JP5454685B2 - モータ駆動装置およびそれを搭載する車両 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ駆動装置およびそれを搭載する車両に関し、より特定的には、ロータに永久磁石を有する交流モータを駆動する場合の、磁石の昇温制御に関する。
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。この車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。
これらの車両においては、一般的に、インバータを用いて、蓄電装置からの直流電力をモータジェネレータなどの回転電機を駆動するための交流電力に変換する。そして、回転電機によって発生した駆動力を用いて車両を走行させるとともに、回生制動時などにおいては、駆動輪やエンジンなどからの回転力を電気エネルギに変換して蓄電装置を充電する。
このような車両に搭載される回転電機としては、界磁磁束の高密度化や電力回生の容易性などから、ロータに永久磁石が埋め込まれた永久磁石型同期機が採用される場合がある。一般的に、永久磁石は、環境温度に応じてその特性が変化することが知られている。たとえば、低温の環境温度においては永久磁石の磁束密度が増加する。これにより、低温時には、回転電機が回転することによって生じる逆起電圧が増加する。
特開2008−043094号公報(特許文献1)は、ロータに永久磁石が設けられたモータジェネレータを備えた車両において、運転開始時に、永久磁石の温度が所定の温度を下回っている場合に、直軸(d軸)電流目標値を時間的に変化するように決定するとともに、横軸(q軸)電流目標値をゼロに設定し、車両を停止状態に維持したまま永久磁石を昇温する技術を開示する。
特開2008−043094号公報 特開平9−275696号公報 特開2009−189181号公報
上述のように、ロータに永久磁石が設けられたモータにおいては、低温時には永久磁石磁束密度が増加することによって、回転時に発生する逆起電圧が増加する。そのため、この低温時の逆起電圧を考慮して、モータを駆動するインバータなどを設計することが必要である。
一方で、インバータなどに含まれるスイッチング素子やコンデンサなどの素子は、モータの逆起電圧に耐え得るように設計される必要がある。そのため、低温時を考慮して設計すると、これらの素子を保護するために、通常の使用温度範囲としては過剰な耐電圧設計となり、コストアップにつながる。
本課題に対して、上述の特開2008−043094号公報(特許文献1)においては、低温環境での車両の運転開始時に、モータのd軸電流のみを流すことによって永久磁石を昇温し、モータの逆起電圧を低下させている。
しかしながら、特開2008−043094号公報(特許文献1)に開示された技術の場合、永久磁石が所定温度まで昇温されるまでは、車両の走行が制限されてしまうおそれがあった。また、モータ回転速度が低い場合には、低温環境であっても逆起電圧が低いために、必ずしも永久磁石の昇温が必要でないことがあるが、特開2008−043094号公報(特許文献1)においてはこの点については考慮されておらず、不必要な電流の印加によって無駄に電力を消費するおそれがあった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ロータに永久磁石を有する交流モータの駆動装置において、低温環境における走行時に効率的にモータ内の永久磁石を昇温することによってモータの逆起電圧の増加を低減し、コストを抑制しつつ構成部品の保護を可能とすることである。
本発明によるモータ駆動装置は、直流電源からの電力を用いて交流モータを駆動する。交流モータは、ステータのコイルに駆動電流を流すことによって生じる電流磁界を用いて、永久磁石が設けられたロータを回転させる。モータ駆動装置は、直流電源からの直流電力を、交流モータを駆動するための交流電力に変換するように構成された電力変換装置と、交流モータのコイルの少なくとも1相にオフセット電流を重畳させて永久磁石を昇温させるように電力変換装置を制御するための制御装置とを備える。
好ましくは、制御装置は、交流モータの回転速度に応じて、オフセット電流の大きさを変化させる。
好ましくは、制御装置は、回転速度が大きくなるほど、オフセット電流が大きくなるように電力変換装置を制御する。
好ましくは、制御装置は、回転速度に比例するようにオフセット電流の大きさを設定する。
好ましくは、制御装置は、回転速度が増加するにつれて、オフセット電流を階段状に増加させる。
好ましくは、制御装置は、回転速度に基づいて予め定められたマップを用いて、オフセット電流の大きさを設定する。
好ましくは、制御装置は、回転速度が基準回転速度を下回る場合には、オフセット電流の重畳を停止する。
好ましくは、制御装置は、交流モータの駆動開始時において、永久磁石に関連する温度が基準値を下回る場合はオフセット電流の重畳を実行し、永久磁石に関連する温度が基準値を上回る場合はオフセット電流の重畳を実行しない。
好ましくは、制御装置は、交流モータの駆動状態に基づいて永久磁石の温度上昇の時間的変化を定めたマップを有し、交流モータのトルク指令値および回転速度に基づいてマップを用いて永久磁石の温度上昇値を演算するとともに、演算された温度上昇値を交流モータの駆動開始から時間軸方向に積算することによって永久磁石の温度を推定し、推定された永久磁石の温度がしきい値に到達した場合に、オフセット電流の重畳を停止する。
好ましくは、電力変換装置は、スイッチング素子を含んで構成され、パルス幅変調制御に従ってスイッチング素子を制御することによって電力変換を行なうインバータを含む。制御装置は、永久磁石の温度が基準温度を下回る場合は、永久磁石の温度が基準温度を上回る場合よりも、パルス幅変調制御に用いられる搬送波の周波数を相対的に低く設定する。
本発明による車両は、直流電源と、交流モータと、電力変換装置と、制御装置とを備える。交流モータは、ステータのコイルに駆動電流を流すことによって生じる電流磁界を用いて、永久磁石が設けられたロータを回転させ、車両を走行するための駆動力を生成する。電力変換装置は、直流電源からの電力を、交流モータを駆動するための交流電力に変換する。制御装置は、交流モータのコイルの少なくとも1相にオフセット電流を重畳させて永久磁石を昇温させるように電力変換装置を制御する。
本発明によれば、ロータに永久磁石を有する交流モータの駆動装置において、低温環境における走行時に効率的にモータ内の永久磁石を昇温することによってモータの逆起電圧の増加を低減し、コストを抑制しつつ構成部品を保護することができる。
本実施の形態に従うモータ駆動制御システムを搭載した車両の全体構成図である。 図1に示す車両のECUにおける、モータ制御構成を説明するための制御ブロック図である。 ロータに永久磁石を有するモータジェネレータにおける、回転速度と逆起電圧との関係の一例を示す図である。 モータジェネレータの回転軸に垂直な断面の概略図である。 図4のロータとステータとの関係を平面的に示した図である。 本実施の形態における、モータジェネレータの各相の電流波形の例を説明するための図である。 本実施の形態の電流修正制御を適用した場合の、ロータとステータの関係を平面的に示した図である。 モータジェネレータの回転速度に対応したオフセット電流の設定手法の第1の例を示す図である。 モータジェネレータの回転速度に対応したオフセット電流の設定手法の第2の例を示す図である。 モータジェネレータの回転速度に対応したオフセット電流の設定手法の第3の例を示す図である。 本実施の形態における、ECUで実行される電流修正制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 変形例の場合の、ECUにおける、モータ制御構成を説明するための制御ブロック図である。 変形例の場合の、ECUで実行される電流修正制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 モータジェネレータの回転速度の変化例を示す図である。 実施の形態2における、トルク指令値および回転速度から定められる各動作点における温度上昇量のマップの一例を示す図である。 実施の形態2における、ECUで実行される電流修正制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 PWM信号生成部におけるパルス幅変調(PWM)制御を説明する波形図の一例を示す図である。 PWM制御におけるキャリア周波数とインバータ出力電流(モータ電流)との関係を示す図である。 実施の形態3における、車両のECUのモータ制御構成を説明するための制御ブロック図である。 実施の形態3における、ECUで実行される電流修正制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
[実施例1]
[車両の基本構成]
図1は、本実施の形態に従うモータ駆動制御システムを搭載した車両100の全体構成図である。本実施の形態においては、車両100としてエンジンおよびモータジェネレータを搭載したハイブリッド車両を例として説明するが、車両100の構成はこれに限定されるものではなく、蓄電装置からの電力によって走行可能な車両であれば適用可能である。車両100としては、ハイブリッド車両以外にたとえば電気自動車や燃料電池自動車などが含まれる。
図1を参照して、車両100は、直流電源部20と、負荷装置30と、コンデンサC2と、制御装置(以下、ECU「Electronic Control Unit」とも称する。)300とを備える。
直流電源部20は、蓄電装置110と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1と、コンバータ120とを含む。
蓄電装置110は、代表的には、ニッケル水素電池またはリチウムイオン電池等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電装置を含んで構成される。また、蓄電装置110の電圧VB、電流IBおよび温度TBは、電圧センサ10、電流センサ12および温度センサ11によってそれぞれ検出される。そして、検出された電圧VB、電流IBおよび温度TBは、ECU300に出力される。
システムリレーSR1の一方端は蓄電装置110の正極端子に接続され、システムリレーSR1の他方端は電力線PL1に接続される。システムリレーSR2の一方端は蓄電装置110の負極端子に接続され、システムリレーSR2の他方端は接地線NLに接続される。システムリレーSR1,SR2は、ECU300からの信号SEにより制御され、蓄電装置110とコンバータ120との間の電力の供給と遮断とを切替える。
コンバータ120は、リアクトルL1と、スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。スイッチング素子Q1,Q2は、コンバータ120とインバータ130とを結ぶ電力線PL2および接地線NLの間に直列に接続される。スイッチング素子Q1,Q2は、ECU300からの制御信号PWCによって制御される。
本実施の形態において、スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2には、ダイオードD1,D2がそれぞれ逆並列に接続される。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線PL1との間に接続される。
コンバータ120は、基本的には、各スイッチング周期内でスイッチング素子Q1およびQ2が相補的かつ交互にオン・オフするように制御される。コンバータ120は、昇圧動作時には、蓄電装置110から供給された電圧VBを電圧VH(インバータ131への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する。)に昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q2のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1および逆並列ダイオードD1を介して、電力線PL2へ供給することにより行なわれる。
また、コンバータ120は、降圧動作時には電圧VHを電圧VBに降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q2および逆並列ダイオードD2を介して、接地線NLへ供給することにより行なわれる。
これらの昇圧動作および降圧動作における電圧変換比(VHおよびVBの比)は、上記スイッチング周期におけるスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比(デューティ比)により制御される。なお、スイッチング素子Q1およびQ2を、オンおよびオフにそれぞれ固定すれば、VH=VB(電圧変換比=1.0)とすることもできる。
コンデンサC2は、電力線PL2および接地線NLの間に接続される。コンデンサC2は、コンバータ120からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ130へ供給する。電圧センサ13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、システム電圧VHを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
負荷装置30は、インバータ130と、動力分割機構140と、エンジン150と、駆動輪160と、モータジェネレータMG1,MG2とを含む。また、インバータ130は、モータジェネレータMG1を駆動するためのインバータ131と、モータジェネレータMG2を駆動するためのインバータ135とを含む。なお、図1においては、車両100がインバータおよびモータジェネレータを2組備える例が示されるが、たとえばインバータ131とモータジェネレータMG1、あるいはインバータ135とモータジェネレータMG2のいずれか1組のみを備える構成としてもよい。
モータジェネレータMG1,MG2は、インバータ130から供給される交流電力を受けて車両100を走行させるための回転駆動力を発生する。また、モータジェネレータMG1,MG2は、外部から回転力を受け、ECU300からの回生トルク指令によって交流電力を発電するとともに回生制動力を発生する。
また、モータジェネレータMG1,MG2は、動力分割機構140を介してエンジン150にも連結される。そして、エンジン150の発生する駆動力とモータジェネレータMG1,MG2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御される。また、モータジェネレータMG1,MG2のいずれか一方を専ら電動機として機能させ、他方のモータジェネレータを専ら発電機として機能させてもよい。なお、本実施の形態においては、モータジェネレータMG1をエンジン150により駆動される発電機として機能させ、モータジェネレータMG2を駆動輪160を駆動するための電動機として機能させるものとする。
動力分割機構140には、エンジン150の動力を、駆動輪160とモータジェネレータMG1との両方に振り分けるために、たとえば遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)を含んで構成される。
インバータ131は、コンバータ120から昇圧された電圧を受けて、たとえばエンジン150を始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ131は、エンジン150から伝達される機械的動力によってモータジェネレータMG1で発電された回生電力を変換し、コンバータ120に出力する。このときコンバータ120は、降圧回路として動作するようにECU300によって制御される。
インバータ131は、電力線PL2および接地線NLの間に並列に設けられる、U相上下アーム132と、V相上下アーム133と、W相上下アーム134とを含んで構成される。各相上下アームは、電力線PL2および接地線NLの間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相上下アーム132は、スイッチング素子Q3,Q4を含んで構成される。V相上下アーム133は、スイッチング素子Q5,Q6を含んで構成される。W相上下アーム134は、スイッチング素子Q7,Q8を含んで構成される。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、ダイオードD3〜D8がそれぞれ逆並列に接続される。スイッチング素子Q3〜Q8は、ECU300からの制御信号PWI1によって制御される。
代表的には、モータジェネレータMG1は、ロータ(図示せず)に永久磁石が設けられた、3相の永久磁石型同期電動機であり、ステータ(図示せず)に設けられたU,V,W相の3つのコイルの一方端が中性点に共通に接続される。さらに、各相コイルの他方端は、各相上下アーム132〜134のスイッチング素子の接続ノードと接続される。
モータジェネレータMG1は、インバータ131から各相コイルに供給される交流の駆動電流によって回転磁界を発生し、この発生した回転磁界によってロータを回転させる。
インバータ135は、コンバータ120に対してインバータ131と並列的に接続される。インバータ135は、駆動輪160を駆動するモータジェネレータMG2に対して、コンバータ120の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ135は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された回生電力をコンバータ120に出力する。インバータ135の内部の構成は図示しないが、インバータ131と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
インバータ131は、モータジェネレータMG1のトルク指令値が正(TR1>0)の場合には、コンデンサC2から直流電圧が供給されると、ECU300からの制御信号PWI1に応答して、スイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するようにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ131は、モータジェネレータMG1のトルク指令値が零の場合(TR1=0)には、制御信号PWI1に応答したスイッチング動作により、出力トルクが零になるようにモータジェネレータMG1を駆動する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値TR1によって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、車両100の回生制動時には、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1は負に設定される(TR1<0)。この場合には、インバータ131は、制御信号PWI1に応答したスイッチング動作により、モータジェネレータMG1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)をコンデンサC2を介してコンバータ120へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、電動車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
インバータ135についても同様に、モータジェネレータMG2のトルク指令値TR2に対応した制御信号PWI2をECU300から受け、制御信号PWI2に応答したスイッチング動作によって直流電圧を交流電圧に変換して所定のトルクになるようにモータジェネレータMG2を駆動する。
電流センサ24,25は、モータジェネレータMG1,MG2にそれぞれ流れるモータ電流MCRT1,MCRT2を検出し、その検出したモータ電流をECU300へ出力する。なお、U相,V相,W相の各相の電流の瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ24,25は2相分のモータ電流を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)26,27は、モータジェネレータMG1,MG2の回転角θ1,θ2を検出し、その検出した回転角θ1,θ2をECU300へ出力する。ECU300は、回転角θ1,θ2に基づきモータジェネレータMG1,MG2の回転速度MRN1,MRN2および角速度ω1,ω2(rad/s)を算出することができる。なお、回転角センサ26,27については、ECU300にてモータ電圧や電流から回転角θ1,θ2を直接演算することによって配置を省略してもよい。
ECU300は、いずれも図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、車両100の各機器を制御する。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
代表的な機能として、ECU300は、運転者によるアクセルペダル(図示せず)の操作量などに基づいて図示しない上位のECUで演算されたトルク指令値TR1,TR2を受ける。そして、ECU300は、このトルク指令値TR1,TR2、電圧センサ10によって検出された直流電圧VB、電流センサ12によって検出された電流IB、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VHおよび電流センサ24,25からのモータ電流MCRT1,MCRT2、回転角センサ26,27からの回転角θ1,θ2等に基づいて、モータジェネレータMG1,MG2がトルク指令値TR1,TR2に従ったトルクを出力するように、コンバータ120およびインバータ130の動作を制御する。すなわち、ECU300は、コンバータ120およびインバータ130を上記のように制御するための制御信号PWC,PWI1,PWI2を生成して、コンバータ120およびインバータ130へそれぞれ出力する。
ECU300は、コンバータ120の昇圧動作時には、システム電圧VHをフィードバック制御し、システム電圧VHが電圧指令値に一致するように制御信号PWCを生成する。
また、ECU300は、車両100が回生制動モードの場合は、モータジェネレータMG1,MG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換するように制御信号PWI1、PWI2を生成してインバータ130へ出力する。これにより、インバータ130は、モータジェネレータMG1,MG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ120へ供給する。
さらに、ECU300は、車両100が回生制動モードの場合は、インバータ130から供給された直流電圧を降圧するように制御信号PWCを生成し、コンバータ120へ出力する。これにより、モータジェネレータMG1,MG2が発電した交流電圧が、直流電圧に変換され、さらに降圧されて蓄電装置110に供給される。
[モータの制御構成]
図2は、図1に示す車両100のECU300における、モータ制御構成を説明するための制御ブロック図である。なお、図2においては、モータジェネレータMG1に対する制御を例として説明するが、ECU300においては、図2で示された制御ブロックが、各モータジェネレータMG1,MG2に対してそれぞれ個別に設けられる。
図2を参照して、ECU300は、電流指令生成部310と、座標変換部320,340と、PI演算部330と、PWM信号生成部350と、修正部360とを含む。
電流指令生成部310は、予め作成されたテーブル等に従って、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1に応じて、電流指令値IdRおよびIqRを生成する。
修正部360は、電流センサ24によって検出されたモータ電流MCRT1(iv,iw,iu=−(iv+iw))、および回転角センサ26によって検出されるモータジェネレータMG1の回転角θ1を受ける。修正部360は、これらの情報に基づいて、モータ電流MCRT1を修正し、修正後のモータ電流iu*,iv*,iw*を座標変換部320へ出力する。修正部360によるモータ電流MCRT1の修正の具体的な手法については後述する。
座標変換部320は、モータジェネレータMG1の回転角θ1を用いた座標変換(3相→2相)により、修正部360からのモータ電流iu*,iv*,iw*を基にd軸電流idおよびq軸電流iqを算出する。
PI演算部330には、d軸電流の指令値に対する偏差ΔId(ΔId=IdR−id)およびq軸電流の指令値に対する偏差ΔIq(ΔIq=IqR−iq)が入力される。PI演算部330は、d軸電流偏差ΔIdおよびq軸電流偏差ΔIqのそれぞれについて、所定ゲインによるPI演算を行なって制御偏差を求め、この制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
座標変換部340は、回転角センサ26からのモータジェネレータMG1の回転角θ1、PI演算部330からのd軸,q軸電圧指令値Vd♯,Vq♯、および電圧センサ13で検出された電圧値VHを受ける。座標変換部340は、これらの情報に基づいて座標変換(2相→3相)を行ない、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯をU相、V相、W相の各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換する。
PWM信号生成部350は、各相における電圧指令値Vu,Vv,Vwと所定の搬送波との比較に基づいて、図1に示した、インバータ131(135)のスイッチング制御信号PWI1(PWI2)を生成する。
インバータ131(135)は、ECU300によって生成されたスイッチング制御信号PWI1(PWI2)に従ってスイッチング制御される。これによって、モータジェネレータMG1(MG2)に対してトルク指令値TR1(TR2)に従ったトルクを出力するための交流電圧が印加される。
[電流修正制御の説明]
上述のような、ロータに永久磁石が設けられたモータジェネレータにおいては、ロータが回転すると、その回転速度に比例した逆起電圧が生じることが知られている。また、一般的に、永久磁石の磁力は、温度が高くなるにつれて小さくなり、温度が低くなるにつれて大きくなる性質を有している。そのため、極低温下などで、永久磁石の温度が低い状態でモータジェネレータが駆動されると、同じ回転速度において発生する逆起電圧は、永久磁石の温度がより高いときに比べて大きくなる。
図3は、ロータに永久磁石を有するモータジェネレータにおける、回転速度と逆起電圧との関係の一例を示す図である。上述のように、発生する逆起電圧は、回転速度に比例して大きくなり、磁石温度が大きいほど逆起電圧は小さくなる。
ここで、図1に示すような車両100に搭載されるモータ駆動制御システムの設計においては、たとえば図3に示す温度T2(たとえば、75℃)を基準として、設計が行なわれる。そして、この基準温度において、モータジェネレータの最高回転速度Nmaxのときに発生する逆起電圧E10に耐え得るように、基本的には、コンデンサなどの各機器の耐圧が設定される。
しかしながら、モータジェネレータの温度が基準温度T2より低い温度T1の場合に発生する逆起電圧は、図3中の曲線W11のように、同じ回転速度では、基準温度T2の場合に発生する逆起電圧(図3中の曲線W12)よりも大きくなる。そうすると、最高回転速度Nmaxにおける逆起電圧がE11(>E10)となる。
そのため、このような低温状態下の条件をカバーするためには、基準温度T2の場合の耐圧をより大きくすることが必要となり、コストアップや、素子の体格が大きくなることによる機器のサイズアップなどの問題が発生し得る。また、このような条件を考慮に入れないと、機器の破損や劣化の原因になり得る。あるいは、機器の耐圧を超えないようにするために回転速度を制限する場合には、運転性能の低下につながるおそれがある。
そこで、本実施の形態においては、モータジェネレータのステータの3相のコイルの少なくとも1相に、オフセット電流を重畳させる電流修正制御を行なう。このようにすることによって、オフセット電流によって発生する磁界内を回転するロータを昇温し、発生する逆起電圧を低減することが期待できる。
図4は、モータジェネレータの回転軸に垂直な断面の概略図である。上述のように、ステータに巻回されたコイルに交流電流を供給することにより回転磁界が発生する。そして、永久磁石が備えられたロータが、ステータで発生される回転磁界に引き付けられることによりロータが回転する。図5は、図4のロータとステータの関係を平面的に示した図であるが、ステータの回転磁界が回転方向である矢印AR1のへ移動することにより、ロータの永久磁石の磁極が矢印AR2の方向に動かされる。
図6は、本実施の形態における、モータジェネレータの各相の電流波形の例を示したものである。
図6の上段の波形は、本実施の形態の電流修正制御を適用しない比較例の場合の電流波形を示しており、U,V,W相の各相のそれぞれの電流波形W1,W2,W3は、互いに120°の位相差を有する正弦波となる。
図6の下段は、本実施の形態の電流修正制御を適用した場合の一例の電流波形を示している。図6においては、U相の電流に正のオフセット電流が重畳された場合の例が示される(図6中の曲線W1*)。このようなオフセット電流が重畳された場合には、図7のように、ステータからは、回転磁界に加えてオフセット電流による一定磁界が発生する。そして、この一定磁界中をロータの永久磁石が移動すると、電磁誘導によって永久磁石上に渦電流が発生し、この渦電流が永久磁石の電気抵抗によって消費されることによって永久磁石が昇温される。なお、オフセット電流は、U,V,W相のいずれのコイルに重畳させてもよく、また、一定磁界が発生すればいずれか1相のコイルでなくとも複数の相のコイルに重畳させてもよい。
一方で、このようなオフセット電流を重畳することによって、最終的にモータジェネレータから出力されるトルクの精度は悪化しトルク変動を生じ得る。これによって、特にモータジェネレータの回転速度が低い場合には、このトルク変動による振動が車両乗員によって感じやすくなり、車両乗員に違和感を与えてしまうおそれがある。そのため、本実施の形態においては、モータジェネレータの回転速度が低い場合には、上述のオフセット電流を重畳しないようにして、トルク変動による振動を抑制し車両乗員への違和感を低減する。
また、重畳させるオフセット電流の大きさについては、モータジェネレータの回転速度にかかわらず一定の値に設定することも可能であるが、上述のように、回転速度が大きくなるにつれてモータジェネレータに生じる逆起電圧が大きくなるので、機器の保護の観点を考慮すると、回転速度が大きい場合にはより短い時間で永久磁石を昇温することが好ましい。そのため、本実施の形態においては、回転速度の増加に対応して、重畳させるオフセット電流の大きさを増加させる。これによって、回転速度が大きくなると、オフセット電流によって発生する一定界磁の強さが大きくなるので、永久磁石に発生する渦電流も大きくなり、永久磁石の昇温量が増加する。
なお、オフセット電流の大きさが大きくなるとトルク変動も大きくなるが、回転速度が大きくなると、それに応じてロータや車両のイナーシャも大きくなるため、トルク変動の影響が現れにくくなる。さらに、トルク変動の周期も短くなるので、車両乗員はトルク変動による振動を感じにくくなる傾向にある。
図8は、モータジェネレータの回転速度に対応したオフセット電流の設定手法の一例を示す図である。図8においては、横軸に時間が示されており、縦軸には、モータジェネレータの回転速度、電流修正制御を実行するか否かを示すオフセットフラグ、および重畳させるオフセット電流の大きさが示される。
図8を参照して、時刻t1において、車両の走行が開始され、モータジェネレータの回転速度が時間とともに上昇する。このとき、回転速度が基準回転速度Nlimとなる時刻t2までは、トルク変動による振動の抑制のためにオフセットフラグがオフに設定され、オフセット電流はゼロに設定される。
モータジェネレータの回転速度が基準回転速度Nlimより大きくなる時刻t2より後においては、オフセットフラグがオンに設定されて、回転速度の増加にほぼ比例してオフセット電流が線形に増加するように設定される。
なお、オフセット電流の増加の手法については、図8のように回転速度に対して線形に変化させる手法以外を採用することもできる。たとえば、図9に示すように、モータジェネレータの回転速度の増加にともなって、階段状に増加させるようにオフセット電流を設定してもよい。あるいは、図10に示すように、予め設定されたマップを用いてオフセット電流を設定してもよい。このマップは、たとえば、気温や回転速度の増加率などの他のパラメータを用いて、曲線W21のように急速にオフセット電流を増加させて急速昇温させるようなパターンを採用したり、曲線W23のように徐々にオフセット電流を増加させるようなパターンを採用したりしてもよい。さらに、たとえば、駆動系の共振周波数帯域を考慮して、特定の回転速度領域では、オフセット電流の大きさを一時的に低下させるようなパターンを採用してもよい(曲線W22)。
そして、図2の修正部360において、電流センサ24から検出したU,V,W相のうちの所定の相の電流値から、上述のようにして設定されたオフセット電流を差し引くことにより、モータ電流iu*,iv*,iw*を設定する。このようにモータ電流のフィードバック値からオフセット電流を差し引くことにより、PI演算部330において、差し引かれた電流を補償するようにフィードバック制御がなされる。その結果として、所定の相の電流にオフセット電流が重畳されるように、座標変換部340から電圧指令値Vu,Vv,Vwが出力される。
図11は、実施の形態において、ECU300で実行される電流修正制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図11および後述する図13,図16,図20に示すフローチャート中の各ステップについては、ECU300に予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。なお、当該フローチャートは、モータジェネレータMG1,MG2に対してそれぞれ個別に設けられ、かつ実行される。
なお、本電流修正制御は、基本的には、モータジェネレータMG1,MG2の永久磁石の温度が低温時において車両が始動される場合に実行される。永久磁石の温度を直接測定することは比較的困難であるが、永久磁石の温度に関連する温度としては、たとえば、モータジェネレータMG1,MG2のステータやケーシングの温度、蓄電装置110の温度TB、エンジン150やインバータ131,135の冷却水の温度などをパラメータとして採用することができ、それぞれ所定の基準温度より低い場合に永久磁石の温度が低温であると判定し得る。また、外気温などのその他のパラメータを用いて判定してもよい。
図1および図11を参照して、低温環境下において車両100が始動された場合に、ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、上位ECUからのトルク指令値TR1,TR2、および回転角センサ26,27からの回転角θ1,θ2から定まるモータジェネレータMG1,MG2の回転速度MRN1,MRN2を取得する。
次に、ECU300はS110にて、電流センサ24,25からのモータ電流MCRT1,MCRT2を取得する。
ECU300は、S120にて、回転速度MRN1,MRN2のそれぞれが、予め定められた基準速度より大きいか否かを判定する。このとき、この基準速度については、モータジェネレータMG1,MG2に対して共通の値としてもよいし、個別の値としてもよい。
回転速度が基準速度より大きい場合(S120にてYES)は、処理がS130に進められ、ECU300は、図8〜図10で示したような手法のいずれかを用いて、重畳させるオフセット電流の設定値を演算する。
そして、ECU300は、S140にて、図2の修正部360において、S130にて演算したオフセット電流を所定の相の電流値から差し引くように、検出したモータ電流MCRT1,MCRT2を補正し、モータ電流iu*,iv*,iw*を演算する。
その後、S150に処理が進められ、ECU300は、修正されたモータ電流iu*,iv*,iw*を用いてフィードバック制御を行なうことにより、インバータ131,135の制御信号PWI1,PWI2を生成する。そして、S160にて、ECU300は、生成した制御信号PWI1,PWI2をモータジェネレータMG1,MG2に出力してインバータ131,135を制御する。
一方、回転速度が基準速度以下の場合(S120にてNO)は、S135に処理が進められ、ECU300は、オフセット電流をゼロに設定する。そして、S140に処理が進められてオフセット電流設定値によってモータ電流MCRT1,MCRT2が補正されるが、この場合はオフセット電流がゼロに設定されているので、ECU300は、電流センサ24,25によるモータ電流MCRT1,MCRT2の検出値をそのままフィードバック制御して、インバータ131,135を制御する(S150,S160)。
以上のような制御に従って処理を行なうことによって、モータジェネレータの少なくとも1相のコイルにオフセット電流を重畳させることができ、ロータに設けられた永久磁石を昇温することが可能となる。その結果、低温時における逆起電圧増加を考慮した機器の耐圧の増加を防止することによるコストアップを抑制するとともに、機器の劣化および破損を防止することができる。さらに、回転速度を制限する必要もないので、運転性能の低下を抑制することも可能になる。
[実施の形態1の変形例]
上述の実施の形態1においては、オフセット電流をモータ電流の検出値から差し引いて得られたモータ電流iu*,iv*,iw*を用いてフィードバック制御することによって、オフセット電流を重畳させる構成について説明したが、オフセット電流を、図2の電流指令生成部310によって生成された電流指令値IdRおよびIqRに直接加える構成としてもよい。
図12は、変形例の場合の、ECU300における、モータ制御構成を説明するための制御ブロック図である。図12は、図2に示した実施の形態1の制御ブロック図において、修正部360が削除され、その代わりに修正部361および座標変換部321が追加されたものとなっている。図12において、図2と重複する要素の説明については繰り返さない。
図12を参照して、座標変換部320は、電流センサ24によって検出されたモータ電流MCRT1(iv,iw,iu=−(iv+iw))、および回転角センサ26によって検出されるモータジェネレータMG1の回転角θ1を受ける。そして、座標変換部320は、モータジェネレータMG1の回転角θ1を用いた座標変換(3相→2相)により、モータ電流iv,iw,iuを基にd軸電流idおよびq軸電流iqを算出する。
修正部361は、回転角センサ26によって検出されるモータジェネレータMG1の回転角θ1を受ける。そして、修正部361は、回転角θ1から定まるモータジェネレータMG1の回転速度MRN1に基づいて、図8〜図10で示したような手法のいずれかを用いて、重畳させるオフセット電流Δiu,Δiv,Δiwを設定し、座標変換部321へ出力する。
座標変換部321は、モータジェネレータMG1の回転角θ1を用いた座標変換(3相→2相)により、オフセット電流Δiu,Δiv,Δiwを基に修正値id*,iq*を算出し、電流指令生成部310で生成された電流指令値IdR,IqRにそれぞれ加えることによって電流指令値を補正する。
これによって、PI演算部330に入力される電流偏差ΔId,ΔIqは、以下のように設定される。
ΔId=IdR+id*−id … (1)
ΔIq=IdQ+iq*−iq … (2)
PI演算部330は、この電流偏差ΔId,ΔIqを用いて、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
図13は、変形例の場合の、ECU300で実行される電流修正制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図13は、実施の形態1の図11に示したフローチャートにおいて、ステップS140がS145に置き換わったものとなっている。図13において、図11と重複するステップの説明は繰り返さない。
モータジェネレータMG1,MG2の回転速度MRN1,MRN2が基準速度より大きい場合(S120にてYES)は、S130にてオフセット電流の設定値が演算される。また、モータジェネレータMG1,MG2の回転速度MRN1,MRN2が基準速度以下の場合(S120にてNO)は、S135にてオフセット電流の設定値がゼロに設定される。
その後、処理S145に処理が進められ、ECU300は、図12の電流指令生成部310で生成された電流指令値IdR,IqRに、オフセット電流値id*,iq*を加算する。
そして、S150において、ECU300は、オフセット電流値id*,iq*が加算された電流指令値IdR,IqRと、座標変換部320によって座標変換されたモータ電流id,iqとを用いて、制御信号PWI1,PWI2を生成し(S150)、インバータ131,135を制御する(S160)。
以上のように、オフセット電流を電流指令値に加算する構成においても、実施の形態1と同様に、モータジェネレータの少なくとも1相のコイルにオフセット電流を重畳させることができる。
[実施の形態2]
車両の走行開始後、モータジェネレータの最高回転速度に到達するまでの速度の経路は様々である。図14には、時間とともに変化するモータジェネレータの回転速度の例が示される。たとえば、曲線W31のように走行開始後の比較的短い時間で高回転速度まで到達する場合、曲線W33のように低回転速度がしばらくの間継続した後に急激に速度が増加する場合、または曲線W32のように段階的に徐々に回転速度が増加する場合などがある。
このように様々な経路に対して、最大回転速度Nmaxに到達する前の所定の基準回転速度Nthとなるまでに、所望の温度までモータジェネレータの永久磁石を昇温させることが必要である。そして、実施の形態1で説明した電流修正制御においては、基本的には、たとえば、回転速度の時間変化率などをパラメータとして、所定の基準回転速度Nthとなる時点で所望の温度に到達するように、オフセット電流の大きさが調整される。
一方で、上述のようにオフセット電流を重畳させることによって、トルク変動の発生による振動の発生や、オフセット電流を供給することによって効率の悪化をともなうため、所望の温度まで永久磁石の温度が上昇した場合には、速やかに電流修正制御を停止することが望ましい。
この場合、温度センサを設けて、実際のモータジェネレータの温度を検出することも可能であるが、機器の追加によるコストアップをともなったり、センサの故障の際には適切に制御を停止できなかったりすることが考えられる。
そのため、実施の形態2においては、図15のように、トルク指令値および回転速度から定められる各動作点における永久磁石の温度上昇量を予め実験等によって測定したマップを用い、その温度上昇量ΔTを時間軸方向に積分することでモータジェネレータの永久磁石の温度を推定する。そして、推定した永久磁石の温度が、所望の温度に到達したことに基づいて、オフセット電流の重畳を停止することによって、必要以上に永久磁石が昇温されることを防止する。
図16は、実施の形態2における、ECU300で実行される電流修正制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図16は、実施の形態1の図11に示したフローチャートに、ステップS115〜S117が追加されたものとなっている。図16において、図11と重複するステップの説明は繰り返さない。
図16を参照して、ECU300は、S110にてモータ電流を取得すると、次にS115において、現在のトルク指令値および回転速度に基づいて、たとえば図15に示したようなマップを用いて永久磁石の温度上昇値ΔTを演算する。このとき、オフセット電流を重畳する場合と重畳しない場合とで、異なる温度上昇値ΔTのマップを用いるようにすることが好適である。
そして、ECU300は、S116にて、現在の永久磁石の温度に、S115で求めた温度上昇値ΔTを加算し、永久磁石の温度推定値TMEを演算する。ここで、現在の永久磁石の温度は、たとえば車両の運転開始の場合には、外気温を初期値としてもよい。また、車両の運転開始後は、前回の制御周期で算出した温度推定値を現在の永久磁石の温度として、それに温度上昇値ΔTを加算するようにしてもよい。
次に、ECU300は、S117にて、S116で算出した永久磁石の温度推定値TMEが、所望の温度のしきい値より大きいか否か判定する。
永久磁石の温度推定値TMEがしきい値以下の場合(S117にてNO)は、ECU300は、永久磁石の昇温が必要であると判断し、実施の形態1と同様にS120以降の処理を実行して永久磁石の昇温を行なう。
一方、永久磁石の温度推定値TMEがしきい値より大きい場合(S117にてYES)は、ECU300は、永久磁石の温度が十分に昇温されたと判断し、S135に処理を進め、オフセット電流をゼロに設定する。
このような処理に従って制御を行なうことによって、永久磁石の温度を測定するための検出装置を個別に設置することなく、永久磁石の温度が所望の温度まで到達したことを判定できる。さらに、永久磁石の温度が所望の温度まで到達したことに応じて、オフセット電流の重畳を停止することができる。これによって、必要以上に永久磁石が昇温されることが防止でき、振動の発生や効率の低下を抑制することが可能になる。
[実施の形態3]
実施の形態1においては、モータジェネレータの少なくとも1相のコイルにオフセット電流を重畳させることによって永久磁石を昇温させる構成について説明した。しかしながら、さらに極低温時の場合や、より短時間でモータジェネレータの昇温を完了させたい場合において、大きすぎるオフセット電流を重畳させると、トルク変動が大きくなってしまい、車両乗員に与える振動が増加したり、適切にモータジェネレータの駆動ができなくなったりするおそれがある。
そこで、実施の形態3においては、このようにさらなる昇温が必要となるような場合に、モータジェネレータにオフセット電流を重畳させることに加えて、PWM信号を生成する際の搬送波のキャリア周波数を低減する。この、キャリア周波数の低減によって、モータジェネレータに供給される電流の高調波成分であるリプル電流が増加するため、リプル電流に起因した損失によってモータジェネレータを昇温することが期待できる。
図17には、図2のPWM信号生成部350でのパルス幅変調(PWM)制御を説明する波形図が示される。
PWM制御は、一定周期ごとに方形波出力電圧のパルス幅を変化させることによって、周期ごとの出力電圧平均値を変化させる制御方式である。一般的には、一定周期を搬送波の周期に対応する複数のスイッチング周期に分割し、スイッチング周期ごとにスイッチング素子のオン・オフ制御を行なうことにより、上記のパルス幅変調制御が行なわれる。
図17を参照して、PWM信号生成部350では、座標変換部340からの各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに従う信号波W41が、所定周波数の搬送波W40と比較される。そして、搬送波電圧が信号波電圧よりも高い区間と、信号波電圧が搬送波電圧よりも高い区間との間で、インバータ131(135)の各相アームでのスイッチング素子のオン・オフを切替えることにより、各相のインバータ出力電圧として、方形波電圧の集合としての交流電圧をモータジェネレータMG1(MG2)へ供給することができる。この交流電圧の基本波成分は、図17中の点線の曲線W42で示される。すなわち、搬送波W40の周波数(キャリア周波数)は、インバータ131(135)を構成する各スイッチング素子のスイッチング周波数に相当する。
なお、図2および図17に示されるように、モータジェネレータMG1,MG2は、基本的には、PWM制御によって制御される。ただし、本発明の適用において、モータジェネレータMG1,MG2は、常時パルス幅変調制御によって制御されることは必ずしも必要ではなく、PWM制御と、矩形波電圧制御等の他の制御とがモータ状態に応じて選択的に適用されてもよい。
図18は、PWM制御におけるキャリア周波数とインバータ出力電流(モータ電流)との関係を示す図である。なお、図18では、例としてインバータのU相の出力電流を示すが、V相、W相の出力電流についてもU相の出力電流と同様に変化する。
図18を参照して、キャリア周波数が低い場合には、波形WV1に示されるようにU相の出力電流に含まれる高調波成分(リップル電流)の振幅が大きくなる。これに対し、図17の信号波W41の周期を変えずに搬送波W40の周波数を高くした場合には、信号波W41の1周期に含まれる搬送波W40のピークの数が多くなる。この場合には、波形WV2に示されるように、高調波成分が小さくなり、出力電流の波形は正弦波に近づくことになる。なお、図18に示す波形WV1,WV2は、説明のために実際の波形を模式的に示したものである。
インバータの出力電流、すなわち、モータジェネレータのモータ電流の波形がWV1の場合には、波形がWV2の場合に比較して、高周波電流によるステータでの渦電流が増大することにより、ロータに設けられた永久磁石の温度を含めて、モータジェネレータでの発熱量を相対的に増大させることができる。したがって、キャリア周波数を低下させることにより、磁石温度を積極的に上昇させることが可能となることが理解される。
図19は、実施の形態3における、車両のECU300のモータ制御構成を説明するための制御ブロック図である。図19では、実施の形態1の図2について、モータジェネレータMG1の温度を検出するための温度センサ22、およびキャリア設定部370が追加されたものとなっている。図19において、図2と重複する要素の説明は繰り返さない。
図19を参照して、温度センサ22は、モータジェネレータMG1の温度を検出し、その検出値TMをECU300へ出力する。温度センサ22は、たとえば、ステータのコイルの内部や、モータジェネレータMG1のケーシングに取付けられる。ECU300は、温度センサ22で検出されたモータ温度TMに基づいて、モータジェネレータの永久磁石の温度を推定し得るので、実施の形態3においては、永久磁石の温度を代表する値としてモータ温度TMを用いる。
キャリア設定部370は、温度センサ22で検出されたモータ温度TMを受ける。そして、キャリア設定部370は、モータ温度TMに応じたキャリア周波数を設定し、そのキャリア周波数の搬送波CARをPWM信号生成部350へ出力する。
PWM信号生成部350は、各相における電圧指令値Vu,Vv,Vwと、キャリア設定部370からの搬送波CARとの比較に基づいて、インバータ131のスイッチング制御信号PWI1を生成する。
図20は、実施の形態3の場合の、ECU300で実行される電流修正制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図20は、実施の形態1の図11に示したフローチャートに、ステップS111〜S114が追加されたものとなっている。図20において、図11と重複するステップの説明は繰り返さない。
図20を参照して、ECU300は、S110にてモータ電流を取得すると、次にS111に処理を進め、温度センサ22からモータ温度TMを取得する。
ECU300は、S112にて、取得したモータ温度TMは、所定の基準温度よりも大きいか否かを判定する。
モータ温度TMが基準温度よりも大きい場合(S112にてYES)は、処理がS113に進められ、ECU300は、搬送波CARのキャリア周波数をデフォルト値であるFC0に設定する。
一方、モータ温度TMが基準温度以下の場合(S112にてNO)は、処理がS114に進められ、ECU300は、搬送波CARのキャリア周波数をデフォルト値よりも低いFC1に設定する。
その後、ECU300は、図11と同様にS120以降の処理を進めるが、S150においては、モータ温度TMに基づいてS113またはS114で設定されたキャリア周波数の搬送波CARを用いて、制御信号PWI1,PWI2を生成する。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、モータジェネレータの温度が低い場合には、モータジェネレータに供給する電流にオフセット電流を重畳することによる永久磁石の昇温に加えて、キャリア周波数の低減によってモータジェネレータを昇温することができる。これによって、より短時間でモータジェネレータを昇温することができるので、低温時におけるモータジェネレータの逆起電圧の増加を抑制することが可能となる。
ただし、キャリア周波数を低減した搬送波を連続して使用すると、急激に永久磁石の温度が上昇してしまい、逆に磁力が低減してしまう可能性がある。そのため、たとえば、モータ温度や、キャリア周波数の低減を継続している時間などを管理して、磁力の低下を抑制することが好ましい。
なお、図20のフローチャートにおけるキャリア周波数の設定は、基準温度より大きいか否かで2つのキャリア周波数を切替える構成としたが、キャリア周波数の数はこれに限られず、2つ以上の基準温度を設けて、モータ温度TMに応じて、より細かい区分でキャリア周波数を設定するようにしてもよい。さらに、予め定められたマップや演算式を用いて、モータ温度TMに応じて、キャリア周波数を連続的に変化させるようにしてもよい。
また、上記では、温度センサを設けて実際のモータジェネレータの温度を検出する構成を説明したが、実施の形態2のように、温度センサを用いずに、予測した永久磁石の温度に基づいてキャリア周波数をしてもよい。
さらに、実施の形態3については、上述の実施の形態1の変形例および実施の形態2についても適用可能である。
なお、本実施の形態における「モータジェネレータMG1,MG2」は、本発明における「交流モータ」の一例である。本実施の形態における「インバータ131,135」は、本発明における「電力変換装置」の一例である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,13 電圧センサ、11,22 温度センサ、12,24,25 電流センサ、20 直流電源部、26,27 回転角センサ、30 負荷装置、100 車両、110 蓄電装置、120 コンバータ、130,131,135 インバータ、132 U相上下アーム、133 V相上下アーム、134 W相上下アーム、140 動力分割機構、150 エンジン、160 駆動輪、300 ECU、310 電流指令生成部、320,321,340 座標変換部、330 PI演算部、350 PWM信号生成部、360,361 修正部、370 キャリア設定部、C1,C2 コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、NL 接地線、PL1,PL2 電力線、Q1〜Q8 スイッチング素子、SR1,SR2 システムリレー。

Claims (11)

  1. 直流電源(20)からの電力を用いて交流モータ(MG1,MG2)を駆動するためのモータ駆動装置であって、
    前記交流モータ(MG1,MG2)は、ステータのコイルに駆動電流を流すことによって生じる電流磁界を用いて、永久磁石が設けられたロータを回転させるように構成され、
    前記モータ駆動装置は、
    前記直流電源(20)からの直流電力を、前記交流モータ(MG1,MG2)を駆動するための交流電力に変換するように構成された電力変換装置(130)と、
    前記コイルの少なくとも1相にオフセット電流を重畳させて前記永久磁石を昇温させるように前記電力変換装置(130)を制御するための制御装置(300)とを備える、モータ駆動装置。
  2. 前記制御装置(300)は、前記交流モータ(MG1,MG2)の回転速度に応じて、前記オフセット電流の大きさを変化させる、請求の範囲第1項に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記制御装置(300)は、前記回転速度が大きくなるほど、前記オフセット電流が大きくなるように前記電力変換装置(130)を制御する、請求の範囲第2項に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記制御装置(300)は、前記回転速度に比例するように前記オフセット電流の大きさを設定する、請求の範囲第3項に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記制御装置(300)は、前記回転速度が増加するにつれて、前記オフセット電流を階段状に増加させる、請求の範囲第3項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記制御装置(300)は、前記回転速度に基づいて予め定められたマップを用いて、前記オフセット電流の大きさを設定する、請求の範囲第3項に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記制御装置(300)は、前記回転速度が基準回転速度を下回る場合には、前記オフセット電流の重畳を停止する、請求の範囲第2項〜第6項のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記制御装置(300)は、前記交流モータ(MG1,MG2)の駆動開始時において、前記永久磁石に関連する温度が基準値を下回る場合は前記オフセット電流の重畳を実行し、前記永久磁石に関連する温度が前記基準値を上回る場合は前記オフセット電流の重畳を実行しない、請求の範囲第7項に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記制御装置(300)は、前記交流モータ(MG1,MG2)の駆動状態に基づいて前記永久磁石の温度上昇の時間的変化を定めたマップを有し、前記交流モータ(MG1,MG2)のトルク指令値および回転速度に基づいて前記マップを用いて前記永久磁石の温度上昇値を演算するとともに、演算された前記温度上昇値を前記交流モータ(MG1,MG2)の駆動開始から時間軸方向に積算することによって前記永久磁石の温度を推定し、推定された前記永久磁石の温度がしきい値に到達した場合に、前記オフセット電流の重畳を停止する、請求の範囲第1項に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記電力変換装置(130)は、
    スイッチング素子(Q3〜Q8)を含んで構成され、パルス幅変調制御に従って前記スイッチング素子(Q3〜Q8)を制御することによって電力変換を行なうインバータ(134,135)を含み、
    前記制御装置(300)は、前記永久磁石の温度が基準温度を下回る場合は、前記永久磁石の温度が前記基準温度を上回る場合よりも、前記パルス幅変調制御に用いられる搬送波の周波数を相対的に低く設定する、請求の範囲第1項に記載のモータ駆動装置。
  11. 車両であって、
    直流電源(20)と、
    ステータのコイルに駆動電流を流すことによって生じる電流磁界を用いて、永久磁石が設けられたロータを回転させ、前記車両を走行するための駆動力を生成するように構成された交流モータ(MG1,MG2)と、
    前記直流電源(20)からの電力を、前記交流モータ(MG1,MG2)を駆動するための交流電力に変換するように構成された電力変換装置(130)と、
    前記コイルの少なくとも1相にオフセット電流を重畳させて前記永久磁石を昇温させるように前記電力変換装置(130)を制御するための制御装置(300)とを備える、車両。
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