JP6269328B2 - 同期モータの制御装置、及び、これを備える車両制御システム - Google Patents

同期モータの制御装置、及び、これを備える車両制御システム Download PDF

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Description

本発明は、同期モータの駆動を制御する同期モータの制御装置に関する。
従来、レゾルバ等の位置センサで検出したロータ位置情報に基づいて、フィードバック制御等における座標変換演算等の制御演算を行う同期モータの制御装置が知られている。この種の同期モータの制御装置では、位置センサが検出するロータの磁極位置と実際の磁極位置とにオフセットズレが生じると、同期モータの駆動制御を正常に行うことができなくなる。
そこで、例えば特許文献1に記載されたエレベータの制御装置では、d軸電流指令値をゼロとする前提でベクトル制御の操作量であるd軸電圧の絶対値(|Vd’|)を監視し、d軸電圧の絶対値が所定の閾値を越えたとき、磁極位置がずれていると判断する。
特開2009−280318号公報
特許文献1の制御装置はエレベータ用のモータに適用されるものであるため、モータの動作領域は低回転領域に限られ、また、大容量で一定電圧の電源が使用されることを前提としている。
一方、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動力源である主機モータとして使用される同期モータは、低回転から高回転までの広い回転数領域で動作し、また、電源電圧の変動が大きい。そして高回転領域では、逆起電力を抑制するため、負のd軸電流を流すように指令する弱め界磁制御が用いられる。
ここで、特許文献1に記載された磁極位置ずれ検出の技術を、弱め界磁制御を行う同期モータに適用しようとすると、磁極位置が正常であっても負のd軸電流によってd軸電圧の絶対値が増加するため、磁極位置ずれによるd軸電圧の絶対値の増加と判別することができない。したがって、特許文献1の技術の適用対象は、弱め界磁を必要としない低回転領域で動作する同期モータに限られ、車両の主機モータのように、弱め界磁制御領域を含む広い回転数領域で動作する同期モータには適用することができない。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、位置センサのオフセットズレを広い回転数領域で好適に検出する同期モータの制御装置を提供することにある。
本発明は、同期モータに設けられた位置センサから取得したロータ位置の情報を用いて制御演算を行い、インバータのスイッチング状態を操作して同期モータの駆動を制御する同期モータの制御装置に係る発明である。この同期モータの制御装置は、制御器と、位相算出手段と、オフセットズレ検出手段とを備える。
制御器は、電流又はトルクの指令値と検出値もしくは推定値との偏差が入力され、検出値もしくは推定値が指令値に追従するように、インバータへ出力する電圧指令値を演算する。
位相算出手段は、制御器が出力した電圧指令値、又は、電流検出値に基づいて算出された電圧算出値について、dq軸座標における電圧ベクトルの位相を算出する。
オフセットズレ検出手段は、位相算出手段が算出した電圧位相算出値(α)に基づいて位置センサのオフセットズレを検出する。
同期モータは、典型的にはロータに永久磁石が取り付けられた永久磁石型同期モータであり、IPMSM(埋込永久磁石式同期モータ)、SPMSM(表面永久磁石式同期モータ)のいずれでもよい。位置センサは、永久磁石の磁極位置を検出するものであり、例えばレゾルバである。オフセットズレとは、永久磁石の実際の磁極位置と位置センサが検出する磁極位置とが正常な角度範囲を超えて回転方向にずれることをいう。本明細書では、「オフセットズレ」を一体の用語として「ずれ」の部分を含めて片仮名で表記する。
なお、本発明において位置センサのゲインずれは考慮しない。したがって、検出位置の時間変化量である回転速度又は回転数は正常であることを前提とする。
位置センサのオフセットズレが生ずると、三相軸の固定座標系において基準軸の位置がずれるため、回転座標系であるdq軸においても基準軸がオフセットする。したがって、電流検出値から電圧方程式等を用いて算出されるdq軸電圧算出値ベクトル、或いは、電流検出値に基づくフィードバック制御演算によって制御器が出力するdq軸電圧指令値ベクトルの位相にも影響が及ぶ。
本発明ではこの点に着目し、オフセットズレ検出手段が算出した電圧位相算出値に基づいて位置センサのオフセットズレを検出することを特徴とする。これにより、弱め界磁制御を行う高回転領域を含めて、位置センサのオフセットズレを広い回転数領域で好適に検出することができる。
また、本発明の同期モータの制御装置は、同期モータのトルクを含む運転条件に応じた電圧位相正常値(αn)を予め記憶している正常値記憶手段を備える。オフセットズレ検出手段は、位相算出手段が算出した電圧位相算出値と電圧位相正常値とを比較し、電圧位相算出値と電圧位相正常値との差分である位相偏差(Δα)に基づいて、位置センサのオフセットズレを検出する。
同期モータのトルク、回転数、電源電圧等の運転条件に応じた電圧位相正常値を予めマップ等に記憶しておくことで、電圧位相算出値と電圧位相正常値とを比較し、位置センサのオフセットズレを簡便かつ迅速に検出することができる。
また、本発明の同期モータの制御装置は、同期モータのq軸電流又はトルクが所定の閾値以下のとき「ゼロトルク状態」であると判定するゼロトルク判定手段を備え、オフセットズレ検出手段は、ゼロトルク判定手段によってゼロトルク状態であると判定されたとき、位置センサのオフセットズレを判断する処理を実行するようにしてもよい。
所定の閾値は、装置の分解能や演算誤差を考慮し、実質的に0[A]又は0[Nm]に近いと考えられる値を設定するとよい。Vd軸を位相の基準とした場合、ゼロトルク状態での電圧位相正常値は約90°、すなわちVq軸にほぼ一致する角度となるため、オフセットズレの判断において、電圧位相算出値が90°に近い範囲内であるか否かを判断すればよい。これにより、参照するマップの範囲が絞られるため、演算負荷を大幅に低減することができる。
さらに本発明の同期モータの制御装置は、オフセットズレ検出手段によって位置センサのオフセットズレが検出されたとき、位相偏差に基づき、位置センサが検出した位置検出値を補正するオフセットズレ補正手段を備えてもよい。
また、本発明の同期モータの制御装置を備えるハイブリッド自動車の車両制御システムでは、位相偏差の絶対値が所定値以上のときを「位置センサ異常モード」として、同期モータの駆動を停止し、エンジンによる走行に切り替えるようにしてもよい。
本発明の各実施形態による同期モータの制御装置が適用されるハイブリッド自動車の車両制御システムの概略構成図。 本発明の第1実施形態による同期モータの制御装置のブロック図。 dq軸座標における電圧ベクトル図を説明する図。 位置センサのオフセットズレを説明する模式図。 本発明の第2実施形態による同期モータの制御装置のブロック図。 電圧方程式とdq軸電圧ベクトル図との関係を説明する図。 本発明の第3実施形態による同期モータの制御装置のブロック図。 位置センサ異常判定のメインフローチャート。 位置センサ異常モード処理のサブフローチャート。 本発明の第4実施形態による同期モータの制御装置のブロック図。 位置センサ異常モード処理のサブフローチャート。
以下、本発明の同期モータの制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
各実施形態の同期モータの制御装置は、ハイブリッド自動車の駆動を制御する車両制御システムにおいて、駆動力源であるモータジェネレータ(以下「MG」と記す。)の駆動を制御する装置である。最初に車両制御システムの概略構成について、図1を参照して説明する。図1に示すものは、いわゆるシリーズパラレルハイブリッド自動車である。図1にて一点鎖線で囲んだ符号100の部分が「車両制御システム」を示す。また、車両制御システム100を構成するMG−ECU20が「同期モータの制御装置」に該当する。
[車両制御システムの構成]
図1に示すように、シリーズパラレルハイブリッド自動車は、車両の動力源として、エンジン81及び2つのMG51、52を備える。エンジン81、第1MG51、及び第2MG52は、動力分割機構84により接続されている。エンジン81は例えば4気筒のガソリンエンジンである。エンジン81の動力は、動力分割機構84で二系統に分割され、その一方の動力でデファレンシャルギア機構86、車軸87を介して車輪88を駆動し、もう一方の動力で第1MG51に発電させる。
MG51、52は、トルクを受けて回生電力を発生する発電機としての機能、及び、力行動作により電力を消費してトルクを発生する電動機としての機能を兼ね備える。本実施形態では、第1MG51は主に発電機として機能し、第2MG52は主に電動機として機能する。第1MG51及び第2MG52は、永久磁石式同期型の三相交流電動機であり、特許請求の範囲に記載の「同期モータ」に相当する。なお、IPMSM(埋込永久磁石式同期モータ)、SPMSM(表面永久磁石式同期モータ)のいずれでもよい。
第1MG51及び第2MG52は、それぞれ、第1インバータ43及び第2インバータ44に接続されている。また、第1インバータ43及び第2インバータ44は、昇圧コンバータ42を介してバッテリ41に接続されている。バッテリ41は、ニッケル水素、リチウムイオン電池等の充放電可能な蓄電装置である。なお、バッテリに代えて電気二重層キャパシタ等を直流電源に用いてもよい。
昇圧コンバータ42は、バッテリ41から入力される直流電圧Vinを昇圧し、昇圧電圧VHをコンバータ第1インバータ43及び第2インバータ44に出力する。第1インバータ43及び第2インバータ44は、複数のスイッチング素子のオンオフが操作されることで、直流電力と三相交流電力とを相互に変換する。
第1MG51が発電した三相交流電力は、第1インバータ43で直流電力に変換され、昇圧コンバータ42を経由してバッテリ41に回生される。
第2MG52は、第2インバータ44が変換した三相交流電力を用いて力行動作によりトルクを出力する。第2MG52による駆動力は、プロペラ軸85、デファレンシャルギア機構86、車軸87を介して車輪88に伝達される。
第1MG51及び第2MG52のロータ近傍には、それぞれ第1MG51のロータ位置(電気角)θg、及び第2MG52のロータ位置(電気角)θを検出する位置センサ53、54が設けられる。後の説明の都合により、第1MG51の位置θgには添え字「g」を付し、第2MG52の位置θには添え字を付さないで記す。
本実施形態の位置センサ53、54はレゾルバであり、ロータの永久磁石の磁気位置を検出する。位置センサ53、54により検出された位置θg、θの信号は、「同期モータの制御装置」としてのMG−ECU20に出力される。
車両制御システム100は、動力源のMG51、52に対応するMG−ECU20、動力源のエンジン81に対応するエンジンECU80、及び、全体を統括するハイブリッドECU(以下、「HV−ECU」と記す。)90を含む。
MG−ECU20は、HV−ECU90からのトルク指令値trq*、位置センサ53、54からの位置信号等に基づいて、昇圧コンバータ42及びインバータ43、44のスイッチング動作を操作することで、第1MG51及び第2MG52の駆動を制御する。
エンジンECU80は、図示しないクランク角センサから入力されるクランク角信号等に基づいてクランク軸83のクランク角やエンジン回転速度等の情報を取得し、エンジン81の運転を制御する。エンジン81及びエンジンECU80は、後述の第3実施形態において、特許請求の範囲に記載の「他の動力源」及び「他動力源制御装置」に相当する。
HV−ECU90は、アクセル信号、ブレーキ信号、シフト信号、車速信号等が入力され、取得した情報に基づいて車両の運転状態を総合的に判断する。HV−ECU90は、MG−ECU20及びエンジンECU80との間で情報を通信し、MG51、52、及びエンジン81が生成する駆動力を調停する。その結果、ハイブリッド自動車は、主に第2MG52の力行動作によるEV走行、エンジン81による走行、第2MG52とエンジン81との両方による走行を切り替え可能である。
[MG−ECUの構成]
上述のようにMG−ECU20は、昇圧コンバータ42、第1インバータ43及び第2インバータ44のスイッチング動作を操作する。しかし、以下では特に、「位置センサ54から取得した位置θに基づく制御演算により、第2インバータ44を操作して第2MG52の駆動を制御する機能」にのみ着目して説明し、昇圧コンバータ42の昇圧制御、及び、第1MG51の駆動制御に関する説明を省略する。それに伴い、第2インバータ44を単に「インバータ44」といい、第2MG52を単に「MG52」という。
ここで、位置センサ54が検出するロータの磁極位置と実際の磁極位置との間にオフセットズレが生じたと仮定する。なお、オフセットズレの詳細については後述する。
例えば特許文献1に記載されたエレベータの制御に関する従来技術によると、d軸電流指令値をゼロとする前提でベクトル制御の操作量であるd軸電圧の絶対値を監視し、d軸電圧の絶対値が所定の閾値を超えたとき、磁極位置がずれていると判断する。
しかし、エレベータ用のモータは動作領域が低回転領域に限られ、また、大容量で一定電圧の電源が使用されることを前提としているのに対し、ハイブリッド自動車において主に力行動作に用いられるMG52は、低回転から高回転までの広い回転数領域で動作し、また、電源電圧の変動が大きい。そして高回転領域では、逆起電力を抑制するため、負のd軸電流を流すように指令する弱め界磁制御が用いられる。
弱め界磁制御を行うと、磁極位置が正常であっても負のd軸電流によってd軸電圧の絶対値が増加するため、磁極位置ずれによるd軸電圧の絶対値の増加と判別することができない。したがって、MG52のように弱め界磁制御領域を含む広い回転数領域で動作する同期モータには、特許文献1によるオフセットズレ検出技術を適用することができない。
そこで、本発明の「同期モータの制御装置」である各実施形態のMG−ECU20は、弱め界磁制御を行う高回転領域を含めた広い回転数領域で、位置センサ54のオフセットズレを好適に検出するための構成を特徴としている。
以下、オフセットズレの検出、及び、検出後の処置に関して、実施形態毎に説明する。ここで、MG−ECU20の符号について、第1〜第4実施形態に対応して「201」〜「204」を付す。また、複数の実施形態において実質的に同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図2〜図4を参照して説明する。
図2に示すように、第1実施形態のMG−ECU201は、周知の電流フィードバック制御の構成として、電流指令演算部21、減算器22、制御器23、逆dq変換部24、dq変換部25を有している。また、dq軸電流からトルクを推定する場合に周知であるトルク推定部26をさらに有してもよい。
電流指令演算部21は、HV−ECU90から取得したトルク指令値trq*に基づき、マップや数式等を用いてdq軸電流指令値Id*、Iq*を演算する。
減算器22は、dq変換部25からフィードバックされるdq軸電流検出値Id、Iqをdq軸電流指令値Id*、Iq*から減算してdq軸電流偏差を算出する。
制御器23は、dq軸電流検出値Id、Iqを、それぞれ指令値Id*、Iq*に追従させるように、PI制御演算等によってdq軸電圧指令値Vd*、Vq*を算出する。
逆dq変換部24は、位置センサ54から取得した位置θを用いて、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*を、三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換する。
三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づくインバータ44のスイッチング状態の操作については、例えば周知のPWM制御による。インバータ44がPWM制御等により、所望の三相交流電圧Vu、Vv、VwをMG52に印加することによって、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるようにMG52の駆動が制御される。
詳しくは、MG52の要求トルクに対応する変調率に応じて正弦波PWM制御と過変調PWM制御モードとが切り替えられる。過変調PWM制御モードでは、制御器23と逆dq変換部24との間の電圧振幅補正部にて、三相電圧指令値の振幅を正弦波から歪ませるように補正する。
dq変換部25は、インバータ44からMG52へ接続される電力線に設けられた電流センサ61、62から相電流検出値が入力される。本実施形態では、V相、W相に設けられた電流センサ61、62からV相電流Iv及びW相電流Iwの検出値が入力され、残るU相の電流Iuをキルヒホッフの法則に基づいて推定している。他の実施形態では、どの二相の電流を検出してもよく、三相の電流を検出してもよい。或いは、一相の電流検出値に基づいて他の二相の電流を推定する技術を採用してもよい。
dq変換部25は、位置センサ54から取得した位置θを用いて、三相電流検出値Iu、Iv、Iwをdq軸電流検出値Id、Iqにdq変換し、減算器22にフィードバックする。
トルク推定部26は、dq軸電流検出値Id、Iq及び回路定数に基づき、式(1)を用いてトルク推定値trq_estを算出する。例えば、本明細書の最後に「その他の実施形態」として記載したトルクフィードバック制御では、トルク推定値trq_estをトルク指令値trq*に対してフィードバックする。
trq_est=pm×{Iq×φα+(Ld−Lq)×Id×Iq}・・・(1)
ただし、
pm:電動機の極対数
φα:永久磁石の電機子鎖交磁束
Ld、Lq:d軸インダクタンス、q軸インダクタンス
このように、三相軸とdq軸との座標変換を伴うベクトル制御では、位置センサ54が検出した位置θの情報は少なくとも、dq変換部25及び逆dq変換部24の変換演算に用いられる。
ここで、位置センサ54が検出する位置θと、実際のロータの磁極位置とにオフセットズレが生じることを仮定する。オフセットズレとは、MG52のロータに取り付けられた永久磁石の実際の磁極位置と、位置センサ54が検出する磁極位置とが正常な角度範囲を超えて回転方向にずれることをいう。位置センサ54のオフセットズレが生ずると三相軸の固定座標系において基準軸の位置がずれるため、回転座標系であるdq軸においても基準軸がオフセットする。
仮にオフセットズレが生じると、まずdq変換部25が演算する電流検出値Id、Iqが誤った値となる。そして、誤った電流検出値Id、Iqがフィードバックされることにより、制御器23が演算するdq軸電圧指令値Vd*、Vq*にも誤差の影響が及ぶ。さらに、逆dq変換部24での演算にて再び誤差が重畳されるため、インバータ44に指令される三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*は、正規の値から相当乖離したものになる。よって、MG52の制御を正常に行うことができなくなる。
そこで、本実施形態のMG−ECU201は、位置センサ54のオフセットズレを検出するための特有の構成として、位相算出手段31、正常値記憶手段32、及び、オフセットズレ検出手段35等を有している。
位相算出手段31は、dq軸座標における電圧ベクトルの位相を算出する。特に本実施形態では、制御器23が演算したdq軸電圧指令値Vd*、Vq*の位相を算出する。
図3に示すように、本明細書では、dq軸座標のd軸を基準とする電圧ベクトルの位相を「電圧位相α」と定義する。したがって、Vq軸の正方向は位相90°に相当し、Vd軸の負方向は位相180°に相当する。指令電圧ベクトルの大きさV*ampは、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*の二乗和平方根(√(Vd*2+Vq*2))で表される。
正常値記憶手段32は、MG52の運転条件に応じた電圧位相正常値αnを予め記憶している。具体的には、MG52のトルクtrq及び回転数ωに応じた電圧位相正常値αnを実験やシミュレーションによって求め、マップとして記憶する。なお、トルクtrq、回転数ω以外に、インバータ44へ入力される昇圧電圧VH等を引数に加えてもよい。
図2に示す例では、正常値記憶手段32は、トルク指令値trq*、及び、微分器55からの回転数ωを取得する。なお、破線で示すように、トルク指令値trq*に代えて、トルク推定部26が推定したトルク推定値trq_estを取得してもよい。
ここで、回転数ωは、位置センサ54が検出した位置θを微分器55で微分して得られる値である。本実施形態では位置センサ54のゲインずれは考慮しないため、仮にオフセットズレが生じていたとしても回転数ωは正常であることを前提とする。
また、本来「ω」は電気角速度[deg/s]を表す記号であるが、電気角速度に比例定数を乗じることで回転数[rpm]に換算されることから、本明細書では「回転数ω」と記す。
位相比較部34では、位相算出手段31が算出した電圧位相算出値αと電圧位相正常値αnとを比較し、電圧位相算出値αと電圧位相正常値αnとの差分である位相偏差Δαを算出する。オフセットズレ検出手段35は、位相偏差Δαに基づいて、位置センサ54のオフセットズレを検出する。
ここで、「オフセットズレ」の例について図4を参照する。図4では、MG52がトルクを出力する状態と、実質的にトルクを出力しない「ゼロトルク状態」とを間欠的に繰り返すときの挙動を模式的に示す。図4(a)は、位置センサ54の正常時におけるMG52のトルクと電圧位相αとの関係を示し、図4(b)は、位置センサ54にオフセットズレが発生した異常時におけるMG52のトルクと電圧位相αとの関係を示す。いずれの場合も電圧位相αは、MGトルクの変化と連動して変化している。
図4(a)に示す正常時には、MGトルクがゼロのときの電圧位相αは、90°を中心とする正常範囲に入っている。一方、図4(b)に示す異常時には、電圧位相が全体的にオフセットし、MGトルクがゼロのときの電圧位相αは正常範囲から外れている。仮に電圧位相正常値を90°とすると、MGトルクがゼロのときの電圧位相αと正常値90°との差が「オフセットズレ」に相当する。なお、図4(b)の例示とは逆に、正常値の負側にオフセットズレが生じる場合もある。
このように本実施形態のMG−ECU201は、誤ったフィードバック電流Id、Iqを基に制御器23が演算したdq軸電圧ベクトルの位相αに基づいて位置センサ54のオフセットズレを検出する。したがって、d軸電流指令値をゼロとする前提でd軸電圧Vdに基づいて磁極ずれを検出する特許文献1の従来技術に対し、弱め界磁制御を行う高回転領域を含めて、位置センサのオフセットズレを広い回転数領域で好適に検出することができる。
また、本実施形態のMG−ECU201は、MG52のトルクtrqや回転数ωの運転条件に応じた電圧位相正常値αnを予め記憶している正常値記憶手段32を有しており、電圧位相算出値αと電圧位相正常値αnとを比較することで、位置センサ54のオフセットズレを簡便かつ迅速に検出することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の同期モータの制御装置について、図5、図6を参照して説明する。
図5に示すように、第2実施形態のMG−ECU202において、位相算出手段31は、電流検出値Id、Iq及びMG52の回転数ωに基づき電圧方程式を用いて算出したdq軸電圧Vd、Vqから電圧位相αを算出する。ここで、本実施形態で用いる電圧方程式は、特許請求の範囲に記載の「モータモデルによる計算式」の一例に相当する。
また、MG−ECU202は、現在のMG52が実質的にトルクを出力しない「ゼロトルク状態」であるか否かを判定するゼロトルク判定手段33を備える。そして、ゼロトルク判定手段33によって「ゼロトルク状態である」と判定されたとき、位置センサ54のオフセットズレを判断する処理を実行することを特徴とする。
まず電圧方程式は、過渡状態を示す電流微分項を無視すれば、式(2.1)、(2.2)で表される。
Vd=R×Id−ω×Lq×Iq ・・・(2.1)
Vq=R×Iq+ω×Ld×Id+ω×φα・・・(2.2)
ただし、
R:電機子抵抗
Ld、Lq:d軸インダクタンス、q軸インダクタンス
ω:電気角速度
φα:永久磁石の電機子鎖交磁束(逆起電圧定数)
ここで、回路定数である抵抗R及びインダクタンスLd、Lqは温度変化や経時劣化を無視すれば定数として扱うことができる。
周知のように、IPMSMの力行動作にて最大トルク特性を得るためのdq軸電流は、Id<0、Iq>0となる。したがって、電圧方程式に基づくdq軸電圧の算出値Vd_cal、Vq_calは、図6(a)のように図示される。また、dq軸電圧算出値Vd_cal、Vq_calより、電圧ベクトルの大きさVamp及び位相αが求められる。位相αは、90°より大きく180°より小さい範囲の値となる。
高回転領域では、R<<ωLとなることから、「−ωLqIq」及び「ωLdId」項の寄与度が相対的に大きくなる。さらに弱め界磁制御により負のd軸電流Idを大きくすると、電圧位相αは、より180°に近づく傾向となる。
一方、q軸電流Iq≒0のとき、上記の式(1)からも明らかなようにMG52のトルクはゼロとなる。ここで、本明細書において片仮名の「ゼロ」は、厳密な0[Nm]に限らず、装置の分解能やMG52及び動力伝達系の初動摩擦等を考慮し、実質的にトルクを発生しない範囲を意味する。
ゼロトルク状態で、Id<0、Iq≒0のとき、電圧方程式に基づくdq軸電圧の算出値Vd_cal、Vq_calは、図6(b)のように図示される。すなわち、図6(a)においてd軸電圧算出値Vd_calに寄与する「−ωLqIq」項、及び、q軸電圧算出値Vq_calに寄与する「RIq」項を無視することができる。
この場合、高回転領域では「ωφα」項が支配的となるため、弱め界磁制御により負のd軸電流Idを流したとしても、電圧位相αは90°に近い角度となる。
要するに、ゼロトルク状態での電圧位相正常値αnは理論的に約90°、すなわちVq軸にほぼ一致する角度となる。したがって、ゼロトルク状態で位置センサ54のオフセットズレを判断するようにした場合、位相算出値が90°付近にあるか否かを判定することで、オフセットズレを容易に検出することができる。
本実施形態はこの点に着目し、ゼロトルク判定手段33にて「ゼロトルク状態である」と判定されたとき、位置センサ54のオフセットズレを判断する処理を実行する。
ゼロトルク判定手段33は、q軸電流Iq又はトルク指令値trq*が所定の閾値以下のとき「ゼロトルク状態である」と判定する。所定の閾値は、装置の分解能、初動摩擦や演算誤差を考慮し、実質的に0[A]又は0[Nm]に近いと考えられる値を設定するとよい。なお、破線で示すように、トルク指令値trq*に代えて、トルク推定部26が推定したトルク推定値trq_estに基づいて判定してもよい。
ゼロトルク判定手段33は、現在のMG52の動作状態が「ゼロトルク状態」であると判定すると、位相比較手段34に対し、電圧位相算出値αと電圧位相正常値αnとを比較するように指令する。それ以外は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態では、制御器23が生成した電圧指令値Vd*、Vq*から電圧位相αを算出するのに対し、第2実施形態では、dq変換部25による位置θを用いる座標変換演算において位置θの誤差の影響をより直接的に受けるdq軸電流Id、Iqに基づいて、電圧方程式を用いて算出したdq軸電圧Vd、Vqから電圧位相αを算出する。したがって、第1実施形態に対し、位置センサ54のオフセットズレをより敏感に検出することができる。
また、第2実施形態では、ゼロトルク判定手段33によって現在のMG52の動作状態が「ゼロトルク状態である」と判定されたとき、位相比較手段34にて、電圧位相算出値αと電圧位相正常値αnとが比較される。言い換えれば、MG52がトルクを出力しなくなるタイミングを待って、位置センサ54のオフセットズレを判断する処理を実行する。
そのため、オフセットズレの判断において、電圧位相算出値αが90°に近い範囲内であるか否かを判断すればよい。これにより、参照するマップの範囲が絞られるため、演算負荷を大幅に低減することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の同期モータの制御装置について、図7〜図9を参照して説明する。
図7に示すように、第3実施形態のMG−ECU203は、第2実施形態に対し、さらにオフセットズレ補正手段36を備えている。オフセットズレ補正手段36は、オフセットズレ検出手段35によって位置センサ54のオフセットズレが検出されたとき、位相偏差Δαに応じた角度を加算器37にて加算することで、位置センサ54が検出した位置検出値θを補正し、位置補正値θcを出力する。
これにより、補正後の位置θcがdq変換部25及び逆dq変換部24に入力されることとなり、正しい座標変換演算による適正なモータ制御が実行可能となる。
ただし、磁極のずれがある限界を超えると、位置θを補正して正常な制御をすることが不能となる。そこで、位相偏差Δαの絶対値が所定値以上の場合、「補正が不能である」と判断するようにしてもよい。
次に、MG−ECU203による位置センサ異常判定のフローについて、図8のメインフローチャート及び図9のサブフローチャートを参照して説明する。以下のフローチャートの説明で記号「S」はステップを意味する。
S1では、MG52が駆動中であるか判定し、駆動中の場合(S1:YES)、以下のステップに進む。
S2では、ゼロトルク判定手段33により、q軸電流Iq又はトルクtrqが所定の閾値以下の「ゼロトルク状態」であるか否か判定する。ゼロトルク状態であれば(S21:YES)、以下のステップにて位置センサ54の異常判定を実施する。ゼロトルク状態でなければ(S21:NO)、ゼロトルク状態になるまで位置センサ54の異常判定を実施しない。
なお、上記第1実施形態のようにゼロトルク判定手段33を有しない形態では、S2を省略し、MG52がトルクを出力している状態で異常判定を実施してもよい。
次に、異常判定ステップであるS3では、位相算出手段31が算出した電圧位相算出値αを正常値記憶手段32が記憶している正常値αnと比較し、正常範囲内であるか否か判断する。電圧位相算出値αが正常範囲内である場合(S3:YES)、S4にて、位置センサ54は正常であると判定する。
また、電圧位相算出値αが正常範囲外である場合(S3:NO)、S5にて、オフセットズレの補正が可能であるか否か判断する。位相偏差Δαの絶対値が所定値未満であって補正が可能な場合(S5:YES)、S6にて、オフセットズレ補正手段36により位置センサ54が検出した位置θを補正する。そして、補正した位置θcを用いて座標変換演算を行い、MG52の駆動制御を継続する。
一方、位相偏差Δαの絶対値が所定値以上であって補正が不能な場合(S5:NO)、S70の「位置センサ異常モード処理」に移行し、基本的に位置センサ54を使用しない制御を実施する。この「位置センサ異常モード処理」の一例を図9のサブフローチャートに示す。なお、他の実施形態では、補正可否を判断するS5を省略し、S3にてNOの場合、直接S70に移行してもよい。
図9に示す例では、MG−ECU203は、S71にてMG52の駆動を停止する。
ここで「駆動を停止する」とは、異常な位置センサ54からの誤った位置情報に基づくインバータ44のスイッチング動作、すなわち積極的な力行動作を停止することをいう。これにより、位置センサ54が異常状態のまま駆動することによるMG52の「暴走」を防止することができる。また、例えば、MG回転が高く逆起電圧がバッテリ電圧より高い場合等、必要に応じて、慣性での回転を強制制動する処理を併用してもよい。
また、MG−ECU203を含む車両制御システム100(図1参照)は、MG52の駆動を停止する旨の情報をMG−ECU203から取得すると、「他動力源駆動装置」としてのエンジンECU80に対しエンジン走行に切り替えるように指令する(S72)。これにより、ハイブリッド自動車の走行を継続することができる。
このとき、運転者に対して位置センサ54の異常を知らせる警告ランプ等を表示するようにしてもよい。これにより、運転者は、異常を認識しつつ、エンジン走行によりディーラー等までの退避走行を行うことができる。
(第4実施形態)
第4実施形態の同期モータの制御装置について、図10、図11を参照して説明する。
図10に示すように、第4実施形態のMG−ECU204は、第3実施形態に対し、さらに位置推定手段27を備えている。位置推定手段27は、周知の位置センサレス技術を用いて、電圧指令値Vd*、Vq*、及び、電流検出値Id、IqからMG52のロータ位置θestを推定し、逆dq変換部24及びdq変換部25に出力する。
なお、「同期モータの位置センサレス制御技術」は、例えば、特許第3411878号公報等に開示されている。
第3実施形態の位置センサ異常判定のフローに対し、第4実施形態では、図8のメインフローチャートは同様であり、オフセットズレ補正が不能の場合(S5:NO)の「位置センサ異常モード処理」のみが異なる。
図11のS73に示すように、第4実施形態では、位置センサ異常モード処理として、位置推定手段27による位置センサレス制御によりMG52の駆動を継続することができる。したがって、エンジン81等の他動力源を持たない電気自動車や、他動力源への切替に制限がある場合にも有効である。
もちろんこの場合も、運転者に対して位置センサ54の異常を知らせる警告ランプ等を表示し、早期の点検修理を促すようにすることが好ましい。
(その他の実施形態)
(ア)上記実施形態のMG−ECU201〜204の図2、5、7、10では、電流指令値Id*、Iq*に対して電流検出値Id、Iqをフィードバックする電流フィードバック制御の例を示している。この他、MG−ECUは、トルク指令値trq*に対して、電流検出値Id、Iq及び回転数ωから推定したトルク推定値trq_est、又はトルクセンサで直接検出したトルク検出値をフィードバックするトルクフィードバック制御によりMGの駆動を制御してもよい。
(イ)正常値記憶手段32又はゼロトルク判定手段33が取得するトルク値は、トルク指令値trq*、又は、電流検出値Id、Iqから推定したトルク推定値trq_estに代えて、トルクセンサで直接検出したトルク検出値としてもよい。
(ウ)上記第2〜第4実施形態では、位相算出手段31は、電流検出値Id、Iq及び回転数ωに基づき電圧方程式を用いて算出したdq軸電圧の位相αを算出する。その他、電圧方程式以外の「モータモデルによる計算式」を用いて電圧位相αを算出するようにしてもよい。例えば、三相モータモデルによる計算式は、式(3)で表される。
Figure 0006269328
ただし、
R:電機子抵抗
P:微分演算子
L:自己インダクタンス
M:相互インダクタンス
ω:電気角速度
φα:永久磁石の電機子鎖交磁束(逆起電圧定数)
電圧方程式ではdq軸電流Id、Iqに位置θの情報があるのに対し、この三相モータモデルによる計算式では、誘起電圧の項に位置θの情報がある。式(3)を用いて三相電圧を計算し、dq変換することにより、dq軸電圧の電圧位相を算出することができる。
なお、電圧方程式や三相モデルによる計算式は、マップを参照することにより計算してもよい。
(エ)上記実施形態で「同期モータ」として例示したMGは、電動機としての機能及び発電機としての機能を併せ持つ所謂モータジェネレータであったが、他の実施形態では、発電機としての機能を持たなくてもよい。また、「同期モータ」は、三相交流電動機に限らず、三相以上の多相交流電動機であってもよい。
(オ)本発明の同期モータの制御装置が電動車両に適用される場合、その電動車両は、上記実施形態で例示したように動力源としてエンジンと2つのMGを備えるハイブリッド自動車に限らず、エンジンと1つのMGを備えるハイブリッド自動車、或いは、MGのみを備える電気自動車であってもよい。
また、エンジンは、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン、気化燃料エンジン等であってもよい。或いは、MGの電力源として燃料電池を用いてもよい。
さらに、異常判定される同期モータ以外の「他の動力源」は、エンジンに限らず、例えば冗長モータ等としてもよい。
(カ)本発明の同期モータの制御装置は、車両の主機モータ以外に、車両の補機用モータや、車両以外の昇降機、一般機械等に用いられる同期モータの制御装置として適用されてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
20、201〜204:MG−ECU(同期モータの制御装置)、
23:制御器、
31:位相算出手段、
32:正常値記憶手段、
33:ゼロトルク判定手段、
34:位相比較部、
35:オフセットズレ検出手段、
36:オフセットズレ補正手段、
44:第2インバータ(インバータ)、
52:第2MG(同期モータ)、
54:位置センサ、
100:車両制御システム。

Claims (9)

  1. 同期モータ(52)に設けられた位置センサ(54)から取得したロータ位置(θ)の情報を用いて制御演算を行い、インバータ(44)のスイッチング状態を操作して前記同期モータの駆動を制御する同期モータの制御装置(201〜204)であって、
    電流又はトルクの指令値と検出値もしくは推定値との偏差が入力され、前記検出値もしくは推定値が前記指令値に追従するように、前記インバータへ出力する電圧指令値を演算する制御器(23)と、
    前記制御器が出力した電圧指令値、又は、電流検出値に基づいて算出された電圧算出値について、dq軸座標における電圧ベクトルの位相を算出する位相算出手段(31)と、
    前記位相算出手段が算出した電圧位相算出値(α)に基づいて前記位置センサのオフセットズレを検出するオフセットズレ検出手段(35)と、
    前記同期モータのトルクを含む運転条件に応じた電圧位相正常値(αn)を予め記憶している正常値記憶手段(32)と、
    を備え
    前記オフセットズレ検出手段は、
    前記位相算出手段が算出した前記電圧位相算出値と前記電圧位相正常値とを比較して得られた前記電圧位相算出値と前記電圧位相正常値との差分である位相偏差(Δα)に基づいて、前記位置センサのオフセットズレを検出することを特徴とする同期モータの制御装置。
  2. 前記同期モータのq軸電流又はトルクが所定の閾値以下のときゼロトルク状態であると判定するゼロトルク判定手段(33)を備え、
    前記オフセットズレ検出手段は、
    前記ゼロトルク判定手段によってゼロトルク状態であると判定されたとき、前記位置センサのオフセットズレを判断する処理を実行することを特徴とする請求項に記載の同期モータの制御装置。
  3. 前記位相算出手段は、
    電流検出値及び前記同期モータの回転数に基づき、モータモデルによる計算式を用いて算出したdq軸電圧の電圧位相を算出することを特徴とする請求項またはに記載の同期モータの制御装置。
  4. 前記オフセットズレ検出手段によって前記位置センサのオフセットズレが検出されたとき、前記位相偏差に基づき、前記位置センサが検出した位置検出値を補正するオフセットズレ補正手段(36)を備えることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の同期モータの制御装置。
  5. 前記位相偏差の絶対値が所定値以上のとき、前記オフセットズレ補正手段による補正が不能であると判断することを特徴とする請求項に記載の同期モータの制御装置。
  6. 前記制御器が出力した電圧指令値、及び、電流検出値からロータ位置を推定する位置推定手段(27)を備え、
    前記位相偏差の絶対値が所定値以上のとき、前記位置推定手段が推定した位置推定値を用いてフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の同期モータの制御装置。
  7. 前記位相偏差の絶対値が所定値以上のとき、前記同期モータの駆動を停止することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の同期モータの制御装置。
  8. 前記同期モータを含む複数の動力源を搭載した車両の駆動を制御する車両制御システム(100)であって、
    請求項に記載の同期モータの制御装置と、
    前記複数の動力源のうち前記同期モータ以外の他の動力源を制御する他動力源制御装置(80)と、を備え、
    前記位相偏差の絶対値が所定値以上のとき、前記同期モータの駆動を停止し、前記他の動力源により車両を走行させることを特徴とする車両制御システム。
  9. 前記他の動力源としてエンジン(81)を備えるハイブリッド自動車に適用され、
    前記位相偏差の絶対値が所定値以上のとき、前記同期モータの駆動を停止し、前記エンジンにより車両を走行させることを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
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