JP2010161907A - モータ駆動制御システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流電動機を駆動するモータ駆動制御システムの制御装置において、矩形波制御からPWM制御への切替時の制御安定性を高める。
【解決手段】PWM制御および矩形波制御が適用される交流電動機M1の制御において、矩形波制御からPWM制御への切替時に、目標トルク指令値Trqcomに基づいて、電流指令生成部210において生成された電流指令(Idcom,Iqcom)を、切替直前の矩形波制御における最終の電流状態を初期値として、時間軸方向の変化を平滑化するように修正することにより修正後の電流指令(Idcomf,Iqcomf)を生成する。そして、この修正後の電流指令(Idcomf,Iqcomf)に基づいて電流フィードバック制御を行うことにより、インバータ14を制御する。この結果、PWM制御における電流指令について、矩形波制御の切替直前の電流状態からの連続性を確保することが可能となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、モータ駆動制御システムの制御装置に関し、より特定的には矩形波制御およびパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御が適用される交流電動機の制御に関する。
直流電源を用いて交流電動機を駆動制御するために、インバータを用いた駆動方法が一般的に採用されている。インバータは、インバータ駆動回路によりスイッチング制御されており、たとえばPWM制御に従ってスイッチングされた電圧が交流電動機に印加される。
また、電圧利用率を向上させてモータ回転数の高い領域で高出力を得るために、正弦波PWM制御よりもモータ印加電圧の基本波成分が大きい変調方式による交流電動機制御として、過変調PWM制御および矩形波制御が適用されている。
特開2006−230079号公報(特許文献1)には、交流電動機を駆動制御するインバータのPWM制御において、過変調モードでの電圧指令の極性が変化するゼロクロス近傍におけるPWM信号からのパルス成分の消失を抑制することにより、正弦波モード(PWM制御)と1パルスモード(矩形波制御)との間で、滑らかにモータ出力を変化させることが可能なインバータ制御方式が開示されている。
特許文献1では、過変調モードにおいて、三相電圧指令をハイレベル値(デューティ比100%)と、ローレベル(デューティ比0%)と、ミドルレベル(デューティ比50%)とを持つ階段波電圧に変換する。そして、各相電圧のゼロクロス点をミドルレベル期間の時間的中央位置に設定することによって、ゼロクロス点を正確に確保することができるので、ゼロクロス近傍でのPWM信号からのパルス消失を抑制して、各相電圧の正、負の不平衡を減少させることができる。
また、特開平11−146501号公報(特許文献2)には、交流電動機を駆動制御するインバータのPWM制御において、PWMパルスモードから1パルスモード(矩形波制御)への切替の際に、電力変換器の出力電圧が当該変換器の出力可能な最大電圧に達するまで、励磁電流成分を常に一定に保持し、かつ、最大トルクを出力するときのトルク電流成分を励磁電流成分より所定値以上大きくするとともに、電動機の速度に応じて出力電圧が最大電圧に達したときに、PWMパルスモードから1パルスモードに切替える制御装置が開示されている。
特許文献2に記載の制御装置によれば、PWMパルスモードから1パルスモードに切替える際に電圧不連続を発生させることなく、スムーズなトルク制御および電力変換器(インバータ)の連続運転を実現することができる。
特開2006−230079号公報 特開平11−146501号公報
PWM制御および矩形波制御が適用される、交流電動機の制御においては、電圧位相を制御する矩形波制御から電流フィードバックによるPWM制御への切替の際に、両制御モードが頻繁に切替わってしまう、いわゆるチャタリングを防止するために、本来の切替点を少し外れたポイントにおいて、制御モードを実際に切替える制御がなされることがある。
このような制御においては、PWM制御に切替った直後にPWM制御における電流指令が不連続に変化することによって、交流電動機に印加されるインバータの出力電圧が、ステップ状に変化してしまう場合が発生する。このような、電流指令の不連続な変化にともなって、過剰な電流フィードバック制御がなされることにより、過電流、過電圧やトルクサージなどが発生するおそれがある。その結果、インバータや交流電動機に対するストレスが増加して機器の劣化の原因となったり、トルクが瞬間的に変動してしまう可能性がある。そして、本モータ駆動制御システムが電動車両に搭載される場合においては、このトルク変動によって車両乗員に違和感を与えてしまう可能性がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、交流電動機を駆動するモータ駆動制御システムの制御装置において、矩形波制御からPWM制御への切替時の電流指令を連続的に変化させることによって、制御安定性を高めることである。
本発明によるモータ駆動制御システムの制御装置は、インバータと、インバータによって印加電圧が制御される交流電動機と、インバータおよび交流電動機の間を流れるモータ電流を検出するための電流検出器とを備えるモータ駆動制御システムの制御装置であって、矩形波制御部と、パルス幅変調制御部と、制御モード選択部と、電流記憶部とを備えている。また、パルス幅変調制御部は、電流指令生成部と、指令修正部と、フィードバック制御部とを含んでいる。矩形波制御部は、交流電動機を動作指令に従って動作させるように交流電動機に印加される矩形波電圧の電圧位相を制御する矩形波制御に従って、インバータの制御指令を生成する。パルス幅変調制御部は、搬送波と、交流電動機を動作指令に従って動作させるための交流電圧指令との比較に基づくパルス幅変調制御によって、インバータの制御指令を生成する。制御モード選択部は、交流電動機の動作状態に応じて、矩形波制御およびパルス幅変調制御のいずれか一方の制御モードを選択するように構成されており、電流記憶部は、制御モード選択部による矩形波制御からパルス幅変調制御への制御モードの切替時に、矩形波制御における切替直前の最終の電流状態を記憶するように構成されている。電流指令生成部は、パルス幅変調制御において、トルク指令に従って第1の電流指令を生成するように構成されている。指令修正部は、矩形波制御からパルス幅変調制御へ記制御モードの切替時に、電流記憶部に記憶された最終の電流状態を初期値とした上で、第1の電流指令について時間軸方向の変化を平滑化するように修正することにより第2の電流指令を生成するように構成されている。そして、フィードバック制御部は、第2の電流指令に基づく、モータ電流のフィードバック制御に従うパルス幅変調制御によって、インバータの制御指令を生成する。
上記モータ駆動制御システムの制御装置によれば、矩形波制御からPWM制御への切替時において、電流フィードバック制御の電流指令(第2の電流指令)を、矩形波制御での最終の電流状態を反映して設定することができる。この結果、PWM制御における電流指令について、矩形波制御の切替直前の電流からの連続性を確保することが可能となり、矩形波制御からPWM制御への切替時の電流指令の急激な変化を防止し、制御安定性を高めることができる。
好ましくは、矩形波制御部は、上記動作指令が反映された第3の電流指令に基づく、モータ電流のフィードバック制御によって、電圧位相を制御するように構成されている。そして、電流記憶部は、矩形波制御における制御モード切替直前の最終の第3の電流指令に基づいて上記最終の電流状態を記憶する。
このような構成とすることで、矩形波制御において電流指令によるフィードバック制御を行っている場合に、切替前後における電流指令の連続性を確保できる。
あるいは好ましくは、電流記憶部は、矩形波制御において、制御モード切替直前に電流検出器で検出された、最終のモータ電流に基づく電流値を最終の電流状態として記憶する。
このような構成とすることで、矩形波制御が電流指令を使用しない場合であっても、矩形波制御での最終の実績電流とPWM制御での電流指令との連続性が確保される。
好ましくは、上記の動作指令はトルク指令値であり、第1の電流指令は第1のd軸電流指令値および第1のq軸電流指令値を含み、また、第2の電流指令は第2のd軸電流指令値および第2のq軸電流指令値を含む。そして、指令修正部は、第1のd軸電流指令値および第1のq軸電流指令値のいずれか一方に対して平滑化を行うとともに、平滑化により得られた第2のd軸電流指令値および第2のq軸電流指令値の一方と上記のトルク指令に基づいて、第2のd軸電流指令値および第2のq軸電流指令値の他方を算出する。
このような構成とすることで、第1のd軸およびq軸電流指令値のいずれか一方に対して平滑化処理を行うとともに、目標トルクが確保できるように他方の電流指令値を算出することができる。これによって、電流指令の連続性を確保しつつ、目標とするトルクを確保することが可能となる。
好ましくは、指令修正部は、d−q座標軸平面上における、第1の電流指令と第2の電流指令との電流指令の差が、第1の基準値以下となった場合は、上記平滑化を停止して第2の電流指令を第1の電流指令に一致させる。
このような構成とすることで、PWM制御において、d−q座標軸平面上での修正前後の第1および第2の電流指令が近接した場合に、本来の電流指令(第1の電流指令)に基づくフィードバック制御とすることができる。その結果、モータ定数の変動などにより、修正後の第2の電流指令が本来の第1の電流指令にいつまでも到達しないような場合であっても、修正前後の電流指令が近接している場合には、早期に本来の電流指令に復帰させることで、効率低下を防止できる。
好ましくは、指令修正部は、矩形波制御からパルス幅変調制御への制御モードの切替時における、d−q座標軸平面上でのモータ電流と第1の電流指令との電流偏差が、所定の第2の基準値より大きい場合は、上記平滑化を停止して、第2の電流指令を第1の電流指令に一致させる。
このような構成とすることで、切替後のモータ電流と第1の電流指令との電流偏差が大きい場合には、電流指令の修正を停止して、本来の電流指令である第1の電流指令に基づくフィードバック制御をすることができる。これにより、通常のフィードバック制御によって早期にモータ電流を本来の電流指令に追従させることができるので、実電流の乖離(乱れ)を速やかに解消させて、モータ制御性を向上させることができる。
また好ましくは、モータ電流は、d軸電流値およびq軸電流値を含み、指令修正部は、矩形波制御からパルス幅変調制御への制御モードの切替時のd軸電流値が、交流電動機の制御可能範囲から定まる所定の第3の基準値より大きい場合は、上記平滑化を停止して、、第2の電流指令を第1の電流指令に一致させる。
このような構成とすることで、一般的に、d軸電流指令値がゼロまたは負の領域で制御される永久磁石型同期電動機において、d軸電流値が正の領域となった場合に、速やかにd軸電流指令値をゼロまたは負の領域に復帰させることができる。そのため、これにより、早期に本来の電流指令に追従させてモータ制御性を向上させることができる。
本発明によれば、交流電動機を駆動するモータ駆動制御システムの制御装置において、矩形波制御からPWM制御への切替時の電流指令を連続的に変化させることによって、制御安定性を高めることができる。
本発明の実施の形態に従う交流電動機の制御装置が適用されるモータ駆動制御システムの全体構成図である。 本発明の実施の形態によるモータ駆動システムにおける交流電動機M1の制御モードを概略的に説明する図である。 本実施の形態による、交流電動機の動作状態と各制御モードとの対応関係を説明する図である。 本実施の形態の交流電動機の制御装置の制御構成を示す機能ブロック図である。 本実施の形態における、PWM制御および矩形波制御間の制御モードの切替処理の処理手順を示すフローチャートである。 矩形波制御およびPWM制御でのd−q軸平面上のd軸,q軸電流指令値の変化を示す概念図である。 矩形波制御からPWM制御への切替時の、d−q軸平面上のd軸,q軸電流指令値の変化を示す概念図である。 本実施の形態1における、電流指令修正制御の概念図である。 本実施の形態1における、電流指令修正制御の詳細を説明するための、PWM制御部の機能ブロック図の例である。 本実施の形態1における、電流指令修正制御の制御処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態1の変形例における、矩形波制御によるモータ制御構成を説明するための機能ブロック図である。 本実施の形態1の変形例における、電流指令修正制御の制御処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態2における、電流指令修正制御の制御処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態2における、電流指令修正制御の制御処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態3における、d−q軸平面上でのd軸およびq軸電流の変化を示す概念図である。 実施の形態3における、電流指令修正制御の中止処理の制御処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態3の変形例における、電流指令修正制御の中止処理の制御処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態4における、電流指令修正制御の中止処理の概念図である。 実施の形態4における、修正制御中止処理の制御処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態5における、修正制御中止処理の制御処理手順を示すフローチャートである。
以下において、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
(電動機制御の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に従う交流電動機の制御装置が適用されるモータ駆動制御システムの全体構成図である。
図1を参照して、モータ駆動制御システム100は、直流電圧発生部10♯と、平滑コンデンサC0と、インバータ14と、交流電動機M1と、制御装置30とを備える。
交流電動機M1は、たとえば、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車等の電気エネルギによって車両駆動力を発生する自動車をいうものとする)の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動用電動機である。あるいは、この交流電動機M1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよく、電動機および発電機の機能を併せ持つように構成されてもよい。さらに、交流電動機M1は、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態において、「交流電動機」は、交流駆動の電動機、発電機および電動発電機(モータジェネレータ)を含むものである。
直流電圧発生部10♯は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、平滑コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
直流電源Bは、代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電装置により構成される。直流電源Bが出力する直流電圧Vbおよび入出力される直流電流Ibは、電圧センサ10および電流センサ11によってそれぞれ検知される。
システムリレーSR1は、直流電源Bの正極端子および電力線6の間に接続され、システムリレーSR1は、直流電源Bの負極端子およびアース線5の間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン・オフされる。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2は、電力線7およびアース線5の間に直列に接続される。電力用半導体スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1およびS2によって制御される。
この発明の実施の形態において、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。リアクトルL1は、スイッチング素子Q1およびQ2の接続ノードと電力線6の間に接続される。また、平滑コンデンサC0は、電力線7およびアース線5の間に接続される。
インバータ14は、電力線7およびアース線5の間に並列に設けられる、U相上下アーム15と、V相上下アーム16と、W相上下アーム17とから成る。各相上下アームは、電力線7およびアース線5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相上下アーム15は、スイッチング素子Q3,Q4から成り、V相上下アーム16は、スイッチング素子Q5,Q6から成り、W相上下アーム17は、スイッチング素子Q7,Q8から成る。また、スイッチング素子Q3〜Q8に対して、逆並列ダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q3〜Q8のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。
代表的には、交流電動機M1は、3相の永久磁石型同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成される。さらに、各相コイルの他端は、各相上下アーム15〜17のスイッチング素子の中間点と接続されている。
コンバータ12は、基本的には、各スイッチング周期内でスイッチング素子Q1およびQ2が相補的かつ交互にオン・オフするように制御される。コンバータ12は、昇圧動作時には、直流電源Bから供給された直流電圧Vbを直流電圧VH(インバータ14への入力電圧に相当するこの直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)に昇圧する。この昇圧動作は、スイッチング素子Q2のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q1および逆並列ダイオードD1を介して、電力線7へ供給することにより行なわれる。
また、コンバータ12は、降圧動作時には、直流電圧VHを直流電圧Vbに降圧する。この降圧動作は、スイッチング素子Q1のオン期間にリアクトルL1に蓄積された電磁エネルギを、スイッチング素子Q2および逆並列ダイオードD2を介して、アース線5へ供給することにより行なわれる。これらの昇圧動作および降圧動作における電圧変換比(VHおよびVbの比)は、上記スイッチング周期におけるスイッチング素子Q1,Q2のオン期間比(デューティ比)により制御される。なお、スイッチング素子Q1およびQ2をオンおよびオフにそれぞれ固定すれば、VH=Vb(電圧変換比=1.0)とすることもできる。
平滑コンデンサC0は、コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧、すなわち、システム電圧VHを検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が正(Trqcom>0)の場合には、平滑コンデンサC0から直流電圧が供給されると制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8に応答した、スイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するように交流電動機M1を駆動する。また、インバータ14は、交流電動機M1のトルク指令値が零の場合(Trqcom=0)には、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるように交流電動機M1を駆動する。これにより、交流電動機M1は、トルク指令値Trqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、モータ駆動制御システム100が搭載された電動車両の回生制動時には、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomは負に設定される(Trqcom<0)。この場合には、インバータ14は、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング動作により、交流電動機M1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介してコンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、電動車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
電流センサ24は、交流電動機M1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流を制御装置30へ出力する。なお、三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ24は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)25は、交流電動機M1の回転角θを検出し、その検出した回転角θを制御装置30へ送出する。制御装置30では、回転角θに基づき交流電動機M1の回転数(回転速度)および角速度ω(rad/s)を算出できる。なお、回転角センサ25については、回転角θを制御装置30にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置を省略してもよい。
制御装置30は、電子制御ユニット(制御装置)により構成され、予め記憶されたプログラムを図示しないCPUで実行することによるソフトウェア処理および/または専用の電子回路によるハードウェア処理により、モータ駆動制御システム100の動作を制御する。
代表的な機能として、制御装置30は、入力されたトルク指令値Trqcom、電圧センサ10によって検出された直流電圧Vb、電流センサ11によって検出された直流電流Ib、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VHおよび電流センサ24からのモータ電流iv,iw、回転角センサ25からの回転角θ等に基づいて、後述する制御方式により交流電動機M1がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するように、コンバータ12およびインバータ14の動作を制御する。すなわち、コンバータ12およびインバータ14を上記のように制御するためのスイッチング制御信号S1〜S8を生成して、コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
コンバータ12の昇圧動作時には、制御装置30は、システム電圧VHをフィードバック制御し、システム電圧VHが電圧指令値に一致するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成する。
また、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す回生信号RGEを外部制御装置から受けると、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するようにスイッチング制御信号S3〜S8を生成してインバータ14へ出力する。これにより、インバータ14は、交流電動機M1で発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンバータ12へ供給する。
さらに、制御装置30は、電動車両が回生制動モードに入ったことを示す回生信号RGEを外部制御装置から受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するようにスイッチング制御信号S1,S2を生成し、コンバータ12へ出力する。これにより、交流電動機M1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
(制御モードの説明)
制御装置30による交流電動機M1の制御についてさらに詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態によるモータ駆動システムにおける交流電動機M1の制御モードを概略的に説明する図である。
図2に示すように、本発明の実施の形態によるモータ駆動制御システム100では、交流電動機M1の制御、すなわち、インバータ14における電力変換について、3つの制御モードを切替えて使用する。
正弦波PWM制御は、一般的なPWM制御として用いられるものであり、各相上下アーム素子のオン・オフを、正弦波状の電圧指令と搬送波(代表的には三角波)との電圧比較に従って制御する。この結果、上アーム素子のオン期間に対応するハイレベル期間と、下アーム素子のオン期間に対応するローレベル期間との集合について、一定期間内でその基本波成分が正弦波となるようにデューティが制御される。周知のように、正弦波状の電圧指令の振幅が搬送波振幅以下の範囲に制限される正弦波PWM制御では、交流電動機M1への印加電圧(以下、単に「モータ印加電圧」とも称する)の基本波成分をインバータの直流リンク電圧の約0.61倍程度までしか高めることができない。以下、本明細書では、インバータ14の直流リンク電圧(すなわち、システム電圧VH)に対するモータ印加電圧(線間電圧)の基本波成分(実効値)の比を「変調率」と称することとする。
正弦波PWM制御では、正弦波の電圧指令の振幅が搬送波振幅以下の範囲であるため、交流電動機M1に印加される線間電圧が正弦波となる。
一方、矩形波制御では、上記一定期間内で、ハイレベル期間およびローレベル期間の比が1:1の矩形波1パルス分を交流電動機に印加する。これにより、変調率は0.78まで高められる。
過変調PWM制御は、電圧指令(正弦波成分)の振幅が搬送波振幅より大きい範囲で上記正弦波PWM制御と同様のPWM制御を行なうものである。特に、電圧指令を本来の正弦波波形から歪ませること(振幅補正)によって基本波成分を高めることができ、変調率を正弦波PWM制御モードでの最高変調率から0.78の範囲まで高めることができる。過変調PWM制御では、電圧指令(正弦波成分)の振幅が搬送波振幅より大きいため、交流電動機M1に印加される線間電圧は、正弦波ではなく歪んだ電圧となる。
交流電動機M1では、回転数や出力トルクが増加すると誘起電圧が高くなるため、必要となる駆動電圧(モータ必要電圧)が高くなる。コンバータ12による昇圧電圧すなわち、システム電圧VHはこのモータ必要電圧よりも高く設定する必要がある。その一方で、コンバータ12による昇圧電圧すなわち、システム電圧VHには限界値(VH最大電圧)が存在する。
したがって、交流電動機M1の動作状態に応じて、モータ電流のフィードバックによってモータ印加電圧(交流)の振幅および位相を制御する、正弦波PWM制御または過変調PWM制御によるPWM制御モード、および、矩形波制御モードのいずれかが選択的に適用される。なお、矩形波制御では、モータ印加電圧の振幅が固定されるため、制御可能なパラメータはモータ印加電圧の位相のみとなる。矩形波制御においては、目標のトルク指令値とトルク実績値との偏差に基づいて、矩形波電圧パルスの位相を直接制御するトルクフィードバック制御を実行する場合、および、PWM制御と同様にモータ電流のフィードバックによって、モータ印加電圧の位相を制御する場合がある。なお、本実施の形態1においては、モータ電流のフィードバックによって位相を制御する矩形波制御の場合について説明する。
図3には、交流電動機M1の動作状態と上述の制御モードとの対応関係が示される。
図3を参照して、概略的には、低回転数域A1ではトルク変動を小さくするために正弦波PWM制御が用いられ、中回転数域A2では過変調PWM制御、高回転数域A3では、矩形波制御が適用される。特に、過変調PWM制御および矩形波制御の適用により、交流電動機M1の出力向上が実現される。このように、図2に示した制御モードのいずれを用いるかについては、基本的には、実現可能な変調率の範囲内で決定される。
(制御装置の構成)
図4は、本実施の形態の交流電動機の制御装置30の制御構成を示す機能ブロック図である。図4を始めとして、以下で説明されるブロック図に記載された各機能ブロックは、制御装置30によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
図4を参照して、制御装置30は、PWM制御部200と、矩形波制御部400と、制御モード選択部490と、電流記憶部495とを含む。また、PWM制御部200においては、正弦波PWM制御および過変調PWM制御が選択的に実行される。
まず、PWM制御部200において、正弦波PWM制御が選択される場合について説明する。PWM制御部200には、トルク指令値Trqcomと、電流センサ24によって検出されたモータ電流ivおよびiwと、回転角センサ25により検出された回転角θとが入力される。そして、PWM制御部200は、これらの情報から、インバータ14に印加する電圧指令値Vd♯,Vq♯を生成する。そして、生成した電圧指令値Vd♯,Vq♯は制御モード選択部490に出力される。さらに、PWM制御部200は、電圧指令値Vd♯,Vq♯に基づいて、インバータ14を駆動するスイッチング制御指令値S3〜S8を生成してインバータ14へ出力する。
また、PWM制御部200において、過変調PWM制御が選択される場合には、上記の正弦波PWM制御に上述したように電圧振幅補正を行う機能が追加されており、これにより電圧指令値の基本波成分を高めて、正弦波PWM制御よりも大きな出力を発生する。
矩形波制御部400は、トルク指令値Trqcomと、電流センサ24によって検出されたモータ電流ivおよびiwと、回転角センサ25により検出された回転角θとの入力を受ける。そして、矩形波制御部400は、PWM制御部200と同様に、トルク指令値Trqcomから算出されるd軸,q軸の電流指令値と電流センサ24によって検出されたモータ電流をd軸、q軸に変換した電流検出値とから、電流フィードバック制御を行うことにより、インバータ14に印加する電圧指令値Vd♯,Vq♯を生成する。なお、矩形波制御においては、電圧指令の振幅(V=(Vd♯2+Vq♯21/2)はシステム電圧VHに対応したものに固定されるので、電圧指令の位相(φv)のみが制御されるように電流,電圧指令値が生成されることになる。
電流指令値Id♯,Iq♯の生成については、たとえば、q軸電流値のみをフィードバック制御により設定する一方で、d軸電流については、電圧指令の大きさが所定の大きさとなるように逆算することによって算出することもできる。このようにして生成した電流指令値Id♯,Iq♯を、矩形波制御部400は、制御モード選択部490および電流記憶部495へ出力する。
制御モード選択部490には、システム電圧VHと、PWM制御部200からの電圧指令値Vd♯,Vq♯と、矩形波制御部400からの電流指令値Id♯,Iq♯と、電流センサ24によって検出されたモータ電流ivおよびiwと、回転角センサ25により検出された回転角θとが入力される。そして、制御モード選択部490は、後述するように、システム電圧VHと電圧指令値Vd♯,Vq♯とから算出される変調率に基づいてPWM制御モードから矩形波制御モードへの切替要否の判定を行う。また、制御モード選択部490は、矩形波制御部400から入力される、電流指令値Id♯およびIq♯から求まる電流位相φi♯に基づいて、矩形波制御モードからPWM制御モードへの切替要否の判定を行う。
また、制御モード選択部490は、矩形波制御からPWM制御への制御モード切替時に、電流記憶部495へ切替信号TRGを出力する。
電流記憶部495は、制御モード選択部490からの上記切替信号TRGの入力時に、矩形波制御部400から入力された電流指令値Id♯,Iq♯の最終値を、矩形波制御における最終の電流状態(Idref♯,Iqref♯)として記憶する。
そして、電流記憶部495は、記憶した最終電流指令値Idref♯,Iqref♯をPWM制御部200へ出力する。
(矩形波制御からPWM制御への切替手法)
次に、図4に示した制御ブロック図の制御モード選択部490における、PWM制御と矩形波制御との間の制御モード選択について、図5を用いて詳細に説明する。図5を始めとして、以降に示すフローチャート中の各ステップについては、制御装置30に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図5を参照して、制御装置30は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)10により、現在の制御モードがPWM制御モードであるかどうかを判定する。そして、制御装置30は、現在の制御モードがPWM制御モードであるとき(S10にてYES)には、S11により、PWM制御モードに従う電圧指令値Vd♯,Vq♯、およびシステム電圧VHに基づいて、インバータ14の入力電圧VHを、交流電動機M1へのモータ印加電圧に変換する際の変調率を演算する。
たとえば、下記(1)式によって、変調率FMは算出される。
FM=(Vd♯2+Vq♯21/2/VH …(1)
そして、制御装置30は、S12により、S11で求めた変調率が0.78以上であるかどうかを判定する。変調率≧0.78のとき(S12にてYES)には、PWM制御モードでは適切な交流電圧を発生することができないため、制御装置30は、処理をS15に進めて、矩形波制御モードを選択するように制御モードを切替える。
一方、S12にてNOの場合、すなわち、S11で求めた変調率が0.78未満であるときには、制御装置30は、S14により、PWM制御モードを継続的に選択する。
一方、制御装置30は、現在の制御モードが矩形波制御モードであるとき(S10にてNO)には、矩形波制御部400は、S13により、矩形波制御部400の電流指令値Id♯,Iq♯の電流位相φi♯の絶対値が、所定の基準位相値φ0の絶対値より小さいか否かを判定する。
電流位相φi♯の絶対値が、所定の基準位相値φ0の絶対値より小さい場合(S13にてYES)は、制御装置30は、制御モードを矩形波制御モードからPWM制御モードへの切替が必要と判定する。この際には、制御装置30は、S14によりPWM制御モードを選択する。
一方、制御装置30は、S11にてNOのとき、すなわち電流位相φi♯の絶対値が、所定の基準位相値φ0の絶対値以上であるときには、S15により、矩形波制御モードを継続的に選択する。
PWM制御モードの選択時(S14)には、制御装置30は、さらにS16により、正弦波PWM制御および過変調PWM制御のいずれを適用するかを判定する。この判定は、変調率FMを所定の閾値(たとえば、正弦波PWM制御適の変調率の理論最大値である0.61)と比較することにより実行できる。
変調率が閾値以下であるときには、正弦波PWM制御が適用される。これに対して、変調率が閾値より大きいときには、過変調PWM制御が適用される。
このように、電流センサ24によって検出されたモータ電流MCRT(iv,iw)、電圧センサ13によって検出されたインバータ14の入力電圧(システム電圧)VH、PWM制御部200によって生成された電圧指令値Vd♯,Vq♯、そして矩形波制御部400によって生成された電流指令値Id♯,Iq♯に基づいて、制御モード選択が実行できる。
なお、上記の説明においては、矩形波制御からPWM制御への切替判定は、電流指令値の電流位相によって判定したが、PWM制御から矩形波制御への切替判定と同様に変調率に基づいて切替を判定することも可能である。
(矩形波制御からPWM制御への切替時における問題点)
次に、矩形波制御からPWM制御への切替時におけるモータ制御構成の問題点について説明する。特に、交流電動機M1が高出力領域から出力低下することによって、制御モードが矩形波制御〜過変調PWM制御〜正弦波PWM制御と移行する際における、制御安定性上の問題点について説明する。
図6に、矩形波制御およびPWM制御でのd−q軸平面上のd軸,q軸電流指令値の変化の様子の例が示される。図6を参照して、図の横軸および縦軸は、それぞれd軸およびq軸の電流指令値を示している。そして、W10がPWM制御における電流指令ラインを示している。このPWM制御における電流指令ラインは、d−q軸平面上において、同一電流に対してトルクが最大となる電流位相を示す電流ベクトルの軌跡を表したものである。したがって、この電流指令ラインに沿った電流指令によってモータを駆動することで、モータ電流に対して最も効率的にトルクを発生することができる。また、W20は矩形波制御において、目標トルクを出力するための電圧位相が達成できるように定められた電流指令の軌跡を示すラインである。
矩形波制御からPWM制御への切替においては、矩形波制御モードにおいて、出力低下とともに、W20の電流指令ラインに沿って図中の矢印に示す方向に電流指令が変化する。そして、W10とW20の交点P1となったときに、矩形波制御からPWM制御に制御モードが切替えられ、その後はW10に沿って電流指令が変化する。
なお、出力が増加する場合は、図中の矢印と逆の方向に変化する。すなわち、PWM制御によってW10に沿って電流指令が変化し、交点P1となったときにPWM制御から矩形波制御に制御モードが切替えられる。そして、その後はW20に沿って矩形波制御が実行される。
ただし、このような切替の場合、交点P1近傍では、矩形波制御およびPWM制御の両制御モードの切替が頻繁に繰り返される、いわゆるチャタリングが発生する可能性がある。そのため、実際の制御においては、このチャタリングを防止するために、図7のように、W20に沿った、交点P1から少しずれた点P20となったときに、矩形波制御からPWM制御へ制御モードを切替える手法が採用される。
しかしながら、このような切替手法では、図7のP20からP10に電流指令が不連続に変化するため、制御モードの切替直後の電流偏差が大きくなってしまう。そして、この電流偏差に対して、PWM制御における電流フィードバックによって過大な出力が生じる場合があり、制御安定性が損なわれる可能性がある。
そこで、本実施の形態1においては、制御モード切替前後の電流指令を連続的に変化させることによって、上記の問題点を改善する電流指令修正制御が行われる。
(実施の形態1のPWM制御モードの説明)
図8に、実施の形態1における電流指令修正制御の概念図が示される。図8は、図7同様に、d−q軸平面上のd軸およびq軸電流指令値の変化の例を示している。実施の形態1の電流指令修正制御では、矩形波制御の電流指令ライン(W20)上の最終電流指令P20から、PWM制御における切替後の電流指令P11に電流指令を変更する際に、最終電流指令P20を初期値とした上で、P11への電流指令の時間軸方向の変化を平滑化するように、切替後のPWM制御での電流指令を修正する。すなわち、図8中においてP20からP11に向かって、破線W30上に沿って電流指令を生成することによって、矩形波制御からPWM制御への切替時において、電流指令を連続的に変化させることができる。
次に、図9を用いて、上記の電流指令修正制御の詳細について説明する。図9は、本実施の形態1におけるPWM制御部200の制御構成を示す機能ブロック図である。
図9を参照して、PWM制御部200は、電流指令生成部210と、指令修正部270と、フィードバック制御部290を含む。さらに、フィードバック制御部290は、座標変換部220,250と、電圧指令生成部240と、PWM変調部260とを含む。
電流指令生成部210は、図6で示した電流指令ライン(W10)に従って予め作成されたテーブル等によって、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomに応じた、d軸電流指令値Idcomおよびq軸電流指令値Iqcomを生成する。
指令修正部270は、電流指令生成部210からの電流指令値IdcomおよびIqcomの入力を受けるとともに、矩形波制御部400からの矩形波制御モードでの最終電流指令値Idref♯,Iqref♯、および座標変換部220からのモータ電流Id,Iqの入力を受ける。そして、指令修正部270は、最終電流指令値Idref♯,Iqref♯を初期値とした上で、d軸およびq軸のそれぞれの電流指令値の時間軸方向の変化を平滑化する平滑化処理による修正を行うことによって、修正後の電流指令値IdcomfおよびIqcomfを生成する。なお、上記の平滑化の手法としては、たとえば一次ローパスフィルタやレートリミッタなどの既知の手法を使用することができる。
この修正後の電流指令値IdcomfおよびIqcomfに基づいて、フィードバック制御部290によって、モータ電流のフィードバック制御に従うパルス幅変調制御を行うことにより、インバータ14へのスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。
座標変換部220は、回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角θを用いた座標変換(3相→2相)により、電流センサ24によって検出されたv相電流ivおよびW相電流iwから算出される各相電流より、d−q軸平面におけるd軸電流値Idおよびq軸電流値Iqを算出する。
電圧指令生成部240には、修正後のd軸電流指令値に対する偏差ΔId(ΔId=Idcomf−Id)および修正後のq軸電流指令値に対する偏差ΔIq(ΔIq=Iqcomf−Iq)が入力される。電圧指令生成部240は、d軸電流偏差ΔIdおよびq軸電流偏差ΔIqのそれぞれについて、所定ゲインによるPI(比例積分)演算を行なって制御偏差を求め、この制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
座標変換部250は、交流電動機M1の回転角θを用いた座標変換(2相→3相)によって、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯をU相、V相、W相の各相電圧指令Vu,Vv,Vwに変換する。
PWM変調部260は、図示されない発振部により生成される搬送波と、交流電圧指令(Vu,Vv,Vwを包括的に示すもの)との比較に基づき、インバータ14の各相の上下アーム素子のオン・オフを制御するスイッチング制御信号S3〜S8を生成する。このスイッチング制御信号S3〜S8によって、交流電動機M1の各相に疑似正弦波電圧を生成する。
このようにして、PWM制御部200によって生成されたスイッチング制御信号S3〜S8に従って、インバータ14がスイッチング制御されることにより、交流電動機M1に対してトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するための交流電圧が印加される。
上記のように、PWM制御部200において、修正後の電流指令値Idcomf,Iqcomfに基づくフィードバック制御を行うことで、矩形波制御からPWM制御への切替時に、電流指令を連続的に変化させることが可能となる。
次に、図10に、図9で示した電流指令修正制御の制御処理手順を示すフローチャートが示される。
図10を参照して、制御装置30は、S500にて、電流指令生成部210の処理によって、d軸電流指令値Idcomおよびq軸電流指令値Iqcomを生成する。次に、制御装置30は、S510にて、電流記憶部495より入力される、矩形波制御における最終電流指令値Idref♯,Iqref♯を取得する。
次に、制御装置30は、S520にて、S500で生成したd軸電流指令値Idcomと、S510で取得した矩形波制御におけるd軸最終電流指令値Idref♯とに基づいて、上指令修正部270における平滑化処理を行うことによって、修正後のd軸電流指令値Idcomfを算出する。また、q軸についても、同様にして修正後のq軸電流指令値Iqcomfを算出する(S520)。
そして、制御装置30は、S530にて、算出された修正後の電流指令値Idcomf,Iqcomfとモータ電流値MCRTをd−q軸変換したId,Iqとの電流偏差ΔIdおよびΔIqをそれぞれ算出する。
その後、制御装置30は、電圧指令生成部240において、電流偏差ΔId,ΔIqにPI演算を行うことによって電圧指令値Vd♯,Vq♯を生成する(S540)。そして、電圧指令値Vd♯,Vq♯が座標変換部250によって座標変換(2相→3相)され、各相の電圧指令(Vu,Vv,Vw)が生成される(S550)。そして、制御装置30は、S560にて、各相電圧指令に基づいて、PWM変調部260によってインバータ駆動指令S3〜S8を生成し、インバータ14に出力する。
このように、図10に示すフローチャートに従った制御処理を制御装置30が実行することによって、図9に示したのと同様の本実施の形態1による電流指令修正制御が実現できる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1においては、矩形波制御部400は、PWM制御部200と同様に、電流指令を与えることによって、モータ印加電圧の電圧位相を制御する手法の場合について説明した。
上述のように、矩形波制御においては、電流指令を生成せずに、トルクフィードバック制御によってモータ印加電圧の電圧位相φvを直接制御する手法が適用される場合もある。この場合、矩形波制御における電流指令が生成されないため、実施の形態1と同様の電流指令の修正処理を行なうことができない。
また、上記のようなトルクフィードバックによる制御の場合、実施の形態1での矩形波制御のように電流フィードバックを行っていないため、モータ電流を直接制御することができない。そのため、トルク指令によってはモータ電流が乱れてしまう場合がある。
本実施の形態1の変形例では、矩形波制御において、トルクフィードバックによってモータ印加電圧の電圧位相φvを直接制御して、電流指令が生成されない場合に、制御モード切替直前の実際のモータ電流を初期値とした上で、実施の形態1と同様に、PWM制御での電流指令を修正する手法について説明する。このように、切替直前の矩形波制御における実際のモータ電流を初期値とすることで、モータ電流が乱れた場合であっても、その乱れた状態からのモータ電流の連続性を確保するような電流指令を生成することができる。
図11には、モータ印加電圧の電圧位相φvを直接制御する場合の、矩形波制御によるモータ制御構成を説明する機能ブロック図が示される。
図11を参照して、矩形波制御部400は、電力演算部410と、トルク演算部420と、PI演算部430と、矩形波発生器440と、信号発生部450と、座標変換部460とを含む。
電力演算部410は、電流センサ24によるV相電流ivおよびW相電流iwから求められる各相電流と、各相(U相,V相、W相)電圧Vu,Vv,Vwとにより、下記(2)式に従ってモータへの供給電力(モータ電力)Pmtを算出する。
Pmt=iu・Vu+iv・Vv+iw・Vw …(2)
トルク演算部420は、電力演算部410によって求められたモータ電力Pmtおよび回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角θから算出される角速度ωを用いて、下記(3)式に従ってトルク推定値Tqを算出する。
Tq=Pmt/ω …(3)
PI演算部430へは、トルク指令値Trqcomに対するトルク偏差ΔTq(ΔTq=Trqcom−Tq)が入力される。PI演算部430は、トルク偏差ΔTqについて所定ゲインによるPI演算を行なって制御偏差を求め、求められた制御偏差に応じて矩形波電圧の位相φvを設定する。具体的には、正トルク発生(Trqcom>0)時には、トルク不足時には電圧位相を進める一方で、トルク過剰時には電圧位相を遅らせるとともに、負トルク発生(Trqcom<0)時には、トルク不足時には電圧位相を遅らせる一方で、トルク過剰時には電圧位相を進める。
矩形波発生器440は、PI演算部430によって設定された電圧位相φvに従って、各相電圧指令値(矩形波パルス)Vu,Vv,Vwを発生する。信号発生部450は、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに従ってスイッチング制御信号S3〜S8を発生する。インバータ14がスイッチング制御信号S3〜S8に従ったスイッチング動作を行なうことにより、電圧位相φvに従った矩形波パルスが、モータの各相電圧として印加される。
このように、変形例における矩形波制御では、トルク(電力)のフィードバック制御により、モータトルク制御を行なうことができる。ただし、矩形波制御ではモータ印加電圧の操作量が位相のみとなるので、モータ印加電圧の振幅および位相を操作量とできるPWM制御と比較して、その制御応答性は低下する。また、電力演算部410における電力演算(式(2))の際には、検出されたモータ電流(iv,iw)から歪み成分を除去するためのフィルタ処理が併せて実行される。
なお、電力演算部410およびトルク演算部420に代えてトルクセンサを配置することによって、当該トルクセンサの検出値に基づいて、トルク偏差ΔTqを求めてもよい。
また、座標変換部460は、電流センサ24によるV相電流ivおよびW相電流iwから求められる各相電流と交流電動機M1の回転角θとに基づいて座標変換(3相→2相)を行い、d軸およびq軸電流値Id,Iqを算出する。そして、座標変換部460は、電流記憶部495へ、d軸およびq軸電流値Id,Iqを出力する。なお、座標変換部460については、PWM制御部200の座標変換部220を、矩形波制御実施時にも動作させることで配置を省略することもできる。
なお、この変形例においては、図4に示される電流記憶部495は、制御モード選択部490からの切替信号TRGの入力時に、上記のd軸およびq軸電流値Id,Iqの最終値を、矩形波制御における最終の電流状態(Idfbk,Iqfbk)として記憶する。そして、電流記憶部495は、記憶した最終検出電流値Idfbk,IqfbkをPWM制御部200へ出力する。
また、この変形例の場合、図5に示した矩形波制御とPWM制御の切り替えのフローチャートにおいては、図5のS13のステップにおいて、電流指令の位相φi♯に代えて、モータ電流値IdおよびIqの位相φiを用いることによって、切替判定を行うことができる。この際、制御モード選択部490は、電流センサ24によって検出されたv相電流ivおよびW相電流iwに基づいて算出される各相電流を、回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角θを用いて座標変換(3相→2相)することにより、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iqを算出する。そして、d軸およびq軸電流値Id,Iqより、電流位相φiを算出する。
本実施の形態1の変形例においては、図9で示したPWM制御部200の構成は、電流記憶部495から指令修正部270へ入力される矩形波制御における最終の電流指令値Idref♯,Iqref♯が、切替直前の矩形波制御における最終の電流値Idfbk,Iqfbkに置き換わった構成となっている部分を除いては、実施の形態1の場合と同様である。
すなわち、指令修正部270における電流指令値の平滑化処理は、切替直前の矩形波制御における最終電流値Idfbk,Iqfbkを初期値とした上で、切替後のPWM制御における電流指令値Idcom,Iqcomの時間軸方向の変化を平滑化するように修正されることになる。
次に、図12のフローチャートを用いて、本実施の形態1の変形例における、電流指令修正制御の制御処理手順を説明する。なお、図12は、実施の形態1で示した図10のフローチャートにおけるS510をS511に置き換えたものとなっている。なお、図10と重複するステップについては説明は繰り返さない。
図12を参照して、制御装置30は、S500にて、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomから、予め作成されたテーブル等に従って、d軸電流指令値Idcomおよびq軸電流指令値Iqcomを生成する。次に、制御装置30は、S511にて、電流記憶部495より、矩形波制御における最終のモータ電流値Idfbk,Iqfbkを取得する。
次に、制御装置30は、S520にて、S500で生成したd軸電流指令値Idcomと、S511で取得した矩形波制御におけるd軸最終電流値Idfbkとに基づいて、平滑化処理を行うことによって、修正後のd軸電流指令値Idcomfを算出する。また、q軸についても、同様にして修正後のq軸電流指令値Iqcomfを算出する(S520)。
以降は、実施の形態1と同様に、S530〜S560のステップの処理を行い、インバータ14に対して駆動指令S3〜S8を出力する。
このような構成とすることによって、矩形波制御において電流指令を使用しない場合であっても、切替直前の矩形波制御での実際のモータ電流からの連続性が確保できるようなPWM制御での電流指令を生成することができるので、矩形波制御からPWM制御への切替時の電流偏差が大きくなることを防止でき、制御安定性を高めることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1およびその変形例における電流指令修正制御では、PWM制御でのd軸およびq軸電流指令値の両者について平滑化処理を行う手法について説明した。この場合、修正後の電流指令値Idcomf,Iqcomfによっては、目標とするトルクを出力することができない場合が発生する可能性があり、トルクが瞬間的に変動してしまう可能性がある。そして、実施の形態1のような電動車両の場合であれば、このトルク変動によって、車両乗員にトルクショックなどの違和感を与えてしまうおそれがある。
そこで、実施の形態2においては、d軸およびq軸電流指令値の一方のみ平滑化処理を行い、他方については、出力トルクとd軸およびq軸電流値との関係式から電流指令値を算出する手法について説明する。このような構成とすることによって、電流指令値の連続性を確保するとともに、目標とするトルクを確保することが可能となる。
一般的に、トルクTとd軸およびq軸電流値Id,Iqとの間には、下記(4)式に示される関係式が成立する。
T=N{(Ld−Lq)・Id+Φ}・Iq …(4)
N:極対数
Ld:d軸インダクタンス
Lq:q軸インダクタンス
Φ:永久磁石磁束
ここで、上記の極対数N、d軸およびq軸インダクタンスLd,Lq、および永久磁石磁束Φについては、交流電動機M1のモータ定数であり、たとえばモータの状態に応じて予め設定されたマップによって設定される。
上記(4)式を変形することにより、d軸電流Idおよびq軸電流Iqはそれぞれ下記(5)式,(6)式のように表すことができる。
Id={(T/(N・Iq))−Φ}/(Ld−Lq) …(5)
Iq=T/{N・{(Ld−Lq)・Id+Φ}} …(6)
したがって、図9の指令修正部270において、矩形波制御からPWM制御への切替直後のd軸およびq軸電流指令値うちの一方については、実施の形態1と同様の平滑化処理により算出するとともに、他方の電流指令値についてはトルク指令値Trqcomを用いて上記(5)式または(6)式の関係式によって算出することができる。これによって、目標のトルク指令値Trqcomが確保されるように、d軸またはq軸の電流指令値を算出することができる。
図13には、d軸電流指令値を平滑化処理により算出するとともに、q軸電流指令値を上記の関係式を用いた演算によって算出する場合のフローチャートが示される。
図13においては、実施の形態1で示した図10のフローチャートのS520のステップの部分が、S521およびS522で置き換えられたものとなっている。なお、図10と重複するステップの説明は繰り返さない。
図13を参照して、制御装置30は、S521にて、S510で取得したd軸最終電流指令値Idref♯を初期値とした上で、PWM制御でのd軸電流指令値Idcomの平滑化処理を行うことにより、修正後のd軸電流指令値Idcomfを算出する。
次に、制御装置30は、S522にて、トルク指令値TrqcomとS521で算出した修正後のd軸電流指令値Idcomfとを用いて、上記(6)式によりq軸電流指令値Iqcomfを算出する。
以降は、実施の形態1の図10での説明と同様に、S530〜S560のステップの処理を行い、インバータ14に対して駆動指令S3〜S8を出力する。
また、図14には、q軸電流指令値を平滑化処理により算出するとともに、d軸電流指令値を上記の関係式を用いた演算によって算出する場合のフローチャートが示される。
図14においては、図13のフローチャートのS521およびS522のステップの部分が、それぞれS523およびS524で置き換えられたものとなっている。なお、図13と重複するステップの説明は繰り返さない。
図14を参照して、制御装置30は、S523にて、S510で取得したq軸最終電流指令値Iqref♯に基づいて、PWM制御でのq軸電流指令値Iqcomの平滑化処理を行うことにより、修正後のd軸電流指令値Iqcomfを算出する。
次に、制御装置30は、S524にて、トルク指令値TrqcomとS523で算出した修正後のq軸電流指令値Iqcomfとを用いて、上記(5)式によりd軸電流指令値Idcomfを算出する。
以降は、S530〜S560のステップの処理を行い、インバータ14に対して駆動指令S3〜S8を出力する。
上記のような処理を行うことによって、電流指令の連続性を確保するとともに、目標とするトルクを出力することが可能となる。
なお、上記の処理については、実施の形態1の変形例についても適用することができる。すなわち、実施の形態1の変形例の図12におけるS520のステップを、上記と同様にS521およびS522、またはS523およびS524に置き換えることによって、同様の構成が実現できる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2における、PWM制御における電流指令修正制御では、基本的には修正後の電流指令値Idcomf,Iqcomfは、時間の経過とともに、本来の電流指令値であるIdcom,Iqcomにいずれ追従する。しかしながら、電流指令修正制御中の車両状態やモータ定数の変動などによって、修正後の電流指令値Idcomf,Iqcomfが、いつまでも本来の電流指令値であるIdcom,Iqcomに追従できない場合が発生する可能性がある。このような状態になると、上述の電流指令ラインに追従できないために、効率が悪い状態で運転が継続されることとなってしまう。
そこで、実施の形態3においては、実施の形態1および2における電流指令修正制御において、修正前後の電流指令の差が所定の基準値以内となった場合に、本来の電流指令に戻すことによって、効率低下を抑制する手法について説明する。
図15には、実施の形態3でのd−q軸平面上でのd軸およびq軸電流の変化の概念図が示される。矩形波制御の最終の電流指令である図中のP20から、実施の形態1または2と同様の手法により電流指令修正制御が適用されることにより、修正後の電流指令がW30に沿って変化して現在の電流指令がP30であるとする。この修正後の電流指令P30と本来の電流指令P11とのd−q軸平面上における差、すなわち距離が、所定の基準値以内となったときに、電流指令修正制御が中止され、修正後の電流指令P30が強制的に本来の電流指令P11に戻される。
なお、上記の所定の基準値については、修正後の電流指令から本来の電流指令に切替えても過電流等が発生しない程度の距離に基づいて設定されることが好ましい。
図16には、実施の形態3における、修正前後の電流指令の比較に基づく、電流指令修正制御を中止する場合のフローチャートが示される。
図16においては、実施の形態1で示した図10のフローチャートにS515およびS600〜S640が追加されたものとなっている。なお、図10と重複するステップの説明は繰り返さない。
図16を参照して、制御装置30は、S510にて、電流記憶部495より、矩形波制御における最終電流指令値Idref♯,Iqref♯を取得する。その後、制御装置30は、S515にて、修正中止フラグFLGがオンしているかどうかを判定する。
修正中止フラグFLGがオンしている場合(S515にてYES)は、制御装置30は、S520およびS600〜S640の処理をスキップして、S530に処理を移す。
そして、本来の電流指令値Idcom,Iqcomを用いて、S530〜S560までの処理を行うことにより、インバータ14への駆動指令を出力する。
一方、修正中止フラグFLGがオフしている場合(S515にてNO)は、制御装置30は、S520にて、電流指令値Idcom,Iqcomについて、実施の形態1と同様の平滑化処理を行う。
その後、処理がS600に移され、d−q軸平面上での修正前後の電流指令の距離Lを(7)式のように算出する。
L={(Idcom−Idcomf)2+(Iqcom−Iqcomf)21/2 …(7)
そして、次に、S610において、S600で算出した距離Lが所定の基準値α1より小さいか、すなわち修正後の電流指令が本来の電流指令に近接しているか否かが判断される。
上記距離Lが基準値α1以上の場合(S610にてNO)の場合は、修正後の電流指令は本来の電流指令に近接していないと判断され、S620に処理が移されて修正後の電流指令値Idcomf,Iqcomfが選択される。そして、S530に処理が移され、修正後の電流指令値Idcomf,Iqcomfを用いてS530〜S560の処理が実行される。
一方、距離Lが基準値α1より小さい場合(S610にてYES)の場合は、修正後の電流指令が本来の電流指令に近接していると判断され、S630にて、修正前の本来の電流指令値Idcom,Iqcomが選択される。これによって、PWM制御における電流指令が、修正前の本来の電流指令に戻される。
そして、次にS640に処理が移され、制御装置30は、修正中止フラグFLGをオンに設定する。これによって、次回以降の制御周期においては、上記のS515での判定により電流指令の修正が中止される。
そして、その後電流指令値Idcom,Iqcomを用いて、S530〜S560の処理が実行され、インバータ駆動指令S3〜S8が出力される。
このような処理を行うことによって、修正後の電流指令が本来の電流指令に近接した場合には、強制的に本来の電流指令に復帰させることが可能となる。
なお、修正中止フラグFLGについては、図示しないが、PWM制御から矩形波制御への切替時にリセットされオフとされる。
また、実施の形態1の変形例および実施の形態2についても、同様の構成の適用が可能である。すなわち、S510をS511に、またS520をS521およびS522、またはS523およびS524に適宜置き換えることによって、同様の構成が実現できる。
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3においては、d−q軸平面上における修正前後の電流指令の距離に基づいて本来の電流指令に戻す手法について説明した。
しかしながら、モータ定数の変動がさらに大きい場合などでは、d−q軸平面上における修正前後の電流指令の距離による判定によっても、本来の電流指令に復帰できない可能性がある。特に、実施の形態2のように一方の電流指令値を数式により算出するような場合には、モータ定数の変動などの影響により、その可能性が高くなる。
平滑化によって修正された電流指令値は、時間の経過とともに必ず本来の電流指令値に追従するので、実施の形態3の変形例では、d軸もしくはq軸の電流指令値のうち、平滑化によって修正された電流指令値について、修正前後の電流指令値の差が、所定の基準値以内になった場合に、制御装置30が電流指令修正制御を中止するとともに、本来の電流指令値に復帰させる手法について説明する。
図17には、実施の形態3の変形例における制御のフローチャートが示される。図17は図16で示した実施の形態3のフローチャートにおいて、S600およびS610のステップが、S605およびS615に置き換わったものとなっている。なお、図17においては、d軸電流指令値を平滑化する場合にd軸電流指令値の差によって判定を行う場合について説明する。また、図16と重複するステップの説明は繰り返さない。
図17を参照して、制御装置30は、S520にて電流指令値の平滑化処理を行い、修正後の電流指令値Idcomf,Iqcomfを算出する。
次に、制御装置30は、S605にて、修正後のd軸電流指令値Idcomfと修正前の本来のd軸電流指令値Idcomとの電流指令の差L♯(=|Idcom−Idcomf|)を算出する。
そして、制御装置30は、S615にて、S605で算出した電流指令の差L♯が所定の基準値α1♯より小さいか否かを判定する。
電流指令の差L♯が所定の基準値α1♯以上の場合(S615にてNO)は、S620に処理が移され、修正後の電流指令が選択される。一方、電流指令の差L♯が所定の基準値α1♯より小さい場合(S615にてYES)は、S630に処理が移され、修正前の本来の電流指令が選択される。以降の処理については、図16の場合と同様である。
このような構成とすることによって、修正前後のd軸電流指令値が近づいた場合に、電流指令修正制御を中止して本来の電流指令に復帰させることが可能となる。
なお、上記の説明では、d軸電流指令値を平滑化している場合に、修正前後のd軸電流指令値の電流指令の差により判定を行ったが、q軸電流指令値を平滑化している場合には、S605にて、修正前後のq軸電流指令値の電流指令の差によって判定する。
なお、d軸およびq軸電流値の両者について平滑化を行う場合については、上記のようにd軸もしくはq軸のいずれか一方を選択して判定してもよいし、d軸およびq軸の両方について判定してもよい。
また、実施の形態1の変形例および実施の形態2に対しても、図17においてS510およびS520を適宜置き換えることによって、同様の構成が適用可能である。
なお、電流指令の差L♯の判定に用いる基準値α1♯については、d軸電流指令値で判定する場合と、q軸電流指令値で判定する場合とによって、異なる値に設定してもよい。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3およびその変形例における電流指令修正制御は、上述の通り、電流指令の平滑化処理により、急激な電流指令の変化を抑制することを目的としている。そのため、この電流指令修正制御を適用すると、当該制御を適用しない場合と比較して、本来の電流指令への追従は遅くなることが懸念される。
そのため、矩形波制御からPWM制御への切替時の実際のモータ電流と、PWM制御における電流指令との電流偏差が大きく、モータ電流が乱れているような場合には、この電流指令修正制御を適用すると、電流の乱れの修正動作が遅れることにより、モータの制御性が悪くなってしまう可能性がある。
そこで、実施の形態4においては、矩形波制御からPWM制御への切替時に、実際のモータ電流とPWM制御における本来の電流指令との乖離の度合いが大きい場合には、電流指令修正制御を適用せず、通常の電流フィードバック制御によって、速やかにモータ電流の乱れを修正することで、モータの制御性を向上をする手法について説明する。
図18には、実施の形態4における電流指令修正制御の中止処理の概念図が示される。図18は、矩形波制御からPWM制御への切替時における、d−q軸平面での電流を示している。図中のP12が切替時のPWM制御における電流指令を示しており、P40が切替時の実際のモータ電流を示している。
そして、d−q軸平面において、上記の電流指令P12とモータ電流P40との間の距離(電流偏差)を算出するとともに、この距離が所定の基準値α2以上となった場合には、電流指令修正制御の適用を中止して、本来の電流指令(P12)を選択してインバータ14への駆動指令S3〜S8を生成する。
このような構成とすることによって、矩形波制御からPWM制御への切替時におけるモータ電流の電流偏差(乱れ)が大きい場合には、電流指令修正制御の適用を中止することによって、速やかにモータ電流の乱れを修正することができる。
図19には、実施の形態4における修正制御中止処理を示すフローチャートが示される。図19は実施の形態1のフローチャートである図10に、S501およびS502のステップが追加されたものとなっている。なお、図10と重複するステップの説明は繰り返さない。
図19を参照して、制御装置30は、S501において、S500にて生成した電流指令値Idcom,Iqcomと、そのときの実際のモータ電流値Id,Iqとから、d−q軸平面における両者の電流偏差である距離LLを(8)式のように算出する。
LL={(Idcom−Id)2+(Iqcom−Iq)21/2 …(8)
そして、制御装置30は、S502にて、この距離LLが所定の基準値α2より小さいか否かを判定する。
距離LLが所定の基準値α2より小さい場合(S502にてYES)は、制御装置30は、以降のS510〜560の処理を実行することによって、実施の形態1同様に電流指令の修正処理を実行して、インバータ14への駆動指令を生成して出力する。
一方、距離LLが所定の基準値α2以上の場合(S502にてNO)は、S510およびS520の電流指令の修正処理がスキップされ、S530に処理が移される。そして、本来の電流指令値Idcom,Iqcomを用いてS530〜S560の処理が実行される。
このような処理を行うことによって、矩形波制御からPWM制御への切替時におけるモータ電流の乱れが大きい場合には、電流指令修正制御の適用を中止することによって、速やかにモータ電流の乱れを修正することができ、モータの制御性を向上することができる。
なお、図19において、S510およびS520のステップを適宜置き換えることによって、実施の形態1〜3およびその変形例についても同様の構成が適用可能である。
(実施の形態5)
交流電動機M1として永久磁石型同期電動機を適用する場合には、永久磁石のために界磁が可変にできないので、一般的に、d軸電流指令値は界磁弱め制御としてゼロまたは負の領域で制御される。
したがって、実際のモータ電流のd軸電流値Idが正の領域となっている場合には、モータの制御性の観点から、速やかにd軸電流をゼロまたは負の領域に復帰させることが必要である。そのため、矩形波制御からPWM制御への切替時においても、d軸電流値Idが正の領域となっている場合には、d軸電流値の復帰を優先させて行う必要がある。
そこで、実施の形態5においては、矩形波制御からPWM制御への切替時に、実際のモータ電流のd軸電流値Idが所定の基準値α3より大きい場合(具体的には、Idが正の場合)には、電流指令修正制御の適用を中止することで、速やかにd軸電流指令値をゼロまたは負の領域に復帰させる手法について説明する。
図20には、実施の形態5における修正制御中止処理を示すフローチャートが示される。図20は実施の形態1のフローチャートである図10に、S503のステップが追加されたものとなっている。なお、図10と重複するステップの説明は繰り返さない。
図20を参照して、制御装置30は、S500において、トルク指令値Trqcomより電流指令値Idcom,Iqcomを生成する。そして、制御装置30は、S503にて、モータ電流のd軸電流値Idが所定の基準値α3以下か否かを判定する。なお、S503で使用する所定の基準値は、ゼロもしくは略ゼロの値とすることが好ましい。
d軸電流値Idが所定の基準値α3以下の場合(S503にてYES)は、処理がS510に移され、実施の形態1と同様にS510〜S560の処理を行うことによって、電流指令の修正処理を行なうとともに、インバータ14への駆動指令を出力する。
一方、d軸電流値Idが所定の基準値α3より大きい場合(S503にてNO)は、S510およびS520の電流指令の修正処理がスキップされ、S530に処理が移される。そして、本来の電流指令値Idcom,Iqcomを用いてS530〜S560の処理が実行される。
このような処理を行うことによって、矩形波制御からPWM制御への切替時におけるd軸電流値Idが正の領域である場合には、電流指令修正制御の適用を中止することによって、電流フィードバック制御により速やかにd軸電流指令値をゼロまたは負の領域に修正することができるので、モータ制御性を向上させることができる。
なお、本実施の形態におけるPWM制御部が、本発明の「パルス幅変調制御部」に対応する。また、PWM制御における電流指令(Idcom,Iqcom)が、本発明における「第1の電流指令」に対応し、平滑化後の電流指令(Idcomf,Iqcomf)が本発明における「第2の電流指令」に対応する。また、矩形波制御における電流指令(Id♯,Iq♯)が、本発明における「第3の電流指令」に対応する。また、本実施の形態における所定の基準値α1およびα1♯が本発明ににおける「第1の基準値」に対応し、基準値α2,α3が、それぞれ本発明ににおける「第2の基準値」,「第3の基準値」に対応する。
なお、本実施の形態の説明においては、本交流電動機の制御装置が適用されるモータ駆動制御システムが搭載された電動車両について説明したが、本構成に制限されることはなく、本モータ駆動制御システムにより駆動可能な交流電動機を含むシステムであれば、本実施の形態が適用可能である。
なお、上述した機能ブロック図およびフローチャートについては、記載したすべての機能ブロックおよびステップを備えることは必須ではなく、必要に応じて一部の機能ブロック、ステップを省略することが可能であることを、確認的に述べておく。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 アース線、6,7 電力線、10♯ 直流電圧発生部、10,13 電圧センサ、11 電流センサ、12 コンバータ、14 インバータ、15 U相上下アーム、16 V相上下アーム、17 W相上下アーム、24 電流センサ、25 回転角センサ、30 制御装置、100 モータ駆動制御システム、200 PWM制御部、210 電流指令生成部、220,250,460 座標変換部、240 電圧指令生成部、260 PWM変調部、270 指令修正部、290 フィードバック制御部、400 矩形波制御部、410 電力演算部、420 トルク演算部、430 PI演算部、440 矩形波発生器、450 信号発生部、490 制御モード選択部、495 電流記憶部、B 直流電源、C0,C1 平滑コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、M1 交流電動機、Q1〜Q8 電力用半導体スイッチング素子、SR1,SR2 システムリレー。

Claims (7)

  1. インバータと、前記インバータによって印加電圧が制御される交流電動機と、前記インバータおよび前記交流電動機の間を流れるモータ電流を検出するための電流検出器とを備えるモータ駆動制御システムの制御装置であって、
    前記交流電動機を動作指令に従って動作させるように、前記交流電動機に印加される矩形波電圧の電圧位相を制御する矩形波制御に従って、前記インバータの制御指令を生成する矩形波制御部と、
    搬送波と、前記交流電動機を前記動作指令に従って動作させるための交流電圧指令との比較に基づくパルス幅変調制御によって、前記インバータの制御指令を生成するパルス幅変調制御部と、
    前記交流電動機の動作状態に応じて、前記矩形波制御および前記パルス幅変調制御のいずれか一方の制御モードを選択するように構成された制御モード選択部と、
    前記制御モード選択部による前記矩形波制御から前記パルス幅変調制御への前記制御モードの切替時に、前記矩形波制御における切替直前の最終の電流状態を記憶するように構成された電流記憶部とを備え、
    前記パルス幅変調制御部は、
    前記パルス幅変調制御において、前記動作指令に従って第1の電流指令を生成するように構成された電流指令生成部と、
    前記矩形波制御から前記パルス幅変調制御への前記制御モードの切替時に、前記電流記憶部に記憶された前記最終の電流状態を初期値とした上で、前記第1の電流指令について時間軸方向の変化を平滑化するように修正することにより第2の電流指令を生成するように構成された指令修正部と、
    前記第2の電流指令に基づく前記モータ電流のフィードバック制御に従う前記パルス幅変調制御によって、前記制御指令を生成するフィードバック制御部とを含む、モータ駆動制御システムの制御装置。
  2. 前記矩形波制御部は、前記動作指令が反映された第3の電流指令に基づく前記モータ電流のフィードバック制御によって、前記電圧位相を制御するように構成され、
    前記電流記憶部は、前記矩形波制御における前記制御モード切替直前の最終の前記第3の電流指令に基づいて前記最終の電流状態を記憶する、請求項1に記載のモータ駆動制御システムの制御装置。
  3. 前記電流記憶部は、前記矩形波制御において、前記制御モード切替直前に、前記電流検出器で検出された最終の前記モータ電流に基づいて電流値を前記最終の電流状態として記憶する、請求項1に記載のモータ駆動制御システムの制御装置。
  4. 前記動作指令はトルク指令値であり、
    前記第1の電流指令は、第1のd軸電流指令値および第1のq軸電流指令値を含み、
    前記第2の電流指令は、第2のd軸電流指令値および第2のq軸電流指令値を含み、
    前記指令修正部は、前記第1のd軸電流指令値および前記第1のq軸電流指令値のいずれか一方に対して前記平滑化を行うとともに、前記平滑化により得られた前記第2のd軸電流指令値および前記第2のq軸電流指令値の一方と前記トルク指令値とに基づいて、前記第2のd軸電流指令値および前記第2のq軸電流指令値の他方を算出する、請求項2または請求項3に記載のモータ駆動制御システムの制御装置。
  5. 前記指令修正部は、d−q座標軸平面上における、前記第1の電流指令と前記第2の電流指令との電流指令の差が、第1の基準値以下となった場合は、前記平滑化を停止して前記第2の電流指令を前記第1の電流指令に一致させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ駆動制御システムの制御装置。
  6. 前記指令修正部は、前記矩形波制御から前記パルス幅変調制御への前記制御モードの切替時の、d−q座標軸平面上における、前記モータ電流と前記第1の電流指令との電流偏差が、所定の第2の基準値より大きい場合は、前記平滑化を停止して前記第2の電流指令を前記第1の電流指令に一致させる、前記1〜5のいずれか1項に記載のモータ駆動制御システムの制御装置。
  7. 前記モータ電流は、d軸電流値およびq軸電流値を含み、
    前記指令修正部は、前記矩形波制御から前記パルス幅変調制御への前記制御モードの切替時の前記d軸電流値が、前記交流電動機の制御可能範囲から定まる所定の第3の基準値より大きい場合は、前記平滑化を停止して前記第2の電流指令を前記第1の電流指令に一致させる、前記1〜5のいずれか1項に記載のモータ駆動制御システムの制御装置。
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