し、高回転速度域では振動を低減することが可能なバランサを備えるエンジンおよび鞍乗型車両を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するため、本発明のエンジンは、クランク軸と、前記クランク軸に連動するバランサ軸と、前記バランサ軸によって回転駆動され、前記クランク軸の回転に同期した振動を抑制するバランサと、を備えたエンジンであって、前記バランサは、前記バランサ軸に取り付けられた支持部と、前記支持部に支持され、前記バランサ軸の回転速度の変化に応じて、少なくとも前記バランサ軸の周方向に前記支持部に対して相対的に移動可能な可動ウェイトと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の鞍乗型車両は、上記エンジンを備える鞍乗型車両である。鞍乗型車両は、例えば、自動二輪車(スクータを含む)、四輪バギー(全地形型車両)、スノーモービル等である。
一般に、クランク軸の回転速度は、微視的な時間スケールで見た場合、周期的に変動していることが知られている(いわゆる回転ムラ)。これは、クランク軸の回転速度が、1サイクルの間に、燃焼行程で増大し、その後の行程で低下するためである。また、この周期的な変動の変動量は、クランク軸の回転速度が高まるにつれて小さくなることが知られている。
そこで、上記本発明のように、バランサに可動ウェイトを設けることで、クランク軸と連動するバランサ軸の回転速度と、バランサの重心の回転速度との間に差を生じさせることができる。
すなわち、バランサ軸の回転速度が増大するときには、可動ウェイトが回転方向と逆方向に移動するため、バランサ軸の回転速度に対してバランサの重心の回転速度が低下することになる。他方、バランサ軸の回転速度が低下するときには、可動ウェイトが回転方向と同方向に移動するため、バランサ軸の回転速度に対してバランサの重心の回転速度が増大することになる。
このように回転速度に差が生じることにより、エンジンに振動を生じさせる慣性力と、それを打ち消すバランサの慣性力との間に差が生じることになり、この慣性力の差によってエンジンの振動を残存させることができる。
そして、クランク軸の回転速度が高まるにつれて、上述したように回転速度の変動量が小さくなることから、可動ウェイトの移動量が小さくなり、上記回転速度の差が小さくなる。このため、上記慣性力の差が小さくなって、エンジンの振動が低減することになる。これにより、低回転速度域では振動を顕在化し、高回転速度域では振動を低減することが可能なエンジンおよび鞍乗型車両を実現できる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の鞍乗型車両の一実施形態に係る自動二輪車1の側面図を示す。自動二輪車1は、ダブルクレードル型の車体フレーム2を有し、この車体フレーム2の前端部に設けられたヘッドパイプ(不図示)にフロントフォーク3が枢支されている。このフロントフォーク3の下端部には前車輪4が軸支され、上端部にはハンドル5が取り付けられている。
車体フレーム2の上部には、前方に燃料タンク6、後方にシート7が配置されている。また、車体フレーム2の下方後端部には、リヤアーム8が上下に揺動可能に枢支され、このリヤアーム8の後端部には、後車輪9が軸支されている。
車体フレーム2のクレードル内には、本発明の一実施形態に係るエンジン10が搭載されている。このエンジン10は、空冷式4サイクルV型2気筒エンジンである。
図2に、本発明の一実施形態に係るエンジン10の縦断面を車両左側から見た図を示す。また、図3に、図2におけるIII−III線の断面図を示す。
エンジン10は、クランクケース12の上部に、前側シリンダブロック14Fおよび後側シリンダブロック14Bが、車両前後方向に90度よりも小さいバンク角を為すように配置されている。また、これらの上部には、前側シリンダヘッド16Fおよび後側シリンダヘッド16Bがそれぞれ配置されている。
クランクケース12は、左右分割型とされ、左側ケース12Lおよび右側ケース12Rで構成される。また、右側ケース12Rの外側部には、クラッチカバー17が取り付けられ、左側ケース12Lの外側部の前方側には、発電機カバー18が取り付けられている。
シリンダブロック14F,14B内には、ピストン42F,42Bがそれぞれ摺動可能に配置されている。これらピストン42F,42Bは、コンロッド46F,46Bをそれぞれ介して、クランク軸21のクランクピン21aに共に連結されている。
クランク軸21は、クランク軸21の回転中心から偏心した位置にクランクピン21aを有しており、ピストン42F,42Bの往復運動と連動して、車両左側から見て反時計方向(図2中の矢印ωの方向)に回転する。
ここで、ピストン42F,42Bの往復運動は、シリンダブロック14F,14Bのバンク角に対応する位相差を有する。例えば、後側シリンダブロック14B内のピストン42Bが上死点に到達した時点から、クランク軸21の回転角度がバンク角分だけ変化した後に、前側シリンダブロック14F内のピストン42Fが上死点に到達する。
また、クランク軸21は、クランクピン21aを挟み込むように配置された一対のバランスウェイト21c,21dを有している。これらバランスウェイト21c,21dは、回転中心に対してクランクピン21aの反対側に重心Gを有するような重量分布を有している。
また、クランク軸21は、バランスウェイト21c,21dの車幅方向の外側に設けられた一対のジャーナル部21e,21fを有している。これらジャーナル部21e,21fは、クランクケース12により回転可能に支持され、クランク軸21の回転中心となる。具体的には、左側ジャーナル部21eは、左側ケース12Lのリブ12eに軸支される。また、右側ジャーナル部21fは、右側ケース12Rのリブ12fに軸支される。
また、クランク軸21は、左側ジャーナル部21eから更に左側方に延びて、発電機22を駆動するようになっている。また、クランク軸21は、右側ジャーナル部21fから更に右側方にも延びて、右端部にクラッチ駆動歯車21gが設けられている。
クランク軸21の回転は、このクラッチ駆動歯車21gからクラッチ23を介してメイン軸25に伝わり、ミッションギア部26を介してドライブ軸27に伝わる。ドライブ軸27は、左端部にスプロケット29が取り付けられている。このスプロケット29は、上記後車輪9を駆動するチェーン(不図示)と噛合う。
次に、エンジン10は、クランクケース12の前方側の左右両側に、1次バランサ60A(以下、単にバランサという)をそれぞれ有する。これらバランサ60Aは、クランク軸21と平行に設けられたバランサ軸48L,48Rにそれぞれ取り付けられて、共に回転する。また、これらバランサ60Aは、バランサ軸48L,48Rに対して偏心した位置に重心Gをそれぞれ有する。
バランサ軸48L,48Rは、クランク軸21よりも前斜め下方の左右両側で、クランクケース12にそれぞれ軸支されている。具体的には、左側バランサ軸48Lは、バランサ60Aが取り付けられた部分の両側が、左側ケース12Lに形成されたリブ12a,リブ12bによってそれぞれ軸支される。同様に、右側バランサ軸48Rは、バランサ60Aが取り付けられた部分の両側が、右側ケース12Rに形成されたリブ12c,12dによってそれぞれ軸支される。
また、バランサ軸48L,48Rには、車幅方向の外側の端部にバランサ被動歯車38L,38Rがそれぞれ取り付けられて、共に回転する。これらバランサ被動歯車38L,38Rは、クランク軸21の左右両端部にそれぞれ取り付けられたバランサ駆動歯車36L,36Rとそれぞれ噛合う。ここで、バランサ被動歯車38L,38Rは、バランサ駆動歯車36L,36Rと同径かつ同歯数とされ、このため、バランサ軸48L,48Rは、クランク軸21と同一の回転速度で、反対の回転方向(図2中の矢印ωの方向)に回転する。
2つのバランサ60Aは、ピストン42F,42Bの往復によって生じる1次振動を、クランク軸21に設けられたバランスウェイト21c,21dとともに抑制する。
ピストン42F,42Bは、往復運動によって、主に上下方向の1次振動を生じる。例えば、図2に示すように、クランクピン21aがクランク軸21の回転中心の上方(バンク角の中間)に位置する場合には、ピストン42F,42Bによる慣性力Fが上向きで最大の大きさとなる。他方、クランクピン21aがクランク軸21の回転中心の下方に位置する場合には、ピストン42F,42Bによる慣性力Fが下向きで最大の大きさとなる。
バランスウェイト21c,21dは、クランク軸21の回転速度ωに応じた慣性力(遠心力)Fを生じる。ここで、バランスウェイト21c,21dは、クランク軸21の回転中心に対してクランクピン21aの反対側に重心Gを有するため、例えば、図2に示すように、ピストン42F,42Bによる慣性力Fが上向きとなる場合には、これを打ち消す方向である下向きに慣性力Fを生じる。他方、ピストン42F,42Bによる慣性力Fが下向きとなる場合には、これを打ち消す方向である上向きに慣性力Fを生じる。
各バランサ60Aは、重心Gの回転速度に応じた慣性力(遠心力)Fを生じる。なお、本実施形態において、バランサ60Aの重心Gの回転速度は、後述するように、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωと常に同じではない。
ここで、各バランサ60Aは、バランスウェイト21c,21dと同様に、ピストン42F,42Bによる慣性力Fを打消す方向に慣性力Fを生じるよう、重心Gの位相が設定されている。すなわち、各バランサ60Aは、例えば、図2に示すように、ピストン42F,42Bによる慣性力Fが上向きとなる場合には、これを打ち消す方向である下向きに慣性力Fを生じる。他方、ピストン42F,42Bによる慣性力Fが下向きとなる場合には、これを打ち消す方向である上向きに慣性力Fを生じる。
また、各バランサ60Aは、バランスウェイト21c,21dとは逆方向に回転しているので、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの前後方向の成分を打消す方向に、慣性力Fを生じる。
このため、2つのバランサ60Aの慣性力Fの大きさの合計と、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの大きさの合計との総和が、ピストン42F,42Bによる慣性力Fの最大の大きさに相当する場合に、上下方向の1次振動が最も抑制される。また、2つのバランサ60Aの慣性力Fの大きさの合計が、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの大きさの合計に相当する場合に、前後方向の1次振動が最も抑制される。さらに、これらの条件を共に満たす場合に、上下方向の1次振動および前後方向の1次振動が最も抑制される。
本実施形態では、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの大きさの合計は、ピストン42F,42Bによる慣性力Fの最大の大きさの半分となるように設定される。
また、2つのバランサ60Aの慣性力Fの大きさの合計は、重心Gの回転速度がクランク軸21の回転速度ωと同じ場合に、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの大きさの合計と同程度になるように設定される。
[第1例のバランサ]
以下、第1例のバランサ60Aの具体的な構成について説明する。図4は、バランサ60Aの斜視図である。図5は、バランサ60Aの正面図である。図6は、バランサ60Aの側面図である。
また、図7は、バランサ60Aの動作説明図である。図7(a)は、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが増大する際の状態を表す。図7(b)は、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが低下する際の状態を表す。
バランサ60Aは、上記バランサ軸48L,48Rに固定される支持部64Aと、この支持部64Aによりバランサ軸48L,48Rから偏心した位置を中心に回動可能に支持された可動ウェイト62Aとを含む。
支持部64Aは、挿通孔641aが形成された円筒状の固定部641を有しており、この挿通孔641aにバランサ軸48L,48Rが挿通される。
また、支持部64Aは、固定部641のうち、バランサ軸48L,48Rの軸方向の両端部からバランサ軸48L,48Rの径方向にそれぞれ延伸した、2本の延伸部643を有している。これら延伸部643の先端部の間には、可動ウェイト62Cを軸支する軸支部631が設けられている。
可動ウェイト62Aは、略扇形状とされ、角部622aが、支持部64Cの2本の延伸部643の先端部の間に挟み込まれ、軸支部631によって軸支される。このように、可動ウェイト52Cは、軸支部531によって、バランサ軸48L,48Rと平行の軸を中心に回動可能とされる。
また、バランサ60Aの重心Gは、主に可動ウェイト62Aによって定まる。このため、バランサ60Aの重心Gは、可動ウェイト62Aの回動に伴い、バランサ軸48L,48Rに対して周方向の位置が変化する。
図13に、クランク軸21の回転速度ωが時間の経過とともに徐々に高まる際の、クランク軸21の回転速度ωの変動例と、バランサ60Aの重心Gの回転速度の変動例とを示す。
クランク軸21の回転速度ωは、周期的な変動(いわゆる回転ムラ)を生じている。この周期的な変動は、クランク軸21の回転速度ωが徐々に高まるにつれて周期とともに変動量が小さくなる。
また、クランク軸21に連動して回転するバランサ軸48L,48Rの回転速度ωも、クランク軸21の回転速度ωと同様に周期的な変動を生じている。
ここで、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが増大するときは、図7(a)に示すように、バランサ軸48L,48Rの回転方向と同方向の加速度dωが支持部64Aに働くので、可動ウェイト62Aは、この加速度dωと逆方向の慣性力を受けて、回転方向とは逆側に変位する。
このように可動ウェイト62Aが変位すると、バランサ60Aの重心Gも同様に、バランサ軸48L,48Rの回転方向とは逆側に変位する。この結果、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが増大するときは、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωに対してバランサ60Aの重心Gの回転速度が低下することになる。
他方、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが低下するときは、図7(b)に示すように、バランサ軸48L,48Rの回転方向と逆方向の加速度dωが支持部64Aに働くので、可動ウェイト62Aは、この加速度dωと逆方向の慣性力を受けて、回転方向と同じ側に変位する。
このように可動ウェイト62Aが変位すると、バランサ60Aの重心Gも同様に、バランサ軸48L,48Rの回転方向と同じ側に変位する。この結果、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが低下するときは、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωに対してバランサ60Aの重心Gの回転速度が増大することになる。
これにより、バランサ60Aの重心Gの回転速度は、図13に示すように、クランク軸21の回転速度ωとの間に差を生じることになる。具体的には、バランサ60Aの重心Gの回転速度は、クランク軸21の回転速度ωが増大するときはそれよりも小さくなり、他方、クランク軸21の回転速度ωが低下するときはそれよりも大きくなる。
また、クランク軸21の回転速度ωが徐々に高まるにつれて、回転速度ωの周期的な変動は周期とともに変動量が小さくなることから、これに伴い、可動ウェイト62Aの変位量も小さくなって、バランサ60Aの重心Gの回転速度と、クランク軸21の回転速度ωとの差が小さくなっていく。
ここで、バランサ60Aの慣性力Fは重心Gの回転速度に応じた大きさとなり、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fはクランク軸21の回転速度ωに応じた大きさとなることから、バランサ60Aの慣性力Fの大きさも、上記図13の回転速度の関係と同様に、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの大きさとの間に差を生じることとなる。
このようなバランサ60Aの慣性力Fの大きさと、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの大きさとの差は、エンジン10の1次振動を残存させることになる。また、クランク軸21の回転速度ωが徐々に高まるにつれて、この差が小さくなることから、これに伴い、エンジン10の1次振動が低減することになる。
以上により、本実施形態のバランサ60Aは、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが高まるのに伴い、エンジン10の振動を抑制する程度を徐々に高めることができるので、低回転速度域では1次振動を顕在化し、高回転速度域では1次振動を低減することが可能となる。
なお、上記バランサ60Aには、図8に示すように、バネ等からなる弾性部材66(抑制部の一例)を設けてもよい。この弾性部材66は、支持部64Aの2本の延伸部643の間に配置され、一端が支持部64Aの固定部641に取り付けられ、他端が可動ウェイト62Aの角部622aに取り付けられる。
可動ウェイト62Aは、バランサ60Aの重心Gがバランサ軸48L,48Rから最も離間することとなる位置が基準位置PC(図8参照)とされ、この基準位置PCから変位する場合に、弾性部材66から基準位置PCに向けた付勢力を受ける。これにより、可動ウェイト62Aの過剰な変位が抑制される。
また、弾性部材66に限らず、抑制部の他例として、支持部64Aの2本の延伸部643の間に、可動ウェイト62Aの基準位置PCからの所定以上の変位を規制するストッパを設けるようにしてもよい。
なお、以上に説明した第1例のバランサ60Aに限らず、以下に説明する第2例のバランサ60Bがエンジン10に適用されてもよい。
[第2例のバランサ]
以下、第2例のバランサ60Bの具体的な構成について説明する。図9は、バランサ60Bの斜視図である。図10は、バランサ60Bの正面図である。図11は、バランサ60Bの断面図である。
また、図12は、バランサ60Bの動作説明図である。図12(a)は、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが増大する際の状態を表す。図12(b)は、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが低下する際の状態を表す。
バランサ60Bは、上記バランサ軸48L,48Rに固定される支持部64Bと、この支持部64Bにより支持された可動ウェイト62Bとを含む。
支持部64Bは、バランサ軸48L,48Rが挿通される固定部641と、この固定部641と可動ウェイト62Bの間に介在する変形部645とを有している。
この変形部645は、ワイヤー状の金属部材645aと、ゴム等からなる弾性部材645bとを含む。ワイヤー状の金属部材645aは、一端が可動ウェイト62Bの角部622aの側部に取り付けられ、他端が固定部641の側部に取り付けられて、可動ウェイト62Bと固定部641とを連結する。
また、弾性体645bは、ワイヤー状の金属部材645aの周囲を取り囲むように形成され、一方の側が可動ウェイト62Bの角部622aの側部に固着され、他方の側が固定部641の側部に固着されている。これらワイヤー状の金属部材645aおよび弾性体645bは、可撓性を有し、可動ウェイト62Bが受けた外力に応じて変形する。
バランサ60Bの重心Gは、主に可動ウェイト62Bによって定まる。このため、バランサ60Bの重心Gは、例えば可動ウェイト62Bがバランサ軸48L,48Rに対して周方向に変位すると、これに伴い、周方向の位置が変化する。
このようなバランサ60Bは、上記第1例のバランサ60Aと同様に、バランサ60Bの重心Gの回転速度と、クランク軸21の回転速度ωとの間に差を生じることになる(図13参照)。
具体的には、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが増大するときは、図12(a)に示すように、バランサ60Bは、可動ウェイト62Bが加速度dωと逆方向の慣性力を受けると、変形部645がこれに応じて変形し、可動ウェイト62Bがバランサ軸48L,48Rの回転方向とは逆側に変位する。これにより、バランサ60Bの重心Gも同様に、バランサ軸48L,48Rの回転方向とは逆側に変位するので、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωに対してバランサ60Bの重心Gの回転速度が低下する。
他方、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが低下するときは、図12(b)に示すように、バランサ60Bは、可動ウェイト62Bが加速度dωと逆方向の慣性力を受けると、変形部645がこれに応じて変形し、可動ウェイト62Bがバランサ軸48L,48Rの回転方向と同じ側に変位する。これにより、バランサ60Bの重心Gも同様に、バランサ軸48L,48Rの回転方向と同じ側に変位するので、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωに対してバランサ60Bの重心Gの回転速度が増大する。
そして、バランサ60Bの慣性力Fの大きさも、上記図13の回転速度の関係と同様に、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの大きさとの間に差を生じることとなる。
このようなバランサ60Bの慣性力Fの大きさと、バランスウェイト21c,21dの慣性力Fの大きさとの差によって、エンジン10の1次振動を残存させることできる。また、クランク軸21の回転速度ωが徐々に高まるにつれて、この差が小さくなることから、これに伴い、エンジン10の1次振動が低減することになる。
以上により、本実施形態のバランサ60Bも、バランサ軸48L,48Rの回転速度ωが高まるのに伴い、エンジン10の振動を抑制する程度を徐々に高めることができるので、低回転速度域では1次振動を顕在化し、高回転速度域では1次振動を低減することが可能となる。
また、変形部645のうち弾性部材645bは、ワイヤー状の金属部材645aを中心に、バランサ軸48L,48Rの周方向に一定の幅を有していることから、可動ウェイト62Bが基準位置PC(図11参照)から変位する場合に、可動ウェイト62Bに対して基準位置PCに向けた付勢力を与える。
具体的には、図11に示すように、可動ウェイト62Bが、バランサ60Bの重心Gがバランサ軸48L,48Rから最も離間することとなる基準位置PCから変位する場合、弾性部材645bのうち変位方向と同じ側の部分が圧縮されることから、この部分から、可動ウェイト62Bを基準位置PCに向けて押し戻す付勢力が生じる。また、弾性部材645bのうち変位とは逆側の部分が伸張されることから、この部分から、可動ウェイト62Bを基準位置PCに向けて引き戻す付勢力が生じる。これによって、可動ウェイト62Bの過剰な変位が抑制される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態の形式に限定されない。例えば、上記第1例のバランサ60Aまたは第2例のバランサ60Bを、エンジンの2次振動を抑制する2次バランサとして適用してもよい。
本発明の鞍乗型車両の一実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの断面図である。 図2におけるIII−III線の断面図である。 第1例のバランサの斜視図である。 第1例のバランサの正面図である。 第1例のバランサの側面図である。 第1例のバランサの動作説明図である。 第1例のバランサの変形例の断面図である。 第2例のバランサの斜視図である。 第2のバランサの正面図である。 第2例のバランサの断面図である。 第2例のバランサの動作説明図である。 バランサの重心の回転速度の説明図である。
符号の説明
1 自動二輪車(鞍乗型車両の一例)、2 車体フレーム、3 フロントフォーク、4 前車輪、5 ハンドル、6 燃料タンク、7 シート、8 リヤアーム、9 後車輪、10 エンジン、12 クランクケース、12L 左側ケース、12R 右側ケース、14F,14B シリンダブロック、16F,16B シリンダヘッド、17 クラッチカバー、18 発電機カバー、21 クランク軸、21c,21d バランスウェイト、22 発電機、23 クラッチ、25 メイン軸、26 ミッションギア部、27 ドライブ軸、29 スプロケット、36L,36R バランサ駆動歯車、38L,38R バランサ被動歯車、42F,42B ピストン、46F,46B コンロッド、48L,48R バランサ軸、60A バランサ、60B バランサ、62A 可動ウェイト、62B 可動ウェイト、622a 角部、631 軸支部、64A 支持部、64B 支持部、641 固定部、641a 挿通孔、643 延伸部、645 変形部、645a 金属部材、645b 弾性部材、66 弾性部材(抑制部の一例)、PC 基準位置。

Claims (9)

  1. クランク軸と、
    前記クランク軸に連動するバランサ軸と、
    前記バランサ軸によって回転駆動され、前記クランク軸の回転に同期した振動を抑制するバランサと、
    を備えたエンジンであって、
    前記バランサは、
    前記バランサ軸に取り付けられた支持部と、
    前記支持部に支持され、前記バランサ軸の回転速度の変化に応じて、少なくとも前記バランサ軸の周方向に前記支持部に対して相対的に移動可能な可動ウェイトと、
    を含むことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記支持部は、
    前記バランサ軸から偏心した位置で前記可動ウェイトを軸支する軸支部を含む、
    ことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記支持部は、
    前記バランサ軸と前記可動ウェイトとの間に介在し、少なくとも前記バランサ軸の周方向に変形可能な1以上の材料により形成された変形部を含む、
    ことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項3に記載のエンジンにおいて、
    前記変形部は、可撓性のある金属部材を含む、
    ことを特徴とするエンジン。
  5. 請求項3に記載のエンジンにおいて、
    前記変形部は、弾性部材を含む、
    ことを特徴とするエンジン。
  6. 請求項5に記載のエンジンにおいて、
    前記弾性部材は、
    前記可動ウェイトが、前記バランサの重心が前記バランサ軸から最も離間することとなる基準位置から移動する場合に、前記可動ウェイトを前記基準位置に向けて付勢する、
    ことを特徴とするエンジン。
  7. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記可動ウェイトが、前記バランサの重心が前記バランサ軸から最も離間することとなる基準位置から移動する場合に、前記可動ウェイトの移動を抑制する抑制部を更に含む、
    ことを特徴とするエンジン。
  8. 請求項1に記載のエンジンであって、
    当該エンジンは、90度より小さいバンク角を有するV型エンジンである、
    ことを特徴とするエンジン。
  9. 請求項1ないし8の何れかに記載のエンジンを備える鞍乗型車両。
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