JP2008141868A - 電動機システム - Google Patents

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Abstract

【課題】コンバータおよびインバータの組合せによって電動機を駆動制御する電動機システムにおいて、コンバータ異常発生時に、電動機の逆起電圧によるインバータの機器損傷発生を防止した適切な異常処理を行なう。
【解決手段】コンバータ異常発生時(S100のYES判定時)には、電動機が高回転状態であるかどうかが判定される(S110)。電動機が高回転状態でない場合(S110のNO判定時)には、コンバータおよびインバータの両方とも動作が停止される(S120)。一方、電動機が高回転状態の間(S110のYES判定時)は、コンバータの動作を停止させる一方で、インバータは動作を継続させて弱め界磁制御により電動機を駆動する(S130)。高回転状態中に弱め界磁制御による交流モータMGの駆動制御を継続することにより、電動機に誘起される過大な逆起電圧がインバータに印加されて機器損傷が発生することを防止できる。
【選択図】図10

Description

この発明は、電動機システムに関し、より特定的には、コンバータおよびインバータの組合せによって電動機を駆動制御する構成の電動機システムに関する。
ハイブリッド自動車に適用される電動機システムにおいて、直流電源の出力電力をモータ駆動電力に変換する電力変換装置を、直流電源の出力電圧を昇圧可能なコンバータと、コンバータの出力直流電圧を交流電圧に変換してモータに印加するインバータとの組合わせにより構成とすることが、たとえば特開2004−112883号公報(以下、特許文献1)に開示されている。このような構成では、コンバータによって直流電源の直流電圧を昇圧してインバータの入力電圧とすることによって、モータに印加される交流電圧振幅を可変制御することが可能となる。この結果、モータの動作状態、代表的には回転数およびトルクに応じて電圧振幅を適切に可変制御することにより、モータを高効率で駆動制御することが可能となる。なお、本明細書では「回転数」は、単位時間の回転数、すなわち回転速度と同じ意味を示すものとする。
特許文献1では、インバータおよびコンバータを組合わせた電力変換装置の異常処理として、コンバータが異常停止したときにインバータを併せて強制停止する構成が開示されている。特に、特許文献1では、2つの交流モータを備えた電気負荷装置において、これらの交流モータを駆動制御する2つのインバータを単一のコンバータと共通に接続する構成として、該コンバータの異常停止時には、双方のインバータを強制停止する。
また、特開2004−222362号公報(特許文献2)では、特許文献1と同様に、コンバータおよびインバータの組合せによって交流モータを駆動制御する電圧変換装置において、コンバータ(昇圧コンバータ)の故障を検出したときに、交流モータの回生発電を禁止するようにインバータおよび交流モータを制御する構成が開示される。このような構成とすることにより、インバータの入力側に挿入されるコンデンサの耐電圧性能を向上させることなく昇圧コンバータの故障処理が可能となる。
なお、電動機を駆動制御するインバータの一般的な異常処理構成として、特開平9−247805号公報(特許文献3)には、インバータにより永久磁石界磁同期電動機を駆動制御する電気車制御装置において、インバータに故障が発生した場合には、直流電源からも永久磁石界磁同期電動機からもインバータを切離し、直流電源から直流が、また電動機から交流がインバータに流れ込まないようにして、その損傷拡大を防止する技術が開示されている。さらに、特開平8−186984号公報(特許文献4)には、インバータのフェイルセーフ装置として、インバータを構成するトランジスタが故障したことが検出されたときに、該トランジスタがオン故障およびオフ故障のいずれを発生しているかに応じて特定のPWM駆動信号の組合せを停止させることによって、インバータが故障したときにも同期モータを駆動して、誘導起電力によるインバータの破壊を防止する技術が開示されている。
また、特開平11−150996号公報(特許文献5)には、トルク方程式にあらわれる各係数の非線形性に対処して、より正確なモータ制御を実行可能にするモータ制御装置が開示される。特許文献5に開示された発明によれば、高回転領域でモータ回転数の増大に応じてd軸電流の絶対値を増やす弱め界磁制御を、テーブルの利用という簡便な手法により実現可能となることが記載されている。
特開2004−112883号公報 特開2004−222362号公報 特開平9−247805号公報 特開平8−186984号公報 特開平11−150996号公報
特許文献1および2のような、コンバータおよびインバータの組合せによって電動機を駆動制御する構成の電動機システムでは、コンバータの異常発生時の異常処理では、コンバータの動作停止を余儀なくされる一方で、異常処理によって他の部位に新たな機器故障等の不具合を発生させないようにすることが重要である。
この点について、特許文献1に開示された構成では、コンバータの異常停止の際にインバータを併せて強制停止するが、モータ高回転時には電動機に誘起された逆起電圧が高くなることによって、インバータを構成する電力用半導体スイッチング素子(代表的にはIGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)に耐圧を超えた電圧が印加されて損傷を招く可能性がある。
一方、特許文献2に開示された構成では、上記のような電動機システムにおいて、コンバータの故障検出時には、インバータによって零または正のトルクを出力するように交流モータを駆動して回生発電が禁止する異常処理が行なわれる。この異常処理によれば、コンバータおよびインバータの間に接続させるコンデンサに耐圧以上の直流電圧が印加されるのを防止できる。しかしながら、モータの逆起電圧に対して、インバータを構成する電力用半導体スイッチング素子の保護を図るための異常処理については言及されていない。
また、特許文献3〜5は、コンバータおよびインバータによって電動機を駆動制御するシステムを対象とするものではないから、コンバータの異常発生時の異常処理において、インバータをどのように制御すべきかについて何ら言及していない。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、コンバータおよびインバータの組合せによって電動機を駆動制御する構成の電動機システムにおいて、コンバータ異常発生時に、電動機に誘起される逆起電圧によるインバータの機器損傷の発生を防止した適切な異常処理を行なうことである。
この発明による電動機システムは、回転子に磁石が装着された電動機と、直流電源の出力電圧を電圧指令値に従った直流電圧に変換して電源線に出力するためのコンバータと、電源線と電動機の固定子との間に電気的に接続され、電源線の直流電圧を電動機の駆動電圧に変換するように構成されたインバータと、電源線に接続された蓄電器と、コンバータおよびインバータを制御するための制御装置とを備える。そして、制御装置は、異常検知手段と、高回転判定手段と、異常処理手段とを含む。異常検知手段は、コンバータの異常発生を検知する。高回転判定手段は、電動機の回転数に基づき、電動機が高回転状態であるか否かを判定する。異常処理手段は、異常検知手段によるコンバータの異常検知時に、電動機の非高回転状態時にはコンバータおよびインバータの動作を停止させる一方で、電動機の高回転状態時には、コンバータの動作を停止させるとともに、弱め界磁制御により電動機の駆動制御が行なわれるようにインバータの動作を継続させる。
上記電動機システムによれば、コンバータの異常発生が検知された場合には、電動機の逆起電圧が高くなる高回転状態時であるか否かを判定し、高回転状態時には、コンバータの動作を停止させるとともに、蓄電器に蓄積された電力を用いてインバータにより電動機を弱め界磁制御に従って継続的に駆動制御することができる。これにより、異常処理時における電動機の逆起電圧が過大となって、インバータを構成する電力用半導体スイッチング素子に耐圧を超えた電圧が印加されることを防止できる。この結果、コンバータ異常発生時に、電動機に誘起される逆起電圧によるインバータの機器損傷の発生を防止した適切な異常処理を行なうことができる。
好ましくは、高回転判定手段は、電動機の回転数と判定値との比較により高回転状態であるか否かを判定する。そして、判定値は、低温時に相対的に高回転数に設定されるように、電動機の温度に応じて可変に設定される。
このような構成とすることにより、電動機のインダクタンス成分の温度依存性を考慮して、逆起電圧が相対的に高くなる低温時においてインバータの機器損傷を発生させないように適切な異常処理を行なうことができる。
さらに好ましくは、電動機は、出力トルクにより電動車両の車輪を駆動するように構成される。特に、電車車両において、制御装置は、異常処理手段によるコンバータの異常検知時における異常処理の終了後に、蓄電器の蓄積電力および直流電源からの供給電力の少なくとも一方を用いて電動車両が電動機の出力トルクによる退避走行を行なうように、コンバータおよびインバータを制御する。
このような構成とすることにより、この発明による電動機システムによって駆動制御される電動機によって車両駆動力を発生する電動車両において、コンバータ異常発生時の異常処理を適切に行なうことができる。特に、該異常処理時にインバータの機器損傷の発生を防止できるので、異常処理の終了後に電動機出力を用いた退避運転が不能となることを回避することができる。
あるいは、電動車両において、異常処理手段による異常処理時における電動機の出力トルク指令をほぼ零に制御することにより、電動機が意図しない車両駆動力を発生することなくコンバータ異常発生時の異常処理を実行することができる。
この発明による電動機システムによれば、コンバータ異常発生時に、電動機に誘起される逆起電圧によるインバータの機器損傷の発生を防止した適切な異常処理を行なうことができる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態に従う電動機システムの全体構成図である。
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う電動機システム100は、直流電圧発生部10♯と、平滑コンデンサC0と、インバータ20と、制御装置50と、交流モータMGとを備える。
負荷60は、交流モータMGの出力トルクによって回転駆動される。たとえば、負荷60は、交流モータMGの出力トルクを伝達可能に連結された駆動軸62と、駆動軸62の回転に伴って回転駆動される駆動輪65とを含む。
このように、交流モータMGは、代表的にはハイブリッド自動車または電気自動車等の電動車両の車輪(駆動輪)を駆動するためのトルクを発生する車両駆動用電動機として用いられる。あるいは、交流モータMGは、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよく、駆動輪65の回転方向と反対方向の出力トルクを発生することにより回生発電を行なうように電動機および発電機への機能を併せ持つように構成されてもよい。さらに、交流モータMGは、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組込まれるようにしてもよい。
直流電圧発生部10♯は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
直流電源Bとしては、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池、あるいは、電気二重層キャパシタ等の蓄電装置を適用可能である。直流電源Bが出力する直流電圧Vbは、電圧センサ10によって検知される。電圧センサ10は、検出した直流電圧Vbを制御装置50へ出力する。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電源ライン6の間に接続され、システムリレーSR2は、直流電源Bの負極端子および接地ライン5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御装置50からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置50からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置50からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。平滑コンデンサC1は、電源ライン6および接地ライン5の間に接続される。電圧センサ14は、平滑コンデンサC1の両端の電圧を検出し、その検出値VLを制御装置50へ出力する。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2とを含む。電力用スイッチング素子Q1およびQ2は、電源ライン7および接地ライン5の間に直列に接続される。電力用スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御装置50からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。
リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電源ライン6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、電源ライン7および接地ライン5の間に接続される。すなわち、電源ライン7は本発明における「電源線」に対応し、平滑コンデンサC0は電源ライン7は本発明における「蓄電器」に対応する。平滑コンデンサC0に代えて、あるいは平滑コンデンサC0に加えて、電気二重層キャパシタ等を電源ライン7および接地ライン5の間に接続してもよい。
インバータ20は、電源ライン7および接地ライン5の間に並列に設けられる、U相アーム22と、V相アーム24と、W相アーム26とから成る。各相アームは、電源ライン7および接地ライン5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相アーム22は、スイッチング素子Q11,Q12から成り、V相アーム24は、スイッチング素子Q13,Q14から成り、W相アーム26は、スイッチング素子Q15,Q16から成る。また、スイッチング素子Q11〜Q16に対して、逆並列ダイオードD11〜D16がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q11〜Q16のオン・オフは、制御装置50からのスイッチング制御信号S11〜S16によって制御される。
交流モータMGは、代表的には三相永久磁石形同期電動機で構成される。すなわち、図2に示すように、交流モータMGのロータ30は、積層鋼板によって形成されるロータコア34に設けられた装着孔に永久磁石35を取付けることによって構成される。交流モータMGのステータ(図示せず)には、U,V,W相の三相コイル巻線が巻回されており、各相コイル巻線の一端は、中性点Nにて互いに接続される。さらに、三相コイル巻線の他端は、インバータ20の各相アーム22,24,26のスイッチング素子の中間点と接続される。
コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された直流電圧Vbを昇圧した直流電圧VH(インバータ20への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧VH」とも称する)をインバータ20へ供給する。
より具体的には、制御装置50からのスイッチング制御信号S1,S2に応答して、スイッチング素子Q1,Q2のデューティ比(オン期間比率)が設定され、昇圧比は、デューティ比に応じたものとなる。
また、コンバータ12は、降圧動作時には、平滑コンデンサC0を介してインバータ20から供給された直流電圧(システム電圧)を降圧して直流電源Bを充電する。より具体的には、制御装置50からのスイッチング制御信号S1,S2に応答して、スイッチング素子Q1のみがオンする期間と、スイッチング素子Q1,Q2の両方がオフする期間とが交互に設けられ、降圧比は上記オン期間のデューティ比に応じたものとなる。
平滑コンデンサC0は、コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ20へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧、すなわち、システム電圧を検出し、その検出値VHを制御装置50へ出力する。
インバータ20は、交流モータMGのトルク指令値が正(Tqcom>0)の場合には、制御装置50からのスイッチング制御信号S11〜S16に応答したスイッチング素子Q11〜Q16のスイッチング動作により、平滑コンデンサC0から供給される直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するように交流モータMGを駆動する。また、インバータ20は、交流モータMGのトルク指令値が零の場合(Tqcom=0)には、スイッチング制御信号S11〜S16に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるように交流モータMGを駆動する。これにより、交流モータMGは、トルク指令値Tqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、電動機システム100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時には、交流モータMGのトルク指令値Tqcomは負に設定される(Tqcom<0)。この場合には、インバータ20は、スイッチング制御信号S11〜S16に応答したスイッチング動作により、交流モータMGが発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介してコンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
電流センサ27は、交流モータMGに流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流を制御装置50へ出力する。なお、三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ27は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)28は、交流モータMGの図示しない回転子の回転角θを検出し、その検出した回転角θを制御装置50へ送出する。制御装置50では、回転角θに基づき交流モータMGの回転数Nmを算出することができる。
制御装置50は、外部に設けられた電子制御ユニット(ECU)から入力されたトルク指令値Tqcom、電圧センサ10によって検出されたバッテリ電圧Vb、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VHおよび電流センサ27からのモータ電流MCRT、回転角センサ28からの回転角θに基づいて、交流モータMGがトルク指令値Tqcomに従ったトルクを出力するように、インバータ20の動作を制御する。すなわち、制御装置50は、インバータ20を上記のように制御するためのスイッチング制御信号S11〜S16を生成して、インバータ20へ出力する。
コンバータ12の昇圧動作時には、制御装置50は、交流モータMGの運転状態に応じてシステム電圧VHの電圧指令値を算出し、この電圧指令値および電圧センサ13,14による検出電圧に基づいて、出力電圧VHを電圧指令値へ一致させる電圧変換動作が行なわれるように、スイッチング制御信号S1,S2を生成する。
また、制御装置50は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す制御信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータMGで発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号S11〜S16を生成してインバータ20へ出力する。これにより、インバータ20は、交流モータMGからの回生電力を直流電圧に変換してコンバータ12へ供給する。
さらに、制御装置50は、制御信号RGEに応答して、インバータ20から供給された直流電圧を降圧するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成し、コンバータ12へ出力する。このようにして、交流モータMGからの回生電力は、直流電源Bの充電に用いられる。
さらに、制御装置50は、電動機システム100の起動/停止時に、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
制御装置50には、さらに、直流電源Bに関する、充電率(SOC:State of Charge
)や充電制限を示す入力可能電力量Win等の情報が入力される。これにより、制御装置50は、直流電源Bの過充電あるいは過放電が発生しないように、電動機システム100での消費電力および発電電力(回生電力)を制御する。
また、コンバータ12から制御装置50へは、スイッチング素子Q1,Q2の過熱異常や過電流異常が発生、あるいは検出回路が故障した場合に「オン」されるコンバータ故障発生信号FLCが入力される。なお、本明細書では、信号やフラグを論理ハイレベルに設定することを、該信号・フラグを「オン」するとも表記し、信号やフラグを論理ローレベルに設定することを、該信号・フラグを「オフ」するとも表記することとする。
同様に、インバータ20から制御装置50へは、スイッチング素子Q11〜Q16の過熱異常や過電流異常が発生、あるいは検出回路が故障した場合にオンされるインバータ故障発生信号FLIが入力される。
電動機システム100における交流モータMGの駆動制御は、基本的には以下に説明するような、モータ電流MCRTのフィードバック制御によって行なわれる。
図3は、図1に示す電動機システム100における電動機制御構成を説明する制御ブロック図である。
図3を参照して、電動機制御ブロック200は、電流指令生成部210と、座標変換部220,250と、回転数演算部230と、PI演算部240と、PWM信号生成部260とを含む。なお、電動機制御ブロック200は、制御装置50に予め記憶されたプログラムを所定周期で実行することにより実現される制御装置50の機能ブロックを示すものである。
電流指令生成部210は、予め作成されたテーブル等に従って、交流モータMGのトルク指令値Tqcomに従って、電流指令値IdcomおよびIqcomを生成する。
座標変換部220は、交流モータMGに設けられた回転角センサ28によって検出される交流モータMGの回転角θを用いた座標変換(3相→2相)により、電流センサ27によって検出されたモータ電流MCRT(iv,iw,iu=−(iv+iw))を基に、d軸電流idおよびq軸電流iqを算出する。回転数演算部230は、回転角センサ28の出力に基づいて、交流モータMGの回転数Nmを演算する。
PI演算部240には、d軸電流の指令値に対する偏差ΔId(ΔId=Idcom−id)およびq軸電流の指令値に対する偏差ΔIq(ΔIq=Iqcom−iq)が入力される。PI演算部240は、d軸電流偏差ΔIdおよびq軸電流偏差ΔIqのそれぞれについて、所定ゲインによるPI演算を行なって制御偏差を求め、この制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
座標変換部250は、交流モータMGの回転角θを用いた座標変換(2相→3相)によって、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯をU相、V相、W相の各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換する。なお、d軸,q軸電圧指令値Vd♯,Vq♯から各相電圧指令値Vu,Vv,Vwへの変換には、直流電圧VHも反映される。
PWM信号生成部260は、各相における電圧指令値Vu,Vv,Vwと所定の搬送波(代表的には三角波)との比較に基づくパルス幅変調(PWM)制御により、図1に示した、インバータ20のスイッチング制御信号S11〜S16を生成する。
インバータ20が、電動機制御ブロック200によって生成されたスイッチング制御信号S11〜S16に従ってスイッチング制御されることにより、交流モータMGに対してトルク指令値Tqcomに従ったトルクを出力するための交流電圧が印加される。
次に図4〜図6を用いて電動機制御特性の概要を説明する。
図4には、図3に示した電動機制御によって駆動される交流モータMGにおいて、モータ電流(交流)振幅を一定した場合における電流位相に対する出力トルクの関係が示される。
図4に示されるように、モータトルクは、電流位相角を90°よりも進めた場合に最大となる。これは、位相を進めることでリラクタンストルクが増加するためである。各電流振幅のグラフのトルク最大となる点を結んだ線が、電流が最小となるモータの最適動作ラインである。このライン上で動作させれば、モータを効率よく駆動し大きなトルクを出すことができる。このライン上で動かす制御を最大トルク制御という。すなわち、トルク指令値Tqcomに対応して、最適動作ライン上となる電流位相となるように電流指令値が設定される。具体的には、トルク指令値Tqcomに対して最大トルク制御のための電流指令値(Idcom,Iqcom)を予め対応させたマップを参照することによって、最大トルク制御時の電流指令値Idcom,Iqcom(図3)が設定される。
ここで、永久磁石モータの定常状態の電圧方程式および出力トルクは、下記(1)〜(3)式で示される。
Figure 2008141868
電圧方程式(1),(2)およびトルク式(3)において、vdはd軸電圧を示し、vqはq軸電圧を示す。また、ω(rad/s)は交流モータMGの回転角速度(ω=2π・p・N/60,p:極対数,N:モータ回転数(rpm))を示し、Keは界磁起磁力を示す。また、交流モータMGの端子電圧Vacは、d軸電圧vdおよびq軸電圧vqを用いて(4)式で示される。
交流モータMGの逆起電圧(Vacに相当)がインバータの電源電圧(直流入力電圧VH)よりも高くなると電流の制御が不能となるため、交流モータMGの高回転時には、モータ回転数の上昇に応じてd軸電流idの絶対値を増やすことにより逆起電力Ke・ωを打ち消す方向に励磁する弱め界磁制御理論に従って、電流指令値が生成される。
図5には、電流振幅を一定とした場合における、交流モータMGの単位回転数当たりの誘起電圧定数について電流位相に対する特性が示される。
図5に示されるように、電流位相を進めると誘起電圧定数は低下する。d軸電流の絶対値を増やすように、トルク指令値に対応した電流指令値を設定することにより、図5のグラフ上で電流位相が進められることと等価となる。すなわち、弱め界磁制御時には、トルク指令値Tqcomに対して電流位相が進められるように電流指令値が設定される。たとえば、トルク指令値Tqcomに対して弱め界磁制御のための電流指令値(Idcom,Iqcom)を予め対応させた別マップを参照することによって、弱め界磁制御時における電流指令値Idcom,Iqcom(図3)が設定される。
弱め界磁制御では、図4に示した最適動作ラインよりも右側の電流位相領域で交流モータMGが駆動制御されるので、同じ電流に対してトルクが小さくなり効率は悪くなるが高回転域までの運転が可能となる。したがって、一般的な電動機制御として、図6に示されるように、回転数およびトルクに応じて、基本的には最大トルク制御を行ないつつ、逆起電圧の抑制が必要となる高回転数領域では、最大トルク制御に代えて弱め界磁制御を適用するように制御方式が切換えられる。
図7は、本発明の実施の形態に従う電動機システムにおけるコンバータ異常発生時の異常処理制御構成を示すブロック図である。図7に示された各機能ブロックは、制御装置50によるハードウェア処理あるいはソフトウェア処理によって実現される。
図7を参照して、コンバータ異常検知部300は、コンバータ12からのコンバータ故障発生信号FLCあるいは、電圧センサ14によって検出されたコンバータ12の入力側(直流電源側)電圧に基づき、故障発生フラグOVLおよびFCVを発生する。
故障発生フラグOVLは、コンバータ12の入力側電圧の異常時にオンされるフラグであり、電圧VLが異常に上昇した場合(過電圧)または電圧センサ14の故障時にオンされる。一方、故障発生フラグFCVは、コンバータ12の構成要素の異常発生時にオンされるフラグであり、スイッチング素子Q1,Q2等の過熱異常や過電流異常の発生時、あるいは検出センサ故障時にオンされる。
高回転判定部310は、回転角センサ28の出力に基づいて算出された交流モータMGの回転数Nmと、判定値Nthとの比較に基づき、交流モータMGが高回転状態であるかどうかを判定する。高回転判定部310は、Nm>Nthのとき、すなわち、交流モータMGが高回転状態と判定されるときに高回転フラグHSをオンし、それ以外のときは(Nm≦Nth)高回転フラグHSをオフする。
ロータに永久磁石が装着された電動機を交流モータMGとして用いた場合には、ロータ回転に伴いステータ巻線(三相コイル巻線)の鎖交磁束が変化することによって交流モータMGに逆起電圧が誘起される。したがって、交流モータMGの回転数が高いときにインバータ20の動作を停止させると、過大な逆起電圧が、インバータ20を構成するスイッチング素子Q11〜Q16に印加されて、素子故障を招くおそれがある。
図8は、交流モータMGにおける回転数Nmおよびモータ温度Tmと逆起電圧Vmとの関係を示す概念図である。
図8を参照して、逆起電圧Vmは、回転数Nmに比例して変化する。図8上での逆起電圧Vmの傾きは、インバータ停止時、すなわち弱め界磁制御非実行時における、誘起電圧定数(図5)に相当する。
また、モータ高温時には、減磁作用により交流モータMGのインダクタンス成分が低下するため、同一回転数に対する逆起電圧Vmが低下する。これと反対に、モータ低温時には相対的に逆起電圧Vmは高くなる。
したがって、インバータ20のスイッチング素子Q11〜Q16の耐圧を考慮して、これらのスイッチング素子に損傷を生じさせないための、逆起電圧のしきい値Vthを設定すると、逆起電圧Vmがしきい値Vthに達する回転数Nm♯は、低温時に相対的に低くなり高温時に相対的に高くなる。
この回転数Nm♯を高回転判定部310での高回転状態の判定値Nthとして用いることにより、弱め界磁制御が必要な交流モータMGの「高回転状態」を適切に判定できる。すなわち、逆起電圧Vmがしきい値Vthに達する回転数Nthよりも回転数Nmが高いときに、交流モータMGが「高回転状態」であると判定することが可能となる。
図9に示すように、高回転判定部310での判定値Nthは、図8中の各モータ温度における回転数Nm♯に対応させて、モータ温度Tmに応じて可変に設定される。具体的には、モータ温度に応じた交流モータのインダクタンス成分の変化を反映して、判定値(回転数)Nthは、モータ低温時に相対的に低く設定され、モータ高温時に相対的に高く設定される。
なお、一般的に各スイッチング素子の耐圧が低温時には低下するので、図8中の逆起電圧のしきい値Vthを低温時には低く設定するようにして判定値Nthを設定してもよい。このときにも、判定値Nthは、低温時に相対的に低くなる方向に設定される。
以上の説明から理解されるように、交流モータMGが高回転状態のときには、コンバータ12の異常発生時であっても、インバータ20については動作を継続して弱め界磁制御を行い交流モータMGの逆起電圧を低減する必要がある。
再び図7を参照して、異常処理制御部320は、ANDゲート322,324,328と、ORゲート325,326とを含む。
ORゲート325は、故障発生フラグOVLおよびFCVの論理和演算結果に従って、コンバータ停止信号SCVを生成する。したがって、故障発生フラグOVLおよびFCVのいずれかがオンされたときに、コンバータ停止信号SCVがオンされる。制御装置50は、コンバータ停止信号SCVがオンされると、コンバータ12の動作を停止、すなわちスイッチング素子Q1,Q2のゲートを遮断してオフ状態に維持する。
ANDゲート322は、故障発生フラグOVLおよび高回転フラグHSの論理積演算結果を出力する。同様にANDゲート324は、故障発生フラグFCVおよび高回転フラグHSの論理積演算結果を出力する。そして、ORゲート326は、ANDゲート322および324の出力のいずれかがオンされたときに、インバータ停止信号SIVをオンする。制御装置50は、インバータ停止信号SIVがオンされると、インバータ20の動作を停止、すなわちスイッチング素子Q11〜Q16のゲートを遮断してオフ状態に維持する。
ANDゲート328は、コンバータ停止信号SCVおよび高回転フラグHSとの論理積演算結果に従って、弱め界磁制御信号WFCを設定する。したがって、交流モータMGが高回転状態時にコンバータ異常が検知されると、弱め界磁制御信号WFCがオンされる。
以上のようにコンバータ停止信号SCV、インバータ停止信号SIV、および弱め界磁制御信号WFCを設定することにより、制御装置50は、コンバータ12の動作が停止される異常処理時において、交流モータMGが高回転状態でないときには、コンバータ12およびインバータ20の両方の動作を停止させる一方で、交流モータMGが高回転状態のときには、コンバータ12の動作を停止させるとともに、弱め界磁制御により逆起電圧を低減するようにインバータ20の動作を継続させる。
図10は、本発明の実施の形態による電動機システムにおけるコンバータ異常発生時の異常処理を説明するためのフローチャートである。図10に示したフローチャートに従う制御処理は、制御装置50に予め格納されたプログラムを所定周期毎に実行することにより実現される。
図10を参照して、制御装置50は、ステップS100では、コンバータに異常が発生しているかどうかを判定する。すなわち、ステップS100の処理は図7のコンバータ異常検知部300の動作に相当する。コンバータ12に異常が発生していない場合(ステップS100のNO判定時)には、以降の異常処理は実行されることなく処理は終了される。
コンバータ12の異常発生時(ステップS100のYES判定時)には、制御装置50は、ステップS110により、交流モータMGが高回転状態であるかどうか判定する。すなわち、ステップS110の処理は、図7における高回転判定部310の機能に相当する。
制御装置50は、交流モータMGが高回転状態でない場合(ステップS110のNO判定時)には、ステップS120により、コンバータ12およびインバータ20の両方とも動作を停止させる。すなわち、各スイッチング素子Q1,Q2,Q11〜Q16はオフ状態とされる。
一方、交流モータMGが高回転状態である場合(ステップS110のYES判定時)には、制御装置50は、ステップS130により、コンバータ12の動作を停止させる一方で、インバータ20は動作を継続させて弱め界磁制御により交流モータMGを駆動する。これにより、コンバータ12の動作停止により、直流電源Bからの電力供給は停止されるものの、平滑コンデンサC0の蓄積電力を用いて、インバータ20によって弱め界磁制御による交流モータMGの駆動制御を継続できる。この結果、交流モータMGによる過大な逆起電圧がインバータ20のスイッチング素子Q11〜Q16に印加されることを防止できる。そして、交流モータMGの回転数が低下して高回転状態と判定されなくなると、図7の高回転フラグHSがオフされて、インバータ20も動作が停止される。このように、ステップS120により、コンバータ12およびインバータ20の動作が停止されることによって、電動機システム100によるコンバータ異常発生時の異常処理が終了する。
なお、図1に示したように交流モータMGが電動車両の車両駆動用電動機として用いられる場合には、異常処理での弱め界磁制御時におけるトルク指令値Tqcomをほぼ零に設定することにより、電動車両に意図しない車両駆動力を発生させることなくコンバータ異常発生時の異常処理を実行することができる。
このように、本実施の形態による電動機システムでは、コンバータ12の異常検知時にインバータ20を一律に動作停止させることなく、そのときの交流モータMGの回転数に応じて弱め界磁制御によるインバータ動作を継続することとしたので、コンバータ異常発生時に、交流モータMGに誘起される逆起電圧によるインバータ20の機器損傷の発生を防止した適切な異常処理を行なうことができる。
電動機システムでの異常処理を上記のようにすることにより、交流モータMGが電動車両の車両駆動用電動機として用いられる場合には、より安定的に電動車両の退避運転が実行可能となる。
図11は、本発明の実施の形態による電動機システムが搭載された電動車両におけるコンバータ異常発生時の異常処理を説明するフローチャートである。
図11を参照して制御装置50は、ステップS100によりコンバータの異常が発生しているかどうかを判定する。そしてコンバータの異常発生時(ステップS100のYES判定時)には、ステップS200により、図10に示したステップS110〜S130に従う電動機システム100での保護処理が、一次的な異常処理として実行される。
コンバータ12およびインバータ20の動作が停止されて、電動機システム100におけるコンバータ異常発生時の異常処理が終了すると、制御装置50は、ステップS300により、路肩等の安全な位置まで運転することができるように、二次的な異常処理として、電動車両を退避走行モードに設定する。退避走行モードでは、コンバータ12ではスイッチング素子Q1をオンに固定して、直流電源Bの出力電圧を昇圧することなく交流モータMGをインバータ20により駆動制御して、退避走行のための車両駆動力が発生される。なお、コンバータ12にスッチング素子Q1をオン不能な故障が発生している場合には、平滑コンデンサC0の蓄積電力によって退避走行が行なわれる。
すなわち、本発明の実施の形態による電動機システムが搭載された電動車両では、コンバータ異常発生時における電動機システムの異常処理(ステップS200)においてインバータ20に故障が発生することを防止できるので、その後の退避走行をより確実に実行可能とすることができる。この結果、コンバータ異常発生時における電動車両の安全性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、本発明による電動機システムが、ハイブリッド自動車または電気自動車等の電動車両に搭載される実施例を示したが、本発明の適用はこのような搭載例に限定されるものではない。すなわち、回転子に磁石が装着されてインバータ停止時にも逆起電圧が発生される電動機を、コンバータおよびインバータの組合わせによって駆動制御する構成の電動機システムである限り、負荷の構成を特に限定することなく本発明の適用が可能であることについて、確認的に記載しておく。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に従う電動機システムの全体構成図である。 図1に示した交流モータのロータ構造例を示す概念図である。 図1に示した電動機システムにおける電動機制御構成を説明するブロック図である。 電動機制御における電流位相と出力トルクとの関係を示す概念図である。 電動機制御における電流位相と電動機に誘起される逆起電圧との関係を示す概念図である。 電動機の動作状態と電動機制御方式との関係を示す概念図である。 本発明の実施の形態に従う電動機システムにおけるコンバータ異常発生時の異常処理制御構成を示すブロック図である。 電動機における回転数および温度と逆起電圧との関係を説明する概念図である。 高回転状態の判定値のモータ温度に応じた設定を説明する概念図である。 本発明の実施の形態による電動機システムにおけるコンバータ異常発生時の異常処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態による電動機システムが搭載された電動車両におけるコンバータ異常発生時の異常処理を説明するフローチャートである。
符号の説明
5 接地ライン、6,7 電源ライン、10,13,14 電圧センサ、10♯ 直流電圧発生部、12 コンバータ、20 インバータ、22,24,26 各相アーム、27 電流センサ、28 回転角センサ、30 ロータ、34 ロータコア、35 永久磁石、50 制御装置、60 負荷、62 駆動軸、65 駆動輪、100 電動機システム、200 電動機制御ブロック、210 電流指令生成部、220,250 座標変換部、220 座標変換部、230 回転数演算部、240 演算部、250 座標変換部、260 PWM信号生成部、300 コンバータ異常検知部、310 高回転判定部、320 異常処理制御部、322,324,328 論理積(AND)ゲート、325,326 論理和(OR)ゲート、B 直流電源、C0,C1 平滑コンデンサ、D1,D2,D11〜D16 逆並列ダイオード、FCV,OVL 故障発生フラグ、FLC コンバータ故障発生信号、FLI インバータ故障発生信号、HS 高回転フラグ、id d軸電流、Idcom,Iqcom 電流指令値、iq q軸電流、iu,iv,iw 三相電流、L1 リアクトル、MCRT モータ電流、MG 交流モータ、N 中性点、Nm 回転数(交流モータ)、Nth 高回転状態判定値(回転数)、Q1,Q2,Q11〜Q16 電力用半導体スイッチング素子、RGE 制御信号(回生指示)、S1,S2,S11〜S16 スイッチング制御信号、SCV コンバータ停止信号、SIV インバータ停止信号、SR1,SR2 システムリレー、Tm モータ温度、Tqcom トルク指令値、Vb 直流電圧、Vd q軸電圧指令値、Vb,VH,VL 直流電圧、Vm 逆起電圧(交流モータMG)、Vq q軸電圧指令値、Vth 誘起電圧しきい値、Vu,Vv,Vw 各相電圧指令値、WFC 弱め界磁制御信号、Win 入力可能電力量、ΔId d軸電流偏差、ΔIq q軸電流偏差、θ 回転角。

Claims (5)

  1. 回転子に磁石が装着された電動機と、
    前記直流電源の出力電圧を電圧指令値に従った直流電圧に変換して電源線に出力するためのコンバータと、
    前記電源線と前記電動機の固定子との間に電気的に接続され、前記電源線の直流電圧を前記電動機の駆動電圧に変換するように構成されたインバータと、
    前記電源線に接続された蓄電器と、
    前記コンバータおよび前記インバータを制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記コンバータの異常発生を検知する異常検知手段と、
    前記電動機の回転数に基づき、前記電動機が高回転状態であるか否かを判定する高回転判定手段と、
    前記異常検知手段による前記コンバータの異常検知時に、前記電動機の非高回転状態時には前記コンバータおよび前記インバータの動作を停止させる一方で、前記電動機の高回転状態時には、前記コンバータの動作を停止させるとともに、弱め界磁制御により前記電動機の駆動制御が行なわれるように前記インバータの動作を継続させる異常処理手段とを含む、電動機システム。
  2. 前記高回転判定手段は、前記電動機の回転数と判定値との比較により前記高回転状態であるか否かを判定し、
    前記判定値は、低温時に相対的に高回転数に設定されるように、前記電動機の温度に応じて可変に設定される、請求項1記載の電動機システム。
  3. 前記電動機は、出力トルクにより電動車両の車輪を駆動するように構成される、請求項1または2に記載の電動機システム。
  4. 前記制御装置は、前記異常処理手段による前記コンバータの異常検知時における異常処理の終了後に、前記蓄電器の蓄積電力および前記直流電源からの供給電力の少なくとも一方を用いて前記電動車両が前記電動機の出力トルクによる退避走行を行なうように、前記コンバータおよび前記インバータを制御する、請求項3記載の電動機システム。
  5. 前記異常処理手段による異常処理時における前記インバータの動作継続時には、前記電動機の出力トルク指令はほぼ零に制御される、請求項3記載の電動機システム。
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