JPH11187699A - 誘導電動機の速度制御方法 - Google Patents

誘導電動機の速度制御方法

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JPH11187699A
JPH11187699A JP9354360A JP35436097A JPH11187699A JP H11187699 A JPH11187699 A JP H11187699A JP 9354360 A JP9354360 A JP 9354360A JP 35436097 A JP35436097 A JP 35436097A JP H11187699 A JPH11187699 A JP H11187699A
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Kazuaki Tobari
和明 戸張
Toshiaki Okuyama
俊昭 奥山
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動機定数の変動等による速度推定誤差の影響
を受けることなく、零速度域においてもトルク不足を生
じない誘導電動機の速度制御法を提供すること。 【解決手段】速度指令値が所定値以下の場合、d軸電流
を通常時の値以上に制御すると共に、周波数指令値の演
算に速度推定値の代わりに速度指令値を用いる。 【効果】零速度域からトルク不足なしに誘導電動機の速
度制御を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機の速度
制御方法に関し、特に電動機取り付けの速度センサが不
要で零速度域から高トルクが得られる速度センサレスベ
クトル制御法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機のベクトル制御においては、
電動機の回転速度とすべり周波数基準値の加算値に応じ
て変換器の出力周波数を制御する方法が一般的である。
一方、速度センサレスベクトル制御においては、実回転
速度の代わりに速度推定値を用いて出力周波数を制御す
る。ところが、速度推定値には誤差が含まれるため、実
すべり周波数は適正基準値から変動するようになる。こ
のとき、電動機磁束はトルク変化に応じて変動(減少)
するようになり、この結果、電動機発生トルクはトルク
電流に比例しなくなり、極度の場合は、トルク不足を来
たす場合がある。速度推定の誤差原因としては、速度推
定演算に用いる電動機定数(1次および2次抵抗)の設
定誤差、並びにこれを1次原因として2次的に発生する
電動機磁束の変動が挙げられる。従来はこれらの変動を
補償する十分な方法がなく、このため、特に零速度近傍
においてトルク不足を生じる場合があった。なお、関係
の文献としては、奥山、他「速度,電圧センサレスベク
トル制御における制御定数設定誤差の影響とその補償」
電学論D,110,447(平2−5)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電動
機定数の変動等による速度推定誤差の影響を受けること
なく、零速度域においてもトルク不足を生じない誘導電
動機の速度制御法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、速度指令値が
所定値以下の場合、d軸電流を通常時の値以上に制御
し、また、周波数指令値を速度推定値に代えて速度指令
値に基づいて演算するようにしたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について図を用い
て説明する。
【0006】図1は、本発明の一実施例の速度センサレ
スベクトル制御装置の構成例を示す。1は誘導電動機、
2は電圧指令値V1 *に比例した出力電圧を出力する電力
変換器、3は変換器出力電流iu,iwを座標変換し、d
軸およびq軸電流id,iqを演算する座標変換器、4は
q軸電圧指令値Vq **およびiqに基づいて速度推定値ω
r^を演算する速度推定器、5は速度指令値ωr *と速度
推定値ωr^の偏差に応じて、q軸電流指令値iq*を出
力する速度制御器で、id に応じてiq*を制限する制限
器を備えている。6はiq*とiq に応じてΔqを出力す
るq軸電流制御器、7はiq*に基づいてすべり周波数基
準値ωs *を演算するすべり周波数演算器、8は、ωr
とωs *を加算して信号ω1 *を得る加算器、9はω1 *とω
r *を回転速度の大小に応じて切り替えて出力する切り替
え器で、ω1 *と関数器91の出力Ga1を乗算する乗算
器92,ωr *と関数器93の出力Ga2を乗算する乗算
器94、および両乗算器の出力を加算する加算器95に
より構成される。10は切替回路9からの出力周波数指
令値ω1 ** を積分して位相基準値θを出力する位相基準
発生器、11はd軸電流指令器で、添加電流値Δid と
関数器111の出力Ga3 を乗算する乗算器112、お
よび基準電流値id*と乗算器出力を加算し、その1次遅
れ値id**を出力する遅れ回路113により構成され
る。12はid**とidの偏差に応じた信号Δdを出力す
るd軸電流制御器、13はid**,iq*、およびω1 **
基づいてd軸およびq軸電圧基準値Vd *,Vq * を演算
する電圧演算器、14はVd *とΔdの加算値Vd **を出
力する加算器、15はVq * とΔqの加算値Vq **を出力
する加算器、16はVd **とVq ** を座標変換し、変換
器出力電圧指令値V1 *(3相)を出力する座標変換器で
ある。
【0007】以上において、9,11が本発明の特徴的
なところである。9,11内の関数器の特性は次のよう
である。関数器91の出力Ga1 はωr *が零近傍では
0、大では1の値をとり、関数器93の出力Ga2 はそ
の逆の値をとる。すなわち、Ga1,Ga2は互いに相補
の、(数1)の関係にある。
【0008】
【数1】 Ga1+Ga2=1 …(数1) したがって、切り替え器9の出力ω1 ** は(数2)で与
えられる。これにより、ω1 ** は零速域ではωr *に、そ
れ以外ではω1 *に一致する。Ga1,Ga2の漸増/漸減
領域は切り替えを円滑に行うためのもので、この領域で
はω1 ** としてω1 *とωr *の中間値が出力される。
【0009】
【数2】 ω1 **=ω1 *Ga1+ωr *Ga2 …(数2) また、関数器111の出力Ga3は、ωr *が零近傍では
1、それ以外では0の値をとる。これにより、id**
よびid は零速度域において基準値id*からΔidだけ
強められる。
【0010】次にシステム全体の動作について述べる。
構成要素の1〜7,10,12,13,14〜16につ
いては、従来の速度センサレスベクトル制御システムと
同様であるが、先ず概要について述べる。
【0011】速度センサレスベクトル制御においては、
変換器出力電圧および出力電流に基づいて回転速度を推
定し、これを速度制御器5にフィードバックして速度制
御を行うと共に、速度推定値ωr^ とすべり周波数基準
値ωs *の加算値に従い変換器出力周波数を制御する。周
知の速度センサ付きベクトル制御との違いは、電動機取
り付けの速度センサからの速度検出値を用いる代わりに
速度推定値を用いる点にあるが、基本動作は同様であ
る。
【0012】速度制御器5からのq軸電流指令値iq*
並びにd軸電流指令id**に従い電動機電流iq,idを
制御するには、このために必要な電動機電圧を変換器よ
り供給する必要がある。そこで、電圧演算器13におい
て、電流指令値id**,iq* および周波数指令ω1 **
基づいてd軸およびq軸電圧基準値Vd *,Vq *を演算
し、これを用いて変換器出力電圧を制御する。しかし、
これだけでは制御誤差により電流id,iqが各指令値に
一致しないため、q軸およびd軸電流制御器6,12か
らのΔq,Δdにより電圧Vq *,Vd *を修正し、iq,
idを指令値に一致するように制御する。このようにし
てすべり周波数制御型ベクトル制御の動作が行われ、電
動機トルクはiq*に比例して制御される。
【0013】次に、各構成要素の詳細な動作について述
べる。
【0014】速度推定器4において(数3)に従い速度
推定値ωr^を演算する。
【0015】
【数3】 ωr^=1/(1+T0s)L2 */(M*φ2d *){Vq **−ω1 ***Lσ*id** −(Rσ*+Lσ*s)iq} …(数3) ここに、T0 :オブザーバ時定数 L2 *,M*:2次および励磁インダクタンス(基準値) φ2d *:2次磁束(基準値) Rσ*:1次および2次抵抗の和(基準値) Lσ*:1次および2次漏れインダクタンスの和(基準
値) ω1 **:変換器出力周波数(指令値) 図2に速度推定器4の(数3)に基づく演算内容を示
す。41は電動機モデルであり、電動機q軸電圧V
q(=Vq **)と誘導起電力eq および電流iqの関係を
示す。推定原理は、eq を逆モデルにより推定し、基準
磁束量で割算することにより速度推定値ωr^を演算す
るものである。
【0016】ωr^は速度制御器5へのフィードバック
信号に用いると共に、ω1 * の演算に用いられる。この
演算式を(数4)に示す。従来制御ではω1 *がそのまま
出力周波数指令値ω1 **に使用され、変換器の出力周波
数が制御される。
【0017】
【数4】 ω1 *=ωr^+ωs * …(数4) 一方、速度制御器5において、速度偏差ωr *−ωr^ に
応じてq軸電流指令値iq* が演算される。電動機トル
クは基本的にはiq* に比例するため、ωr^ がωr *
一致するように速度制御が行われる。電動機トルクがi
q*に正しく比例するためには、電動機電流iq がiq*
一致し、また電動機磁束が基準値に保たれることが条件
である。これには電動機電流id,iqを各指令値i
d**,iq* に一致するように制御することが必要であ
り、このために、d軸およびq軸電流制御器12,6が
設けてある。各運転条件における電動機電圧は(数5)
で示されるが、これに相当の電圧Vd *,Vq *はid**
iq*,ω1 **および電動機定数に基づいて(数6)を用
い、予め演算により求めることができる。電圧演算器1
3においてこの演算を行う。
【0018】
【数5】 Vd =r1id−ω1Lσiq Vq =r1iq+ω1Lσid+ω1(M/L22d …(数5) ここに、r1:1次抵抗(実際値) Lσ* :1次および2次漏れインダクタンスの和(実際
値) L2 ,M:2次および励磁インダクタンス(実際値) φ2d:2次磁束(実際値)
【0019】
【数6】 Vd *=r1*id**−ω1 **Lσ*iq* q *=r1*iq*+ω1 **Lσ*id**+ω1 **(M*/L2 *2d * …(数6) ここに、*および**は、基準値/指令値を示す。
【0020】変換器出力電圧(電動機電圧)は、基本的
にはこのVd *およびVq *に従い制御される。しかし、制
御誤差があると、これだけでは実電流id,iqが各指令
値に一致しないため、d軸およびq軸電流制御器12,
6により電流偏差に応じた信号Δd,Δqを求め、これ
により出力電圧を修正し、id,iqを指令値に一致する
ように制御している。
【0021】以上が従来からのものと共通な動作である
が、次に本発明に直接関係する内容について述べる。
【0022】速度推定器4で求めたωr^ には推定誤差
が含まれる。このため、前述のようにトルク不足の問題
が発生する。推定誤差の原因には、1次および2次抵抗
の温度変化並びに電動機の鉄心飽和による漏れインダク
タンスの変動などがあるが、特に零速度域では種々の原
因からトルク低下が生じ易い。
【0023】本発明は、零速度域のトルク低下の防止を
目的に、零速度域では前述と異なる原理により速度制御
を行う。以下、この内容について述べる。
【0024】トルク低下は前述のように速度推定誤差が
原因であるが、さらにこれを分析すると次の2つに大別
できる。
【0025】(1)速度推定値を基に周波数を制御する
ことから、推定誤差により実すべり周波数が適正値から
変動する。
【0026】(2)速度推定値を用いて速度制御するた
め、推定誤差によりトルク電流を適正値に制御できな
い。
【0027】そこで本発明においては、それぞれを次の
ようにして解決する。
【0028】「1」零速度域では、推定値ωr^ に代え
て速度指令値ωr *を用い出力周波数指令値ω1 ** を演算
する。すなわち、零速度域では、切り替え器9により通
常時のω1 *に代えてωr *を選択し出力させ、変換器出力
周波数を速度指令値ωr *に応じて制御する。
【0029】「2」零速度域では、d軸電流を通常時よ
り大きめの所定値に制御する。すなわち、d軸電流指令
器11において、通常時の基準値id*にΔidを加算
し、idを強め制御する。
【0030】「1」「2」を適用した場合の、電動機発
生トルクτe と電流Ι1 の関係を(数7)に示す。
【0031】
【数7】 τe =k(ωs2)/(1+(ωs2)2)I1 2 …(数7) ここに、k:比例定数 ωs :すべり T2 :2次時定数 I1 :電動機電流の大きさ I1 が一定の場合、電動機トルクτe は、ωs・T2=±
1において最大値をとるが、ωs=0からこの間は、τ
e はすべり周波数ωsに応じて変化する。この場合、ωs
は、実速度ωrが変換器出力周波数ω1(=ωr *)に対し
て変動することにより受動的に発生する。すなわち、負
荷トルクの増/減に応じてωs が増/減することによ
り、τe は負荷トルクに追従して発生する。この結果、
電動機速度ωr はωr *の近傍(すべり分だけ変動)に保
たれる様になり、速度指令値に応じて速度制御が行われ
る。
【0032】ここで、電動機最大トルクは負荷最大トル
ク以上であることが必要なため、I1 を負荷最大トルク
に見合う値以上に予め制御する必要がある。このために
idあるいはiqを所定値に制御する。この方法として
は、iq*を速度偏差とは無関係に所定値に設定する方法
もあるが、零速度域では負荷トルクの方向をωr^など
から検知することが精度上、難しいので、iq*の極性の
設定が行えない。このため、極性の設定が不要なid**
を所定値に設定する方法を図1の実施例では適用してい
る。このとき、前記「2」でも記述したように、電流指
令値id** を、通常時の基準値id*にΔidを加算した
値とし、id(=I1 相当)を最大負荷トルクに見合う
値に制御する。
【0033】零速度域においては、以上のように変換器
の出力周波数と出力電流を制御するため、前記(1)
(2)の問題が解決され、トルク不足も解消する。
【0034】出力周波数が数Hz以上の範囲では、切り
替え器9の出力はωr *からω1 *に切り替えられ、従来方
式と同様に速度推定値ωr^ を用いて周波数制御を行
う。切り替えを円滑にするため、切り替えに伴うω1 **
の急激な変化を抑制するように、ωr *とω1 *を漸次切り
替える。関数器91,93の出力Ga1,Ga2の漸増/
漸減特性はこのために設けている。また、d軸電流指令
器11においては、idの急変を抑えるため、遅れ回路
113が設けてある。
【0035】また、idを強めた状態(零速度域)では、
電動機電流I1 が定格値を超えないようにするため、i
q*を制限する必要があること、また、この期間では、ω
r^の精度低下により、iq*は適正値から離れるため、
iq*を所定値または略零に制限することが必要である。
本実施例では、(数8)に従いidに応じてiq*の制限値
iqMAXを可変する方法を用いている。
【0036】
【数8】 iqMAX=√(I1 *2−id2) …(数8) ここに、I1 *:電動機電流設定値図3は本発明の他の実
施例を示す。速度推定値ωr^ をq軸電流制御器6′の
出力より得る方式の速度センサレスベクトル制御装置へ
の適用例である。図において、1〜3,5,7,9〜1
4,16は図1のものと同一物である。6′はiq*とi
qの偏差に応じてωr^を出力するq軸電流制御器、8′
はωr^とωs *を加算し、信号ω1 *を出力する加算器で
あり、切り替え器9は前記実施例と同様にωr *の大小に
応じてω1 *とωr *を選択し出力する。切り替え器9より
ω1 *が出力される従来制御の状態では、電流制御器6′
の出力がωr^ 相当となることを考慮すれば、前記実施
例と同様に動作し、同様の効果が得られることは明らか
である。
【0037】図4は本発明の他の実施例を示す。信号ω
1 *をq軸電流制御器6″の出力より得る方式の速度セン
サレスベクトル制御装置への適用例である。図におい
て、1〜3,5,7,9〜14,16は図1のものと同
一物である。6″はiq*とiqの偏差に応じてω1 *を出
力するq軸電流制御器、8″はω1 *からωs *を減算し、
速度推定値ωr^ を求め速度制御器5にフィードバック
する減算器であり、切り替え器9は前記実施例と同様に
ωr *の大小に応じてω1 *とωr *を選択し出力する。切り
替え器9よりω1 *が出力される従来制御の状態では、電
流制御器6″の出力がω1 *相当となることを考慮すれ
ば、前記実施例と同様に動作し、同様の効果が得られる
ことは明らかである。
【0038】前記実施例では、零速度域においてid を
所定値に強め制御しているが、零速度域でのトルクが正
負両方向あり、一定していない場合はこの方法が適して
いる。理由については先述した。一方、トルクが片方向
のみの場合は、iq*の極性はトルク方向に応じて設定す
ればよいので、前記実施例のようにid を所定値に設定
する代わりに、零速度域においてiq*を所定値(負荷最
大トルクに見合う値)に設定する方法も可能である。
【0039】図5に、この実施例の構成を示す。図にお
いて、構成要素の1〜10,12〜16は図1のものと
同一物であり、動作も同じである。17は回転速度の大
小に応じて速度制御器5の出力iq*と設定電流値iq0
を切り替えて出力する切替回路で、ωr *に応じて零速度
域において「1」、それ以外では「0」の信号を出力す
る関数器171,iq0と遅れ回路172の出力Ga4
(0≦Ga4≦1)を乗算する乗算器173,Ga4に対
して相補の関係にある信号Ga5(=1−Ga4,0≦Ga
5≦1)とiq*を乗算する乗算器174、および両乗算
器の出力を加算し、q軸電流制御器6の電流指令iq**
を出力する加算器175から構成される。
【0040】このものの動作は、以下である。関数器1
71は、前述したように、零速度域においては「1」、
それ以外では「0」の信号を出力する。遅れ回路172
は切り替えを円滑に行わせるためのもので、前記信号に
1次遅れで追従する信号Ga4を出力する。
【0041】零速度域ではGa4は「1」、Ga5は
「0」のため、乗算器173,174および加算器17
5の動作に従い、q軸電流指令器17からはiq0 が出
力される。したがって、零速度近傍ではiq0に従いiq
が制御されて十分なトルクが得られる(iq0 は負荷最
大トルクに見合う値に設定される)。なお、零速度域以
外ではこれとは逆にiq*に従いiqが制御され、動作は
従来のものと同一となる。以上のようにして、零速度域
では、ωr *に応じて変換器出力周波数を、また、所定値
iq0 に従い電動機電流を制御することから、このもの
においても前記実施例と同様の効果が得られる。
【0042】前記実施例は、速度制御器5を備え、その
出力信号iq*に応じてトルクを制御する速度制御方式へ
の適用例であったが、速度制御器を備えない方式にも本
発明を適用し同様の効果が得られる。
【0043】図6はこの実施例の構成を示す。図におい
て、構成要素の1〜3,10〜14,16は図1のもの
と同一物である。7′はq軸電流値iq に基づいてすべ
り周波数基準値ωs *を求めるすべり周波数演算器であ
る。
【0044】次にシステム全体の動作について述べる。
零速度域以外の状態ではωr *+ωs *の周波数指令値ω1
** が、また、d軸電流指令器11からは基準値id*
出力される。このとき全体の動作は従来の速度センサレ
スベクトル制御システムと同一となる。すなわち、略ω
r *に応じて変換器出力周波数を制御すると共に、電圧演
算器13においてid*,iqおよびω1 **に基づいて所要
の電動機電圧を演算し、これにより変換器出力電圧を制
御する。
【0045】以上のようにして、変換器の出力電圧と周
波数が制御されることから、V/f制御に類似の動作が
行われる。しかし、電圧演算器13により、電動機の内
部電圧降下を補償して誘導起電力(電動機磁束)が所定
値となるように制御しているため、低速度域まで十分な
トルクが得られるものである。
【0046】このものに本発明を適用した場合は、零速
度域ではωr *を出力し、またd軸電流指令器11は、i
d*にΔid を加算した指令値id**を出力し、idを強め
制御する。これにより、前記実施例と同様に、速度指令
値に応じて周波数を制御し、d軸電流を通常時より大き
めの所定値に制御することが行われるため、零速度域の
トルク不足は解消される。
【0047】前記実施例までは、零速度域において、変
換器出力周波数ω1 を速度指令値ωr *で制御する方式で
あり、負荷トルクが作用すると、電動機の回転速度ωr
はすべり周波数ωs 分だけωr *から低下する。この補償
は、図1の実施例における、d軸およびq軸の電流制御
器出力Δd,Δqを用いて、零速度域のすべり周波数を
推定し、該すべり推定値を周波数指令値に加算すること
により行うことができる。
【0048】図7はこの実施例の構成を示す。図1の速
度センサレスベクトル制御装置に、零速度域のすべり補
償を適用した例である。図において、1〜16は図1の
ものと同一物である。18は、d軸およびq軸の電流制
御器出力Δd,Δqと、出力周波数指令値ω1 **を用い
て零速度域のすべり周波数推定値ωs^を求めるすべり
推定器であり、19は、信号ωr *と18の出力値である
ωs^の加算値ω1 *** を出力する加算器である。切り替
え器9の出力ω1 ** は、零速度域では、ωr *+ωs
に、それ以外ではωr *+ωs *に一致する。すべり推定器
18の構造を図8を用いて説明する。
【0049】すべり推定器18に入力された信号ω1 **
は、電動機の速度起電力定数181が乗算され、その乗
算値と信号Δqが加算器182に入力される。更に、信
号Δdと加算器182の出力信号は、除算器183に入
力される。除算器183の出力信号に電動機の2次時定
数の逆数(1/T2 *)を乗算し、信号ωs^を出力する。
【0050】次に、本実施例の特徴的な構成であるすべ
り推定器18のもたらす効果について説明する。電動機
のd軸およびq軸の電圧指令値Vd **,Vq **、および、
電動機のd軸およびq軸の電圧Vd ,Vq は、それぞれ
(数9),(数10)で示される。
【0051】
【数9】 Vd **=r1*id**−ω1 **Lσ*iq*+Δd Vq **=r1*iq*+ω1 **Lσ*id** +ω1 **(M*/L2 *2d *+Δq …(数9)
【0052】
【数10】 Vd =r1id−ω1Lσiq−ω1(M/L22q q =r1iq+ω1Lσid+ω1(M/L22q …(数10) 零速度域では、(9),(10)式において、q軸電流i
q を0に制御していることから、iq・r1=0 、また
同式の第2項は、第3項に比べて小さく、例え、Lσ*
≠Lσであっても無視できる。ここで、(9式)=(1
0式)の関係より、d軸およびq軸の電流制御器出力Δ
d,Δqは(数11)で示される。
【0053】
【数11】 Δd=(r1−r1*)id−ω1(M/L22q Δq=ω1(M/L22d−ω1 **(M*/L2 *2d * …(数11) よって、d軸電流制御器の出力Δdには、q軸磁束φ2q
による速度起電力eq(=ω1(M/L22q)が現れる。
一方、Δqに速度起電力基準値[ω1 **(M*/L2 *
2d *]を加算すると、電動機のd軸磁束φ2d に関係した
速度起電力ed(=ω1(M/L22d)が得られる。
【0054】また、前述のように、id:所定値,iq=
0に制御した場合、d,q軸の磁束φ2d,φ2qと電動機
のすべり周波数ωs の関係は(数12)で示される。
【0055】
【数12】 ωs =1/T2 *(−φ2q/φ2d) =1/T2 *(ed/eq) …(数12) そこで、(数13)で示す演算を行うことにより、電動機
のすべり周波数ωs^を演算することができる。
【0056】
【数13】 ωs^=1/T2 *{Δd/(Δq+ω1 **(M*/L2 *2d *)} …(数13) (数13)で求めた信号ωs^を速度指令値ωr *に加算し
て、出力周波数指令値ω1 ** を制御すれば、負荷トルク
による回転速度の低下を補償でき、高精度な速度制御を
行うことができる。
【0057】また、上記Δd,Δqの代わりに、電圧指
令値Vd **から抵抗基準値r1・idを差し引いてed
(=−ω1(M/L22q)を求め、Vq ** から非干渉基
準値(ω1 **Lσ*id**)を差し引き、ω1 **(M*/L2 *)
φ2d *を加算してeq^(=ω1(M/L22d)を求め
て、(14)式で示す演算を行うことにより、ωs^を
演算することもできる。
【0058】
【数14】 ωs^=1/T2 *{ed^/eq^} …(数14) すなわち、電圧指令値から2次磁束φ2d,φ2qに関係す
るd,q軸の速度起電力(ed,eq)を検出して、その
比に基づいてすべり周波数ωs^ を演算し、演算値ωs
^ を用いて周波数指令値を修正(ω1 **=ωr *+ω
s^)することにより回転速度の低下を補償する。
【0059】図9は本発明の他の実施例を示す。本実施
例は、速度推定値ωr^ をq軸電流制御器6′の出力よ
り得る方式の速度センサレスベクトル制御装置に、零速
度域のすべり補償を適用した例である。図において、1
〜3,5,7,9〜14,16,19は図7のものと同
一物である。6′はiq*とiqの偏差に応じてωr^を出
力するq軸電流制御器、8′はωr^とωs *を加算し、
信号ω1 * を出力する加算器、18′はVq *とΔdによ
りωs^を出力するすべり推定器である。
【0060】本実施例では、q軸電圧基準値=q軸電圧
(Vq *=Vq)の関係から、(数6の2行目)=(数10の
2行目)であり、零速度域では、q軸電流iqを0に制御
していることから、iq ・r1=0、また同式の第2項
は、第3項に比べて小さく、例え、Lσ*≠Lσであっ
ても無視できる。つまり、Vq *=Eq(=ω1(M/L2
2d)となる。Δdは、前実施例と同様なので、Vq *とΔ
dの比によりすべり周波数推定値ωs^を演算すること
ができる。すなわち、図10に示す構成でωs^を演算
することができ、ωs^を用いて周波数指令値を修正
(ω1 **=ωr *+ωs^)すれば、前記実施例と同様に動
作し、同様の効果が得られることは明らかである。
【0061】図11は、本発明の他の実施例を示す。本
実施例は、信号ω1 *をq軸電流制御器6″の出力より得
る方式の速度センサレスベクトル制御装置に、零速度域
のすべり補償を適用した例である。図において、1〜
3,5,7,9〜14,16,19は図7のものと同一
物である。
【0062】6″はiq*とiqの偏差に応じてω1 *を出
力するq軸電流制御器、8″はω1 *からωs *を減算し、
速度推定値ωr^ を求め速度制御器5にフィードバック
する減算器、18′はVq *とΔdによりωs^ を出力す
るすべり推定器である。本実施例でも図9の実例と同様
に、図10に示す構成でωs^ を演算することができ、
ωs^ を用いて周波数指令値を修正(ω1 **=ωr *+ωs
^)すれば、前記実施例と同様に動作し、同様の効果が
得られることは明らかである。
【0063】図12は、本発明の他の実施例を示す。本
実施例は、速度制御器を備えない速度センサレスベクト
ル制御装置に、零速度域のすべり補償を適用した例であ
る。図において、構成要素の1〜3,10〜14,16
は図7のものと同一物である。7′はq軸電流値iq に
基づいてすべり周波数基準値ωs *を求めるすべり周波数
演算器、18′はVq * とΔdによりωs^を出力するす
べり推定器である。本実施例でも図11の実例と同様
に、図10に示す構成でωs^ を演算することができ、
ωs^ を用いて周波数指令値を修正(ω1 **=ωr *+ωs
^)すれば、前記実施例と同様に動作し、同様の効果が
得られることは明らかである。
【0064】前記実施例までは、零速度域において、d
軸電流値id を負荷トルクに関係なく一定に制御する方
式であったが、軽負荷時には運転効率が低下する。そこ
で、演算したすべり推定値ωs^ によりd軸電流指令値
id** を修正することにより、軽負荷時の運転効率を向
上させる。
【0065】図13は、この実施例の構成を示す。本実
施例は、図7の速度センサレスベクトル制御装置に、d
軸電流指令値の修正補償を適用した例である。図におい
て、1〜10,12〜16,18,19は図7のものと
同一物である。
【0066】すべり推定器18の出力信号ωs^ はd軸
電流指令器11′において、関数発生器115に入力さ
れる。関数発生器115では、ωs^ を用いて、負荷ト
ルクに見合うd軸電流指令修正ゲインを演算する。乗算
器116では、d軸電流指令基準id*と関数発生器11
5の出力信号が入力され、出力信号id** が演算され
る。
【0067】次に、本発明の特徴的な構成であるd軸電
流指令器11′のもたらす効果について説明する。零速
度域では、id:所定値,iq=0に制御した場合、d軸
およびq軸の電流制御器出力Δd,Δqの比に基づい
て、負荷トルクに見合った電動機のすべり周波数ωs
推定することができた。この推定値ωs^を用いて、
(数15)で示す演算を行うことにより、負荷トルクに
見合ったd軸電流指令値を演算することができる。
【0068】
【数15】 id**=F(ωs^)id* …(数15) ただし、F(ωs^)は、ωs^=0のとき、F(ωs^)=
1 ωs^>0のとき、F(ωs^)>1 となるような、任意の関数。
【0069】(数15)で求めたd軸電流指令値id**
を用いれば、 無負荷(ωs^=0)では、id**=id* 負荷時(ωs^>0)では、id**>id* となり、負荷トルク(すべり周波数推定値ωs^)に応じ
てd軸電流指令値が修正されるため、軽負荷時の運転効
率を高くすることができる。
【0070】また、本実施例では、関数F(ωs^)によ
り、id** を直接修正しているが、関数F(ωs^)に応
じて、図7に示すΔid を修正することを行ってもその
効果は同様である。
【0071】図14は、本発明の他の実施例を示す。本
実施例は、速度推定値ωr^ をq軸電流制御器6′の出
力より得る方式の速度センサレスベクトル制御装置に、
d軸電流指令値の修正補償を適用した例である。図にお
いて、1〜3,5,6′,7,8′9〜10,12〜1
4,16,18′,19は図9のものと同一物である。
【0072】11′は信号ωs^に応じて信号id**を修
正するd軸電流指令器である。本実施例でも、前記実施
例と同様に動作し、同様の効果が得られることは明らか
である。
【0073】図15は、本発明の他の実施例を示す。本
実施例は、信号ω1 *をq軸電流制御器6″の出力より得
る方式の速度センサレスベクトル制御装置にd軸電流指
令値の修正補償を適用した例である。図において、1〜
3,5,6″,7,8″,9〜10,12〜14,1
6,18′,19は図11のものと同一物である。1
1′は信号ωs^に応じて信号id**を修正するd軸電流
指令器である。本実施例でも、前記実施例と同様に動作
し、同様の効果が得られることは明らかである。
【0074】図16は、本発明の他の実施例を示す。本
実施例は、速度制御器を備えない速度センサレスベクト
ル制御装置に、d軸電流指令値の修正補償を適用した例
である。図において、構成要素の1〜3,7′,10〜
14,16,18′は図6のものと同一物である。1
1′は信号ωs^に応じて信号id**を修正するd軸電流
指令器である。本実施例でも、前記実施例と同様に動作
し、同様の効果が得られることは明らかである。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、零速度域においてもト
ルク不足を生じず、高精度,高効率な誘導電動機の速度
制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、導電動機の速度制御
装置の制御回路構成図である。
【図2】図1の装置における速度推定器の演算内容の説
明図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図8】図7の装置におけるすべり推定器の演算内容の
説明図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図10】図9の装置におけるすべり推定器の演算内容
の説明図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速
度制御装置の制御回路構成図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速
度制御装置の制御回路構成図である。
【図13】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速
度制御装置の制御回路構成図である。
【図14】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速
度制御装置の制御回路構成図である。
【図15】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速
度制御装置の制御回路構成図である。
【図16】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速
度制御装置の制御回路構成図である。
【符号の説明】
1…誘導電動機、2…電力変換器、3…座標変換器、4
…速度推定器、5…速度制御器、6…q軸電流制御器、
9…切り替え器、11…d軸電流指令器、12…d軸電
流制御器、13…電圧演算器、16…座標変換器、18
…すべり推定器。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のd軸(磁束軸相
    当)の電流指令値およびq軸の前記電流指令値に従い、
    前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え
    た誘導電動機の速度制御装置において、速度指令値ある
    いは速度推定値が所定値以下の場合は、d軸電流を通常
    時の値以上に制御することを特徴とする誘導電動機の速
    度制御方法。
  2. 【請求項2】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のd軸(磁束軸相
    当)の電流指令値およびq軸の前記電流指令値に従い、
    前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え
    た誘導電動機の速度制御装置において、速度指令値ある
    いは速度推定値が所定値以下の場合は、d軸電流を通常
    時の値以上に制御すると共に、q軸電流を所定値以下に
    制限するようにしたことを特徴とする誘導電動機の速度
    制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の制御方法において、前
    記q軸電流指令値の所定値を零とすることを特徴とする
    誘導電動機の速度制御法。
  4. 【請求項4】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のq軸の電流指令
    値に従い、前記電力変換器の出力電流を制御する電流制
    御器を備えた誘導電動機の速度制御装置において、速度
    指令値あるいは速度推定値が所定値以下の場合は、前記
    速度偏差によらずq軸電流を所定値以上に制御すること
    を特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  5. 【請求項5】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のd軸(磁束軸相
    当)の電流指令値およびq軸の前記電流指令値に従い、
    前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え
    た誘導電動機の速度制御装置において、速度指令値ある
    いは速度推定値が所定値以下の場合は、周波数指令値の
    演算に速度推定値の代わりに速度指令値を用いるように
    したことを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  6. 【請求項6】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のd軸(磁束軸相
    当)の電流指令値およびq軸の前記電流指令値に従い、
    前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え
    た誘導電動機の速度制御装置において、速度指令値ある
    いは速度推定値が所定値以下の場合は、d軸電流を通常
    時の励磁電流値以上に制御すると共に、周波数指令値の
    演算に速度推定値の代わりに速度指令値を用いるように
    したことを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  7. 【請求項7】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のq軸の電流指令
    値に従い、前記電力変換器の出力電流を制御する電流制
    御器を備えた誘導電動機の速度制御装置において、速度
    指令値あるいは速度推定値が所定値以下の場合は、q軸
    電流を所定値以上に制御すると共に、周波数指令値の演
    算に速度推定値の代わりに速度指令値を用いるようにし
    たことを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  8. 【請求項8】誘導電動機を駆動する電力変換器と、回転
    磁界座標系のd軸の電流指令値に従い、前記変換器の出
    力電流を制御する電流制御器と、d軸およびq軸の電流
    検出値あるいは指令値および前記変換器の出力周波数指
    令値に基づいて変換器の出力電圧基準値を演算する電圧
    演算器を備え、速度指令値に応じて変換器の出力周波数
    を制御する誘導電動機の速度制御装置において、速度指
    令値が所定値以下の場合、d軸電流を所定値以上に制御
    することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  9. 【請求項9】誘導電動機を駆動する電力変換器と、電流
    指令値に従い該変換器の出力電流を制御する電流制御器
    を備え、速度指令値に従い前記電力変換器の出力周波数
    を制御する誘導電動機の速度制御装置において、 前記誘導電動機の電圧値に基づいて電動機のすべり周波
    数推定値を演算し、前記速度指令値に該すべり周波数推
    定値を加算し、該加算値に応じて前記変換器の出力周波
    数を制御することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  10. 【請求項10】誘導電動機を駆動する電力変換器と、回
    転座標系のd軸およびq軸の電流指令値に従い、前記変
    換器の出力電流を制御する電流制御器を備え、速度指令
    値に従い、前記電力変換器の出力周波数を制御する誘導
    電動機の速度制御装置において、前記電流制御器の出力
    値に基づいて前記誘導電動機のすべり周波数推定値を演
    算し、前記速度指令値に該すべり周波数指令値を加算
    し、該加算値に応じて前記変換器の出力周波数を制御す
    ることを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  11. 【請求項11】請求項10の制御方法において、前記す
    べり周波数推定値の演算は、前記d軸電流制御器の出力
    値と、前記q軸電流制御器の出力値との比に基づいて行
    うことを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  12. 【請求項12】請求項9〜11の制御方法は、前記速度
    指令値あるいは速度推定値が所定値以下の場合に実施す
    ることを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  13. 【請求項13】請求項9〜11の制御方法において、前
    記電流指令値は所定値に制御することを特徴とする誘導
    電動機の制御方法。
  14. 【請求項14】請求項10の制御方法において、d軸電
    流指令値は所定値に、q軸電流指令値は零に制御するこ
    とを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  15. 【請求項15】誘導電動機を駆動する電力変換器と、電
    流指令値に従い該変換器の出力電流を制御する電流制御
    器を備え、速度指令値に従い前記電力変換器の出力周波
    数を制御する誘導電動機の速度制御装置において、 前記誘導電動機の電圧値に基づいて電動機のすべり周波
    数推定値を演算し、該すべり周波数推定値に応じて、前
    記電流指令値を修正するようにしたことを特徴とする誘
    導電動機の制御方法。
  16. 【請求項16】誘導電動機を駆動する電力変換器と、回
    転座標系のd軸およびq軸の電流指令値に従い、前記電
    力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え、速度
    指令値に応じて前記電力変換器の出力周波数を制御する
    誘導電動機の速度制御装置において、前記電流制御器の
    出力値に基づいて前記誘導電動機のすべり周波数推定値
    を演算し、該すべり周波数推定値に応じて、前記電流指
    令値を修正するようにしたことを特徴とする誘導電動機
    の制御方法。
  17. 【請求項17】請求項16において、前記すべり周波数
    推定値の演算は、前記d軸電流制御器の出力値と、前記
    q軸電流制御器の出力値との比に基づいて行うことを特
    徴とする誘導電動機の制御方法。
  18. 【請求項18】請求項15〜16の制御方法は、前記速
    度指令値あるいは速度推定値が所定値以下の場合に実施
    することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  19. 【請求項19】請求項16の制御方法において、前記d
    軸電流指令値を前記すべり周波数推定値に応じて修正
    し、q軸電流指令値は零に制御することを特徴とする誘
    導電動機の制御方法。
  20. 【請求項20】誘導電動機を駆動する電力変換器と、回
    転磁界座標系のd軸の電流指令値に従い該変換器の出力
    電流を制御する電流制御器と、d軸およびq軸の電流検
    出値あるいは指令値および前記変換器の出力周波数指令
    値に基づいて、変換器の出力電圧基準値を演算する電圧
    演算器を備え、速度指令値に応じて前記電力変換器の出
    力周波数を制御する誘導電動機の速度制御装置におい
    て、 前記電圧演算器の出力値に基づいて電動機のすべり周波
    数推定値を演算し、前記速度指令値に該すべり周波数推
    定値を加算し、該加算値に応じて前記変換器の出力周波
    数を制御することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
  21. 【請求項21】誘導電動機を駆動する電力変換器と、回
    転磁界座標系のd軸の電流指令値に従い該変換器の出力
    電流を制御する電流制御器と、d軸およびq軸の電流検
    出値あるいは指令値および前記変換器の出力周波数指令
    値に基づいて、変換器の出力電圧基準値を演算する電圧
    演算器を備え、速度指令値に応じて前記電力変換器の出
    力周波数を制御する誘導電動機の速度制御装置におい
    て、 前記電圧演算器の出力値に基づいて電動機のすべり周波
    数推定値を演算し、該すべり周波数推定値に応じて、前
    記d軸の電流指令値を修正するようにしたことを特徴と
    する誘導電動機の制御方法。
  22. 【請求項22】請求項20〜21において、前記すべり
    周波数推定値の演算は、前記電圧演算器のd軸出力値と
    q軸出力値の比に基づいて行うことを特徴とする誘導電
    動機の制御方法。
  23. 【請求項23】請求項20〜21の制御方法は、前記速
    度指令値が所定値以下の場合に実施することを特徴とす
    る誘導電動機の制御方法。
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