JP2012080656A - 駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変磁束型の回転電機を備えた駆動装置を制御する制御装置の規模を増大させることなく、誘起電圧をインバータの耐圧の限度内に収めることができる技術を提供する。
【解決手段】永久磁石を備えたロータとコイルを備えたステータとを有する回転電機と、界磁束を変化させる界磁調整機構と、インバータとを備えた駆動装置を制御する駆動装置の制御装置は、直流の主電源との遮断条件が成立した際に、ロータの回転によりコイルに誘起される誘起電圧がインバータの耐圧を越える過電圧状態であると判定されている場合は、少なくとも過電圧状態が解消されるまで、遮断条件に拘わらず主電源との接続を維持すると共に、界磁束を弱める弱め界磁電流をコイルに供給する弱め界磁制御により回転電機を制御し、過電圧状態が解消された後に遮断条件に従って主電源を遮断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石を備えたロータにより提供される界磁束を調整可能な可変磁束型の回転電機と、当該界磁束を調整する機構とを備えた駆動装置の制御装置に関する。
内部に永久磁石を埋め込んだロータを備える埋め込み磁石型の回転電機(IPMSM:interior permanent magnet synchronous motor)が広く用いられている。IPMSMでは、通常、永久磁石はロータコアに固定されているため、ロータから発生する磁束は一定である。ロータの回転速度が上昇するに従ってステータコイルに発生する誘起電圧は高くなり、誘起電圧が駆動電圧を超えると制御不能となる場合がある。これを回避するため、ある回転速度以上では、ロータからの磁界を実質的に弱める弱め界磁制御が行われる。但し、弱め界磁制御を行うと回転電機から出力されるトルクに対してステータコイルに流れる電流が大きくなるため、銅損が大きくなり効率が低下する。また、永久磁石からステータに到達する磁束が一定のままでは、ロータの回転速度が高い領域において、ステータコアにおいて生じる鉄損も大きくなり効率が低下する。
そこで、ロータが備える永久磁石からステータに到達する磁束をロータの回転速度に応じて変化させる可変磁束型の回転電機が提案されている。特開2002−58223号公報(特許文献1)には、径外側ロータ(100)と、このロータの径内側に収容される径内側ロータ(200)とを有した回転電機が開示されている(符号は特許文献1のもの。以下、背景技術の説明において同様。)。ステータコア(301)の内周面に対面しつつ回転する径外側ロータ(100)は、界磁束を形成する永久磁石(103)を有する。径内側ロータ(200)は、径外側ロータの内周面に対面する外周面を有して回転自在に配接されるヨーク又は磁石ロータからなる。両ロータの周方向の相対位相は、ギヤハウジング(4)内に収納された遊星減速ギヤ機構により変更可能である(特許文献1:第27〜37段落、図1〜3、要約等。)。
回転電機の効率に影響する損失には、銅損や鉄損、インバータ損などがよく知られており、好適にはそのような損失が最も少なくなるような制御が実施される。上述したような可変磁束型の回転電機は、機械的に界磁束を変更することによって、これらの損失を抑制して回転電機の効率を上げることができる。一般的には、回転電機は低回転・高出力(高トルク)で運転される場合と、高回転・低出力で運転される場合がある。前者の場合には、強い界磁束が求められ、後者の場合には高回転に伴う逆起電力を抑制するために弱い界磁束が求められる。しかし、効率を追求した場合には、高回転で運転する場合にも、強い界磁束が必要とされる場合がある。また、可変磁束機構が故障して強い界磁束で固定されてしまう可能性もある。このような場合には、強い界磁束のままの状態で、ステータコイルに弱め界磁電流を供給する弱め界磁制御が実施される場合がある。
例えば回転電機が車両の駆動装置に用いられ、強い界磁束の下で高回転運転されている状態において、車両のイグニッションスイッチなどの主電源が切断されるなどの突発的な事象が生じると、インバータを含む制御回路も停止する。回転電機のロータは慣性により回転を続け、ステータコイルから回生電力がインバータに供給される。この際、強い界磁束の中でロータが回転すると、インバータの直流電源の電圧を超える誘起電圧を生じる可能性がある。インバータの耐圧は、界磁束の機械的な調整や、ステータコイルへ弱め界磁電流を供給する弱め界磁制御などを考慮した現実的な値、具体的にはインバータの直流電源に所定のマージンを与えた電圧に設定されている。このため、この直流電源の電源電圧を大きく超えるような誘起電圧が生じた場合には、インバータの耐圧を越えてインバータを破損させる可能性がある。また、機械的な界磁束の調整機構に不具合があり、界磁束が低減されない状態で回転電機の回転速度が高くなってしまった場合も同様にインバータの耐圧を越える誘起電圧が生じる可能性がある。インバータの耐圧を高くしたり、電圧制限回路を設けたりすることも可能ではあるが、回路規模の増大につながり、コストアップ要因ともなる。
特開2002−58223号公報
そこで、可変磁束型の回転電機を備えた駆動装置を制御する制御装置の規模を増大させることなく、誘起電圧をインバータの耐圧の限度内に収めることができる技術の提供が望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係る駆動装置の制御装置の特徴構成は、
永久磁石を備えたロータとコイルを備えたステータとを有する回転電機と、前記ロータから供給される界磁束を変化させる界磁調整機構と、前記コイルに接続されたインバータと、を備えた駆動装置を制御する駆動装置の制御装置であって、
直流の主電源に接続される電源入力部と、
前記電源入力部と前記主電源との接続及び遮断を制御する電源制御部と、
前記インバータを介して前記回転電機を制御する回転電機制御部と、
前記主電源の遮断条件が成立したか否かを判定する遮断条件判定部と、
前記ロータから前記ステータに供給される前記界磁束の推定値である推定界磁量を求める界磁量導出部と、
前記ロータの回転速度と前記推定界磁量とに基づいて、前記コイルに誘起される誘起電圧を演算する誘起電圧演算部と、
前記誘起電圧が前記インバータの耐圧を越える過電圧状態であるか否かを判定する過電圧判定部と、を備え、
前記遮断条件が成立した際に前記過電圧状態であると判定されている場合は、少なくとも前記過電圧状態が解消されるまで、前記遮断条件に拘わらず前記主電源との接続を維持すると共に、前記界磁束を弱める弱め界磁電流を前記コイルに供給する弱め界磁制御により前記回転電機を制御し、前記過電圧状態が解消された後に前記遮断条件に従って前記主電源を遮断する点にある。
この特徴構成によれば、遮断条件が成立した際に過電圧状態であると判定されている場合は、少なくとも過電圧状態が解消されるまで、遮断条件に拘わらず主電源との接続が維持される。主電源との接続が維持されるので、制御装置は、界磁束を弱める弱め界磁電流をコイルに供給する弱め界磁制御により回転電機を制御することができる。従って、強い界磁束の下で高回転運転されている状態において、主電源との接続が遮断される条件が整うなどの突発的な事象が生じても、慣性により回転を続けるロータによって高い誘起電圧が生じることを抑制することができる。慣性力が弱まり、ロータの回転速度が低下すると誘起電圧も低下する。過電圧状態が解消された後には、遮断条件に従って主電源が遮断されるので、主電源も適正に制御される。このように本構成によれば、可変磁束型の回転電機を備えた駆動装置を制御する制御装置の規模を増大させることなく、誘起電圧をインバータの耐圧の限度内に収めることができる。
尚、遮断条件の成立に先立って主電源との接続を維持することで、突発的な遮断条件の成立に備えることができる。例えば、常に誘起電圧がインバータの耐圧を超えないように制御するフェールセーフ機構が備えられている状態において、当該フェールセーフ機構や界磁調整機構に異常が生じている際には、遮断条件の成立に先立って主電源との接続を維持して突発的な遮断条件の成立に備えると好適である。この際、さらに過電圧状態と判定されていることも条件とすると、不必要に主電源との接続を維持することがない。過電圧状態と判定されていても、主電源が投入された状態では弱め界磁制御などによって適正な制御が可能である。しかし、突発的に遮断条件が成立して主電源が切断されると、弱め界磁制御などもできなくなり、慣性によって回転を続けるロータによりインバータの耐圧を超える誘起電圧を生じる可能性がある。これに対して先行して主電源との接続を維持しておけば突発的な遮断条件が生じても弱め界磁制御等を継続することができ、誘起電圧を抑制することができる。
このような駆動装置の制御装置は、1つの好適な態様として、前記誘起電圧が前記インバータの耐圧を越えない範囲内で前記ロータの回転速度に応じて設定された界磁制限値を上限として、少なくとも前記回転速度に基づいて前記界磁調整機構により調整される前記界磁束の目標となる界磁指令値を決定して前記界磁調整機構を制御する調整機構制御部と、前記調整機構制御部及び前記界磁調整機構の少なくとも一方の異常を判定する異常判定部と、を備える。ここで、前記電源制御部は、前記過電圧状態と判定され、且つ前記異常判定部により異常と判定されている場合には、前記遮断条件に拘わらず前記主電源との接続を維持する。
また、本発明に係る駆動装置の制御装置の前記回転電機制御部は、少なくとも前記推定界磁量と前記回転電機の目標トルクと前記回転速度とに基づいて、前記コイルに供給する駆動電流の目標値である電流指令を決定して、前記回転電機を制御すると好適である。界磁束が一定の場合には、電流指令は、一般的に目標トルク及び回転速度に基づいて決定される。しかし、目標トルクを出力するための電流指令は、界磁束の強さによって異なるから、界磁束の強さを加味して決定される方が好ましい。本構成によれば、推定界磁量と目標トルクと回転速度とに基づいて電流指令が決定される。従って、界磁束が一定ではない駆動装置を、変化する界磁束に良好に追従して制御することが可能となる。
また、1つの好適な態様として、本発明に係る駆動装置の制御装置の前記界磁調整機構は、前記ロータの少なくとも一部を当該ロータの周方向又は回転軸方向へ変位させて前記界磁束を調整するものであり、当該変位のための駆動力を供給する駆動源と、前記駆動源から前記ロータへ前記駆動力を伝達する動力伝達機構とを備える。この構成であれば、ロータの少なくとも一部を変位させることによって界磁束が調整されるので、効率を低下させる弱め界磁電流などを継続的に流すことなく、界磁束を調整することができる。
ここで、1つの態様として、前記ロータが、それぞれロータコアを有して相対位置を調整可能な第1ロータ及び第2ロータを備えると共に、両ロータの内の少なくとも一方の前記ロータコアに前記永久磁石を備えて構成され、前記界磁調整機構が、前記相対位置を周方向に変位させて前記界磁束を調整する相対位置調整機構であると好適である。ロータの周方向は、電気角に対応した方向であるから、2つのロータの相対位置を周方向に変位させることによって、2つのロータの電気角上の相対位置(相対位相)を変更することができる。その結果、永久磁石の磁束が通る磁気回路が変わり、ステータへ供給される界磁束を良好に調整することができる。
ここで、第1ロータと第2ロータとを駆動連結するギヤ機構が近似する構成であると、簡易な構成により界磁調整機構としての相対位置調整機構を構成することができる。1つの好適な態様として、前記第1ロータ及び前記第2ロータは、共に同一の出力部材に駆動連結され、前記相対位置調整機構は、前記動力伝達機構として、3つの回転要素を備えた第1差動歯車機構と、3つの回転要素を備えた第2差動歯車機構と、を備え、前記第1差動歯車機構は、3つの回転要素として、前記第1ロータに駆動連結される第1ロータ連結要素と、前記出力部材に駆動連結される第1出力連結要素と、第1固定要素と、を備え、前記第2差動歯車機構は、3つの回転要素として、前記第2ロータに駆動連結される第2ロータ連結要素と、前記出力部材に駆動連結される第2出力連結要素と、第2固定要素と、を備え、前記第1固定要素及び前記第2固定要素の内のいずれか一方が、前記駆動源に連動する変位固定要素とされ、他方が非回転部材に固定される非変位固定要素とされ、前記変位固定要素が固定された状態での前記第1ロータ連結要素の回転速度と前記第2ロータ連結要素の回転速度とが互いに等しくなるように、前記第1差動歯車機構のギヤ比と前記第2差動歯車機構のギヤ比とが設定されているとよい。
ところで、駆動装置や駆動装置の制御装置は、大きなシステムの中の1つの機能部として構成されている場合がある。この際、当該システムの主電源の投入及び遮断を一機能部である駆動装置の制御装置が直接制御することは好ましくない場合がある。そこで、間接的に主電源との接続を制御できるような迂回路が備えられると好適である。1つの好適な態様として、閉状態の時に前記電源入力部と前記主電源とを接続し、開状態の時に遮断するメインスイッチとは別に当該メインスイッチを迂回して設けられ、当該メインスイッチの開閉状態に拘わらず、閉状態の時に前記電源入力部と前記主電源とを接続可能なサブスイッチを備えるとよい。ここで、前記電源制御部は、前記過電圧状態と判定されている時には、前記遮断条件に拘わらず前記サブスイッチを閉状態に制御する。これにより、本発明に係る駆動装置の制御装置は、遮断条件に拘わらず主電源との接続を維持することが可能となる。
尚、上述したようなサブスイッチを備えている場合には、遮断条件の成立に先立ってサブスイッチを閉状態とすることで、突発的な遮断条件の成立に備えることができる。例えば、常に誘起電圧がインバータの耐圧を超えないように制御するフェールセーフ機構が備えられている状態において、当該フェールセーフ機構や界磁調整機構に異常が生じている際には、遮断条件の成立に先立ってサブスイッチを閉状態として突発的な遮断条件の成立に備えると好適である。この際、さらに過電圧状態と判定されていることも条件とすると、不必要にサブスイッチを閉状態とすることがない。過電圧状態と判定されていても、主電源が投入された状態では弱め界磁制御などによって適正な制御が可能である。しかし、突発的に遮断条件が成立して主電源が切断されると、弱め界磁制御などもできなくなり、慣性によって回転を続けるロータによりインバータの耐圧を超える誘起電圧を生じる可能性がある。これに対してサブスイッチを先行して閉状態としておけば突発的な遮断条件が生じても弱め界磁制御等を継続することができ、誘起電圧を抑制することができる。
このような駆動装置の制御装置は、1つの好適な態様として、前記誘起電圧が前記インバータの耐圧を越えない範囲内で前記ロータの回転速度に応じて設定された界磁制限値を上限として、少なくとも前記回転速度に基づいて前記界磁調整機構により調整される前記界磁束の目標となる界磁指令値を決定して前記界磁調整機構を制御する調整機構制御部と、前記調整機構制御部及び前記界磁調整機構の少なくも一方の異常を判定する異常判定部と、を備える。ここで、前記電源制御部は、前記過電圧状態と判定され、且つ前記異常判定部により異常と判定されている場合には、前記遮断条件に拘わらず前記サブスイッチを閉状態に制御する。
駆動装置及びその制御装置の全体構成を模式的に示すブロック図 制御装置による電源制御の一例を示すフローチャート 遮断条件成立に拘わらず実施される電源制御の一例を示すフローチャート 回転速度に応じた誘起電圧と界磁制限値との関係を模式的に示す図 界磁制限を設けた界磁束ごとの制御領域を示すトルクマップ 界磁制御の異常判定を伴う電源制御の一例を示すフローチャート 駆動装置の軸方向断面図 相対位置調整機構のスケルトン図 電源回路の別態様の一例を模式的に示すブロック図
以下、本発明の好適な実施形態の一例を例えば車両に搭載され、その車両に駆動力を提供する駆動装置の制御装置に適用される例を用いて、図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る駆動装置1、駆動装置の制御装置30の全体構成を模式的に示している。図1に示すように、駆動装置1は、回転電機2及び界磁調整機構50、回転電機2を駆動するインバータ7、界磁調整機構50を駆動する駆動回路8を備えている。回転電機2は、永久磁石を備えたロータ4とコイル(ステータコイル)3bを備えたステータ3とを有して構成される。ロータ4は、内ロータである第1ロータ20と外ロータである第2ロータ10との周方向の相対位置に応じて回転磁界を生成するコイル3bに鎖交する界磁束が変化する構造である。つまり、回転電機2は可変磁束型の回転電機である。界磁調整機構50は、第1ロータ20と第2ロータ10との相対位置を変更する相対位置調整機構として構成される。相対位置調整機構(界磁調整機構)50は、両ロータ10,20の相対位置を変更させるための駆動力を供給する駆動源としてのアクチュエータ56と、この駆動力を両ロータ10,20に伝達する動力伝達機構60とを備えて構成される。アクチュエータ56は、例えばモータであり、センサ58により検出されるモータの動作量(回転速度、回転量など)に基づきフィードバック制御される。制御装置30は、回転電機2及び界磁調整機構50をインバータ7及び駆動回路8を介して制御する。つまり、制御装置30は、駆動装置1としての損失をできるだけ少なくし、高い効率で安全に回転電機2並びに界磁調整機構50を含む駆動装置1を制御する最適化制御を行う。
本実施形態において制御装置30は、高効率且つ安全な最適化制御を実現するため、中核となる機能部として、界磁調整機構50を制御する調整機構制御部31と、回転電機2を制御する回転電機制御部35と、駆動装置1及び制御装置30への電源供給を制御する電源制御部41とを備えて構成される。調整機構制御部31は、界磁指令決定部32と、調整指令決定部33と、駆動制御部34とを備えて構成される。界磁指令決定部32は、界磁調整機構50により調整される界磁束の目標となる界磁指令値Bを決定する機能部である。調整指令決定部33は、界磁指令値Bに基づいて界磁調整機構50を駆動するための調整指令phを決定する機能部である。駆動制御部34は、調整指令phに基づいて駆動回路8を介して界磁調整機構50を駆動制御する機能部である。駆動制御部34には、界磁調整機構50のアクチュエータ56の動作量PHなどを検出するセンサ58の検出結果が入力される。駆動制御部34は、この検出結果に基づいてフィードバック制御を行う。本発明の制御装置30は、電源制御部41による電源制御に特徴を有する。はじめに、この電源制御について説明する。
駆動装置1並びに制御装置30には、例えば200V程度の高圧の主電源70からメインスイッチ71としてのイグニッションスイッチを介して電源が供給される。駆動装置1の特にインバータ7には、高圧の直流電力がメインスイッチ71及び電源入力部91(9)を介して供給される。回転電機2が回生源として機能する際には、逆の経路で主電源70に電力が回生される。制御装置30は、マイクロコンピュータなどの電子回路を中核として構成されており、主電源70の電圧よりも低圧の例えば12Vや24Vの電源電圧により動作する。回路によっては、さらに電圧レギュレータ等を用いて降圧された3.3V〜5V程度の電源電圧で動作する。このため、主電源70の電源電圧を変換するDC−DCコンバータなどのコンバータ77を介して主電源70と接続されている。つまり、制御装置30は、メインスイッチ71、コンバータ77、電源入力部93(9)を介して主電源70と接続される。界磁調整機構50及び駆動回路8については、図1において電源を明示していないが、好適にはコンバータ77で変換された低圧の電源電圧により動作する。
メインスイッチ71は、例えばリレーを用いて構成され、車両全体を制御する不図示のECU(electronic control unit)による命令や、ドライバーによるイグニッションスイッチの操作などによって発生する開閉指令信号に基づいて開閉される。本実施形態では、開閉指令信号が閉状態(オン状態)を指令する時、主電源70の接続条件が成立しているとする。また、開閉指令信号が開状態(オフ状態)を指令する時、主電源70の遮断条件が成立しているとする。制御装置30は、例えばこの開閉指令信号に基づいて主電源70の遮断条件が成立したか否かを判定する遮断条件判定部42を備えて構成されている。
ところで、回転電機2を含む駆動装置1は、回転電機2の界磁束を変更することによって鉄損や銅損などを含むシステム損失を低減して効率を向上させている。一般的には、駆動装置1を低回転・高出力(高トルク)で運転する場合には、強い界磁束が求められ、高回転・低出力で運転される場合には、ロータ4の高回転に伴う逆起電力(誘起電圧)を抑制するために弱い界磁束が求められる。しかし、効率を追求した場合には、高回転で運転する場合にも、強い界磁束が必要とされる場合がある。また、可変磁束機構が故障して強い界磁束で固定されてしまう可能性もある。このような場合には、強い界磁束のままの状態で、コイル3bに弱め界磁電流を供給する弱め界磁制御が実施される場合がある。このように、強い界磁束の下で高回転運転されている状態において、主電源70の遮断条件が成立するような突発的な事象が生じると、インバータ7を含め、制御装置30も停止する。ロータ4は慣性により回転を続けるから、コイル3bに誘起された誘起電圧がインバータ7に印可される。このように、強い界磁束の中でロータ4が高速回転すると、インバータ7の直流側の耐圧を超える誘起電圧を生じる可能性がある。そこで、制御装置30には、電源入力部9と主電源70との接続及び遮断を制御する電源制御部41が備えられ、インバータ7を含め、制御装置30の動作を継続させて、誘起電圧をインバータの耐圧の限度内に収めるように制御される。
具体的には、遮断条件が成立した際に過電圧状態であると判定されている場合は、少なくとも過電圧状態が解消されるまで、遮断条件に拘わらず電源制御部41が主電源70と電源入力部9との接続を維持する。そして、回転電機制御部35は、界磁束を弱める弱め界磁電流をコイル3bに供給する弱め界磁制御により回転電機2を制御する。電源制御部41は、過電圧状態が解消された後に遮断条件に従って主電源70を遮断する。尚、過電圧状態とは、誘起電圧がインバータ7の耐圧を越える状態をいう。そして、この過電圧状態は、誘起電圧がインバータ7の耐圧を越える過電圧状態であるか否かを判定する過電圧判定部45により判定される。また、誘起電圧は、ロータ4の回転速度ωと推定界磁量Bとに基づいて、コイル3bに誘起される誘起電圧を演算する誘起電圧演算部44により求められる。この際、回転電機2が弱め界磁制御されていれば、実際に出現する誘起電圧はこの演算結果よりも低くなる。従って、演算された誘起電圧に基づいて過電圧判定部45で過電圧状態と判定されても、誘起電圧がインバータ7の耐圧を超えていない場合がある。尚、駆動装置1は、界磁束が調整可能な可変磁束型の回転電機2を備えているので、界磁束は一定ではなく、界磁量導出部39によりロータ4からステータ3に供給される界磁束の推定値である推定界磁量Bが求められる。
ところで、電源制御部41が直接メインスイッチ71の開閉を制御することを妨げるものではないが、駆動装置1や制御装置30が、車両走行システムの中の1つである場合、車両全体の主電源70との接続状態を一機能部である制御装置30の電源制御部41が直接的に制御することは好ましくない可能性がある。そこで、本実施形態では、間接的に主電源70との接続状態を制御できるような迂回路が備えられる。図1に示すように、閉状態の時に電源入力部9と主電源70とを接続し、開状態の時に遮断するメインスイッチ71とは別にサブスイッチ72が設置される。サブスイッチ72は、メインスイッチ71を迂回して設けられ、メインスイッチ71の開閉状態に拘わらず、閉状態の時に電源入力部9と主電源70とを接続可能である。電源制御部41は、過電圧状態と判定されている時に、遮断条件に拘わらずサブスイッチ72を閉状態に制御することで、メインスイッチ71が突発的な事象により突然に開状態となっても、電源入力部9と主電源70との接続を維持することができる。
図2は、制御装置30による、そのような電源制御の一例を示すフローチャートである。制御装置30(界磁量導出部39)は、一例として界磁調整機構(相対位置調整機構)50のセンサ58から両ロータ10,20の相対位置を示す相対位置情報を取得し(#01)、推定界磁量(推定磁束密度)Bを導出する(#03)。あるいは、界磁調整機構50を制御する制御指令(後述する界磁指令値B)に基づき、制御遅れや制御誤差を考慮して推定界磁量Bを導出してもよい。次に制御装置30(遮断条件判定部42)は、遮断条件が成立しているか否かを判定する(#11)。遮断条件が成立していない場合は、ステップ#01,#03を繰り返して最新の推定界磁量Bを求め、遮断条件の成立判定を繰り返す。尚、ステップ#11はこのような判定ステップに限定されることなく、割り込み処理であってもよい。
ステップ#11において遮断条件が成立していると判定された場合には、推定界磁量Bに基づいて安全停止可能回転速度ωsafeが算出される(#13)。安全停止可能回転速度ωsafeについては後述するが、推定された界磁束の中で回転するロータ4により誘起される誘起電圧がインバータ7の耐圧を超えない限度であるロータ4の回転速度である。安全停止可能回転速度ωsafeの算出に続いて回転センサ5よりロータ4の回転速度ωが取得され(#15)、回転方向を問わないロータ4の回転速度(つまり絶対値|ω|)と安全停止可能回転速度ωsafeとが比較される(#17)。回転速度の絶対値|ω|が安全停止可能回転速度ωsafeを超えている場合には、制御装置30は電源制御部41により電源保持が必要であると判定する(#17Yes)。
この判定は、誘起電圧演算部44及び過電圧判定部45が中核となって実施される。つまり、安全停止可能回転速度ωsafeは、推定界磁量Bにおいて許容されるロータ4の回転速度ωであるから、誘起電圧の許容値、即ちインバータ7の耐圧から逆算される。回転速度の絶対値|ω|と、推定界磁量Bとから誘起電圧が求められるから、回転速度の絶対値|ω|と安全停止可能回転速度ωsafeとの比較は、誘起電圧とインバータ7の耐圧との比較と等価である。図1のハードウェア的なブロック構成と、図2のソフトウェア的な処理フローとでは、それぞれ異なるアプローチによる判定を例示したが、当業者であれば両者が実質的に同一であることが容易に理解されよう。
ここで、図2のフローチャートに戻り説明を続ける。ステップ#17において電源保持が必要であると判定されると、制御装置30(電源制御部41)は、現時点において電源保持状態であるか否かを確認し(#21)、電源保持状態でなければ、主電源70と電源入力部9とを電源保持状態に設定する(#23)。本実施形態では、リレーなどによって構成されたサブスイッチ72を閉状態に制御して、メインスイッチ71を迂回して主電源70と電源入力部9とを接続状態とする。尚、ステップ#17の時点で既に電源保持状態であった場合には、当該電源保持状態が維持される(#25)。1つの好適な形態として、制御装置30から、例えばハイ/ローなどの信号レベルの違いなどによって、閉状態(オン状態)の指令と開状態(オフ状態)の指令とを与えることのできる開閉指令信号が、リレーなどで構成されるサブスイッチ72の制御端子に入力される。ステップ#23の電源保持状態に設定とは、開閉指令信号を開状態の指令から閉状態の指令へ変化させることを指す。ステップ#25の電源保持状態を維持とは、開閉指令信号を閉状態の指令のままで維持することを指す。ただし、閉状態の指令である開閉指令信号を、改めて閉状態の指令に設定してもよい。従って、図2に破線で示したように、ステップ#25を別途設ける必要はなく、ステップ#23のみが設けられていてもよい。
ステップ#17において電源保持が不必要であると判定されると、制御装置30(電源制御部41)は、主電源70と電源入力部9との電源保持状態を解除する(#27)。電源保持状態の設定と同様に、この解除には、保持状態から解除への変更と、解除状態の維持との双方を含む。
ステップ#17において電源保持が必要であると判定される時は、過電圧状態であり、回転速度ωに対して界磁束が強い状態である。この状態を電気的制御により解消させるため、制御装置30(回転電機制御部35)は、弱め界磁制御により回転電機2を制御する(#29)。尚、上述したように、このような状況においては既に回転電機制御部35が弱め界磁制御を実施している可能性があり、この場合には、弱め界磁制御が維持される。弱め界磁制御の開始と維持とが等価であることは、電源保持状態の設定・解除・維持において説明したことと同義であるから詳細な説明は省略する。
ステップ#17において電源保持が必要であると判定される時、即ち、過電圧状態である時には、上述したように主電源70との接続が確保され,弱め界磁制御が実施される。制御装置30は、ステップ#15,#17を繰り返し実行して、過電圧状態が解消されたか否かを確認する。過電圧状態が解消されると、ステップ#17においてNo判定となるので、電源保持状態を解除して(#27)、全ての処理を終了する。既に成立している遮断条件に従ってメインスイッチ71が開状態となっていれば、電源保持状態の解除により、サブスイッチ72が開状態に変更されることで主電源70と電源入力部9との接続が解除される。尚、電源制御部41が直接メインスイッチ71を制御可能な構成の際には、既に成立している遮断条件に従ってメインスイッチ71が開状態に変更され、主電源70と電源入力部9との接続が解除される。
ところで、上述したように、本実施形態では、メインスイッチ71とは別に、メインスイッチ71を迂回して設けられ、メインスイッチ71の開閉状態に拘わらず、閉状態の時に電源入力部9と主電源70とを接続可能サブスイッチ72が設置される。電源制御部41は、過電圧状態と判定されている時には、遮断条件に拘わらずサブスイッチ72を閉状態に制御することで、メインスイッチ71が突発的な事象により突然に開状態となっても、電源入力部9と主電源70との接続を維持することができる。1つの好適な態様として、図3のフローチャートに示すように、遮断条件の成立を加味することなく、過電圧状態と判定されている時にサブスイッチ72を閉状態に制御して電源保持状態を担保しておくサブ処理が実行されるとよい。このサブ処理は、遮断条件の成立を条件とはしないので、主電源70と電源入力部9とが接続されている間、繰り返し実行される。メインスイッチ71が突発的な事象により突然に開状態となっても、既にサブスイッチ72を介して主電源70と電源入力部9との接続が確保されているから、安全に回転電機2を制御して最終的に主電源70と電源制御部9との接続を遮断することができる。尚、図2及び図3において同一の符号で示した処理の内容は同一であるから、詳細な説明は省略する。
また、このような駆動装置1の制御装置30は、1つの好適な態様として、誘起電圧がインバータ7の耐圧を越えない範囲内でロータ4の回転速度に応じて設定された界磁制限値を上限として、少なくとも回転速度ωに基づいて界磁調整機構50により界磁束を調整するとよい。つまり、調整機構制御部50は、このような条件の下で界磁束の目標となる界磁指令値を決定して界磁調整機構50を制御すると好適である。尚、このような界磁制限値は、上述した安全停止可能回転速度ωsafeと同一の概念として捉えることができる。以下、界磁制限値及び安全停止可能回転速度ωsafeについて図4及び図5を利用して説明する。
コイル3bに鎖交する界磁束を提供するロータ4が回転すると、コイル3bに誘導起電力が生じ、インバータ7により整流されてインバータ7の直流電源側には直流の誘起電圧が現れる。この誘起電圧は、界磁束が一定であれば回転速度ωに比例する。図4の上段のグラフには、界磁束の磁束密度がロータ4の構成上の最大値であるBmaxの時、最大値Bmaxの50%のB50%である時、ロータ4の構成上の最小値であるBminである時の回転速度と直流の誘起電圧との関係を模式的に示している。ここで、図4はロータ4の最大回転速度を含んでグラフ化されているとする。界磁束の磁束密度が最小値Bminである時には、ロータ4が最大回転速度に達しても誘起電圧がインバータ7の耐圧Vmaxを越えることはない。一方、磁束密度Bmax及びB50%の時には、それぞれ回転速度ωt100及びωt50の制限速度ωにおいてインバータ7の耐圧Vmaxに達する。
誘起電圧がインバータ7の耐圧Vmaxを越えると、インバータ7の損傷につながる。このため、図4の下段のグラフに示すようにロータ4の回転速度ωに応じて、上限となる界磁制限値Blmtが設定される。つまり、回転速度ωの上昇に従って低下する値となる界磁制限値Blmtが設定される。界磁指令決定部32は、誘起電圧がインバータ7の耐圧Vmaxを越えない範囲内でロータ4の回転速度ωに応じて設定された界磁制限値Blmtを上限として、少なくとも回転速度ωに基づいて界磁指令値Bを決定する。
回転電機2の出力(トルク)は、一般的に目標トルク(トルク指令)Tと回転速度ωとに基づいて制御される。従って、好適には、界磁指令決定部32は、界磁制限値Blmtを上限として、少なくとも目標トルクT及び回転速度ωに基づいて界磁指令値Bを決定するとよい。図5には、界磁制限を設けた界磁束ごとの制御領域を示すトルクマップを例示している。ここで、B75%は最大値Bmaxの75%の磁束密度、B25%は最大値Bmaxの25%の磁束密度を示す。このトルクマップにおいて磁束密度がBmax,B75%,B50%の界磁束に対しては、上述したような制限速度ω(ωt100,ωt75%及びωt50)において制限が掛かる。それぞれの制限速度ωより高い回転速度ωの制御領域では、各界磁束は設定不可となる。磁束密度BがB25%及びBminの界磁束は、ロータ4が最大回転速度に達しても誘起電圧がインバータ7の耐圧Vmaxを越えることはなく、制限速度ωが設定されていない。このため、回転速度ωに拘わらず目標トルクTに応じた全制御領域で当該界磁束B25%及びBminが設定可能である。一例として、界磁指令決定部32は、このようなトルクマップを参照して界磁指令値Bを決定することができる。尚、図5には段階的な界磁束に対応する制限速度ωを示しているが、実際には連続的又はさらに細かく分けられた段階的な界磁束に対応する制限速度ωを規定したマップを用いると好適である。このような界磁指令値Bの決定の制限値である界磁制限値Blmtは制限速度ωに密接に関連する。そして、誘起電圧に対する上限の界磁束も同様に界磁制限値Blmtとなるから、制限速度ωは安全停止可能回転速度ωsafeに相当する。
ところで、界磁指令決定部32は、駆動装置1としての損失をできるだけ少なくし、高い効率で安全に駆動装置1を最適化制御する制御装置30の1つの機能部として、適切に界磁調整機構50を制御するための界磁指令値Bを決定すると好適である。損失を少なくし、高い効率で駆動装置1を制御するため、好適には、界磁指令決定部32は、少なくとも回転電機2の目標トルクT及び回転速度ωに応じて変化する鉄損及び銅損を含む駆動装置1のシステム損失PLOSと、目標トルクTと、回転速度ωとに基づいて界磁指令値Bを決定する。この際、安全に駆動装置1を制御するために、界磁指令決定部32は、界磁制限値Blmtを上限として界磁指令値Bを決定する。尚、インバータ7の直流電圧Vdcによっても最適な界磁束は異なる可能性があるため、図1に示すように、界磁指令決定部32は、さらに直流電圧Vdcを考慮して界磁指令値Bを決定すると好適である。
上述したように界磁指令値Bを決定する上で、界磁指令決定部32は、図1に示すように、初期指令値設定部32aと、界磁制限部32bとを備えて構成されると好適である。初期指令値設定部32aは、初期界磁指令値B を設定する機能部である。界磁制限部32bは、初期界磁指令値B に対して界磁制限値Blmtを上限とする制限を加えて界磁指令値Bを決定する機能部である。初期指令値設定部32aは、少なくとも目標トルクTと回転速度ωとに基づいて、鉄損及び銅損を含む駆動装置1のシステム損失PLOSが最小となる界磁束を初期界磁指令値B として設定する。本実施形態では、さらに直流電圧Vdcを考慮して初期界磁指令値B が設定される。
システム損失PLOSには、回転電機2の銅損及び鉄損を含む電気的損失と相対位置調整機構として構成される界磁調整機構50の機械的損失とが含まれると好適である。相対位置調整機構50の詳細な構成は後述するが、機械的損失は、動力伝達機構60としての差動歯車機構を有して構成される相対位置調整機構のギヤ損失に代表される損失である。また、電気的損失には、銅損及び鉄損の他、インバータ7の主にスイッチング素子におけるスイッチング損失であるインバータ損も含まれていると好適である。鉄損はコイル3bや永久磁石が発生させる磁界によりステータコア3a(図7及び図8参照)及びロータコア11,21(図7及び図8参照)を通る磁束が変化する際に失われるヒステリシス損や渦電流損などの電気エネルギーである。銅損は、コイル3bの導線の抵抗によりジュール熱となって失われる電気エネルギーである。尚、システム損失PLOSには、ここに例示したものの他、駆動装置1における種々の損失を含めることができる。
システム損失PLOSを構成する電気的損失及び機械的損失は、関数などによって容易に一般化できるような相関関係を有していないことが多い。従って、図1に示すように、システム損失PLOSがマップ32mとして予め用意されていると好適である。マップ32mは、回転電機2(駆動装置1)の回転速度ω及びトルクごとに、実験又は磁場解析シミュレーション等によって得られる損失データに基づいてデータ解析及びデータ最適化を行って生成することができる。本実施形態においては、マップ32mには、システム損失PLOSが最小となる界磁束を実現する両ロータ10,20の相対位置と駆動装置1(又は回転電機2)の目標トルクT及び回転速度ωとの関係が規定されている。初期指令値設定部32aは、マップ32mを参照し、少なくとも目標トルクTと回転速度ωとに基づいて、システム損失PLOSが最小となる界磁束を初期界磁指令値B として設定する。そして、界磁制限部32bは、初期界磁指令値B に対して界磁制限値Blmtを上限とする制限を加えて界磁指令値Bを決定する。
このような調整機構制御部31を備えている場合には、突発的な事象によって主電源70(メインスイッチ71)の遮断条件が成立しても、誘起電圧がインバータ7の耐圧Vmaxを越えないように界磁束を調整することが可能である。つまり、調整機構制御部31が界磁制限値Blmtを上限とする制限を加えて界磁指令値Bを決定することは、フェールセーフ機構として有効に機能する。但し、界磁調整機構50や調整機構制御部31に異常が生じた場合には、フェールセーフ機構が充分に機能しない可能性がある。上述したように、本実施形態においては、メインスイッチ71とは別にメインスイッチ71の開閉状態に拘わらず、メインスイッチ71を迂回して主電源70と電源入力部9とを接続することができるサブスイッチ72が備えられている。このようなサブスイッチ72が設けられている場合には、遮断条件の成立に先立ってサブスイッチ72を閉状態とすることによって、フェールセーフ機構が充分に機能しない時であっても突発的な遮断条件の成立に備えることができる。
1つの好適な態様として、本実施形態では、図1に示すように、制御装置30は、調整機構制御部35及び界磁調整機構50の少なくも一方の異常を判定する異常判定部49を備えて構成される。電源制御部41は、異常判定部49により異常と判定されている場合には、遮断条件に拘わらずサブスイッチ72を閉状態に制御することができる。この際、さらに過電圧状態と判定されていることも条件として、電源制御部41がサブスイッチ72を閉状態に制御すると、不必要にサブスイッチ72を閉状態とすることがなく好適である。即ち、電源制御部41は、過電圧状態と判定され、且つ異常判定部49により異常と判定されている場合に、遮断条件に拘わらずサブスイッチ72を閉状態に制御すると好適である。
異常判定部49は、例えば、界磁指令値Bと、界磁量導出部39により導出された推定界磁量Bとの差(絶対値)が、所定の許容差ΔBよりも大きい場合に異常であると判定する。ここで、界磁量導出部39は、ロータ4からステータ3に供給される界磁束の推定値である推定界磁量Bを求める機能部である。好適な態様として、本実施形態では、界磁指令値Bに基づいて制御された界磁調整機構50による実際の調整量(相対位置情報)PHの検出結果(センサ58の検出結果)に基づいて推定界磁量Bが求められる。界磁指令値Bに基づいて界磁調整機構50が界磁束を調整するに際しては、制御遅れ(タイムラグ)や誤差が生じる可能性がある。これに対して、界磁調整機構50による実際の調整量PHの検出結果は、最新の界磁調整機構50の状態を実態として表しているから、界磁量導出部39は、精度良く最新の界磁量を推定することができる。
界磁指令値Bと推定界磁量Bとの差が所定の許容差ΔBよりも大きい場合には、制御遅れや誤差が大きいことになるので、異常判定部49は、調整機構制御部35及び界磁調整機構50の少なくも一方が異常であると判定する。つまり、調整機構制御部35が充分に界磁調整機構50を制御できていなかったり、界磁調整機構50が機械的な故障により動いていなかったりする可能性があり、界磁束の調整が適正にできない状態であると判定する。ここでは、界磁指令値Bと推定界磁量Bとの差が所定の許容差ΔBよりも大きいか否かによって異常を判定する形態を例示したが、異常判定部49による判定条件はこの形態に限定されるものではない。界磁調整機構50のアクチュエータ56に備えられたセンサ58によってアクチュエータ56の異常を検出してもよいし、その他のセンサを用いてアクチュエータ56や動力伝達機構60、駆動回路8の異常を検出してもよい。
図6は、そのような異常判定部49による異常判定処理(ステップ#19)を含んだサブ処理を示している。このサブ処理は、図3に示したサブ処理において過電圧判定を実施するステップ#17に続いて実施される。ステップ17及びステップ19の双方において判定条件を満たした場合は、過電圧状態と判定され、且つ異常と判定されていることになるので、サブスイッチ72が閉状態に制御され、電源保持状態となる。ステップ#19を除く各ステップの処理内容については、図2及び図3に基づいて上述した通りであるので、詳細な説明は省略する。
上述したように、高効率且つ安全な最適化制御を実現するために制御装置30が有する他の中核的な機能部として回転電機制御部35がある。本実施形態では、回転電機制御部35は、コイル3bに流れる電流を電流センサ38により検出し、電流フィードバックによる制御を行って回転電機2を制御する。このため、回転電機制御部35は、コイル3bに流れる電流の目標となる電流指令を決定する電流指令決定部36と、この電流指令に基づいてインバータ7を制御するインバータ制御部37とを備えて構成される。本実施形態では、回転電機制御部35は、公知のベクトル制御により回転電機2を制御する。ベクトル制御では、例えば3相の各相のコイル3bに流れる交流電流を、ロータ4に配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と、電気的にd軸に直交するq軸とのベクトル成分に座標変換してフィードバック制御を行う。このため、電流指令決定部36は、これらd軸及びq軸に対応する2つの電流指令id,iqを決定する。
一例として、電流指令決定部36は、直交座標上のそれぞれの軸にd軸電流及びq軸電流を取り、同一のトルクを出力する際のd軸電流及びq軸電流がプロットされた等トルク線が複数本規定された等トルクマップを参照して電流指令id,iqを決定する。等トルクマップには、等トルク線に交差するように、最大効率で目標トルクTを出力することができる最大トルク制御線が設定されている。基本的には、等トルクマップにおいて目標トルクTが対応する等トルク線と最大トルク制御線との交点におけるid,iqの値が電流指令id,iqとなる。本発明の要旨ではないので詳細な説明は省略するが、電流指令決定部36は、等トルクマップを参照して得られるid,iqの値に対し、回転速度ωに応じてコイル3bに誘起される誘起電圧などを考慮した弱め界磁制御、強め界磁制御などの付加的な制御要素を加味して電流指令id,iqを決定する。
この等トルクマップは、界磁束の磁束密度ごとに複数準備される。例えば、界磁束の磁束密度Bmaxの際のトルクマップと、界磁束の磁束密度B50%の際の等トルクマップとでは、相対的に界磁束が弱い磁束密度B50%の際の等トルクマップの方が、同一のトルクを出力するために必要となる電流が多くなるように規定されている。図5のトルクマップからも理解できるように、当然ながら界磁束が弱くなると、等トルクマップ上に規定できないトルクも存在することになる。好適な態様として、電流指令決定部36は、界磁束ごとに予め準備された等トルクマップを参照して電流指令id,iqを決定する。従って、電流指令決定部36は、少なくとも界磁束と目標トルクTとに基づいて電流指令id,iqを決定することができる。上述したように、電流指令id,iqの決定には、コイル3bに誘起される誘起電圧などに関係する回転速度ωも考慮されることが望ましく、電流指令決定部36は、少なくとも界磁束と目標トルクTと回転速度ωとに基づいて電流指令id,iqを決定すると好適である。また、上述した初期界磁指令値B や界磁指令値Bと同様に、本実施形態では、さらに直流電圧Vdcを考慮して電流指令id,iqが決定される。
ここで、電流指令決定部36は、界磁束の値として界磁指令値Bを用いてもよいが、界磁指令値Bを決定してからアクチュエータ56が駆動され、界磁調整機構50が作動して実際に界磁が調整されるまでには制御遅れが生じる可能性がある。また、調整された界磁束と界磁指令値Bとの間に誤差を有する場合もある。このため、上述したように、本実施形態では、アクチュエータ56の実際の動作量PHを界磁調整機構50による実際の調整量として、この調整量(動作量)PHから界磁束が推定される。具体的には、制御装置30は、界磁指令値Bに基づいて制御された界磁調整機構50による実際の調整量PHの検出結果に基づいて実際の界磁束の推定値である推定界磁量(推定磁束密度)Bを求める界磁量導出部39を備える。電流指令決定部36は、この推定界磁量Bを用いて電流指令id,iqを決定する。つまり、1つの好適な態様として、電流指令決定部36は、少なくとも推定界磁量Bと目標トルクTと回転速度ωとに基づいて電流指令id,iqを決定する。
インバータ制御部37は、電流指令id,iqと電流センサ38により検出されてフィードバックされたコイル3bの電流との偏差に基づいて比例積分制御(PI制御)や、比例微積分制御(PID制御)を行い、電圧指令を演算する。そして、インバータ制御部37は、この電圧指令に基づいて、インバータ7を構成するIGBT(insulated gate bipolar transistor)などのスイッチング素子をPWM(pulse width modulation)制御などによって駆動する制御信号を生成する。この際、ベクトル制御の2相のベクトル空間と、3相のインバータ7の実空間との間の座標変換を行うために、回転センサ5により検出されたロータ4のロータ位置(界磁角・電気角)θが参照される。
さて、上述したように、界磁調整機構50は、ロータ4の少なくとも一部をロータ4の周方向又は回転軸方向へ変位させて界磁束を調整するものである。そして、界磁調整機構50は、この変位のための駆動力を供給する駆動源(アクチュエータ)56と、駆動源56からロータ4へ駆動力を伝達する動力伝達機構60とを備えて構成される。本実施形態では、ロータ4は、それぞれロータコア11,21(図7及び図8参照)を有して相対位置を調整可能な第1ロータ20及び第2ロータ10(図1、図7及び図8参照)を備える。また、ロータ4は、両ロータ10,20の内の少なくとも一方のロータコア11,21に永久磁石を備えて構成される。界磁調整機構50は、両ロータ10,20の相対位置を周方向に変位させて界磁束を調整する相対位置調整機構として構成される。
本実施形態では、第1ロータ20及び第2ロータ10は、共に同一の出力部材に駆動連結され、相対位置調整機構(界磁調整機構)50は、動力伝達機構60として、共に3つの回転要素を備えた以下に示すような第1差動歯車機構51と第2差動歯車機構52を備えて構成される(図8参照)。図8に示すように、第1差動歯車機構51は、3つの回転要素として、第1ロータ20に駆動連結される第1ロータ連結要素51aと、出力部材に駆動連結される第1出力連結要素51bと、第1固定要素51cとを備える。第2差動歯車機構52は、3つの回転要素として、第2ロータ10に駆動連結される第2ロータ連結要素51aと、出力部材に駆動連結される第2出力連結要素52bと、第2固定要素52cとを備える。そして、第1固定要素51c及び第2固定要素52cの内のいずれか一方が、駆動源56に連動する変位固定要素とされ、他方が非回転部材に固定される非変位固定要素とされる。図示の例では、第1固定要素51cが変位固定要素とされ、第2固定要素52cがる非変位固定要素とされている。また、この変位固定要素が固定された状態での第1ロータ連結要素51aの回転速度と第2ロータ連結要素52の回転速度とが互いに等しくなるように、第1差動歯車機構51のギヤ比と第2差動歯車機構52のギヤ比とが設定されている。
以下、このような機構を実現する駆動装置1の具体例を図7及び図8を用いて説明する。図7に示すように、回転電機2は、相対位置が可変の2つのロータを有するインナロータ型の回転電機である。ロータ4は、ステータ3と対向する外ロータである第2ロータ10と、内ロータである第1ロータ20とから構成される。第1ロータ20は、第1ロータコア21と第1ロータコア21の内部に埋め込まれた永久磁石とを備えて構成される。第2ロータ10は、第2ロータコア11と第2ロータコア11に形成されたフラックスバリアとしての空隙を備えて構成される。第1ロータ20と第2ロータ10との相対位置に応じて、永久磁石とフラックスバリアとの位置関係が変わり、磁気回路が変わることによって界磁束が調整される。回転電機2は、ケース80の内部に収容され、第1ロータ20と第2ロータ10の周方向の相対位置を調整する相対位置調整機構(界磁調整機構)50と共に駆動装置1を構成する。駆動装置1は、回転電機2の駆動力(トルクと同義)を相対位置調整機構50を介して出力軸としてのロータ軸6に伝達可能に構成されている。
以下の説明では、特に断らない限り、「軸方向L」、「径方向R」、「周方向」は、同軸配置された第1ロータコア21及び第2ロータコア11の軸心(すなわち回転軸X)を基準として用いる。また、以下の説明では、「軸第1方向L1」は図7における軸方向Lに沿った左方を表し、「軸第2方向L2」は図7における軸方向Lに沿った右方を表すものとする。また、「径内方向R1」は、径方向Rの内側(軸心側)へ向かう方向を表し、「径外方向R2」は、径方向Rの外側(ステータ側)へ向かう方向を表す。
回転電機2の電機子を構成するステータ3は、ステータコア3aとステータコア3aに巻装されたコイル(ステータコイル)3bとを備え、ケース80の周壁部85の内面に固定されている。ステータコア3aは、複数枚の電磁鋼板を積層して、円筒状に構成されている。ステータ3の径内方向R1側には、永久磁石を備えた界磁としてのロータ4が配置されている。ロータ4は、回転軸X周りに回転可能にケース80に支持され、ステータ3に対して相対回転する。
ロータ4を構成する第1ロータ20及び第2ロータ10は、それぞれ第1ロータコア21及び第2ロータコア11を備えて構成される。第1ロータコア21及び第2ロータコア11は、径方向R視において重複するように同軸に配置されている。本本実施形態では、第1ロータコア21及び第2ロータコア11は同じ軸方向Lの長さを有し、径方向R視において完全に重複するように配置されている。第1ロータコア21及び第2ロータコア11は、ステータコア3aと同様に複数枚の電磁鋼板を積層して構成されている。第1ロータ20は、第1ロータコア21の内部に埋め込まれてコイル3bと鎖交する界磁束を提供する永久磁石を備えて構成されている。第2ロータコア11には、フラックスバリアとなる空隙が形成されている。永久磁石及びフラックスバリアは、第1ロータ20と第2ロータ10との周方向の相対位置に応じてステータ3に到達する界磁束が変化するように配置されている。例えば、永久磁石及びフラックスバリアは、両ロータ10,20の相対位置に応じて、第2ロータコア21内にバイパス路となる磁気回路が形成されて漏れ磁束が増加し、ステータ3に到達する磁束が少なくなる状態と、第2ロータコア11内を通過する漏れ磁束が抑制されてステータ3に到達する磁束が多くなる状態との双方の状態をとり得るように配置することができる。
第1ロータ20は、第1ロータコア21を支持すると共に第1ロータコア21と一体回転する第1ロータコア支持部材22を備えている。第1ロータコア支持部材22は、第1ロータコア21を径内方向R1側から当接支持するように構成されている。また、第1ロータコア支持部材22は、第1ロータコア21に対して軸第1方向L1側に配置された軸受(本例ではブッシュ)と、第1ロータコア21に対して軸第2方向L2側に配置された軸受(本例ではブッシュ)とにより、第2ロータコア支持部材12に対して回転可能に支持されている。そして、第1ロータコア支持部材22の軸第1方向L1側部分の外周面には、相対位置調整機構50が備える回転要素(第1ロータ連結要素としての第1サンギヤ51a)とスプライン結合する第1スプライン歯23が形成されている。
第2ロータ10は、第2ロータコア11を支持すると共に第2ロータコア11と一体回転する第2ロータコア支持部材12を備えている。第2ロータコア支持部材12は、第2ロータコア11を軸第1方向L1側から支持する第1支持部12aと、第2ロータコア11を軸第2方向L2側から支持する第2支持部12bとを備えている。第1支持部12aと第2支持部12bとは、第2ロータコア11に形成された挿通孔に挿通された締結ボルト14により軸方向Lに締結固定される。即ち、第2ロータコア11は、第1支持部12aと第2支持部12bとの間に挟まれて固定保持される。
第1支持部12aは、第2ロータコア11に対して軸第1方向L1側に配置された軸受(本例ではころがり軸受)により径方向Rに支持され、第2支持部12bは、第2ロータコア11に対して軸第2方向L2側に配置された軸受(本例ではころがり軸受)により径方向Rに支持されている。そして、第1支持部12aの軸第1方向L1側部分の内周面には、相対位置調整機構50が備える回転要素(本形態では、第2サンギヤ52a)とスプライン結合する第2スプライン歯13が形成されている。また、第2支持部12bの軸第2方向L2側部分の外周面には、回転センサ5(本形態ではレゾルバ)のセンサロータが一体回転するように取り付けられている。回転センサ5は、ステータ3に対するロータ4の回転位置(電気角θ)や回転速度ωを検出する。
ロータ軸6は、駆動装置1としての駆動力を出力する出力軸である。ロータ軸6は、第1ロータコア21及び第2ロータコア12と同軸配置されており、第1ロータコア21及び第2ロータコア12と同様、相対位置調整機構50の回転要素(第1出力連結要素51bとしての第1キャリヤ51b及び第2出力連結要素51bとしての第2キャリヤ52b)に駆動連結されている。周方向の相対位置の調整時を除いて、第1ロータコア21及び第2ロータコア11は互いに同じ回転速度(ロータ回転速度)で回転する。本実施形態においては、差動歯車機構51,52により、ロータ軸6の回転速度はロータ4の回転速度に対して減速されたものとなり、ロータ軸6には回転電機2のトルクが増幅されて伝達される。
共に3つの回転要素を備えた第1差動歯車機構51と第2差動歯車機構52とを有する相対位置調整機構50は、回転電機2に対して軸第1方向L1側に配置されている。また、動力伝達機構60としての2つの差動歯車機構51,52は、第1差動歯車機構51が第2差動歯車機構52に対して軸第1方向L1側に位置するように、軸方向Lに並べて配置されている。相対位置調整機構50は、第1差動歯車機構51に駆動連結された第1ロータコア支持部材22と、第2差動歯車機構52に駆動連結された第2ロータコア支持部材12との周方向の相対位置を調整することで、第1ロータコア支持部材22と一体回転する第1ロータコア21と、第2ロータコア支持部材12と一体回転する第2ロータコア11との周方向の相対位置を調整する。
本実施形態において、第1差動歯車装置51及び第2差動歯車機構52は、共に3つの回転要素を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。第1差動歯車装置51は、3つの回転要素として、第1ロータ20に駆動連結される第1サンギヤ(第1ロータ連結要素)51aと、ロータ軸6に駆動連結される第1キャリヤ(第1出力連結要素)51bと、第1リングギヤ(第1固定要素)51cとを備えている。なお、第1サンギヤ51a及び第1リングギヤ51cの双方は、第1キャリヤ51bが支持する複数のピニオンギヤに噛み合う回転要素である。第2差動歯車装置52は、3つの回転要素として、第2ロータ10に駆動連結される第2サンギヤ(第2ロータ連結要素)52aと、ロータ軸6に駆動連結される第2キャリヤ(第2出力連結要素)52bと、第2リングギヤ(第2固定要素)52cとを備えている。尚、第2サンギヤ52a及び第2リングギヤ52cの双方は、第2キャリヤ52bが支持する複数のピニオンギヤに噛み合う回転要素である。
第1差動歯車機構51の第1サンギヤ51aは、第1ロータコア支持部材12と一体回転するように駆動連結(スプライン結合)されることで、第1ロータ20に駆動連結されている。また、第2差動歯車機構52の第2サンギヤ52aは、第2ロータコア支持部材12と一体回転するように駆動連結(スプライン結合)されることで、第2ロータ10に駆動連結されている。第1差動歯車機構51の第1キャリヤ51b及び第2差動歯車機構52の第2キャリヤ52bは、共にロータ軸6と一体回転するように駆動連結されており、一体キャリア53を構成する。第2差動歯車機構52の第2リングギヤ52cは、ケース80の側壁部81(非回転部材)に固定されており、本発明における「非変位固定要素」に相当する。第1リングギヤ51cは、第1ロータ20と第2ロータ10との周方向の相対位置の調整時に回転位置が調整され、調整時以外では固定される。つまり、第1リングギヤ51cは本発明の「変位固定要素」に相当する。本実施形態では、第1リングギヤ51cの外周面に、ウォームホイール54が形成されている。つまり、ウォームホイール54は、第1リングギヤ51cに一体的に設けられており、第1リングギヤ51cは、変位部材としてのウォームホイール54に連動して一体回転する。
相対位置調整機構50は、ウォームホイール54に係合するウォームギヤ55を備えている。このウォームギヤ55が駆動源としてのアクチュエータ56の駆動力により回転すると、ウォームギヤ55と噛み合うウォームホイール54が周方向に移動し、第1リングギヤ51cが回転する。ウォームホイール54の周方向への移動量、即ち、第1リングギヤ51cの回転量は、ウォームギヤ55の回転量に比例する。第1ロータ20と第2ロータ10との周方向の相対位置は、ウォームホイール54の周方向位置に応じて定まる。また、第1ロータ20と第2ロータ10との周方向の相対位置の調整範囲の大きさは、ウォームホイール54の周方向の長さにより設定できる。回転電機2の動作中における第1ロータ20と第2ロータ10との周方向の相対位置の調整範囲は、例えば電気角で90度や180度の範囲に設定される。
上述したように、第1キャリヤ(第1出力連結要素)51bと第2キャリヤ(第2出力連結要素)52bとは一体キャリヤ53を構成し、一体回転するように駆動連結されている。また、第2リングギヤ52cはケース80に固定されているから、第1リングギヤ51cを回転させると、第1サンギヤ51aが第2サンギヤ52aに対して相対回転し、第1サンギヤ51aと第2サンギヤ52aとの周方向の相対位置が変化する。第1サンギヤ51aには、第1ロータコア支持部材22が一体回転するように駆動連結され、第2サンギヤ52aには、第2ロータコア支持部材12が一体回転するように駆動連結されている。よって、第1リングギヤ51cの回転位置(ウォームホイール54の周方向位置)を調整することで、第1ロータコア支持部材22(第1ロータ20)と第2ロータコア支持部材12(第2ロータ10)との周方向の相対位置を調整することができる。
尚、第1差動歯車機構51のギヤ比と第2差動歯車機構52のギヤ比とは、第1リングギヤ51cが固定された状態での第1サンギヤ51aの回転速度と第2サンギヤ52aの回転速度とが互いに等しくなるように設定されている。本実施形態では、第1差動歯車機構51と第2差動歯車機構52とは互いに同径に構成されている。そして、第1差動歯車機構51の歯数比(=第1サンギヤ51aの歯数/第1リングギヤ51cの歯数)と第2差動歯車機構52の歯数比(=第2サンギヤ52aの歯数/第2リングギヤ52cの歯数)とが互いに等しく設定されている。また、上述したように、第1キャリヤ51bと第2キャリヤ52bとが一体的に形成されているとともに、第1リングギヤ51cの回転位置の調整時を除いて、第1リングギヤ51c及び第2リングギヤ52cの双方が固定された状態となる。このような構成とすることで、第1リングギヤ51cが固定状態において第1サンギヤ51aの回転速度と第2サンギヤ52aの回転速度とが互いに等しくなり、第1ロータコア21(第1ロータ20)の回転速度と第2ロータコア11(第2ロータ10)の回転速度とが互いに等しくなる。よって、第1ロータ20と第2ロータ10との周方向の相対位置を調整することで、2つのロータ10,20で構成されるロータ4は、両ロータ間の回転位相差(相対位置、相対位相)を保持した状態で一体回転する。つまり、ロータ4は、両ロータ10,20の相対位相(相対回転位相)が調整された状態で一体回転する。
以上、好適な実施形態を示して説明したように、永久磁石を備えたロータとコイルを備えたステータとを有する回転電機と、このロータから供給される界磁束を変化させる界磁調整機構と、コイルに接続されたインバータとを備えた駆動装置を制御する駆動装置の制御装置の規模を増大させることなく、誘起電圧をインバータの耐圧の限度内に収めることができる技術を提供することができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、1つの好適な態様として、図1に示したように、閉状態の時に電源入力部9と主電源70とを接続し、開状態の時に遮断するメインスイッチ71とは別にメインスイッチ71を迂回して設けられ、メインスイッチ71の開閉状態に拘わらず、閉状態の時に電源入力部9と主電源70とを接続可能なサブスイッチ72を備える例を示した。しかし、この態様に限定されることなく、図9に示すような態様の電源回路が構成されていてもよい。図9においては、図1における主電源70を70A(高圧電源70A)で示し、メインスイッチ71を71Aで示し、サブスイッチ72を72Aで示す。また、この態様では、コンバータ77を介して降圧された電力を保持する低圧電源70Bも備えられる。高圧電源70Aとの接続をオン・オフするメインスイッチ71Aは、高耐圧・高容量のリレーなどが用いられ、そのようなリレーは比較的高価な部品である。従って、図1の例のように、メインスイッチ71と同等の機能を有するリレーをサブスイッチ72として設置すると生産コストが増加する可能性がある。これに対して、図9に示すサブスイッチ72Aは、降圧後の低圧電源70Bとの接続をオン・オフするので、低耐圧・低容量のリレーでも対応が可能である。尚、本発明の主電源70は、回路に対して電力を供給する元となる電源を指すので、図9における高圧電源70A及び低圧電源70Bは、共に本発明の主電源に相当する。
はじめに、イグニッションキーや始動ボタンなどによって制御装置30が起動される。この時、例えば、不図示のスイッチが投入されて低圧電源70Bから制御装置に電力が供給されてもよいし、不図示の別の経路から制御装置30に電力が供給されてもよい。当然ながら、サブスイッチ72Aが投入されて低圧電源70Bから制御装置30に電力が供給されてもよい。次に、高圧電源70Aを含む高圧電源系統の漏電の有無など、安全チェックが実施され、問題が無ければ、制御装置30によりメインスイッチ71Aが投入される。
制御装置30は、上述したように、誘起電圧がインバータ耐圧Vmaxを越えると判定した際に、サブスイッチ72Aが開状態であれば、閉状態に制御する。そして、制御装置30は、インバータ7を弱め界磁制御によりスイッチング制御する。このような状態でドライバーがメインスイッチ71Aを遮断する操作をし、遮断条件が整っても制御装置30は、メインスイッチ71A及びサブスイッチ72Aを閉状態に維持する。これにより、弱め界磁制御が継続される。誘起電圧がインバータ耐圧Vmax未満となると、メインスイッチ71Aを開状態として高圧電源70Aを開放する。その後、サブスイッチ72Aを開状態として、遮断条件に従ったシャットダウンが実施される。図9に示したように、高圧電源70Aとの接続をオン・オフするメインスイッチ71Aと、低圧電源70Bとの接続をオン・オフするサブスイッチ72Aとを有している場合であっても、遮断条件が成立した際に過電圧状態であると判定されている場合は、少なくとも過電圧状態が解消されるまで、遮断条件に拘わらず主電源70A,70Bとの接続を維持すると共に、界磁束を弱める弱め界磁電流をコイル3bに供給する弱め界磁制御により回転電機2を制御し、過電圧状態が解消された後に遮断条件に従って主電源70A,70Bを遮断することが可能である。
(2)上記実施形態においては、界磁指令決定部32が、システム損失PLOSが規定されたマップ32mを参照して、少なくとも目標トルクTと回転速度ωとに基づいて、システム損失PLOSが最小となる界磁束を初期界磁指令値B として設定し、この初期界磁指令値B に対して界磁制限値Blmtを上限とする制限を加えて界磁指令値Bを決定する例を説明した。しかし、マップ32mはシステム損失PLOSが規定されたマップに限らず、回転速度ωや目標トルクTを引数として、直接、初期界磁指令値B や界磁指令値Bが規定されたマップとして構成されてもよい。例えば、図5に示したトルクマップは、マップ32mを構成するマップの好適な一例である。
(3)上記実施形態においては、ロータが2つのロータによって構成され、それらの周方向の相対位置を変更することによって界磁束を変更する構成を例示した。しかし、この構成に限定されることなく、ロータの少なくとも一部が回転軸方向へ変位することによって、ステータへ到達する磁束を変更するように構成されていてもよい。
(4)上記実施形態においては、ロータとステータとが径方向に重複して設置される構成を例示した。しかし、この構成に限定されることなく、ロータとステータとが軸方向に重複して設置されるアキシャル型の回転電機であってもよい。また、上記実施形態では、インナロータ型の回転電機を例として説明したが、当然ながらアウタロータ型の回転電機に適用することもできる。
(5)可変磁束型の回転電機の構成は、上述した各実施形態に限定されるものではない。インナーロータ型又はアウタロータ型の回転電機であって、2つに分割構成されたロータが軸方向に隣接配置され、当該2つのロータの周方向の相対位置が可変となる構成であってもよい。このような構成によって、それぞれのロータが備える永久磁石及びフラックスバリアの一方又は双方が互いに影響し合ってステータに到達する界磁束を変化させることができる。
(6)上記実施形態においては、可変磁束型の回転電機の例として、周方向の相対位置を調整可能な外ロータ及び内ロータの内の内ロータに永久磁石が備えられ、外ロータにフラックスバリアが形成される例とを示した。しかし、これに限定されることなく、外ロータに永久磁石が備えられ、内ロータにフラックスバリアが形成されてもよい。また、外ロータ及び内ロータの双方に永久磁石が備えられてもよい。さらに、それぞれのロータに、永久磁石を備えると共にフラックスバリアが形成されていてもよい。軸方向にロータが分割形成される場合も同様であり、分割形成された複数のロータにおいて永久磁石及びフラックスバリアはそれぞれのロータに備えられてもよいし、何れかのロータに備えられてもよい。
本発明は、永久磁石による界磁束を調整可能な可変磁束型の回転電機や駆動装置並びにそれらを制御する制御装置に利用することができる。
1:駆動装置
2:回転電機
4:ロータ
3:ステータ
3b:コイル
6:ロータ軸(出力部材)
7:インバータ
9,01,93:電源入力部
10:第2ロータ
11:第2ロータコア(ロータコア)
20:第1ロータ
21:第1ロータコア(ロータコア)
30:制御装置
35:回転電機制御部
39:界磁量導出部
41:電源制御部
42:遮断条件判定部
44:誘起電圧演算部
45:過電圧判定部
49:異常判定部
50:界磁調整機構、相対位置調整機構
51:第1差動歯車機構
51a:第1サンギヤ(第1ロータ連結要素)
51b:第1キャリヤ(第1出力連結要素)
51c:第1リングギヤ51c(第1固定要素)、変位固定要素
52:第2差動歯車機構
52a:第2サンギヤ(第2ロータ連結要素)
52b:第2キャリヤ(第2出力連結要素)
52c:第2リングギヤ51c(第2固定要素)、非変位固定要素
56:駆動源
60:動力伝達機構
70:主電源
70A:高圧電源(主電源)
70B:低圧電源(主電源)
71,71A:メインスイッチ
72,72A:サブスイッチ
81:ケースの側壁部(非回転部材)
id,iq:電流指令
B:推定界磁量
:界磁指令値
lmt:界磁制限値
:目標トルク
max:インバータの耐圧
ω:ロータの回転速度

Claims (7)

  1. 永久磁石を備えたロータとコイルを備えたステータとを有する回転電機と、前記ロータから供給される界磁束を変化させる界磁調整機構と、前記コイルに接続されたインバータと、を備えた駆動装置を制御する駆動装置の制御装置であって、
    直流の主電源に接続される電源入力部と、
    前記電源入力部と前記主電源との接続及び遮断を制御する電源制御部と、
    前記インバータを介して前記回転電機を制御する回転電機制御部と、
    前記主電源の遮断条件が成立したか否かを判定する遮断条件判定部と、
    前記ロータから前記ステータに供給される前記界磁束の推定値である推定界磁量を求める界磁量導出部と、
    前記ロータの回転速度と前記推定界磁量とに基づいて、前記コイルに誘起される誘起電圧を演算する誘起電圧演算部と、
    前記誘起電圧が前記インバータの耐圧を越える過電圧状態であるか否かを判定する過電圧判定部と、を備え、
    前記遮断条件が成立した際に前記過電圧状態であると判定されている場合は、少なくとも前記過電圧状態が解消されるまで、前記遮断条件に拘わらず前記主電源との接続を維持すると共に、前記界磁束を弱める弱め界磁電流を前記コイルに供給する弱め界磁制御により前記回転電機を制御し、前記過電圧状態が解消された後に前記遮断条件に従って前記主電源を遮断する駆動装置の制御装置。
  2. 前記誘起電圧が前記インバータの耐圧を越えない範囲内で前記ロータの回転速度に応じて設定された界磁制限値を上限として、少なくとも前記回転速度に基づいて前記界磁調整機構により調整される前記界磁束の目標となる界磁指令値を決定して前記界磁調整機構を制御する調整機構制御部と、
    前記調整機構制御部及び前記界磁調整機構の少なくとも一方の異常を判定する異常判定部と、を備え、
    前記電源制御部は、前記過電圧状態と判定され、且つ前記異常判定部により異常と判定されている場合には、前記遮断条件に拘わらず前記主電源との接続を維持する請求項1に記載の駆動装置の制御装置。
  3. 前記回転電機制御部は、少なくとも前記推定界磁量と前記回転電機の目標トルクと前記回転速度とに基づいて、前記コイルに供給する駆動電流の目標値である電流指令を決定して、前記回転電機を制御する請求項1又は2に記載の駆動装置の制御装置。
  4. 前記界磁調整機構は、前記ロータの少なくとも一部を当該ロータの周方向又は回転軸方向へ変位させて前記界磁束を調整するものであり、当該変位のための駆動力を供給する駆動源と、前記駆動源から前記ロータへ前記駆動力を伝達する動力伝達機構と、を備える請求項1から3の何れか一項に記載の駆動装置の制御装置。
  5. 前記ロータは、それぞれロータコアを有して相対位置を調整可能な第1ロータ及び第2ロータを備えると共に、両ロータの内の少なくとも一方の前記ロータコアに前記永久磁石を備えて構成され、
    前記界磁調整機構は、前記相対位置を周方向に変位させて前記界磁束を調整する相対位置調整機構である請求項4に記載の駆動装置の制御装置。
  6. 前記第1ロータ及び前記第2ロータは、共に同一の出力部材に駆動連結され、
    前記相対位置調整機構は、前記動力伝達機構として、3つの回転要素を備えた第1差動歯車機構と、3つの回転要素を備えた第2差動歯車機構と、を備え、
    前記第1差動歯車機構は、3つの回転要素として、前記第1ロータに駆動連結される第1ロータ連結要素と、前記出力部材に駆動連結される第1出力連結要素と、第1固定要素と、を備え、
    前記第2差動歯車機構は、3つの回転要素として、前記第2ロータに駆動連結される第2ロータ連結要素と、前記出力部材に駆動連結される第2出力連結要素と、第2固定要素と、を備え、
    前記第1固定要素及び前記第2固定要素の内のいずれか一方が、前記駆動源に連動する変位固定要素とされ、他方が非回転部材に固定される非変位固定要素とされ、
    前記変位固定要素が固定された状態での前記第1ロータ連結要素の回転速度と前記第2ロータ連結要素の回転速度とが互いに等しくなるように、前記第1差動歯車機構のギヤ比と前記第2差動歯車機構のギヤ比とが設定されている請求項5に記載の駆動装置の制御装置。
  7. 閉状態の時に前記電源入力部と前記主電源とを接続し、開状態の時に遮断するメインスイッチとは別に当該メインスイッチを迂回して設けられ、当該メインスイッチの開閉状態に拘わらず、閉状態の時に前記電源入力部と前記主電源とを接続可能なサブスイッチを備え、前記電源制御部は、前記過電圧状態と判定されている時には、前記遮断条件に拘わらず前記サブスイッチを閉状態に制御する請求項1から6の何れか一項に記載の駆動装置の制御装置。
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