JP5720644B2 - 車両 - Google Patents

車両 Download PDF

Info

Publication number
JP5720644B2
JP5720644B2 JP2012188580A JP2012188580A JP5720644B2 JP 5720644 B2 JP5720644 B2 JP 5720644B2 JP 2012188580 A JP2012188580 A JP 2012188580A JP 2012188580 A JP2012188580 A JP 2012188580A JP 5720644 B2 JP5720644 B2 JP 5720644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
rotor
motor
origin
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012188580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014050124A (ja
Inventor
七郎斎 及部
七郎斎 及部
山本 鉄隆
鉄隆 山本
博之 小柳
博之 小柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012188580A priority Critical patent/JP5720644B2/ja
Priority to US13/964,640 priority patent/US9184681B2/en
Priority to CN201310359172.3A priority patent/CN103684166B/zh
Publication of JP2014050124A publication Critical patent/JP2014050124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5720644B2 publication Critical patent/JP5720644B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/0003Control strategies in general, e.g. linear type, e.g. P, PI, PID, using robust control
    • H02P21/0025Control strategies in general, e.g. linear type, e.g. P, PI, PID, using robust control implementing a off line learning phase to determine and store useful data for on-line control

Description

本発明は、レゾルバの出力を用いてモータを矩形波制御(矩形波電圧制御)によって制御する車両に関する。
特開2008−283751号公報(特許文献1)には、モータを矩形波制御方式で駆動するシステムにおいて、ロータ回転位置センサで検出されたロータ回転位置に基づいてトルク制御用のモータ指令電流ベクトルおよびモータ検出電流ベクトルを演算し、モータ指令電流ベクトルから求められた推定トルクとモータ検出電流ベクトルから求められた推定ベクトルとの偏差がゼロとなるように矩形波電圧の位相を補正することで、不快なトルク変動を防止する技術が開示されている。
特開2008−283751号公報 特開2004−266935号公報 特開2009−60752号公報 特開2010−187506号公報 特開2011−240903号公報
ところで、一般的にロータ回転位置センサにはレゾルバと呼ばれるセンサが用いられるが、このレゾルバの検出値には、いわゆる原点オフセット誤差が含まれる場合がある。そのため、原点オフセット誤差を算出する制御(以下「原点学習」ともいう)を行ない、その結果でレゾルバの検出値を補正することが望ましい。しかしながら、原点学習が完了していない場合には、原点オフセット誤差の影響で推定トルクに誤差が生じ、モータの出力トルクが急変してしまうことが懸念される。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、レゾルバの出力を用いてモータを矩形波制御によって制御する車両において、原点未学習時であってもモータの出力トルクの急変を回避することである。
この発明に係る制御装置は、ロータを有するモータと、ロータの回転角を検出するレゾルバと、レゾルバによるロータの検出角を用いて、モータを矩形波制御によって制御する制御装置とを備える。制御装置は、ロータの実回転角の原点とロータの検出角の原点とのずれ量を学習する原点学習を行ない、原点学習の結果でロータの検出角を補正する。制御装置は、原点学習が完了していない場合、モータの出力の急変を回避するための回避制御を行なう。
好ましくは、制御装置は、原点学習が完了した後は、矩形波制御に用いられる矩形波電圧位相の制御範囲を第1範囲とする。回避制御は、矩形波電圧位相の制御範囲を第1範囲よりも制限する制御である。
好ましくは、制御装置は、矩形波制御を行なう際、ロータの検出角を用いてモータの推定トルクを算出し、推定トルクとモータの指令トルクとの偏差に基づいてモータをフィードバック制御する。制御装置は、原点学習が完了した後は、矩形波制御時の指令トルクの上限を第1ラインとする。回避制御は、矩形波制御時のトルク指令値の上限を第1ラインよりも低下させる制御である。
好ましくは、制御装置は、矩形波制御およびパルス幅変調制御のいずれかによってモータを制御可能である。回避制御は、モータを矩形波制御によって制御することを禁止する制御である。
好ましくは、制御装置は、矩形波制御を行なう際、ロータの検出角を用いてモータの推定トルクを算出し、推定トルクとモータの指令トルクとの偏差に基づいてモータをフィードバック制御する。回避制御は、推定トルクの算出に用いられるロータの検出角を、推定トルクが増加する方向に補正する制御である。
好ましくは、制御装置は、矩形波制御を行なう際、ロータの検出角を用いてモータの推定トルクを算出し、推定トルクとモータの指令トルクとの偏差に基づいてモータをフィードバック制御する。回避制御は、ロータの検出角を用いて算出された推定トルクを増加補正する制御である。
好ましくは、制御装置は、矩形波制御を行なう際、ロータの検出角を用いてモータの推定トルクを算出し、推定トルクとモータの指令トルクとの偏差に基づいてモータをフィードバック制御する。回避制御は、指令トルクの変化率を所定値未満に制限する制御である。
本発明によれば、レゾルバの出力を用いてモータを矩形波制御によって制御する車両において、原点未学習時であってもモータの出力トルクの急変を回避することができる。
本実施の形態による車両の概略構成図である。 モータの制御方式を説明するための図である。 PWM制御領域と矩形波電圧制御領域との関係を示す図である。 PWM制御の制御ブロック図である。 矩形波電圧制御の制御ブロック図(その1)である。 原点学習の手法を説明するための図である。 トルク急変回避制御を説明するための図(その1)である。 トルク急変回避制御を説明するための図(その2)である。 トルク急変回避制御を説明するための図(その3)である。 矩形波電圧制御の制御ブロック図である。 モータの実トルクと推定トルクTrqとの対応関係を示す図である。 指令トルクTrqcomと実トルクとの対応関係を示す図である。 矩形波電圧制御の制御ブロック図(その2)である。 d軸電流Idおよびq軸電流Iqの補正手法を説明するための図である。 矩形波電圧制御の制御ブロック図(その3)である。 矩形波電圧制御の制御ブロック図(その4)である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰り返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態による車両100の概略構成図である。車両100は、直流電圧発生部10♯と、平滑コンデンサC0と、インバータ14と、制御装置30と、モータM1とを備える。
モータM1は、ロータを備える交流同期モータであり、たとえばロータに永久磁石を用いた永久磁石型の同期モータである。モータM1は、インダクタンスの突極性(d軸のインダクタンスとq軸のインダクタンスとが相違する特性)を有する。
本実施の形態では、モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車等の電動車両の駆動輪を駆動するためのトルクを発生する駆動用モータである。なお、電動車両は、エンジンを搭載しない電気自動車を含め、車両駆動力発生用のモータを搭載する車両全般を含むものである。なお、モータM1は、一般的には、ジェネレータとしても機能するように構成される。
直流電圧発生部10♯は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等を含んで構成される二次電池、燃料電池や電気二重層キャパシタ、あるいは、これらの組合せから成る。直流電源Bに設けられた監視ユニット10によって、直流電源Bの電圧(Vb)、電流および温度が検出される。監視ユニット10による検出値は、制御装置30へ出力される。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電力線6との間に接続され、システムリレーSR2は、直流電源Bの負極端子および電力線5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオンオフされる。平滑コンデンサC1は、電力線6および電力線5の間に接続される。電力線6および電力線5の間の直流電圧VLは、電圧センサ11によって検出される。電圧センサ11による検出値は、制御装置30へ送出される。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。
電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、電力線7および電力線5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオンオフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。
リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、電力線7および電力線5の間に接続される。
インバータ14は、電力線7および電力線5の間に並列に設けられる、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。各相アームは、電力線7および電力線5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相アーム15はスイッチング素子Q3,Q4から成り、V相アーム16はスイッチング素子Q5,Q6から成り、W相アーム17はスイッチング素子Q7,Q8から成る。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q3〜Q8のオンオフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。
各相アームの中間点は、モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成される。
コンバータ12は、制御装置30からのスイッチング制御信号S1,S2に応答したスイッチング動作を行なう。コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された直流電圧VLを直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)へ昇圧する。また、コンバータ12は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧VLに降圧する。これらの昇圧動作または降圧動作における電圧変換比(VHおよびVLの比)は、スイッチング素子Q1,Q2の制御デューティ比を調整することによって制御可能である。なお、コンバータ12の停止時には、VH=VL(電圧変換比=1.0)となる。
平滑コンデンサC0は、電力線7上の直流電圧を平滑化する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧、すなわち、システム電圧VHを検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
インバータ14は、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作を行なう。モータM1のトルク指令値が正(Trqcom>0)の場合には、インバータ14は、電力線7上の直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するようにモータM1を駆動する。また、モータM1のトルク指令値が零の場合(Trqcom=0)には、インバータ14は、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるようにモータM1を駆動する。これにより、モータM1は、指令トルクTrqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
車両100の回生制動時には、モータM1の指令トルクTrqcomは負に設定される(Trqcom<0)。この場合には、インバータ14は、モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介してコンバータ12へ供給する。
電流センサ24は、モータM1に流れる電流(相電流)を検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。なお、三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するようにしてもよい。
レゾルバ25は、モータM1のロータ回転角(ロータ磁極位置)を検出し、制御装置30へ送出する。なお、以下では、レゾルバ25が検出したロータ回転角を「ロータ検出角θc」と記載する。後述するように、制御装置30は、ロータ検出角θcを用いてモータM1の出力を制御する。
制御装置30は、電子制御ユニット(ECU)により構成され、予め記憶されたプログラムを図示しないCPU(Central Processing Unit)で実行することによるソフトウェア処理および/または専用の電子回路によるハードウェア処理により、車両100の各機器を制御する。
たとえば、制御装置30は、システム電圧VHが電圧指令値に一致するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成し、コンバータ12に出力する。また、制御装置30は、後述する制御方式によりモータM1が指令トルクTrqcomに従ったトルクを出力するようにスイッチング制御信号S3〜S8を生成し、インバータ14へ出力する。
図2は、モータM1の制御方式を説明するための図である。制御装置30は、パルス幅変調(PWM)制御方式または矩形波電圧制御でモータM1を制御する。
PWM制御方式には、正弦波PWM制御モードと、過変調PWM制御との2つの制御モードが含まれる。正弦波PWM制御は、一般的なPWM制御方式として用いられるものであり、各相アームにおけるスイッチング素子のオンオフを、正弦波状の電圧指令値と搬送波(代表的には三角波)との電圧比較に従って制御する。過変調PWM制御は、搬送波の振幅を縮小するように歪ませた上で上記正弦波PWM制御と同様のPWM制御を行なうものである。これらのPWM制御方式では、変調率を0.78程度の範囲までしか高めることができない。
一方、矩形波電圧制御は、ハイレベル期間およびローレベル期間の比が1:1の矩形波1パルス分をモータM1に印加するもので、PWMデューティを最大値に維持した場合に相当する。これにより、変調率は0.78程度まで高められる。
なお、上記のPWM制御および矩形波電圧制御は周知の制御方式であるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
図3は、PWM制御領域と矩形波電圧制御領域との関係を示す図である。モータM1の回転速度とトルクとで定まるモータ動作点は、図3に示す上限ライン未満の領域で制御される。上限ライン未満の領域のうち、図3に示す境界ラインよりも低トルク低回転側の領域A1がPWM制御領域であり、境界ラインよりも高トルク高回転側の領域A2が矩形波電圧制御領域である。制御装置30は、モータ動作点が領域A1に含まれる場合にはPWM制御方式でモータM1を制御し、モータ動作点が領域A2に含まれる場合には矩形波電圧制御方式でモータM1を制御する。
いずれの制御方式においても、モータM1の制御では、ロータの永久磁石の磁束方向(d軸)とそれに直交する方向(q軸)とを座標軸とする回転座標系が用いられる。この回転座標系は、ロータ検出角θcに基づいて認識される。以下では、実際のd軸、q軸、d−q軸と区別するために、ロータ検出角θcに基づいて認識される制御上のd軸、q軸、d−q軸をそれぞれ「dc軸」、「qc軸」、「dc−qc軸」と記載する。
(PWM制御)
図4は、制御装置30によって実行されるPWM制御の制御ブロック図である。制御装置30は、PWM制御を行なうPWM制御部200を含む。PWM制御部200は、電流指令生成部210と、座標変換部220,250と、PI演算部240と、PWM信号生成部260と、原点学習部270とを含む。
電流指令生成部210は、予め作成されたテーブル等に従って、指令トルクTrqcomに応じたd軸電流指令値Idcomおよびq軸電流指令値Iqcomを生成する。
原点学習部270は、ロータ検出角θcに基づいてdc−qc軸(制御上のd−q軸)を認識し、認識したdc−qc軸と実際のd−q軸との差(以下「原点オフセット誤差Δθ」という)を算出する。
原点オフセット誤差Δθは、モータM1のコイル位置に対してレゾルバ25の取り付け位置がずれることによって生じる誤差であり、ロータ検出角θcの原点と実際のロータ回転角θの原点との差に相当する。原点オフセット誤差Δθは、ロータ検出角θcに関わらず一定であり、ロータ検出角θcに応じて周期的に変動する誤差(いわゆる周期誤差)とは異なる誤差である。以下では、原点オフセット誤差Δθを算出する制御を単に「原点学習」とも記載する。原点学習の手法については後に詳述する。
原点学習部270は、原点学習が完了している場合、原点学習で得られた原点オフセット誤差Δθを用いてロータ検出角θcを補正し、補正後のロータ検出角θcを「ロータ学習角θc#」として出力する。原点学習部270は、原点学習が完了していない場合、レゾルバ25からのロータ検出角θcをそのまま出力する。
座標変換部220は、原点学習部270の出力(ロータ学習角θc♯またはロータ検出角θc)を用いた座標変換(3相→2相)により、電流センサ24によって検出されたV相電流ivおよびW相電流iwを基に、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
PI演算部240には、d軸電流の指令値に対する偏差ΔId(ΔId=Idcom−Id)およびq軸電流の指令値に対する偏差ΔIq(ΔIq=Iqcom−Iq)が入力される。PI演算部240は、d軸電流偏差ΔIdおよびq軸電流偏差ΔIqについて所定のゲインによるPI演算を行なって制御偏差を求め、この制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
座標変換部250は、原点学習部270の出力(ロータ学習角θc♯またはロータ検出角θc)を用いた座標変換(2相→3相)によって、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯をU相、V相、W相の各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換する。なお、d軸,q軸電圧指令値Vd♯,Vq♯から各相電圧指令値Vu,Vv,Vwへの変換には、システム電圧VHも反映される。
PWM信号生成部260は、各相における電圧指令値Vu,Vv,Vwと所定の搬送波(キャリア信号)との比較に基づいて、図1に示したスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。インバータ14がスイッチング制御信号S3〜S8に従ってスイッチング制御されることにより、電流指令生成部210に入力された指令トルクTrqcomに従ったトルクを出力するための交流電圧がモータM1に印加される。
このように、PWM制御においては、モータ電流(Id、Iq)を指令トルクTrqcomに応じた電流指令値(Idcom,Iqcom)に追従させる電流フィードバック制御が行なわれる。
(矩形波電圧制御)
図5は、制御装置30によって実行される矩形波電圧制御の制御ブロック図である。制御装置30は、矩形波電圧制御を行なう矩形波電圧制御部400を含む。矩形波電圧制御部400は、座標変換部220と、原点学習部270と、トルク推定部420と、PI演算部430と、位相リミッタ432と、矩形波発生部440と、信号発生部450とを含む。
原点学習部270は、PWM制御方式時と同様に、原点学習が完了している場合はロータ学習角θc#を出力し、原点学習が完了していない場合はロータ検出角θcをそのまま出力する。
座標変換部220は、PWM制御方式時と同様に、原点学習部270の出力(ロータ学習角θc♯またはロータ検出角θc)を用いて、V相電流ivおよびW相電流iwから求められる各相電流をd軸電流Idおよびq軸電流Iqに座標変換する。
トルク推定部420は、座標変換部220によって求められたd軸電流Idおよびq軸電流Iqを用いて、モータM1の出力トルクを推定する。トルク推定部420は、たとえば、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを引数として推定トルクTrqを出力するトルク算出マップにより構成される。
PI演算部430へは、指令トルクTrqcomに対する推定トルクTrqの偏差ΔTrq(ΔTrq=Trqcom−Trq)が入力される。PI演算部430は、トルク偏差ΔTrqについて所定ゲインによるPI演算を行なって制御偏差を求め、求められた制御偏差に応じて矩形波電圧の位相φを設定する。PI演算部430は、偏差ΔTrqが正であると位相φを進め、そうでないと位相φを遅らせる。このように、矩形波電圧制御では、矩形波電圧の位相φを操作することによって推定トルクTrqを指令トルクTrqcomに追従させる。
位相リミッタ432は、PI演算部430の出力する位相φに所定の制限をかけた電圧位相φvを矩形波発生部440に出力する。本実施の形態においては、この位相リミッタ432が、原点未学習時のモータM1の出力急変を回避するための制御(以下「トルク急変回避制御」ともいう)を行なう。具体的には、位相リミッタ432は、原点未学習時の位相φの制御範囲を、原点学習後(通常時)の位相φの制御範囲よりも制限する。この点が本実施の形態の最も特徴的な点である。位相リミッタ432によるトルク急変回避制御(位相φの制限手法)については後に詳述する。
矩形波発生部440は、位相リミッタ432からの電圧位相φvに従って、各相電圧指令値(矩形波パルス)Vu,Vv,Vwを生成する。信号発生部450は、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに従ってスイッチング制御信号S3〜S8を発生する。インバータ14がスイッチング制御信号S3〜S8に従ったスイッチング動作を行なうことにより、電圧位相φvに従った矩形波パルス電圧が、モータM1の各相に印加される。
このように、矩形波電圧制御においては、モータM1の推定トルクTrqを指令トルクTrqcomに追従させるトルクフィードバック制御が行なわれる。
(原点学習)
図6は、上述の原点学習部270による原点学習の手法を説明するための図である。なお、原点学習の手法は、必ずしも以下に説明する手法に限定されるものではない。
一般的に、モータの電圧方程式は簡易的に下記の式(1)で表わすことができる。
Vd=−ωLqIq、Vq=ωLqIq+ωΦ …(1)
式(1)において、「ω」は電気角速度を示し、「Ld」はd軸インダクタンスを示し、「Lq」はq軸インダクタンスを示し、「Φ」は電機子鎖交磁束数を示す。
モータM1に電流が流れていない状態(Iq=Iq=0の状態)でかつモータM1が回転している状態(ωが0でない状態)では、式(1)よりVd=0、Vq=ωΦとなり、q軸にのみωΦの逆起電圧が印加されることになる。ところが、図6に示すように、制御上のdc−qc軸と実際のd−q軸との間に原点オフセット誤差Δθが存在すると、制御上は、逆起電圧ωΦがqc軸だけでなくdc軸にも印加されるように認識されるため、モータ電流が0であるとは認識されない。
このような現象を利用して、原点学習部270は原点学習を行なう。具体的には、原点学習部270は、モータM1に電流が流れていない状態でかつモータM1が回転している状態であるという学習許可条件の成否を判定する。そして、学習許可条件が成立すると、原点学習部270は、dc−qc軸を所定角度ずつ回転させ、モータ電流が0と認識されるか否かを判定する。そして、原点学習部270は、モータ電流が0と認識されるときのdc−qc軸の回転角を原点オフセット誤差Δθとして学習する。
(トルク急変回避制御)
上述したように、原点学習部270は、学習許可条件が成立すると原点学習を行なう。そして、原点学習が完了した後は、原点学習部270は原点オフセット誤差Δθを用いてロータ検出角θcを補正した「ロータ学習角θc#」を出力する。
しかしながら、原点未学習時は、原点学習部270は、レゾルバ25が検出したロータ検出角θcをそのまま座標変換部220に出力する。そのため、原点未学習時においては、座標変換部220が算出するd軸電流Idおよびq軸電流Iqには、原点オフセット誤差Δθに応じた誤差が生じる。その結果、特に、矩形波電圧制御におけるトルクフィードバック制御において、トルク推定部420による推定トルクTrqに誤差が生じ、モータM1の出力トルクが急変してしまうことが懸念される。
このようなトルク急変を回避するための制御(トルク急変回避制御)として、本実施の形態による位相リミッタ432は、上述したように、原点未学習時の矩形波電圧位相φの制御範囲を、原点学習完了後(通常時)の矩形波電圧位相φの制御範囲よりも制限する。
図7は、位相リミッタ432によるトルク急変回避制御(位相φの制限手法)を説明するための図である。モータM1の出力トルクは、図7に示されるように、矩形波電圧の位相φに応じて変化する。具体的には、位相φが0であると出力トルクは0となる。電圧位相φが0よりも大きい領域(進角領域)では、出力トルクは正の値となり、φ=φ2のときに極大となる。電圧位相φが0よりも小さい領域(遅角領域)では、出力トルクは負の値となり、φ=−φ2のときに極小(最小)となる。
位相リミッタ432は、原点学習が完了しているか否かを判定する。そして、位相リミッタ432は、原点学習が完了している場合(通常時)は、位相φを−φ2からφ2までの範囲に制限する。一方、位相リミッタ432は、原点学習が完了していない場合は、位相φを−φ1(>−φ2)からφ1(<φ2)までの範囲に制限する。このように、位相リミッタ432は、通常時の位相φの制御範囲(−φ2〜φ2)よりも、原点未学習時の位相φの制御範囲(−φ1〜φ1)を制限する。これにより、原点未学習時には、矩形波電圧制御において、原点オフセット誤差Δθの影響が特に大きい高トルク域(図7に示す例では領域α、β)での制御が回避される。そのため、原点未学習時であっても、出力トルクの急変を回避することができる。
以上のように、本実施の形態においては、原点未学習時の矩形波電圧の位相φの制御範囲を、通常時(原点学習完了後)よりも制限する。これにより、原点オフセット誤差Δθの影響が特に大きい高トルク域での制御が回避される。そのため、原点未学習時であっても出力トルクの急変を回避することができる。
<実施の形態1の変形例1>
上述の実施の形態1によるトルク急変回避制御では、原点オフセット誤差Δθの影響が特に大きい高トルク域での制御を回避するために、原点未学習時の矩形波電圧の位相φの制御範囲を通常時よりも制限した。
これに対し、本変形例によるトルク急変回避制御では、高トルク域での制御をより直接的に回避するために、矩形波電圧制御中において、原点未学習時のトルクを通常時よりも制限する。
図8は、本変形例によるトルク急変回避制御(トルク制限)の一例を説明するための図である。本変形例においては、矩形波電圧制御領域A2を高トルク高回転側の領域と低トルク低回転側の領域とに分ける分割ライン(一点鎖線参照)が設けられる。そして、制御装置30は、矩形波電圧制御中において、通常時(原点学習完了後)には指令トルクTrqcomの設定範囲を矩形波電圧制御領域A2の全域とし、原点未学習時には指令トルクTrqcomの設定範囲を分割ラインよりも低トルク低回転側に制限する。すなわち、矩形波電圧制御中において、通常時(原点学習完了後)には指令トルクTrqcomの上限が上限ラインに設定され、原点未学習時には指令トルクTrqcomの上限が上限ラインよりも低トルク側の分割ラインに設定される。
このようにすると、原点未学習時には、分割ラインを超える高トルク域に指令トルクTrqcomが設定されることが回避される。そのため、実施の形態1と同様、原点未学習時であっても出力トルクの急変を回避することができる。
<実施の形態1の変形例2>
また、高トルク域での制御を直接的に回避する他の手法として、原点未学習時には、矩形波電圧制御の実行を禁止してモータM1の制御方式をPWM制御方式に固定するようにしてもよい。
図9は、本変形例によるトルク急変回避制御(矩形波電圧制御禁止)を説明するための図である。本変形例においては、制御装置30は、通常時(原点学習完了後)には指令トルクTrqcomを矩形波電圧制御領域A2に設定することを許容し、原点未学習時には指令トルクTrqcomを矩形波電圧制御領域A2に設定することを禁止する。言い換えれば、通常時(原点学習完了後)には指令トルクTrqcomの上限が上限ラインに設定され、原点未学習時には指令トルクTrqcomの上限が上限ラインよりも低トルク側の境界ラインに設定される。
このようにすると、原点未学習時には、矩形波電圧制御が禁止され、モータM1の制御方式がPWM制御方式に固定される。そのため、原点未学習時には、比較的高いトルク域である領域A2に指令トルクTrqcomが設定されることが回避される。そのため、実施の形態1と同様、原点未学習時であっても出力トルクの急変を回避することができる。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1によるトルク急変回避制御では、原点未学習時に原点オフセット誤差Δθの影響が大きい高トルク域(図7の領域α、β)での制御を回避していた。そのため、原点未学習時において、出力トルクの急変を回避することができるが、その一方で高トルクを出力できなくなってしまう。
そこで、本実施の形態2によるトルク急変回避制御では、矩形波電圧制御を行なう際、原点未学習時に、高トルク域での制御を許容しつつ、出力トルクの急変を回避するように推定トルクTrqの算出に用いられるロータ検出位置θcを予め定められた手法で補正する。その他の構造、機能、処理は、前述の実施の形態1と同じであるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
以下、本実施の形態によるトルク急変回避制御(ロータ検出位置θcの補正)について説明する。
図10は、本実施の形態による矩形波電圧制御部400Aによって実行される矩形波電圧制御の制御ブロック図である。矩形波電圧制御部400Aは、上述の図5に示した矩形波電圧制御部400に対し、位相リミッタ432を位相リミッタ432Aに変更し、さらに補正部271を追加したものである。その他の機能ブロックについては、既に説明したため詳細な説明はここでは繰り返さない。
位相リミッタ432Aは、PI演算部430の出力する位相φに所定の制限をかけた電圧位相φvを矩形波発生部440に出力する。この際、位相リミッタ432Aは、原点未学習時であっても、通常時(原点学習後)と同様に、位相φの制御範囲を上述の図7に示す−φ2〜φ2の範囲とする。これにより、原点未学習時であっても、高トルク域(図7の領域α、β)での制御が許容される。
補正部271は、原点未学習時である場合、原点学習部270から出力されるロータ検出角θcを予め定められた手法で補正し、補正後のロータ検出角θcを「ロータ補正角θc’」として座標変換部220に出力する。なお、補正部271は、原点学習後である場合、原点学習部270から出力されるロータ学習角θc#をそのまま座標変換部220に出力する。したがって、座標変換部220において、原点未学習時にはロータ補正角θc’を用いた座標変換が行なわれ、原点学習後にはロータ学習角θc#を用いた座標変換が行なわれる。
図11は、原点未学習時におけるモータM1の実トルクとトルク推定部420で推定される推定トルクTrqとの対応関係の一例を示す図である。図12は、図11のような実トルクと推定トルクTrqとの対応関係がある場合における、指令トルクTrqcomと実トルクとの対応関係を示す図である。
上述したように、矩形波電圧制御では、推定トルクTrqを指令トルクTrqcomに追従させるトルクフィードバック制御が行なわれる。そのため、図11に示すように原点誤差の影響で推定トルクTrqが実トルクよりも小さく算出された場合には、トルクフィードバック制御の作用によって矩形波電圧位相φが適正値よりも進角されるため、図12に示すように指令トルクTrqcomに対して実トルクが過剰に大きくなる。このような現象がトルク急変の要因となる。
なお、図11に示す例とは反対に、原点誤差の影響で推定トルクTrqが実トルクよりも大きく算出された場合には、トルクフィードバック制御の作用によって矩形波電圧位相φが適正値よりも遅角されるため、指令トルクTrqcomに対して実トルクが小さくなる。しかしながら、この場合には、ユーザが要求するトルク(指令トルクTrqcom)に対して実トルクが小さいため、トルク急変は大きな問題とはならない。
そこで、補正部271は、原点未学習時に、トルク推定部420で推定される推定トルクTrqが増加する方向に、所定の角補正量θhだけ、ロータ検出位置θcを補正する。
具体的には、補正部271は、指令トルクTrqcom(q軸電流Iqの前回値でもよい)の符号を判定する。そして、Trqcom≧0のときは、推定トルクTrqが増加する方向はプラス方向となるため、補正部271は、ロータ補正角θc’をθc’=θc+θhと算出する。反対に、Trqcom<0のときは、推定トルクTrqが増加する方向はマイナス方向となるため、補正部271は、ロータ補正角θc’をθc’=θc−θhとする。
なお、モータM1の極対数を「p」、レゾルバ25の極数を「R」とすると、電気角θeはθe=θc’×p/Rで表わすことができる。そのため、座標変換部220によって算出されるd軸電流Idおよびq軸電流Iqは、それぞれ下記の式(1)、(2)のようになる。
Figure 0005720644
以上のように、本実施の形態2では、矩形波電圧制御を行なう際、原点未学習時において、高トルク域での制御を許容しつつ、推定トルクTrqが増加する方向にロータ検出位置θcを予め補正する。そのため、矩形波電圧制御におけるトルクフィードバック制御の作用によって指令トルクTrqcomに対して実トルクが過剰に大きくなることが抑制される。そのため、原点未学習時であっても、高トルク域での制御を許容しつつ、出力トルクの急変を回避することができる。
<実施の形態2の変形例1>
上述の実施の形態2によるトルク急変回避制御では、矩形波電圧制御を行なう際、原点未学習時に、推定トルクTrqが増加する方向に、座標変換部220による座標変換に用いられるロータ検出位置θcを補正した。
これに対し、本変形例によるトルク急変回避制御では、推定トルクTrqが増加する方向に、座標変換部220による座標変換の結果(d軸電流Idおよびq軸電流Iq)を補正する。
以下、本変形例によるトルク急変回避制御(d軸電流Idおよびq軸電流Iqの補正)について説明する。
図13は、本変形例による矩形波電圧制御部400Bによって実行される矩形波電圧制御の制御ブロック図である。矩形波電圧制御部400Bは、上述の図10に示した矩形波電圧制御部400Aに対し、補正部271を削除し、補正部221を追加したものである。その他の機能ブロックについては、既に説明したため詳細な説明はここでは繰り返さない。
補正部221は、原点未学習時である場合、ロータ検出角θcを用いて座標変換部220が算出したd軸電流Idおよびq軸電流Iqを補正し、補正後のd軸電流Idおよびq軸電流Iqをそれぞれ「補正d軸電流Id’」および「補正q軸電流Iq’」としてトルク推定部420に出力する。
なお、補正部221は、原点学習後である場合、ロータ学習角θc#を用いて座標変換部220が算出したd軸電流Idおよびq軸電流Iqをそのままトルク推定部420に出力する。
図14は、補正部221によるd軸電流Idおよびq軸電流Iqの補正手法を説明するための図である。
図14に示すように、d軸を基準とする補正前の電流位相を「φi」、電流位相φiの補正量を「φih」、(Iq+Id)の平方根を「Ir」とした場合、補正部221は、補正d軸電流Id’および補正q軸電流Iq’を以下のよう算出する。
補正部221は、指令トルクTrqcom(q軸電流Iqの前回値でもよい)の符号を判定する。そして、Trqcom≧0のときは、補正部221は、Id’=Ir×cos(φi−φih)、Iq’=Ir×sin(φi−φih)とする。一方、指令トルクTrqcom<0のときは、補正部221は、Id’=Ir×cos(φi+φih)、Id’=Ir×sin(φi+φih)とする。なお、φiはatan(Iq/Id)で表わすことができる。
以上のように、原点未学習時にd軸電流Idおよびq軸電流Iqを推定トルクTrqが増加する方向に補正することによっても、上述の実施の形態2と同様、高トルク域での制御を許容しつつ出力トルクの急変を回避することができる。
<実施の形態2の変形例2>
上述の実施の形態2によるトルク急変回避制御では、矩形波電圧制御を行なう際、原点未学習時にロータ検出位置θcを補正することで、推定トルクTrqを間接的に増加させた。
これに対し、本変形例によるトルク急変回避制御では、原点未学習時に推定トルクTrqを直接的に増加させる。
以下、本変形例によるトルク急変回避制御(推定トルクTrqの増加補正)について説明する。
図15は、本変形例による矩形波電圧制御部400Cによって実行される矩形波電圧制御の制御ブロック図である。矩形波電圧制御部400Cは、上述の図13に示した矩形波電圧制御部400Bに対し、補正部221を削除し、補正部421を追加したものである。その他の機能ブロックについては、既に説明したため詳細な説明はここでは繰り返さない。
補正部421は、原点未学習時である場合、トルク推定部420が算出した推定トルクTrqを所定値だけ増加補正して出力する。なお、補正部421は、通常時(原点学習後)である場合、トルク推定部420が算出した推定トルクTrqをそのまま出力する。
このように原点未学習時に直接的に推定トルクTrqを増加補正することによっても、上述の実施の形態2と同様に、高トルク域での制御を許容しつつ出力トルクの急変を回避することができる。
<実施の形態2の変形例3>
上述の実施の形態2によるトルク急変回避制御では、矩形波電圧制御を行なう際、原点未学習時に、推定トルクTrqが増加する方向にロータ検出位置θcを予め補正することで、トルクの急変を回避した。
これに対し、本変形例によるトルク急変回避制御では、原点未学習時に指令トルクTrqcomの変化率を直接制限することによってトルクの急変を回避する。
以下、本変形例によるトルク急変回避制御(指令トルクTrqcomの変化率制限)について説明する。
図16は、本変形例による矩形波電圧制御部400Dによって実行される矩形波電圧制御の制御ブロック図である。矩形波電圧制御部400Dは、上述の図10に示した矩形波電圧制御部400Aに対し、補正部271を削除し、制限部422を追加したものである。その他の機能ブロックについては、既に説明したため詳細な説明はここでは繰り返さない。
制限部422は、原点未学習時である場合、矩形波電圧制御に用いられる指令トルクTrqcomの変化率を所定値未満に制限する。なお、制限部422は、通常時(原点学習後)である場合、矩形波電圧制御に用いられる指令トルクTrqcomの変化率を所定値未満には制限しない。
このようにすると、原点未学習時においてトルクの急変を直接的に抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5,6,7 電力線、10 監視ユニット、10# 直流電圧発生部、11,13 電圧センサ、12 コンバータ、14 インバータ、24 電流センサ、25 レゾルバ、30 制御装置、100 車両、200 PWM制御部、210 電流指令生成部、220,250 座標変換部、221,271,421 補正部、240,430 PI演算部、260 PWM信号生成部、270 原点学習部、400,400A,400B,400D 矩形波電圧制御部、420 トルク推定部、422 制限部、432,432A 位相リミッタ、440 矩形波発生部、450 信号発生部、B 直流電源、C0,C1 平滑コンデンサ、D1,D2 逆並列ダイオード、L1 リアクトル、M1 モータ、Q1,Q2 スイッチング素子、SR1,SR2 システムリレー。

Claims (4)

  1. ロータを有するモータと、
    前記ロータの回転角を検出するレゾルバと、
    前記レゾルバによる前記ロータの検出角を用いて、前記モータを矩形波制御によって制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記ロータの実回転角の原点と前記ロータの検出角の原点とのずれ量を学習する原点学習を行ない、前記原点学習の結果で前記ロータの検出角を補正し、
    前記制御装置は、前記原点学習が完了していない場合、前記モータの出力の急変を回避するための回避制御を行ない、
    前記制御装置は、前記矩形波制御およびパルス幅変調制御のいずれかによって前記モータを制御可能であり、
    前記回避制御は、前記モータを前記矩形波制御によって制御することを禁止する制御である、車両。
  2. ロータを有するモータと、
    前記ロータの回転角を検出するレゾルバと、
    前記レゾルバによる前記ロータの検出角を用いて、前記モータを矩形波制御によって制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記ロータの実回転角の原点と前記ロータの検出角の原点とのずれ量を学習する原点学習を行ない、前記原点学習の結果で前記ロータの検出角を補正し、
    前記制御装置は、前記原点学習が完了していない場合、前記モータの出力の急変を回避するための回避制御を行ない、
    前記制御装置は、前記矩形波制御を行なう際、前記ロータの検出角を用いて前記モータの推定トルクを算出し、前記推定トルクと前記モータの指令トルクとの偏差に基づいて前記モータをフィードバック制御し、
    前記回避制御は、前記推定トルクの算出に用いられる前記ロータの検出角を、前記推定トルクが増加する方向に補正する制御である、車両。
  3. ロータを有するモータと、
    前記ロータの回転角を検出するレゾルバと、
    前記レゾルバによる前記ロータの検出角を用いて、前記モータを矩形波制御によって制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記ロータの実回転角の原点と前記ロータの検出角の原点とのずれ量を学習する原点学習を行ない、前記原点学習の結果で前記ロータの検出角を補正し、
    前記制御装置は、前記原点学習が完了していない場合、前記モータの出力の急変を回避するための回避制御を行ない、
    前記制御装置は、前記矩形波制御を行なう際、前記ロータの検出角を用いて前記モータの推定トルクを算出し、前記推定トルクと前記モータの指令トルクとの偏差に基づいて前記モータをフィードバック制御し、
    前記回避制御は、前記ロータの検出角を用いて算出された前記推定トルクを増加補正する制御である、車両。
  4. ロータを有するモータと、
    前記ロータの回転角を検出するレゾルバと、
    前記レゾルバによる前記ロータの検出角を用いて、前記モータを矩形波制御によって制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記ロータの実回転角の原点と前記ロータの検出角の原点とのずれ量を学習する原点学習を行ない、前記原点学習の結果で前記ロータの検出角を補正し、
    前記制御装置は、前記原点学習が完了していない場合、前記モータの出力の急変を回避するための回避制御を行ない、
    前記制御装置は、前記矩形波制御を行なう際、前記ロータの検出角を用いて前記モータの推定トルクを算出し、前記推定トルクと前記モータの指令トルクとの偏差に基づいて前記モータをフィードバック制御し、
    前記回避制御は、前記指令トルクの変化率を所定値未満に制限する制御である、車両。
JP2012188580A 2012-08-29 2012-08-29 車両 Active JP5720644B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012188580A JP5720644B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 車両
US13/964,640 US9184681B2 (en) 2012-08-29 2013-08-12 Vehicle including motor control device, and control method for vehicle
CN201310359172.3A CN103684166B (zh) 2012-08-29 2013-08-16 包括马达控制装置的车辆以及用于车辆的控制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012188580A JP5720644B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014050124A JP2014050124A (ja) 2014-03-17
JP5720644B2 true JP5720644B2 (ja) 2015-05-20

Family

ID=50186577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012188580A Active JP5720644B2 (ja) 2012-08-29 2012-08-29 車両

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9184681B2 (ja)
JP (1) JP5720644B2 (ja)
CN (1) CN103684166B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9287815B2 (en) * 2011-09-30 2016-03-15 Daikin Industries, Ltd. Power converter
CN104205612B (zh) * 2012-03-22 2015-09-30 丰田自动车株式会社 车辆的控制装置
JP5983640B2 (ja) * 2014-01-20 2016-09-06 トヨタ自動車株式会社 モータジェネレータの制御装置
US9973120B1 (en) 2017-04-20 2018-05-15 GM Global Technology Operations LLC Control of six step pulse width modulation with flux weakening
JP6939500B2 (ja) * 2017-12-15 2021-09-22 株式会社デンソー 駆動装置
CN109217758B (zh) * 2018-08-30 2021-07-23 苏州汇川联合动力系统有限公司 旋变零点在线辨识方法、电机控制器及存储介质
US10608562B1 (en) * 2018-11-06 2020-03-31 GM Global Technology Operations LLC System and method for estimating rotor sensor offset

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11187699A (ja) * 1997-12-24 1999-07-09 Hitachi Ltd 誘導電動機の速度制御方法
JPH11308888A (ja) * 1998-04-22 1999-11-05 Toyota Motor Corp モータ駆動制御装置
JP3789895B2 (ja) 2003-02-28 2006-06-28 三菱電機株式会社 巻線界磁型同期モータの制御装置および巻線界磁型同期モータの回転位置ずれ補正方法
JP4844753B2 (ja) 2007-05-09 2011-12-28 株式会社デンソー 電気自動車の制御装置
JP2009060752A (ja) 2007-09-03 2009-03-19 Denso Corp 角度誤差学習装置及び角度検出システム
JP2009232551A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Aisin Aw Co Ltd 駆動装置及びその製造方法
JP5227102B2 (ja) * 2008-07-04 2013-07-03 トヨタ自動車株式会社 モータ駆動制御装置および方法
KR100959107B1 (ko) * 2008-08-28 2010-05-25 삼성모바일디스플레이주식회사 유기 발광 표시 장치
JP5505681B2 (ja) * 2008-10-15 2014-05-28 株式会社ジェイテクト モータ制御装置
JP5409034B2 (ja) * 2009-02-13 2014-02-05 トヨタ自動車株式会社 回転電機制御装置
JP5282960B2 (ja) * 2009-03-31 2013-09-04 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 駆動装置の情報管理システム及び駆動装置の製造方法
JP5570299B2 (ja) 2010-05-21 2014-08-13 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014050124A (ja) 2014-03-17
US9184681B2 (en) 2015-11-10
US20140062359A1 (en) 2014-03-06
CN103684166B (zh) 2016-06-01
CN103684166A (zh) 2014-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4604820B2 (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP5696700B2 (ja) ロータ位置推定装置、電動機制御システムおよびロータ位置推定方法
US8497646B2 (en) Controller for AC electric motor and electric powered vehicle
JP4706324B2 (ja) モータ駆動システムの制御装置
US8502493B2 (en) Control device and control method for alternating-current motor
US8373380B2 (en) Device and method for controlling alternating-current motor
JP5720644B2 (ja) 車両
JP2007159368A (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP5633639B2 (ja) 電動機の制御装置およびそれを備える電動車両、ならびに電動機の制御方法
JP2010161907A (ja) モータ駆動制御システムの制御装置
US20140152214A1 (en) Vehicle and method for controlling vehicle
JP5955761B2 (ja) 車両の制御装置
JP5281370B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP2011067010A (ja) 車両のモータ駆動装置
JP2014050122A (ja) ロータ位置推定装置、電動機制御システムおよびロータ位置推定方法
JP2011019302A (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP5696607B2 (ja) 交流電動機の制御装置および制御方法
JP2017093218A (ja) 交流電動機の制御システム
JP7435189B2 (ja) モータ駆動システム
JP2014050123A (ja) ロータ位置推定装置、電動機制御システムおよびロータ位置推定方法
JP2021168568A (ja) モータ駆動システム
JP2021168567A (ja) モータ駆動システム
JP4727405B2 (ja) 電動機の制御装置
JP2018023246A (ja) 駆動装置
JP2010088240A (ja) 交流電動機の制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150309

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5720644

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250