JP3891103B2 - 誘導電動機の速度制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導電動機の速度制御方法に係り、特に電動機取り付けの速度センサが不要で低速度域から高トルクが得られる誘導電動機の速度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベクトル制御を用いた誘導電動機の速度制御方法においては、誘導電動機の実回転速度を速度センサにより検出し、検出された実回転速度とすべり周波数指令値の加算値に応じて電力変換器の出力周波数を制御する方法が一般的である。一方、奥山、他「速度、電圧センサレスベクトル制御における制御定数設定誤差の影響とその補償」電学論D、110、447(平2−5)は速度センサレスベクトル制御について述べている。この速度センサレスベクトル制御では、速度センサによる実回転速度の検出を行わず、実回転速度の代わりに、誘導電動機の回転速度を推定した速度推定値に基づいて電力変換器の出力周波数を制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記文献に記載された速度センサレスベクトル制御では、速度推定値に推定誤差が含まれるため、誘導電動機の実すべり周波数はすべり周波数指令値から変動するようになる。このとき、電動機磁束はトルク変化に応じて変動(減少)するようになり、その結果、電動機発生トルクがトルク電流に比例しなくなり、極度の場合はトルク不足が生じる。
【0004】
速度推定値の推定誤差の原因としては、速度推定値の演算に用いる電動機定数(1次抵抗および2次抵抗)の設定誤差、並びにこれを1次原因として2次的に発生する電動機磁束の変動が挙げられる。従来はこの誤差原因を補償する十分な方法がなく、特に誘導電動機の回転速度が低い場合(以下、低速度域と呼ぶ)にトルク不足が生じていた。
【0005】
本発明の目的は、低速度域において電動機トルクを増大させることができ、かつ急激な負荷トルクが加わった場合に発生する電動機トルクの振動を抑制することができる誘導電動機の速度制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する第1の発明の特徴は、速度指令値、或いは速度推定値の絶対値が設定値未満の場合は、q軸電流指令値を実質的に零にし、かつ周波数指令値として、前記速度指令値と前記速度推定値との偏差が増加傾向の場合は前記偏差に基づいて前記速度指令値を増加した値を用い、前記偏差が減少傾向の場合は前記偏差に基づいて前記速度指令値を減少した値を用いることにある。
【0007】
トルク不足が問題となる低速度域において、速度指令値に基づいて求められた周波数指令値により誘導電動機の速度を制御することにより、誘導電動機に発生するトルクを増大できる。
【0008】
また、q軸電流指令値を実質的に零にすることにより、誘導電動機の回転速度を精度良く推定することができ、回転速度と速度推定値との誤差を小さくすることができる。しかし、q軸電流を実質的に零にすると、急激な負荷トルクが加わった場合に、回転速度が振動する。ここで速度指令値と速度推定値との偏差をとると、前述したように速度推定値と回転速度とは誤差が小さいため、回転速度の振動成分が得られる。その振動成分、つまり速度推定値と速度指令値との偏差が増加傾向の場合は、回転速度が減少傾向にあるので、前述の偏差に基づいて増加した速度指令値を周波数指令値とすることにより、誘導電動機の回転速度を増加することができる。また、速度推定値と速度指令値との偏差が減少傾向の場合、すなわち回転速度が増加傾向にある場合は、前記偏差に基づいて減少した速度指令値を周波数指令値とすることにより、誘導電動機の回転速度を減少することができる。このように、回転速度が振動する場合において、回転速度が減少傾向のときには回転速度を増加させ、逆に回転速度が増加傾向のときには回転速度を減少させることにより、低速度域において急激な負荷トルクが加わった場合に発生する回転速度の振動を抑制することができる。更に、回転速度の振動を抑制することによって電動機トルクの振動も抑制することができる。
【0009】
上記目的を達成する第2の発明の特徴は、速度指令値、或いは速度推定値の絶対値が設定値未満の場合は、q軸電流指令値を実質的に零にし、かつ周波数指令値として、前記速度指令値に前記速度指令値と前記速度推定値との偏差の微分値を加算して得られる値を用いることにある。
【0010】
本発明も上記第1の発明と同様に、誘導電動機に発生するトルクを増大できる。また、q軸電流指令値を実質的に零にすることにより、誘導電動機の回転速度を精度良く推定することができ、回転速度と速度推定値との誤差を小さくすることができる。しかし、上記第1の発明と同様に、急激な負荷トルクが加わった場合に回転速度が振動する。ここで速度指令値と速度推定値との偏差をとると、前述したように速度推定値と回転速度とは誤差が小さいため、回転速度の振動成分が得られる。その速度推定値と速度指令値との偏差(振動成分)の微分値と速度指令値を加算した値を周波数指令値とすることにより、前記偏差が増加傾向のとき、すなわち回転速度が減少傾向のときには回転速度を増加させ、逆に前記偏差が減少傾向のとき、すなわち回転速度が増加傾向のときには回転速度を減少させることができる。このように、回転速度が振動する場合において、回転速度が減少傾向のときには回転速度を増加させ、逆に回転速度が増加傾向のときには回転速度を減少させることにより、低速度域において急激な負荷トルクが加わった場合に発生する回転速度の振動を抑制することができる。また、回転速度の振動を抑制することによって電動機トルクの振動も抑制することができる。更に、微分値を用いることにより、回転速度が減少傾向のときには回転速度を増加させ、逆に回転速度が増加傾向のときには回転速度を減少させることが容易に行える。
【0011】
上記目的を達成する第3の発明の特徴は、前記絶対値が前記設定値未満の場合は、前記d軸電流指令値を増加することにある。
【0012】
低速度域においてq軸電流指令値を実質的に零にしたために小さくなった一次電流を、d軸電流指令値を増加することにより大きくできるので、誘導電動機に大きな一次電流を供給することができる。従って、低速度域において誘導電動機に発生するトルクを更に増大できる。
【0013】
上記目的を達成する第4の発明の特徴は、前記絶対値が前記設定値未満の場合は、前記周波数指令値として、前記偏差に基づいて演算されたすべり周波数推定値、前記速度指令値および前記微分値の加算により得られた値を用いることにある。
【0014】
精度良く求められた速度推定値と速度指令値との偏差に基づいてすべり周波数推定値を演算するため、すべり周波数推定値は精度良く求められる。従って、低速度域においてもすべり周波数を考慮した誘導電動機の制御が可能となり、低速度域において誘導電動機に発生するトルクを増大できる。
【0015】
上記目的を達成する第5の発明の特徴は、前記絶対値が前記設定値未満から前記設定値に達したときは、前記q軸電流指令値として前記すべり周波数推定値に基づいて得られる値を出力すると共に、前記d軸電流指令値を減少することにある。
【0016】
速度指令値或いは速度推定値の絶対値が設定値に達した場合にすべり周波数推定値に基づいてq軸電流指令値を求めることにより、低速度域において発生していたトルクと同等なトルクを、誘導電動機の速度が低速度域より大きくなったときにも発生させることができる。従って、誘導電動機の速度が低速度域から低速度域より大きい速度になった場合の切り替えが、円滑に行われる。
【0017】
また、q軸電流の発生に伴ってd軸電流指令値を減少させることにより、必要以上の電流が誘導電動機に流れることを防止でき、低速度域からの速度上昇に要する電力消費量を低減できる。
【0018】
上記目的を達成する第6の発明の特徴は、前記q軸電流指令値は、前記d軸電流指令値の減少に応じて増加することにある。
【0019】
d軸電流指令値の減少に応じてq軸電流指令値を増加することにより、d軸電流の減少に伴う磁束の減少に起因したトルクの減少を防止できる。
【0020】
上記目的を達成する第7の発明の特徴は、前記q軸電流指令値の増加は、前記絶対値が前記設定値未満の時のd軸電流指令値と、前記絶対値が前記設定値以上になったときのd軸電流指令値との比に基づいて行うことにある。
【0021】
d軸電流の減少に比例して誘導電動機における磁束は減少し、磁束の減少に比例してトルクも減少する。また、トルクはq軸電流にも比例する。このため、速度指令値或いは速度推定値の絶対値が設定値未満の時のd軸電流指令値と、速度指令値或いは速度推定値の絶対値が設定値以上になったときのd軸電流指令値との比に基づいてq軸電流指令値を増加することにより、磁束の減少によるトルクの減少を更に抑制できる。
【0022】
上記目的を達成する第8の発明の特徴は、前記絶対値が前記設定値以上の場合は、前記q軸電流指令値を、誘導電動機における過電流の発生を防止するq軸電流指令制限値以下に制限することにある。
【0023】
q軸電流指令値の増加を制限することにより、誘導電動機における過電流を防止することができる。
【0024】
上記目的を達成する第9の発明の特徴は、前記周波数指令値から求められた位相を補正し、前記電力変換器は、前記周波数指令値、前記q軸電流指令値、および前記d軸電流指令値に基づいて得られたd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値と、前記補正された位相とに基づいて制御されることにある。
【0025】
位相を補正することにより、トルク不足を軽減できる。具体的には、d軸(制御軸)とm軸(磁束軸)との位相差を調節することができるため、トルク不足を軽減できる。
【0026】
上記目的を達成する第10の発明の特徴は、前記絶対値が前記設定値以上の場合は、前記絶対値が前記設定値となった時のd軸電流値と、前記すべり周波数推定値に基づいて求められたq軸電流指令値とに基づいて求められた補正角を用いて、前記位相の補正を行うことにある。
【0027】
誘導電動機の速度が、低速度域から低速度域以上へ上昇した場合に、トルク不足を軽減できる。具体的には、誘導電動機の速度が低速度域から低速度域以上に変化する際に、d軸とm軸の位相差を調節することにより、トルク不足をより軽減できる。
【0028】
上記目的を達成する第11の発明の特徴は、前記絶対値が前記設定値未満の場合は、前記絶対値が前記設定値となった時のd軸電流値と、前記q軸電流指令値とに基づいて求められた補正角を用いて前記位相の補正を行うことにある。
【0029】
誘導電動機の速度が、低速度域以上から低速度域へ下降した場合に、トルク不足を軽減できる。具体的には、誘導電動機の速度が低速度域以上から低速度域へ下降する際に、d軸とm軸の位相差を調節することにより、トルク不足をより軽減できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明の好適な一実施例である誘導電動機の速度制御装置を示す。本実施例の誘導電動機1は、電力変換器2より出力される3相交流電力により制御される。電流検出器20は、電力変換器2から出力される電流iu、iwを検出する。電流検出器20で検出された電流iu、iwは位相信号θ′と共に、座標変換器3に入力される。座標変換器3は入力された電流iu、iw、及び信号θ′を用いて電流iu、iwの座標変換を行い、d軸電流信号Id、及びq軸電流信号Iqを演算する。速度推定器4は信号Iq、及びq軸電圧指令信号Vq**を用いて、(数1)に従い、誘導電動機1の速度推定信号ωr∧を演算する。
【0032】
【数1】
Figure 0003891103
【0033】
ここで、Lσ*は漏れインダクタンスの設定値、Rσ*は抵抗設定値(1次抵抗と2次抵抗の和)、Toは速度推定器4の1次遅れ時定数である。
【0034】
速度制御器5は、加算器21で求められた、信号ωr∧と速度指令信号ωr*との偏差信号、信号Id、関数器113の出力信号Ga2およびすべり周波数推定信号ωs*∧を入力し、q軸電流指令信号Iq* を出力する。なお、すべり周波数推定信号ωs*∧は、加算器21で求められた、信号ωr∧と信号ωr* との偏差信号に基づいてすべり周波数推定器9により求められる。
【0035】
速度制御器5の構成を図2を用いて詳細に説明する。速度制御器5に入力された、信号ωr∧と信号ωr* との偏差信号は、加算器501および積分回路502に入力される。積分回路502は、入力された偏差信号を積分して加算器501に出力する。加算器501は、入力された偏差信号とその積分信号とを加算し、その加算値を係数器503に出力する。係数器503は、入力された加算値に係数Kpをかけ、信号Iq1*として加算器504に出力する。なお、信号Iq1*は信号Ga2がGa2=1の間は0とする。
【0036】
一方、速度制御器5に入力された信号ωs*∧は乗算器505において、設定器506の出力である(Id**・T2)が乗算され、その乗算結果は信号Iq0*として出力される。ホールド回路507には、信号Ga2と信号Iq0*が入力され、入力された信号Ga2がGa2=1からGa2≠1になるときに、Ga2≠1となる直前の信号Iq0*を保持する。すなわち、低速度域以外(Ga2≠1)では、Ga2≠1となる直前の信号Iq0*を出力し続ける。ホールド回路507から出力された信号Iq0*は加算器504に入力される。
【0037】
加算器504では、信号Iq1*と信号Iq0*とを加算し、その加算結果を除算器508に出力する。信号Iq1*は前述したように信号Ga2がGa2=1の間は0であるため、信号Ga2がGa2≠1となった瞬間には、加算器508の出力は信号Iq0*となる。すなわち信号Iq0*は信号Ga2がGa2≠1である速度領域における、加算器504の出力の初期値である。
【0038】
除算器508には、設定器509から出力された(Id**/Id**max)も入力され、信号Iq1*と信号Iq0*との加算値を(Id**/Id**max)で除算する。ここでId**max は信号Ga2がGa2=1のときのd軸電流指令信号の値である。この除算結果は、リミット回路510に入力される。リミット回路510には信号Ga2、およびq軸電流制限信号Iq*maxが入力される。信号Iq*maxは、q軸電流制限信号演算器511において信号Idと、設定器513より出力される一次電流制限信号I1maxとに基づいて(数2)により演算される。
【0039】
【数2】
Figure 0003891103
【0040】
リミット回路510は、入力された信号Ga2がGa2=1のときは設定器
512より入力される0を出力し、Ga2≠1となったときに、除算器508の出力をq軸電流指令信号Iq*として出力する。また、リミット回路510は、信号Iq*が信号Iq*maxを越えないように制限する。このようにして求められた信号Iq*および信号Iq0*が速度制御器5から出力される。
【0041】
再び、図1にて速度制御装置の構成を説明する。速度制御器5から出力された信号Iq* は、すべり演算器7、電圧演算器16、及び加算器22に入力される。すべり演算器7は、入力された信号Iq*より、すべり周波数指令信号ωs* を得る。加算器8は信号ωs*と信号ωr∧とを加算して信号ω1* を求め、信号ω1*を切り替え器11に出力する。一方、加算器10は、信号ωr*、信号ωs*∧および微分信号Δωを加算し、その加算結果を信号ω1** として切り替え器11に出力する。なお信号Δωは、信号ωr* と信号ωr∧の偏差を微分したもので、微分演算器25にて演算される。切り替え器11は、信号ωr*も入力する。
【0042】
切り替え器11は、関数器111及び113、乗算器112及び114、及び加算器115を有する。乗算器112は、関数器111の出力信号Ga1と信号ω1*との乗算信号を出力する。乗算器114は、関数器113の出力信号Ga2と信号ω1** との乗算信号を出力する。加算器115は、2つの乗算信号を加算して得られた周波数指令信号ω1***を出力する。この信号ω1***は、位相演算器12、及び電圧演算器16に入力される。
【0043】
図3は、図1に示す関数器111の入出力関係図である。図3に示すように、関数器111の関数は信号ωr*の絶対値が設定値R(第1設定値)の絶対値以下の場合には0、設定値Q(第2設定値)の絶対値より大きい場合には1を出力するように設定されている。本実施例では、設定値Qは速度10%および−10%で、設定値Rは5%および−5%である。図4は、図1に示す関数器113の入出力関係図である。図4に示すように、関数器113の関数は信号ωr*の絶対値が設定値Rの絶対値以下の場合には1、設定値Qの絶対値より大きい場合には0を出力するように設定されている。また、関数器111に設定されている関数と、関数器113に設定されている関数には、信号ωr*の絶対値が設定値Rの絶対値よりも大きく、かつ設定値Qの絶対値以下の範囲において、図3、及び図4に示すように、それぞれに相反する漸増・漸減領域が設けられている。なお、この漸増・漸減領域は切り替えによる急激な変化を抑制するために設けられている。信号Ga1と信号Ga2の関係は(数3)で示される。
【0044】
【数3】
Figure 0003891103
【0045】
信号ω1***は、(数4)で表され、信号ωr*の絶対値が設定値Rの絶対値以下の領域では信号ω1**に等しくなり、信号ωr* の絶対値が設定値Qの絶対値よりも大きな領域では信号ω1*に等しくなる。また、漸増・漸減領域では信号ω1*と信号ω1**の中間値をとる。
【0046】
【数4】
Figure 0003891103
【0047】
図1において、位相演算器12は、信号ω1***を積分して得られる信号θを出力する。この信号θは加算器23に入力される。
【0048】
位相補正器13は、信号Ga2、信号Iq*、信号Iq0* および信号Idを入力し、補正信号δφ∧を出力する。出力された信号δφ∧は加算器23により信号θに加算され、その加算結果は位相信号θ′として出力される。
【0049】
位相補正器13の構造を図5を用いて詳細に説明する。位相補正器13に入力された信号Idと信号Ga2は共にホールド回路131に入力される。ホールド回路131は信号Ga2がGa2=1からGa2≠1へと変化する直前の信号
Idを保持し、信号Id0として出力する。信号Id0は信号Iq0*と共に関数器132に入力される。関数器132では(数5)に基づいて信号δφ0∧ を演算し、加算器135に信号δφ0∧を出力する。
【0050】
【数5】
Figure 0003891103
【0051】
一方、ホールド回路133には、信号Iq* 、信号Idおよび信号Ga2が入力される。ホールド回路133は、信号Ga2がGa2≠1からGa2=1へと変化する直前の信号Iq*および信号Idを保持し、それぞれ信号Iq2* および信号Id2 として関数器134に入力される。関数器134では(数6)に基づいて信号δφ1∧を演算し、加算器135に信号δφ1∧を出力する。
【0052】
【数6】
Figure 0003891103
【0053】
加算器135では、信号δφ0∧から信号δφ1∧を減算し、その減算結果を補正信号δφ∧として出力する。なお、誘導電動機の始動時において、信号Ga2がGa2=1の間は、信号δφ0∧および信号δφ1∧が0となるため、位相補正器13の出力信号δφ∧も0となる。また、信号Ga2がGa2≠1のときには信号δφ1∧が0であるため、信号δφ∧は信号δφ0∧に等しくなる。
【0054】
図1において、d軸電流指令器14は、関数器141、乗算器142、および加算器143を備える。関数器141における入力と出力の関係は関数器113と等しい。乗算器142は、d軸電流付加信号ΔIdに信号Ga3を乗算する。なお、信号ΔIdは正の値を有し、予め設定されている。得られた乗算信号は加算器143において信号Id* と加算され、加算器143は加算結果としてd軸電流指令信号Id**を出力する。すなわちd軸電流指令器14は、信号ωr*の絶対値が設定値Rの絶対値以下の場合に、信号Id* を信号ΔIdの大きさだけ増加した信号Id**を出力し、信号ωr*の絶対値が設定値Qの絶対値より大きい場合に、信号Id*を信号Id**として出力する。また、信号ωr* の絶対値が設定値Rの絶対値より大きく、かつ信号ωr*の絶対値が設定値Qの絶対値以下の場合には、信号Id*を信号ΔIdの大きさだけ増加した値と信号Id*との中間値を信号Id**として出力する。
【0055】
電圧演算器16は、信号Id**、速度制御器5から出力された信号Iq* 、及び信号ω1***に基づいて、信号Vd*、及び信号Vq*を出力する。これらの信号は(数7)の演算によって得られる。
【0056】
【数7】
Figure 0003891103
【0057】
ここで、R1*は1次抵抗設定値、Lσ*はインダクタンスの設定値、M*は相互インダクタンス設定値、L2*は2次側インダクタンス設定値、φ2d* はd軸2次磁束設定値である。
【0058】
電圧演算器16から出力された信号Vd*およびVq*は演算誤差を含んでいる。そのため、加算器17および18において、d軸電流制御器15、及びq軸電流制御器6で演算されたd軸電圧補正信号Δdおよびq軸電圧補正信号Δqを加算することにより、信号Vd*およびVq*の演算誤差を補正し、d軸電圧指令信号Vd**およびq軸電圧指令信号Vq**を出力する。なお、信号Δdは、加算器24から出力された、信号Id**と信号Idとの偏差信号に応じて、d軸電流制御器15で求められる。また、信号Δqは、加算器22から出力された、信号
Iq*と信号Iqとの偏差信号に応じて、q軸電流制御器6で求められる。
【0059】
座標変換器19は、信号θ′を用いて信号Vd**、及び信号Vq**の座標変換を行い、3相の出力電圧指令信号v1*を出力する。電力変換器2は、信号v1*に比例した電圧を出力し、誘導電動機1を制御する。
【0060】
次に、本実施例の特徴的な構成である速度制御器5、d軸電流指令器14、切り換え器11、位相補正器13および微分演算器25のもたらす効果について詳細に説明する。
【0061】
速度制御器5は、前述したように低速度域ではq軸電流指令信号Iq* として0を出力するためq軸電流は0に制御され、速度推定信号ωr∧ は、推定誤差の原因である抵抗値の設定誤差の影響を受けなくなる。すなわち、(数1)に示すように、速度推定信号ωr∧ の演算において抵抗値はq軸電流値と乗算されるため、q軸電流を0に制御することによって、抵抗値の設定誤差の影響を受けなくなる。従って、低速度域においても速度推定信号ωr∧が精度良く演算される。
【0062】
また、速度制御器5において、信号Ga2がGa2≠1となった瞬間には信号Iq*として信号Iq0*が出力される。すなわち、信号Iq0* はGa2≠1となる領域における信号Iq*の初期値となる。この信号Iq0* は、低速度域におけるすべり周波数推定信号ωs*∧に基づいて求められるため、低速度域におけるトルクと同等のトルクをGa2≠1となったときにも発生させることができる。よって、低速度域と、低速度域よりも誘導電動機の速度が大きい領域との切り替えが、円滑に行われる。
【0063】
加えて、速度制御器5では、低速度域におけるd軸電流指令信号(Id**max)と、低速度域よりも誘導電動機の速度が大きい領域におけるd軸電流指令信号
(Id**)との比に基づいてq軸電流指令信号Iq*を増加している。この信号Iq*の増加は、信号Id**の減少に応じて発生する磁束の減少に起因するトルクの減少を、q軸電流を増加することにより抑制するのもである。
【0064】
更に速度制御器5では、信号Iq*の増加を一次電流制限値に基づいて制限しているため、誘導電動機における過電流が防止される。
【0065】
以上説明したように、低速度域において信号Iq* を0にすることにより、速度推定信号ωr∧の推定誤差の問題は解消されるが、q軸電流指令信号Iq*を0とすると、誘導電動機に流れる一次電流が減少してしまう。そこで本実施例では、d軸電流指令器14において信号Id*に信号ΔIdを加えることにより、d軸電流指令信号Id**を増加し、q軸電流指令信号Iq*が0になることによる一次電流の減少を防止している。すなわち、q軸電流指令信号Iq*が減少した分を、d軸電流指令信号Id**を強めることにより補っている。このように、一次電流の不足を防止でき、一次電流の不足が原因となって発生するトルク不足を防止できる。
【0066】
切り換え器11では、低速度域において速度指令信号ωr*、すべり周波数推定信号ωs*∧および微分信号Δωの加算値を、周波数指令信号ω1***として用いている。このことにより、誘導電動機の回転速度は速度指令信号ωr*に従って制御される。このように低速度域においても、すべり周波数を考慮した速度制御を行うため、誘導電動機を速度指令信号ωr*により指令した回転速度で制御することができる。
【0067】
位相補正器13では、補正信号δφ∧が演算され、位相信号θに加算される。低速度域において、前述したようにq軸電流指令信号Iq*を0にする場合は、トルクを出すために、図6(a)に示されるようにd軸(制御軸)とm軸(磁束軸)とに位相差を持たせて制御する。しかしながら、ベクトル制御では、d軸とm軸との位相差を0に制御しなければq軸電流指令信号Iq* に応じたトルクを得ることができない。そのため、低速度域におけるq軸電流指令信号Iq* を0に制御する制御手法(以下、q軸電流指令零制御と呼ぶ)からベクトル制御へと制御手法を変える場合、d軸とm軸との位相差が0となるように、d軸の位相を進める必要がある。従って本実施例では、前述のようにq軸電流指令零制御からベクトル制御へと制御手法が切り替わる際に、位相信号θ′に補正角δφ∧(=δφ0∧)を加算することにより、図6(b)に示すように、d軸とm軸との位相差が0となるようにd軸を進めている。なお、関数器132で演算されるδφ0∧は図6(a)中のδφ0の推定値である。
【0068】
一方、ベクトル制御からq軸電流指令零制御へと制御手法が切り替わる際には、m軸とd軸の位相が一致しているため(図6(c)参照)、d軸の位相を図6(d)に示すように遅らせる必要がある。そこで本発明では、補正信号δφ∧の値を(δφ0∧−δφ1∧)とし、d軸の位相を遅らせている。このように制御手法に応じてd軸とm軸との位相差を調節しているため、トルク不足の発生を防止することができる。
【0069】
微分演算器25は、速度指令信号ωr* と速度推定信号ωr∧の偏差を微分して微分信号Δωを求める。その微分信号Δω、速度指令信号ωr*およびすべり周波数推定信号ωs*∧の加算値がω1** として切り替え器11に入力される。この微分信号Δωにより、急激な負荷トルクが加わった場合に発生する電動機トルクの振動を抑制することができる。以下、その作用について説明する。
【0070】
まず、急激な負荷トルクが加わった場合に電動機のトルクが振動する原理を図7を用いて説明する。図7は、a点において急激な負荷トルクτL が加わった場合の速度指令信号ωr*、回転速度ωr、速度推定信号ωr∧、電動機トルクτmzおよびq軸磁束φ2qを示す。
【0071】
図にも示されるように、急激な負荷トルクτLが加わると、回転速度ωrは、しばらくの間振動する。なお、速度推定信号ωr∧は回転速度ωrの推定値であるので、回転速度ωrと同様に振動する。また、回転速度ωrが振動することにより、電動機に発生する実すべり周波数ωs(図示しない)も振動する。
【0072】
更に、q軸磁束φ2qは(数8)で示されるため、実すべり周波数ωsの振動の影響を受けて図に示すように振動する。なお(数8)において、φ2dはd軸磁束、T2は2次時定数である。
【0073】
【数8】
Figure 0003891103
【0074】
また、電動機のトルクτmは(数9)で示される。
【0075】
【数9】
Figure 0003891103
【0076】
ここで、Pは電動機の極数、Mは相互インダクタンス、L2 は2次側インダクタンスである。前述したように、低速度域ではq軸電流信号Iqは0に制御されるため、低速度域における電動機トルクτmzは(数10)で示される。
【0077】
【数10】
Figure 0003891103
【0078】
すなわち、低速度域における電動機トルクτmzは、q軸磁束φ2qとd軸電流Idの積により発生する。従って電動機トルクτmzも、q軸磁束φ2qの振動の影響により、q軸磁束φ2qと同期した成分で振動する。
【0079】
図8は、b点において急激な負荷トルクτL が加わった場合の、本実施例における速度指令信号ωr*、回転速度ωr、速度推定信号ωr∧、電動機トルクτmzおよびq軸磁束φ2qを示す。本実施例では、低速度域において、微分信号Δω、速度指令信号ωr*およびすべり周波数推定信号ωs*∧の加算値を周波数指令信号ω1***とするため、微分信号Δωの増減により信号ω1***も増減する。すなわち、速度指令信号ωr*と速度推定信号ωr∧ の偏差が増加傾向にあるとき(回転速度ωrが減少傾向のとき)、微分信号Δωは正の値となるため信号ω1*** が増加し、それに伴い回転速度ωr も増加する。逆に、速度指令信号ωr*と速度推定信号ωr∧の偏差が減少傾向にあるとき(回転速度ωrが増加傾向のとき)、微分信号Δωは負の値となるため信号ω1***が減少し、それに伴い回転速度ωr も減少する。このように、微分信号Δωにより信号ω1***を調整することにより、回転速度ωrの振動を抑制することができる。また、回転速度ωrの振動を抑制することによって、図にも示すように、実すべり周波数ωsおよびq軸磁束φ2q の振動を抑制でき、その結果、電動機トルクτmzの振動を抑制することができる。
【0080】
本発明の他の実施例である誘導電動機の速度制御装置を図9を用いて以下に説明する。本実施例は速度推定器を用いずに、q軸電流制御器から速度推定信号を得る速度センサレスベクトル制御を適用した誘導電動機の速度制御装置である。本実施例の構成について、主に図1の実施例の構成と異なる箇所を説明する。
【0081】
本実施例は図1の実施例の速度推定信号に相当する、速度推定相当信号ωr∧をq軸電流指令信号Iq*とq軸電流信号Iqとの偏差信号に基づいてq軸電流制御器6′から得ている。得られた速度推定相当信号ωr∧ は、加算器8′においてすべり周波数指令信号ωs*と加算され、ω1*として出力される。また信号
ωr∧は加算器21に入力され、加算器21では信号ωr∧と信号ωr*との偏差が求められる。なお、図1の実施例ではq軸電流制御器6の出力を信号Vq* の補正に用いていたが、本実施例は前述した構成の違いにより、信号Vq* を補正する必要がなくなった。また、前述したように本実施例では、信号ωr∧ がq軸電流制御器6′から得られるため、図1に示される速度推定器4を備えていない。
【0082】
本実施例においても、速度制御器5、切り替え器11、位相補正器13、d軸電流指令器14および微分演算器25が図1の実施例と同様に動作するため、図1の実施例と同じ作用効果を生じる。
【0083】
本発明の他の実施例である誘導電動機の速度制御装置を図10を用いて以下に説明する。本実施例は、速度推定器を用いずに、q軸電流制御器の出力とすべり周波数指令信号との偏差を速度推定信号とする速度センサレスベクトル制御を適用したものである。本実施例の構成について、主に図1の実施例の構成と異なる箇所を説明する。
【0084】
本実施例では、q軸電流制御器6″の出力である信号ω1*とすべり演算器7の出力であるすべり周波数指令信号ωs*との偏差信号を加算器8″で演算し、加算器8″の出力を速度推定相当信号ωr∧とする。信号ωr∧は加算器21に入力され、加算器21では信号ωr∧と速度指令信号ωr* との偏差が求められる。なお、図1の実施例ではq軸電流制御器6の出力を信号Vq* の補正に用いていたが、本実施例は前述した構成の違いにより、信号Vq* を補正する必要がなくなった。また、前述したように本実施例では、信号ωr∧ が加算器8″において信号ω1*とすべり演算器7の出力であるすべり周波数指令信号ωs*との偏差信号として求められるため、図1に示される速度推定器4を備えていない。
【0085】
本実施例においても、速度制御器5、切り替え器11、位相補正器13、d軸電流指令器14および微分演算器25が図1の実施例と同様に動作するため、図1の実施例と同じ作用効果を生じる。
【0086】
本実施例は、図9の実施例と同様に、速度推定器を用いなくても図1の実施例と同じ作用効果を生じる。
【0087】
以上説明した各実施例では信号ωr*の絶対値と設定値の絶対値との大小関係により関数器111、113、及び142の出力を制御している。しかし、どの実施例においても信号ωr∧ の絶対値と設定値の絶対値との大小関係により、関数器111、113、及び142の出力を制御することで、ほぼ同じような効果を得ることができる。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、トルク不足が問題となる低速度域において、誘導電動機に発生するトルクを増大でき、かつ急激な負荷トルクが加わった場合に発生する電動機トルクの振動を抑制することができる。
【0089】
また本発明によれば、誘導電動機の速度が低速度域から低速度域より大きい速度になった場合の切り替えが、円滑に行われる。
【0090】
更に本発明によれば、誘導電動機における過電流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である誘導電動機の速度制御装置の構成図である。
【図2】図1に示す速度制御器5の構成図である。
【図3】図1に示す関数器111の入出力関係図である。
【図4】図1に示す関数器113の入出力関係図である。
【図5】図1に示す位相補正器13の構成図である。
【図6】図1の実施例における磁束、一次電流、d軸電流およびq軸電流をベクトル表示した図であり、(a)および(d)は低速度域における磁束および一次電流をベクトル表示した図、(b)および(c)は誘導電動機の速度が低速度域以上になったときの磁束および各電流をベクトル表示した図である。
【図7】低速度域において、q軸電流を0としたときに急激な負荷トルクτL が加わった場合の、速度指令信号ωr*、回転速度ωr、速度推定信号ωr∧、電動機トルクτmzおよびq軸磁束φ2qを示す図である。
【図8】低速度域において急激な負荷トルクτL が加わった場合の、本発明における速度指令信号ωr*、回転速度ωr、速度推定信号ωr∧、電動機トルクτmzおよびq軸磁束φ2qを示す図である。
【図9】本発明の他の実施例である誘導電動機の速度制御装置の構成図である。
【図10】本発明の他の実施例である誘導電動機の速度制御装置の構成図である。
【符号の説明】
1…誘導電動機、2…電力変換器、3…座標変換器、4…速度推定器、5…速度制御器、6…q軸電流制御器、7…すべり演算器、9…すべり周波数推定器、11…切り替え器、12…位相演算器、13…位相補正器、14…d軸電流指令器、15…d軸電流制御器、16…電圧演算器、19…座標変換器、25…微分演算器。

Claims (9)

  1. 速度制御手段において速度推定値と速度指令値の偏差からq軸電流指令値を得、前記速度推定値に基づいて得られた周波数指令値,前記q軸電流指令値、及びd軸電流指令値に基づいて電力変換器を制御し、前記電力変換器により誘導電動機を制御する誘導電動機の速度制御方法において、
    前記速度指令値、或いは前記速度推定値の絶対値が設定値未満の場合は、前記q軸電流指令値を実質的に零にすると共に、前記d軸電流指令値を増加させ、かつ前記周波数指令値として、前記速度指令値と前記速度推定値との偏差が増加傾向の場合は前記偏差に基づいて前記速度指令値を増加した値を用い、前記偏差が減少傾向の場合は前記偏差に基づいて前記速度指令値を減少した値を用い、
    前記絶対値が前記設定値未満から前記設定値に達した場合は、
    前記q軸電流指令値として前記すべり周波数推定値に基づいて得られる値を出力すると共に、前記d軸電流指令値を減少することを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  2. 速度制御手段において速度推定値と速度指令値の偏差からq軸電流指令値を得、前記q軸電流指令値と、電力変換器から出力される電流を座標変換して得られるq軸電流値との偏差に基づいて周波数指令値を求め、前記周波数指令値と、前記q軸電流指令値から求められたすべり周波数指令値とに基づいて前記速度推定値を求め、前記周波数指令値,前記q軸電流指令値、及びd軸電流指令値に基づいて前記電力変換器を制御し、前記電力変換器により誘導電動機を制御する誘導電動機の速度制御方法において、
    前記速度指令値、或いは前記速度推定値の絶対値が設定値未満の場合は、前記q軸電流指令値を実質的に零にすると共に、前記d軸電流指令値を増加させ、かつ前記周波数指令値として、前記速度指令値と前記速度推定値との偏差が増加傾向の場合は前記偏差に基づいて前記速度指令値を増加した値を用い、前記偏差が減少傾向の場合は前記偏差に基づいて前記速度指令値を減少した値を用い、
    前記絶対値が前記設定値未満から前記設定値に達した場合は、
    前記q軸電流指令値として前記すべり周波数推定値に基づいて得られる値を出力すると共に、前記d軸電流指令値を減少することを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  3. 速度制御手段において速度推定値と速度指令値の偏差からq軸電流指令値を得、前記速度推定値に基づいて得られた周波数指令値,前記q軸電流指令値、及びd軸電流指令値に基づいて電力変換器を制御し、前記電力変換器により誘導電動機を制御する誘導電動機の速度制御方法において、
    前記速度指令値、或いは前記速度推定値の絶対値が設定値未満の場合は、前記q軸電流指令値を実質的に零にすると共に、前記d軸電流指令値を増加させ、かつ前記周波数指令値として、前記速度指令値に前記速度指令値と前記速度推定値との偏差の微分値を加算して得られる値を用い、
    前記絶対値が前記設定値未満から前記設定値に達した場合は、
    前記q軸電流指令値として前記すべり周波数推定値に基づいて得られる値を出力すると共に、前記d軸電流指令値を減少することを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  4. 前記q軸電流指令値は、前記d軸電流指令値の減少に応じて増加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の誘導電動機の速度制御方法。
  5. 前記q軸電流指令値の増加は、前記絶対値が前記設定値未満の時のd軸電流指令値と、前記絶対値が前記設定値以上になったときのd軸電流指令値との比に基づいて行うことを特徴とする請求項4記載の誘導電動機の速度制御方法。
  6. 前記絶対値が前記設定値以上の場合は、前記q軸電流指令値を、誘導電動機における過電流の発生を防止するq軸電流指令制限値以下に制限することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の誘導電動機の速度制御方法。
  7. 前記周波数指令値から求められた位相を補正し、前記電力変換器は、前記周波 数指令値、前記q軸電流指令値、および前記d軸電流指令値に基づいて得られたd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値と、前記補正された位相とに基づいて制御されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の誘導電動機速度制御方法。
  8. 前記絶対値が前記設定値以上の場合は、前記絶対値が前記設定値となった時のd軸電流値と、前記すべり周波数推定値に基づいて求められたq軸電流指令値とに基づいて求められた補正角を用いて、前記位相の補正を行うことを特徴とする請求項7記載の誘導電動機の速度制御方法。
  9. 前記絶対値が前記設定値未満の場合は、前記絶対値が前記設定値となった時のd軸電流値と、前記q軸電流指令値とに基づいて求められた補正角を用いて前記位相の補正を行うことを特徴とする請求項7記載の誘導電動機の速度制御方法。
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