JP2013219843A - 電気自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気自動車において、dq座標系で表された電流指令値を採用するモータのフィードバック制御系の特性を巧みに利用して電流センサの異常を検知する。
【解決手段】本明細書が開示する電気自動車は、走行用のモータと、バッテリと、インバータと、インバータの出力電流を検出する電流センサと、コントローラを備える。コントローラは、いて決定されるトルク指令値と電流センサで検出した電流計測値から推定されるトルク推定値との偏差、または、トルク指令値に応じた電流指令値と、電流計測値との偏差に基づいてdq座標系で表された電圧指令値を生成し、その電圧指令値に基づいてインバータを制御する。コントローラは、dq座標系で表された電圧指令値の電圧位相が所定の位相閾値よりも大きく、かつ、バッテリの出力電力とモータ回転数から算出される予定トルクが所定のトルク閾値よりも大きい場合に、電流センサの異常を示す信号を出力する。
【選択図】図2

Description

本明細書が開示する技術は、走行用のモータを備える電気自動車に関する。本明細書における電気自動車には、モータとエンジンを搭載したハイブリッド車や燃料電池車が含まれる。
電気自動車は、バッテリから供給される直流電力を走行用のモータの駆動に適した交流電力に変換するインバータを備える。モータを正確に制御するため、多くのインバータは、出力電流をセンサにより計測し、電流計測値に基づいてフィードバック制御を実施する。インバータ制御にとって電流センサは重要であるため、電気自動車は、電流センサの異常検知の仕組みを有することが望ましい。
特許文献1−3に電流センサの異常を検知する技術の例が開示されている。特許文献1の技術は、バッテリの直流負荷電力と、電流センサの電流計測値(電流センサの出力)から得られる交流負荷電力の比較から電流センサの異常を検知する。特許文献2の技術は、電圧指令でインバータを制御する制御系において、dq座標系で表された電圧指令値のq軸電圧指令値が所定の閾値よりも低く、かつ、変動する場合に電流センサで異常が生じていると判断する。特許文献3の技術は、バッテリの出力電流を計測する第1電流センサとモータに流れる電流を計測する第2電流センサを備え、第1と第2の電流センサの値に所定の相違があるときにいずれかの電流センサで異常が生じていると判断する。なお、特許文献の技術、及び、本明細書が開示する技術は、厳格には、「電流センサで異常が生じていると推定する」技術であるが、説明を簡単にするため、本明細書では「電流センサで異常が生じていると推定する」ことを単純に「電流センサで異常が生じている」と表現することに留意されたい。
特開2011−223733号公報 特開2011−259523号公報 特開2009−201205号公報
本明細書は、上記特許文献が開示する技術とは異なるアプローチで電流センサの異常を検知する技術を提供する。本明細書が開示する技術は、dq座標系で表された電流指令値を使ったモータのフィードバック制御系の特性を巧みに利用して電流センサの異常を検知するものである。
本明細書が開示する技術は、電気自動車に関する。特に、走行用のモータに電力を供給するためのバッテリと、バッテリの直流電力をモータ駆動用の交流電力に変換するインバータと、インバータの出力電流を検出する電流センサと、インバータを制御するコントローラを有する電気自動車に関する。インバータの制御ロジックには様々なものがあるが、ここでは、トルク指令値と電流センサで検出した電流計測値から推定されるトルク推定値との偏差、または、そのトルク指令値に応じた電流指令値と電流計測値との偏差、に基づいてdq座標系で表された電圧指令値を生成し、その電圧指令値に基づいてインバータを制御するコントローラを対象とする。基本となる制御系については実施例にて例示するが、電圧指令値をdq座標系で表現する制御方式は良く知られているので詳しい説明は割愛する。また、トルク指令値とは、インバータのコントローラよりも上位の別のコントローラが生成する指令値であり、典型的には、アクセル開度(アクセルペダルの開度)に基づいて決定される(アクセル開度以外にも例えば車速などが考慮される場合もある)。トルク指令値は、車両のドライバが望むトルクに相当する。
本明細書が開示する電流センサの異常検知技術では、上記のコントローラが、dq座標系で表された電圧指令値の電圧位相が予め定められた位相閾値よりも大きく、かつ、バッテリの出力電力とモータ回転数から算出される予定トルクが予め定められたトルク閾値よりも大きい場合に、電流センサで異常が生じていると判断し、電流センサの異常を示す信号を出力する。
上記のコントロ−ラは、バッテリの出力電圧、及び、電圧指令値の位相の2つのパラメータで電流センサの異常を判定するため、高い確からしさで電流センサの異常を検知することができる。また、上記の異常検知のシステムはモータ制御のために備えられたセンサを使い、電流センサの異常を直接検知するセンサは不要であるので、安価に構築できるという利点も有する。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は、発明の実施の形態で説明する。
電気自動車の駆動系の概略ブロック図である。 一例の制御系のブロック図である。 推定トルクと電圧位相の関係、及び、電流センサの異常と判定する領域を示すグラフである。 別の例の制御系のブロック図を示す。 別の例の制御系における推定トルクと電圧位相の関係、及び、電流センサの異常と判定する領域を示すグラフである。
図面を参照して実施例の自動車を説明する。図1に、実施例の電気自動車2の駆動系の概略ブロック図を示す。図1は、本明細書が開示する技術の特徴を説明するのに必要な部品だけを示しており、電気自動車が本来備える部品のいくつかは図示を省略していることに留意されたい。
電気自動車2は、走行用のモータ21と、モータ21に供給する電力を蓄えるバッテリ3を備える。バッテリ3の直流電力は、昇圧コンバータ4で昇圧された後にインバータ5で交流に変換されてモータ21に供給される。昇圧コンバータ4とインバータ5は良く知られているように多数のスイッチング素子を備え、そのスイッチング素子はPWM信号で制御される。コントローラ6が、昇圧コンバータ4とインバータ5へ指令するPWM信号を生成する。コントローラ6は、上位の別のコントローラ31から、モータ21が出力すべき目標トルク(トルク指令値)の指令を受ける。上記の別のコントローラ31は、アクセルペダル(不図示)に備えられたペダル開度センサ22からのペダル開度のデータを得て、モータ21が出力すべきトルク(トルク指令値)を決定し、その値をコントローラ6に送る。そしてコントローラ6は、モータ21がトルク指令値に相当するトルクを出力するように昇圧コンバータ4とインバータ5に与える夫々のPWM信号を決定する。コントローラ6は、また、インバータ5の出力電流に基づき、モータ21の出力がトルク指令値に一致するようにフィードバック制御を実施する。
フィードバック制御に必要なセンサとして、電気自動車2は、インバータ5のUVW3相出力のうち2相(実施例ではV相とW相)の電流を計測する電流センサ15と、モータ21の回転数を計測する回転数センサ16(レゾルバ)を備える。2相の電流値と回転数から、残りの1相の電流を算出することができる。電気自動車2は、他に、バッテリ3の出力電流を計測する電流センサ12、バッテリの出力電圧を計測する電圧センサ13、及び、昇圧コンバータ4の出力電圧(インバータ5への入力電圧)を計測する電圧センサ14を備える。コントローラ6は、それらセンサのデータを参照し、電流センサ15の異常の有無を判断する。コントローラ6は、電流センサ15に異常が生じていると判断すると、その旨を示す信号を電気自動車2のコンソール(不図示)に送信したり、不揮発性メモリ23に出力したりする。コンソールは送られた信号に基づいて警告ランプを表示し、異常発生を運転者に知らせる。不揮発性メモリ23に記憶されたデータは、後日、車両のメンテナンス時にスタッフが確認するいわゆる診断データに相当する。
コントローラ6に実装されている制御系のブロック図を図2に示す。まず、上位のコントローラ31が、ペダル開度センサ22(図1参照)のセンサデータ、及び、車速に基づいてモータ21が出力すべき目標トルク(トルク指令値Tr)を決定する。コントローラ6には、モータ21の出力がトルク指令値Trに一致するようにフィードバック制御系が構築されている。本実施例のフィードバック制御系は、いわゆる電流フィードバック制御系である。以下、コントローラ6が有するフィードバック制御系を説明する。
トルク指令値Trは、dq座標変換モジュール32によって、dq座標系における各軸の電流指令値に変換される。なお、一般に、トルクとモータ電流は比例の関係にあり、その比例定数はトルク定数と呼ばれる。トルク指令値Trにトルク定数を乗じた値が、トルク指令値Trに相当する電流指令値である。dp座標変換モジュール32では、トルク指令値Trにトルク定数を乗じてスカラ値の電流指令値を得る。その後、その電流指令値をdp変換し、各軸の電流指令値を得る。モータ制御におけるdq変換は良く知られているので詳しい説明は省略する。図2では、電流指令値のd軸成分を符号Idrで示しており、q軸成分を符号Iqrで示している。一方、コントローラ6は、電流センサ15からV相を流れる電流の計測値(電流計測値iv)とW相を流れる電流の計測値(電流計測値iw)と、回転数センサ16が計測するモータ21の回転数wdを取得し、dq座標変換モジュール38によって電流計測値iv、iw(及び、それらの電流計測値と回転数wdから得られるU相電流iu)をdq座標系に変換する。図2では、dq座標系で表された電流計測値のd軸成分を符号Idsで示しており、q軸成分を符号Iqsで示している。コントローラ6は、電流指令値Idr、Iqrと電流計測値Ids、Iqsの偏差dId、dIqを算出する。偏差dId、dIqは、比例積分器34に入力され、偏差に応じた比例成分と積分成分を有する電圧指令値vd、vqが生成される。電圧指令値vd、vqもdq座標系で表されている。ここで、比例項と積分項を有する電圧指令値vd、vqは次の式(1)で表される。
Figure 2013219843
式(1)において符号Kpは比例ゲインを表し、符号Kiは積分ゲインを表している。dq座標系で表された電圧指令値vd、vqは、別の座標変換モジュール35に入力され、UVW3相各相の電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換され、PWM生成モジュール36に送られる。PWM生成モジュール36は、電圧指令値Vu、Vv、Vwを実現するPWM信号を生成する。こうして生成されたPWM信号に基づいてインバータ回路37(図1のインバータ5に相当する)の各スイッチング素子を駆動することによって、モータ21の出力トルクがトルク指令値Trに一致するように制御される。なお、モータ21の回転数wdは、dq座標変換モジュール38にだけでなく、他のdq座標変換モジュール32、35にも送られる。dq変換についても良く知られているので詳しい説明は割愛する。さらに、モータ21の回転数wdは、電流センサ15の異常の有無を判断する異常検知モジュール33(後述)へも送られる。
図2に示すフィードバック系において、dq座標系で表された電圧指令値のd軸成分vdとq軸成分vqが成す角度、すなわち、角度Ph=arctan(vq/vd)が電圧位相と呼ばれる値である。コントローラ6は、この電圧位相Phと、バッテリ3の出力電圧VLを使って電流センサ15の異常の有無を判断する。次に、コントローラ6内に実装されている異常検知モジュール33の機能を説明する。
異常検知モジュール33には、電圧指令値vd、vqのほか、電流センサ12(図1参照)が計測するバッテリ3の出力電流Ib、電圧センサ13(図1参照)が計測するバッテリ3の出力電圧VL、及び、前述したようにモータ21の回転数wdが入力される。
異常検知モジュール33は、電圧指令値vd、vqから電圧位相Phを算出する。前述したように、電圧位相Ph=arctan(vq/vd)である。また、異常検知モジュール33は、バッテリ3の出力電圧VLと出力電流Ibからバッテリ3の出力電力Pb(=VL×Ib)を算出する。バッテリ3の出力電力Pbとモータ回転数wdとモータの出力トルクTの間には、Pb=wd×Tの関係がある。異常検知モジュール33はその関係より、モータが出力するトルクT(=Pb/wd)を算出する。なお、以下では、バッテリ3の出力電力とモータ回転数から算出されるトルクを、後述する別のトルクと区別するために、予定トルクTaと称することにする。
異常検知モジュール33は、電圧指令値の位相(電圧位相Ph)と予定トルクTaを使って電流センサ15の異常の有無を判定する。具体的には、異常検知モジュール33は、dq座標系で表された電圧指令値の電圧位相Phが予め定められた位相閾値Phsよりも大きく、かつ、バッテリ3の出力電力Pbとモータ回転数wdから算出される予定トルクTaが予め定められたトルク閾値Tmaxよりも大きい場合に、電流センサ15に異常が生じていると判断する。異常検知モジュール33(コントローラ6)は、電流センサ15に異常が生じていると判断すると、その旨を示すデータを不揮発性メモリ23に格納するとともに、その旨を示す信号を車両のコンソールへ出力する。コンソールはその信号に応答して電流センサで異常が発生していることを示すランプを点灯させる。
予め定められた位相閾値Phsは、コントローラ6が記憶している。また、トルク閾値Tmaxもコントローラ6が記憶している。位相閾値Phsは、コントローラの制御系の特性によって定められる。また、トルク閾値Tmaxは、上位のコントローラ31が出力するトルク指令値の上限値に定められるのが好ましい。なお、位相閾値Phsとトルク閾値Tmaxは、インバータ5とモータ21の状態によって変化するため、コントローラ6は、インバータ5とモータ21の異なる複数の状態ごとに、位相閾値Phsとトルク閾値Tmaxのセットを記憶している。ここで、インバータ5とモータ21の状態とは、典型的には、モータトルク、インバータ5の入力電圧VH、及び、モータ回転数wdである。
ここで、予定トルクTaと電圧位相Ph、及び、異常検知モジュール33の判断基準(位相閾値Phsとトルク閾値Tmax)の関係を説明する。図3は、それらの変数の関係の一例を示すグラフである。図3のグラフの縦軸は予定トルクTaを示しており、横軸は電圧位相Phを示している。予定トルクTaと電圧位相Phには、図3に例示するような一意の関係が成立する。予定トルクTa、すなわち、モータ21に供給される電力から予定されるモータのトルクは、dq座標系におけるq軸電流に比例することに起因する。
異常検知の条件は次の2つであった。条件1:電圧位相Phが予め定められた位相閾値Phsよりも大きい。条件2:バッテリ3の出力電力Pbとモータ回転数wdから算出される予定トルクTaが予め定められたトルク閾値Tmaxよりも大きい。条件2は、図3においてトルク閾値Tmaxよりも上の領域に相当する。前述したように、トルク閾値Tmaxは、上位のコントローラ31が出力し得る最大の値に設定されているので、条件2が成立する場合は、何らかの異常が発生していることになる。条件2は、図3において位相閾値Phsよりも右側の領域に相当する。電圧位相Phが大きい場合とは、電流指令値Idr、Iqrと電流計測値Ids、Iqsの偏差が大きいことを意味する。電流の偏差が大きい場合は、インバータの出力電流を計測する電流センサ15で異常が生じている可能性が高い。なお、安全のため、コントローラ6には電圧位相Phが所定の上限Phmを超えないようにリミッタが備えられているため、異常検知モジュール33が電流センサ15で異常が生じていると判断する領域は図3の符号Aが示す領域となる。
次に、コントローラ6に別の制御系が実装されている場合を説明する。先に示した制御系は、一般に電流フィードバック制御と呼ばれる制御系である。具体的には、コントローラ6は、アクセル開度に基づいて決定されるトルク指令値に応じた電流指令値Idr、Iqrと電流センサ15で検出した電流計測値のdq座標系表記Ids、Iqsとの偏差に基づいてdq座標系で表された電圧指令値vd、vqを生成し、その電圧指令値に基づいてインバータを制御する。次に説明するのは、一般にトルクフィードバック制御と呼ばれる制御系の場合である。
図4にトルクフィードバック制御系が実装されているコントローラ106の制御系ブロック図を示す。コントローラ106の周囲のユニット(ペダル開度センサ22、上位のコントローラ31、電圧センサ13、電流センサ12、15、不揮発性メモリ23、モータ21、及び、回転数センサ16)は図2の制御系の場合と同じである。コントローラ106に実装されているモジュールのうち、dq座標変換モジュール35、38、PWM生成モジュール36、インバータ回路37も、図2の制御系の場合と同じである。
トルクフィードバック制御系では、電流センサ15によって得た電流計測値iv、iwのdq座標系表記Ids、Iqsからモータ21の出力トルク(トルク推定値Tst)を推定する。符号142がトルク推定モジュールである。電流計測値iv、iwのdq座標系表記Ids、Iqsからトルク推定値Tstが求まることは良く知られているので詳しい説明は省略する。
前述の電流フィードバック制御系と同様に、上位のコントローラ31は、アクセル開度に基づいてトルク指令値Trを決定し、コントローラ106に送信する。コントローラ106は、アクセル開度に基づいて決定されるトルク指令値Trと電流センサ15で検出した電流計測値iv、iwから推定されるトルク推定値Tstとの偏差dTrを算出する。コントローラ106は、偏差dTrを比例積分器134に送り、そこで電圧指令値vrが生成される。トルクフィードバック制御系における電圧指令値vrは、次の式(2)で与えられる。
Figure 2013219843
式(2)においてKpは比例ゲインであり、Kiは積分ゲインである。電圧指令値vrは別のdq座標変換モジュール141に入力され、d軸成分vdとq軸成分vqに分割される。後は、図2の制御系と同様に、dq座標系で表された電圧指令値vd、vqは、別の座標変換モジュール35に入力され、UVW3相各相の電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換され、PWM生成モジュール36に送られる。PWM生成モジュール36は、電圧指令値Vu、Vv、Vwを実現するPWM信号を生成する。こうして生成されたPWM信号に基づいてインバータ回路37(図1のインバータ5に相当する)の各スイッチング素子を駆動することによって、モータ21の出力トルクがトルク指令値Trに一致するように制御される。
式(2)の右辺第2項は積分項である。トルクフィードバック制御系においては、数(2)で表される電圧指令値vrが電圧位相Phと等価な値である。図4に示すように、dq座標変換モジュール141を通して電圧指令値vrをdq変換することができるので、電圧位相Ph(=arctan(vd/vq))と電圧指令値vrの間には一意の関係が成立する。そこで、コントローラ106では、異常検知モジュール133が、電圧位相Phのかわりに電圧指令値vrを電圧位相とみなして電流センサ15の異常の有無を判定する。
異常検知モジュール133では、図2の異常検知モジュール33と同様に、バッテリ3の出力電流Ibと出力電圧VLからバッテリ3の出力電力Pbを求め、出力電力Pbをモータ回転数wdで除して予定トルクTaを求める。異常検知モジュール133は、予定トルクTaと電圧指令値vr(電圧位相)を使って電流センサ15の異常の有無を判断する。判断ロジックは図2の制御系の場合と同様であり、異常検知モジュール133は、電圧位相(電圧指令値vr)が予め定められた位相閾値vhsよりも大きく、かつ、バッテリの出力電力Pbとモータ回転数wdから算出される予定トルクTaが予め定められたトルク閾値Tmaxよりも大きい場合に、電流センサに異常が発生していると判断する。異常検知モジュール133(コントローラ106)は、電流センサ15に異常が生じていると判断すると、その旨を示すデータを不揮発性メモリ23に格納するとともに、その旨を示す信号を車両のコンソールへ出力する。コンソールはその信号に応答して電流センサで異常が発生していることを示すランプを点灯させる。
図5に、予定トルクTaと電圧指令値vr(電圧位相)、及び、異常検知モジュール133の判断基準(位相閾値vhsとトルク閾値Tmax)の関係の一例を示す。図5は、図3と横軸が相違するだけで他は同じである。図5のグラフの横軸は、電圧指令値vrを表している。しかし先に述べたように、トルクフィードバック制御では、電圧指令値vrと電圧位相の間には一意の関係があり、電圧指令値vrを電圧位相と等価な変数として扱ってよい。コントローラ106は、電圧位相(電圧指令値vr)が予め定められた位相閾値vhsよりも大きく、かつ、バッテリの出力電力Pbとモータ回転数wdから算出される予定トルクTaが予め定められたトルク閾値Tmaxよりも大きい場合、すなわち、予定トルクTaと電圧指令値vrの組が図5の符号Bが示す領域に属する場合に、電流センサ15に異常が発生していると判断する。なお、図3の場合と同様に、コントローラ106には、安全のために電圧指令値vr(電圧位相)が所定の上限vhmを超えないようにリミッタが備えられている。また、位相閾値vhsとトルク閾値Tmaxは、インバータ5への入力電圧VHとモータ回転数wdに依存するため、コントローラ106は、位相閾値vhsとトルク閾値Tmaxのセットを、異なる複数の入力電圧VHとモータ回転数wdに対して記憶している。
実施例に開示した技術の留意点を述べる。実施例の自動車は走行用のモータは備えるがエンジンは備えない、いわゆるピュア電気自動車であった。本明細書が開示する技術はモータとエンジンを備えるハイブリッド車や、燃料電池車に適用することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電気自動車
3:バッテリ
4:昇圧コンバータ
5:インバータ
6、106:コントローラ
12、15:電流センサ
13、14:電圧センサ
16:回転数センサ
21:モータ
22:ペダル開度センサ
23:不揮発性メモリ
31:上位のコントローラ
32、35、38、141:dq座標変換モジュール
33、133:異常検知モジュール
34、134:比例積分器
36:PWM生成モジュール
37:インバータ回路

Claims (1)

  1. 走行用のモータに電力を供給するためのバッテリと、
    バッテリの直流電力をモータ駆動用の交流電力に変換するインバータと、
    インバータの出力電流を検出する電流センサと、
    アクセル開度に基づいて決定されるトルク指令値と電流センサで検出した電流計測値から推定されるトルク推定値との偏差、または、前記トルク指令値に応じた電流指令値と前記電流計測値との偏差、に基づいてdq座標系で表された電圧指令値を生成し、当該電圧指令値に基づいてインバータを制御するコントローラと、
    を備えており、
    前記コントローラは、dq座標系で表された前記電圧指令値の電圧位相が予め定められた位相閾値よりも大きく、かつ、バッテリの出力電力とモータ回転数から算出される予定トルクが予め定められたトルク閾値よりも大きい場合に、電流センサの異常を示す信号を出力することを特徴とする電気自動車。
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