JP2008178370A - 油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用する油脂組成物のトランス酸型脂肪酸含量が少なくても、複合菓子に用いられた焼き菓子類における白色化現象などを抑制でき、且つ焼き菓子製造時の作業性が良好で、焼成後の焼き菓子の食感が良好である焼き菓子用の油脂組成物を得ること。また焼き菓子用油脂組成物に含有されるトランス型脂肪酸量をできるだけ少なくすること。
【解決手段】 乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油からなる混合油をランダムエステル交換した油脂(A)及びパーム油をランダムエステル交換した油脂(B)を主に含有し、脂肪酸組成全体中のC6以下の飽和脂肪酸量が0.05〜3.0重量%である油脂組成物を用いてクッキー、ビスケット等の焼き菓子を作製し、その焼き菓子とチョコレート、クリーム等との複合菓子を作製すること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品用油脂組成物、とりわけトランス型脂肪酸含量が少なくて、焼き菓子用練り込み油脂に適した油脂組成物、及びこの油脂組成物を使用した焼き菓子に関する。
クッキー、ビスケット等の焼き菓子類に、チョコレート、クリーム類等をコーティング、注入、サンド挿入したり、或いはチョコレートに焼き菓子を埋設したりした複合菓子が製造されている。このような複合菓子は、製造後の流通過程、或いは保存中に焼き菓子部分の表面が白い粉をふいた状態になったり、斑点状の変色が見られたり、全体的に白色化するなどの現象がしばしば発生し、それらの場合、製品の外観を悪くするのみならず、チョコレートの軟化やチョコレートにおけるブルームといった現象を併発させるため、商品価値が著しく低下してしまう。
この複合菓子に見られる白色化現象は、チョコレート、クリーム類をコーティングしないビスケットにおいて従来から認められているビスケットブルーム、所謂ファットブルーム現象とも基本的に異なり、このような複合菓子類における表面状態の変化の発生メカニズムは必ずしも十分に解明されていないが、下記のようなものであると推測される。
即ち、ビスケット、クッキー等に練り込まれた油脂組成物中の油脂は焼成時には完全に融解しており、冷却工程を経て固体油脂の結晶化が起こる。そして、冷却するにしたがって固体油脂の結晶化は温度の低い表面部分から順に発生して内部に進行していくが、ビスケット、クッキー等の冷却工程は、実際にはかなりの徐冷条件で行われることから、練り込まれた油脂は固体油脂と液状油脂とが分離している状態でビスケット、クッキー等の表面、及び内部に存在している。そこにチョコレート、クリーム等を接触させると、もともと液状油脂の多いビスケット、クッキー側から液状油脂の少ないチョコレート、クリーム側に液状油脂が移行する、所謂「マイグレーション」現象が起こる。このとき、練り込まれた油脂の固体脂含量が少ない場合は液状油脂が多いために、移行によってクッキー、ビスケット表面にデンプン粒が全体的に露出され、それにより外見上つやがなくなり、全体的に白く見える。他方、練り込み油脂の固体脂含量が多い場合は液状油脂が固液分離状態で存在し、移行によってクッキー、ビスケット表面では液状油脂の存在部分のデンプン粒が露出されるが、固体油脂の存在部分はそのままのため、外観上白い粉をふいた状態、斑点、又はまだら状態に観察される。又、上記何れの場合でもマイグレーションにより残った高融点油脂の結晶粗大化によるファットブルーム現象も同時に発生し、クッキー、ビスケット等の表面状態の変色に関与する。又、チョコレート、クリーム側から見た場合、クッキー、ビスケット側から液状油脂が移行してくるために、これらのチョコレート、クリーム等が軟化してしまう。
以上のように、クッキー、ビスケット等の焼き菓子とチョコレート、クリーム等との複合菓子にみられるこれらの変化は、焼き菓子中の練り込み油脂における固体油脂及び液状油脂各々の存在状態に影響され、液状油脂の移行と、高融点油脂部の結晶粗大化によって引き起こされると考えられる。
この複合菓子における白色化を防止する方法として、特許文献1には「C14以下の飽和脂肪酸2〜50重量%、C20以上の飽和脂肪酸を1〜50重量%含有する油脂のランダムエステル交換油からなる油脂組成物並びに該油脂組成物を用いて製造された焼き菓子」等が提案されている。
前記油脂組成物においては、分子内の脂肪酸組成のランダム化による微細結晶化や結晶ネットワーク化を狙い、油脂物性の改良及びブルーム耐性等に優れた機能を付与することを目的としているが、必ずしも充分な結果を得ていない。また、乳脂肪の使用に関する記載も示唆もなく、その他にC6以下の飽和脂肪酸量が多い油脂原料の使用に関する記載も示唆もないため、前記油脂組成物における脂肪酸組成全体中のC6以下の飽和脂肪酸量は0.05重量%未満と考えられる。また特許文献1には、トランス酸型脂肪酸含量に関する記載も示唆もない。
特開平9−165595号公報
使用する油脂組成物のトランス酸型脂肪酸含量が少なくても、複合菓子に用いられた焼き菓子類における白色化現象などを抑制でき、且つ焼き菓子製造時の作業性が良好で、焼成後の焼き菓子の食感が良好である焼き菓子用の油脂組成物を得ること。また焼き菓子用油脂組成物に含有されるトランス型脂肪酸含量をできるだけ少なくすること。
本発明者らは上記課題に基づき鋭意研究を重ねた結果、乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油からなる混合油をランダムエステル交換した油脂、及びパーム油をランダムエステル交換した油脂を主に含有し、脂肪酸組成全体中C6以下の飽和脂肪酸が特定量である油脂組成物を用いれば、複合菓子に用いられた焼き菓子類の白色化現象、チョコレート類の軟化、ブルーム現象等を抑制することができ、且つ焼き菓子製造時の作業性、焼成後の焼き菓子の食感が良好な焼き菓子が得られることを知見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油からなる混合油をランダムエステル交換した油脂(A)及びパーム油をランダムエステル交換した油脂(B)を主に含有し、脂肪酸組成全体中のC6以下の飽和脂肪酸量が0.05〜3.0重量%である油脂組成物に関する。好ましい実施態様は、C4の飽和脂肪酸量が脂肪酸組成全体中0.03〜1.5重量%である上記記載の油脂組成物に関する。より好ましくは、油脂(A)の含有量が油脂組成物全体中5〜50重量%であり、油脂(B)の含有量が油脂組成物全体中40〜95重量%である上記記載の油脂組成物、更に好ましくは、乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油からなる混合油中の乳脂肪/ハイエルシン酸ナタネ極度硬化油の重量比率が30/70〜80/20である上記記載の油脂組成物、特に好ましくは、トランス型脂肪酸含量が、油脂組成物全体中3.0重量%以下である上記記載の油脂組成物、に関する。本発明の第二は、上記記載の油脂組成物を用いることを特徴とする焼き菓子に関する。
本発明によれば、使用する油脂組成物のトランス酸型脂肪酸含量が少なくても、複合菓子に用いられた焼き菓子類の白色化現象などを抑制でき、且つ焼き菓子製造時の作業性が良好で、焼成後の焼き菓子の食感が良好である焼き菓子用の油脂組成物を得ることができる。また焼き菓子用油脂組成物に含有されるトランス型脂肪酸含量を少なくできる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の油脂組成物は、乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油からなる混合油をランダムエステル交換した油脂(A)及びパーム油をランダムエステル交換した油脂(B)を主に含有し、脂肪酸組成全体中C6以下の飽和脂肪酸を特定量含むことを特徴とする。必要に応じてさらに、大豆油、落花生油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、ナタネ油、ハイエルシン酸ナタネ油、コーン油、米油、オリーブ油、ゴマ油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)などの液状油脂類、ヤシ油、パーム油、パーム核油、乳脂、牛脂、豚脂等の固体油脂類、更にこれらの硬化油、分別油、或いはエステル交換油等の物理的又は化学的処理を施した油脂類等からなる群より選ばれる少なくとも1種の油脂類を含有してもよい。また、その他にも必要に応じて水、乳化剤、呈味物質を添加してもよい。
本発明における乳脂肪とは、生乳、牛乳、特別牛乳等の乳や、バター、発酵バター、クリーム、発酵クリーム等の乳製品等から得られる脂肪分であれば特に限定はない。
本発明の油脂(A)は、乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油からなる混合油を、常法に従ってランダムエステル交換することで得られる。その際必要に応じて、前記混合油には大豆油、落花生油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、ナタネ油、コーン油、米油、オリーブ油、ゴマ油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)などの液状油脂類、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、豚脂等の固体油脂類、更にこれらの硬化油、分別油、或いはエステル交換油等の物理的又は科学的処理を施した油脂類等からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。油脂(A)の含有量は、油脂組成物全体中5〜50重量%であることが好ましい。5重量%より少ないと、C6以下の飽和脂肪酸含有量が少な過ぎて、本発明の効果を発現できなくなる場合があり、50重量%より多いと、製造される油脂組成物が硬くなり過ぎて、本発明の効果を発現できなくなる場合がある。また乳脂肪及びハイエルシン酸ナタネ極度硬化油以外の前記油脂類の含有量は、油脂(A)全体中0〜20重量%であればよい。
前記混合油中の乳脂肪/ハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(重量比率)は30/70〜80/20であることが好ましい。前記重量比率が30/70未満であると製造される油脂組成物が硬くなり過ぎて本発明の効果を発現できなくなる場合があり、前記重量比率80/20より多いと製造される油脂組成物が柔らかくなり過ぎて、本発明の効果を発現できなくなる場合がある。
本発明の油脂(B)は、パーム油を常法に従ってランダムエステル交換することで得られる。その際、エステル交換前の原料油脂には必要に応じて、大豆油、落花生油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、ナタネ油、ハイエルシン酸ナタネ油、コーン油、米油、オリーブ油、ゴマ油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)などの液状油脂類、ヤシ油、パーム核油、乳脂、牛脂、豚脂等の固体油脂類、更にこれらの硬化油、分別油、或いはエステル交換油等の物理的又は化学的処理を施した油脂類等からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。油脂(B)の含有量は、油脂組成物全体中40〜95重量%であることが好ましい。40重量%より少なかったり、或いは95重量%より多いと、本発明の効果を発揮できない場合がある。またエステル交換前の原料油脂全体中、パーム油の含有量は、80〜100重量%が好ましい。またパーム油以外の前記油脂の含有量は、エステル交換前の原料油脂全体中0〜20重量%が好ましい。
本発明の油脂組成物には、油脂(A)及び油脂(B)以外に、大豆油、落花生油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、ナタネ油、ハイエルシン酸ナタネ油、コーン油、米油、オリーブ油、ゴマ油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)などの液状油脂類、ヤシ油、パーム油、パーム核油、乳脂、牛脂、豚脂等の固体油脂類、更にこれらの硬化油、分別油、或いはエステル交換油等の物理的又は化学的処理を施した油脂類等からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有してもよいが、それら油脂(A)及び油脂(B)以外油脂類の含有量は、合計で油脂組成物全体中0〜50重量%未満であることが好ましい。50重量%以上それらの成分を含有すると、本発明の効果を発現できなくなる場合がある。
本発明におけるC6以下の飽和脂肪酸としては、カプロン酸、酪酸等が例示でき、本発明におけるC4の飽和脂肪酸とは酪酸である。前記C6以下の飽和脂肪酸量は、脂肪酸組成全体中0.05〜3.0重量%が好ましい。0.05重量%より少なかったり、3.0重量%より多いと、本発明の効果を発揮できない場合がある。そして、C4の飽和脂肪酸量が脂肪酸組成全体中0.03〜1.5重量%であることがより好ましい。
本発明の油脂組成物中のトランス型脂肪酸含量は、油脂(A)及び油脂(B)のみしか含有しない場合は2.5重量%以下が好ましく、前記油脂(A)及び油脂(B)以外の油脂類を含む場合でも、人体への影響を考慮すると、3.0重量%以下が好ましく、そのためには、油脂(A)及び油脂(B)以外に含有する油脂類中のトランス型脂肪酸含量を、油脂組成物全体中2.5重量%以下にすることが好ましい。
本発明において、任意成分である乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。また、同じく任意成分である呈味物質としては、例えば、砂糖、食塩、シロップ、ココア、乳製品、香料等が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。何れの任意成分も、本発明の効果を阻害しない限り、その添加量に制限はないが、乳化剤の添加量は油脂組成物全体中0〜3重量%が好ましく、呈味物質の添加量は油脂組成物全体中0〜20重量%が好ましい。
本発明の油脂組成物中の製造方法は、特に限定はないが、以下に例示する。乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油を特定量ずつ混合し、その混合油を常法に従ってランダムエステル交換して油脂(A)を得ることができる。またパーム油を常法に従ってランダムエステル交換して油脂(B)を得ることができる。そして得られた油脂(A)及び油脂(B)、さらには必要に応じてその他の油脂や水、乳化剤、呈味物質を添加して撹拌混合し、殺菌工程を経てから、乳化させ、急冷可塑化し、油脂組成物が得られる。
本発明の油脂組成物を用いて、常法に従って、クッキー、ビスケット、パイ、クラッカー、プレッツェル、バターケーキ、スポンジケーキ等の焼き菓子類を作製することができる。そして、該焼き菓子に、チョコレート、クリーム類等をコーティング、注入、サンド挿入したり、或いはチョコレートに焼き菓子を埋設したりして、複合菓子を作製できる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらにより何ら限定を受けるものではない。尚、以下の記載において、特に断わらない限り、「部」、「%」は全て「重量部」、「重量%」を表す。
<作業性評価>
実施例・比較例におけるクッキー作製時の作業性を評価し、その結果をまとめた。その際の評価基準は以下の通りであった。◎:極めて良好、○:普通、△:わずかに硬い又はわずかに柔らかい、×:著しく硬い又は著しく柔らかい。
<食感評価>
実施例・比較例で得られたクッキーを5人の熟練したパネラ−に食べてもらい、食感を硬さ、口ごなれ、口溶けに分けて評価して、その結果を集約した。その際の評価基準は以下の通りであった。<硬さ>◎:極めて良好、○:良好、△:やや硬い、×:硬い。<口ごなれ>◎:極めて良好、○:良好、△:やや悪い、×悪い。<口溶け>◎:極めて良好、○:良好、△:やや悪い、×:悪い。<総合>◎:極めて良好、○:良好、△:やや悪い、×:極めて悪い。
<サイクルテスト14日経過時の白色化の観察評価>
実施例・比較例で得られたチョコレートクッキーに対して、18℃と27℃を12時間毎に繰り返すサイクルテストを14日間行った後、クッキー表面の色彩を色彩色差計(型番:CR−200、ミノルタ社製)で測定し、その色差を評価した。前記色差は、焼成直後のクッキー表面の色彩と14日後のクッキー表面の色彩から以下の計算式により求めた。
△Eab=√(△L)+(△a)+(△b)
(△Eab:色差,L:明度指数,a、b:クロマティクネス指数)
色差の結果は、以下の基準に従い集約した。◎:△Eab=0以上、3.0未満,○:△Eab=3.0以上〜6.0未満,△:△Eab=6.0以上〜12.0未満,×:△Eab=12.0以上。
(製造例1〜4) 油脂(A)の作製
表1の配合に従って、混合した原料油を常法でランダムエステル交換を行い、油脂(A1〜A4)を得た。
Figure 2008178370
(製造例5) 油脂(B)の作製
パーム油(精製パーム油、融点34.8℃)を常法でランダムエステル交換を行い、油脂(B)を得た。
(実施例1,2) 油脂組成物の作製
表2の配合に従って、混合した原料油を常法に従い急冷可塑化して油脂組成物1(実施例1)、油脂組成物2(実施例2)を得た。得られた油脂組成物のC6以下の飽和脂肪酸量は、脂肪酸組成全体中0.3重量%(実施例1)、0.2重量%(実施例2)であった。得られた油脂組成物の脂肪酸組成及びトランス型脂肪酸含量は表2に示す。
Figure 2008178370
(比較例1、2) 油脂(B)を含有しない油脂組成物の作製
表2の配合に従って、混合した原料油を常法に従い急冷可塑化して油脂組成物3(比較例1)、油脂組成物4(比較例2)を得た。得られた油脂組成物のC6以下の飽和脂肪酸量は、脂肪酸組成全体中3.2重量%(比較例1)、1.6重量%(比較例2)であった。得られた油脂組成物の脂肪酸組成及びトランス型脂肪酸含量は表2に示す。
(比較例3) 油脂(A)が規定量を超える油脂組成物の作製
表2の配合に従って、混合した原料油を常法に従い急冷可塑化して油脂組成物5を得た。得られた油脂組成物のC6以下の飽和脂肪酸量は、脂肪酸組成全体中1.9重量%であった。得られた油脂組成物の脂肪酸組成及びトランス型脂肪酸含量は表2に示す。
(比較例4) 油脂(A)を含有しない油脂組成物の作製
表2の配合に従って、混合した原料油を常法に従い急冷可塑化して油脂組成物6を得た。得られた油脂組成物中にはC6以下の飽和脂肪酸を含有していなかった。又、得られた油脂組成物の脂肪酸組成及びトランス型脂肪酸含量は表2に示す。
(比較例5) 油脂(A)、油脂(B)共に含有しない油脂組成物の作製
表2の配合に従って、混合した原料油を常法に従い急冷可塑化して油脂組成物7を得た。得られた油脂組成物中にはC6以下の飽和脂肪酸を含有していなかった。又、得られた油脂組成物の脂肪酸組成及びトランス型脂肪酸含量は表2に示す。
(実施例3,4、比較例6〜10) クッキーの作製
得られた油脂組成物1〜7をそれぞれ用いて、表3の配合に従って、シュガーバッター法で生地を作製し、生地を3mmに圧延して内径30mmの丸型で型抜きし、これを170℃で12分間焼成して型抜きクッキーを作製した。得られた型抜きクッキーを20℃で24時間冷却し、型抜きクッキーに対して3重量倍のテンパリングしたチョコレート中に埋設させ、更に20℃で1時間冷却してチョコレートを固化させ、チョコレートクッキーを得た。得られたチョコレートクッキーのサイクルテスト14日経過時における白色化の観察結果に加え、クッキー作製時の作業性、焼成後のクッキーの硬さ、口ごなれ、口溶けを評価した結果を表3に示す。
上記の結果を見ると、比較例6〜8は、クッキー表面が非常に良い、即ち白色化現象が全く見られないものの作業性や食感が良くなく、比較例9は食感は良いもののクッキー表面が非常に悪く白色化現象が見られ、比較例10は比較例9に較べてさらに作業性も悪くなった。それらの比較例に対し、実施例4はクッキー表面がやや悪い、即ち白色化現象がわずかに見られたが、作業性も食感も良く、実施例3は実施例4に較べてさらにクッキー表面が良い、即ち白色化現象が殆ど見られなかった。
Figure 2008178370

Claims (6)

  1. 乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油からなる混合油をランダムエステル交換した油脂(A)及びパーム油をランダムエステル交換した油脂(B)を主に含有し、脂肪酸組成全体中のC6以下の飽和脂肪酸量が0.05〜3.0重量%である油脂組成物。
  2. C4の飽和脂肪酸量が脂肪酸組成全体中0.03〜1.5重量%である請求項1記載の油脂組成物。
  3. 油脂(A)の含有量が油脂組成物全体中5〜50重量%であり、油脂(B)の含有量が油脂組成物全体中40〜95重量%である請求項1又は2に記載の油脂組成物。
  4. 乳脂肪とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油からなる混合油中の乳脂肪/ハイエルシン酸ナタネ極度硬化油の重量比率が30/70〜80/20である請求項1〜3の何れかに記載の油脂組成物。
  5. トランス型脂肪酸含量が、油脂組成物全体中3.0重量%以下である請求項1〜4の何れかに記載の油脂組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の油脂組成物を用いることを特徴とする焼き菓子。
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