JP7264780B2 - 基板ホルダ及びそれを備えた基板めっき装置、並びに電気接点 - Google Patents
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Description
このような電気接点は、基板に接触する部位の汚れなどにより、接触不良を起こすことがある。また、めっき時には、2つの保持部材により形成された空間は気密にシールされており、その空間内にある電気接点に対してめっき液が付着しにくい構造となっているが、保持部材の開放時に、めっき液が飛散して接点に付着し、通電不良を起こすこともあった。
さらには、特許文献1に示されるとおり基板が円形状である場合は、保持部材も円形状になり、その内周面に接点を固定することになるため、円弧凹状の面に沿わせて平板状の接点を固定しなければならず、作業の困難性を高めるものであった。
基板めっき装置は、従来からある装置を用いることができ、例えば、以下の基板めっき装置100を用いることができる。
まず、基板Wを収納してあるフープ101から、基板搬送装置105で基板を1つ取出し、アライナ102に基板を搬送する。アライナ102は、オリフラやノッチなどの位置を所定の方向に合わせる。このアライナ102で方向を合わせた基板Wを基板搬送装置105でフィッキシングユニット104まで搬送する。
次に、基板Wを保持した基板ホルダ1を、第1トランスポータ115及び第2トランスポータ116にて、プリウェット槽107、プリソーク槽108、第1洗浄槽109、めっき槽112に順次搬送し、めっき液を満たしためっきセル113に収納する。このようにして基板Wを保持した基板ホルダ1をめっき槽112の各々のめっきセル113に収納する。
このようにして、基板ホルダ1に保持した基板Wにめっきを施すことができる。
基板Wとしては、半導体基板(ウェハ)、ガラス基板、プリント回路基板などを挙げることができ、この他、磁気記録媒体、磁気記録センサ、ミラー、光学素子、微小機械素子、部分的に製作された集積回路などを含むものである。
ベースプレート26は、導電性を有するステンレス鋼などの金属からなり、扇形状の開口部を複数有する円形平板状とし、ボディ部21の一端寄り(図1の下端寄り)に配してある。
引っ掛けリング23には、図5に示すように、複数の貫通孔23aが設けてあり、後述する第二保持部材3の引っ掛けピン35を係合させて第二保持部材3を固定できるようにしてある。貫通孔23aは、鍵穴状とし、大径の大径孔部23bとそれよりも小径の小径孔部23cが連なる形状としてある。
なお、本実施形態では、引っ掛けリング23は、図2に示す、ロッド部材4を上下方向に移動させることにより、回転移動できるように構成されており、例えば、ロッド部材4を下側に移動させることにより、図11に示すように、引っ掛けピン35が小径孔部23cに係合し、ロッド部材4を上側に移動させることにより、図5に示すように、引っ掛けピン35が小径孔部23cから係合解除するようにしてある。
外部接点25は、図2に示すように、ベースプレート26に連結した導線25aと接続されており、基板ホルダ1をめっき液に浸漬させた際に外部電源と電気的に接続され、ベースプレート26に通電させることができるようにしてある。
第二保持部材3は、図4に示すように、本体部31と、基板Wの縁部に接触する電気接点32と、基板を保持した際に第一保持部材2及び第二保持部材3で形成される空間を密閉する上側シール部33及び下側シール部34と、引っ掛けピン35とを備える。
本体部31は、導電性を有する金属、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムなどで形成し、基板Wを保持する際に、図12に示すように、本体部31の下面に設けた引っ掛けピン35が引っ掛けリング23に接触し、ベースプレート26、引っ掛けリング23及び本体部31と電気的に接続し、電気接点32に通電できるようにしてある。
また、内周面31aには、図6又は図7に示すように、係合軸部36が略等間隔で複数設けてある。係合軸部36は、軸部36aの先端部に膨頭状の頭部36bを有する形状としてある。
係合軸部36は、本実施形態では、軸部36aを円形軸状とし、頭部36bを軸部36aよりも大径の円形平板状としてあり、より具体的には、係合軸部36を、皿ねじを用いて形成し、内周面31aに設けた第一締結孔31bに締結して形成してある。
内周面31aと頭部36bとの間には、図7(C)に示すように、電気接点32を差し込める隙間が設けてある。
電気接点32は、図9に示すように、矩形板状、より具体的には横長長方形板状としてある。電気接点32の厚みは、特に限定するものではないが、撓ませることができる程度の厚みとし、内周面31aに取り付け又は取り外しやすくするのが好ましい。
係合受部32bの形状は、切欠き状としてあればよく、特に限定されるものではないが、倒V字状などの奥側が窄まる形状とするのが好ましく、特に倒U字状又は半円状などの湾曲凹状の切欠きにするのが係合軸部36への係合しやすさの観点から好ましい。
なお、隣接する係合軸部36の距離は、電気接点32の係合受部32bの最短距離よりもやや長くするのが好ましく、係合軸部36に電気接点32を取り付けやすくなる。また、係合受部32bの幅は、係合軸部36の幅とほぼ同じにするのが好ましく、電気接点32を取り付けた際に上下に動きにくくすることができる。
また、電気接点32には、図9(B)に示すように、下側端部の中間付近から背面側に延びる位置決め片32eが設けてあり、第二保持部材3の本体部31に固定する際に本体部31の下面に当接して上下方向の位置決めをすることができる。
電気接点32の本体部31への取り付け方の詳細は後述する。
下側シール部34は、本体部31の外周側に配し、図8に示すように、基板Wを保持した状態で先端部が第一保持部材2のボディ部21の上面に当接してめっき液の浸入を防ぐことができる。
上側シール部33及び下側シール部34は、図4又は図8に示すように、本体部31とシールリングホルダ37とにより挟み込まれて固定されている。
ロック用大径部35aは、引っ掛けリング23の貫通孔23aの大径孔部23bよりも小径とし、かつ、小径孔部23cよりも大径としてあり、図5に示すように、ロック用大径部35aを大径孔部23bに挿し通した状態で引っ掛けリング23を移動させ、図11に示すように、小径孔部23cに掛かるようにして第二保持部材3を第一保持部材2に固定させることができる。
まず、電気接点32の左右端縁部の一方側を、係合軸部36の頭部36bと内周面31aとの間に滑り込ませながら、係合受部32b内に軸部36aを入れ、係合受部32bの奥側まで軸部36aを入り込ませる。
電気接点32の中央付近を、第二保持部材3の内周面31aに沿わせるように押し込み、図7(C)に示すように、フック片部32cを係合溝31dに係合させる。
そして、ねじなどの締結部材Sを孔部32dに挿し通し、第二締結孔31cに締結固定して、図8に示すように、電気接点32を第二保持部材3に固定することができる。このように、他の電気接点32を第二保持部材3の内周面31aに順次配列させていき、電気接点32を取り付けることができる。電気接点32は、内周面31aに取り付けた状態では、撓ませた状態から戻る弾性力の働きにより内周面31aに沿い安定して取り付けることができる。これにより、電気接点32の接点部32aが基板Wに接触する位置が基板Wの半径方向にずれることを防ぐことができる。
次に、電気接点32をやや撓ませながら、左右端縁部の一方側を引くようにして、係合受部32dを係合軸部36から外す。そして、他方側の係合受部32dを係合軸部36から引き抜いて外すことにより、電気接点32を取り外すことができる。
また、フック片部32cを係合溝31dに係合できる構造としておけば、係合受部32b及びフック片部32cの両方で第二保持部材3に係合することができ、外れにくくなり、特に第二保持部材3をリング状にした場合には、内周面31aの円弧凹状部分に沿わせやすくなる。
さらには、電気接点32の中央付近に孔部32dを設け、ねじなどの締結部材Sで第二保持部材3に締結固定できるようにしておけば、少なくとも1本の締結部材で確実に固定することができ、従来に比べて締結部材の数を減少させながらも従来と同様の固定力を有する。
フロントプレート11には、図14に示すように、内周側に電気接点14を設け、フロントプレート11の基板Wの表面と平行になる面に電気接点14を取り付けてあり、基板Wを保持した際に電気接点14の先端部が基板Wの縁部に接触して通電できるようにしてある。
基板ホルダ10の詳細については、例えば、特開2018-40045号公報の段落[0034]~[0073]の記載を参酌することができる。
例えば、図15には、第三の実施形態の基板ホルダ15が示してあり、基板ホルダ15は、第一保持部材16と第二保持部材17とを備え、第一保持部材16及び第二保持部材17は、それぞれ矩形状の開口部18a,18bを有する矩形平板枠状としてある。第一保持部材16と第二保持部材17で基板Wを挟み込んで保持し、開口部18a,18bに露出した基板Wにめっきを施すことができるものである。
第一保持部材16及び第二保持部材17には、図16に示すように、それぞれ内周側に電気接点19a,19bが設けてあり、基板Wを保持した際に各電気接点19a,19bの先端部が基板Wの縁部に接触して通電できるようにしてある。
基板ホルダ15の詳細については、例えば、特開2019-7075号公報の段落[0025]~[0158]の記載を参酌することができる。
2 第一保持部材
21 ボディ部
21a 周溝部
22 基板載置台
23 引っ掛けリング
23a 貫通孔
23b 大径孔部
23c 小径孔部
24 ハンド部
25 外部接点
25a 導線
26 ベースプレート
3 第二保持部材
3a 開口部
31 本体部
31a 内周面
31b 第一締結孔
31c 第二締結孔
31d 係合溝
31e 突片部
32,32X 電気接点
32a 接点部
32b 係合受部
32c フック片部
32d 孔部
32e 位置決め片
33 上側シール部
34 下側シール部
35 引っ掛けピン
35a ロック用大径部
36 係合軸部
36a 軸部
36b 頭部
37 シールリングホルダ
4 ロッド部材
100 基板めっき装置
W 基板
S 締結部材
Claims (13)
- 第一保持部材と、
基板の表面を露出させるための開口部を有し、前記第一保持部材と共に基板を挟み込んで保持する第二保持部材と、
先端部に膨頭状の頭部を有し、前記第二保持部材の周方向に配した複数の係合軸部と、
基板の縁部に当接する接点部を有し、隣接する前記係合軸部に係合させて前記第二保持部材の開口部の周囲に沿わせて配列させる切欠き状の係合受部を有する電気接点と、
を備えた、基板の表面にめっきするための基板ホルダ。 - 前記係合受部を湾曲凹状の切欠きとした請求項1に記載の基板ホルダ。
- 前記電気接点に、前記第二保持部材に設けた係合溝に係合するフック状のフック片部を備えた請求項1又は2に記載の基板ホルダ。
- 前記電気接点の中央付近に孔部を備え、該孔部に締結部材を挿通して締結し、前記電気接点を前記第二保持部材に固定した請求項1~3のいずれかに記載の基板ホルダ。
- 前記第二保持部材を、導電性を有する金属から形成した請求項1~4のいずれかに記載の基板ホルダ。
- 前記第二保持部材は、前記開口部側に前記第二保持部材の内外方向に湾曲した内周面を有し、前記電気接点を前記内周面に沿わせて取り付けた請求項1~5のいずれかに記載の基板ホルダ。
- 前記第二保持部材を、多角形枠状とした請求項1~6のいずれかに記載の基板ホルダ。
- 前記第二保持部材を、円形枠状とした請求項1~6のいずれかに記載の基板ホルダ。
- 請求項1~8のいずれかに記載の基板ホルダを備えた基板めっき装置。
- 基板ホルダに保持された基板に通電するための電気接点であって、
前記基板の縁部に当接する接点部と、
前記電気接点の対向する端縁部側に切欠き状の係合受部と、を備え、
前記係合受部を、前記基板ホルダ側に設けた、先端部を膨頭状の頭部とした係合軸部に係合可能とした、電気接点。 - 前記係合受部を湾曲凹状の切欠きとした請求項10に記載の電気接点。
- 前記電気接点に、先端部が上側に向いたフック状のフック片部を備えた請求項10又は11に記載の電気接点。
- 基板ホルダに保持された基板に通電する電気接点を取り付けるための構造であって、
前記基板ホルダは、第一保持部材と、基板の表面を露出させるための開口部を有し、前記第一保持部材と共に基板を挟み込んで保持する第二保持部材とを備え、
前記第二保持部材には、先端部に膨頭状の頭部を有する係合軸部を周方向に配してあり、
前記電気接点は、対向する端縁部側に設けた切欠き状の係合受部と、前記基板の縁部に接する接点部とを備え、
前記係合受部を隣接する係合軸部に係合させ、前記電気接点を前記第二保持部材の開口部の周囲に沿わせて配した、電気接点の取付構造。
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