JP2008156758A - 基板ホルダ及びめっき装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板を容易かつ確実に取出すことができるようにする。
【解決手段】固定保持部材54とシール部材60を取付けた可動保持部材58との間に基板Wを介在させ、可動保持部材58を固定保持部材54に向けて押圧し基板Wの外周端部を包囲する領域をシール部材60でシールして基板Wを着脱自在に保持するようにした基板ホルダにおいて、固定保持部材54に、固定保持部材54と可動保持部材58で基板を保持した時に自由端部96aが該基板の外周よりも内側に位置し、固定保持部材54と可動保持部材58での基板の保持を解いた時に自由端部96aが基板の外周よりも外側に位置するばね性を有する板ばね部材96を設けた。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば基板の被めっき面にめっきを施すめっき装置、特に半導体ウエハ等の表面に設けられた微細な配線用溝やホール、レジスト開口部にめっき膜を形成したり、半導体ウエハの表面にパッケージの電極等と電気的に接続するバンプ(突起状電極)を形成したりするめっき装置等に使用される基板ホルダ、及び係る基板ホルダを備えためっき装置に関する。
例えば、TAB(Tape Automated Bonding)やフリップチップにおいては、配線が形成された半導体チップの表面の所定箇所(電極)に金、銅、はんだ、或いはニッケル、更にはこれらを多層に積層した突起状接続電極(バンプ)を形成し、このバンプを介してパッケージの電極やTAB電極と電気的に接続することが広く行われている。このバンプの形成方法としては、電解めっき法、蒸着法、印刷法、ボールバンプ法といった種々の手法があるが、半導体チップのI/O数の増加、細ピッチ化に伴い、微細化が可能で性能が比較的安定している電解めっき法が多く用いられるようになってきている。
ここで、電解めっき法は、半導体ウエハ等の基板の被めっき面を下向き(フェースダウン)にして水平に置き、めっき液を下から噴き上げてめっきを施す噴流式またはカップ式と、めっき槽の中に基板を垂直に立て、めっき液をめっき槽の下から注入しオーバーフローさせつつめっきを施すディップ式に大別される。ディップ方式を採用した電解めっき法は、めっきの品質に悪影響を与える泡の抜けが良く、フットプリントが小さいという利点を有しており、このため、めっき穴の寸法が比較的大きく、めっきにかなりの時間を要するバンプめっきに適していると考えられる。
従来のディップ方式を採用した電解めっき装置にあっては、気泡が抜けやすくできる利点を有しており、半導体ウエハ等の基板をその端面と裏面をシールし表面(被めっき面)を露出させて着脱自在に保持する基板ホルダを備え、この基板ホルダを基板ごとめっき液中に浸漬させて基板の表面にめっきを施すようにしている。
基板ホルダは、めっき液中に浸漬させて使用するため、この基板ホルダで基板を保持した時に、基板の裏面(反被めっき面)側へめっき液が周り込まないよう、基板の外周部を確実にシールする必要がある。このため、例えば、一対のサポート(保持部材)で基板を着脱自在に保持するようにした基板ホルダにあっては、一方のサポートにシール部材を取付け、このシール部材を他方のサポートに載置保持した基板の周縁部に圧接させることで、基板の外周部をシールするようにしている。
ここで、基板ホルダで保持した基板にめっきを行う際には、この基板を電源のマイナス側に電気的に接続する必要がある。このため、例えばシール部材内部の該シール部材でシールされた領域内に位置して、外部から延びる配線と基板とを電気的に繋ぐ電気接点が備えられている。
この電気接点としては、ステンレス等の金属製板材を横断面コ字状に成形した金属接片と、この金属接片を基板方向に向けて付勢するコイルばねを有し、シール部材で基板の外周部を気密的にシールした状態で基板を基板ホルダで保持した時、コイルばねの弾性力を介して、金属接片の外周側に位置する一方の足が外部配線に接触し、金属接片の内周側に位置する他方の足が基板と接触するようにしたものが知られている。
しかしながら、従来のこの種の基板ホルダにあっては、電気接点を構成する金属接片が一般に剛体で構成されているため、接点が点接触(片当たり)となって接触不良が生じ易いばかりでなく、基板の周縁部のやや内に入った位置で基板と金属接片が互いに接触するようにしているため、基板のパターン形成領域として有効に利用できる面積が狭くなってしまう。
また、基板や部材には、一般に寸法のばらつきがあり、この寸法のばらつき、更には一対のサポートの位置関係等によって、このサポートで保持される基板のサポートに取付けたシール部材に対する位置決め(センタリング)が一般に困難で、この基板の位置決めのための特別な部材を別途設けると、基板ホルダとしての大型化や複雑化に繋がってしまう。
更に、前述のように、一方のサポートにシール部材を取付け、このシール部材を他方のサポートに載置保持した基板の周縁部に圧接させることで、基板の外周部をシールするようにしているため、めっき終了後に、シール部材を取付けたサポートを開いて基板を基板ホルダから取出す際に、基板がシール部材にくっついたままサポートが開き、基板が脱落してしまうことがあり、この脱落防止のための何らかの対策を施す必要がある。
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、基板を容易かつ確実に取出すことができるようにした基板ホルダ及び該基板ホルダを備えためっき装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、固定保持部材とシール部材を取付けた可動保持部材との間に基板を介在させ、前記可動保持部材を前記固定保持部材に向けて押圧し基板の外周端部を包囲する領域を前記シール部材でシールして基板を着脱自在に保持するようにした基板ホルダにおいて、前記固定保持部材に、該固定保持部材と前記可動保持部材で基板を保持した時に自由端部が該基板の外周よりも内側に位置し、前記固定保持部材と前記可動保持部材での基板の保持を解いた時に自由端部が基板の外周よりも外側に位置するばね性を有する板ばね部材を設けたことを特徴とする基板ホルダである。
これにより、めっき終了後、可動保持部材を移動させ基板の保持を解いて、基板を基板ホルダから取出す際に、先ず基板の外周よりも内側に位置する板ばね部材の自由端部で基板の動きを規制して、可動保持部材に取付けたシール部材を基板から引き離すことで、基板がシール部材にひっついたまま該シール部材と一緒に移動してしまうことを防止し、しかもこの移動に伴って、板ばね部材の自由端部を基板の外周より外側に位置させることで、この板ばね部材の存在によって、基板の基板ホルダからの取出しが阻害されてしまうことを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、前記板ばね部材は、前記固定保持部材と前記可動保持部材で基板を保持した時に自由端部が該基板の表面に弾性的に接触するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の基板ホルダである。
請求項3に記載の発明は、前記板ばね部材は、前記固定保持部材と前記可動保持部材で基板を保持した時に自由端部が該基板の外周端面に弾性的に接触するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の基板ホルダである。これにより、基板ホルダで基板を保持する際に、基板を板ばね部材の弾性力で内方に付勢することで、この板ばね部材を介して、基板の基板ホルダに対する位置決め(センタリング)を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、前記板ばね部材は、前記固定保持部材と前記可動保持部材で基板を保持した時に該基板に給電する電気接点を兼用していることを特徴とする請求項2または3記載の基板ホルダである。これにより、基板を基板ホルダから取出す際に、基板をシール部材から引き離すことのみを目的とする専用の板ばね部材を設ける必要をなくして、構造の簡素化を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の基板ホルダを有することを特徴とするめっき装置である。
本発明によれば、固定保持部材の基板を保持した時に前記シール部材でシールされた領域に、固定保持部材と可動保持部材で基板を保持した時に自由端部が該基板の外周よりも内側に位置し、固定保持部材と可動保持部材での基板の保持を解いた時に自由端部が基板の外周よりも外側に位置するばね性を有する板ばね部材を設けることで、めっき終了後、可動保持部材を移動させ基板の保持を解いて、基板を基板ホルダから取出す際に、基板がシール部材にひっついたまま該シール部材と一緒に移動して、最悪の場合には基板の脱落に繋がってしまうことを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の基板ホルダを備えためっき装置の全体配置図を示す。図1に示すように、このめっき装置には、半導体ウエハ等の基板Wを収納したカセット10を搭載する2台のカセットテーブル12と、基板Wのオリフラやノッチなどの位置を所定の方向に合わせるアライナ14と、めっき処理後の基板Wを高速回転させて乾燥させるスピンドライヤ16が備えられている。更に、この近くには、基板ホルダ18を載置して基板Wの該基板ホルダ18との着脱を行う基板着脱部20が設けられ、これらのユニットの中央には、これらの間で基板Wを搬送する搬送用ロボットからなる基板搬送装置22が配置されている。
そして、基板着脱部20側から順に、基板ホルダ18の保管及び一時仮置きを行うストッカ24、基板Wを純水に浸漬させるプリウェット槽26、基板Wの表面に形成したシード層500(図12参照)表面の酸化膜をエッチング除去するプリソーク槽28、基板Wの表面を純水で水洗する第1の水洗槽30a、洗浄後の基板Wの水切りを行うブロー槽32、第2の水洗槽30b及びめっき槽34が順に配置されている。このめっき槽34は、オーバーフロー槽36の内部に複数の銅めっきユニット38を収納して構成され、各銅めっきユニット38は、内部に1個の基板Wを収納して、銅めっき等のめっきを施すようになっている。なお、この例では、銅めっきについて説明するが、ニッケルやはんだ、銀、更には金めっきにおいても同様であることは勿論である。
更に、これらの各機器の側方に位置して、これらの各機器の間で基板ホルダ18を基板Wとともに搬送する、例えばリニアモータ方式を採用した基板ホルダ搬送装置40が備えられている。この基板ホルダ搬送装置40は、基板着脱部20とストッカ24との間で基板Wを搬送する第1のトランスポータ42と、ストッカ24、プリウェット槽26、プリソーク槽28、水洗槽30a,30b、ブロー槽32及びめっき槽34との間で基板Wを搬送する第2のトランスポータ44を有している。なお、第2のトランスポータ44を備えることなく、第1のトランスポータ42のみを備えるようにしてもよい。
また、この基板ホルダ搬送装置40のオーバーフロー槽36を挟んだ反対側には、各銅めっきユニット38の内部に位置してめっき液を攪拌する掻き混ぜ棒としてのパドル(図示せず)を駆動するパドル駆動装置46が配置されている。
基板着脱部20は、レール50に沿って横方向にスライド自在な平板状の載置プレート52を備えており、この載置プレート52に2個の基板ホルダ18を水平状態で並列に載置して、この一方の基板ホルダ18と基板搬送装置22との間で基板Wの受渡しを行った後、載置プレート52を横方向にスライドさせて、他方の基板ホルダ18と基板搬送装置22との間で基板Wの受渡しを行うようになっている。
前記基板ホルダ18は、図2乃至図7に示すように、例えば塩化ビニル製で矩形平板状の固定保持部材54と、この固定保持部材54にヒンジ56を介して開閉自在に取付けた可動保持部材58とを有している。なお、この例では、可動保持部材58を、ヒンジ56を介して開閉自在に構成した例を示しているが、例えば可動保持部材58を固定保持部材54に対峙した位置に配置し、この可動保持部材58を固定保持部材54に向けて前進させて開閉するようにしてもよい。
この可動保持部材58は、基部58aと、この例ではリング状の支持部58bとを有し、例えば塩化ビニル製で、下記の押えリング62との滑りを良くしており、その支持部58bの固定保持部材54側表面に、リング状で一方のリップ部を長くした横断面略コ字状のシール部材(シールリング)60が固定保持部材54側に開口して取付けられている。
可動保持部材58の固定保持部材54と反対側には、押えリング62が回転自在に支承され、この押えリング62の外周面にスライドプレート64が取付けられている。この押えリング62は、酸化性環境に対して耐食性に優れ、十分な剛性を有する、例えばチタンから構成されている。
スライドプレート64の外側方に位置して、固定保持部材54には、内方に突出する突出部を有する逆L字状のクランパ70が円周方向に沿って等間隔で立設されている。そして、スライドプレート64の表面及び該表面を覆うように位置するクランパ70の内方突出部の下面は、回転方向に沿って互いに逆方向に傾斜するテーパ面となっている。更に、押えリング62の表面の円周方向に沿った複数箇所(例えば4カ所)には、例えば押えリング62にねじ込んだ回転ピンからなる突起73が設けられ、この突起73を回転機構で引っ掛けて押えリング62をスライドプレート64と一体に回転させるようになっている。
これにより、可動保持部材58を開いた状態で、固定保持部材54の中央部に基板Wを挿入し、ヒンジ56を介して可動保持部材58を閉じた後、押えリング62を時計回りに回転させて、スライドプレート64をクランパ70の突出部の内部に滑り込ませることで、固定保持部材54と可動保持部材58とをテーパ面を介して互いに締付けてロックし、押えリング62を反時計回りに回転させて逆L字状のクランパ70の突出部からスライドプレート64を引き抜くことで、このロックを解くようになっている。そして、このようにして可動保持部材58をロックした時、シール部材60の内周面側の短いリップ部60aが基板Wの表面に、外周面側の長いリップ部60bが固定保持部材54の表面にそれぞれ圧接し、シール部材60を均一に押圧して、ここを確実にシールするようになっている。
固定保持部材54の中央部には、基板Wの大きさに合わせてリング状に突出し、表面を基板Wの周縁部に当接させて該基板Wを支持する支持面80となる突条部82が設けられており、この突条部82の円周方向に沿った所定位置に凹部84が設けられている。
そして、図2及び図5に示すように、この各凹部84内に、下記のハンド98に設けた外部接点から延びる複数の配線にそれぞれ接続した複数(図示では8個)の導電体(電気接点)88が配置されて、固定保持部材54の支持面80上に基板Wを載置した際、この導電体88の端部が基板Wの側方で固定保持部材54の表面にばね性を有した状態で露出するようになっている。
一方、シール部材60の一対のリップ部60a,60bで挟まれた内部には、支持体90が取付けられ、この支持体90の導電体88に対向した位置に、電気接点92の脚部92aが固着されている。この電気接点92は、板ばね形状に形成されている。つまり、この電気接点92は、内方に板ばね状に突出する接点端部92bを有しており、この接点端部92bにおいて、その弾性力によるばね性を有して容易に屈曲するようになっている。
つまり、この例では、接点端部92bは、図11(a)に示すように、基板Wに向けた突出長さが均等な、複数の矩形状の細片が並列に配列された形状に形成されている。そして、電気接点92は、この各接点端部(細片)92bの先端部を結ぶ線が基板Wの接線方向に対して僅かに傾くような状態となるように、支持体90に取付けられている。これにより、図11(a)に示すように、各接点端部(細片)92bの各先端部が、基板Wの表面の、斜線で示す電気接点との接触領域Aに、この幅方向の異なる位置で接触し、これによって、基板Wに多少の位置ずれが生じても、接点端部(細片)92bの各先端部の少なくとも一部が、基板Wの接触領域Aで基板Wと接触するようになっている。
なお、図11(b)に示すように、複数の長尺状の電気接点92を基板の直径方向に沿った位置に所定間隔離間させて配置し、この各接点端部92bの各先端部が、基板Wの表面の、斜線で示す電気接点との接触領域Aに、この円周方向に沿った位置で接触するようにしてもよい。これにより、一部の電気接点92の接点端部92bにゴミ等が付着しても、他の電気接点92で基板Wとの導通をとるようにすることができる。
また、図11(c)に示すように、基板Wに向けた突出長さが均等な、複数の矩形状の細片が並列に配列された形状の各接点端部(細片)92bの先端部を結ぶ線が、基板Wの接線方向と平行となるように、電気接点92を支持体90に取付けるようにしてもよく、更に、図11(d)に示すように、複数の矩形状の細片が並列に配列された形状の各接点端部(細片)92bの基板Wに向けた突出長さが異なるようにしてもよい。これらによっても、各接点端部(細片)92bの各先端部が、基板Wの表面の、斜線で示す電気接点との接触領域Aに、この幅方向の異なる位置で接触して、基板Wに多少の位置ずれが生じても、接点端部(細片)92bの各先端部の少なくとも一部が、基板Wの接触領域Aで基板Wと接触するようにすることができる。
そして、可動保持部材58をロックして固定保持部材54と可動保持部材58で基板Wを保持した時、図5(b)に示すように、シール部材60でシールされた位置、すなわちシール部材60の一対のリップ部60a,60bで挟まれた領域で、導電体88の露出部が電気接点92の脚部92aの下面に導電体88の露出部の弾性力を介して弾性的に接触して電気的に接続され、基板Wが電気接点92の接点端部92bの先端に該接点端部92bの弾性力を介して弾性的に接触する。これによって、基板Wをシール部材60でシールして基板ホルダ18で保持した状態で、電気接点92を介して基板Wに給電が行えるようになっている。
このように、電気接点92を板ばね形状に形成し、この電気接点92自体の弾性力を介して電気接点92の接点端部92bの先端が基板Wに接触するようにすることで、接点不良を減少させ、しかも、電気接点92が基板Wのより外周部で該基板Wと接触するようにして、基板Wのパターン形成領域として有効に利用できる面積を広めることができる。
なお、導電体88の表面の、少なくとも電気接点92との当接面に、例えば金または白金めっきを施して被覆することが好ましい。
また、図6に示すように、固定保持部材54の突条部82の一部には、尖塔状のテーパ面を有するテーパ部82aが設けられ、また、支持体90の内周面の該テーパ部82aと対向する位置には、該テーパ部82aのテーパ面と逆テーパ面で、固定保持部材54と可動保持部材58とで基板Wを保持した時に互いに係合して両者54,58の中心に対する位置決めを行うテーパ部90aが設けられている。つまり、図6(b)に示すように、固定保持部材54と可動保持部材58とで基板Wを保持する際に、テーパ部82a,90aが互いに案内となって、可動保持部材58の固定保持部材54に対する(またはその逆の)位置決めが行われるようになっている。
このように、固定保持部材54の突条部82と可動保持部材58の支持体90に互いに係合するテーパ部82a,90aを設けることにより、固定保持部材54と可動保持部材58が離れた位置では両者54,58の位置合わせが正確でなくとも、基板Wを固定保持部材54と可動保持部材58で保持する過程で、互いに係合するテーパ部82a,90aを介して、両者54,58の中心に対する位置決めを自動的に行うことができる。
ここで、可動保持部材58の支持体90に設けられたテーパ部90aは、固定保持部材54と可動保持部材58で基板Wを保持する時に、固定保持部材54の突条部82の支持面80上に支持された基板Wの外周端面を案内して基板Wの位置決めを行うように構成されている。つまり、図6(b)に示すように、基板Wの外周部が突条部82の支持面80から外方に突出した時に、この基板Wの外周端面がテーパ部90aに接触し、これによって、基板Wの基板ホルダ、ひいてはシール部材60に対する位置決め(センタリング)が行われるようになっている。
これにより、前述のようにして、基板Wを固定保持部材54と可動保持部材58で保持する過程で、両者54,58の中心に対する位置決めを行い、可動保持部材58の支持体90に設けられたテーパ部90aを介して、基板Wの基板ホルダに対する位置決め(センタリング)を同時に行うことができる。
更に、図2及び図7に示すように、固定保持部材54の表面のシール部材60と対面する円周方向に沿った所定の位置には、複数の凹溝94が設けられ、この各凹溝94の内部に、上方に向けて延出する板ばね部材96がその下端を固定して配置されている。この板ばね部材96は、その下端を固定して上方をフリーとすることでばね性を有しており、上方に向け外方に傾斜して延出するばね性を有する延出部(自由端部)96aの先端には、円弧状に丸めた係合部96bが設けられている。
一方、可動保持部材58の支持体90の板ばね部材96と対向する内周面には、上方に向けて内方に傾斜するテーパ面90cと該テーパ面90cに連続して鉛直方向に立上る鉛直面90dからなる案内面が形成されている。
これにより、図7(a)から図7(b)に示すように、可動保持部材58の下降に伴って、板ばね部材96の先端係合部96bが支持体90のテーパ面90cに当接し該テーパ面90cに案内されて、板ばね部材96は内方に向けて屈曲する。そして、可動保持部材58が更に下降すると、図7(c)に示すように、板ばね部材96の先端係合部96bが支持体90の鉛直面90dの内方に位置し、延出部96aが垂直となって、板ばね部材96は、これ以上内方に屈曲しないが、板ばね部材96の係合部96bが固定保持部材54の支持面80上に支持された基板Wの外周部の上方を覆う位置に位置する。そして、可動保持部材58が更に下降することで、シール部材60の内周面側の短いリップ部60aが基板Wの表面に、外周面側の長いリップ部60bが固定保持部材54の表面にそれぞれ圧接し、シール部材60を均一に押圧して、ここを確実にシールし、この状態で、めっき等の基板の処理が行われる。
そして、一連の処理を終了して、基板ホルダで保持した基板Wを取出す時には、可動保持部材58を上昇させるのであるが、この時、先ず、図7(d)に示すように、板ばね部材96の先端係合部96bが支持体90の鉛直面90dの内方に位置しているため、この板ばね部材96の動きが規制される。このため、例えシール部材60に基板Wがひっついていたとしても、板ばね部材96の先端係合部96bが基板Wの外周部上面に当接してこの上昇を規制し、シール部材60、可動保持部材58、支持体90が上昇して、基板Wをシール部材60から強制的に切り離す。そして、可動保持部材58が更に上昇すると、板ばね部材96は、その先端係合部96bが支持体90のテーパ面90cに当接しながら、その弾性力で徐々に外方に拡がり、図7(f)に示すように元の状態に復帰する。この時、板ばね部材96の係合部96bが固定保持部材54の支持面80上に支持された基板Wの外周部の外方に位置する。これによって、この板ばね部材96によって、処理後の基板Wの取出しや、処理前の基板の装着が阻害されてしまうことはない。
これにより、めっき終了後、可動保持部材58を移動させ基板Wの保持を解いて、基板Wを基板ホルダから取出す際に、基板Wがシール部材60にひっついたまま該シール部材60と一緒に移動してしまうことを防止し、しかもこの移動に伴って、板ばね部材96の自由端部を基板の外周より外側に位置させることで、この板ばね部材96の存在によって、基板Wの基板ホルダからの取出しが阻害されてしまうことを防止することができる。
シール部材60は、前述のように、固定保持部材54と可動保持部材58で基板Wを保持した時に該基板Wの周縁部と固定保持部材58の表面にそれぞれ接触するリップ部60a,60bを有しており、このリップ部60a,60bの間に装着した支持体90に一体的に保持されている。つまり、シール部材60は、リップ部60a,60bを繋ぐ平坦部を可動保持部材58の支持部58aと支持体90で挟み、この可動保持部材58の支持部58aと支持体90とをボルト91(図6参照)で締付けることで固定されている。更に、可動保持部材58の支持部58aとシール部材60の上面との間にシール材93が介装されて、ここを確実にシールするように構成されている。
このように、シール部材60を支持体90に一体的に保持することで、めっき終了後、可動保持部材58を移動させ基板Wの保持を解いて、基板Wを基板ホルダ18から取出す際に、シール部材60のリップ部(シール部)60aが基板Wに付着して固定保持部材58の支持部58bから捲れてしまうことを防止して、シール部材60と基板Wとの剥離性を向上させることができる。
可動保持部材58の開閉は、図示しないシリンダと可動保持部材58の自重によって行われる。つまり、固定保持部材54には通孔54aが設けられ、載置プレート52の上に基板ホルダ18を載置した時に該通孔54aに対向する位置にシリンダが設けられている。これにより、シリンダロッドを伸展させ、通孔54aを通じて押圧棒で可動保持部材58の基部58aを上方に押上げることで可動保持部材58を開き、シリンダロッドを収縮させることで、可動保持部材58をその自重で閉じるようになっている。
この例にあっては、押えリング62を回転させることにより、可動保持部材58のロック・アンロックを行うようになっているが、このロック・アンロック機構は、天井側に設けられている。つまり、このロック・アンロック機構は、載置プレート52の上に基板ホルダ18を載置した時、この中央側に位置する基板ホルダ18の押えリング62の各突起73に対応する位置に位置させた把持部材を有し、載置プレート52を上昇させ、突起73を把持部材で把持した状態で把持部材を押えリング62の軸芯周りに回転させることで、押えリング62を回転させるように構成されている。このロック・アンロック機構は、1個備えられ、載置プレート52の上に載置した2個の基板ホルダ18の一方をロック(またはアンロック)した後、載置プレート52を横方向にスライドさせて、他方の基板ホルダ18をロック(またはアンロック)するようになっている。
また、基板ホルダ18には、基板Wを装着した時の該基板Wと接点との接触状態を確認するセンサが備えられ、このセンサからの信号がコントローラ(図示せず)に入力されるようになっている。
基板ホルダ18の固定保持部材54の端部には、基板ホルダ18を搬送したり、吊下げ支持したりする際の支持部となる一対の略T字状のハンド98が連接されている。そして、ストッカ24内においては、この周壁上面にハンド98の突出端部を引っ掛けることで、これを垂直に吊下げ保持し、この吊下げ保持した基板ホルダ18のハンド98を基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ42で把持して基板ホルダ18を搬送するようになっている。なお、プリウェット槽26、プリソーク槽28、水洗槽30a,30b、ブロー槽32及びめっき槽34内においても、基板ホルダ18は、ハンド98を介してそれらの周壁に吊下げ保持される。
このように構成しためっき装置による一連のバンプめっき処理を説明する。先ず、図12(a)に示すように、表面に給電層としてのシード層500を成膜し、このシード層500の表面に、例えば高さHが20〜120μmのレジスト502を全面に塗布した後、このレジスト502の所定の位置に、例えば直径Dが20〜200μm程度の開口部502aを設けた基板をその表面(被めっき面)を上にした状態でカセット10に収容し、このカセット10をカセットテーブル12に搭載する。
このカセットテーブル12に搭載したカセット10から、基板搬送装置22で基板を1枚取出し、アライナ14に載せてオリフラやノッチなどの位置を所定の方向に合わせる。このアライナ14で方向を合わせた基板を基板搬送装置22で基板着脱部20まで搬送する。
基板着脱部20においては、ストッカ24内に収容されていた基板ホルダ18を基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ42で2基同時に把持して、基板着脱部20まで搬送する。そして、基板ホルダ18を水平な状態として下降させ、これによって、2基の基板ホルダ18を基板着脱部20の載置プレート52の上に同時に載置し、シリンダを作動させて基板ホルダ18の可動保持部材58を開いた状態にしておく。
この状態で、中央側に位置する基板ホルダ18に基板搬送装置22で搬送した基板を挿入し、シリンダを逆作動させて可動保持部材58を閉じ、しかる後、ロック・アンロック機構で可動保持部材58をロックする。そして、一方の基板ホルダ18への基板の装着が完了した後、載置プレート52を横方向にスライドさせて、同様にして、他方の基板ホルダ18に基板を装着し、しかる後、載置プレート52を元の位置に戻す。
これにより、基板Wは、そのめっき処理を行う面を基板ホルダ18の開口部から露出させた状態で、周囲をシール部材60でめっき液が浸入しないようにシールされ、シールによってめっき液に触れない部分において複数の接点と電気的に導通するように固定される。ここで、接点からは基板ホルダ18のハンド98まで配線が繋がっており、ハンド98の部分に電源を接続することにより基板のシード層500に給電することができる。
次に、基板Wを装着した基板ホルダ18を基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ42で2基同時に把持し、ストッカ24まで搬送する。そして、基板ホルダ18を垂直な状態となして下降させ、これによって、2基の基板ホルダ18をストッカ24に吊下げ保持(仮置き)する。
これらの基板搬送装置22、基板着脱部20及び基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ42においては、前記作業を順次繰り返して、ストッカ24内に収容された基板ホルダ18に順次基板を装着し、ストッカ24の所定の位置に順次吊り下げ保持(仮置き)する。
なお、基板ホルダ18に備えられていた基板と接点との接触状態を確認するセンサで、この接触状態が不良である判断とした時には、その信号をコントローラ(図示せず)に入力する。
一方、基板ホルダ搬送装置40の他方のトランスポータ44にあっては、基板を装着しストッカ24に仮置きした基板ホルダ18を2基同時に把持し、プリウェット槽26まで搬送して下降させ、これによって、2基の基板ホルダ18をプリウェット槽26内に入れる。
なお、この時、基板ホルダ18に備えられていた基板と接点との接触状態を確認するセンサで、この接触状態が不良であると判断した基板を収納した基板ホルダ18は、ストッカ24に仮置きしたままにしておく。これにより、基板ホルダ18に基板を装着した時に該基板と接点との間に接触不良が生じても、装置を停止させることなく、めっき作業を継続することができる。この接触不良を生じた基板にはめっき処理が施されないが、この場合には、カセットを戻した後にめっき未処理の基板をカセットから排除することで、これに対処することができる。
次に、この基板を装着した基板ホルダ18を、前記と同様にして、プリソーク槽28に搬送し、プリソーク槽28で酸化膜をエッチングし、清浄な金属面を露出させる。更に、この基板を装着した基板ホルダ18を、前記と同様にして、水洗槽30aに搬送し、この水洗槽30aに入れた純水で基板の表面を水洗する。
水洗が終了した基板を装着した基板ホルダ18を、前記と同様にして、めっき液を満たしためっき槽34に搬送し、めっきユニット38に吊り下げ保持する。基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ44は、上記作業を順次繰り返し行って、基板を装着した基板ホルダ18を順次めっき槽34のめっきユニット38に搬送して所定の位置に吊下げ保持する。
全ての基板ホルダ18の吊下げ保持が完了した後、オーバーフロー槽36のめっき液を循環させ、かつ、オーバーフローさせながら、めっき槽34内のアノード(図示せず)と基板Wとの間にめっき電圧を印加し、同時にパドル駆動装置46によりパドルを基板の表面と平行に往復移動させることで、基板の表面にめっきを施す。この時、基板ホルダ18は、めっきユニット38の上部でハンド98により吊り下げられて固定され、めっき電源から導電体88及び電気接点92を通して、シード層500(図12参照)に給電される。
めっきが終了した後、めっき電源の印加、めっき液の供給及びパドル往復運動を停止し、めっき後の基板Wを装着した基板ホルダ18を基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ44で2基同時に把持し、前述と同様にして、水洗槽30bまで搬送し、この水洗槽30bに入れた純水に浸漬させて基板の表面を純水洗浄する。次に、この基板Wを装着した基板ホルダ18を、前記と同様にして、ブロー槽32に搬送し、ここで、エアーの吹き付けによって基板ホルダ18に付着した水滴を除去する。しかる後、この基板Wを装着した基板ホルダ18を、前記と同様にして、ストッカ24の所定の位置に戻して吊下げ保持する。
基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ44は、上記作業を順次繰り返し、めっきが終了した基板を装着した基板ホルダ18を順次ストッカ24の所定の位置に戻して吊下げ保持する。
一方、基板ホルダ搬送装置40の他方のトランスポータ42にあっては、めっき処理後の基板Wを装着しストッカ24に戻した基板ホルダ18を2基同時に把持し、前記と同様にして、基板着脱部20の載置プレート52の上に載置する。この時、基板ホルダ18に備えられていた基板と接点との接触状態を確認するセンサで、この接触状態が不良であると判断した基板を装着しストッカ24に仮置きしたままの基板ホルダ18も同時に搬送して載置プレート52の上に載置する。
そして、中央側に位置する基板ホルダ18の可動保持部材58のロックを、ロック・アンロック機構を介して解き、シリンダを作動させて可動保持部材58を開く。この時、前述のように、基板Wが可動保持部材58にくっついたまま可動保持部材58が開くことが防止される。この状態で、基板ホルダ18内のめっき処理後の基板Wを基板搬送装置22で取出して、スピンドライヤ16に運び、このスピンドライヤ16の高速回転によってスピンドライ(水切り)した基板を基板搬送装置22でカセット10に戻す。
そして、一方の基板ホルダ18に装着した基板をカセット10に戻した後、或いはこれと並行して、載置プレート52を横方向にスライドさせて、同様にして、他方の基板ホルダ18に装着した基板をスピンドライしてカセット10に戻す。
載置プレート52を元の状態に戻した後、基板を取出した基板ホルダ18を基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ42で2基同時に把持し、前記と同様にして、これをストッカ24の所定の場所に戻す。しかる後、めっき処理後の基板を装着しストッカ24に戻した基板ホルダ18を基板ホルダ搬送装置40で2基同時に把持し、前記と同様にして、基板着脱部20の載置プレート52の上に載置して、前記と同様な作業を繰り返す。
そして、めっき処理後の基板を装着しストッカ24に戻した基板ホルダ18から全ての基板を取出し、スピンドライしてカセット10に戻して作業を完了する。これにより、図12(b)に示すように、レジスト502に設けた開口部502a内にめっき膜504を成長させた基板Wが得られる。
次に、前述のようにしてスピンドライした基板Wを、例えば温度が50〜60℃のアセトン等の溶剤に浸漬させて、図12(c)に示すように、基板W上のレジスト502を剥離除去する。そして、図12(d)に示すように、めっき後の外部に露出する不要となったシード層500を除去し、バンプ504を形成する。
なお、この例では、基板着脱部20と銅めっきユニット38との間に基板ホルダ18を縦置きで収納するストッカ24を配置し、基板着脱部20とストッカ24との間での基板ホルダ18の搬送を基板ホルダ搬送装置40の第1のトランスポータ42で、ストッカ24と銅めっきユニット38との間での基板ホルダ18の搬送を第2のトランスポータ44でそれぞれ行うことで、不使用時の基板ホルダ18をストッカ24に保管しておき、またストッカ24を挟んだ前後における基板ホルダ18の搬送をスムーズに行ってスループットを向上させるようにしている。1つのトランスポータで全ての搬送を行うようにしても良いことは勿論である。
また、基板搬送装置22として、ドライハンドとウェットハンドを有するロボットを使用し、基板ホルダ18からめっき後の基板を取出す時にのみウェットハンドを使用し、他はドライハンドを使用するようにしている。基板ホルダ18のシールによって基板の裏面はめっき液に接触しないように保たれており、原則的にはウェットハンドとすることは必ずしも必要ではないが、このようにハンドを使い分けることで、リンス水の回り込みやシール不良によるめっき液汚染が生じ、この汚染が新しい基板の裏面を汚染することを防止することができる。
なお、上記の例では、電気接点92として、その接点端部92bの先端が、固定保持部材54の支持面80上に支持された基板Wの表面に弾性的に接触するようにした例を示しているが、図8に示すように、固定保持部材54と可動保持部材58で基板Wを保持した時に、電気接点92の接点端部92bが、固定保持部材54の支持面80上に支持された基板Wの外周面に弾性的に接触するようにして、この電気接点92が基板の位置決めを行う板ばね部材を兼用するように構成してもよい。
これにより、基板ホルダで基板Wを保持する際に、基板Wを板ばね形状の電気接点92の弾性力で内方に付勢することで、この電気接点(板ばね部材)92を介して、基板Wの基板ホルダ18に対する位置決め(センタリング)を行うことができる。しかも、可動保持部材58にシール部材60と電気接点92を設け、この電気接点92を介して基板Wの基板ホルダ18に対する位置決めを行うことで、基板Wを基板ホルダ18で保持した時に、基板W、シール部材60及び電気接点92の位置関係が常に一定となるようにすることができる。
また、図9に示すように、前述の電気接点92としての役割と、前述の板ばね部材96としての役割を兼用する電気接点兼板ばね部材100を、固定保持部材54の表面のシール部材60と対面する円周方向に沿った所定の位置に設けた凹状部102内に設けてもよい。
この電気接点兼板ばね部材100の前述の板ばね部材96との作用上の相違は、図9(c)に示すように、電気接点兼板ばね部材100の先端係合部100bが支持体90の鉛直面90dの内方に位置し、延出部100aが垂直となって、電気接点兼板ばね部材100がこれ以上内方に屈曲しない状態となった時、電気接点兼板ばね部材100が固定保持部材54の支持面80上に支持された基板Wの外周部に接触して基板Wに給電し、更に、図9(d)に示すように、基板Wの保持を解く際、電気接点兼板ばね部材100の先端係合部100bを基板Wの外周部に当接させ続けることで、シール部材60のみを上昇させて、基板Wを強制的に切り離すようにしている点である。その他の作用は、図7に示す板ばね部材96と基本的に同様である。
このように、電気接点92としての役割と板ばね部材96としての役割を兼用する電気接点兼板ばね部材100を設けることで、基板ホルダの基板Wの保持を解く際に、基板Wをシール部材から引き離すことのみを目的とする専用の板ばね部材を設ける必要をなくして、構造の簡素化を図ることができる。
なお、図示しないが、前述と同様に、固定保持部材54と可動保持部材58で基板Wを保持した時に、電気接点兼板ばね部材100の先端係合部100bが、固定保持部材54の支持面80上に支持された基板Wの外周面に弾性的に接触するように構成し、基板ホルダで基板Wを保持する際に、基板Wを板ばね形状の電気接点兼板ばね部材100の弾性力で内方に付勢することで、この電気接点兼板ばね部材100を介して、基板Wの基板ホルダに対する位置決め(センタリング)を行うようにしてもよい。
更に、図10に示すように、可動保持部材58と固定保持部材54で基板Wを保持した時に基板Wの外周端面と弾性的に接触して該基板Wの位置決めを行うばね性を有する板ばね部材110を、電気接点92とは別に、支持体90に設けるようにしても良い。この板ばね部材110は、例えば図5に示す電気接点92に挟まれた位置に配置される。
これにより、基板ホルダ18で基板Wを保持する過程で、基板Wをばね性を有する板ばね部材110の弾性力で内方に付勢することで、この板ばね部材110を介して、基板Wの基板ホルダ18に対する位置決め(センタリング)を行うことができる。しかも、可動保持部材58にシール部材60、電気接点92及び基板の位置決めを行う板ばね部材110を設け、この板ばね部材110を介して基板Wの位置決めを行うことで、基板Wを基板ホルダ18で保持した時に、板ばね部材110を介して、基板W、シール部材60及び電気接点92の位置関係が常に一定となるようにすることができる。
以上説明したように、このめっき装置によれば、基板を収納したカセットをカセットテーブルにセットして装置を始動することで、ディップ方式を採用した電解めっきを全自動で行って、基板の表面にバンプ等に適した金属めっき膜を自動的に形成することができる。
本発明の実施の形態の基板ホルダを備えためっき装置の全体配置図である。 基板ホルダの一部を省略した平面図である。 基板ホルダの縦断正面図である。 基板ホルダの右側面図である。 基板ホルダにおける導電体と電気接点を示す断面図で、(a)は基板保持前、(b)は基板保持後の状態を示す。 基板ホルダにおける固定保持部材と可動保持部材のテーパ部を示す断面図で、(a)は基板保持前、(b)は基板保持後の状態を示す。 基板ホルダにおける板ばね部材と該板ばね部材と係合して該板ばね部材を変形させる部材との関係を工程順に示す断面図である。 電気接点の他の例を示す断面図で、(a)は基板保持前、(b)は基板保持後の状態を示す。 電気接点と板ばね部材とを兼用した電気接点兼板ばね部材と該電気接点兼板ばね部材と係合して該電気接点兼板ばね部材を変形させる部材との関係を工程順に示す断面図である。 基板の位置決めを行う板ばね部材を示す断面図で、(a)は基板保持前、(b)は基板保持後の状態を示す。 電気接点のそれぞれ異なる例を示す平面図である。 基板上にバンプ(突起状電極)を形成する過程を工程順に示す断面図である。
符号の説明
10 カセット
12 カセットテーブル
14 アライナ
16 スピンドライヤ
18 基板ホルダ
20 基板着脱部
22 基板搬送装置
24 ストッカ
26 プリウェット槽
28 プリソーク槽
30a,30b 水洗槽
32 ブロー槽
34 めっき槽
36 オーバーフロー槽
38 めっきユニット
40 基板ホルダ搬送装置
42,44 トランスポータ
46 パドル駆動装置
54 固定保持部材
56 ヒンジ
58 可動保持部材
60 シール部材
62 押えリング
64 スライドプレート
70 クランパ
73 突起
80 支持面
82 突条部
82a テーパ部
88 導電体
90 支持体
90a テーパ部
90c テーパ面
90d 鉛直面
92 電気接点
92a 脚部
92b 接点端部
96 板ばね部材
96a 延出部(自由端部)
96b 係合部
100 電気接点兼板ばね部材
100a 延出部(自由端部)
100b 係合部
110 板ばね部材

Claims (5)

  1. 固定保持部材とシール部材を取付けた可動保持部材との間に基板を介在させ、前記可動保持部材を前記固定保持部材に向けて押圧し基板の外周端部を包囲する領域を前記シール部材でシールして基板を着脱自在に保持するようにした基板ホルダにおいて、
    前記固定保持部材に、該固定保持部材と前記可動保持部材で基板を保持した時に自由端部が該基板の外周よりも内側に位置し、前記固定保持部材と前記可動保持部材での基板の保持を解いた時に自由端部が基板の外周よりも外側に位置するばね性を有する板ばね部材を設けたことを特徴とする基板ホルダ。
  2. 前記板ばね部材は、前記固定保持部材と前記可動保持部材で基板を保持した時に自由端部が該基板の表面に弾性的に接触するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の基板ホルダ。
  3. 前記板ばね部材は、前記固定保持部材と前記可動保持部材で基板を保持した時に自由端部が該基板の外周端面に弾性的に接触するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の基板ホルダ。
  4. 前記板ばね部材は、前記固定保持部材と前記可動保持部材で基板を保持した時に該基板に給電する電気接点を兼用していることを特徴とする請求項2または3記載の基板ホルダ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の基板ホルダを有することを特徴とするめっき装置。
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